(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016467
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】生成装置、生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
G06T1/00 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118614
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】竹内 萌
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 基史
(72)【発明者】
【氏名】古川 慧
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 浩芳
(72)【発明者】
【氏名】金馬 貴之
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE05
5B057CE08
5B057CE10
5B057CH18
5B057DA16
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC30
(57)【要約】
【課題】複数の画像を配置する場合において、単調なパターンとなることなく、且つ接続部分での違和感がなくなるようにする。
【解決手段】複数の対象画像を配置した配置画像を生成する生成装置であって、第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成する第1画像処理部と、第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成する置換画像生成部と、前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成する第2画像処理部と、前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御する配置制御部、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象画像を配置した配置画像を生成する生成装置であって、
第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成する第1画像処理部と、
第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成する置換画像生成部と、
前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成する第2画像処理部と、
前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御する配置制御部、
を備える生成装置。
【請求項2】
前記第1画像処理を行う前記対象端部の幅より、前記第2画像処理を行う前記周縁部分の幅の方が大きい、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記第1対象画像における第1方向のパターンの密度に応じて、前記第1画像処理を行う前記第1方向にある前記対象端部の幅が設定される、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項4】
前記配置制御部は、同じパターンの画像が隣り合う箇所の数を最小とし、且つ、前記配置画像に配置される、パターンが異なる画像のそれぞれの配置数のばらつきを最小とする目的関数を解くことによって、前記配置位置を決定する、
請求項1に記載の生成装置。
【請求項5】
複数の対象画像を配置した配置画像を生成するコンピュータが行う生成方法であって、
第1画像処理部が、第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成し、
置換画像生成部が、第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成し、
第2画像処理部が、前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成し、
配置制御部が。前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御する、
生成方法。
【請求項6】
複数の対象画像を配置した配置画像を生成するコンピュータに、
第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成させ、
第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成させ、
前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成させ、
