(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164627
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
H01L27/04 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080248
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】野村 尚弘
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AV15
5F038CD02
5F038CD03
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】ヒューズメモリ回路の信頼性を高めた半導体集積回路を提供する。
【解決手段】電源ピンVDDは、外部電源電圧V
DD1を受ける。ヒューズメモリ回路110は、ヒューズ素子F1,F2を含む。電源回路130は、外部電源電圧V
DD1を受け、出力がヒューズメモリ回路と接続される。電源回路130は、第1状態において、(i)ヒューズメモリ回路110の電源ライン104に、ヒューズ素子F1,F2を切断可能な第1電圧レベルV
1の内部電源電圧VDD1を供給する。電源回路130は、第2状態において、ヒューズメモリ回路110の電源ライン104に、第1電圧レベルV
1より低く、ヒューズ素子F1,F2を切断不能な第2電圧レベルV
2の内部電源電圧V
DD2を供給する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源電圧を受ける電源ピンと、
ヒューズ素子を含むヒューズメモリ回路と、
前記外部電源電圧を受け、出力が前記ヒューズメモリ回路と接続され、(i)前記ヒューズメモリ回路の電源ラインに、前記ヒューズ素子を切断可能な第1電圧レベルの内部電源電圧を供給する第1状態と、(ii)前記ヒューズメモリ回路の電源ラインに、前記第1電圧レベルより低く、前記ヒューズ素子を切断不能な第2電圧レベルの前記内部電源電圧を供給する第2状態と、が、制御信号に応じて切りかえ可能な電源回路と、
を備える、半導体集積回路。
【請求項2】
前記第1電圧レベルは、前記外部電源電圧と実質的に等しい、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記電源回路は、
前記第1状態においてディセーブル状態となり、前記第2状態においてイネーブル状態となり、前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインに、前記第2電圧レベルの前記内部電源電圧を発生する定電圧回路と、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられ、前記第1状態においてオン状態となり、前記第2状態においてオフ状態となるスイッチと、
を含む、請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記定電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの制御端子に制御電圧を供給する電源制御回路と、
を含む、請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記定電圧回路はソースフォロア回路またはエミッタフォロア回路である、請求項4に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記電源制御回路は、
定電流を生成する定電流源と、
前記定電流の経路上に設けられた少なくともひとつの定電圧素子と、
を含み、前記少なくともひとつの定電圧素子の電圧降下にもとづく前記制御電圧を、前記第1トランジスタの前記制御端子に供給する、請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記定電圧素子は、ゲートドレイン間が接続された電界効果トランジスタである、請求項6に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
前記電源制御回路は、
定電流を生成する定電流源と、
前記定電流の経路上に設けられたインピーダンス素子と、
を含み、前記インピーダンス素子の電圧降下にもとづく前記制御電圧を、前記第1トランジスタの前記制御端子に供給する、請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項9】
前記電圧制御回路は、リニアレギュレータを含む、請求項4に記載の半導体集積回路。
【請求項10】
前記定電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に、前記第1トランジスタと直列に接続され、前記第1状態においてオフ、前記第2状態においてオンとなる第2トランジスタをさらに含む、請求項4から9のいずれかに記載の半導体集積回路。
【請求項11】
前記電源回路は、
