(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164632
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】状態表現装置、および、状態表現システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0487 20130101AFI20241120BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241120BHJP
【FI】
G06F3/0487
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080257
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 泰男
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA57
5E555AA76
5E555BA15
5E555BB15
5E555BC15
5E555CA41
5E555CB78
5E555DC30
5E555DD08
5E555FA00
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】本開示は、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる状態表現装置、および、状態表現システムを提供する。
【解決手段】本開示における状態表現装置は、ボディを有する状態表現装置であって、ボディに配置され、状態表現装置が設置されている対象空間の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部と、ボディの外形を変化させるボディ変形装置と、ボディ変形装置を動作させる制御部と、を備え、制御部は、空気情報が、対象空間が快適であることを示す第1の条件を満たす場合はボディ変形装置を停止させ、空気情報が第1の条件を満たさない場合、空気情報と第1の条件との乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置を動作させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディを有する状態表現装置であって、
前記ボディに配置され、前記状態表現装置が設置されている対象空間の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部と、
前記ボディの外形を変化させるボディ変形装置と、
前記ボディ変形装置を動作させる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記空気情報が、前記対象空間が快適であることを示す第1の条件を満たす場合は前記ボディ変形装置を停止させ、
前記空気情報が前記第1の条件を満たさない場合、前記空気情報と前記第1の条件との乖離の大きさに応じた態様で前記ボディ変形装置を動作させる、
ことを特徴とする状態表現装置。
【請求項2】
前記空気情報は、前記対象空間のCO2濃度を含み、
前記第1の条件は、前記対象空間のCO2濃度が第1濃度閾値より低いことを含み、
前記制御部は、前記対象空間のCO2濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記対象空間のCO2濃度と前記第1濃度閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態表現装置。
【請求項3】
前記空気情報は、前記対象空間の温度および湿度を含み、
前記第1の条件は、前記対象空間における疾病リスクに関する指標値についての第1リスク閾値を含み、前記指標値が前記第1リスク閾値よりも疾病リスクの小さい側であることを含み、
前記制御部は、
前記空気情報に含まれる湿度及び温度から前記指標値を算出し、
前記指標値が前記第1の条件を満たさない場合は、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記指標値と前記第1リスク閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態表現装置。
【請求項4】
前記第1の条件は、前記対象空間の空気に関する複数の特徴についての個別条件を含み、
前記制御部は、
前記空気情報から前記対象空間の空気に関する複数の特徴を求め、求めた特徴の各々が前記個別条件を満たす場合に、前記空気情報が前記第1の条件を満たすと判定し、
前記空気情報から求めた前記対象空間の空気に関する特徴のいずれかが前記個別条件を満たさない場合には、通知部による通知、及び、前記ボディ変形装置の動作の少なくともいずれかを、前記個別条件を満たさない特徴に対応する態様で実行させる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の状態表現装置。
【請求項5】
ボディと、前記ボディの外形を変化させるボディ変形装置と、を有する状態表現装置と、
対象空間の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部と、
前記ボディ変形装置を動作させる表現制御部と、を備え、
前記表現制御部は、
前記空気情報が、前記対象空間が快適であることを示す第1の条件を満たす場合は前記ボディ変形装置を停止させ、
前記空気情報が前記第1の条件を満たさない場合、前記空気情報と前記第1の条件との乖離の大きさに応じた態様で前記ボディ変形装置を動作させる、
ことを特徴とする状態表現システム。
【請求項6】
前記空気情報は、前記対象空間のCO2濃度を含み、
前記第1の条件は、前記対象空間のCO2濃度が第1濃度閾値より低いことを含み、
前記表現制御部は、前記対象空間のCO2濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記対象空間のCO2濃度と前記第1濃度閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、
ことを特徴とする請求項5に記載の状態表現システム。
【請求項7】
前記対象空間における疾病リスクに関する指標値を算出するリスク指標算出部を備え、
前記空気情報は、前記対象空間の温度および湿度を含み、
前記第1の条件は、前記指標値についての第1リスク閾値を含み、前記指標値が前記第1リスク閾値よりも疾病リスクの小さい側であることを含み、
前記リスク指標算出部は、前記空気情報に含まれる湿度及び温度から前記指標値を算出し、
前記表現制御部は、前記指標値が前記第1の条件を満たさない場合は、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記指標値と前記第1リスク閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、
ことを特徴とする請求項5に記載の状態表現システム。
【請求項8】
前記第1の条件は、前記対象空間の空気に関する複数の特徴についての個別条件を含み、
前記表現制御部は、
前記空気情報から求められた前記対象空間の空気に関する複数の特徴の各々が前記個別条件を満たす場合に、前記空気情報が前記第1の条件を満たすと判定し、
前記空気情報から求められた前記対象空間の空気に関する複数の特徴のいずれかが前記個別条件を満たさない場合には、通知部による通知、及び、前記ボディ変形装置の動作の少なくともいずれかを、前記個別条件を満たさない特徴に対応する態様で実行させる、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の状態表現システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、状態表現装置、および、状態表現システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、イオン発生装置およびイオン濃度経時表示部を有する空気浄化装置を開示する。この空気浄化装置は、イオン濃度経時表示部に、イオン濃度の経時変化およびイオン発生装置のオンオフの経時変化を表示する。
