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特開2024-164673雄コネクタ及びコネクタ構造、並びにコネクタの装着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164673
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】雄コネクタ及びコネクタ構造、並びにコネクタの装着方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080332
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】592062541
【氏名又は名称】木谷電器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 祐一
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB13
5E021FB20
5E021FB21
5E021HA07
5E021HC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容易に離脱せず、一方で簡便な作業により離脱できる着脱可能な雄コネクタ及びコネクタ構造、並びにコネクタの結合方法を提供する。
【解決手段】雄コネクタ10は、開口部12aを有するガイド溝12と鍵溝13とを外周面に備える。ガイド溝12は、外周面の一部に周設された凹溝24と凹溝の一部に第1位置22aと第2位置22bとの間を連続する雌コネクタ20の貫通孔22に凸部32を篏合させ、凹溝24に沿って第1位置22aと第2位置22bとの間で往復回動可能になる凸部32が、開口部12aからガイド溝12に沿って挿入されるように凸部32を鍵溝13に導く第1傾斜部12cを備える。また、鍵溝13は周状に形成され、第1位置に対応する第1鍵溝部13aは凸部32がガイド溝12に戻らない深さ又は壁面を備え、第2位置に対応する第2鍵溝部13bは凸部32を鍵溝13から離脱させるための鍵溝13に連続する第2傾斜部14を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するガイド溝と前記ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備える雄コネクタであって、
前記ガイド溝は、
内周面に凸部を備えるとともに一端と他端とを有するリング状の弾性回動体であって、外周面の少なくとも一部に周設された凹溝と、該凹溝の一部に第1位置と第2位置との間を連続する貫通孔とを備える雌コネクタの該貫通孔に前記凸部を篏合させるとともに前記凹溝に篏合したときに、該凹溝に沿って前記第1位置と前記第2位置との間で往復回動可能になる前記弾性回動体の前記凸部が、前記開口部から前記ガイド溝に沿って挿入されるように前記雌コネクタに前記雄コネクタを挿入するときに前記凸部を前記鍵溝に導く第1傾斜部を備え、
前記鍵溝は、
前記第1位置と前記第2位置に対応して周状に形成され、前記第1位置に対応する第1鍵溝部は前記凸部が前記ガイド溝に戻らないための深さ又は壁面を備え、前記第2位置に対応する第2鍵溝部は前記凸部を前記鍵溝から離脱させるための前記鍵溝に連続する第2傾斜部を備える、
雄コネクタ。
【請求項2】
外周面の少なくとも一部に周設された凹溝と、該凹溝の一部に第1位置と第2位置との間を連続する貫通孔とを備え、且つ該貫通孔が、内周面に凸部を備えるとともに一端と他端とを有するリング状の弾性回動体が前記凸部を前記貫通孔に篏合させるとともに前記凹溝に篏合したときに、前記弾性回動体を該凹溝に沿って前記第1位置と前記第2位置との間で往復回動可能にする該貫通孔である、雌コネクタと、
前記凸部に対応する開口部を有するガイド溝と前記ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備える雄コネクタであって、前記ガイド溝は、前記凸部が前記開口部から前記ガイド溝に沿って挿入されるように前記弾性回動体を備えた前記雌コネクタに前記雄コネクタを挿入するときに前記凸部を前記鍵溝に導く第1傾斜部を備え、前記鍵溝は、前記第1位置と前記第2位置に対応して周状に形成され、前記第1位置に対応する第1鍵溝部は前記凸部が前記ガイド溝に戻らないための深さ又は壁面を備え、前記第2位置に対応する第2鍵溝部は前記凸部を前記鍵溝から離脱させるための前記鍵溝に連続する第2傾斜部を備える前記雄コネクタ、とを備える、
コネクタ構造。
【請求項3】
前記弾性回動体の端部の少なくとも一方が係合爪を備え、前記雌コネクタの前記凹溝に設けられた係合凸部が前記係合爪に前記弾性回動体の回動抵抗を与える、
請求項2に記載のコネクタ構造。
【請求項4】
前記ガイド溝は、前記凸部が前記第1位置と前記第2位置との間のいずれの位置にあっても前記ガイド溝に嵌入可能な開口幅を備え、且つ
前記第2位置に対応する前記開口部から前記第1位置に対応する前記第1傾斜部に向かう、前記開口部から離れる方向にしたがって先細りとなる形状の溝である、
請求項1に記載の雄コネクタ。
【請求項5】
前記ガイド溝は、前記凸部が前記第1位置と前記第2位置との間のいずれの位置にあっても前記ガイド溝に嵌入可能な開口幅を備え、且つ
前記第2位置に対応する前記開口部から前記第1位置に対応する前記第1傾斜部に向かう、前記開口部から離れる方向にしたがって先細りとなる形状の溝である、
請求項2又は請求項3に記載のコネクタ構造。
【請求項6】
2以上の、請求項2又は請求項3に記載の前記コネクタ構造が、着脱可能に横並びで連結されている、
コネクタ構造。
【請求項7】
請求項1又は請求項4に記載の前記雄コネクタを備える、
太陽光発電システム。
【請求項8】
請求項1又は請求項4に記載の前記雄コネクタを備える、
電気機器。
【請求項9】
請求項2又は請求項3に記載の前記コネクタ構造を備える、
太陽光発電システム。
【請求項10】
請求項2又は請求項3に記載の前記コネクタ構造を備える、
電気機器。
【請求項11】
外周面の少なくとも一部に周設された凹溝と、前記凹溝の一部に第1位置と第2位置との間を連続する貫通孔とを備え、且つ前記貫通孔が、内周面に凸部を備えるとともに一端と他端とを有するリング状の弾性回動体が前記凸部を前記貫通孔に篏合させるとともに前記凹溝に篏合したときに、前記弾性回動体を前記凹溝に沿って前記第1位置と前記第2位置との間で往復回動可能にする前記貫通孔である、雌コネクタと、
