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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164598
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20241120BHJP
【FI】
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080203
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】白仁田 真
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA04
5E555AA09
5E555AA22
5E555AA77
5E555BA09
5E555BA10
5E555BA27
5E555BB09
5E555BB10
5E555BB27
5E555BC01
5E555CB56
5E555EA03
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 ユーザーの操作支援のために自動的に表示されるソフトキーをユーザーによって活用されやすくする電子機器を得る。
【解決手段】 表示制御部31は、ユーザーの操作支援のためにソフトキーを自動的に表示装置11aで表示するとともに、入力装置11bにより操作が継続して検出されない時間が所定閾値を超えた場合に、表示装置11aの表示モードを通常表示モードから省電力表示モードへ切り替える。そして、表示制御部31は、上述のソフトキーが表示装置11aに表示されている状態では上述の所定閾値を、上述のソフトキーが表示装置11aに表示されていない状態での上述の所定閾値より高く設定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を表示する表示装置と、
ユーザーの操作を検出する入力装置と、
前記ユーザーの操作支援のためにソフトキーを自動的に前記表示装置で表示する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記入力装置により操作が継続して検出されない時間が所定閾値を超えた場合に、前記表示装置の表示モードを通常表示モードから省電力表示モードへ切り替え、
前記省電力表示モードでの前記表示装置の消費電力は、前記通常表示モードでの前記表示装置の消費電力より少なく、
前記表示制御部は、前記ソフトキーが前記表示装置に表示されている状態では前記所定閾値を前記ソフトキーが前記表示装置に表示されていない状態での前記所定閾値より高く設定すること、
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示装置は、前記操作画面を表示するディスプレイパネルと、当該電子機器の動作状態を示すインジケーターとを備え、
前記表示制御部は、前記省電力表示モードの際、(a)ユーザーログイン中であり、かつ前記通常表示モードであれば表示すべき前記ソフトキーがある場合には、前記インジケーターの点灯を禁止し、(b)ユーザーログイン中ではない場合または前記通常表示モードであれば表示すべき前記ソフトキーがない場合には、前記インジケーターの点灯を許可すること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記入力装置に対する前記ユーザーの操作の履歴に基づいて予測されるユーザー所望の設定を入力するために前記ソフトキーを自動的に前記表示装置で表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある複写機では、例えば階層構造のメニューにおいて上位層へ戻るための操作といった無駄な操作の回数がカウントされるともにその無駄な操作が行われた際の最終的に選択された設定が特定され、その回数に基づいて、無駄な操作が多く行われている設定をただちに入力するためのショートカットキーがショートカットキー領域に表示されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-164655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、ユーザーの操作履歴に基づいて予測されるユーザー所望の設定を入力するためのソフトキー(ショートカットキーなど)が自動的に表示される場合、ユーザーがそのソフトキーの存在に気付かない可能性がある。特に、所定時間、ユーザー操作が検出されないときに、省電力のために表示装置が消灯されたり暗くされたりする場合、ユーザーが上述のようなソフトキーの存在に気付かず操作されないまま、表示装置が消灯されたり暗くされたりしてしまい、そのようなソフトキーが活用されない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザーの操作支援のために自動的に表示されるソフトキーをユーザーによって活用されやすくする電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、操作画面を表示する表示装置と、ユーザーの操作を検出する入力装置と、前記ユーザーの操作支援のためにソフトキーを自動的に前記表示装置で表示する表示制御部とを備える。前記表示制御部は、前記入力装置により操作が継続して検出されない時間が所定閾値を超えた場合に、前記表示装置の表示モードを通常表示モードから省電力表示モードへ切り替え、前記省電力表示モードでの前記表示装置の消費電力は、前記通常表示モードでの前記表示装置の消費電力より少ない。そして、前記表示制御部は、前記ソフトキーが前記表示装置に表示されている状態では前記所定閾値を前記ソフトキーが前記表示装置に表示されていない状態での前記所定閾値より高く設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーの操作支援のために自動的に表示されるソフトキーをユーザーによって活用されやすくする電子機器が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1における操作パネル11の一例を示す正面図である。
