(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164639
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷方法およびドライバ
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20241120BHJP
H04N 1/393 20060101ALI20241120BHJP
B41J 21/18 20060101ALI20241120BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241120BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241120BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20241120BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241120BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/393
B41J21/18
B41J29/00 H
B41J29/38 206
G03G15/36
G03G21/00 370
G06F3/12 305
G06F3/12 350
G06F3/12 356
G06F3/12 354
G06F3/12 364
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080265
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】植村 敦志
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AS02
2C061BB10
2C061CE03
2C061CE07
2C061CF07
2C061CK06
2C061FF00
2C061HH03
2C061HJ04
2C061KK26
2C187AD14
2C187AE01
2C187AG01
2C187BF11
2C187BF41
2C187CD07
2H270KA57
2H270LB14
2H270LB18
2H270LC06
2H270LC07
2H270PA06
2H270PA08
2H270PA10
2H270PA34
2H270PA65
2H270PA68
2H270PA69
2H270PA70
2H270PA71
2H270PA75
2H270PA83
2H270PB02
2H270PB03
2H270PB04
2H270PB06
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】同じ定形サイズの複数の原稿画像を、紙折りされる用紙の各面に割り当てる場合、各面の大きさが異なっても違和感や問題が生じないようにレイアウトする。
【解決手段】印刷装置は、長尺サイズの用紙を複数の箇所で折って出力する紙折りユニットを備え、紙折りユニットは少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになる位置で前記用紙を折り、ドライバは、同じ定形サイズで面と同数の原稿画像を何れかの面に重複なく割り当てる原稿割当て部と、紙折りの位置を印刷装置から取得する紙折り情報取得部と、面の横長さと定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および縦長さと定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるフィット倍率算出部と、縦フィット倍率および横フィット倍率のどちらかを原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得るレイアウト画像生成部と、を備える印刷システム。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と、ドライバと、前記ドライバを有する情報処理装置と、を備える印刷システムであって、
前記印刷装置は、
長尺サイズの用紙を長尺方向の複数の個所で折って出力する紙折りユニットを備え、
前記紙折りユニットは紙折りによってできる複数の面の少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになる位置で前記用紙を折り、
前記ドライバは、
同じ定形サイズで前記紙折りによる面と同数の原稿の画像を何れかの面に重複なく割り当てる原稿割当て部と、
前記紙折りの位置を前記印刷装置から取得する紙折り情報取得部と、
何れかの面について長尺方向に沿う横長さと前記定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および前記紙折りの折り目の方向に沿う縦長さと前記定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるフィット倍率算出部と、
前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる原稿についてもその倍率を適用するかまたは各面に応じた縦フィット倍率または横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面について得るレイアウト画像生成部と、
各面に割り当てられたレイアウト画像に基づく印刷データを生成して前記印刷装置に提供する印刷データ生成部と、
を備える印刷システム。