前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置、生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイル画像などに不連続な模様を形成することによって、画像を複数並べて配置した時に接続部分での違和感がなくなるようにする技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、画像に不連続な模様を形成しなければならない。パターンが異なる複数の画像を単純に配置すると、画像の接続部分でパターンが途切れて不自然に見えてしまう。同じパターンの画像を用いて、画像の上下左右のそれぞれに、上下左右を反転させた画像を配置すれば、接続部分のパターンはつながって見えるが全体として単調なパターンになってしまう。
【0005】
上述の課題を鑑み、本発明は、複数の画像を配置する場合において、単調なパターンとなることなく、且つ接続部分での違和感がなくなるようにすることができる生成装置、生成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる生成装置は、複数の対象画像を配置した配置画像を生成する生成装置であって、第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成する第1画像処理部と、第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成する置換画像生成部と、前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成する第2画像処理部と、前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御する配置制御部、を備える。
【0007】
本発明の一態様にかかる生成方法は、複数の対象画像を配置した配置画像を生成するコンピュータが行う生成方法であって、第1画像処理部が、第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成し、置換画像生成部が、第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成し、第2画像処理部が、前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成し、配置制御部が。前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御する。
【0008】
本発明の一態様にかかるプログラムは、複数の対象画像を配置した配置画像を生成するコンピュータに、第1対象画像における対象端部に、前記対象端部と前記対象端部に対向する対向端部を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った第1配置用画像を生成させ、第2対象画像の外周部分を、前記第1配置用画像の外周部分に置換えた置換画像を生成させ、前記置換画像における外周部分と接する周縁部分に、外周部分との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った第2配置用画像を生成させ、前記配置画像に配置する前記第1配置用画像及び前記第2配置用画像の配置位置を制御させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の画像を配置する場合において、単調なパターンとなることなく、且つ接続部分での違和感がなくなるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態にかかる生成装置10の構成例を示すブロック図である。
【
図2A】実施形態にかかる第1画像処理部12が行う処理を説明する図である。
【
図2B】実施形態にかかる第1画像処理部12が行う処理を説明する図である。
【
図2C】実施形態にかかる第1画像処理部12が行う処理を説明する図である。
【
図3A】実施形態にかかる置換画像生成部13が行う処理を説明する図である。
【
図3B】実施形態にかかる置換画像生成部13が行う処理を説明する図である。
【
図4】実施形態にかかる第2画像処理部14が行う処理を説明する図である。
【
図5】実施形態にかかる配置制御部15が行う処理を説明する図である。
【
図6】実施形態にかかる生成装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
<生成装置10の構成>
生成装置10は、複数の対象画像を配置した配置画像を生成する。対象画像は、配置画像に配置する対象とする画像である。
【0013】
例えば、配置画像には、互いに異なるパターンを有する画像のそれぞれが配置される。以下の説明では、画像取得部11が、互いに異なるパターンを有する4つの対象画像(対象画像A~対象画像D)を用いて配置画像を生成する場合を例示して説明する。しかしながら、これに限定されることはない。生成装置10は、少なくとも複数の対象画像を配置した配置画像を生成すればよく、2つ又は3つ対象画像、又は5つ以上の対象画像を用いて配置画像が生成されてもよいのは勿論である。
【0014】
図1は、実施形態にかかる生成装置10の構成の例を示すブロック図である。生成装置10は、コンピュータである。生成装置10として、例えば、サーバ装置、PC(Personal Computer)、クラウド、タブレット端末等を適用することができる。