前記凸部に対応する開口部を有するガイド溝と前記ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備える雄コネクタであって、前記ガイド溝は、前記凸部が前記開口部から前記ガイド溝に沿って挿入されるように前記弾性回動体を備えた前記雌コネクタに前記雄コネクタを挿入するときに前記凸部を前記鍵溝に導く第1傾斜部を備え、前記鍵溝は、前記第1位置と前記第2位置に対応して周状に形成され、前記第1位置に対応する第1鍵溝部は前記凸部が前記ガイド溝に戻らないための深さ又は壁面を備え、前記第2位置に対応する第2鍵溝部は前記凸部を前記鍵溝から離脱させるための前記鍵溝に連続する第2傾斜部を備える雄コネクタと、を装着させる、装着工程を含む、
コネクタの装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雄コネクタ及びコネクタ構造、並びにコネクタの装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラル社会、あるいは脱炭素社会の実現に向けて各国が取り組む中で、我が国においても、自然エネルギー活用の代表例である太陽光発電に対する市場のニーズは、蓄電技術の高度化にともなって益々高まっている。
【0003】
太陽光発電は一般家庭や産業分野において広く浸透しているが、近年、余剰電力の売電に加えて、蓄電池を備える充放電システム、並びに自家消費にも注目が集まっている。蓄電池自身は消費財としての側面を持つため、例えば定期的な交換が求められることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-230924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蓄電池の交換が行われる際に、例えば圧着端子を用いた電線の接続作業を要する場合は、作業者に特殊な技能が求められることになる。さらに、接続対象となる蓄電池が多くなれば、たとえ技能があったとしても、作業者による多大な労力が必要となる。
【0006】
とりわけ、メガソーラーという用語に代表される太陽光発電システムに対して蓄電池を設けるとすると、多数の蓄電池の配置にともなって、定期的に、又は故障等に起因して不定期に、それらの交換作業を余儀なくされる。そのような状況下においては、作業工程数が多い交換作業は、作業者にとって相当な負荷となり得る。
【0007】
また、蓄電池の交換作業を簡易化するためにコネクタ構造が採用されることがある。しかしながら、その装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造が求められる一方、蓄電池の交換時には簡便な作業又は手順により離脱可能にする工夫が求められることになる。
【0008】
また、蓄電池の交換の例に限らず、上述の装着と離脱とを実現し得る電気電線のコネクタ構造が、産業界において求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の各問題の少なくとも一部を解決するものであり、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により離脱させることができる、着脱可能な雄コネクタ及びコネクタ構造、並びにコネクタの装着方法の実現に大きく貢献するものである。
【0010】
本発明者は、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造であることに加えて、簡便な作業又は手順により離脱させることができる、着脱可能な雄コネクタ及びコネクタ構造、並びにコネクタの装着方法の実現に向けて鋭意研究と分析を行い、試行錯誤を重ねた。その結果、少なくとも下記の(1)及び(2)の創意工夫により、前述の課題の少なくとも一部を克服し得ることを本発明者は知得した。
(1)雄コネクタの外周面が、開口部を有するガイド溝と該ガイド溝と断続された鍵溝とを備える。
(2)雄コネクタと雌コネクタとの装着状態を確度高く保持するために形成した雄コネクタが備える鍵溝の形状を工夫し、該鍵溝において、鍵として機能する部分(領域)とは異なる部分(領域)を起点とする傾斜部を形成することにより、雄コネクタと雌コネクタとを離脱させるための溝としても活用する。
【0011】
さらに、本発明者は、雌コネクタ側が担うべき係止機構を、該雌コネクタとは別体であって該雌コネクタから独立した弾性回動体に担わせることによって、上述の雄コネクタと着脱可能になることを知得した。
【0012】
本発明は、上述の各視点により創出された。
【0013】
本発明の1つの雄コネクタは、開口部を有するガイド溝と該ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備える雄コネクタである。加えて、前述のガイド溝は、内周面に凸部を備えるとともに一端と他端とを有するリング状の弾性回動体であって、外周面の少なくとも一部に周設された凹溝と、該凹溝の一部に第1位置と第2位置との間を連続する貫通孔とを備える雌コネクタの該貫通孔に前述の凸部を篏合させるとともに該凹溝に篏合したときに、該凹溝に沿って該第1位置と該第2位置との間で往復回動可能になる前述の弾性回動体の該凸部が、前述の開口部から前述のガイド溝に沿って挿入されるように前述の雌コネクタに該雄コネクタを挿入するときに前述の凸部を該鍵溝に導く第1傾斜部を備える。また、前述の鍵溝は、前述の第1位置と前述の第2位置に対応して周状に形成され、該第1位置に対応する第1鍵溝部は前述の凸部が該ガイド溝に戻らないための深さ又は壁面を備え、前述の第2位置に対応する第2鍵溝部は該凸部を該鍵溝から離脱させるための該鍵溝に連続する第2傾斜部を備える。
【0014】
この雄コネクタによれば、開口部を有するガイド溝と該ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備えるため、上述の第1傾斜部及び該弾性回動体の弾性を利用して、該弾性回動体の凸部を該ガイド溝から、断続した部分を言わば乗り越えて該鍵溝への移行を実現することができる。また、この雄コネクタによれば、上述の鍵溝における第1鍵溝部が、雄コネクタと雌コネクタとの装着状態を確度高く保持するための鍵として機能する一方、該鍵溝における第2鍵溝部が、該鍵溝(より具体的には、該第2鍵溝部)に連続する第2傾斜部及び弾性回動体の弾性を利用して、該弾性回動体の凸部を該鍵溝から離脱させることが可能となる。その結果、雄コネクタは、雌コネクタとの装着時においては、その装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタから離脱し得る。