特許文献2は、表示装置を有する情報提供システムを開示する。この情報提供システムは、表示装置により、空気中の病原体の自然減少による残存状態の経時変化と、空気浄化装置を運転する場合の病原体の残存状態の経時変化と、空気浄化装置の運転時間と、を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる状態表現装置、および、状態表現システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の状態表現装置は、ボディを有する状態表現装置であって、前記ボディに配置され、前記状態表現装置が設置されている対象空間の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部と、前記ボディの外形を変化させるボディ変形装置と、前記ボディ変形装置を動作させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記空気情報が、前記対象空間が快適であることを示す第1の条件を満たす場合は前記ボディ変形装置を停止させ、前記空気情報が前記第1の条件を満たさない場合、前記空気情報と前記第1の条件との乖離の大きさに応じた態様で前記ボディ変形装置を動作させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の状態表現装置は、対象空間が快適ではない場合に、快適な状態からの乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置を動作させる。このため、ボディの外形の変化によって、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図7】管理サーバおよびスマートフォンのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、空気の状態を表示するために、イオン量の経時変化や、空気中の病原体の残存状態の経時変化を表示画面内に表示する技術が開示されていた。そうした状況において、発明者らは、数値やグラフによる表示では、ユーザにとって空気の快適性の直感的な理解が難しいという課題を発見した。また、発明者らは、空気の快適性を表示画面内の表示によってユーザに伝達する場合、表示画面を有するディスプレイ等の装置は外形が変化しないため、表示が見過ごされ易いという課題を発見した。発明者らは、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる状態表現装置、および、状態表現システムを提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
実施の形態1では、状態表現装置100をスタンドアロンで使用する場合の説明を行う。
【0012】
[1-1.構成]
[1-1-1.対象空間の構成]
図1は、対象空間1の一例を示す図である。対象空間1は、仕切られた空間である。対象空間1は、例えば、1つの建物、建物の内部の居室、カプセル形状のブース、或いは、車両等の移動体に設けられる居室である。典型的な例として、ホテルの客室、病院、会議室、個室型のワークスペース、レストランの個室、車両の車室等が挙げられる。
【0013】
対象空間1には、状態表現装置100が設置される。状態表現装置100は、対象空間1に居る人物Pに対して、対象空間1の空気の状態を表現する装置である。
【0014】
[1-1-2.状態表現装置の構成]
図2は、状態表現装置100の斜視図である。
本実施の形態の状態表現装置100は、人を模した外形のボディ101を有する。ボディ101は、状態表現装置100に具備される種々の装置を内部に格納する。ボディ101は、胴体パーツ102と、頭部パーツ103と、左右の腕部パーツ104、105と、左右の脚部パーツ106、107と、を有する。各パーツ103~107は、それぞれ胴体パーツ102に対して揺動可能に取り付けられる。
【0015】
図3は、状態表現装置100のブロック図である。
ボディ101の内部には、ボディ変形装置141が配置される。ボディ変形装置141は、ボディ101の外形を変化させる装置である。
【0016】
「ボディ101の外形を変化させる」とは、ボディ101の各パーツ102~107の形状を変化させずに、互いの相対位置を変化させることを含む。「ボディ101の外形を変化させる」とは、ボディ101の各パーツ102~107を、もともとの外形と相似な外形を保ったまま膨張または収縮させることを含む。
ボディ変形装置141は、サーボモータ、ステッピングモータ、或いはその他のアクチュエータを含む任意の駆動装置を備える。ボディ変形装置141は、複数の駆動装置を任意に組み合わせた構成であってもよい。ボディ変形装置141は、駆動装置に接続されるギア、リンク機構、或いはその他の機械構造を含んでもよい。
【0017】
ボディ101は、発光装置142を有する。発光装置142は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を含む装置である。本実施の形態では、発光装置142は、赤色、青色、および、緑色の色の可視光を独立に出射することができる。発光装置142が可視光を出射することにより、ボディ101は出射された可視光の色に発光する。発光装置142は、「通知部」の一例に対応する。
【0018】
ボディ101は、CO2濃度センサ143と、温度センサ144と、湿度センサ145と、を有する。CO2濃度センサ143は、対象空間1のCO2濃度を測定するセンサである。温度センサ144は、対象空間1の温度を測定するセンサである。湿度センサ145は、対象空間1の相対湿度を測定するセンサである。以下では、相対湿度を単に湿度と記載する。CO2濃度は、空気による健康リスクの指標値と見做すことができ、値が小さい方がリスクが小さくなる。
【0019】
ボディ101には、制御部110および第1通信装置150が配置される。また、ボディ101は、制御部110、ボディ変形装置141、発光装置142、CO2濃度センサ143、温度センサ144、湿度センサ145、及び第1通信装置150の各部に電力を供給する不図示の電源部を備える。電源部は、例えば、充電可能なバッテリを備える構成であってもよい。この場合、状態表現装置100は持ち運び可能で、任意の場所に設置できるという利点がある。また、電源部は、外部の商用電源に接続され、商用交流電力を所定電圧の直流電力に変換して上記の各部に供給する電源回路であってもよい。
ボディ101は、不図示のスイッチを備え、スイッチの操作に応じて状態表現装置100の電源のオン/オフを切り替える。
【0020】
制御部110は、プロセッサ120、及び、メモリ130を備える。プロセッサ120は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、或いはその他の演算処理装置により構成される。メモリ130は、プロセッサ120が実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリ130は、磁気的記憶装置、半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。具体的には、メモリ130は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等で構成される。メモリ130は、プロセッサ120のワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。
【0021】
メモリ130は、プロセッサ120より実行される制御プログラム131を記憶する。
【0022】
メモリ130は、条件情報132を記憶する。条件情報132は、ボディ変形装置141および発光装置142の動作を決定するために用いられる第1の条件および各種の閾値の情報を含む。第1の条件は、対象空間1が快適であることを示す条件である。第1の条件は、複数の個別条件を含む。
【0023】
プロセッサ120は、制御プログラム131を実行することによって、状態表現装置100の各部を制御する。プロセッサ120は、機能部として、空気情報取得部121、リスク指標算出部122、および、表現制御部123を備える。これらの機能部は、プロセッサ120が制御プログラム131を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0024】
制御部110には、第1通信装置150が接続される。第1通信装置150は、例えば、通信ケーブルを接続するコネクタと、コネクタを通じて信号を入出力するインターフェイス回路とを備える。また、例えば、第1通信装置150は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して外部のネットワークに接続する無線通信装置であってもよい。
【0025】
空気情報取得部121は、対象空間1の空気に関する空気情報を取得する。本実施の形態では、空気情報は、各センサ143、144、145により測定された測定値である対象空間1のCO2濃度、温度および、湿度の少なくともいずれかを含む情報である。
【0026】
リスク指標算出部122は、対象空間1の温度および湿度から、対象空間1における疾病リスクの指標値を算出する。本実施の形態では、リスク指標算出部122は、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)および容積絶対湿度を算出する。以降は容積絶対湿度を乾燥指数と記載する。リスク指標算出部122は、温度および湿度を用いる任意の近似式またはテーブル等を用いて、WBGTおよび乾燥指数の近似値を算出してもよい。WBGTは、熱中症リスクに関する指標値であり、値が小さい場合に熱中症リスクが小さくなる。乾燥指数は、インフルエンザの感染リスクに関する指標値であり、値が大きい場合にインフルエンザの感染リスクが小さくなる。