【0015】
生成装置10は、例えば、画像取得部11と、第1画像処理部12と、置換画像生成部13と、第2画像処理部14と、配置制御部15と、画像記憶部16を備える。
【0016】
画像取得部11は、対象画像を取得する。画像取得部11は、例えば、画像記憶部16を参照することによって、画像記憶部16に記憶された画像を、対象画像として取得する。画像取得部11は、取得した画像を、第1画像処理部12に出力する。
【0017】
第1画像処理部12は、第1画像処理を行う。第1画像処理は、同じパターンを有する2つの対象画像(例えば、対象画像Aと対象画像A)を並べて配置した場合における接続部分の色変化を滑らかにする画像処理である。色変化を滑らかにする方法としては、既存の画像処理技術等を用いた任意の方法が採用されてよい。例えば、第1画像処理部12は、接続部分の画像を、その接続部分の周囲にある画像に置換え、置換えた領域における境界部分の色勾配を調整することによって接続部分の色変化を滑らかにする。
【0018】
ここで、第1画像処理部12が行う第1画像処理について、
図2(
図2A、
図2B、及び
図2C)を用いて説明する。
図2は、第1画像処理部12が行う処理を説明するための図である。
【0019】
図2Aには、対象画像Aが模式的に示されている。
図2Aに示すように、対象画像Aは、第1端部AE1と第2端部AE2を有する。第1端部AE1は、対象画像Aの左側の端部である。第2端部AE2は、第1端部AE1に対向する右側の端部である。また、
図2Aに示すように、対象画像Aは、第3端部AE3と第4端部AE4を有する。第3端部AE3は対象画像Aの上側の端部である。第4端部AE4は、第3端部AE3に対向する下側の端部である。例えば、それぞれの端部の幅は、同じ幅AHに設定される。或いは、それぞれの端部が、互いに異なる幅に設定されてもよい。
【0020】
図2Bに示すように、同じパターンを有する2つの対象画像Aを、水平方向に並べた場合を考える。第1画像処理部12は、左側の対象画像Aにおける第2端部AE2と、右側の対象画像Aにおける第1端部AE1とが接続する接続部分における色変化を滑らかにする画像処理を行う。具体的に、第1画像処理部12は、対象画像Aにおける第1端部AE1に、第2端部AE2と接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにする画像処理を行う。
【0021】
図2Cに示すように、同じパターンを有する2つの対象画像Aを、垂直方向に並べた場合を考える。第1画像処理部12は、上側の対象画像Aにおける第4端部AE4と、下側の対象画像Aにおける第3端部AE3とが接続する接続部分における色変化を滑らかにする画像処理を行う。具体的に、第1画像処理部12は、対象画像Aにおける第3端部AE3に、第4端部AE4と接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにする画像処理を行う。
【0022】
例えば、第1画像処理部12は、まず、対象画像Aの第1端部AE1に画像処理を行い、画像処理を行った第1端部AE1#を有する対象画像Aを、配置用一時画像A#として生成する。次に、第1画像処理部12は、配置用一時画像A#の第3端部AE3に画像処理を行い、画像処理を行った第3端部AE3#を有する配置用一時画像A#を、配置用画像A##として生成する。
【0023】
なお、一方の方向、つまり、水平方向または垂直方向のみに、対象画像を並べることによって配置画像を生成する場合、その一方の方向に対象画像を並べた場合に接続部分となる端部のみを画像処理すればよい。
【0024】
具体的には、水平方向のみに対象画像を並べる場合、第1画像処理部12は、対象画像Aの第1端部AE1に画像処理を行い、画像処理を行った第1端部AE1#を有する対象画像Aを、配置用画像A##として生成する。垂直方向のみに対象画像を並べる場合、第1画像処理部12は、対象画像Aの第3端部AE3に画像処理を行い、画像処理を行った第3端部AE3#を有する対象画像Aを、配置用画像A##として生成する。
【0025】
図1に戻り、置換画像生成部13は、置換画像を生成する。置換画像は、対象画像Bの外周部分を、配置用画像A##の外周部分に置換えた画像である。つまり、置換画像は、第1画像処理部12が画像処理を行った対象画像とは異なるパターンを有する対象画像の外周部分を、第1画像処理部12が画像処理を行った対象画像の外周部分に置換えた画像である。外周部分を置換える方法としては、既存の画像処理技術等を用いた任意の方法が採用されてよい。例えば、置換画像生成部13は、トリミングにより対象画像Bの外周部分を切り取ったトリミング画像を生成する。そして、置換画像生成部13は、配置用画像A##の内側に、ペースト画像を貼り付けることによって外周部分置換える。
【0026】
ここで、置換画像生成部13が置換画像を生成する方法について、
図3(
図3A及び
図3B)を用いて説明する。
図3は、置換画像生成部13が行う処理を説明するための図である。
【0027】
図3Aには、対象画像Bが模式的に示されている。
