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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164645
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】鉄道車両用空調装置及び鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   B61D 27/00 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
B61D27/00 P
B61D27/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080279
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】岩田 宜之
(72)【発明者】
【氏名】小山 泰平
(72)【発明者】
【氏名】上條 芳武
(72)【発明者】
【氏名】中田 好彦
(72)【発明者】
【氏名】祐川 直純
(57)【要約】
【課題】室内送風機から鉄道車両の客室内へ水滴が飛散する現象である水飛びを抑制できる鉄道車両用空調装置を提供する。
【解決手段】本実施形態による鉄道車両用空調装置は、筐体と、前記筐体に設けられた熱交換器と、前記筐体に設けられ、空気を吸引する送風機吸気口を有する送風機と、前記送風機吸気口に設けられ、水滴を分離する遠心分離器と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられた熱交換器と、
前記筐体に設けられ、空気を吸引する送風機吸気口を有する送風機と、
前記送風機吸気口に設けられ、水滴を分離する遠心分離器と、を備えた、鉄道車両用空調装置。
【請求項2】
前記遠心分離器は、前記熱交換器を通過した空気を吸引する遠心分離器吸気口を有し、
前記遠心分離器吸気口は、前記送風機吸気口に対面している、請求項1に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項3】
前記遠心分離器は、前記熱交換器を通過した空気を吸引する遠心分離器吸気口を有し、
前記遠心分離器吸気口は、前記送風機の中心軸線に直交する方向に開口する、請求項1に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項4】
前記遠心分離器吸気口には、前記遠心分離器内に旋回流を発生させる案内板が設けられている、請求項2又は3に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項5】
前記遠心分離器吸気口には、前記遠心分離器内に旋回流を発生させる案内板が設けられ、
複数の前記案内板が、前記送風機の中心軸線の周方向に間隔を空けて配列され、
前記中心軸線に直交する方向からの観察において、隣り合う前記案内板同士は互いに重なっている、請求項3に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項6】
前記遠心分離器吸気口には、前記遠心分離器内に旋回流を発生させる案内板が設けられ、
複数の前記案内板が、前記送風機の中心軸線の周方向に間隔を空けて配列され、
前記遠心分離器は、底部材と、円筒部材と、蓋部材と、を有し、
前記案内板は、前記底部材と前記蓋部材との間に位置し、
前記送風機の中心軸線の周方向における前記案内板の間隔は、次の式で表される数値L以下であり、
【数1】
Qは、前記円筒部材に流入する空気の流量であり、
hは、前記送風機の中心軸線方向における前記円筒部材と前記蓋部材との距離であり、
nは、前記案内板の数であり、
Hは、前記中心軸線方向における前記案内板の長さであり、
ηは、空気の粘性係数であり、
ρは、水の密度であり、
ρは、空気の密度であり、
Dは、水の粒子径である、請求項3又は5に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項7】
複数の前記案内板が、前記送風機の中心軸線の周方向に間隔を空けて配列され、
前記案内板は、前記周方向に湾曲している、請求項4に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項8】
