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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164641
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】横型加工機及び工具交換装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/157 20060101AFI20241120BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALI20241120BHJP
   B23Q 1/00 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B23Q3/157 Y
B23Q3/155 G
B23Q1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080268
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英義
(72)【発明者】
【氏名】晴▲まき▼ 大樹
(72)【発明者】
【氏名】永川 諒
【テーマコード(参考)】
3C002
3C048
【Fターム(参考)】
3C002HH09
3C002LL09
3C048AA01
3C048BB01
(57)【要約】
【課題】工具交換可能で簡潔な構造の多軸の横型加工機を提供する。
【解決手段】横型加工機10は、ベッド11と、床面X軸ガイド13と、X軸方向に往復する第1移動コラム211と、第1移動コラム211に配置される第1Y軸ガイド271と、第1主軸291cを支持し、Z軸方向に進退する第1ラム291bを有し、第1Y軸ガイド271に案内される第1加工ユニット291と、第2主軸293cを支持し、Z軸方向に進退する第2ラム35bを有し、第1Y軸ガイド271に案内される第2加工ユニット35と、第1工具交換位置81にある第1主軸291cと工具1を交換する第1工具交換装置511と、第1主軸291cが第1工具交換位置81にあるときに、第2工具交換位置82にある第2主軸292cと工具1を交換する第2工具交換装置82と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドと、
前記ベッドの上面に配置される床面X軸ガイドと、
前記床面X軸ガイドに案内され、X軸方向に往復する第1移動コラムと、
前記第1移動コラムに配置される第1Y軸ガイドと、
前記第1Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第1加工ユニットであって、第1主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第1ラムを有する第1加工ユニットと、
前記第1Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第2加工ユニットであって、第2主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第2ラムを有する第2加工ユニットと、
前記ベッドに配置され、第1工具交換位置にある前記第1主軸と工具を交換する第1工具交換装置と、
前記ベッドに配置され、前記第1主軸が前記第1工具交換位置にあるときに、第2工具交換位置にある前記第2主軸と工具を交換する第2工具交換装置と、
を有する横型加工機。
【請求項2】
前記第2加工ユニットは、前記第1加工ユニットの第1Y方向に配置され、
前記第2工具交換装置は、前記第1工具交換装置の第1Y方向に配置される、
請求項1に記載の横型加工機。
【請求項3】
前記第1工具交換装置と前記第2工具交換装置は、それぞれが、
第1X方向に開口する第1工具交換口を有する第1マガジンカバーと、
前記第1マガジンカバー内に回転可能に支持される第1マガジンディスクであって、
外周部に配置される前記工具を保持する複数の第1工具保持部と、
前記第1マガジンディスクが加工位置にあるときに前記第1工具交換口を塞ぎ、前記第1マガジンディスクの回転に伴い前記第1マガジンカバー内に収納される第1シャッタと、
を有する第1マガジンディスクと、
を有する、
請求項1又は2に記載の横型加工機。
【請求項4】
前記第1移動コラムの第1X方向に配置され、前記床面X軸ガイドに案内され、X軸方向に往復する、第2移動コラムと、
前記第2移動コラムに配置される第2Y軸ガイドと、
前記第2Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第3加工ユニットであって、第3主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第3ラムを有する第3加工ユニットと、
前記第2Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第4加工ユニットであって、第4主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第4ラムを有する第4加工ユニットと、
前記ベッドに配置される第3工具交換装置であって、前記第2移動コラムの前記第1X方向に配置され、第3工具交換位置にある前記第3主軸と前記工具を交換する第3工具交換装置と、
前記ベッドに配置される第4工具交換装置であって、前記第3主軸が前記第3工具交換位置にあるときに、第4工具交換位置にある前記第4主軸と前記工具を交換する第4工具交換装置と、
を更に有し、
前記第1工具交換装置と前記第2工具交換装置は、前記第1移動コラムに対して、前記第1X方向の反対方向である第2X方向に配置される、
請求項1~3のいずれかに記載の横型加工機。
【請求項5】
前記第4加工ユニットは、前記第3加工ユニットの第1Y方向に配置され、
前記第4工具交換装置は、前記第3工具交換装置の第1Y方向に配置される、
請求項4に記載の横型加工機。
【請求項6】
前記第3工具交換装置と前記第4工具交換装置は、それぞれが、
前記第2X方向に開口する第2工具交換口を有する第2マガジンカバーと、