図3図3は、メインメニュー画面の一例を示す図である。
図4図4は、コピー機能の設定画面の一例を示す図である。
図5図5は、図1に示す電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である画像形成装置の構成を示すブロック図である。当該実施の形態に係る電子機器は、プリンター、複合機などといった画像形成装置である。例えば図1に示すように、当該電子機器は、プリント機能、画像読取機能、およびファクシミリ機能を有する複合機であり、操作パネル11、通信装置21、プリント装置22、画像読取装置23、ファクシミリ装置24、記憶装置25、およびコントローラー26を備える。
【0012】
操作パネル11は、ユーザーに各種情報を呈示する表示装置11a、およびユーザー操作を検出する入力装置11を備える。
【0013】
図2は、図1における操作パネル11の一例を示す正面図である。例えば図2に示すように、操作パネル11の表示装置11aは、操作画面を表示するディスプレイパネル51と、当該電子機器の動作状態を示すインジケーター52とを備える。ディスプレイパネル51は、例えば液晶ディスプレイであり、インジケーター52は、例えばLEDランプである。
【0014】
また、例えば図2に示すように、操作パネル11の入力装置11bは、ハードキー61~65およびタッチパネル66を備える。ハードキー61は、電源キーであり、ハードキー62は、スタートキーであり、ハードキー63は、ストップ/クリアキーであり、ハードキー64は、テンキーであり、ハードキー65は、ログアウトキーを示す。タッチパネル56は、表示装置11aの表示面に配置されており、ディスプレイパネル51に表示されるソフトキーへの操作を検出する。
【0015】
図1に戻り、通信装置21は、ネットワークなどを介して図示せぬホスト装置に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。
【0016】
また、プリント装置22は、例えば電子写真方式で原稿画像をプリント用紙にプリントする内部デバイスである。また、画像読取装置23は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部デバイスである。また、ファクシミリ装置24は、ファクシミリ信号を受信しそのファクシミリ信号を画像データに変換する受信機能と、画像データをファクシミリ信号に変換しそのファクシミリ信号を送信する送信機能とを有する内部デバイスである。
【0017】
また、記憶装置25は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、データ、プログラムなどを記憶する。記憶装置25には、操作ログ41が記憶される。ユーザー(ログインユーザー)ごとに、階層構造のメニューシステムにおける操作履歴が操作ログ41として記憶される。
【0018】
また、コントローラー26は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターを備え、ROMまたは記憶装置25に記憶されているプログラムをRAMへロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部として動作する。
【0019】
この実施の形態では、コントローラー26は、表示制御部31として動作する。表示制御部31は、例えば階層構造のメニューシステムにおける各階層の操作画面を表示装置11aで表示し、また、操作ログ41に基づいて、ユーザーの操作支援のためのソフトキー(後述のショートカットキー)を自動的に表示装置11aで表示する。
【0020】
図3は、メインメニュー画面の一例を示す図である。図4は、コピー機能の設定画面の一例を示す図である。この電子機器は、階層構造のメニューシステムを備え、図2に示すログイン画面でユーザーがログインした後、まず、表示制御部31は、図3に示すようなメインメニュー画面を表示させる。メインメニュー画面では、コピー機能、送信機能などの各種機能のアイコン101~107、およびプログラムのリスト画面を表示させるためのプログラムアイコン108が表示される。
【0021】
そして、図3のメインメニュー画面においてコピー機能のアイコン101,102が押下されると、表示制御部31は、メインメニュー画面の下層の操作画面として、図4に示すようなコピー機能の設定画面を表示させる。コピー機能の設定画面には、予測キー表示領域111が設けられており、ユーザーの操作支援用のショートカットキー111aが、自動的に表示される。
【0022】
この実施の形態では、表示制御部31は、入力装置11bに対するユーザーの操作の履歴に基づいて予測されるユーザー所望の設定を入力するためにソフトキーを自動的に表示装置11aで(予測キー表示領域111に)表示する。
【0023】
ここでは、操作ログ41として、例えばアドレス登録、画像調整、スリープ時間設定、オプション設定などの設定操作ごとに、その設定操作において各階層で選択された項目(キーなど)と、最終的な設定の指定までの設定操作の所要時間とが記録され、所要時間が所定閾値を超えている設定操作が選択され、選択された設定操作において最終的に指定された設定が特定され、特定された設定を入力するためのソフトキー(ショートカットキー111aなど)が表示される。
【0024】
具体的には、表示制御部31は、階層構造のメニューシステムにおいて、メインメニュー画面において、いずれかの項目(例えば上述のアイコン101~108のいずれか)がユーザーによって選択されると、メインメニュー画面を他の操作画面(例えば図4に示すような設定画面)へ切り替えて表示する。そして、表示制御部31は、このような画面遷移を行うための項目の選択があるたびに、初期画面(ここではメインメニュー画面)から現時点までに各階層の画面においてユーザーにより選択された項目に一致する1または複数の設定操作を操作ログ41から抽出し、その設定操作に対応するソフトキー(ユーザー所望の設定を指定するためのショートカットキー111aなど)を特定の予測キー表示領域111に表示する。なお、予測キー表示領域111は、いずれの階層の画面においても同一の位置に同一のサイズで設定される。