前記遠心分離器によって分離した水滴を排出する排水部をさらに備えた、請求項1~3のいずれか一項に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の鉄道車両用空調装置を備えた、鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、鉄道車両用空調装置及び鉄道車両に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両用空調装置(以下、空調装置とも呼ぶ)を冷房装置として使用するとき、冷媒は、室内熱交換器において周囲の空気から熱を奪う。このとき、空気中の余剰水分が結露することによって、室内熱交換器に水滴が付着する。水滴は、室内熱交換器から室内送風機へ向けて流れる気流によって運ばれる。この結果、室内送風機から鉄道車両の客室内へ水滴が飛散する現象である「水飛び」が発生し得る。室内熱交換器に付着した水滴が塵埃等により汚染されていることから、水飛びは、水滴の付着によって乗客の衣服を汚す等の問題を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5125344号公報
【特許文献2】特許第3945022号公報
【特許文献3】特許第5859895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室内送風機から鉄道車両の客室内へ水滴が飛散する現象である水飛びを抑制できる鉄道車両用空調装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による鉄道車両用空調装置は、筐体と、前記筐体に設けられた熱交換器と、前記筐体に設けられ、空気を吸引する送風機吸気口を有する送風機と、前記送風機吸気口に設けられ、水滴を分離する遠心分離器と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態による鉄道車両を概略的に示す側面図。
図2】一実施形態による鉄道車両用空調装置を示す斜視図。
図3】一実施形態による送風機及びモータを示す斜視図。
図4】一実施形態による送風機及び遠心分離器を示す斜視図。
図5】一実施形態による遠心分離器を示す側面図。
図6】X-Z平面によって切断した、一実施形態による遠心分離器を示す斜視図。
図7図5のA-A線断面図であって、熱交換器から送風機への旋回流を示すための側面図。
図8】遠心分離器の一変形例を示す斜視図。
図9】遠心分離器の一変形例を示す正面図。
図10図9のB-B線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0008】
本明細書において、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」、「対称」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0009】
図面間における方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、X方向、Y方向、Z方向を図面間で共通する方向として示している。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面から奥に向かう矢印を、例えば図1に示すように、円の中に×を設けた記号により示す。
【0010】
図1は、本実施の形態による鉄道車両用空調装置5を有する鉄道車両1を示す。鉄道車両1は、軌道RL上に位置している。鉄道車両1は、軌道RL上を移動可能である。図1に示す例おいて、軌道RLは、X方向に沿って直線状に延びている。軌道RLを支持する枕木(図示せず)は、X方向に直交するY方向に沿って延びている。鉄道車両1として、電車、気動車、機関車、客車等が例示される。図示された例において、鉄道車両1は、電車である。鉄道車両1は、パンタグラフ2を有している。
【0011】
図1に示す例において、鉄道車両1は、複数(この場合は2つ)の空調装置5を有している。空調装置5は、鉄道車両1の屋根3上に設置されている。2つの空調装置5は、鉄道車両1の屋根3上においてX方向に互いから離れている。空調装置5は、鉄道車両1の内部空間における空気の温度、湿度、気流等を調整する。空調装置5は、鉄道車両1の内部空間における空気と、鉄道車両1の外部に空気とを交換してもよい。すなわち、空調装置5は、換気機能を有してもよい。空調装置5は、鉄道車両1の内部空間における空気の浄化機能を有してもよい。
【0012】
空調装置5は、筐体10と、筐体10に収容された機器と、を有している。筐体10は、平面視において(上方からの観察において)X方向に長手方向を有している。筐体10は、例えばアルミニウム等の金属製の部材によって製造されてもよい。筐体10は、室内部11と、室外部12と、中間部13と、を含んでいる。図1及び図2に示すように、中間部13は、X方向において室内部11と室外部12との間に位置している。筐体10に収容された機器としては、後述するように、熱交換器30、送風機40、遠心分離器50、室外熱交換器60、室外送風機70、圧縮機ユニット80及び/又はモータ90が挙げられる。このような機器は、室内部11、室外部12及び中間部13のうちのいずれか又は全てに設けられてもよい。