【0027】
表現制御部123は、空気情報が第1の条件を満たさない場合に、ボディ変形装置141および発光装置142を動作させる。表現制御部123は、空気情報から求められた対象空間1の空気に関する各種の特徴の各々が、第1の条件に含まれる各種の個別条件を満たす場合、空気情報が第1の条件を満たすと判定する。本実施の形態では、対象空間1の空気に関する特徴として、対象空間1のCO2濃度、WBGT、および、乾燥指数が採用され、各々の特徴についての個別条件が設定される。なお、対象空間1の空気に関する特徴として、湿度、温度の測定値、または、各測定値の任意の組み合わせに基づいて算出された指標値を採用してもよい。
【0028】
[1-2.動作]
図4は、状態表現装置100の動作のフローチャートである。
図4の動作は、状態表現装置100の電源がオフからオンに切り替わることをトリガとして開始され、所定の周期で繰り返し行われる。所定の周期は、例えば1分である。
【0029】
ステップSA1において、空気情報取得部121は、空気情報を取得する。具体的には、空気情報取得部121は、各センサ143、144、145により測定された対象空間1のCO2濃度、温度、および湿度の測定値の少なくとも一部を空気情報として取得する。本実施形態では、空気情報取得部121が対象空間1のCO2濃度、温度、および湿度の測定値の全てを空気情報として取得する例を示す。
【0030】
ステップSA2において、リスク指標算出部122は、ステップSA1で取得した空気情報に含まれる対象空間1の温度および湿度の測定値から、対象空間1のWBGTおよび乾燥指数を算出する。
【0031】
ステップSA3において、表現制御部123は、変数情報をリセットする。変数情報は、第1動作変数、第2動作変数、および、第3動作変数を含む。各動作変数は各々、「オフ」、「低」、および、「高」の3値を取り得る。変数情報のリセットにより、各動作変数の値は、初期値である「オフ」に設定される。第1動作変数は、CO2濃度の測定値に応じた動作についての変数である。第2動作変数は、WBGTの算出値に応じた動作についての変数である。第3動作変数は、乾燥指数の算出値に応じた動作についての変数である。なお、各動作変数は、メモリ130の揮発性の領域に一時的に保存される変数であってもよい。
【0032】
ステップSA4において、表現制御部123により、空気情報が第1の条件のうちCO2濃度に関する個別条件を満たすか否かの判定が行われる。CO2濃度に関する個別条件は、取得した空気情報に含まれるCO2濃度の測定値が、第1濃度閾値よりも低いことである。第1濃度閾値は、例えば、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令における基準の上限値である1000ppmに設定される。
表現制御部123により、空気情報はCO2濃度に関する個別条件を満たすと判定された場合(ステップSA4:YES)、ステップSA8に移行し、満たさないと判定された場合(ステップSA4:NO)、ステップSA5に移行する。
【0033】
ステップSA5において、表現制御部123は、取得した空気情報に含まれるCO2濃度の測定値が、第2濃度閾値以上であるか否かを判定する。第2濃度閾値は、第1濃度閾値よりも大きい値であり、例えば、1200ppmに設定される。
表現制御部123により、CO2濃度の測定値が第2濃度閾値以上であると判定された場合(ステップSA5:YES)、ステップSA6に移行し、第2濃度閾値未満であると判定された場合(ステップSA5:NO)、ステップSA7に移行する。
【0034】
ステップSA6において、表現制御部123は、第1動作変数の値を「高」に設定し、ステップSA8に移行する。
【0035】
ステップSA7において、表現制御部123は、第1動作変数の値を「低」に設定し、ステップSA8に移行する。
【0036】
ステップSA8において、表現制御部123により、空気情報が第1の条件のうちWBGTに関する個別条件を満たすか否かの判定が行われる。WBGTに関する個別条件は、取得した空気情報から求められたWBGTの算出値が、第1WBGT閾値よりも低いことである。第1WBGT閾値は、例えば、激しい運動の中止が推奨される28℃である。第1WBGT閾値は、「第1リスク閾値」の一例である。
表現制御部123により、空気情報はWBGTに関する個別条件を満たすと判定された場合(ステップSA8:YES)、ステップSA12に移行し、満たさないと判定された場合(ステップSA8:NO)、ステップSA9に移行する。
【0037】
ステップSA9において、表現制御部123は、取得した空気情報から求められたWBGTの算出値が、第2WBGT閾値以上であるか否かを判定する。第2WBGT閾値は、第1WBGT閾値よりも大きい値であり、例えば、運動の原則中止が推奨される31℃である。
表現制御部123により、WBGTの算出値が第2WBGT閾値以上であると判定された場合(ステップSA9:YES)、ステップSA10に移行し、第2WBGT閾値未満であると判定された場合(ステップSA9:NO)、ステップSA11に移行する。
【0038】
ステップSA10において、表現制御部123は、第2動作変数の値を「高」に設定し、ステップSA12に移行する。
【0039】
ステップSA11において、表現制御部123は、第2動作変数の値を「低」に設定し、ステップSA12に移行する。
【0040】
ステップSA12において、表現制御部123により、空気情報が第1の条件のうち乾燥指数に関する個別条件を満たすか否かの判定が行われる。乾燥指数に関する個別条件は、取得した空気情報から求められた乾燥指数の算出値が、第1乾燥閾値よりも高いことである。第1乾燥閾値は、例えば、インフルエンザウイルスの流行が始まる目安とされる11g/m3である。第1乾燥閾値は、「第1リスク閾値」の一例である。
表現制御部123により、空気情報は乾燥指数に関する個別条件を満たすと判定された場合(ステップSA12:YES)、ステップSA16に移行し、満たさないと判定された場合(ステップSA12:NO)、ステップSA13に移行する。
【0041】
ステップSA13において、表現制御部123は、取得した空気情報から求められた乾燥指数の算出値が、第2乾燥閾値以下であるか否かを判定する。第2乾燥閾値は、第1乾燥閾値よりも小さい値であり、例えば、空気中のインフルエンザウイルスの6時間生存率が20%となる7g/m3である。
表現制御部123により、乾燥指数の算出値が第2乾燥閾値以下であると判定された場合(ステップSA13:YES)、ステップSA14に移行し、第2乾燥閾値を超過すると判定された場合(ステップSA13:NO)、ステップSA15に移行する。
【0042】
ステップSA14において、表現制御部123は、第3動作変数の値を「高」に設定し、ステップSA16に移行する。
【0043】
ステップSA15において、表現制御部123は、第3動作変数の値を「低」に設定し、ステップSA16に移行する。
【0044】
ステップSA16において、表現制御部123は、各動作変数に従った動作を行うための処理を実行する。
【0045】
図5は、状態表現装置100の動作のフローチャートであり、
図4のステップSA16において各動作変数に従った動作を行うための処理のサブルーチンを示す。なお、
図5の動作は、個別条件を満たさなかった対象空間1の空気の特徴を、発光装置142の動作によって通知する場合の動作である。
【0046】
ステップSA17において、表現制御部123は、各動作変数のうち、値が「高」に設定された動作変数が存在するか否かを判定する。表現制御部123により、値が「高」に設定された動作変数が存在すると判定された場合(ステップSA17:YES)、ステップSA19に移行し、存在しないと判定された場合(ステップSA17:NO)、ステップSA18に移行する。
【0047】
ステップSA18において、表現制御部123は、各動作変数のうち、値が「低」に設定された動作変数が存在するか否かを判定する。表現制御部123により、値が「低」に設定された動作変数が存在すると判定された場合(ステップSA18:YES)、ステップSA20に移行し、存在しないと判定された場合(ステップSA18:NO)、ステップSA21に移行する。
【0048】
ステップSA19において、表現制御部123は、ボディ変形装置141を動作させ、所定動作を短い周期で繰り返させる。所定動作は、例えば、胴体パーツ102を膨張させた後に元の大きさまで収縮させる動作、または、各パーツ103~107を胴体パーツ102に対して揺動させる動作等である。
【0049】