【請求項2】
前記フィット倍率算出部は、各面のうちで最大の大きさの最大面に対する前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率を求め、
前記レイアウト画像生成部は、前記縦フィット倍率または前記横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる画像についてもその倍率を適用して各面のレイアウト画像を得る請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記ドライバは、前記原稿の前記レイアウト画像が、その画像が割り当てられるべき面に収まらない場合、前記レイアウト画像の端部をトリミングして割り当てる請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記ドライバは、前記定形サイズの縦横比と前記面の縦横比とが異なる場合、前記縦フィット倍率と前記横フィット倍率のうち大きい方の倍率を前記面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記ドライバは、前記定形サイズの縦横比と前記面の縦横比とが異なる場合、前記縦フィット倍率と前記横フィット倍率のうち小さい方の倍率を前記面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記ドライバは、前記面が原稿の画像より大きいために対応する画像のない領域が面内に存在する場合にその領域を所定の色で塗りつぶす請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記ドライバは、各原稿の画像とその画像を割り当てるべき面の、縦横両方向の中央、左上隅、左端の縦方向中央、左下隅、右上隅、右端の縦方向中央または右下隅の何れかの位置を互いに一致させて各面のレイアウト画像を得る請求項3に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記ドライバは、前記定形サイズの縦横比と前記面の縦横比とが異なる場合、前記縦フィット倍率または前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用することに代えて、縦方向については縦フィット倍率を横方向については前記横フィット倍率をその原稿に適用する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記フィット倍率算出部は、各面に固有の前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率を求め、
前記レイアウト画像生成部は、各面に固有の前記縦フィット倍率または前記横フィット倍率を縦横両方向に適用して各面のレイアウト画像を得る請求項1に記載の印刷システム。
【請求項10】
紙折りに係る複数の面の少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになるように長尺サイズの用紙を長尺方向の複数の箇所で折って出力する紙折りユニットを備えた印刷装置に対し、印刷の指示を行うドライバの処理が、
同じ定形サイズで前記紙折りによる面と同数の原稿の画像を何れかの面に重複なく割り当てるステップと、
前記紙折りの位置を前記印刷装置から取得するステップと、
何れかの面について長尺方向に沿う横長さと前記定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および前記紙折りの折り目の方向に沿う縦長さと前記定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるステップと、
前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる原稿についてもその倍率を適用するかまたは各面に応じた縦フィット倍率または横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面について得るステップと、
各面に割り当てられた各レイアウト画像に基づく印刷データを生成して前記印刷装置に提供するステップと、を備える印刷方法。
【請求項11】
長尺サイズの用紙を長尺方向の複数の個所で折って出力する紙折りユニットを備えた印刷装置に印刷を提供するドライバであって、
前記紙折りユニットは紙折りによってできる複数の面の少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになる位置で前記用紙を折り、
同じ定形サイズで紙折りによる面と同数の原稿の画像を何れかの面に重複なく割り当てる原稿割当て部と、
前記紙折りの位置を前記印刷装置から取得する紙折り情報取得部と、
何れかの面について長尺方向に沿う横長さと前記定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および前記紙折りの折り目の方向に沿う縦長さと前記定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるフィット倍率算出部と、
前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる原稿についてもその倍率を適用するかまたは各面に応じた縦フィット倍率または横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面について得るレイアウト画像生成部と、
各面に割り当てられたレイアウト画像に基づく印刷データを生成して前記印刷装置に提供する印刷データ生成部と、