前記第2マガジンカバー内に回転可能に支持される第2マガジンディスクであって、
外周部に前記工具を保持する複数の第2工具保持部と、
前記第2マガジンディスクが加工位置にあるときに前記第2工具交換口を塞ぎ、前記第2マガジンディスクの回転に伴い前記第2マガジンカバー内に収納される第2シャッタと、
を有する第2マガジンディスクと、
を有する、
請求項4又は5に記載の横型加工機。
【請求項7】
前記第1Y軸ガイドは、前記第1移動コラムの前記第1X方向の側方に配置され、
前記第1加工ユニットおよび前記第2加工ユニットは、前記第1移動コラムの前記第1X方向の側方に配置され、
前記第2Y軸ガイドは、前記第2移動コラムの前記第2X方向の側方に配置され、
前記第3加工ユニットおよび前記第4加工ユニットは、前記第2移動コラムの前記第2X方向の側方に配置される、
請求項4~6のいずれかに記載の横型加工機。
【請求項8】
前記第1マガジンカバーは、前記第1及び第2工具交換位置において、Z方向から見て前記第1マガジンディスクの中心軸方向に窪み、
前記第1シャッタは、前記加工位置にあるときに、前記第1マガジンカバーの形状に一致するように、Z方向から見て前記第1マガジンディスクの中心軸方向に窪む、
請求項3~7のいずれかに記載の横型加工機。
【請求項9】
前記第2マガジンカバーは、前記第3及び第4工具交換位置において、Z方向から見て前記第2マガジンディスクの中心軸方向に窪み、
前記第2シャッタは、前記加工位置にあるときに、前記第2マガジンカバーの形状に一致するように、Z方向から見て前記第2マガジンディスクの中心軸方向に窪む、
請求項6~8のいずれかに記載の横型加工機。
【請求項10】
前記第1工具交換装置と前記第2工具交換装置は、それぞれ、
前記ベッドに固定され、前記工具交換位置において、ストローク長だけ窪んだ輪郭曲線を有する円板状のカムを有し、
前記第1工具保持部は、それぞれが、
前記第1マガジンディスクに揺動可能に支持されるピンチレバーであって、
先端部に配置され、前記工具を挟む爪部と、
ローラカムを有し、基端部に配置されるレバー部と、
を有するピンチレバーと、
前記レバー部を押し広げる方向に付勢する第1弾性体と、
シリンダ室を有し、前記第1マガジンディスクに配置されるシリンダと、
前記シリンダ室内を往復するプランジャであって、
前記ローラカムに接し、先端部に配置されるV面と、
基端部に配置されるカムフォロアと、
を有するプランジャと、
前記プランジャを先端方向に付勢して、前記V面を前記ローラカムに押し当てて、前記ピンチレバーを閉じる第2弾性体と、
を有し、
前記第1工具保持部が前記第1及び第2工具交換位置以外にあるときは、前記カムフォロアが前記カムに当接して、前記ピンチレバーが開かず、
前記第1工具保持部が前記第1及び第2工具交換位置にあるときは、前記プランジャが前記ストローク長だけ後退して、前記ピンチレバーが開いて前記工具を前記第1及び第2主軸と交換できる、
請求項3~8のいずれかに記載の横型加工機。
【請求項11】
工具交換位置にある主軸と工具を交換する工具交換装置であって、
回転可能に支持されるマガジンディスクと、
前記工具交換位置において、ストローク長だけ窪んだ輪郭曲線を有し、固定される円板状のカムと、
前記マガジンディスクの外周部に配置される複数の前記工具保持部であって、前記工具保持部のそれぞれが、
前記マガジンディスクに揺動可能に支持されるピンチレバーであって、
先端部に配置され、前記工具を挟む爪部と、
ローラカムを有し、基端部に配置されるレバー部と、
を有するピンチレバーと、
前記レバー部を押し広げる方向に付勢する第1弾性体と、
シリンダ室を有し、前記マガジンディスクに配置されるシリンダと、
前記シリンダ室内を往復するプランジャであって、
前記ローラカムに接し、先端部に配置されるV面と、
基端部に配置されるカムフォロアと、
を有するプランジャと、
前記プランジャを先端方向に付勢して、前記V面を前記ローラカムに押し当てて、前記ピンチレバーを閉じる第2弾性体と、
を有し、
前記工具保持部が前記工具交換位置以外にあるときは、前記カムフォロアが前記カムに当接して、前記ピンチレバーが開かず、
前記工具保持部が前記工具交換位置にあるときは、前記プランジャが前記ストローク長だけ後退して、前記ピンチレバーが開いて前記工具を前記主軸と交換できる、
工具交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型加工機及び工具交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横型工作機械であって、ベッドの上面に配置されたX軸ガイドレールと、X軸ガイドレールに搭載されてX方向に移動可能なコラムと、コラムの片側面に配置されたY軸ガイドレールと、Y軸ガイドレールに支持されてY方向に移動可能なサドルと、サドルに配置されたZ軸ガイドレールと、Z軸ガイドレールに水平姿勢に支持される主軸頭部と、を有する横型工作機械が開示されている(特許第4514310号公報)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ワークの加工部位が多数ある場合に、加工時間の短縮が望まれる。また、工具の自動交換が望まれる。
本発明は、工具交換可能で簡潔な構造の多軸の横型加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の観点は、
ベッドと、
前記ベッドの上面に配置される床面X軸ガイドと、
前記床面X軸ガイドに案内され、X軸方向に往復する第1移動コラムと、
前記第1移動コラムに配置される第1Y軸ガイドと、
前記第1Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第1加工ユニットであって、第1主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第1ラムを有する第1加工ユニットと、
前記第1Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第2加工ユニットであって、第2主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第2ラムを有する第2加工ユニットと、