図3Aに示すように、対象画像Bは、外周部分BGと周縁部分BSを有する。周縁部分BSは、対象画像Bにおいて外周部分BGと接続する部分である。周縁部分BSは、例えば、幅BSHに設定される。或いは、周縁部分BSの上下左右のそれぞれの幅が、互いに異なる幅に設定されてもよい。
【0028】
図3Bに示すように、置換画像生成部13は、対象画像Bにおける外周部分BGを、配置用画像A##の外周部分AG#に置換え、置換えた画像を、対象画像Bに対応する置換画像B#として生成する。
【0029】
置換画像生成部13は、残りの対象画像についても同様な方法により、対象画像に対応する置換画像を生成する。具体的に、置換画像生成部13は、対象画像Cに対応する置換画像C#、及び対象画像Dに対応する置換画像D#を生成する。
【0030】
図1に戻り、第2画像処理部14は、第2画像処理を行う。第2画像処理は、置換画像における周縁部分と外周部分との接続部分の色変化を滑らかにする画像処理である。色変化を滑らかにする方法としては、既存の画像処理技術等を用いた任意の方法が採用されてよい。例えば、第2画像処理部14は、第1画像処理部12と同じ方法によって接続部分の色変化を滑らかにする。
【0031】
ここで、第2画像処理部14が行う第2画像処理について、
図4を用いて説明する。
図2は、第2画像処理部14が行う処理を説明するための図である。
【0032】
図4に示すように、第2画像処理部14は、置換画像B#における周縁部分BSと外周部分AG#との接続部分における色変化を滑らかにする画像処理を行う。具体的に、第1画像処理部12は、置換画像B#における周縁部分BSに、外周部分AG#との色変化を滑らかにする画像処理を行い、画像処理を行った周縁部分BS#を有する置換画像B#を、配置用画像B##として生成する。
【0033】
第2画像処理部14は、残りの対象画像についても同様な方法により、置換画像に対応する配置用画像を生成する。具体的に、第2画像処理部14は、置換画像C#に対応する配置用画像C##、及び置換画像D#に対応する配置用画像D##を生成する。
【0034】
このようにして配置用画像A##、及び配置用画像B##~D##を生成することにより、各配置用画像をどのように並べても、その接続部分の色変化を滑らかにすることができる。
【0035】
なお、画像処理を行う幅は任意に設定されてよい。例えば、第1画像処理を行う端部の幅(
図2Aにおける幅AH)は、繰返しが目立たないように、極力小さい値に設定されることが望ましい。一方、第2画像処理を行う周縁部分の幅(
図3Aにおける幅BSH)は、パターンが急に変化して違和感を生じさせないために、ある程度の幅を持たせることが望ましい。すなわち、第1画像処理を行う端部の幅より、第2画像処理を行う周縁部分の幅の方が大きいことが望ましい。
【0036】
例えば、水平方向に1200[mm]、垂直方向に5500[mm]の画像に対して、第1画像処理を行う端部の幅として、水平方向に15[mm]、垂直方向に50[mm]を設定した。また、第2画像処理を行う周縁部分の幅として、水平方向に85[mm]、垂直方向に280[mm]を設定した。
【0037】
また、対象画像のパターンの密度に応じて、第1画像処理を行う端部の幅を設定するようにしてもよい。例えば、対象画像が、垂直方向よりも水平方向の方がパターンの密度が大きい縦模様のパターンを有する場合、垂直方向の幅が、水平方向よりも大きい値となるようにする。
【0038】
図1に戻り、配置制御部15は、配置画像に配置する画像の配置位置を制御する。配置制御部15は、同じパターンを有する対象画像から生成された配置用画像(以下では、単に、「同じパターンの画像」という)が、できるだけ隣り合わないように配置位置を制御する。これにより、配置画像が全体として単調になってしまうことを回避する。
【0039】
例えば、配置制御部15は、同じパターンの画像が隣り合う箇所の数を最小とし、且つ、配置画像に配置される、パターンが異なる画像のそれぞれの配置数のばらつきを最小とする目的関数を解くことによって配置位置を決定する。
【0040】
ここで、配置制御部15が行う処理について、
図5を用いて説明する。
図5は、配置制御部15が行う処理を説明するための図である。
図5には、水平方向に46列、垂直方向に2列、4種類の配置用画像A##~D##を並べることによって生成された配置画像の例が示されている。このように大量の配置用画像を用いて大型の配置画像を生成する場合であっても、各パターンの画像をほぼ同数使用して単調にならない配置画像を生成することができる。しかも、各パターンの画像どのように配置した場合であっても、その接続部分の色変化が滑らかである。このため、全体として途切れのない多様な表情を創り出すことができる。
【0041】
図1に戻り、画像記憶部16は、対象画像を記憶する。生成装置10が備える記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。生成装置10が備える記憶部は、生成装置10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0042】
<生成装置10が行う処理の流れ>