を備えるドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、長尺方向の複数の箇所で紙折りされる長尺サイズの用紙に印刷を行う印刷システムおよび印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
法帳折りや三つ折りを前提として広幅用紙サイズや長尺用紙サイズの画像形成が可能な画像処理装置が知られている。例えば、入力された画像データに対して所定の画像処理を行い、画像処理された画像データを出力する画像処理装置において、出力する用紙の大きさや折り方を入力し、入力された折り方に基づいて折り線または枠の位置を設定する。設定された折り線または枠に基づいて出力される画像の大きさ及び/又は配置を設定することにより、法帳折りや三つ折りに対応するというものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この明細書で長尺サイズは、縦方向の長さ(縦長さ)が定形サイズの一辺と同じであり、長尺方向である横方向の長さ(横長さ)がその定形サイズよりも長い用紙サイズを指す。横長さは特に限定されない。多用される長尺サイズの例として、縦長さがA4サイズの長辺と同じ297mmで横長さが900mmのもの、横方向がさらに長い297mm×1200mmのものが挙げられる。その他、縦方向がA4サイズの短辺と同じ210mmで横長さが900mmのものや、縦長さがB4サイズの長辺と同じ320mmで横長さが1200mmのものも挙げられる。それらのサイズの用紙が用いられる代表的な用途の一つは、垂れ幕、ポスターあるいは店頭のポップの印刷である。
もう一つの代表的な用途は、二つ折りまたは三つ折りされて使用される印刷物である。例えば、レストランのメニューはそのように二つ折りまたは三つ折りされたものが多い。カタログや地図などにも二つ折りまたは三つ折りされたものがある。そのような用途に用いられる長尺サイズとして、例えば二つ折りの場合は縦長さがA4サイズの長辺と同じ297mmで横長さがA4サイズの短辺の2倍、即ち420mmのものが挙げられる。同様に、三つ折りの場合は、横長さがA4サイズの短辺の3倍、即ち630mmのものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長尺方向に同じ定形サイズの複数の原稿を並べた大きさの長尺サイズの用紙(以下、長尺用紙ともいう)を紙折りして出力する印刷装置において、折り目の位置が等間隔でなく異なる間隔にされることがある。異なる間隔にすることによって、紙折りによってできる各面が異なる大きさになる。例えば、折り目を等間隔にすると、巻き三つ折りされる用紙の一端が折り目当たってしまう場合がある。それを避けるためには折り目の間隔を調整しなければならない。あるいは、等間隔の折り目の位置で紙折りすると隠れてしまう面の一部を、紙折りされた状態でも見えるようにしたい場合がある。そのような目的で折り目の位置が等間隔でないように設定されると、紙折りによってできる各面が原稿画像に対して大きくなる場合や小さくなる場合が生じる。等倍率の原稿画像を各面に対応させると、原稿画像より大きい面については、対応する原稿画像のない余白の領域が生じる。原稿画像よりも小さい面については、折り目の位置に、原稿画像の重要な部分が配置されてしまうことがある。
【0006】
特許文献1では、折り線と枠数を決めて全体画像のサイズ変更や枠のサイズ変更に対応してレイアウトを調整することについて開示されている。しかし、折り目を等間隔にしない場合に生じる課題については開示がない。
本開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、同じ定形サイズの複数の原稿の画像を、紙折りされる長尺用紙の複数の面に割り当てる場合、各面の大きさが異なっても違和感や問題が生じず、かつ容易にレイアウトできる印刷システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、印刷装置と、と、前記ドライバを有する情報処理装置と、ドライバを備える印刷システムであって、前記印刷装置は、長尺サイズの用紙を長尺方向の複数の個所で折って出力する紙折りユニットを備え、前記紙折りユニットは前記紙折りによってできる複数の面の少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになる位置を折り目として前記用紙を折り、前記ドライバは、同じ定形サイズで前記紙折りによる面と同数の原稿の画像を何れかの面に重複なく割り当てる原稿割当て部と、前記紙折りの位置を前記印刷装置から取得する紙折り情報取得部と、何れかの面について長尺方向に沿う横長さと前記定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および前記紙折りの折り目の方向に沿う縦長さと前記定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるフィット倍率算出部と、前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる原稿についてもその倍率を適用するかまたは各面に応じた縦フィット倍率または横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面について得るレイアウト画像生成部と、各面に割り当てられたレイアウト画像に基づく印刷データを生成して前記印刷装置に提供する印刷データ生成部と、を備える印刷システムを提供する。
【0008】