前記第1状態において、前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインに、前記第1電圧レベルの前記内部電源電圧を発生し、前記第2状態において、前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインに、前記第2電圧レベルの前記内部電源電圧を発生する可変電圧回路を含む、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項12】
前記可変電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、
前記第1状態において、前記第1トランジスタをフルオンさせ、前記第2状態において、前記内部電源電圧が前記第2電圧レベルに近づくように前記第1トランジスタの制御端子の電圧をフィードバック制御する電圧制御回路と、
を含む、請求項11に記載の半導体集積回路。
【請求項13】
前記可変電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、
前記内部電源電圧にもとづくフィードバック電圧と基準電圧とを入力ノードに受け、出力が前記第1トランジスタの制御端子と接続されたオペアンプと、
を含み、前記第1状態と前記第2状態とで、前記基準電圧の電圧レベルが切り替え可能である、請求項11に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒューズメモリ回路を備える半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
各種半導体装置において、製造後の特性調整や構成変更を行う技術として、トリミングが知られている。トリミングは連続(アナログ)的に行う方法と、離散(デジタル)的に行う方法があるが、近年ではコスト的に有利なデジタル・トリミングが好まれる。
【0003】
コスト的に有利な理由は、微細化による面積効率の良いデジタル回路利用が容易になったことや、レーザートリミングなど余分なテストフローを不要とすることが挙げられる。
【0004】
また、トリミング値が確定的となるため、機能の切り替えや、冗長回路ON/OFFの不良品救済による歩留まり向上もデジタル・トリミングが好まれる要因である。
【0005】
デジタル・トリミングの手法として、次の方法が知られている。
・不揮発性メモリ(EEPROM,Flashメモリ,FeRAM,MRAM,PRAMなど)
・ヒューズ(ポリシリコン溶断,メタル配線溶断)
・アンチヒューズ(ツェナーザッピング,ゲート酸化膜ブレークダウン)
【0006】
ヒューズメモリ回路は、ポリシリコンやメタル配線などのヒューズ素子と、ヒューズ素子と直列に接続されるトランジスタと、を含む構成が一般的である。ヒューズメモリ回路には、ヒューズ素子の切断/導通によって1ビットの情報が保持される。プログラム(トリミング)の工程において、トランジスタとヒューズ素子の両端間に、高い電源電圧が印加される。この状態で、トランジスタをオンすることでヒューズ素子に大電流が流れ、ヒューズ素子を切断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005-85980号公報
【特許文献2】国際公開WO2023/276733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ヒューズメモリ回路が集積化されたIC(Integrated Circuit)は、プログラム後にアプリケーション回路に組み込まれる。ヒューズメモリ回路を構成するトランジスタは、オフに固定される。
【0009】
ところが、このトランジスタは、サージの印加や経時的な劣化によって、導通モードで故障する可能性がゼロではない。もしトランジスタが導通モードで故障すると、ヒューズ素子に大電流が流れ、ヒューズメモリ回路に記録された値が破壊される。この問題は特に、アプリケーション回路において、トランジスタとヒューズ素子の両端間に、プログラム時と同程度の高い電源電圧が印加される場合に起こりうる。
【0010】
本開示は係る状況においてされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、ヒューズメモリ回路の信頼性を高めた半導体集積回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示のある態様の半導体集積回路は、外部電源電圧を受ける電源ピンと、ヒューズ素子を含むヒューズメモリ回路と、外部電源電圧を受け、出力がヒューズメモリ回路と接続され、(i)ヒューズメモリ回路の電源ラインに、ヒューズ素子を切断可能な第1電圧レベルの内部電源電圧を供給する第1状態と、(ii)ヒューズメモリ回路の電源ラインに、第1電圧レベルより低く、ヒューズ素子を切断不能な第2電圧レベルの内部電源電圧を供給する第2状態と、が、制御信号に応じて切りかえ可能な電源回路と、を備える。
【0012】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明あるいは本開示の態様として有効である。さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
【発明の効果】
【0013】