【0013】
空調装置5には、複数(この場合には2つ)の仕切り板15が設けられている。図2に示すように、仕切り板15は、Y方向と、X方向及びY方向の両方向に直交するZ方向と、に広がっている。室内部11と中間部13とは、第1の仕切り板15を介して互いに隣り合っている。同様に、中間部13と室外部12とは、第2の仕切り板15を介して互いに隣り合っている。図1において、複数の仕切り板15は、空調装置5内に破線によって示されている。
【0014】
図2に示すように、室内部11には、熱交換器30と、送風機40と、遠心分離器50と、が設けられてもよい。すなわち、空調装置5は、熱交換器30と、送風機40と、遠心分離器50と、を有している。室外部12には、図2に示すように、複数の室外熱交換器60と、室外送風機70と、が設けられてもよい。中間部13には、図2に示すように、複数の圧縮機ユニット80が設けられてもよい。
【0015】
空調装置5において、熱交換器30と室外熱交換器60との間を冷媒が循環する。冷媒は、熱交換器30及び室外熱交換器60の間において熱を移動させる。例えば、空調装置5を冷房装置として使用するとき、冷媒は、熱交換器30において温められる。熱交換器30によって温められた冷媒は、室外熱交換器60において冷却される。
【0016】
図1に示すように、機器を収容した筐体10は、カバー6によって上方から覆われてもよい。カバー6は、筐体10の室外部12内に空気を流入させるためのカバー開口部(図示せず)を有してもよい。カバー開口部(図示せず)は、室外部12に収容された室外熱交換器60の位置及び室外送風機70の位置に対応して設けられてもよい。カバー6は、例えばアルミニウム等の金属製の部材によって製造されてもよい。
【0017】
図2図9を参照して、室内部11、及び室内部11に設けられた機器の構成について説明する。室内部11には、熱交換器30と、送風機40と、遠心分離器50と、が設けられている。熱交換器30は、例えば室内熱交換器と呼称されてもよい。同様に、送風機40は、例えば室内送風機と呼称されてもよい。なお、図3は、室内部11に設けられた送風機40及びモータ90を示す斜視図であって、遠心分離器50の表示を省略している。
【0018】
室内部11は、床部111と、壁部112と、を有している。床部111は、X方向及びY方向に広がる板状の部材である、床部111は、熱交換器30、送風機40及び遠心分離器50を下方から支持する。床部111には、2つの吸気口11Lが設けられている。鉄道車両1の内部空間の空気は、吸気口11Lから室内部11へ流入する。
【0019】
壁部112は、X方向に沿って延びる一対の第1壁部112aと、Y方向に沿って延びる第2壁部112bと、を含んでいる。一対の第1壁部112aによって、Y方向における室内部11の収容空間が定められている。第2壁部112b及び仕切り板15によって、X方向における室内部11の収容空間が定められている。
【0020】
熱交換器30は、鉄道車両1の内部空間の空気と冷媒との間で熱を移動させる。図2に示す例において、複数の(この場合一対の)熱交換器30が室内部11(筐体)に設けられている。平面視において、熱交換器30は、X方向に長手方向を有している。図2に示すように、一対の熱交換器30は、筐体10のY方向中心線LMを介して、Y方向に互いから離れている。一対の熱交換器30は、筐体10のY方向中心線LMを介して、互いに対称であってもよい。熱交換器30は、例えばアルミニウム等の金属板を折り曲げることによって製造されてもよい。
【0021】
送風機40は、熱交換器30を通過した空気を、鉄道車両1の客室等の内部空間に供給する。図2図4に示すように、送風機40は、円筒形形状を有している。送風機40の中心軸線40Mは、図3及び図4に示すように、X方向に延びている。図3及び図4において、送風機40の中心軸線40Mは、仮想線によって示されている。
【0022】
図2に示すように、室内部11には、2対の送風機40が設けられている。すなわち、室内部11には、合計4つの送風機40が設けられている。一方の一対の送風機40は、他方の一対の送風機40から、筐体10のY方向中心線LMを介して離れている。一方の一対の送風機40と、他方の一対の送風機40とは、筐体10のY方向中心線LMを介して、互いに対称であってもよい。室内部11において、一対の送風機40は、熱交換器30よりも筐体10のY方向中心線LMから離れた位置に設けられている。一対の送風機40の各々は、熱交換器30と第1壁部112aとの間に位置している。
【0023】