伸縮カバーであって、
前記ベッドに配置されるボックスカバーと、
Y方向に延びて、前記ボックスカバー内を、前記第1移動コラムと共に前記X方向に往復する第1Xボックスと、
前記第1Xボックスと前記ボックスカバーとの間をカバーする第1X伸縮カバーと、
前記第1ラムが貫通し、前記第1Xボックス内を、前記Y方向に往復する第1Yボックスと、
前記第2ラムが貫通し、前記第1Xボックス内を、前記Y方向に往復する第2Yボックスと、
前記第1Yボックスと前記第1Xボックスとの間をカバーする第1Y伸縮カバーと、
前記第1Yボックスと前記第2Yボックスとの間をカバーする第2Y伸縮カバーと、
前記第2Yボックスと前記第1Xボックスとの間をカバーする第3Y伸縮カバーと、
を有する伸縮カバーと、
を有する横型加工機である。
【0005】
本発明の第2の観点は、
ベッドと、
前記ベッドの上面に配置される床面X軸ガイドと、
前記床面X軸ガイドに案内され、X軸方向に往復する第1移動コラムと、
前記第1移動コラムに配置される第1Y軸ガイドと、
前記第1Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第1加工ユニットであって、第1主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第1ラムを有する第1加工ユニットと、
前記第1Y軸ガイドに案内され、Y軸方向に往復する第2加工ユニットであって、第2主軸を回転可能に支持し、Z軸方向に進退する第2ラムを有する第2加工ユニットと、
前記ベッドに配置され、第1工具交換位置にある前記第1主軸と工具を交換する第1工具交換装置と、
前記ベッドに配置され、前記第1主軸が前記第1工具交換位置にあるときに、第2工具交換位置にある前記第2主軸と工具を交換する第2工具交換装置と、
を有する横型加工機である。
【0006】
本発明の第3の観点は、
工具交換位置にある主軸と工具を交換する工具交換装置であって、
回転可能に支持されるマガジンディスクと、
前記工具交換位置において、ストローク長だけ窪んだ輪郭曲線を有し、固定される円板状のカムと、
前記マガジンディスクの外周部に配置される複数の前記工具保持部であって、前記工具保持部のそれぞれが、
前記マガジンディスクに揺動可能に支持されるピンチレバーであって、
先端部に配置され、前記工具を挟む爪部と、
ローラカムを有し、基端部に配置されるレバー部と、
を有するピンチレバーと、
前記レバー部を押し広げる方向に付勢する第1弾性体と、
シリンダ室を有し、前記マガジンディスクに配置されるシリンダと、
前記シリンダ室内を往復するプランジャであって、
前記ローラカムに接し、先端部に配置されるV面と、
基端部に配置されるカムフォロアと、
を有するプランジャと、
前記プランジャを先端方向に付勢して、前記V面を前記ローラカムに押し当てて、前記ピンチレバーを閉じる第2弾性体と、
を有し、
前記工具保持部が前記工具交換位置以外にあるときは、前記カムフォロアが前記カムに当接して、前記ピンチレバーが開かず、
前記工具保持部が前記工具交換位置にあるときは、前記プランジャが前記ストローク長だけ後退して、前記ピンチレバーが開いて前記工具を前記主軸と交換できる、
工具交換装置である。
【0007】
第1Yボックスは、第1ラムが貫通する第1ボックス穴を有して良い。第1加工ユニットは、第1ボディを有して良い。第1ボディは、第1ボックス穴を貫通しても良い。第1Yボックスは、第1ボディと第1ボックス穴との間を封止する第1パッキンを有しても良い。
第2Yボックスは、第2ラムが貫通する第2ボックス穴を有して良い。第2加工ユニットは、第2ボディを有して良い。第2ボディは、第2ボックス穴を貫通しても良い。第2Yボックスは、第2ボディと第2ボックス穴との間を封止する第2パッキンを有しても良い。
第3Yボックスは、第3ラムが貫通する第3ボックス穴を有して良い。第3加工ユニットは、第3ボディを有して良い。第3ボディは、第3ボックス穴を貫通しても良い。第3Yボックスは、第3ボディと第3ボックス穴との間を封止する第3パッキンを有しても良い。
第4Yボックスは、第4ラムが貫通する第4ボックス穴を有して良い。第4加工ユニットは、第4ボディを有して良い。第4ボディは、第4ボックス穴を貫通しても良い。第4Yボックスは、第4ボディと第4ボックス穴との間を封止する第4パッキンを有しても良い。
伸縮カバーは、例えば、蛇腹、ロールカバー、テレスコピックカバーである。
【0008】
横型加工機は、ベッドに配置され、第2移動コラムの下端部をX軸方向に駆動する第2下方X軸駆動装置と、ベッドの上方に配置され、第2下方X軸駆動装置と同期して、第2移動コラムの上端部をX軸方向に駆動する第2上方X軸駆動装置と、を有しても良い。
第1上方X軸駆動装置は、固定ビームに配置されても良い。第2上方X軸駆動装置は、固定ビームに配置されても良い。
【0009】
第2下方X軸駆動装置は、下方Xはすばラックと、下方Xはすばラックと噛み合う第2下方Xはすば歯車と、第2下方Xはすば歯車に接続され、第2移動コラムの下端部に配置される第2下方Xモータと、を有しても良い。
第2上方X軸駆動装置は、上方Xはすばラックと、上方Xはすばラックと噛み合う第2上方Xはすば歯車と、第2上方Xはすば歯車に接続され、第2移動コラムの上端部に配置される第2上方Xモータと、を有しても良い。
【0010】
横型加工機は、第1移動コラムに配置される第1Y軸駆動装置を有しても良い。第1Y軸駆動装置は、第1移動コラムに配置される第1Yはすばラックと、第1Yはすばラックに噛み合う第1Yはすば歯車と、第1Yはすば歯車に接続され、第1加工ユニットに配置される第1Yモータと、を有して良い。第1Y軸駆動装置は、第1移動コラムの第1X方向の側面に配置されて良い。第1Yはすばラックは、第1移動コラムの第1X方向の側面に配置されて良い。
横型加工機は、第1移動コラムに配置される第2Y軸駆動装置を有しても良い。第2Y軸駆動装置は、第1Yはすばラックと、第1Yはすばラックに噛み合う第2Yはすば歯車と、第2Yはすば歯車に接続され、第2加工ユニットに配置される第2Yモータと、を有して良い。第2Y軸駆動装置は、第1移動コラムの第1X方向の側面に配置されて良い。