本開示のある態様によれば、ヒューズメモリ回路の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、ヒューズメモリ回路の基本構成を示す回路図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る半導体集積回路の回路図である。
【
図3】
図3は、実施例1に係る半導体集積回路の回路図である。
【
図4】
図4は、一実施例に係る電源回路の回路図である。
【
図5】
図5は、一実施例に係る電源回路の回路図である。
【
図6】
図6は、一実施例に係る電源回路の回路図である。
【
図7】
図7は、一実施例に係る電源回路の回路図である。
【
図8】
図8は、一実施例に係る電源回路の回路図である。
【
図9】
図9は、実施例2に係る電源回路の回路図である。
【
図11】
図11は、半導体集積回路の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、半導体集積回路の別の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、半導体集積回路の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素または重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0016】
一実施形態に係る半導体集積回路は、外部電源電圧を受ける電源ピンと、ヒューズ素子を含むヒューズメモリ回路と、外部電源電圧を受け、出力がヒューズメモリ回路と接続され、(i)ヒューズメモリ回路の電源ラインに、ヒューズ素子を切断可能な第1電圧レベルの内部電源電圧を供給する第1状態と、(ii)ヒューズメモリ回路の電源ラインに、第1電圧レベルより低く、ヒューズ素子を切断不能な第2電圧レベルの内部電源電圧を供給する第2状態と、が、制御信号に応じて切りかえ可能な電源回路と、を備える。
【0017】
この構成によると、ヒューズメモリ回路のプログラム時には、前記電源回路を第1状態に設定することにより、ヒューズメモリ回路を切断可能となる。プログラムの完了後、半導体集積回路が通常動作するときには、前記電源回路を第2状態に設定する。第2状態では、ヒューズメモリ回路を構成するトランジスタに故障が生じた場合であっても、ヒューズ素子に流れる電流は、切断のためのしきい値電流を超えないため、ヒューズ素子は切断されない。このようにして、ヒューズメモリ回路の信頼性を高めることができる。
【0018】
一実施形態において、第1電圧レベルは、外部電源電圧と実質的に等しくてもよい。
【0019】
一実施形態において電源回路は、第1状態においてディセーブル状態となり、第2状態においてイネーブル状態となり、ヒューズメモリ回路の電源ラインに、第2電圧レベルの内部電源電圧を発生する定電圧回路と、電源ピンとヒューズメモリ回路の電源ラインの間に設けられ、第1状態においてオン状態となり、第2状態においてオフ状態となるスイッチと、を含んでもよい。
【0020】
一実施形態において、定電圧回路は、電源ピンとヒューズメモリ回路の電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、第1トランジスタの制御端子に制御電圧を供給する電源制御回路と、を含んでもよい。
【0021】
一実施形態において、定電圧回路はソースフォロア回路またはエミッタフォロア回路であってもよい。
【0022】
一実施形態において、電源制御回路は、定電流を生成する定電流源と、定電流の経路上に設けられた少なくともひとつの定電圧素子と、を含み、少なくともひとつの定電圧素子の電圧降下にもとづく制御電圧を、第1トランジスタの制御端子に供給してもよい。
【0023】
一実施形態において、定電圧素子は、ゲートドレイン間が接続された電界効果トランジスタ(FET)であってもよい。
【0024】
一実施形態において、電源制御回路は、定電流を生成する定電流源と、定電流の経路上に設けられたインピーダンス素子と、を含み、インピーダンス素子の電圧降下にもとづく制御電圧を、第1トランジスタの制御端子に供給してもよい。
【0025】
一実施形態において、電圧制御回路は、リニアレギュレータを含んでもよい。
【0026】
一実施形態において、定電圧回路は、電源ピンとヒューズメモリ回路の電源ラインの間に、第1トランジスタと直列に接続され、第1状態においてオフ、第2状態においてオンとなる第2トランジスタをさらに含んでもよい。
【0027】
一実施形態において、電源回路は、第1状態において、ヒューズメモリ回路の電源ラインに、第1電圧レベルの内部電源電圧を発生し、第2状態において、ヒューズメモリ回路の電源ラインに、第2電圧レベルの内部電源電圧を発生する可変電圧回路を含んでもよい。
【0028】
一実施形態において、可変電圧回路は、電源ピンとヒューズメモリ回路の電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、第1状態において、第1トランジスタをフルオンさせ、第2状態において、内部電源電圧が第2電圧レベルに近づくように第1トランジスタの制御端子の電圧をフィードバック制御する電圧制御回路と、を含んでもよい。
【0029】