図3に示すように、一対の送風機40は、X方向に互いから離れている。各送風機40は、送風機吸気口41と、ファン42と、送風機給気口43と、送風機筐体44と、を有している。送風機吸気口41は、空気を送風機40に流入させるものである。送風機給気口43は、空気を送風機40から流出させるものである。送風機筐体44は、ファン42を収容する。送風機40は、複数の送風機吸気口41を有してもよい。送風機40は、複数の送風機給気口43を有してもよい。送風機吸気口41及び送風機給気口43は、それぞれ送風機筐体44に形成されている。送風機筐体44は、アルミニウム等の金属製の部材によって製造されてもよい。
【0024】
送風機吸気口41は、空気を吸引する。図3に示すように、X方向に配列された一対の送風機40において、送風機吸気口41は、Y-Z平面に広がっている。送風機40は、X方向に互いに対向する2つの送風機吸気口41を有している。
【0025】
送風機吸気口41の周囲には、送風機吸気口41が空気を吸引するための隙間が設けられている。図2に示すように、第1壁部112aと送風機吸気口41との間に隙間G1が存在する。送風機吸気口41同士の間に隙間G2が存在する。送風機吸気口41と仕切り板15との間に隙間G3が存在する。
【0026】
ファン42は、送風機吸気口41から送風機給気口43へ向けて、空気を流す。ファン42は、後述するモータ90によって駆動され、送風機40の中心軸線40Mを中心に回動する。すなわち、ファン42は、送風機40の中心軸線40Mを中心に、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに移動する。ファンは、例えばシロッコファンでもよい。
【0027】
本明細書において、送風機40の中心軸線40Mを中心とした円周の軌跡に沿った方向を、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRと呼ぶ。本明細書において、送風機40の中心軸線40Mが延びる方向、及び送風機40の中心軸線40Mの周方向DRの両方向に直交する方向を、送風機40の中心軸線40Mの径方向DDと呼ぶ。
【0028】
図2図4に示す例において、一対の送風機40が、室内部11(筐体10)に設けられている。この場合、各送風機40の中心軸線40Mは、互いに一致する。
【0029】
図3に示すように、室内部11には、ファン42を回動させるモータ90がさらに設けられてもよい。モータ90は、X方向に互いから離れる一対の送風機40の間に位置している。モータ90は、円筒形形状を有している。モータ90は、モータ90自身の回動をファン42に伝達することで、ファン42を回動させてもよい。モータ90の回動軸線(図示せず)は、X方向に延びている。モータ90の回動軸線(図示せず)は、送風機40の中心軸線40Mと、一致する。モータ90として、直流モータや交流モータを使用してもよい。
【0030】
図4に示すように、室内部11には遠心分離器50が設けられている。具体的には、遠心分離器50は、送風機40の送風機吸気口41に設けられる。遠心分離器50は、送風機吸気口41を覆うように、送風機吸気口41に取り付けられている。図2及び図4に示すように、送風機40の2つの送風機吸気口41の各々に、遠心分離器50が設けられている。この結果、4つの送風機40を有する室内部11には、8つの遠心分離器50が設けられている。遠心分離器50は、金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
【0031】
遠心分離器50は、熱交換器30から取り込まれた空気及び水滴を含む流体から水滴を分離するものである。具体的には、遠心分離器50は、遠心分離器50に流入する流体に対して旋回流を生じさせ、このときの遠心力によって流体から水滴を除去する。なお、遠心分離器50自身は旋回しない。遠心分離器50は、後述する遠心分離器吸気口51から、空気及び水滴を含む流体を吸引する。図4に示すように、遠心分離器吸気口51は、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに位置している。すなわち遠心分離器吸気口51は、送風機40の中心軸線40Mの周方向DR及び送風機40の中心軸線方向であるX方向に沿って開口している。なお、遠心分離器50の、送風機40の反対側を向く端部は閉鎖されている。
【0032】
図5及び図6に示すように、遠心分離器50は、底部材52と、円筒部材53と、蓋部材54と、案内板55と、を有している。遠心分離器50において、底部材52、円筒部材53、蓋部材54、及び案内板55は、互いに一体化されている。この場合、別々の部材である底部材52、円筒部材53、蓋部材54、及び案内板55を互いに組み立てることによって、遠心分離器50が製造されてもよい。
【0033】
底部材52は、板状の部材である。図6及び図7に示すように、底部材52は、Y-Z平面に広がっている。すなわち、送風機吸気口41に遠心分離器50が設けられた状態において、底部材52は、送風機40の中心軸線方向に直交する平面に広がっている。底部材52は、円筒部材53を挿入するための穴52aを有している。底部材52は、案内板55を介して蓋部材54を支持する。底部材52は、X方向からの観察において、外径Rの円環形形状を有している。