【0011】
横型加工機は、第2移動コラムに配置される第3Y軸駆動装置を有しても良い。第3Y軸駆動装置は、第2移動コラムに配置される第2Yはすばラックと、第2Yはすばラックに噛み合う第3Yはすば歯車と、第3Yはすば歯車に接続され、第3加工ユニットに配置される第3Yモータと、を有して良い。
第3Y軸駆動装置は、第2移動コラムの第2X方向の側面に配置されて良い。第2Yはすばラックは、第2移動コラムの第2X方向の側面に配置されて良い。
横型加工機は、第2移動コラムに配置される第4Y軸駆動装置を有しても良い。第4Y軸駆動装置は、第2Yはすばラックと、第2Yはすばラックに噛み合う第4Yはすば歯車と、第4Yはすば歯車に接続され、第4Y加工ユニットに配置される第4Yモータと、を有して良い。第4Y軸駆動装置は、第2移動コラムの第2X方向の側面に配置されて良い。
【0012】
横型加工機は、第1Y軸ガイドに案内され、Y方向に移動する、第1Yベースと第2Yベースを有して良い。第1加工ユニットは、第1Yベースに着脱自在に配置されて良い。横型加工機は、第1加工ユニットを第1Yベースに締結する第1締結部材を有して良い。
第2加工ユニットは、第2Yベースに着脱自在に配置されて良い。横型加工機は、第2加工ユニットを第2Yベースに締結する第2締結部材を有して良い。
横型加工機は、第2Y軸ガイドに案内され、Y方向に移動する、第3Yベースと第4Yベースを有して良い。第3加工ユニットは、第3Yベースに着脱自在に配置されて良い。横型加工機は、第3加工ユニットを、第3Yベースに締結する第3締結部材を有して良い。
第4加工ユニットは、第4Yベースに着脱自在に配置されて良い。横型加工機は、第4加工ユニットを第4Yベースに締結する第4締結部材を有して良い。
【0013】
第1主軸は、第1主軸穴を有して良い。第1主軸は、第1工具アンクランプ装置を有して良い。
第2主軸は、第2主軸穴を有して良い。第2主軸は、第2工具アンクランプ装置を有して良い。
第3主軸は、第3主軸穴を有して良い。第3主軸は、第3工具アンクランプ装置を有して良い。
第4主軸は、第4主軸穴を有して良い。第4主軸は、第3工具アンクランプ装置を有して良い。
【0014】
第1主軸は、第2X方向に移動して、第1工具交換位置に到達するよう構成される。
第2主軸は、第2X方向に移動して、第2工具交換位置に到達するよう構成される。第2主軸は、第1主軸が第1工具交換位置に到達すると同時に、第2工具交換位置に到達するよう構成される。
第3主軸は、第1X方向に移動して、第3工具交換位置に到達するよう構成される。
第4主軸は、第1X方向に移動して、第4工具交換位置に到達するよう構成される。第4主軸は、第2主軸が第3工具交換位置に到達すると同時に、第4工具交換位置に到達するよう構成される。
【0015】
第1主軸は、第1工具交換位置にあるときに、第1工具交換装置と干渉しないように構成されて良い。第1工具交換装置のシャッタは、シャッタが加工位置にあるときに、第1工具交換位置に位置する第1主軸と干渉しないように構成されて良い。
第2主軸は、第2工具交換位置にあるときに、第2工具交換装置と干渉しないように構成されて良い。第2工具交換装置のシャッタは、シャッタが加工位置にあるときに、第2工具交換位置に位置する第1主軸と干渉しないように構成されて良い。
第3主軸は、第3工具交換位置にあるときに、第3工具交換装置と干渉しないように構成されて良い。第3工具交換装置のシャッタは、シャッタが加工位置にあるときに、第3工具交換位置に位置する第3主軸と干渉しないように構成されて良い。
第4主軸は、第4工具交換位置にあるときに、第4工具交換装置と干渉しないように構成されて良い。第4工具交換装置のシャッタは、シャッタが加工位置にあるときに、第4工具交換位置に位置する第4主軸と干渉しないように構成されて良い。
【0016】
横型加工機は、
ベッドのX軸方向の両端に配置される一対の固定支持柱と、
一対の固定支持柱の上端部に架け渡される固定ビームと、
固定ビームに配置される上方X軸ガイドと、
を有して良い。
【0017】
横型加工機は、
ベッドに配置され、第1移動コラムの下端部をX軸方向に駆動する第1下方X軸駆動装置と、
ベッドの上方に配置され、第1下方X軸駆動装置と同期して、第1移動コラムの上端部をX軸方向に駆動する第1上方X軸駆動装置と、
を有しても良い。
【0018】
第1下方X軸駆動装置は、
ベッドに配置される下方Xはすばラックと、
下方Xはすばラックと噛み合う第1下方Xはすば歯車と、
第1下方Xはすば歯車に接続され、第1移動コラムの下端部に配置される下方Xモータと、
を有し、
第1上方X軸駆動装置は、
X固定ビームに配置される上方Xはすばラックと、
上方Xはすばラックと噛み合う第1上方Xはすば歯車と、
第1上方Xはすば歯車に接続され、第1移動コラムの上端部に配置される上方Xモータと、
を有してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、駆動部を加工領域から分離できる多軸の横型加工機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態の横型加工機の斜視図
図2】実施形態の横型加工機の斜視図
図3図1のIII矢視図
図4図3のIV-IV線断面図
図5図3のV-V線断面図
図6図4のVI-VI線断面図
図7図1のVII矢視図
図8図7のVIII-VIII線断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び図2に示すように、実施形態の横型加工機10は、ベッド11と、一対の床面X軸ガイド13と、一対の固定支持柱15と、固定ビーム17と、上方X軸ガイド19と、第1加工ユニット群20と、第2加工ユニット群22と、蛇腹カバー(伸縮カバー)40と、第1ATC(第1自動工具交換装置)511と、第2ATC(第2自動工具交換装置)512と、第3ATC(第3自動工具交換装置)513と、第4ATC(第4自動工具交換装置)514と、を有する。
【0022】
便宜上、左右方向をX方向(正面から向かって左を+X方向)、上下方向をY方向(上方を+Y方向)、前後方向をZ方向(正面から向かって奥を+Z方向)と定義する。