ステップSA20において、表現制御部123は、ボディ変形装置141を動作させ、所定動作を、ステップSA19の繰り返しの周期よりも長い周期で繰り返させる。所定動作は、例えば、ステップSA19の動作と同一である。
【0050】
なお、ステップSA19およびステップSA20において、毎回の所定動作の完了後に、次の所定動作の開始までの待機時間を設け、待機時間の長さを変更することによって、所定動作の周期を異なる周期としてもよい。例えば、所定動作が胴体パーツ102を膨張させた後に元の大きさまで収縮させる動作である場合、胴体パーツ102が元の大きさまで収縮した後に次の膨張までの異なる待機時間を設けることで、所定動作の周期を異なる周期としてもよい。
また、ステップSA19およびステップSA20において、毎回の所定動作の開始から完了までの時間を異なる時間とすることにより、所定動作の周期を異なる周期としてもよい。例えば、所定動作が胴体パーツ102を膨張させた後に元の大きさまで収縮させる動作である場合、収縮および膨張の速度を変更することで、所定動作の周期を異なる周期としてもよい。
【0051】
ステップSA21において、表現制御部123は、ボディ変形装置141を停止させ、ステップSA23に移行する。
【0052】
表現制御部123は、ステップSA19またはステップSA20において、予め設定された回数だけ、或いは予め設定された時間だけ繰り返し所定動作を実行した後、または、所定動作を繰り返し実行中に、ステップSA22の処理を行う。
ステップSA22において、表現制御部123は、値が「低」または「高」に設定された動作変数に対応する通知を実行する。本実施の形態では、通知は発光装置142による可視光の出射によって実行される。発光装置142は、個別条件を満たさない特徴に対応する態様で通知を実行する。
具体的には、CO2濃度に応じた動作に関する第1動作変数に対応する通知において、表現制御部123は発光装置142に赤色の可視光を出射させる。WBGTに応じた動作に関する第2動作変数に対応する通知において、表現制御部123は発光装置142に緑色の可視光を出射させる。乾燥指数に応じた動作に関する第3動作変数に対応する通知において、表現制御部123は発光装置142に青色の可視光を出射させる。
なお、複数の動作変数の値が「低」または「高」であった場合は、表現制御部123は、発光装置142に当該動作変数に対応する色の可視光を交互に出射させる。
なお、本実施の形態の様に個別条件を満たさない特徴に対応する態様の通知を実行する以外に、ボディ変形装置141に個別条件を満たさない特徴に対応する態様の動作を実行させてもよい(他の実施の形態を参照)。
【0053】
ステップSA23において、表現制御部123は、通知の実行を停止する。表現制御部123は、発光装置142を制御して可視光の出射を停止させる。
【0054】
ステップSA21、SA23は、空気情報が第1の条件に含まれる個別条件をすべて満たす場合にのみ実行されるステップである。すなわち、空気情報が第1の条件を満たす場合、表現制御部123はボディ変形装置141の動作および通知を停止させる。
【0055】
ステップSA19、SA20、SA22は、空気情報から求められた対象空間1の空気に関する特徴のいずれかが、第1の条件に含まれる個別条件を満たさない場合に実行されるステップである。すなわち、空気情報が第1の条件を満たさない場合、表現制御部1123はボディ変形装置141に所定動作を繰り返し実行させる。
【0056】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、状態表現装置100は、ボディ101を有する状態表現装置100であって、ボディ101に配置され、状態表現装置100が設置されている対象空間1の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部121と、ボディ101の外形を変化させるボディ変形装置141と、ボディ変形装置141を動作させる制御部110と、を備え、制御部110は、空気情報が、対象空間1が快適であることを示す第1の条件を満たす場合はボディ変形装置141を停止させ、空気情報が第1の条件を満たさない場合、空気情報と第1の条件との乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置141を動作させる。
これにより、対象空間1が快適ではない場合に、快適な状態からの乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置141を動作させることができる。そのため、ボディ101の外形の変化によって、対象空間1の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
特に、本実施の形態では、空気情報が第1の条件を満たさない場合、空気情報と第1の条件との乖離の大きさを、第2濃度閾値、第2WBGT閾値、および、第2乾燥閾値と各特徴との比較によって2段階で判定する。これにより、状態表現装置100の制御が容易になる。
【0057】
また、本実施の形態のように、状態表現装置100において、空気情報は、対象空間1のCO2濃度を含み、第1の条件は、対象空間1のCO2濃度が第1濃度閾値より低いことを含み、制御部110は、対象空間1のCO2濃度が第1濃度閾値以上である場合に、ボディ変形装置141に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、対象空間1のCO2濃度と第1濃度閾値との乖離が大きいほど、ボディ変形装置141が所定動作を繰り返す周期を短くする、構成としてもよい。
これにより、CO2濃度が高まって対象空間1の快適性が損なわれた場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置141は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、CO2濃度が高いほどボディ101の変形が目に留まり易くなり、対象空間1のCO2濃度が高いことを直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0058】
また、本実施の形態のように、状態表現装置100において、空気情報は、対象空間1の温度および湿度を含み、第1の条件は、対象空間1における熱中症リスク、インフルエンザの感染リスクに関する指標値であるWBGT、乾燥指数についての第1WBGT閾値、第1乾燥閾値を含み、WBGT、乾燥指数が第1WBGT閾値、第1乾燥閾値よりも熱中症リスク、インフルエンザの感染リスクの小さい側であることを含み、制御部110は、空気情報に含まれる湿度及び温度からWBGT、乾燥指数を算出し、WBGT、乾燥指数が第1の条件を満さない場合は、ボディ変形装置141に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、WBGT、乾燥指数と第1WBGT閾値、第1乾燥閾値との乖離が大きいほど、ボディ変形装置141が所定動作を繰り返す周期を短くする、構成としてもよい。
これにより、WBGTが高まり、または、乾燥指数が低下して対象空間1の快適性が損なわれた場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置141は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、WBGTが高いほど、または、乾燥指数が低いほどボディ101の変形が目に留まり易くなり、対象空間1の熱中症リスク、インフルエンザの感染リスクが高いことを直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0059】
また、本実施の形態のように、第1の条件は、対象空間1の空気に関する複数の特徴であるCO2濃度、WBGT、乾燥指数についての個別条件を含み、制御部110は、空気情報から対象空間1の空気に関するCO2濃度、WBGT、乾燥指数を求め、求めたCO2濃度、WBGT、乾燥指数の各々が個別条件を満たす場合に、空気情報が第1の条件を満たすと判定し、空気情報から求めた対象空間1の空気に関するCO2濃度、WBGT、乾燥指数のいずれかが個別条件を満たさない場合には、発光装置142による通知、及び、ボディ変形装置141の動作の少なくともいずれかを、個別条件を満たさない特徴に対応する態様で実行させる、構成としてもよい。
これにより、状態表現装置100は、対象空間1の快適性を損ねる特徴ごとに、異なる態様の通知、または、ボディ変形装置141の異なる態様の動作を行うことができる。そのため、対象空間1の快適性を損なっている空気の特徴を、直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0060】
(実施の形態2)
実施の形態2では、状態表現装置100を含む状態表現システム1000について説明する。
【0061】
[2-1.構成]