また、異なる観点から本開示は、紙折りに係る複数の面の少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになるように長尺サイズの用紙を長尺方向の複数の箇所で折って出力する紙折りユニットを備えた印刷装置に対し、印刷の指示を行うドライバの処理が、同じ定形サイズで前記紙折りによる面と同数の原稿の画像を何れかの面に重複なく割り当てるステップと、前記紙折りの位置を前記印刷装置から取得するステップと、何れかの面について長尺方向に沿う横長さと前記定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および前記紙折りの折り目の方向に沿う縦長さと前記定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるステップと、前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる原稿についてもその倍率を適用するかまたは各面に応じた縦フィット倍率または横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面について得るステップと、各面に割り当てられた各レイアウト画像に基づく印刷データを生成して前記印刷装置に提供するステップと、を備える印刷方法を提供する。
【0009】
さらに、異なる観点から本開示は、長尺サイズの用紙を長尺方向の複数の個所で折って出力する紙折りユニットを備えた印刷装置に印刷を提供するドライバであって、前記紙折りユニットは紙折りによってできる複数の面の少なくとも何れかが他の面と異なる大きさになる位置で前記用紙を折り、同じ定形サイズで紙折りによる面と同数の原稿の画像を何れかの面に重複なく割り当てる原稿割当て部と、前記紙折りの位置を前記印刷装置から取得する紙折り情報取得部と、何れかの面について長尺方向に沿う横長さと前記定形サイズの横長さとを一致させる横フィット倍率および前記紙折りの折り目の方向に沿う縦長さと前記定形サイズの縦長さとを一致させる縦フィット倍率を求めるフィット倍率算出部と、前記縦フィット倍率および前記横フィット倍率のどちらかをその面に割り当てられる原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を得、他の面に割り当てられる原稿についてもその倍率を適用するかまたは各面に応じた縦フィット倍率または横フィット倍率を縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面について得るレイアウト画像生成部と、各面に割り当てられたレイアウト画像に基づく印刷データを生成して前記印刷装置に提供する印刷データ生成部と、を備えるドライバを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示による印刷システムにおいて、画像レイアウト部は、縦フィット倍率および横フィット倍率のどちらかを、各原稿の縦横両方向に適用したレイアウト画像を各面の何れかに割り当てるので、同じ定形サイズの各原稿に基づいて紙折りされる長尺用紙の複数の面の大きさが異なってもみる者に違和感を与えず、かつ容易に印刷できる。
本開示による印刷方法も同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示に係る印刷装置の一例として正面の斜め左側から見た複合機の外観を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す複合機およびその複合機と通信可能な情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1でドライバが長尺用紙に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。
【
図4】実施の形態1でドライバがユーザによる紙折りの位置の設定および変更を受け付ける画面の一例を示す説明図である。
【
図5】
図3と異なる態様で、ドライバが長尺用紙に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。(実施の形態2)
【
図6】
図3および
図5と異なる態様で、ドライバが長尺用紙に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。(実施の形態3)
【
図7】
図3、
図5および
図6と異なる態様で、ドライバが長尺用紙に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。(実施の形態4)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本開示を限定するものと解されるべきではない。この明細書では、巻き三つ折りされる印刷物を例に以下の説明を述べるが、折り目の数や折り方はそれに限定されるものでない。折り目の数としては、1以上、即ち二つ折り以上の紙折りを含む。折り方は、例えば巻き三つ折りのように巻いていく折り方の他に、外三つ折り、法帳折りあるいはZ折りとも呼ばれる折り方等、巻き三つ折り以外の折り方を含む。
【0013】
図1は、本開示に係る印刷装置の一例として、正面を斜め左側から見た複合機の外観を示す説明図である。
図2は、