一実施形態において、可変電圧回路は、電源ピンとヒューズメモリ回路の電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、内部電源電圧にもとづくフィードバック電圧と基準電圧とを入力ノードに受け、出力が第1トランジスタの制御端子と接続されたオペアンプと、を含み、第1状態と第2状態とで、基準電圧の電圧レベルが切り替え可能であってもよい。
【0030】
(実施形態)
以下、好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、開示および発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも開示および発明の本質的なものであるとは限らない。
【0031】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0032】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に接続された(設けられた)状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0033】
はじめに、ヒューズメモリ回路の基本構成と、それにおいて生ずる問題を説明する。
【0034】
図1は、ヒューズメモリ回路10の基本構成を示す回路図である。ヒューズメモリ回路10は、ヒューズ素子12と、ヒューズ切断用のトランジスタ14を備える。
【0035】
プログラム工程において、トランジスタ14のゲートにハイレベルの書込イネーブル信号を与えると、トランジスタ14がオン状態となり、ヒューズ素子12の両端間に電圧VDDが印加される。これにより、ヒューズ素子12に電流が流れ、ヒューズ素子12が切断される。この状態が、1(または0)が書き込まれた状態である。プログラム工程において、トランジスタ14をオンとしなければ、ヒューズ素子12は導通状態のまま維持される。この状態が、0(または1)が書き込まれた状態である。
【0036】
プログラム工程を経て、ヒューズメモリ回路10を備える半導体集積回路が出荷され、最終製品に組み込まれる。最終製品の動作中に、トランジスタ14のゲートは、
図1に示す様にローに固定され、トランジスタ14はオフとなる。出力ノードOUTは、ヒューズ素子が切断されていなければハイレベル(V
DD)となり、切断されていれば、ハイインピーダンスとなる。
【0037】
本発明者は、ヒューズメモリ回路10において、以下の問題が生ずることを認識するに至った。
【0038】
トランジスタ14に発生する故障は、ゲート酸化膜破壊と、拡散接合破壊が考えられる。ゲート酸化膜破壊は、TDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)と呼ばれ、時間の経過とともに生ずる絶縁膜(ゲート酸化膜や配線間の絶縁膜)の故障である。
【0039】
一般に、トランジスタのゲート酸化膜に強い電界を加えると絶縁破壊が生ずるが、TDDBは、弱い電界が長時間にわたり印加された場合に生ずる。TDDBが生ずると、トランジスタのドレインからゲートに対して、電流経路(i)が発生する。トランジスタ14にTDDBが発生すると、この電流経路(i)を介してヒューズ素子12に電流が流れて、切断されていないヒューズ素子12が切断される可能性がある。
【0040】
拡散接合破壊は、トランジスタのドレイン拡散層とウェルの接合面のダメージによって、ドレインからバックゲート、ドレインからソースに対してリーク電流経路(ii)が発生し、経時劣化とともにリーク電流経路(ii)のインピーダンスが低くなって電流が増大し、最終的に短絡状態となる。トランジスタ14が短絡状態となると、ヒューズ素子12に電流が流れて、切断されていないヒューズ素子12が切断される可能性がある。
【0041】
このように、ヒューズメモリ回路10では、書き込み用のトランジスタ14に故障が生ずると、記憶している値が破壊されるという問題がある。以下ではこの問題を解決可能な半導体集積回路について説明する。
【0042】
図2は、実施形態に係る半導体集積回路100の回路図である。半導体集積回路100は、第1電源ライン102、第2電源ライン104、接地ライン106、ヒューズメモリ回路110、制御回路120、電源回路130を備える。
【0043】
半導体集積回路100の電源ピンVDDには、外部電源電圧VDD1が供給される。接地ピンGNDは接地される。制御ピンCNTには、半導体集積回路100の動作モードを指示する制御信号CNTが入力される。制御信号CNTは、ヒューズメモリ回路110の書き込み(プログラム)を行う際に、所定レベルに固定される。
【0044】
ヒューズメモリ回路110は、ヒューズ素子を含む1ビットのメモリセルである。ヒューズメモリ回路110は、ヒューズ素子F1,F2、トランジスタMN1,MN2、インバータINV1,INV2を含む。プログラム工程においてトランジスタMN1がオンすると、ヒューズ素子F1に電流が流れ、ヒューズ素子F1が切断される。反対に、トランジスタMN2がオンすると、ヒューズ素子F2に電流が流れ、ヒューズ素子F2が切断される。
【0045】
制御回路120は、書込イネーブル信号WRT_ENとデータDATAを受ける。制御回路120は、プログラム工程において、データDATAに応じてヒューズ素子F1とヒューズ素子F2を選択的(相補的)に切断する。ヒューズ素子F1が切断された状態が値1が書き込まれた状態であり、ヒューズ素子F2が切断された状態が値0が書き込まれた状態である。