[2-1-1.状態表現システムの全体構成]
図6は、状態表現システム1000の構成を示す図である。
状態表現システム1000は、対象空間1における空気の快適性を、実施の形態1で説明した状態表現装置100によって表現するシステムである。
【0062】
状態表現システム1000は、情報の収集および動作の指令を行う管理サーバ200を備える。管理サーバ200が管理の対象とする対象空間1の例として、対象空間1A、1Bを示し、これらを区別しない場合に対象空間1と記載する。
対象空間1Aの状態を表現する状態表現装置100の例として、状態表現装置100Aを示し、対象空間1Bの状態を表現する状態表現装置100の例として、状態表現装置100Bを示す。これらを区別しない場合に状態表現装置100と記載する。
【0063】
状態表現システム1000は、対象空間1に関する通知を実行するスマートフォン300を含んでいてもよい。対象空間1Aに関する通知を実行するスマートフォン300の例として、スマートフォン300Aを示し、対象空間1Bに関する通知を実行するスマートフォン300の例として、スマートフォン300Bを示す。これらを区別しない場合にスマートフォン300と記載する。
対象空間1には、センサユニット10が配置される。センサユニット10は、対象空間1のCO2濃度、温度、および、湿度を測定するセンサと、通信装置と、を有する。センサユニット10は、所定の周期で対象空間1のCO2濃度、温度、および、湿度を測定し、測定値を空気情報として管理サーバ200に送信する。対象空間1Aに配置されるセンサユニット10の例として、センサユニット10Aを示し対象空間1Bに配置されるセンサユニット10の例として、センサユニット10Bを示す。これらを区別しない場合にスマートフォン300と記載する。
【0064】
対象空間1の数、センサユニット10の数、状態表現装置100の数、および、スマートフォン300の数は、制限されない。対象空間1と管理サーバ200と状態表現装置100とスマートフォン300との位置関係、および、各々のセンサユニット10と状態表現装置100とスマートフォン300と対象空間1との対応は制限されない。
【0065】
本実施の形態において、状態表現装置100A、100Bは、各々が表現する状態に対応する対象空間1A、1Bの外部に設けられている。本実施の形態において、状態表現装置100A、100Bに搭載された各センサ143、144、145は使用しない。例えば、状態表現装置100A、100Bは、
図3に示した構成からセンサ143、144、145を省略したものであってもよい。また、状態表現装置100A、100Bが設けられる任意の居室は、空気情報を取得する対象空間1として扱わない。
【0066】
図6に示すように、センサユニット10、状態表現装置100A、100B、管理サーバ200、および、スマートフォン300Aは、通信ネットワークNWに接続される。
【0067】
通信ネットワークNWは、専用回線、公衆回線網、インターネット等を含んで構成される通信回線である。通信ネットワークNWは、Wi-Fi(登録商標)ルータ、スイッチ、ルータ、ゲートウェイ、各種のサーバ装置等の不図示のネットワーク装置を含んでもよい。
本開示における通信ネットワークNWは、例えば、対象空間1A、1Bを有する建造物等に敷設されたLAN(Local Area Network)を含み、LANとインターネットとを含んでもよい。
【0068】
[2-1-2.管理サーバの構成]
図7は、管理サーバ200およびスマートフォン300のブロック図である。管理サーバ200は、制御部210と、第2通信装置250と、を備える。管理サーバ200は、単一のサーバコンピュータで構成されてもよいし、複数のサーバコンピュータで構成されてもよく、クラウドサーバ等の分散型のコンピュータシステムであってもよい。
【0069】
制御部210は、プロセッサ220、及び、メモリ230を備える。プロセッサ220は、CPU、MPU、或いはその他の演算処理装置により構成される。メモリ230は、プロセッサ220が実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリ230は、磁気的記憶装置、半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。具体的には、メモリ230は、HDD、フラッシュROM、SSD等で構成される。メモリ230は、プロセッサ220のワークエリアを構成するRAMを含んでもよい。
【0070】
メモリ230は、プロセッサ220より実行される制御プログラム131を記憶する。メモリ230は、条件情報232および対応情報233を記憶する。
【0071】
条件情報232は、実施の形態1の条件情報132と同様の情報であり、第1の条件および第2濃度閾値、第2WBGT閾値、および、第2乾燥閾値の情報を含む。
【0072】
対応情報233は、対象空間1に配置されたセンサユニット10と、その対象空間1の空気の状態を表現する状態表現装置100と、その対象空間1の空気の状態に応じた通知を行う状態表現装置100またはスマートフォン300と、を対応づける情報を含む。
具体的には、対応情報233は、センサユニット10Aと、状態表現装置100Aと、スマートフォン300Aと、を対応づける情報を含む。また、対応情報233は、センサユニット10Bと、状態表現装置100Bと、スマートフォン300Bと、を対応づける情報を含む。
【0073】
プロセッサ220は、制御プログラム231を実行することによって、管理サーバ200の各部を制御する。プロセッサ220は、機能部として、空気情報取得部221、リスク指標算出部222、および、表現制御部223を備える。これらの機能部は、プロセッサ120が制御プログラム131を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0074】
制御部210には、第2通信装置250が接続される。第2通信装置250は、通信ネットワークNWに接続される通信装置である。第2通信装置250は、例えば、通信ケーブルを接続するコネクタと、コネクタを通じて信号を入出力するインターフェイス回路とを備える。また、例えば、第2通信装置250は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して通信ネットワークNWに接続する無線通信装置であってもよい。
【0075】
空気情報取得部221は、各々の対象空間1の空気に関する空気情報を取得する。空気情報は、センサユニット10により測定された測定値である。空気情報は、センサユニット10が配置された対象空間1のCO2濃度、温度および、湿度を含む情報である。
【0076】
リスク指標算出部222は、リスク指標算出部122と同様に、対象空間1の温度および湿度から、対象空間1における疾病リスクの指標値であるWBGTおよび乾燥指数を算出する。
【0077】
表現制御部223は、センサユニット10または状態表現装置100から取得した空気情報が第1の条件を満たさない場合に、対応する状態表現装置100のボディ変形装置141を動作させる。表現制御部223は、表現制御部123と同様の方法で、空気情報が第1の条件を満たすか否かを判定する。
【0078】
[2-1-3.スマートフォンの構成]
スマートフォン300は、制御部310と、タッチパネル340と、第3通信装置350と、を備える。
タッチパネル340は、表示画面と、表示画面に重畳して配置されたタッチセンサとを備え、タッチセンサによりユーザの操作を検出して操作データを制御部310に出力する。タッチパネル340の表示画面は、液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等で構成される。タッチパネル340は、「通知部」の一例である。
【0079】
第3通信装置350は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して通信ネットワークNWに接続する無線通信装置である。
【0080】
制御部310は、プロセッサ320、及び、メモリ330を備える。プロセッサ320は、CPU、MPU、或いはその他の演算処理装置により構成される。メモリ330は、プロセッサ320が実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリ330は、磁気的記憶装置、半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。具体的には、メモリ330は、HDD、フラッシュROM、SSD等で構成される。メモリ330は、プロセッサ320のワークエリアを構成するRAMを含んでもよい。
【0081】