【0034】
円筒部材53は、円筒形状を有する中空の部材である。円筒部材53の軸線は、X方向に延びている。円筒部材53は、底部材52に設けられた穴52aに挿入された状態で、底部材52に固定されている。円筒部材53は、送風機40が吸引する空気の流路を定める。遠心分離器吸気口51から流入した空気は、円筒部材53内を通過し、送風機吸気口41から送風機40に吸引される。送風機吸気口41に遠心分離器50が設けられた状態において、円筒部材53は、送風機40から離れる方向に、底部材52から突出している。図7に示すように、円筒部材53の内径r、すなわちX方向に直交する方向における長さrは、底部材52の外径Rよりも小さくなっている。円筒部材53の内径rは、底部材52に設けられた穴52aの穴径に対応している。
【0035】
図6に示すように、円筒部材53は、拡径部535を有してもよい。拡径部535は、円筒部材53の先端部分に設けられている。拡径部535の内径r’は、円筒部材53の内径rよりも大きくなっている。
【0036】
図6に示すように、蓋部材54は、円筒部材53をX方向から覆っている。蓋部材54は、複数の案内板55を介して底部材52に連結されている。蓋部材54と底部材52との間には、遠心分離器吸気口51を形成する隙間が設けられている。円筒部材53と蓋部材54との間には、遠心分離器50に流入した流体が円筒部材53内へ向けて流れる隙間が設けられる。蓋部材54のうち、円筒部材53側の面には、突部545が形成されている。突部545は、円筒部材53側に向けられており、空気は、突部545の周囲を伝わって円筒部材53側へ流れ込む。
【0037】
案内板55は、X方向において、底部材52と蓋部材54との間に位置している。詳しくは後述するように、案内板55は、遠心分離器50内に旋回流を発生させる。図6に示すように、円形形状を有する底部材52の縁部分から蓋部材54に向けて、複数の案内板55が延びている。遠心分離器50が送風機吸気口41に設けられたとき、複数の案内板55は、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに沿って間隔55Lを空けて配列されている。複数の案内板55同士は、互いに同一の形状を有しているが、一部の案内板55の形状が他の案内板55の形状と異なってもよい。また複数の案内板55同士は、互いに等しい間隔55Lを空けて配置されているが、一部の案内板55同士の間隔が他の案内板55同士の間隔と異なってもよい。
【0038】
図5に示すように、送風機40の中心軸線40Mに直交する方向(図5においては、Y方向)からの観察において、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに隣り合う案内板55同士は、互いに重なってもよい。一方、図7の断面図に示すように、送風機40の中心軸線方向(X方向)からの観察において、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに隣り合う案内板55の間には、遠心分離器吸気口51をなす隙間が設けられている。
【0039】
図7に示すように、中心軸線40Mに直交する断面において、案内板55の一方の端部と他方の端部とを結ぶ直線は、径方向DDに対して傾斜している。案内板55の一方の端部と他方の端部とを結ぶ直線と径方向DDとのなす角θは、0°よりも大きく、且つ90°未満でもよく、好ましくは45°以上75°以下である。
【0040】
図4図6に示す遠心分離器50の一例において、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRにおける案内板55の間隔55Lは、次の式で表される数値L以下であることが好ましい。
【0041】
【数1】
【0042】
上記の数式において、Qは、円筒部材53に流入する空気の流量である。hは、図6に示すように、送風機40の中心軸線方向(X方向)における円筒部材53と蓋部材54との距離である。nは、案内板55の個数である。Hは、図5に示すように、送風機40の中心軸線方向(X方向)における案内板55の長さである。ηは、空気の粘性係数である。ρは、水の密度である。ρは、空気の密度である。Dは、水の粒子径である。πは、円周率である。
【0043】