【0015】
本発明の1つのコネクタ構造は、外周面の少なくとも一部に周設された凹溝と、該凹溝の一部に第1位置と第2位置との間を連続する貫通孔とを備え、且つ該貫通孔が、内周面に凸部を備えるとともに一端と他端とを有するリング状の弾性回動体が該凸部を該貫通孔に篏合させるとともに該凹溝に篏合したときに、該弾性回動体を該凹溝に沿って該第1位置と該第2位置との間で往復回動可能にする該貫通孔である、雌コネクタと、前述の凸部に対応する開口部を有するガイド溝と該ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備える雄コネクタであって、前述のガイド溝は、該凸部が前記開口部から該ガイド溝に沿って挿入されるように前述の弾性回動体を備えた前述の雌コネクタに該雄コネクタを挿入するときに前述の凸部を前述の鍵溝に導く第1傾斜部を備え、該鍵溝は、前述の第1位置と前述の第2位置に対応して周状に形成され、該第1位置に対応する第1鍵溝部は該凸部が該ガイド溝に戻らないための深さ又は壁面を備え、該第2位置に対応する第2鍵溝部は該凸部を該鍵溝から離脱させるための該鍵溝に連続する第2傾斜部を備える該雄コネクタ、とを備える。
【0016】
このコネクタ構造によれば、雄コネクタが、開口部を有するガイド溝と該ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備えるため、上述の第1傾斜部及び該弾性回動体の弾性を利用して、該弾性回動体の凸部を該ガイド溝から、断続した部分を言わば乗り越えて該鍵溝への移行を実現することができる。また、このコネクタ構造によれば、上述の鍵溝における第1鍵溝部が、雄コネクタと雌コネクタとの装着状態を確度高く保持するための鍵として機能する一方、該鍵溝における第2鍵溝部が、該鍵溝(より具体的には、該第2鍵溝部)に連続する第2傾斜部及び弾性回動体の弾性を利用して、該弾性回動体の凸部を該鍵溝から離脱させることが可能となる。その結果、コネクタ構造は、雄コネクタと雌コネクタとの装着時においては、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタから雄コネクタを離脱させることが可能となる。
【0017】
また、本発明の1つのコネクタの装着方法は、外周面の少なくとも一部に周設された凹溝と、該凹溝の一部に第1位置と第2位置との間を連続する貫通孔とを備え、且つ該貫通孔が、上述の弾性回動体が該凸部を該貫通孔に篏合させるとともに該凹溝に篏合したときに、該弾性回動体を該凹溝に沿って該第1位置と該第2位置との間で往復回動可能にする該貫通孔である、該雌コネクタと、前述の凸部に対応する開口部を有するガイド溝と前述のガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備える雄コネクタであって、該ガイド溝は、該凸部が前述の開口部から該ガイド溝に沿って挿入されるように該弾性回動体を備えた該雌コネクタに該雄コネクタを挿入するときに該凸部を該鍵溝に導く第1傾斜部を備え、該鍵溝は、該第1位置と該第2位置に対応して周状に形成され、該第1位置に対応する第1鍵溝部は前述の凸部が該ガイド溝に戻らないための深さ又は壁面を備え、該第2位置に対応する第2鍵溝部は該凸部を該鍵溝から離脱させるための該鍵溝に連続する第2傾斜部を備える雄コネクタと、を装着させる、装着工程を含む。
【0018】
このコネクタの装着方法によれば、上述の装着工程において、雄コネクタが、開口部を有するガイド溝と該ガイド溝と断続された鍵溝とを外周面に備えるため、上述の第1傾斜部及び該弾性回動体の弾性を利用して、該弾性回動体の凸部を該ガイド溝から、断続した部分を言わば乗り越えて該鍵溝への移行を実現することができる。また、上述の鍵溝における第1鍵溝部が、雄コネクタと雌コネクタとの装着状態を確度高く保持するための鍵として機能する一方、該鍵溝における第2鍵溝部が、該鍵溝(より具体的には、該第2鍵溝部)に連続する第2傾斜部及び弾性回動体の弾性を利用して、該弾性回動体の凸部を該鍵溝から離脱させることが可能となるため、このコネクタの装着方法によれば、雄コネクタと雌コネクタとの装着時においては、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタから雄コネクタを離脱させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の1つの雄コネクタによれば、雌コネクタとの装着時においては、その装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタから離脱し得る。また、本発明の1つのコネクタ構造によれば、雄コネクタと雌コネクタとの装着時においては、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタから雄コネクタを離脱させることが可能となる。加えて、本発明の1つのコネクタの装着方法によれば、雄コネクタと雌コネクタとの装着時においては、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタから雄コネクタを離脱させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタと弾性回動体との、3つ((a)、(b)、(c))の角度からの組立図(斜視図)である。
図2】第1の実施形態の雄コネクタと雌コネクタとの装着過程及び離脱過程を説明するための、装着前の状態(a)、装着後のロック状態(b)、装着後の解除状態(c)、及び離脱後の状態(d)の各過程を説明する平面図である。
図3】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着前の状態を示す、1つの角度(図1の(c)の角度に相当)からの斜視図である。
図4A】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着前の状態を示す、他の角度からの斜視図である。
図4B】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着前の状態を示す、他の角度からの斜視図である。