図6は、実施形態にかかる生成装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。まず、生成装置10は、対象画像A~Dを取得する(ステップS10)。生成装置10は、配置用画像A##を生成する(ステップS11)。例えば、生成装置10は、対象画像Aの第1端部及び第3端部に第1画像処理を行うことによって、配置用画像A##を生成する。
【0043】
生成装置10は、置換画像B#~D#を生成する(ステップS12)。生成装置10は、対象画像Bの外周部分を、配置用画像A##の外周部分に置換えることによって置換画像B#を生成する。他の画像についても同様に、生成装置10は、対象画像Cの外周部分を、配置用画像A##の外周部分に置換えることによって置換画像C#を生成する。また、生成装置10は、対象画像Dの外周部分を、配置用画像A##の外周部分に置換えることによって置換画像D#を生成する。
【0044】
生成装置10は、配置用画像B##~D##を生成する(ステップS13)。生成装置10は、置換画像B#の周縁部分に、第2画像処理を行うことによって、配置用画像A##を生成する。他の画像についても同様に、生成装置10は、置換画像C#の周縁部分に、第2画像処理を行うことによって、配置用画像C##を生成する。また、生成装置10は、置換画像D#の周縁部分に、第2画像処理を行うことによって、配置用画像D##を生成する。
【0045】
そして、生成装置10は、配置用画像A##~D##を配置することによって配置画像を生成する(ステップS14)。生成装置10は、同じパターンの画像が、できるだけ隣り合わないように、各パターンの画像を配置する配置数のばらつきがなるべく小さくなるように、配置位置を制御して配置用画像を配置する。
【0046】
以上説明したように、実施形態の生成装置10は、数の対象画像を配置した配置画像を生成する生成装置である。生成装置10は、第1画像処理部12と、置換画像生成部13と、第2画像処理部14と、配置制御部15を備える。第1画像処理部12は、配置用画像A##(第1配置用画像)を生成する。配置用画像A##は、対象画像A(第1対象画像)における第1端部AE1(対象端部)に、第2端部AE2(対向端部)を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った画像である。また、配置用画像A##は、対象画像A(第1対象画像)における第3端部AE3(対象端部)に、第4端部AE4(対向端部)を接続させた場合における接続部分の色変化を滑らかにするための第1画像処理を行った画像である。置換画像生成部13は、置換画像を生成する。置換画像は、対象画像B(第2対象画像)の外周部分BGを、配置用画像A##の外周部分AG#に置換えた画像である。第2画像処理部14は、配置用画像B##(第2配置用画像)を生成する。配置用画像B##は、置換画像B#の周縁部分BSに、外周部分AG#との色変化を滑らかにするための第2画像処理を行った画像である。配置制御部15は、配置画像に配置する配置用画像A##~D##の配置位置を制御する。
【0047】
これにより、実施形態の生成装置10では、異なるパターンを有する複数の画像を配置する場合において、そのようなパターンの画像を隣り合うように配置した場合でも接続部分での色変化を滑らかにすることができる。したがって、接続部分での違和感がなくなるようにすることができる。また、対象画像の端部、或いは、対象画像の端部と周縁部分にのみ画像処理を行えばよいため、デザインを制約することがない。したがって、デザインを制約することなく、複数の画像を配置する場合において、接続部分での違和感がなくなるようにすることが可能である。
【0048】
また、実施形態の生成装置10では、第1画像処理を行う第1端部AE1の幅より、第2画像処理を行う周縁部分の幅BSHの方が大きい。これにより、実施形態の生成装置10では、繰返しが目立たないように、且つ、パターンが急に変化しないようにした適切な配置用画像を生成することができる。
【0049】
また、実施形態の生成装置10では、対象画像Aにおける水平方向(第1方向)のパターンの密度に応じて、第1画像処理を行う水平方向の第1端部AE1の幅が設定される。また、対象画像Aにおける垂直方向(第1方向)のパターンの密度に応じて、第1画像処理を行う垂直方向の第3端部AE3の幅が設定される。これにより、実施形態の生成装置10では、水平又は垂直方向のパターンの密度に応じて、繰返しが目立たないように、且つ、パターンが急に変化しないようにした適切な配置用画像を生成することができる。
【0050】
また、実施形態の生成装置10では、配置制御部15は、同じパターンの画像が隣り合う箇所の数を最小とし、且つ、配置画像に配置される、パターンが異なる画像のそれぞれの配置数のばらつきを最小とする目的関数を解くことによって、配置位置を決定する。これにより、実施形態の生成装置10では、全体として途切れのない多様な表情を配置画像に創り出すことができる。
【0051】
上述した実施形態における生成装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0052】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10…生成装置、11…画像取得部、12…第1画像処理部、13…置換画像生成部、14…第2画像処理部、15…配置制御部、16…画像記憶部