メモリ330は、プロセッサ320より実行される制御プログラム331およびアプリケーションプログラム332を記憶する。プロセッサ320は、制御プログラム331を実行することによって、スマートフォン300の各部を制御する。制御プログラム331は、スマートフォン300の基本機能を実行するオペレーティングシステム(OS)であり、例えば、Android(登録商標)OS、iOS(登録商標)が挙げられる。プロセッサ320は、制御プログラム231を実行することによって、現在時刻を計時するRTC機能を実行する。プロセッサ320は、制御プログラム331を実行することによって、各種のアプリケーションプログラム332を実行可能なプラットフォームを構成する。
【0082】
アプリケーションプログラム332は、プロセッサ320が構成するプラットフォーム上で実行されるプログラムである。
【0083】
プロセッサ320は、機能部として、通知制御部321を備える。これらの機能部は、プロセッサ320がアプリケーションプログラム332を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0084】
通知制御部321は、管理サーバ200から通知指令を受信し、タッチパネル340に受信した通知指令に対応する態様の画面を表示させることで、ユーザに対する通知を行う。
【0085】
[2-2.動作]
図8は、状態表現システム1000の動作を示すシーケンス図である。
図8の動作は、例えば、センサユニット10、管理サーバ200、状態表現装置100および、スマートフォン300が相互に接続された状態で、任意のタイミングで開始され、所定の周期で繰り返し実行される。所定の周期は、例えば1分である。
図8において、ステップSB1およびステップSB2は、センサユニット10の動作である。ステップSC1からステップSC7は、管理サーバ200の動作である。ステップSA31とステップSA32は、状態表現装置100の動作である。ステップSD1とステップSD2は、スマートフォン300の動作である。
【0086】
ステップSB1において、センサユニット10は、対象空間1のCO2濃度、温度、および、湿度を測定する。
【0087】
ステップSB2において、センサユニット10は、CO2濃度、温度、および、湿度の測定値を、空気情報として管理サーバ200に送信する。
【0088】
ステップSC1において、空気情報取得部221は、送信された空気情報を取得する。
【0089】
ステップSC2において、リスク指標算出部222は、取得した空気情報から、対象空間1のWBGTおよび乾燥指数を算出する。
【0090】
ステップSC3において、表現制御部223は、空気情報に対応する第1動作変数、第2動作変数、および、第3動作変数を、空気情報に対応する値に設定する。表現制御部223は、
図4のステップSA3からステップSA15に示した表現制御部123による処理と同様の処理を行い、各動作変数の値を設定する。
【0091】
すなわち、ステップSC3において、対象空間1の空気の3つの特徴のうち、第1の条件の個別条件を満たす特徴に応じた動作についての動作変数の値は「オフ」とされる。対象空間1の空気の3つの特徴のうち、第1の条件の個別条件を満たさず、且つ、第2濃度閾値、第2WBGT閾値、または、第2乾燥閾値よりもリスクが大きい特徴に応じた動作についての動作変数の値は「高」とされる。対象空間1の空気の3つの特徴のうち、第1の条件の個別条件を満たさず、且つ、第2濃度閾値、第2WBGT閾値、または、第2乾燥閾値よりもリスクが小さい特徴に応じた動作についての動作変数の値は「低」とされる。
【0092】
ステップSC4において、表現制御部223は、対応情報233を参照し、取得した空気情報に対応する状態表現装置100およびスマートフォン300を特定する。例えば、ステップSC1において、空気情報取得部221がセンサユニット10Aから送信された空気情報を取得していた場合、ステップSC4では状態表現装置100Aおよびスマートフォン300Aが特定される。
【0093】
ステップSC5において、表現制御部223は、設定した各動作変数に対応する動作および通知の態様を特定する。表現制御部223は、
図5のステップSA17からステップSA23で表現制御部123が行った処理と同様の要領で処理を実行し、設定した各動作変数に対応する動作および通知の態様を特定する。ただし、
図5の動作とは異なり、ステップSC5では動作および通知の実行は行わず、動作および通知の態様の特定のみを行う。ステップSC5で特定される動作および通知の態様は、動作および通知の停止を含む。また、ステップSC5で特定される通知の態様は、タッチパネル340に表示される通知画面であって、個別条件を満たさない特徴を示す文字や画像を有する通知画面を含む。
【0094】
ステップSC6において、表現制御部223は、ステップSC5で特定した態様の動作をボディ変形装置141に実行させる動作指令を、ステップSC4特定した状態表現装置100に送信する。
ステップSC7において、表現制御部223は、ステップSC5で特定した通知画面をタッチパネル340に表示させる通知指令を、ステップSC4で特定したスマートフォン300に送信する。
【0095】
ステップSA31において、状態表現装置100は、送信された通知指令を受信する。ステップSA32において、ボディ変形装置141は、受信した動作指令に従って動作する。
【0096】
ステップSD1において、スマートフォン300は、送信された通知指令を受信する。ステップSD2において、通知制御部321は、受信した通知指令に従ってタッチパネル340に通知画面を表示させる。
【0097】
[2-3.効果等]
以上のように本実施の形態において、状態表現システム1000は、ボディ101と、ボディ101の外形を変化させるボディ変形装置141と、を有する状態表現装置100と、対象空間1の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部121、221と、ボディ変形装置141を動作させる表現制御部123、223と、を備え、表現制御部123、223は、空気情報が、対象空間1が快適であることを示す第1の条件を満たす場合はボディ変形装置141を停止させ、空気情報が第1の条件を満たさない場合、空気情報と第1の条件との乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置141を動作させる、状態表現システム。
これにより、対象空間1が快適ではない場合に、快適な状態からの乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置141を動作させることができる。そのため、ボディ101の外形の変化によって、対象空間1の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0098】
また、本実施の形態のように、状態表現システム1000において、空気情報は、対象空間1のCO2濃度を含み、第1の条件は、対象空間1のCO2濃度が第1濃度閾値より低いことを含み、表現制御部123、223は、対象空間1のCO2濃度が第1濃度閾値以上である場合に、ボディ変形装置141に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、対象空間1のCO2濃度と第1濃度閾値との乖離が大きいほど、ボディ変形装置141が所定動作を繰り返す周期を短くする、構成としてもよい。
これにより、CO2濃度が高まって対象空間1の快適性が損なわれた場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置141は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、CO2濃度が高いほどボディ101の変形が目に留まり易くなり、対象空間1のCO2濃度が高いことを直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0099】
また、本実施の形態のように、状態表現システム1000は、対象空間1における熱中症リスク、インフルエンザの感染リスクに関する指標値であるWBGT、乾燥指数を算出するリスク指標算出部122、222を備え、空気情報は、対象空間1の温度および湿度を含み、第1の条件は、WBGT、乾燥指数についての第1WBGT閾値、第1乾燥閾値を含み、WBGT、乾燥指数が第1WBGT閾値、第1乾燥閾値よりも熱中症リスク、インフルエンザの感染リスクの小さい側であることを含み、リスク指標算出部122、222は、空気情報に含まれる湿度及び温度からWBGT、乾燥指数を算出し、表現制御部123、223は、WBGT、乾燥指数が第1の条件を満たさない場合は、ボディ変形装置141に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、WBGT、乾燥指数と第1WBGT閾値、第1乾燥閾値との乖離が大きいほど、ボディ変形装置141が所定動作を繰り返す周期を短くする、構成としてもよい。