図4C】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着前の状態を示す、他の角度からの斜視図である。
図5】第1の実施形態の雄コネクタと雌コネクタとの装着前の状態を示す、平面図(a)、底面図(b)、X-X断面図(c)、及びY-Y断面図(d)である。
図6】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着過程の「途中状態」を示す、1つの斜視図である。
図7】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着後のロック状態を示す、1つの斜視図である。
図8】第1の実施形態の電線を備えた雄コネクタの一部拡大断面図である。
図9】第1の実施形態の雄コネクタと雌コネクタとの装着後のロック状態を示す、平面図(a)、X-X断面図(b)、及びY-Y断面図(c)である。
図10】第1の実施形態の雄コネクタと雌コネクタとの装着後の離脱可能状態を示す、1つの斜視図である。
図11】第1の実施形態の雄コネクタと雌コネクタとの装着後の離脱可能状態を示す、平面図(a)、X-X断面図(b)、及びY-Y断面図(c)である。
図12】第2の実施形態の複数の連結された雄コネクタと複数の連結された雌コネクタとの装着前の状態(a)、装着後のロック状態(b)、装着後の解除状態(c)、及び離脱後の状態(d)の各過程を説明する平面図である。
図13】第2の実施形態の複数の雄コネクタの連結方法及び連結構造を示す平面図(a)斜視図(b)である。
図14】第2の実施形態の複数の雌コネクタの連結方法及び連結構造を示す正面図(a)、及び斜視図(b)である。
図15】変形例(1)の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着前の状態を示す、1つの斜視図(図3に相当する図面)である。
図16】変形例(2)の雄コネクタの一部拡大断面図(図8に相当する図面)である。
図17】変形例(3)の電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着前の状態を示す、1つの斜視図である。
図18】変形例(4)の雄コネクタと雌コネクタとの装着前の状態を示す、平面図(a)、底面図(b)、X-X断面図(c)、及びY-Y断面図(d)(図5に相当する各図面)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
【0022】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態のコネクタ構造100における電線を備えた雄コネクタ10と、電線を備えた雌コネクタ20と、弾性回動体30との3つ((a)、(b)、(c))の角度からの組立図(斜視図)である。また、図2は、本実施形態の雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着過程及び離脱過程を説明するための、装着前の状態(a)、装着後のロック状態(b)、装着後の解除状態(c)及び離脱後の状態(d)の各過程を説明する平面図である。また、図3は、本実施形態の(雄側)電線91を備えた雄コネクタ10と(雌側)電線92を備えた雌コネクタ20との装着前の状態を示す、1つの角度(図1の(c)の角度に相当)からの斜視図である。また、図4A乃至図4Cは、本実施形態の電線91を備えた雄コネクタ10と電線92を備えた雌コネクタ20との装着前の状態を示す、他の斜視図である。
【0023】
さらに、図5は、本実施形態の雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着前の状態を示す、平面図(a)、底面図(b)、X-X断面図(c)、及びY-Y断面図(d)である。図6は、電線を備えた雄コネクタと電線を備えた雌コネクタとの装着過程の「途中状態」を示す、1つの斜視図である。図7は、本実施形態の電線91を備えた雄コネクタ10と電線92を備えた雌コネクタ20との装着後のロック状態を示す、1つの斜視図である。図8は、本実施形態の雄コネクタ10の一部拡大断面図である。図9は、本実施形態の雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着後のロック状態を示す、平面図(a)、X-X断面図(b)、及びY-Y断面図(c)である。図10は、本実施形態の雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着後の離脱可能状態を示す、1つの斜視図である。図11は、本実施形態の雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着後の離脱可能状態を示す、平面図(a)、X-X断面図(b)、及びY-Y断面図(c)である。
【0024】
図1乃至図11(代表的には、図1)に示すように、本実施形態のコネクタ構造100は、雄コネクタ10と、雌コネクタ20と、弾性回動体30とから構成される3つの要素を備える。以下に、本実施形態のコネクタ構造100を構成する各要素について説明する。
【0025】
まず、雌コネクタ20及び弾性回動体30について説明する。
【0026】
図1乃至図11に示すように、本実施形態の雌コネクタ20は、雌コネクタ20の外周面の少なくとも一部に周設された凹溝24を備える。また、凹溝24の一部には、一端である第1位置22aと他端である第2位置22bとの間を連続する貫通孔22が形成されている。また、代表的には図1に示すように、本実施形態の弾性回動体30は、云わば一端と他端とを有するリング状の、換言すれば、1箇所が欠損したリング状の回動体あって、その内周面には後述する雄コネクタ10のガイド溝12又は鍵溝13に篏合するための凸部32を備えている。
【0027】
図1に示すように、雌コネクタ20の貫通孔22は、弾性回動体30の目印32aを篏合させるために形成されている。特に図4A乃至図4Cに示すように、弾性回動体30の凸部32が貫通孔22に篏合し、弾性回動体30自身が雌コネクタ20の凹溝24に篏合したとき、弾性回動体30は、凹溝24に沿って第1位置22aと第2位置22bとの間で往復の回動が可能となる。換言すれば、貫通孔22における第1位置22aと第2位置22bとの間の往復回動以外の弾性回動体30の回動は、貫通孔22への凸部32の篏合によって妨げられることになる。
【0028】