【0023】
図3に示すように、床面X軸ガイド13は、下Xガイドレール13aと、下Xガイドブロック13bと、を有する。床面X軸ガイド13は、X方向に延びる。下Xガイドレール13aは、X方向に延びて、ベッド11の上面に固定される。下Xガイドブロック13bは、下Xガイドレール13aに配置され、X方向に移動する。
【0024】
図2に示すように、一対の固定支持柱15は、ベッド11のX方向の両端部に配置される。固定支持柱15は、主柱15aと、副柱15bとを有する。固定支持柱15は、Y方向から見て閉じた形状である。副柱15bは、主柱15aの前方(-Z)方向に配置される。
固定ビーム17は、一対の固定支持柱15の上端部の間に架け渡される。固定ビーム17は、X軸方向に延びる。図4に示すように、上方X軸ガイド19は、上Xガイドレール19aと、上Xガイドブロック19bと、を有する。上Xガイドレール19aは、X方向に延びて、固定ビーム17の背面に固定される。上Xガイドブロック19bは、上Xガイドレール19aに配置され、X方向に移動する。
【0025】
図3図6に示すように、第1加工ユニット群20は、第1移動コラム211と、第1下方X軸駆動装置231と、第1上方X軸駆動装置251と、第1Y軸ガイド271と、第1Yベース301と、第1加工ユニット291と、第1Y軸駆動装置331と、第2Yベース302と、第2加工ユニット292と、第2Y軸駆動装置332と、を有する。
【0026】
図3に示すように、第1移動コラム211は、ベース部211aと、柱部211bと、を有する。ベース部211aは、下Xガイドブロック13bに締結される。ベース部211aは、直方体状である。柱部211bは、ベース部211aの-X方向寄りに配置される。柱部211bは、例えば、矩形断面を有する。柱部211bの上端部は、上Xガイドブロック19bに締結される。
【0027】
図4に示すように、第1下方X軸駆動装置231は、下方Xはすばラック231aと、第1下方Xモータ231bと、第1下方Xはすば歯車231cと、を有する。下方Xはすばラック231aは、X方向に延びて、ベッド11に固定される。第1下方Xモータ231bは、ベース部211aに配置される。第1下方Xはすば歯車231cは、第1下方Xモータ231bに接続され、下方Xはすばラック231aに噛み合う。
【0028】
図4に示すように、第1上方X軸駆動装置251は、上方Xはすばラック251aと、第1上方Xモータ251bと、第1上方Xはすば歯車231cと、を有する。上方Xはすばラック251aは、X方向に延びて、固定ビーム17の背面に固定される。第1上方Xモータ251bは、柱部211bの上方に締結される。第1上方Xモータ251bは、第1下方Xモータ231bに同期して回転する。第1上方Xはすば歯車251cは、第1上方Xモータ251bに接続され、上方Xはすばラック251aに噛み合う。
【0029】
図3に示すように、第1Y軸ガイド271は、Yガイドレール271aと、複数のYガイドブロック271bと、を有する。Yガイドレール271aは、Y方向に延びて、第1移動コラム211の+X方向に配置される。Yガイドブロック271bは、Yガイドレール271aに配置され、Y方向に移動する。
【0030】
第1Yベース301は、Yガイドブロック271bに締結される。第1Yベース301は、ボルト(第1締結部材)301aを有して良い。
第2Yベース302は、Yガイドブロック271bに締結される。第2Yベース302は、ボルト(第2締結部材)302aを有して良い。
【0031】
図5に示すように、第1Y軸駆動装置331は、第1Yはすばラック331aと、第1Yモータ331bと、第1Yはすば歯車331cと、を有する。第1Yはすばラック331aは、Y方向に延びて、第1移動コラム211に配置される。第1Yはすばラック331aは、柱部211bの+X方向の側面に配置される。
第1Yモータ331bは、第1Yベース301に締結される。第1Yはすば歯車331cは、第1Yモータ331bに接続され、第1Yはすばラック331aに噛み合う。
【0032】
図5に示すように、第1加工ユニット291は、第1ボディ291aと、第1ラム291bと、第1主軸291cと、を有する。第1ボディ291aは、Z方向に延びる角柱状である。第1ボディ291aは、ボルト301aによって、第1Yベース301に結合される。第1ラム291bは、第1ボディ291aの先端部から蛇腹カバー40の前方に突出する。第1ラム291bは、Z方向に案内される。第1ラム291bは、Z方向に進退する。第1主軸291cは、第1ラム291bに回転可能に支持される。第1主軸291cは、第1主軸穴291eと、アンクランプ装置291fとを有する。アンクランプ装置291fは、第1主軸穴291eに装着された工具1をクランプし、アンクランプする。第1加工ユニット291は、第1Yベース301に着脱自在に結合される。
【0033】
工具1は、第1主軸穴291eに装着される。図7及び図8に示すように、工具1は、テーパシャンク1a(図8参照)と、キー溝1b(図7参照)と、を有する。テーパシャンク1aは、第1主軸穴291eに当接する。
【0034】
図2及び図5に示すように、第2Y軸駆動装置332は、第1Yはすばラック331aと、第2Yモータ332bと、第2Yはすば歯車332cと、を有する。第2Yモータ332bは、第2Yベース302に締結される。第2Yはすば歯車332cは、第2Yモータ332bに接続され、第1Yはすばラック331aに噛み合う。
【0035】
第2加工ユニット292は、第2ボディ292aと、第2ラム292bと、第2主軸292cと、を有する。第2加工ユニット292は、第1加工ユニット291の-Y方向(第1Y方向)に配置される。第2加工ユニット292は、第2締結部材302aを介して、第2Yベース302に着脱自在に結合される。第2加工ユニット292は、第1加工ユニット291と実質的に同一である。
【0036】