図7に示す例において、案内板55は、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに湾曲している。すなわち中心軸線40Mに直交する断面において、案内板55は翼形状を有している。案内板55は、外面55aと内面55bとを有する。外面55aは、案内板55のうち中心軸線40Mから遠い側を向く面である。内面55bは、案内板55のうち中心軸線40Mに近い側を向く面である。一の案内板55の外面55aと、当該案内板55に隣接する他の案内板55の内面55bとは互いに対向し、空気の流路を形成する。中心軸線40Mに直交する断面において、案内板55は、外面55aと内面55bとは互いに非対称な形状を有していてもよい。
【0044】
以上のような構成を有する空調装置5は、遠心分離器50によって分離された水滴を排出する排水部16をさらに有してもよい。排水部16は、室内部11の床部111に設けられている。複数の排水部16は、遠心分離器50の位置に対応して設けられてもよい。詳しくは後述するように、遠心分離器50によって分離した水滴を、排水部16から室内部11の外へ排出してもよい。排水部16は、水滴を室内部11の外へ流す管を含んでもよい。
【0045】
次に、このような構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0046】
筐体10に熱交換器30、送風機40、及び遠心分離器50等の機器を収容した空調装置5は、鉄道車両1に設置される。図1に示すように、空調装置5は、鉄道車両1の屋根3上に設置される。
【0047】
空調装置5を使用するとき、送風機40のファン42が、モータ90によって回動する。本実施形態において、ファン42は、送風機40の中心軸線40Mを中心として回動する。ファン42の回動によって、室内部11には、室内部11に設けられた吸気口11Lから、送風機給気口43へ向けて空気の流れが生じる。
【0048】
鉄道車両1の内部空間の空気は、吸気口11Lから室内部11へ流入する。室内部11へ流入した空気は、熱交換器30を通過する。熱交換器30において、空気と冷媒との間で熱交換が行われる。熱交換によって、吸気口11Lから流入した空気の温度が変化し得る。例えば、空調装置5を冷房装置として使用するとき、吸気口11Lから流入した空気の温度は、空気と冷媒との熱交換によって低下し得る。熱交換器30を通過した空気は、送風機40へ向けて流れる。
【0049】
ところで、空調装置5を冷房装置として使用するとき、空気中の余剰水分の結露によって、熱交換器30に水滴が付着する。水滴は、熱交換器30から送風機40への空気の流れによって、空気とともに運ばれる。仮に、この水滴が送風機40から鉄道車両1の客室内へ飛散すると(水飛びともいう)、熱交換器30に付着した水滴が塵埃等により汚染されていることから、水滴の付着によって乗客の衣服を汚す等の問題を生じる。
【0050】
これに対して本実施形態において、送風機吸気口41には遠心分離器50が設けられている。このため、熱交換器30から飛散した空気及び水滴を含む流体FLは、送風機40へ流入する前に、遠心分離器50へ流入する。流体FLは、遠心分離器吸気口51から遠心分離器50へ流入する。遠心分離器吸気口51から流入するとき、流体FLは、中心軸線40Mを中心に旋回する旋回流となる。この旋回流を用いて遠心分離器50は、流体FLから水滴を分離する。これにより、送風機40へ流入する前に、流体FLから水滴が分離される。したがって、送風機40から鉄道車両1の客室内への水滴の飛散が抑制される。すなわち、水飛びを抑制できる。
【0051】
ところで、一般に鉄道車両用空調装置の小型化及び薄型化が求められている。空調装置を小型化する場合、空調装置に収容された熱交換器と送風機との間の隙間が減少し得る。熱交換器と送風機との間の隙間が減少すると、熱交換器から送風機へ流入する流体は、空調装置内の空気から抵抗を受けにくくなる。また、空調装置を薄型化する場合、空調装置内の空気が熱交換器を通過可能な領域は、減少する。したがって、小型化あるいは薄型化される前と比較して、送風機へ流入するときの流体の速度は、相対的に増加する。結果として、熱交換器に付着した水滴が飛散しやすくなり、水飛びのリスクが増加する。
【0052】
これに対して本実施形態によれば、図2に示すように、送風機吸気口41に設けられた遠心分離器50は、第1壁部112aと送風機吸気口41との間の隙間G1、送風機吸気口41同士の間の隙間G2、及び送風機吸気口41と仕切り板15との間の隙間G3に、それぞれ位置している。このように、熱交換器30から送風機40へ空気を流すために生じた隙間に遠心分離器50を設けることによって、遠心分離器50の設置による空調装置5の大型化を抑制できる。
【0053】
本実施形態において、空調装置5は、遠心分離器50によって分離した水滴を排出する排水部16をさらに有している。この具体例によれば、流体FLから分離された水滴を遠心分離器50から排出できる。これにより、遠心分離器50に留まる水滴が空気とともに送風機40へ流入することを、より確実に抑制できる。したがって、水飛びをより効果的に抑制できる。
【0054】