図1に示す複合機およびその複合機と通信可能な情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す複合機100は、主装置である印刷ユニット200に周辺装置が接続されたものである。印刷ユニット200は、原稿送り装置169、本体給紙トレイ159、原稿の画像を読み取るスキャナ部250、画像を形成するエンジン部260および操作部240を備えている。正面から見て印刷ユニット200の右側に、大容量給紙トレイ160、手差しトレイ161および搬送ユニット162が連結されている。長尺用紙は手差しトレイ161から給紙される。正面から見て印刷ユニット200の左側に、カール矯正ユニット164、インサータ165、紙折りユニット167およびサドルフィニッシャ168が連結されている。紙折りユニット167は、用紙の搬送方向に直交する方向に折り目を付けて紙折りを行うことが可能である。なお、長尺用紙は長尺方向に搬送される。即ち、搬送方向は長尺用紙の長尺方向(横方向とも呼ぶ)に対応する。折り目に沿う方向は、長尺用紙の縦方向に対応する。
【0014】
印刷ユニット200は、複合機100の動作および処理を制御する制御部210を備える。制御部210は、ハードウェアとしてはプロセッサを中心に構成され、RAMおよび不揮発メモリで構成される記憶部、入出力回路およびタイマ回路などを備える。さらにまた、印刷ユニット200は、情報処理装置300などの外部機器と通信する通信回路270およびユーザーインターフェースに係る操作部240を備える。
【0015】
制御部210のプロセッサは、記憶部に予め格納された制御プログラムを実行することにより、
図2に示す操作制御部212、ジョブ制御部213、周辺装置制御部215および画像制御部220としての機能を実現する。操作制御部212は、操作部240に操作画面を表示させ、操作画面に対して行われるユーザの操作を認識して操作に応じた処理を行う。ジョブ制御部213は、例えばスキャナ部250やエンジン部260を用いたジョブの実行を制御する。ジョブ制御部213は、スキャナジョブや本開示に係る印刷ジョブの実行を制御する。
【0016】
周辺装置制御部215は、印刷ユニット200に接続された大容量給紙トレイ160、紙折りユニット167、サドルフィニッシャ168などの周辺装置を制御する。画像制御部220は、スキャナ部250が読み取る原稿の画像を処理する。また、印刷データを処理してエンジン部260に印刷させるべき画像データを生成する。印刷データは、例えばプリントジョブの場合、通信回路270を介して接続された情報処理装置300のドライバ350から受信する。
【0017】
図2に示す情報処理装置300は、複合機100と通信可能に接続される機器である。情報処理装置300は、PC制御部310、PC記憶部330、PC操作部340およびネットワーク通信部370を備える。PC制御部310は、PC操作制御部312およびドライバ350を備える。
図2では、情報処理装置300の具体的な態様の一例としてPC(パーソナルコンピュータ)を想定している。しかし、情報処理装置300はPCに限るものでなく、例えばスマートフォンやタブレット端末などの情報端末であってもよい。
【0018】
PC制御部310は、ハードウェアとしてはプロセッサを中心とする回路で構成され、PC記憶部330に格納されたオペレーションシステムやアプリ、ドライバ等のプログラムを実行する。PC記憶部330は、RAMおよび不揮発メモリで構成され、上述したオペレーションシステムやアプリ等のプログラムやデータを格納する。また、情報処理装置300は、複合機100など外部の機器と通信するネットワーク通信部370およびユーザーインターフェースに係るPC操作部340を備える。この実施形態において、ドライバ350は、原稿割当て部351、フィット倍率算出部352、レイアウト画像生成部353、紙折り情報取得部354および印刷データ生成部355を備える。
【0019】
PC制御部310のプロセッサは、PC記憶部330に格納されたプログラムを実行することにより、ドライバ350として複合機100に実行させるジョブに係るユーザの操作を受け付け、プリンタドライバやスキャナドライバとしての処理を実行する。例えば、複合機100に実行させる印刷ジョブのユーザによる設定を受け付けて複合機100に送る。また、プロセッサは、
図2に示すPC操作制御部312としての機能を実現する。PC操作制御部312は、PC操作部340に操作画面を表示させ、その操作画面に対して行われるユーザの操作を認識して操作に応じた処理を行う。
【0020】
ドライバ350は、例えばスキャナドライバとしてスキャナ部250を用いたジョブの設定を受け付けて複合機100にジョブに係る指示を送る。また、プリンタドライバとしてエンジン部260を用いた印刷ジョブに係る印刷データを生成して印刷ジョブに係る指示と共に複合機100へ送る。複合機100のジョブ制御部213は、ドライバ350から受領した印刷ジョブの実行を制御する。PC操作部340は、PC操作部340にスキャナ部250を用いて原稿を読み取るスキャンジョブに係る操作画面(スキャナドライバ画面)をPC操作部340に表示させてユーザの操作を受け付ける。また、ドライバ350は、印刷ジョブに係るドライバの操作画面(プリンタドライバ画面)をPC操作部340に表示させてユーザの操作を受け付ける。
【0021】