図2に示すように、第2加工ユニット群22は、第2コラム(第2移動コラム)212と、第2下方X軸駆動装置232と、第2上方X軸駆動装置252と、第2Yガイド272と、第3Yベース303と、第3加工ユニット293と、第3Y軸駆動装置333と、第4Yベース304と、第4加工ユニット294と、第4Y軸駆動装置334と、を有する。第2加工ユニット群22は、第1加工ユニット群20の+X(第1X方向)側に配置される。第2加工ユニット群22は、第1加工ユニット群20とYZ平面について対称である。
図3に示すように、第3Yベース303は、第3締結部材303aを有して良い。第4Yベース304は、第4締結部材304aを有して良い。
【0037】
図4に示すように、第2下方X軸駆動装置232は、下方Xはすばラック231aと、第2下方Xモータ232bと、第2下方Xはすば歯車232cと、を有する。
第2上方X軸駆動装置252は、上方Xはすばラック252aと、第2上方Xモータ252bと、第2上方Xはすば歯車232cと、を有する。
【0038】
図5に示すように、第3Y軸駆動装置333は、第2Yはすばラック332aと、第3Yモータ333bと、第3Yはすば歯車333cと、を有する。
第4Y軸駆動装置334は、第2Yはすばラック332aと、第4Yモータ334bと、第4Yはすば歯車334cと、を有する。
【0039】
第3加工ユニット293は、第3ボディ293aと、第3ラム293bと、第3主軸39cと、を有する。第3加工ユニット293は、第3Yベース303に着脱自在に結合される。
第4加工ユニット294は、第3加工ユニット293の-Y方向(第1Y方向)に配置される。第4加工ユニット294は、第4ボディ294aと、第4ラム294bと、第4主軸294cと、を有する。第4加工ユニット294は、第4Yベース304に着脱自在に結合される。
第3加工ユニット293と、第4加工ユニット294は、第1加工ユニット291と実質的に同一である。
【0040】
図6に示すように、蛇腹カバー40は、ボックスカバー41と、第1Xボックス431と、第2Xボックス432と、第1X蛇腹(第1X伸縮カバー)451と、第2X蛇腹(第2X伸縮カバー)452と、第3X蛇腹(第3X伸縮カバー)453と、第1Yボックス441と、第2Yボックス442と、第3Yボックス443と、第4Yボックス444と、第1Y蛇腹(第1Y伸縮カバー)471と、第2Y蛇腹(第2Y伸縮カバー)472と、第3Y蛇腹(第3Y伸縮カバー)473と、第4Y蛇腹(第4Y伸縮カバー)474と、第5Y蛇腹(第5Y伸縮カバー)475と、第6Y蛇腹(第6Y伸縮カバー)476と、を有する。
【0041】
ボックスカバー41は、固定支持柱15に固定される。ボックスカバー41は、箱型であり、Z方向に大きな開口を有する。
【0042】
第1Xボックス431は、Y方向に延びる箱型であり、Z方向に大きな開口を有する。第1Xボックス431は、ボックスカバー41内に配置され、X方向に往復する。第2Xボックス432は、第1Xボックス431と実質的に同一である。第2Xボックス432は、第1Xボックス431の+X側に配置される。
【0043】
第1Yボックス441は、箱型であり、第1Xボックス431の内部に配置される。第1Yボックス441は、Y方向に往復する。図4に示すように、第1Yボックス441は、ボックス穴441aと、パッキン441bと、を有する。第1ボディ291aは、ボックス穴441aを貫通する。パッキン441bは、第1ボディ291aと第1ボックス穴441aとの隙間を封止する。
第2Yボックス442は、第2ボックス穴442aと、第2パッキン442bと、を有する。第2Yボックス442は、第1Xボックス431と実質的に同一である。
第3Yボックス443は、第3ボックス穴443aと、第3パッキン443bと、を有する。第3Yボックス443は、第1Xボックス431と実質的に同一である。
第4Yボックス444は、第4ボックス穴444aと、第4パッキン444bと、を有する。第4Yボックス444は、第1Xボックス431と実質的に同一である。
【0044】
図6に示すように、第1X蛇腹451は、ボックスカバー41内に配置され、ボックスカバー41と第1Xボックス431とを接続する。第1X蛇腹451は、第1Xボックス431の往復に伴って伸縮する。
第2X蛇腹452は、ボックスカバー41内に配置され、第1Xボックス431と第2Xボックス432とを接続する。第2X蛇腹452は、第1Xボックス431や第2Xボックス432の往復に伴って伸縮する。
第3X蛇腹453は、ボックスカバー41内に配置され、ボックスカバー41と第2Xボックス432とを接続する。第3X蛇腹453は、第2Xボックス432の往復に伴って伸縮する。
【0045】
第1Y蛇腹471は、第1Xボックス431内に配置され、第1Xボックス431と第1Yボックス441とを接続する。第1Y蛇腹471は、第1Yボックス441の往復に伴って伸縮する。
第2Y蛇腹472は、第1Xボックス431内に配置され、第1Yボックス441と第2Yボックス442とを接続する。第2Y蛇腹472は、第1Yボックス441や第2Yボックス442の往復に伴って伸縮する。
第3Y蛇腹473は、第1Xボックス431内に配置され、第1Xボックス431と第2Yボックス442とを接続する。第3Y蛇腹473は、第2Yボックス442の往復に伴って伸縮する。
【0046】
第4Y蛇腹474は、第2Xボックス432内に配置され、第2Xボックス432と第3Yボックス443とを接続する。第4Y蛇腹474は、第3Yボックス443の往復に伴って伸縮する。
第5Y蛇腹475は、第2Xボックス432内に配置され、第3Yボックス443と第4Yボックス444とを接続する。第5Y蛇腹475は、第3Yボックス443や第4Yボックス444の往復に伴って伸縮する。
第6Y蛇腹476は、第2Xボックス432内に配置され、第2Xボックス432と第4Yボックス444とを接続する。第6Y蛇腹476は、第4Yボックス444の往復に伴って伸縮する。
【0047】
図1に示すように、第1ATC511と、第2ATC512は、第1加工ユニット群20の-X側に配置される。第2ATC512は、第1ATC511の-Y方向(第1Y方向)に配置される。
【0048】
図7及び図8に示すように、第1ATC511は、フレーム501と、マガジンカバー(第1マガジンカバー)531と、マガジンディスク(第1マガジンディスク)551と、カム571と、モータ561と、複数の工具保持部(第1工具保持部)591と、シャッタ(第1シャッタ)731と、回転軸581と、を有する。