これにより、WBGTが高まり、または、乾燥指数が低下して対象空間1の快適性が損なわれた場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置141は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、WBGTが高いほど、または、乾燥指数が低いほどボディ101の変形が目に留まり易くなり、対象空間1の熱中症リスク、インフルエンザの感染リスクが高いことを直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0100】
また、本実施の形態のように、状態表現システム1000において、第1の条件は、対象空間1の空気に関する複数の特徴であるCO2濃度、WBGT、乾燥指数についての個別条件を含み、表現制御部123、223は、空気情報から求められた対象空間1の空気に関するCO2濃度、WBGT、乾燥指数の各々が個別条件を満たす場合に、空気情報が第1の条件を満たすと判定し、空気情報から求められた対象空間1の空気に関するCO2濃度、WBGT、乾燥指数のいずれかが個別条件を満たさない場合には、発光装置142、タッチパネル340による通知、及び、ボディ変形装置141の動作の少なくともいずれかを、個別条件を満たさない特徴に対応する態様で実行させる、構成としてもよい。
これにより、対象空間1の快適性を損ねる特徴ごとに、発光装置142、タッチパネル340による異なる態様の通知、または、ボディ変形装置141による異なる態様の動作が行われる。そのため、対象空間1の快適性を損なっている空気の特徴を、直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0101】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0102】
実施の形態1および2において、ボディ変形装置141は、第1の条件に含まれる個別条件を満たさない特徴の種類によらず、同じ所定動作を繰り返し実行すると説明した。また、
図4の動作では、第1の条件に含まれる個別条件を満たさない特徴に応じて、発光装置142は異なる通知を行うと説明した。
しかし、状態表現装置100および状態表現システム1000は、個別条件を満たさない特徴がどの特徴であるかを特定可能なように構成されていればよい。
【0103】
例えば、表現制御部123、223によって設定された第1動作変数、第2動作変数、および、第3動作変数の値によって決定されるボディ変形装置141の動作は、それぞれ異なる動作であってもよい。
具体的には、第1動作変数の値が「低」または「高」である場合にボディ変形装置141は第1動作を行い、第2動作変数の値が「低」または「高」である場合にボディ変形装置141は第2動作を行い、第3動作変数の値が「低」または「高」である場合にボディ変形装置141は第2動作を行う、構成としてもよい。第1動作は、例えば、左の腕部パーツ104を揺動させる動作である。第2動作は、例えば、右の腕部パーツ105を揺動させる動作である。第3動作は、例えば、左右の脚部パーツ106、107を交互に揺動させる動作である。
複数の動作変数の値が「低」または「高」である場合には、ボディ変形装置141は、対応する複数の動作を同時に実行してもよい。
【0104】
実施の形態2では、対象空間1にはセンサユニット10が配置されると説明したが、これは一例である。例えば、対象空間1Aには、センサユニット10Aの代わりに、状態表現装置100A、100Bとは別の状態表現装置100が配置される構成としてもよい。
この場合、対象空間1Aに配置される状態表現装置100は、管理サーバ200に対して空気情報を送信し、管理サーバ200から状態表現装置100Aに対して動作指令が送信される構成としてもよい。
また、対象空間1Aに配置される状態表現装置100は、実施の形態1の様に、対象空間1Aの状態に対応して自身のボディ変形装置141を動作させ、自身のボディ変形装置141と同様の動作を行う動作指令を、管理サーバ200を介さずに状態表現装置100Aに送信する構成としてもよい。
【0105】
実施の形態2では、表現制御部223は、通知指令をスマートフォン300に対して送信すると説明したが、これは一例である。通知指令は、動作指令の送信対象の状態表現装置100に送信され、動作指令および通知指令を受信した状態表現装置100は、動作指令および通知指令に従ってボディ変形装置141および発光装置142を制御する、構成としてもよい。
【0106】
実施の形態1および2では、通知部の例として、状態表現装置100に設けられた発光装置142、および、スマートフォン300のタッチパネル340を説明した。通知部は、個別条件を満たさない特徴がどの特徴であるかを通知できればよい。
通知部は、例えば、スピーカ等の音声を発生させる装置、ディスプレイ等の表示装置、LED等を有する発光装置、または、動作や振動を発生させるアクチュエータ等であってもよい。また、通知部は、状態表現装置100またはその他の装置に設けることができる。
【0107】
実施の形態1および2では、状態表現装置100は、人を模した外形のボディ101を有すると説明したが、これは一例である。ボディ101の外形は任意に設定可能である。
【0108】
本開示における通信装置の構成は、本開示の装置と外部機器との通信を可能にするものであればよい。発明の主題を表現する際に、本開示の装置と外部機器との通信を可能にするものとして、コミュニケータの他にも通信手段または通信部または送受信手段または送受信部またはそれらに類似する文言で表記する場合がある。第1通信装置150、第2通信装置250、第3通信装置350、またはセンサユニット10が備える不図示の通信装置を構成するコミュニケータは、様々な態様で実現可能である。例えば、コミュニケータは、外部機器と有線で接続する態様であってもよいし、外部機器と無線で通信接続する態様であってもよい。本開示の装置と外部機器とを有線で接続するコミュニケータであれば、通信のセキュリティ性、及び、通信の安定性において有効である。有線接続のコミュニケータとしては、例えば、Ethernet(登録商標)規格に基づく有線LAN、または、光ファイバーケーブルを用いた有線接続などがある。無線接続のコミュニケータとしては、基地局等を介しての外部機器との無線接続、または、外部機器との直接無線接続などがある。基地局等を介しての外部機器との無線接続としては、例えば、Wi-Fiルータと無線通信するIEEE802.11対応の無線LAN、第3世代移動通信システム(通称3G)、第4世代移動通信システム(通称4G)、IEEE 802.16対応のWiMax(登録商標)、または、LPWA(Low Power Wide Area)などがある。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続するコミュニケータを用いれば、通信のセキュリティ性の向上に有効であるとともに、Wi-Fiルータなどの中継機器が存在しない場所でも、本開示の装置は外部機器と通信できる。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続するコミュニケータとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)による通信、ループアンテナを介したNFC(Near Field Communication)による通信、または、赤外線通信などがある。
【0109】
図3及び
図7に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、状態表現装置100、管理サーバ200、スマートフォン300、及びその他の機器の具体的な細部構成についても、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0110】
また、
図4、
図5、及び
図8に示す動作のステップ単位は、状態表現装置100および状態表現システム1000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本開示が限定されることはない。
【0111】
なお、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0112】
[上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0113】
(付記)
(技術1)ボディを有する状態表現装置であって、前記ボディに配置され、前記状態表現装置が設置されている対象空間の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部と、前記ボディの外形を変化させるボディ変形装置と、前記ボディ変形装置を動作させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記空気情報が、前記対象空間が快適であることを示す第1の条件を満たす場合は前記ボディ変形装置を停止させ、前記空気情報が前記第1の条件を満たさない場合、前記空気情報と前記第1の条件との乖離の大きさに応じた態様で前記ボディ変形装置を動作させる、状態表現装置。