なお、本実施形態においては、雌コネクタ20の外周面の全周に亘って凹溝24が周設されているが、本実施形態はそのような態様に限定されない。弾性回動体30が雌コネクタ20の外周から離脱しないように弾性回動体30の弾性を調整することにより、雌コネクタ20の外周面の一部のみに凹溝24が周設されることも、採用し得る他の一態様である。
【0029】
また、本実施形態においては、雄コネクタ10を雌コネクタ20に着装する作業者の利便性を高めるために、弾性回動体30及び雌コネクタ20の各外観上の工夫が施されている。具体的には、弾性回動体30の凸部32の位置が外観から容易に判別できるように、雌コネクタ20の表面にはロック状態と解除状態の位置を示す目印となる凸部(絵柄)が形成されるとともに、弾性回動体30の表面には凸部(三角柱)32に対応する目印32aとなる凸部が形成されている。
【0030】
次に、雄コネクタ10について説明する。
【0031】
また、本実施形態の雌コネクタ20においては、後述するリング状の弾性回動体30の一端に設けられた係合爪34と係合することによって、雌コネクタ20と雄コネクタ10とのロック状態から解除状態に向かう弾性回動体30の回動抵抗を与える係合凸部26が、雌コネクタ20の凹溝24に設けられている。この回動抵抗によって、弾性回動体30の回動を適度に、換言すれば不完全に妨げることが可能となるため、本実施形態の雌コネクタ20と雄コネクタ10とのロック状態が外力によって簡単に解除されなくなるという効果が奏され得る。また、弾性回動体20の端部の少なくとも一方が係合爪34を備えることによって、前述の効果の一部が奏され得る。なお、雌コネクタ20が係合凸部26を備えることは前述の観点から好適な一態様であるが、仮に係合凸部26がなくても、前述の効果以外の本実施形態の効果が奏され得る。
【0032】
また、図1乃至図11に示すように、本実施形態の雄コネクタ10は、開口部12a,12bを有するガイド溝12とガイド溝12と断続された鍵溝13とを外周面に備える。また、ガイド溝12は、前述の開口部12a,12bに加えて、第1傾斜部12cと、該開口部の一端12bから形成されたテーパー部12dを備える。加えて、ガイド溝12と断続された鍵溝13は、雄コネクタ10の外周面に沿って形成され、第2傾斜部14が鍵溝13に連続するように形成される。
【0033】
ガイド溝12及び鍵溝13のそれぞれの役割は次のとおりである。
【0034】
本実施形態のガイド溝12の開口部12a,12bは、雄コネクタ10が雌コネクタ20に装着される際に、雌コネクタ20の貫通孔22に篏合した弾性回動体30の凸部32が挿入されるときのガイド溝12の入り口となる。ガイド溝12について詳しく見ると、例えば図1(c)、図3及び図4Aに示すように、ガイド溝12は、凸部32が第1位置22aと第2位置22bとの間のいずれの位置にあってもガイド溝12に嵌入可能な開口幅を備えている。また、ガイド溝12は、第2位置22bに対応する一端の開口部12bから第1位置22aに対応する第1傾斜部12cに向かう、開口部12a,12bから離れる方向にしたがって先細りとなる形状の溝である。また、ガイド溝12は、ガイド溝12の底部の深さからガイド溝12を離脱する高さまで連続する一様な傾斜面を有する第1傾斜部12cを備えている。
【0035】
従って、例えば弾性回動体30の凸部32が開口部の一端12b側の入り口からガイド溝12に進入するときは、該開口部の一端12bから形成されたテーパー部12dが、凸部32にとってガイド溝12の奥側にある第1傾斜部12cに導く役割を担うことになる。また、ガイド溝12の第1傾斜部12cは、後述する弾性回動体30が備える凸部32が開口部12a,12bからガイド溝12に沿って挿入されるように弾性回動体30を備えた雌コネクタ20に雄コネクタ10を挿入するときに、凸部32を鍵溝13に導く役割を担う。
【0036】
また、本実施形態の鍵溝13は、雌コネクタ20の貫通孔22における第1位置22aと第2位置22bとに対応して周状に形成されている。具体的には、図1及び図3に示すように、鍵溝13における第1鍵溝部13aは、貫通孔22の第1位置22aに対応し、弾性回動体30の凸部32がガイド溝12に戻らないための、鍵溝13おける溝の深さ又は溝の壁面を備えている。また、鍵溝13における第2傾斜部13bは、貫通孔22の第2位置22bに対応し、凸部32を鍵溝13から離脱させるために、鍵溝13に連続して形成されている。
【0037】
なお、本実施形態においては、雄コネクタ10、雌コネクタ20、及び弾性回動体30の材質の例は、6,6ナイロン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)である。本実施形態の雄コネクタ10、雌コネクタ20、及び弾性回動体30は、いずれも一体成形品であり、公知の射出成形法によって製造され得る。なお、弾性回動体30の弾性をより確度高く発揮し得る材料は、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PA(ポリアミド)、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)である。また、本実施形態のコネクタ構造100の大きさは、本実施形態の効果が奏され得る限り特に限定されないが、コネクタ構造100の代表的な全長(図2の「L」)は、約90mmであり、代表的な全幅(図2の「L」)は、約20mmである。
【0038】
また、本実施形態においては、雄コネクタ10を雌コネクタ20に装着することによって、可撓性を有する電線91と電線92とを確度高く電気的に接続させるために、雄コネクタ10は電線91の位置を固定する、又は安定させるためのコネクタピン91aを備え、雌コネクタ20は電線92の位置を固定する、又は安定させるためのコネクタピン92aを備える。なお、コネクタピン91a,92aの材質は、比較的高い導電性を有する限り特に限定されない。代表的なコネクタピン91a,92aの材質は公知の銅合金である。
【0039】
コネクタピン91aの凹部に電線91が篏合し、電線91とコネクタピン91aとが圧着することによって、電線91の位置を固定する、又は安定させることができる。同様に、コネクタピン92aの凹部に電線92が篏合し、電線92とコネクタピン92aとが圧着することによって、電線92の位置を固定する、又は安定させることができる。従って、本実施形態においては、電線91と電線92とが直接的に接する構造を採用せず、雄コネクタ10のコネクタピン91aに電気的に接続した接触子91bと、雌コネクタ20のコネクタピン92aとが接することによって電線91と電線92とが電気的に接続することになる。