【0046】
なお、ここで示したヒューズメモリ回路110の構成は例示であって、本発明においてヒューズメモリ回路110の構成は特に限定されるものではない。
【0047】
電源回路130は、第1電源ライン102を介して外部電源電圧VDD1を受ける。電源回路130の出力は、第2電源ライン104を介してヒューズメモリ回路110と接続される。
【0048】
電源回路130は、第1状態φ1と第2状態φ2が切り替え可能となっている。第1状態φ1において電源回路130は、ヒューズメモリ回路110と接続される第2電源ライン104に、ヒューズ素子F1,F2を切断可能な第1電圧レベルV1の内部電源電圧VDD2を供給する。
【0049】
第2状態φ2において電源回路130は、第2電源ライン104に、第1電圧レベルV1より低く、ヒューズ素子F1,F2を切断不能な第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDD2を供給する。
【0050】
トランジスタMN1のドレインソース間電圧をVDS、ヒューズ素子F1の抵抗値をRFとするとき、ヒューズ素子F1に流れる電流ICは、
IC=(VDD2-VDS)/RF
となる。ヒューズ素子F1は、あるしきい値ITHを超える電流が流れると切断されるから、
(VDD2-VDS)/RF>ITH
が成り立つとき、言い換えると、
VDD2>ITH・RF+VDS
が成り立つときに、ヒューズ素子F1が切断される。したがって、第1電圧レベルV1は、
V1>ITH・RF+VDS
を満たせばよい。
【0051】
反対に、
(VDD2-VDS)/RF<ITH
が成り立つとき、言い換えると、
VDD2<ITH・RF+VDS
が成り立つときに、ヒューズ素子F1は切断されない。したがって、第2電圧レベルV2は、
V2<ITH・RF+VDS
を満たせばよい。
【0052】
以上が半導体集積回路100の構成である。続いてその動作を説明する。
【0053】
半導体集積回路100のプログラム工程において、半導体集積回路100の電源ピンVDDには、外部のテスター(不図示)から、外部電源電圧VDD1が供給される。また制御ピンCNTには、第1レベル(たとえばハイ)の制御信号CNTが入力される。第1レベルの制御信号CNTに応答して、電源回路130は第1状態φ1に設定され、第2電源ライン104に、第1電圧レベルV1の内部電源電圧VDDを発生する。
【0054】
プログラム工程において、書込イネーブル信号WRT_ENがアサートされる。制御回路120は、2つのトランジスタMN1,MN2のうち、データDATAの値に応じた一方をオンする。これにより、ヒューズ素子F1,F2のうち、オンとなったトランジスタと直列である一方が切断される。
【0055】
プログラム後、半導体集積回路100は出荷され、ユーザが設計する電子機器などに搭載される。電子機器の動作中、半導体集積回路100の電源ピンVDDには電子機器の電源回路から、外部電源電圧VDD1が供給される。この外部電源電圧VDD1は、トリミング工程において供給される外部電源電圧VDD1と同じ、あるいは異なる電圧レベルを有しうる。
【0056】
半導体集積回路100が電子機器に搭載された状態において、制御ピンCNTには、第2レベル(たとえばロー)の制御信号CNTが入力される。第2レベルの制御信号CNTに応答して、電源回路130は第2状態φ2に設定され、第2電源ライン104に、第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDDを発生する。
【0057】
半導体集積回路100の動作中に、トランジスタMN1に、ショートモードの故障が発生したり、サージノイズによってトランジスタMN1が誤動作してターンオンしたとする。このとき、ヒューズ素子F1には、電流ICが流れるが、内部電源電圧VDD2が低いため、その電流はしきい値ITHを越えることはない。したがってヒューズ素子F1は切断されず、保護することができる。ヒューズ素子F2についても同様である。
【0058】
またプログラム工程においてヒューズ素子F1が切断されない場合、半導体集積回路100の動作中に、トランジスタMN1のドレインには、低い第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDD2が印加されることとなる。これにより、トランジスタMN1のドレインに高い電圧レベルが印加される場合に比べて、トランジスタMN1の劣化自体を抑制できるという効果がある。トランジスタMN2についても同様である。
【0059】
本開示は、
図2のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本開示の範囲を狭めるためではなく、本開示や本発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0060】
(実施例1)
図3は、実施例1に係る半導体集積回路100Aの回路図である。電源回路130Aは、定電圧回路140およびスイッチSW1を備える。スイッチSW1は、電源ピンVDD(第1電源ライン102)と第2電源ライン104の間に接続される。スイッチSW1は、制御信号CNTが第1レベルのときにオンとなる。
【0061】