ドライバ350の原稿割り当て部351は、紙折りされた長尺用紙の各面にそれと同数の原稿の画像を重複なく割り当てる処理を行う。なお、長尺用紙に手動あるいは自動で両面印刷を行う場合は、長尺用紙の表裏の各面に各原稿を割り当てる。フィット倍率算出部352は、原稿画像が割り当てられる面の縦横何れかの方向にフィットする倍率、つまり縦方向の縦フィット倍率および横方向の横フィット倍率の少なくとも何れかを求める。フィット倍率算出部352は特定の面についてのみ縦フィット倍率および/または横フィット倍率求めてもよい。あるいは、それぞれの面について縦フィット倍率および/または横フィット倍率求めてもよい。レイアウト画像生成部353は、フィット倍率算出部352で求められた倍率を用いて各面割り当てるべきレイアウト画像を生成する。フィット倍率算出部352で求められた倍率を原稿に適用するとその原稿の画像が割り当てられる面に収まらない場合はトリミングを適用してレイアウト画像を得る。逆に面が広すぎて対応する原稿の画像が存在しない余白領域ができる場合はその余白領域を適宜埋めたものが各面のレイアウト画像である。紙折り情報取得部354は、紙折りユニット167が長尺用紙に付ける折り目の位置、即ち紙折りの位置に係る情報を取得する。折り目の位置は、紙折りユニット167に対して予め設定されていてもよい。その設定は、ユーザが設定および変更可能であってもよい。印刷データ生成部355は、長尺用紙に印刷を行うためにレイアウト画像生成部353が生成した各レイアウト画像が、各面に対して並べられた印刷データを生成する。
【0022】
なお、
図1および
図2は、紙折りユニット167およびサドルフィニッシャ168等の周辺装置が主装置である印刷ユニット200に接続される態様であるが、それらが一つの装置として構成されてもよい。印刷ユニットと、サドルフィニッシャや紙折りユニット等が一体の構成となった装置である。
【0023】
≪長尺用紙へのレイアウト画像の割り当て例≫
(実施の形態1)
図3は、この実施形態においてドライバ350が、片面印刷され巻き三つ折りされる長尺用紙に、各面に対応する原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。
図3に一例として示す長尺用紙は、縦方向のサイズがA4サイズの長辺に等しい297mmであり横方向(長尺方向)のサイズがA4サイズの短辺の3倍に等しい630mmである。
図3の最下段に示すように、長尺用紙10が巻き三つ折りされてできる3つの面の右端の面を右面11、左端の面を左面13、右面11と左面13に挟まれた面を中央面12とする。
図3に示す三つ折りの例で、右面11の横長さは205mm、中央面12の横長さは225mm、左面13の横長さは200mmである。よって、中央面12の横幅は、A4サイズの短辺である210mmよりも大きく、右面11および左面13の横幅は、何れもA4サイズの短辺よりも小さい。各面の縦長さはいずれもA4サイズの長辺と同じ297mmである。
【0024】
原稿割当て部351としてドライバ350は、右面11に右レイアウト画像31を割り当て、中央面12に中央レイアウト画像32を割り当て、左面13に左レイアウト画像33を割り当てる。右レイアウト画像31は最上段に示す右面原稿画像21に基づく画像である。中央レイアウト画像32は中央面原稿画像22に基づく画像である。左レイアウト画像33は左面原稿画像23に基づく画像である。右面原稿画像21、中央面原稿画像22および左面原稿画像23の各原稿画像は、いずれも定形サイズの一つであるA4サイズの上下左右において、それぞれ所定の長さ(
図3に示す例で上下左右とも4.5mm)だけ小さい領域の画像である。
図3に、各原稿画像に対応する定形サイズ20を示している。各原稿画像は、横長さがA4サイズの短辺より9.0mm小さい201mmであり、縦長さがA4サイズの長辺より9.0mm小さい288mmである。
【0025】
三つ折りの折り目の位置は、紙折り情報取得部354としてのドライバ350が、予めユーザの設定を受付けて記憶部に格納するようにしてもよい。また、記憶部に格納されたその設定につき、ユーザによる変更をドライバ350が受付けるようにしてもよい。
図4は、ドライバ350がユーザによる折り目の位置の設定および変更を受け付ける画面の一例を示す説明図である。
図4に示す折り目位置設定画面50は、ドライバ350が表示させるドライバの操作画面(不図示)のうち、紙折りに係る設定の画面からアクセスできるものであってもよい。紙折りに係る設定の画面で、所定のキーが操作されるとドライバ350は
図4に示す折り目位置設定画面50を表示させる。折り目位置設定画面50は、折り目位置イラスト51、左折り目設定部52および右折り目設定部53を含む。折り目位置イラスト51は、左折り目設定部52および右折り目設定部53が左右どちらの折り目を設定するものかをユーザに視覚的に示すイラストである。左折り目設定部52および右折り目設定部53は、長尺用紙の左面、中央面および右面の横長さが等しくなる位置を基準位置(設定値がゼロの位置)として、それぞれの基準位置から最大で±30.0mmの範囲で設定を受け付ける。例えば、左折り目設定部52の左端のテキストボックスは、数値の入力を受け付ける。テキストボックスの右側にある[+]キーが操作されると、ドライバ350は折り目の位置を右側に移動させる。[-]キーが操作されると、ドライバ350は折り目の位置を左側に移動させる。
【0026】
図3の説明に戻る。
図3の中段に示すように、ドライバ350は各面のうちで最も大きい面(最大面)である中央面12の縦横何れかの方向に中央面原稿画像22がフィットする倍率を、中央面原稿画像22の縦横両方向に適用するものとする。同一の倍率を縦横両方向に適用して原稿の画像を拡大または縮小することによって、原稿画像の縦横比を維持したレイアウト画像が得られる。横幅201mmの中央面原稿画像22を横幅225mmの中央面12にフィットさせる横フィット倍率の値は、小数点以下3桁までに丸めると1.119である。一方、縦長さが288mmの中央面原稿画像22を縦長さが297mmの中央面12にフィットさせる縦フィット倍率の値は、小数点以下3桁までに丸めると1.031である。横フィット倍率の方が縦フィット倍率よりも大きい。
【0027】