【0040】
なお、本実施形態の雌コネクタ20のコネクタピン92aの先端部には、雄コネクタ10を雌コネクタ20に装着する前に例えばヒトの指がコネクタピン92aに触れることを確度高く防止するための保護カバー92bが圧入されている。なお、保護カバー92bの材質は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、代表的な材料の例は、6,6ナイロン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)である。また、安全性を高めるため、電線91,92の外周は、適宜、例えば、ポリオレフィン、フッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマー等から製造される公知の熱収縮チューブによって覆われ得る。加えて、前述のコネクタピン91a,92a、接触子91b及び保護カバー92b、並びに熱収縮チューブは、いずれも本実施形態において必ずしも設けられることを要しない。
【0041】
次に、本実施形態のコネクタ構造100における、雌コネクタ20と雄コネクタ10との着脱の過程について説明する。
【0042】
まず、着装過程について説明する。着装過程の初期段階においては、本実施形態のコネクタ構造100においては、例えば、図2(a)及び図3乃至図9に示すように、貫通孔22に嵌合して弾性回動体30と一体化した雌コネクタ20に、雄コネクタ10を挿入する。このとき、雌コネクタ20のコネクタピン92aが雄コネクタ10の接触子91bに嵌め込まれるとともに、弾性回動体30の凸部32が貫通孔22における第1位置22aと第2位置22bのいずれの位置にあっても、凸部32は、雄コネクタ10の外周面に形成されたガイド溝12の開口部12a,12bからガイド溝12に沿って挿入される。なお、雌コネクタ20に雄コネクタ10を挿入する際に、弾性回動体30の凸部32が雌コネクタ20の貫通孔22bにおける第2位置22bにあった場合は、雄コネクタ10のテーパー部12dが凸部32にとってガイド溝12の奥側にある第1傾斜部12cに導くことになる。そのため、凸部32が第1傾斜部12cに近づくにつれて、弾性回動体30が図6のR方向に示す回転運動をすることになる。従って、雌コネクタ20に雄コネクタ10を挿入する作業は、たとえ暗い作業環境や雄コネクタ10と雌コネクタ20とが見え難い環境であっても、複雑な作業を伴わず、云わば雌コネクタ20に雄コネクタ10を挿し込むだけの作業であるため、作業者の両手(より狭義には、例えば、両手の親指と人差し指のみ)を用いて簡単に行うことができる。
【0043】
初期段階に続く着装過程の中期段階においては、図6に示すように、雄コネクタ10が雌コネクタ20にさらに押し込まれる(図6のP方向)。そうすると、雌コネクタ20のコネクタピン92aが、雄コネクタ10の接触子91bの奥側に向けて更に嵌め込まれるとともに、弾性回動体30の凸部32が、弾性とリング状の欠損部とを利用してガイド溝12の第1傾斜部12cに沿って移動する、換言すれば、傾斜面を上ることにより、ガイド溝12への嵌合状態が解かれることになる。
【0044】
その後、雄コネクタ10が雌コネクタ20にさらに押し込まれると、弾性回動体30の凸部32は、傾斜面を上がり切り、該ガイド溝と断続された鍵溝13、より詳細には鍵溝13における第1鍵溝部13aの領域と嵌合する。
【0045】
雄コネクタ10の鍵溝13は、雌コネクタ20の貫通孔22における第1位置22aと第2位置22bに対応して周状に形成されている。また、第1位置22aに対応する第1鍵溝部13aは、例えば、図8に示すように、凸部32がガイド溝12に戻らないようにするための十分な深さ又は適切な壁面13cの形状を備えている。従って、凸部32が鍵溝13のうちの第1鍵溝部13aの領域と嵌合しているときは、例えば作業者が、弾性回動体30の弾性とリング状の欠損部とを利用して雄コネクタ10を雌コネクタ20から離脱させようとして外力を与えたとしても、凸部32がガイド溝12に戻すことができない。その結果、凸部32が鍵溝13のうちの第1鍵溝部13aの領域と嵌合しているときは、コネクタ構造100は、雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着状態を確度高く保持され得る状態、すなわちロック状態となる。
【0046】
なお、上述のとおり、弾性回動体30の凸部32が雌コネクタ20の貫通孔22bにおける第2位置22bにあった場合は、凸部32が第1傾斜部12cに近づくにつれて、弾性回動体30が図6のR方向に示す回転運動をする。その際、本実施形態の雌コネクタ20の凹溝24に着目すると、雌コネクタ20の凹溝24に設けられた係合凸部26が弾性回動体30の係合爪34に対して適度な、換言すれば、一定の外力が与えられることによって勝ることができる程度の回動抵抗を与えるように、係合凸部26及び係合爪34が形成されている。従って、その回動抵抗に勝る外力によって係合爪34が係合凸部26の越えると、係合凸部26と係合爪34とが相俟って、雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着状態が、さらに確度高く保持され得る。
【0047】
次に、離脱過程について説明する。図10及び図11に示すように、例えば作業者が雄コネクタ10を雌コネクタ20から離脱させようとする場合は、最初に、例えば弾性回動体30の目印32aを利用して、雄コネクタ10を雌コネクタ20から離脱させようとする外力を与えることなく、雌コネクタ20の貫通孔22を利用して、弾性回動体30の凸部32を第1位置22a(すなわち、ロック状態の位置)から第2位置22bに回動させる。かかる作業は、作業者の指2つ(例えば、親指と人差し指)を用いれば簡単に行うことができる。
【0048】
ここで、弾性回動体30を回動させるときに、上述と同様に、雌コネクタ20の凹溝24が備える係合凸部26と弾性回動体30の係合爪34とが相俟って、弾性回動体30に対する回動抵抗が与えられる。従って、該回動抵抗に勝ることができない外力は、係合爪34が係合凸部26を越えるまで弾性回動体30を回動させることができないため、ロック状態が容易に解除されず、雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着状態が確度高く保持され得るという好適な作用を実現することができる。なお、本実施形態のコネクタ構造100が係合爪34と係合凸部26とを備えることは好適な一態様であるが、仮に、係合爪34と係合凸部26が形成されていない場合であっても、本実施形態における少なくとも一部の効果が奏され得る。