なお、便宜上、図7の第1ATC511は、図1の状態から、正面から向かって反時計回りに120度回転した状態を示す。
【0049】
フレーム501は、副柱15bから、-X方向に延びる。フレーム501は、マガジンディスク551と、マガジンカバー531と、カム571と、モータ561と、を支持する。モータ561は、マガジンディスク551を回転する。
【0050】
マガジンカバー531は、工具交換口(第1工具交換口)531aを有する。工具交換口531aは、マガジンカバー531の第1X方向(+X)に配置される。工具交換口531aは、X方向から見て矩形状である。正面(-Z方向)から見て、工具交換口531aは、C字状であり、-X方向に窪んでいる。
【0051】
マガジンディスク551は、回転軸581を有する。マガジンディスク551は、回転軸581を中心に回転する。マガジンディスク551は、モータ561と接続される。モータ561は、いずれか一つの工具保持部591又はシャッタ中心線7を工具交換位置81に割り出す。
【0052】
カム571は、フレーム501に固定される。カム571は、円板状の板カムである。カム571は、輪郭曲線571aを有する。輪郭曲線571aは、工具交換位置81以外の部分において、回転軸581から均等な距離571bを有する。輪郭曲線571aは、工具交換位置81において、距離571bからストローク長571cだけ短い。
【0053】
工具保持部591は、工具保持部591aと、工具保持部591bと、を有する。図7において、工具保持部591aは、工具交換位置81に位置する。工具保持部591bは、工具交換位置81以外に位置する。
工具保持部591は、マガジンディスク551の外周部に配置される。工具保持部591は、一対のピンチレバー69と、ピンチピン70と、ローラカム71と、圧縮コイルばね(第1弾性体)73と、キー72と、シリンダ61と、プランジャ63と、圧縮コイルばね(第2弾性体)67と、カムフォロア65と、を有する。以下、マガジンディスク551の径方向外側寄りを先端方向、径方向内側寄りを基端方向という。
【0054】
ピンチレバー69は、爪部69aと、レバー部69bと、を有する。爪部69aは、ピンチレバー69の先端部である。爪部69aは、工具1を挟んで保持する。レバー部69bは、ピンチレバー69の基端部である。一対のピンチレバー69は、ピンチピン70を介して、マガジンディスク551に揺動可能に支持される。ピンチピン70は、ピンチレバー69の中央部を支持する。圧縮コイルばね73は、一対のレバー部69bの間に配置され、互いに引き離すようにレバー部69bを付勢する。ローラカム71は、レバー部69bの基端部に配置される。なお、ローラカム71は、省いても良い。また、圧縮コイルばね73は、省いても良い。
【0055】
キー72は、一対のピンチレバー69の間に配置される。キー72は、マガジンディスク551に固定される。キー72は、ピンチレバー69が工具1を保持するときに、キー溝1bに挿入される。
【0056】
シリンダ61は、シリンダ室61aと、ロッド穴61bと、を有する。シリンダ61は、例えば、角柱状である。シリンダ61は、マガジンディスク551に配置される。シリンダ室61aは、マガジンディスク551の径方向に延びる。ロッド穴61bは、シリンダ61の基端部に配置され、シリンダ室61aに接続される。
【0057】
プランジャ63は、V面63aと、ピストン63cと、ロッド63bと、を有する。プランジャ63は、シリンダ61内を径方向に往復する。ピストン63cは、シリンダ室61a内に摺動する。V面63aは、ピストン63cの先端に配置される。V面63aは、ローラカム71に当接する。ロッド63bは、ピストン63cの基端部に接続し、ロッド穴61bを貫通する。ロッド63bの基端部に、カムフォロア65が配置される。
【0058】
圧縮コイルばね67は、シリンダ室61a内に配置される。圧縮コイルばね67は、ピストン63cを先端方向に付勢する。
【0059】
シャッタ731は、マガジンディスク551に配置される。シャッタ731は、径方向から見て矩形状である。シャッタ731は、正面(-Z方向)からみてC字状であり、中央部が径方向内側に窪む。シャッタ731や工具保持部591は、マガジンディスク551と一体に回転する。加工位置5(図1参照)において、シャッタ731と回転軸581の中心を結ぶシャッタ中心線7が、工具交換位置81を通る。シャッタ731が加工位置5にあるときに、Z方向から見て、シャッタ731の形状は、工具交換口531aの形状と一致する。シャッタ731は、工具交換口531aのほぼ全面を覆う。マガジンディスク551の回転に伴って、シャッタ731は、マガジンカバー531内に収納される。
【0060】
第1ATC511の使用方法について説明する。
工具保持部591bは、カムフォロア65がカム571に当接している。そのため、プランジャ63は、中心方向に移動できない。プランジャ63のV面63aは、ローラカム71と当接する。更に、プランジャ63は、ばね67によって先端方向に付勢される。そのため、ピンチレバー69は、閉じる方向に付勢される。したがって、工具保持部591bによって保持された工具1は、工具保持部591bから外れることが抑制される。
【0061】
図7及び図8を参照して、第1主軸291cが、第1主軸291cに装着された工具1を工具保持部591に渡す方法を説明する。図7に示すように、第1主軸291cは、予め、キー溝1bが-X方向を向くように停止する。次いで、第1主軸291cは、矢印3に沿って、-X方向に移動して、工具交換位置81に移動する。このとき、図7の2点鎖線に示すように、ピンチレバー69は、工具1のフランジ部(不図示)に当接し、押し開かれる。輪郭曲線571aは、+X方向においてストローク長571cだけ窪んでいる。そのため、プランジャ63は、ばね67の弾性力に抗して、矢印4に沿って基端方向に移動する。そして、プランジャ63の移動と共に、ピンチレバー69が一旦開く。第1主軸291cが工具交換位置81に到着したときに、キー72がキー溝1bに挿入される。そして、プランジャ63が、ばね67によって先端方向に押し戻される。これによって、爪部69aが閉じて、ピンチレバー69が工具1を保持する。