図3に示す例において、フィット倍率算出部352としてドライバ350は、縦フィット倍率と横フィット倍率を算出し、何れか大きい方を各原稿画像に適用するものとする。縦フィット倍率と横フィット倍率の大きい方をその原稿の縦横両方向に適用することによって、縦横何れか一方が割り当てられる面に収まりきらなくとも他の方向が丁度収まる大きさのレイアウト画像を割り当てることができる。さらに、ドライバ350は、中央面原稿画像22だけでなく、他の右面原稿画像21および左面原稿画像23の縦横に対しても、約1.119の倍率を適用する。同一の倍率を各面に割り当てられる原稿画像にそれぞれ適用して原稿の画像を拡大または縮小することによって、各面の原稿画像の倍率が揃ったレイアウト画像が得られる。従って、例えば他の面の原稿画像と同じ大きさの文字は、レイアウト画像上でも他の面と大きさが揃った文字になる。
図3の中段に、その約1.119の倍率を適用して拡大された各原稿画像をグレーで示している。なお、中央面原稿画像22については、それと共に同じ倍率を適用して拡大されたA4サイズの拡大枠20Zを参考として示している。
【0028】
ドライバ350は、
図3の中段に十字のマークで示す各面上の基準点35に各原稿画像の対応する箇所を一致させる。
図3に示す例では、各面上の左端かつ縦方向の中央位置が基準点35の位置である。ただし、基準点の位置はこれに限るものでない。例えば、縦横両方向における中央位置、左上隅の位置、左下隅の位置、右上隅の位置、右端の縦方向中央位置または右下隅の位置であってもよい。ドライバ350が、ユーザによる基準点の選択あるいは設定を受け付けてもよい。そして、レイアウト画像生成部353としてドライバ350は、各面上の基準点35に対応すべき箇所を一致させた各原稿画像を各面の大きさに合わせてトリミングし、レイアウト画像を得る。中央、右上隅、左上隅、右下隅または左下隅の何れかの位置を基準に各原稿の画像を対応する面に割り当てることで、原稿画像をそれが割り当てられる面に適切に配置できる。
【0029】
右レイアウト画像31は、右面原稿画像21の上下の端部と右端をトリミングして得られる画像である。同様に、左レイアウト画像33は、左面原稿画像23の上下の端部と右端をトリミングして得られる画像である。中央レイアウト画像32は、横方が中央面12と一致しており、縦方向の上下両端をトリミングして得られる画像である。それらの右レイアウト画像31、中央レイアウト画像32および左レイアウト画像33を右面11、中央面12および左面13に割り当てたものが
図3の下段に示すものである。端部がトリミングされたレイアウト画像を対応する面に割り当てることによって、何れの面に割り当てられた原稿も他と同じ倍率およびアスペクト比に揃えた印刷が可能になる。
【0030】
以上のようにして、ドライバ350は、
図3の下段に示すように3つのレイアウト画像を長尺用紙の各面に割り当てる。印刷データ生成部355としてドライバ350は、長尺サイズの縁なし印刷用の印刷データを生成する。そして、生成した印刷データを設定情報と共に複合機100へ印刷ジョブとして送信する。印刷ジョブを受信した複合機100の制御部210は、受信した印刷ジョブを実行する。
【0031】
(実施の形態2)
図5は、
図3と異なる態様でドライバ350が長尺用紙10の各面に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。
図3と異なる点の一つは、基準点35が各面の左上隅にあることである。さらに
図3と異なる点の一つは、ドライバ350が中央面原稿画像22の縦方向にフィットする縦フィット倍率を、各原稿画像に適用することである。最大面の倍率を他の面に適用する点においては実施の形態1と同様である。中央面原稿画像22の縦フィット倍率の値は、約1.031である。言い換えると、
図5に示すこの実施形態の例で、ドライバ350は、縦フィット倍率と横フィット倍率のうち小さい方を各原稿画像の縦横両方向に適用する。中央面原稿画像22だけでなく、他の右面原稿画像21および左面原稿画像23の縦横に対しても、約1.031の倍率を適用する。この態様によれば、最大面の原稿の画像が縦横何れも欠けることなく丁度収まる大きさのレイアウト画像を、対応する面に割り当てることができる。
【0032】
そうした場合、
図5の中段の中央に示すように、中央レイアウト画像32には、右端部分に余白領域25ができる。対応する中央面原稿画像22がない領域である。この余白領域25が目立たないように、ドライバ350は余白領域25を所定の色で塗りつぶしてもよい。目立たない色の一例は、原稿画像の背景と同じ色(例えば白色)である。塗りつぶしの色は、予め定められたものであってもよいが、ドライバ350がユーザによる色の設定を受け付けてもよい。この態様によれば、原稿の画像が割り当てられる面の一部に余白領域がる場合、その余白領域を所定の色で塗りつぶすことによって目立たないようにできる。
【0033】
(実施の形態3)
図6は、
図3および
図5と異なる態様でドライバ350が長尺用紙10の各面に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。
図3および
図5と異なる点の一つは、基準点35が各面の右端の上下中央にあることである。さらに
図3および
図5と異なる点の一つは、ドライバ350が縦横両方向に独立した倍率を適用することである。ドライバ350は、最大面である中央面原稿画像22が中央面12の縦方向にフィットする縦フィット倍率を縦方向に適用する。また、中央面原稿画像22が中央面12の横方向にフィットする横フィット倍率を横方向に適用する。最大面の倍率を他の面に適用する点においては実施の形態1と同様である。実施の形態1で述べたように、縦フィット倍率の値は約1.031であり、横フィット倍率の値は1.119である。実施の形態1および2においてドライバ350は各原稿画像のアスペクト比を維持するために縦横両方向に同一の倍率を適用した。それに対してこの実施の形態では、中央面の縦横両方向につき中央面原稿画像の縦横をフィットさせることを優先させる。右レイアウト画像31および左レイアウト画像33にも、中央レイアウト画像32と同様に焼く1.031の縦倍率および役1.119の横倍率を適用する。