定電圧回路140は、イネーブル端子ENを有する。定電圧回路140は、制御信号CNTが第1レベルのときにディセーブル状態、第2レベルのときにイネーブル状態となる。定電圧回路140はイネーブル状態において、第2電源ライン104に、第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDD2を発生する。
【0062】
半導体集積回路100Aの動作を説明する。制御信号CNTが第1レベルのときに、定電圧回路140はディセーブル状態となり、スイッチSW1がオンとなる。このとき、第2電源ライン104に発生する内部電源電圧VDD2の電圧レベルV1は、外部電源電圧VDD1の電圧レベルと実質的に等しくなる。
VDD2≒VDD1
【0063】
制御信号CNTが第2レベルのときに、定電圧回路140はイネーブル状態となり、スイッチSW1がオフとなる。このとき、第2電源ライン104には、第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDD2が発生する。
【0064】
続いて、電源回路130Aの構成例を説明する。
【0065】
図4は、一実施例に係る電源回路130Aaの回路図である。スイッチSW1は、PチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である第3トランジスタM3と、インバータ108を備える。制御信号CNTが第1レベル(ハイ)のときに、第3トランジスタM3のゲートにローレベル(0V)が印加され、第3トランジスタM3がオンとなる。制御信号CNTが第2レベル(ロー)のときに、第3トランジスタM3のゲートにハイレベル(V
DD1)が印加され、第3トランジスタM3がオンとなる。
【0066】
定電圧回路140aは、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、電源制御回路142、インバータ143を含む。
【0067】
第1トランジスタM1および電源制御回路142が、定電圧回路の主要部を形成している。電源制御回路142は、第1トランジスタM1の制御端子(ゲート)に適切なゲート電圧を供給することにより、第1トランジスタM1のソース(第2電源ライン104)に、第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDD2を発生させる。後述するように、電源制御回路142と第1トランジスタM1は、ソースフォロア回路(電圧クランプ回路)であってもよいし、リニアレギュレータであってもよい。
【0068】
第2トランジスタM2は、定電圧回路140aのイネーブル、ディセーブルを切りかえるために設けられている。第2トランジスタM2は、第1電源ライン102と第2電源ライン104の間に、第1トランジスタM1と直列に接続される。第2トランジスタM2はPMOSトランジスタであり、その制御端子(ゲート)には、インバータ143の出力信号が供給される。
【0069】
制御信号CNTが第1レベル(ハイ)のときに、第2トランジスタM2のゲートには、ハイレベル(VDD1)が印加され、第2トランジスタM2がオフとなり、定電圧回路140aはディセーブル状態となる。制御信号CNTが第2レベル(ロー)のときに、第2トランジスタM2のゲートにローレベル(0V)が印加され、第2トランジスタM2がオンとなる。これにより、定電圧回路140aがイネーブル状態となる。
【0070】
図5は、一実施例に係る電源回路130Abの回路図である。定電圧回路140bは、ソースフォロア回路(電圧クランプ回路)である。電源制御回路142bは、第1トランジスタM1のゲートに、所定レベルのバイアス電圧Vbを供給する。第1トランジスタM1のゲートソース間電圧をV
GSとするとき、第2電圧レベルV
2は、
V
2=Vb-V
GS
となる。
【0071】
電源制御回路142bは、定電流源144および複数の定電圧素子146を含む。定電流源144は、基準電流源であり、電源電圧VDD1に依存しない基準電流IREFを生成する。基準電流IREFの経路上には、定電圧素子146が設けられる。この例では定電圧素子146は、ゲートドレイン間が結線されたNチャンネルMOSFETであり、バイアス電圧Vbは、
Vb=2×VGS
となる。定電流源144に替えて、抵抗を設けてもよい。
【0072】
この構成によれば、定電圧素子146の個数に応じて、バイアス電圧Vbの電圧レベル、ひいては第2電圧レベルV2を設計できる。定電圧素子146としては、ダイオードや、ツェナーダイオードを用いてもよいし、異なる種類の定電圧素子を組み合わせてもよい。
【0073】
図6は、一実施例に係る電源回路130Acの回路図である。電源制御回路142cは、
図5の定電圧素子146を、インピーダンス素子148に置換したものである。インピーダンス素子148はたとえば抵抗である。バイアス電圧Vbは、
Vb=I
REF×R
となる。
【0074】
図7は、一実施例に係る電源回路130Adの回路図である。電源制御回路142dは、リニアレギュレータ150を含む。リニアレギュレータ150は、オペアンプ152、基準電圧源154、抵抗R11,R12を含む。バイアス電圧Vbは、
Vb=V
REF×(R11+R12)/R11
となる。電圧クランプ回路156は、抵抗R21、ツェナーダイオードZD21、NチャンネルMOSFETであるトランジスタM21を含み、外部電源電圧V