【0062】
次いで、図8に示すように、第1主軸291cは、矢印5に沿って、+Z方向に移動する。第1主軸291cの移動に合わせて、アンクランプ装置291fが工具1をアンクランプする。これによって、第1主軸穴291eから工具1が抜ける。そして、工具1が第1主軸291cから第1ATC511に受け渡される。
【0063】
第1ATC511が、工具1を第1主軸291cに受け渡すときは、上述の交換方法の手順を逆に実行する。すなわち、図8において、第1主軸291cが矢印5の逆方向(-Z方向)に移動するとともに、アンクランプ装置291fが工具1をクランプする。次いで、図7において、第1主軸291cが矢印3の逆方向(+X方向)に移動する。
【0064】
図1及び図7に示すように、第2ATC512は、フレーム502と、マガジンカバー(第1マガジンカバー)532と、マガジンディスク(第1マガジンディスク)552と、カム572と、モータ562(図8参照)と、複数の工具保持部(第1工具保持部)592と、シャッタ(第1シャッタ)732と、を有する。マガジンカバー532は、工具交換口(第1工具交換口)532aを有する。第2ATC512は、第1ATC511と実質的に同一である。マガジンカバー532は、マガジンカバー531と一体である。
【0065】
図1に示すように、第3ATC513と、第4ATC514は、第2加工ユニット群22の+X側に配置される。第3ATC513と、第4ATC514は、第1ATC511及び第2ATC512と、YZ平面について対称である。第4ATC514は、第3ATC513の-Y方向(第1Y方向)に配置される。第3主軸293cが、第3ATC513と工具1を交換するときは、第3主軸293cは、+X方向に移動し、工具交換位置83へ移動する。このとき、第4主軸294cは、XY平面において、工具交換位置84に移動する。
【0066】
図1及び図7に示すように、第3ATC513は、フレーム503と、マガジンカバー(第2マガジンカバー)533と、マガジンディスク(第2マガジンディスク)553と、カム573と、モータ563と、複数の工具保持部(第2工具保持部)593と、シャッタ(第2シャッタ)733と、を有する。マガジンカバー533は、工具交換口(第2工具交換口)533aを有する。
第4ATC514は、フレーム504と、マガジンカバー(第2マガジンカバー)534と、マガジンディスク(第2マガジンディスク)554と、カム574と、モータ564と、複数の工具保持部(第2工具保持部)594と、シャッタ(第2シャッタ)734と、を有する。マガジンカバー534は、工具交換口(第2工具交換口)534aを有する。マガジンカバー534は、マガジンカバー533と一体である。
【0067】
本実施形態の横型加工機10によれば、次の作用効果が生ずる。
蛇腹カバー40は、第1Xボックス431と、2つのYボックス441、442を有する。第1Xボックス431が傾斜すると、第1Xボックス431の移動が阻害される。そして、第1X蛇腹451や第2X蛇腹452の傷みが促進される。
これに対して、本実施形態では、2つのYボックス441、442が、それぞれ第1ボディ291aと第2ボディ292aに支持される。第1ボディ291aと第2ボディ292aは、第1Y軸ガイド271に案内される。そのため、第1主軸291cや第2主軸292cがXYZ方向に自在に移動するときに、第1ボディ291aと第2ボディ292aは、Y軸に平行に位置する。これにより、第1Xボックス431がY方向から傾くことが抑制される。そのため、第1Xボックス431の移動がスムーズになる。また、第1X蛇腹451や第2X蛇腹452の傷みが抑制される。
第2Xボックス432についても、第1Xボックス431と実質的に同一である。
【0068】
工具交換口531a及びシャッタ731は、Z方向から見て-X方向に窪んでいる。そのため、シャッタ731が加工位置5にあるときに、第1主軸291cは、工具交換位置81に移動できる。
第1加工ユニット291と第2加工ユニット292は、共に、第1移動コラム211に配置される。第1主軸291cが第1ATC511と工具1を交換するときは、第1主軸291cは、工具交換位置81に移動する。同時に、第2主軸292cは、工具交換位置83に移動する。
第1主軸291cが第1ATC511と工具1を交換するときに、同時に、第2主軸292cが第2ATC512と工具1を交換できる。
また、第1主軸291cが第1ATCと工具1を交換するときに、第2主軸292cが第2ATC512と工具1を交換しないときは、シャッタ732は、加工位置5に位置する。このとき、工具交換口532a及びシャッタ732は、Z方向から見て-X方向に窪んでいる。そのため、第2主軸292cは、第2ATC512と衝突しない。
第2主軸292cが第2ATC512と工具1を交換し、第1主軸291cが第1ATC511と工具1を交換しないときも、第1主軸291cは、第1ATC511と衝突しない。
第3主軸293c及び第4主軸294cと、第3ATC513及び第4ATC514との関係は、第1主軸291c及び第2主軸292cと、第1ATC511及び第2ATC512との関係と実質的に同一である。
【0069】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 工具
11 ベッド
13 床面X軸ガイド
211 第1移動コラム
271 第1Y軸ガイド
291 第1加工ユニット
291b 第1ラム
291c 第1主軸
292 第2加工ユニット
292b 第2ラム
292c 第2主軸
40 蛇腹カバー(伸縮カバー)
41 ボックスカバー
431 第1Xボックス
441 第1Yボックス
442 第2Yボックス
451 第1X蛇腹(第1X伸縮カバー)
471 第1Y蛇腹(第1Y伸縮カバー)
472 第2Y蛇腹(第2Y伸縮カバー)
473 第3Y蛇腹(第3Y伸縮カバー)
511 第1ATC(第1工具交換装置)
512 第2ATC(第2工具交換装置)
81 第1工具交換位置
82 第2工具交換位置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8