【0049】
図10及び図11、並びに図1乃至図4Aに示すように、弾性回動体30の凸部32が貫通孔22の第2位置22bに至るまで回動すると、凸部32は、雄コネクタ10の鍵溝13のうちの第2鍵溝部13bの領域に移動することになる。ここで、第2鍵溝部13bは、鍵溝13に連続する第2傾斜部14を備えている。より詳細には、第2傾斜部14は、鍵溝13の底部の深さから鍵溝13を離脱する高さまで連続する一様な傾斜面を備えている。その結果、凸部32が鍵溝13のうちの第2鍵溝部13bの領域に位置しているときは、コネクタ構造100は、雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着から解除され得る状態(離脱可能状態)、すなわちロック解除状態となる。
【0050】
凸部32が第2鍵溝部13bの領域に移動した後に、作業者は、雄コネクタ10を雌コネクタ20から離脱させる方向(すなわち、雄コネクタ10を雌コネクタ20から引き抜く方向)に外力を与える。そうすると、弾性回動体30の凸部32が、弾性とリング状の欠損部とを利用して第2鍵溝部13bに連続する第2傾斜部14に沿って移動する、換言すれば、第2傾斜部14の傾斜面を上ることにより、鍵溝13への嵌合状態が解かれることになる。上述のとおり、本実施形態の鍵溝13は、第2傾斜部14が連続する第2鍵溝部13bを備えることによって開錠するための溝(云わば、開錠溝)としての役割も担っている。
【0051】
従って、雌コネクタ20から雄コネクタ10を離脱させる作業は、たとえ暗い作業環境や雄コネクタ10と雌コネクタ20とが見え難い環境であっても、複雑な作業を伴わず、雌コネクタ20から雄コネクタ10を引き抜くだけの作業であるため、作業者の両手(より狭義には、例えば、両手の親指と人差し指のみ)を用いて簡単に行うことができる。
【0052】
上述のとおり、本実施形態のコネクタ構造100においては、雄コネクタ10の外周面に、開口部12a,12b及び第1傾斜部12cを有するガイド溝12とガイド溝12と断続された鍵溝13とが設けられている。また、鍵溝13は、云わば「鍵」として機能する第1鍵溝部13aと、「鍵」とは異なる役割を担う第2鍵溝部13bとを備えている。そして、第2鍵溝部13b起点として連続して形成されている第2傾斜部14には、雄コネクタ10を雌コネクタから離脱させる役割を担わせている。従って、本実施形態のコネクタ構造100又はコネクタの装着方法によれば、雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着時においては、装着状態が確度高く保持され、容易に離脱しない構造である一方、簡便な作業又は手順により雌コネクタ20から雄コネクタ10を離脱させることが可能となる。
【0053】
<第2の実施形態>
本実施形態のコネクタ構造200は、第1の実施形態のコネクタ構造100、あるいは雄コネクタ10及び弾性回動体30を備えた雌コネクタ20が、2つ以上、着脱可能に横並びで連結されている点を除いて、第1の実施形態のコネクタ構造100と同一である。よって、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0054】
図12は、本実施形態の複数の連結された雄コネクタ10と複数の連結された雌コネクタ20との装着前の状態(a)、装着後のロック状態(b)、装着後の解除状態(c)、及び離脱後の状態(d)の各過程を説明する、第1の実施形態の図2に相当する平面図である。また、図13は、本実施形態の複数の雄コネクタ10の連結方法及び連結構造を示す平面図(a)斜視図(b)である。また、図14は、本実施形態の複数の雌コネクタ20の連結方法及び連結構造を示す正面図(a)、及び斜視図(b)である。
【0055】
図12乃至図14に示すように、本実施形態のコネクタ構造200は、2つの弾性回動体30を備えた雌コネクタ20が着脱可能に横並びで連結されるとともに、2つの雄コネクタ10横並びで連結されている。
【0056】
雄コネクタ10について着目すると、図13に示すように、1つの雄コネクタ10は、雄連結部18a及び雄連結嵌入部18bを、雄コネクタ10の平面視における左右にそれぞれ1つずつ備えている(図13(a))。そのため、1つの雄コネクタ10における雄連結部18aを、他の1つの雄コネクタ10における雄連結嵌入部18bに嵌め入れることにより、図12に示す2つが連結した雄コネクタ10,10が得られる。なお、2つの雄コネクタ10,10は、着脱可能に連結されているため、必要に応じて、個別の雄コネクタ10として利用することができる。また、本実施形態の雄連結部18a及び雄連結嵌入部18bを備える雄コネクタ10は、第1の実施形態の雄コネクタ10の材質と同じ材質による一体成形品であり、公知の射出成形法によって製造され得る。
【0057】
ここで、2つの雄コネクタ10が連結される方向、すなわち嵌入方向は、図13に示すように、雄コネクタ10を雌コネクタ20に挿入する際に外力を与える向きと平行又は略平行である。これは、一旦、複数の連結された雄コネクタ10を、対応する複数の連結された雌コネクタ20に装着させたときに、複数の雄コネクタ10のうち一部の雄コネクタ10のみを雌コネクタ20から離脱させ易くするためである。
【0058】
また、雌コネクタ20について着目すると、図14に示すように、1つの雌コネクタ20は、雌連結部28a及び雌連結嵌入部28bを、雌コネクタ20の正面視における左右にそれぞれ2つずつ備えている(図14(a),(b))。そのため、1つの雌コネクタ20における2つの雌連結部28aを、他の1つの雌コネクタ20における2つの雌連結嵌入部28bに嵌め入れることにより、図12に示す2つが連結した雌コネクタ20,20が得られる。なお、2つの雌コネクタ20,20は、着脱可能に連結されているため、必要に応じて、個別の雌コネクタ20として利用することができる。また、本実施形態の雌連結部28a及び雌連結嵌入部28bを備える雌コネクタ20、第1の実施形態の雌コネクタ20の材質と同じ材質による一体成形品であり、公知の射出成形法によって製造され得る。
【0059】