DD1を、クランプし、電源電圧V
DD3を生成する。
V
DD3=V
ZD-V
GS
V
ZDはツェナーダイオードのツェナー電圧である。
【0075】
クランプ後の電源電圧VDD3は、オペアンプ152の電源ノードに供給される。またクランプ後の電源電圧VDD3は、第2トランジスタM2に供給される。
【0076】
図8は、一実施例に係る電源回路130Aeの回路図である。電源制御回路142eおよび第1トランジスタM1は、リニアレギュレータ160を形成している。第1トランジスタM1は、PチャンネルMOSFETである。基準電圧源164は基準電圧V
REFを生成する。抵抗R31およびR32は、内部電源電圧V
DD2を分圧し、フィードバック電圧V
FBを生成する。オペアンプ162は内部電源電圧V
DD2に応じたフィードバック電圧V
FBが基準電圧V
REFに近づくように、つまりそれらの誤差がゼロに近づくように、第1トランジスタM1のゲート電圧V
Gをフィードバック制御する。第2電圧レベルV
2は、
V
2=V
REF×(R31+R32)/R31
となる。
【0077】
(実施例2)
図9は、実施例2に係る電源回路130Bの回路図である。電源回路130Bは、可変電圧源である。電源制御回路142Bと第1トランジスタM1は、
図7と同様に、リニアレギュレータを形成しており、基準電圧源164に代えて、可変基準電圧源166を備える。可変基準電圧源166が生成する基準電圧V
REFは、制御信号CNTが第1レベルのときに、電圧レベルV
REF1である。第1電圧レベルV
1は、
V
1=V
REF1×(R31+R32)/R31
となる。
【0078】
基準電圧VREFは、制御信号CNTが第2レベルのときに、電圧レベルVREF2となる。第2電圧レベルV2は、
V2=VREF2×(R31+R32)/R31
となる。
【0079】
(実施例3)
図10は、実施例3に係る電源回路130Cの回路図である。電源回路130Cにおいて、電源制御回路142Cと第1トランジスタM1は、リニアレギュレータを構成する。電源制御回路142Cは、プルアップ抵抗R41およびトランジスタM4を含む。
【0080】
オペアンプ162は、イネーブル端子ENを備え、制御信号CNTが第1レベルのときにディセーブル状態、制御信号CNTが第2レベルのときにイネーブル状態となる。トランジスタM4は、NチャンネルMOSFETであり、制御信号CNTが第1レベルのときにオン状態、制御信号CNTが第2レベルのときオフ状態となる。
【0081】
制御信号CNTが第1レベルのとき、トランジスタM4がオンすることにより、第1トランジスタM1のゲートに、ローレベル電圧(0V)が印加され、第1トランジスタM1がフルオンする。これにより、第2電源ライン104に、外部電源電圧VDD1と実質的に電圧レベルが等しい内部電源電圧VDD2が現れる。
【0082】
制御信号CNTが第2レベルのとき、トランジスタM4はオフとなる。オペアンプ162がイネーブル状態となり、第2電源ライン104には、第2電圧レベルV2の内部電源電圧VDD2が発生する。
V2=VREF×(R31+R32)/R31
【0083】
最後に半導体集積回路100のいくつかの具体例を説明する。
【0084】
図11は、半導体集積回路300の一例(300A)を示すブロック図である。内部回路310Aはデジタル回路であり、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)312,314と、セレクタ316、マイクロプロセッサ318を備える。2個のSRAM312,314は冗長性をもたせるために設けられており、一方がセレクタ316によって選択される。
【0085】
ヒューズ回路400は、制御レジスタ402を介して制御可能であり、ヒューズ回路400は、セレクタ316の制御情報がプログラム可能である。マイクロプロセッサ318は、2個のSRAM312,314のうち、ヒューズ回路400に書き込まれた値に応じた一方にアクセスすることができる。この構成によれば、半導体集積回路300Aの検査工程において、2個のSRAM312,314の一方に異常が検出された場合、正常な他方を選択することで、歩留まりを改善できる。
【0086】
図12は、半導体集積回路300の別の一例(300B)を示す図である。内部回路310Bは、リニアレギュレータ(LDO:Low Drop Output)320を含む。リニアレギュレータ320は、トランジスタ322、オペアンプ324、基準電圧源326、抵抗R41,R42を備える。
【0087】
この例では、抵抗R42は可変抵抗であり、ヒューズ回路400には、可変抵抗の設定値がプログラムされる。これにより、リニアレギュレータ320の出力電圧VOUTの目標値を調節できる。
【0088】
図13は、半導体集積回路300の別の一例(300C)を示す図である。内部回路310Cは、インタフェース回路330を含む。インタフェース回路330は、入力バッファ332、プルダウン抵抗336、スイッチ334を含む。ヒューズ回路400には、スイッチ334のオン/オフの設定値がプログラムされる。これにより、半導体集積回路300Cの入力ピンを、バッファ受けとするか、プルダウンとするかを切りかえることができる。
【0089】