本実施形態において、遠心分離器吸気口51には、案内板55が設けられている。X方向から観察したとき、複数の案内板55が、周方向DRに間隔55Lを空けて配列されている。また、中心軸線40Mに直交する断面において、案内板55の一方の端部と案内板55の他方の端部とを結ぶ直線は径方向DDに対して傾斜している。この具体例によれば、遠心分離器吸気口51から吸引された流体FLは、案内板55に沿って流れていく。案内板55に沿って遠心分離器50に流入した流体FLは、径方向DDにおいて中心軸線40Mに近づきながら、周方向DRに流れていく。したがって、図7に示すように、遠心分離器50に流入した流体FLは、送風機40の中心軸線40Mを中心として旋回する。言い換えると、案内板55は、遠心分離器50内に旋回流を発生させる。
【0055】
中心軸線40Mを中心とした旋回流によって、流体FLには、径方向DDにおいて送風機40の中心軸線40Mから離れる向きに、遠心力が作用する。一般に、旋回中の物質に作用する遠心力の大きさは、物質の旋回速度及び旋回する物質の密度に依存する。流体FLにおいて、水滴の密度は、空気の密度よりも大きくなっている。したがって、旋回中の流体FLにおいて、水滴に作用する遠心力は、空気に作用する遠心力よりも大きくなる。遠心力によって、水滴は、空気よりも径方向DDにおいて送風機40の中心軸線40Mから離れる。このようにして、径方向DDにおいて、流体FLから水滴と空気とが分離される。
【0056】
流体FLから水滴が分離されたのち、流体FLは送風機吸気口41から送風機40へ流入する。すなわち、水滴を分離した流体FLが、送風機給気口43から鉄道車両1の内部空間へ供給される。一方、旋回流によって流体FLから分離された水滴は、遠心分離器50に付着し得る。旋回流によって分離された水滴が遠心分離器50に付着することで、送風機40へ流入する水滴が抑制される。したがって、この具体例によれば、送風機40から鉄道車両1の客室内への水滴の飛散を抑制できる。すなわち、水飛びを抑制できる。
【0057】
ところで、地球温暖化等の影響から、空調機器において冷房能力の向上が求められている。とりわけ、鉄道車両用空調装置は、家庭用空調装置と比較して高い冷房能力を必要とする。一般に冷房能力は、送風機が鉄道車両の内部空間へ供給する空気の流量を増加させることで向上できる。送風機が供給する空気の流量を増加させると、空調装置内部において、熱交換器から送風機へ流れる空気の速度が増加し得る。熱交換器から送風機へ流れる空気の速度が増加すると、熱交換器に付着した水滴は、熱交換器から送風機へ流れる空気によって飛散しやすくなる。
【0058】
また、空調装置を継続的に使用することで、空調装置内を流れる空気に含まれる塵埃が、熱交換器に詰まることがある。塵埃詰まりによって、空調装置内の空気が熱交換器を通過可能な領域は、減少する。このような空調装置において、塵埃詰まり前と同一の給気量を実現しようとすると、熱交換器から送風機へ流れる空気の速度が増加する。熱交換器から送風機へ流れる空気の速度が増加すると、熱交換器に付着した水滴は、熱交換器から送風機へ流れる空気によって飛散しやすくなる。
【0059】
これに対して本実施形態によれば、流体FLの旋回速度が増加したとき、旋回中の流体FLに作用する遠心力が増加するようになっている。すなわち、旋回する速度が増加するほど、遠心分離器50は、より効果的に水滴と空気とを分離できる。これにより、送風機40が供給する空気の流量を増加させても、水飛びを効果的に抑制できる。したがって、水飛びを抑制しつつ空調装置5の冷房能力を向上させ、空調装置5の環境負荷を軽減できる。
【0060】
また、この具体例によれば、空調装置5の小型化あるいは薄型化によって流体FLの旋回速度が増加しても、空調装置5は、水飛びを抑制できる。したがって、水飛びを抑制しつつ空調装置5の小型化及び薄型化を実現できる。
【0061】
さらに、この具体例によれば、遠心分離器50は、熱交換器30に付着した塵埃の量に関わらず、水飛びを抑制できる。これにより、水飛びを抑制しつつ、熱交換器30の清掃頻度を低減できる。すなわち、空調装置5のメンテナンス性を向上できる。
【0062】
本実施形態において、遠心分離器吸気口51は、送風機40の中心軸線40Mに直交する方向に開口している。この具体例によれば、熱交換器30から送風機40へ流れる流体FLは、中心軸線40Mの周方向DRに沿って遠心分離器50内に流入できる。これにより、遠心分離器50内への流入の際に生じる圧力損失を低減できる。
【0063】
また、本実施形態において、熱交換器30及び遠心分離器50は、送風機40の中心軸線方向に直交するY方向において、互いに隣り合っている。すなわち、図7に示すように、遠心分離器吸気口51は、熱交換器30に部分的に対面している。この具体例によれば、熱交換器30から送風機40へ流れる流体FLは、遠心分離器吸気口51から容易に遠心分離器50へ流入できる。