これにより、対象空間が快適ではない場合に、快適な状態からの乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置を動作させることができる。このため、ボディの外形の変化によって、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0114】
(技術2)前記空気情報は、前記対象空間のCO2濃度を含み、前記第1の条件は、前記対象空間のCO2濃度が第1濃度閾値より低いことを含み、前記制御部は、前記対象空間のCO2濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記対象空間のCO2濃度と前記第1濃度閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、技術1に記載の状態表現装置。
これにより、CO2濃度が高まって対象空間の快適性が損なわれた場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、CO2濃度が高いほどボディの変形が目に留まり易くなり、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0115】
(技術3)前記空気情報は、前記対象空間の温度および湿度を含み、前記第1の条件は、前記対象空間における疾病リスクに関する指標値についての第1リスク閾値を含み、前記指標値が前記第1リスク閾値よりも疾病リスクの小さい側であることを含み、前記制御部は、前記空気情報に含まれる湿度及び温度から前記指標値を算出し、前記指標値が前記第1の条件を満たさない場合は、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記指標値と前記第1リスク閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、技術1または2に記載の状態表現装置。
これにより、対象空間の快適性が損なわれて指標値が第1リスク閾値と同等以上に疾病リスクが大きい側になった場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、快適な状態からの乖離が大きいほどボディの変形が目に留まり易くなり、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0116】
(技術4)前記第1の条件は、前記対象空間の空気に関する複数の特徴についての個別条件を含み、前記制御部は、前記空気情報から前記対象空間の空気に関する複数の特徴を求め、求めた特徴の各々が前記個別条件を満たす場合に、前記空気情報が前記第1の条件を満たすと判定し、前記空気情報から求めた前記対象空間の空気に関する特徴のいずれかが前記個別条件を満たさない場合には、通知部による通知、及び、前記ボディ変形装置の動作の少なくともいずれかを、前記個別条件を満たさない特徴に対応する態様で実行させる、技術1から3のいずれかに記載の状態表現装置。
これにより、状態表現装置は、対象空間の快適性を損ねる特徴ごとに、異なる態様の通知、または、ボディ変形装置の異なる態様の動作を行うことができる。そのため、対象空間の快適性を損なっている空気の特徴を、直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0117】
(技術5)ボディと、前記ボディの外形を変化させるボディ変形装置と、を有する状態表現装置と、対象空間の空気に関する空気情報を取得する空気情報取得部と、前記ボディ変形装置を動作させる表現制御部と、を備え、前記表現制御部は、前記空気情報が、前記対象空間が快適であることを示す第1の条件を満たす場合は前記ボディ変形装置を停止させ、前記空気情報が前記第1の条件を満たさない場合、前記空気情報と前記第1の条件との乖離の大きさに応じた態様で前記ボディ変形装置を動作させる、状態表現システム。
これにより、対象空間が快適ではない場合に、快適な状態からの乖離の大きさに応じた態様でボディ変形装置を動作させることができる。そのため、ボディの外形の変化によって、対象空間の空気の状態を直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0118】
(技術6)前記空気情報は、前記対象空間のCO2濃度を含み、前記第1の条件は、前記対象空間のCO2濃度が第1濃度閾値より低いことを含み、前記表現制御部は、前記対象空間のCO2濃度が前記第1濃度閾値以上である場合に、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記対象空間のCO2濃度と前記第1濃度閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、技術5に記載の状態表現システム。
これにより、CO2濃度が高まって対象空間の快適性が損なわれた場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、CO2濃度が高いときほどボディの変形が目に留まり易くなり、対象空間のCO2濃度が高いことを直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0119】
(技術7)前記対象空間における疾病リスクに関する指標値を算出するリスク指標算出部を備え、前記空気情報は、前記対象空間の温度および湿度を含み、前記第1の条件は、前記指標値についての第1リスク閾値を含み、前記指標値が前記第1リスク閾値よりも疾病リスクの小さい側であることを含み、前記リスク指標算出部は、前記空気情報に含まれる湿度及び温度から前記指標値を算出し、前記表現制御部は、前記指標値が前記第1の条件を満たさない場合は、前記ボディ変形装置に所定動作を繰り返し実行させる処理を行い、前記指標値と前記第1リスク閾値との乖離が大きいほど、前記ボディ変形装置が前記所定動作を繰り返す周期を短くする、技術5または6に記載の状態表現システム。
これにより、対象空間の快適性が損なわれて指標値が第1リスク閾値と同等以上に疾病リスクが大きい側になった場合に、快適な状態からの乖離が大きいほど、ボディ変形装置は短い周期で所定動作を繰り返すことができる。そのため、快適な状態からの乖離が大きいほどボディの変形が目に留まり易くなり、対象空間の疾病リスクが高いことを直感的にわかりやすく伝えることができる。
【0120】
(技術8)前記第1の条件は、前記対象空間の空気に関する複数の特徴についての個別条件を含み、前記表現制御部は、前記空気情報から求められた前記対象空間の空気に関する複数の特徴の各々が前記個別条件を満たす場合に、前記空気情報が前記第1の条件を満たすと判定し、前記空気情報から求められた前記対象空間の空気に関する複数の特徴のいずれかが前記個別条件を満たさない場合には、通知部による通知、及び、前記ボディ変形装置の動作の少なくともいずれかを、前記個別条件を満たさない特徴に対応する態様で実行させる、技術5から7のいずれかに記載の状態表現システム。
これにより、状態表現装置は、対象空間の快適性を損ねる特徴ごとに、異なる態様の通知、または、ボディ変形装置の異なる態様の動作を行うことができる。そのため、対象空間の快適性を損なっている空気の特徴を、直感的にわかりやすく伝えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上のように、本開示に係る状態表現装置、および、状態表現システムは、居室等の対象空間の空気の状態を表現する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 対象空間
10 センサユニット
100 状態表現装置
101 ボディ
102 胴体パーツ
103 頭部パーツ
104 腕部パーツ
105 腕部パーツ
106 脚部パーツ
107 脚部パーツ
110 制御部
120 プロセッサ
121 空気情報取得部
122 リスク指標算出部
123 表現制御部
130 メモリ
131 制御プログラム
132 条件情報
141 ボディ変形装置
142 発光装置(通知部)
143 CO2濃度センサ
144 温度センサ
145 湿度センサ
150 第1通信装置
200 管理サーバ
210 制御部
220 プロセッサ
221 空気情報取得部
222 リスク指標算出部
230 メモリ
231 制御プログラム
232 条件情報
233 対応情報
250 第2通信装置
300 スマートフォン
310 制御部
320 プロセッサ
321 通知制御部
330 メモリ
331 制御プログラム
332 アプリケーションプログラム
340 タッチパネル(通知部)
350 第3通信装置
1000 状態表現システム
NW 通信ネットワーク
P 人物