【0025】
このように、予測キー表示領域111に表示されるソフトキーは、項目の選択によって画面遷移が行われるたびに、現時点までの項目の選択に応じたソフトキーに更新される。
【0026】
さらに、表示制御部31は、入力装置11bにより操作が継続して検出されない時間が所定閾値を超えた場合に、表示装置11aの表示モードを通常表示モードから省電力表示モードへ切り替える。ここで、省電力表示モードでの表示装置11aの消費電力は通常表示モードでの表示装置の消費電力より少ない。例えば省電力表示モードでは、ディスプレイパネル51のバックライトの光量が、通常表示モードでの光量から所定光量(光量あり、または光量なし)まで徐々に低下させられる。また、表示制御部31は、通常表示モードと省電力表示モードとの間での表示モードの切り替えの際には、ブザーやスピーカーなどで、ブザー音などの特定の音響を出力するようにしてもよい。また、各表示モードでのディスプレイパネル51のバックライトおよびインジケーター52の光量はユーザーにより設定可能としてもよい。
【0027】
そして、表示制御部31は、上述の操作支援のソフトキーが表示装置11aに表示されている状態では上述の所定閾値を上述の操作支援のソフトキーが表示装置11aに表示されていない状態での所定閾値より高く設定する。つまり、上述の操作支援のソフトキーが表示装置11aに表示されている状態では、省電力表示モードへの表示モードの切り替えが遅延させられる。また、各表示モードについてのこの閾値は、ユーザーにより設定可能としてもよい。
【0028】
また、この実施の形態では、表示制御部31は、省電力表示モードの際、(a)ユーザーログイン中であり、かつ通常表示モードであれば表示すべき上述の操作支援のソフトキーがある場合には、インジケーター52の点灯を禁止し、(b)そうではない場合(つまり、ユーザーログイン中ではない場合、または通常表示モードであれば表示すべき上述の操作支援のソフトキーがない場合)には、インジケーター52の点灯を許可する。これにより、ユーザーログイン中のインジケーター52の消費電力が抑制される。
【0029】
次に、当該実施の形態に係る電子機器の動作について説明する。図5は、図1に示す電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【0030】
当該電子機器が起動すると(ステップS1)、表示制御部31は、表示モードを通常点灯モードに設定し(ステップS2)、ログイン画面を表示装置11aに表示する。
【0031】
ユーザーがログイン画面にユーザー識別情報(ユーザーIDおよびパスワードなど)を入力してログインすると、表示制御部31は、メニューシステムの初期画面(メインメニュー画面)を表示装置11aに表示する。その後、表示制御部31は、入力装置11bによってユーザー操作が検出されたか否か(ステップS4)および入力装置11bに対する不操作時間(前回の操作検出から操作が連続して検出されていない時間)が所定閾値を超えたか否か(ステップS5)を監視する。
【0032】
ステップS5において不操作時間が所定閾値を超えたと判定した場合、表示制御部31は、表示装置11aの表示モードを通常表示モードから省電力表示モードへ切り替える(ステップS6)。
【0033】
他方、ステップS4においてユーザー操作が検出されたと判定した場合、表示制御部31は、表示装置11aの表示モードが省電力表示モードであれば通常表示モードへ切り替え(ステップS7)、そのユーザー操作に対応する表示制御(画面遷移など)を行う(ステップS8)。また、そのユーザー操作がログアウトのための操作であるか否かが判定され(ステップS9)、そのユーザー操作がログアウトのための操作ではない場合には、表示制御部31は、操作ログ41に基づいて、今回のユーザー操作までの一連のユーザー操作(各階層において選択された項目)に対応する上述のソフトキーを表示するか否かを判定する(ステップS10)。
【0034】
今回のユーザー操作までの一連のユーザー操作に対応して上述のソフトキーを表示すると判定した場合、表示制御部31は、そのソフトキーを表示装置11aに表示し(ステップS11)、上述の不操作時間の閾値を上述のように調整する(ステップS12)。
【0035】
一方、ステップS10において上述のソフトキーを表示しないと判定した場合、表示制御部31は、上述のソフトキーを表示せず上述の不操作時間の閾値を調整しない。その後、ステップS4に戻り、表示制御部31は、ユーザー操作(ステップS4)および不操作時間(ステップS5)の監視を再開する。
【0036】
なお、ステップS4で検出されたユーザー操作がログアウトのための操作である場合には、表示制御部31は、ログアウト処理を実行し、ステップS3に戻り、ログイン画面の表示を行う。
【0037】
以上のように、上記実施の形態によれば、表示制御部31は、ユーザーの操作支援のためにソフトキーを自動的に表示装置11aで表示するとともに、入力装置11bにより操作が継続して検出されない時間が所定閾値を超えた場合に、表示装置11aの表示モードを通常表示モードから省電力表示モードへ切り替える。そして、表示制御部31は、上述のソフトキーが表示装置11aに表示されている状態では上述の所定閾値を、上述のソフトキーが表示装置11aに表示されていない状態での上述の所定閾値より高く設定する。
【0038】
これにより、ユーザーの操作支援のために自動的に表示されるソフトキーが表示されている場合、省電力表示モードへの切り替えが遅延するため、そのソフトキーにユーザーが気付きやすくなるとともにユーザーがそのソフトキーを選択する時間が長くなるため、ユーザーの操作支援のために自動的に表示されるソフトキーがユーザーによって活用されやすくなる。
【0039】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えば、操作パネルを備えた電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
11a 表示装置
11b 入力装置
31 表示制御部
51 ディスプレイパネル
52 インジケーター
図1
図2
図3
図4
図5