【0064】
本実施形態において、複数の案内板55が、周方向DRに間隔55Lを空けて配列されている。中心軸線40Mに直交する方向からの観察において、隣り合う案内板55同士は互いに重なっている。この具体例によれば、遠心分離器吸気口51から吸引された流体FLは、案内板55に接触しやすくなる。これにより、流体FLに含まれる水滴は、案内板55に付着しやすくなる。結果として、流体FLに含まれる水滴を効果的に取り除くことができる。
【0065】
本実施形態において、遠心分離器50は、底部材52と、円筒部材53と、蓋部材54と、を有している。また、遠心分離器吸気口51には、案内板55が設けられている。案内板55は、底部材52と蓋部材54との間に位置している。送風機40の中心軸線40Mの周方向DRにおける案内板55の間隔55Lは、次の式で表される数値L以下である。
【数2】
ここで、Qは、円筒部材53に流入する空気の流量である。hは、送風機40の中心軸線方向であるX方向における円筒部材53と蓋部材54との距離である。nは、案内板55の数である。Hは、中心軸線方向であるX方向における案内板55の長さである。ηは、空気の粘性係数である。ρは、水の密度である。ρは、空気の密度である。Dは、水の粒子径である。πは、円周率である。この具体例によれば、案内板による圧力損失を効果的に低減しつつ、流体FLに含まれる水滴を効果的に取り除くことができる。
【0066】
本実施形態において、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに間隔55Lを空けて配列された、複数の案内板55の各々は、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに湾曲している。この具体例によれば、案内板55を通過する流体FLに生じる圧力損失を低減できる。これにより、水飛びを抑制しつつ、効率的に空調装置5を動作させることができる。
【0067】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0068】
上述した一実施の形態の具体例において、遠心分離器吸気口51は、送風機40の中心軸線40Mに直交する方向に開口している。これに限られず、図8に示すように、遠心分離器吸気口51は、送風機吸気口41と同一の方向である、Y-Z平面上に開口していてもよい。すなわち、遠心分離器吸気口51は、送風機吸気口41に対面してもよい。複数の遠心分離器吸気口51は、図9に示すように、送風機40の中心軸線40Mの周方向DRに沿って等間隔に配置されてもよい。互いに隣接する遠心分離器吸気口51同士の間には、中心軸線40Mに対して放射状に延びるリブ56が設けられている。各遠心分離器吸気口51には、案内板55が配置されている。図10に示すように、案内板55は、リブ56に対して周方向DRに傾斜して配置されている。
【0069】
空気及び水滴を含む流体は、案内板55とリブ56との隙間から、送風機40の送風機吸気口41に導かれる。この間、流体は、送風機40の中心軸線40Mを中心として旋回する。言い換えると、案内板55は、遠心分離器50内に旋回流を発生させる。中心軸線40Mを中心とした旋回流によって、流体には、径方向DDにおいて送風機40の中心軸線40Mから離れる向きに、遠心力が作用する。この遠心力により、水滴は、空気よりも径方向DDにおいて送風機40の中心軸線40Mから離れる。このようにして、径方向DDにおいて、流体から水滴と空気とが分離される。水滴が分離された空気は、送風機40の送風機吸気口41に流入する。
【0070】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で、実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
1:鉄道車両、2:パンタグラフ、3:屋根、5:空調装置、6:カバー、10:筐体、11:室内部、11L:吸気口、12:室外部、13:中間部、15:仕切り板、16:排水部、20:機器、30:熱交換器、40:送風機、40M:中心軸線、41:送風機吸気口、42:ファン、43:送風機給気口、44:送風機筐体、50:遠心分離器、51:遠心分離器吸気口、52:底部材、52a:穴、53:円筒部材、535:拡径部、54:蓋部材、545:突部、55:案内板、56:リブ、60:室外熱交換器、70:室外送風機、80:圧縮機ユニット、90:モータ、111:床部、112:壁部、112a:第1壁部、112b:第2壁部、DD:径方向、DR:周方向、FL:流体、LM:Y方向中心線、R:外径(底部材)、r:内径(円筒部材)、r’:内径(拡径部)、RL:軌道
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10