【0034】
図6の中段に示すように、中央レイアウト画像32は縦横両方向において中央面12にフィットし、トリミングの必要がなく余白領域を塗りつぶす必要もない。このようにすれば、原稿のアスペクト比が最大面のアスペクト比と異なる場合であっても、縦横それぞれの方向に異なる倍率を適用して原稿の縦横を面の縦横に一致させて欠けない大きさのレイアウト画像をその面に割り当てることができる。右レイアウト画像31および左レイアウト画像33についても中央レイアウト画像32と同様の縦倍率および横倍率を適用するので、それらのレイアウト画像は以下のようになる。右面原稿画像21は右面11よりも横長さが大きい。よって、右レイアウト画像31は、右面原稿画像21の左端部にトリミングを適用したものになる。左面原稿画像23は左面13よりも横長さが大きい。よって、左レイアウト画像33は、左面原稿画像23の左端部にトリミングを適用したものになる。
【0035】
(実施の形態4)
図7は、
図3、
図5および
図6と異なる態様で、ドライバ350が長尺用紙10に原稿画像を割り当てる例を示す説明図である。実施の形態1~3では、最大面の縦フィット倍率および/または横フィット倍率を各レイアウト画像に適用した。それに対して、この実施形態では各面に固有の縦フィット倍率および/または横フィット倍率を原稿画像に適用する。この実施形態においてドライバ350は、中央面原稿画像22について縦フィット倍率および/または横フィット倍率を適用する。例えば、
図3に示す例と同様に横フィット倍率を適用する。あるいは、
図5に示す例と同様に縦フィット倍率を適用してもよい。また、
図6に示す例と同様に縦方向に縦フィット倍率を適用し横方向に横フィット倍率を適用してもよい。実施の形態1~3と異なる点は、右面原稿画像21および左面原稿画像23に中央面原稿画像22と同様の倍率を適用しないことである。代わりに、右面原稿画像21および左面原稿画像23のそれぞれについて、その原稿画像が割り当てられる面の縦フィット倍率および横フィット倍率を算出する。そして、そのうち何れかの倍率を適用する。
図7に示す例では大きい方の横フィット倍率を適用しているが、それは一例に過ぎない。
【0036】
右面原稿画像21については、横幅201mmの右面原稿画像21を横幅205mmの右面11にフィットさせる横フィット倍率の値は、小数点以下3桁までに丸めると1.020である。縦フィット倍率の値は、中央面原稿画像22と同様であり小数点以下3桁までに丸めると1.031である。縦フィット倍率の方が横フィット倍率よりも大きい。中央面原稿画像22に対する処理と整合するように、ドライバ350は大きい方の縦フィット倍率1.031を右面原稿画像21の縦横両方向に適用する。左面原稿画像23については、横幅201mmの左面原稿画像23を横幅200mmの左面13にフィットさせる横フィット倍率の値は、1.005である。縦フィット倍率の値は約1.031である。縦フィット倍率の方が横フィット倍率よりも大きい。そこで、左面原稿画像23についても、中央面原稿画像22に対する処理と整合するように大きい方の縦フィット倍率1.031を左面原稿画像23の縦横両方向に適用する。この態様によれば、各面について求められた縦フィット倍率および/または横フィット倍率を各面に割り当てられる原稿画像にそれぞれ適用するので、他の面に影響されずに適切な倍率の原稿画像を割り当てることができる。
【0037】
本開示には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれると解されるべきである。
前述した実施の形態の他にも、本開示についての種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。本開示に係る発明には、請求の範囲と均等の意味および本開示の範囲に属するすべての変形が含まれるべきである。
【符号の説明】
【0038】
10:長尺用紙、 11:右面、 12:中央面、 13:左面、 20:定形サイズ、 21:右面原稿画像、 22:中央面原稿画像、 20Z:拡大枠、 23:左面原稿画像、 25:余白領域、 31:右レイアウト画像、 32:中央レイアウト画像、 33:左レイアウト画像、 35:基準点、 50:折り目位置設定画面、 51:折り目位置イラスト、 52:左折り目設定部、 53:右折り目設定部
100:複合機、 159:本体給紙トレイ、 160:大容量給紙トレイ、 161:手差しトレイ、 162:搬送ユニット、 164:カール矯正ユニット、
165:インサータ、 167:紙折りユニット、 168:サドルフィニッシャ、169:原稿送り装置、 200:印刷ユニット、 210:制御部、 212:操作制御部、 213:ジョブ制御部、
215:周辺装置制御部、 220:画像制御部、 240:操作部、 250:スキャナ部、 260:エンジン部、 270:通信回路、 300:情報処理装置、 310:PC制御部、 312:PC操作制御部、 330:PC記憶部、 340:PC操作部、 350:ドライバ、 351:原稿割当て部、 352:フィット倍率算出部、 353:レイアウト画像生成部、 354:紙折り情報取得部、 355:印刷データ生成部、 370:ネットワーク通信部