実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにさまざまな変形例が存在すること、またそうした変形例も本開示に含まれ、また本発明の範囲を構成しうることは当業者に理解されるところである。
【0090】
(付記)
本明細書には以下の技術が開示される。
【0091】
(項目1)
外部電源電圧を受ける電源ピンと、
ヒューズ素子を含むヒューズメモリ回路と、
前記外部電源電圧を受け、出力が前記ヒューズメモリ回路と接続され、(i)前記ヒューズメモリ回路の電源ラインに、前記ヒューズ素子を切断可能な第1電圧レベルの内部電源電圧を供給する第1状態と、(ii)前記ヒューズメモリ回路の電源ラインに、前記第1電圧レベルより低く、前記ヒューズ素子を切断不能な第2電圧レベルの前記内部電源電圧を供給する第2状態と、が、制御信号に応じて切りかえ可能な電源回路と、
を備える、半導体集積回路。
【0092】
(項目2)
前記第1電圧レベルは、前記外部電源電圧と実質的に等しい、項目1に記載の半導体集積回路。
【0093】
(項目3)
前記電源回路は、
前記第1状態においてディセーブル状態となり、前記第2状態においてイネーブル状態となり、前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインに、前記第2電圧レベルの前記内部電源電圧を発生する定電圧回路と、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられ、前記第1状態においてオン状態となり、前記第2状態においてオフ状態となるスイッチと、
を含む、項目2に記載の半導体集積回路。
【0094】
(項目4)
前記定電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの制御端子に制御電圧を供給する電源制御回路と、
を含む、項目3に記載の半導体集積回路。
【0095】
(項目5)
前記定電圧回路はソースフォロア回路またはエミッタフォロア回路である、項目4に記載の半導体集積回路。
【0096】
(項目6)
前記電源制御回路は、
定電流を生成する定電流源と、
前記定電流の経路上に設けられた少なくともひとつの定電圧素子と、
を含み、前記少なくともひとつの定電圧素子の電圧降下にもとづく前記制御電圧を、前記第1トランジスタの前記制御端子に供給する、項目5に記載の半導体集積回路。
【0097】
(項目7)
前記定電圧素子は、ゲートドレイン間が接続された電界効果トランジスタである、項目6に記載の半導体集積回路。
【0098】
(項目8)
前記電源制御回路は、
定電流を生成する定電流源と、
前記定電流の経路上に設けられたインピーダンス素子と、
を含み、前記インピーダンス素子の電圧降下にもとづく前記制御電圧を、前記第1トランジスタの前記制御端子に供給する、項目5に記載の半導体集積回路。
【0099】
(項目9)
前記電圧制御回路は、リニアレギュレータを含む、項目4に記載の半導体集積回路。
【0100】
(項目10)
前記定電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に、前記第1トランジスタと直列に接続され、前記第1状態においてオフ、前記第2状態においてオンとなる第2トランジスタをさらに含む、項目4から9のいずれかに記載の半導体集積回路。
【0101】
(項目11)
前記電源回路は、
前記第1状態において、前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインに、前記第1電圧レベルの前記内部電源電圧を発生し、前記第2状態において、前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインに、前記第2電圧レベルの前記内部電源電圧を発生する可変電圧回路を含む、項目1に記載の半導体集積回路。
【0102】
(項目12)
前記可変電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、
前記第1状態において、前記第1トランジスタをフルオンさせ、前記第2状態において、前記内部電源電圧が前記第2電圧レベルに近づくように前記第1トランジスタの制御端子の電圧をフィードバック制御する電圧制御回路と、
を含む、項目11に記載の半導体集積回路。
【0103】
(項目13)
前記可変電圧回路は、
前記電源ピンと前記ヒューズメモリ回路の前記電源ラインの間に設けられた第1トランジスタと、
前記内部電源電圧にもとづくフィードバック電圧と基準電圧とを入力ノードに受け、出力が前記第1トランジスタの制御端子と接続されたオペアンプと、
を含み、前記第1状態と前記第2状態とで、前記基準電圧の電圧レベルが切り替え可能である、項目11に記載の半導体集積回路。
【符号の説明】
【0104】
100 ヒューズメモリ回路
102 第1ライン
104 第2ライン
110 ヒューズユニット
F1 ヒューズ素子
M1 第1トランジスタ
M2 第2トランジスタ
120 制御回路
122 インバータ
124 NANDゲート
200 ヒューズメモリ回路
210 ヒューズユニット
220 制御回路
222 インバータ
224 NORゲート
500 ヒューズメモリ回路
510 第1ヒューズユニット
520 第2ヒューズユニット
530 第1インバータ
532 第2インバータ