ここで、2つの雌コネクタ20が連結される方向、すなわち嵌入方向は、図14に示すように、雄コネクタ10を雌コネクタ20に挿入する際に外力を与える向きに対して垂直又は略垂直である。これは、一旦、複数の連結された雄コネクタ10を、対応する複数の連結された雌コネクタ20に装着させたときに、複数の雄コネクタ10のうち一部の雄コネクタ10のみを雌コネクタ20から離脱するように外力が与えられたとしても、雌コネクタ20が隣り合う他の雌コネクタ20から離脱し難くするためである。
【0060】
加えて、本実施形態のコネクタ構造200を採用することにより、例えば、作業者が複数の連結された雄コネクタ10を、対応する複数の連結された雌コネクタ20に装着させたときに、複数の雄コネクタ10のうち一部の雄コネクタ10のみを雌コネクタ20から離脱させようとする際の作業性を非常に高めることになる。
【0061】
具体的には、上述の作業を行う場合、まず、離脱させようとする雄コネクタ10のみの弾性回動体30の凸部32の位置を第1位置22a(すなわち、ロック状態の位置)から第2位置22b(すなわち、離脱可能状態の位置)に回動させる作業が行われる。
【0062】
このとき、凸部32の位置は外力が与えられない限り変動しないため、作業者は、離脱させようとする雄コネクタ10の全ての弾性回動体30を第2位置22bに回動させた後、離脱させようとする雄コネクタ10をまとめて(例えば、片手だけで)引き抜くだけの作業により、離脱対象の雄コネクタ10の離脱を簡単に実現し得ることは特筆に値する。なお、第1の実施形態のコネクタ構造100において説明した弾性回動体30の係合爪34及び雌コネクタ20の係合凸部26が形成されることは、凸部32を第2位置22bに至るまで回動させた後の該凸部32の位置の安定性をさらに高める観点から好適な一態様である。
【0063】
上述のとおり、本実施形態のコネクタ構造200を採用することにより、たとえ雄コネクタ10及び弾性回動体30を備えた雌コネクタ20が、2つ以上、横並びで連結されていたとしても、雄コネクタ10と雌コネクタ20との装着作業の容易性、装着後のロック状態の安定性、及び雌コネクタ20から雄コネクタ10の一部又は全部の離脱作業の容易性を、確度高く実現することができる。
【0064】
なお、本実施形態においては、2個のコネクタ構造100、あるいは雄コネクタ10及び弾性回動体30を備えた雌コネクタ20の連結の例が開示されているが、本実施形態はこの例に限定されない。例えば、2個を超える(例えば、3個又は4個)コネクタ構造100が連結した場合、あるいは雄コネクタ10及び弾性回動体30を備えた雌コネクタ20が連結した場合であっても、本実施形態の効果の少なくとも一部の効果が奏され得る。
【0065】
<上述の各実施形態の変形例(1)>
本変形例の雄コネクタ310は、第1の実施形態の雄コネクタ10のガイド溝12がガイド溝312に変更された点を除いて、第1の実施形態の雄コネクタ10と同一である。よって、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0066】
図15は、本変形例の電線を備えた雄コネクタ310と電線を備えた雌コネクタ20との装着前の状態を示す、1つの斜視図(図3に相当する図面)である。
【0067】
本変形例においては、ガイド溝312の開口部312aの開口幅が、弾性回動体30の凸部32が第1位置22aの位置(すなわち、ロック状態の位置)にあるときにだけ嵌入し得る幅を有している。このようなガイド溝312の構成が採用された場合であっても、雄コネクタ310が雌コネクタ20に押し込まれると、第1位置22aの位置にある凸部32がガイド溝312内に嵌入され、凸部32が、弾性回動体30弾性とリング状の欠損部とを利用してガイド溝312の第1傾斜部312cに沿って移動する。その後、第1の実施形態の雄コネクタ10及びコネクタ構造100と同様に、凸部32は、ガイド溝312と断続された鍵溝13と嵌合するため、雄コネクタ310と雌コネクタ20との装着状態が確度高く保持され得る状態、すなわちロック状態が形成される。
【0068】
なお、第2の実施形態に示すように、コネクタ構造200における雄コネクタ10の代わりに本変形例のガイド溝312を備える雄コネクタ310を、2つ以上、着脱可能に横並びで連結されることも、採用し得る他の一態様である。
【0069】
上述のとおり、本変形例のガイド溝312は、第1の実施形態のガイド溝12のように、凸部32が第1位置22aと第2位置22bとの間のいずれの位置にあっても嵌入可能な開口幅を有しないため、雄コネクタ310を雌コネクタ20に装着する際の弾性回動体30の位置の自由度が制限される。従って、弾性回動体30の位置の自由度が得られる第1の実施形態のガイド溝12が採用されることはより好適な一態様である。
【0070】
<上述の各実施形態の変形例(2)>
本変形例の雄コネクタ10xおける鍵溝13の壁面13dの形状及び弾性回動体30の凸部32xの形状が、第1の実施形態の雄コネクタ10の鍵溝13の対応する壁面の形状及び弾性回動体30の凸部32の対応する形状から変更されている点を除いて、第1の実施形態の雄コネクタ10及び弾性回動体30と同一である。よって、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0071】
図16は、本変形例の雄コネクタ10xの一部拡大断面図(図8に相当する図面)である。図16に示すように、本変形例の雄コネクタ10xにおいては、断面視において、鍵溝13におけるガイド溝12側の壁面13dの形状が、溝の底の方に向かうにつれて溝幅が広がる、逆テーパーの形状が形成されている。また、該逆テーパー形状に沿うように、弾性回動体30xの凸部32xの形状が形成されている。
【0072】
本変形例の鍵溝13の壁面13dの形状及び弾性回動体30xの凸部32xの形状が採用された場合は、ガイド溝2側に向いた外力が与えられたとしても、第1の実施形態の鍵溝13の壁面の形状及び弾性回動体30の凸部32の形状よりも確度高く、凸部32xをガイド溝12に戻すことができない状態となり得る。従って、雄コネクタ10xと雌コネクタ20との装着状態を、より確度高く保持され得る状態を実現し得る。
【0073】
なお、第2の実施形態に示すように、コネクタ構造200における雄コネクタ10及び弾性回動体30の代わりに、本変形例の鍵溝13の壁面13dの形状を備える雄コネクタ10x、及び凸部32xを備える弾性回動体30xが篏合した雌コネクタ20を、それぞれ2つ以上、着脱可能に横並びで連結されることも、採用し得る他の一態様である。
【0074】
<上述の各実施形態の変形例(3)>
本変形例においては、第1の実施形態の雌コネクタ20おけるコネクタピン92aの先端部に圧入されている保護カバー92bが、着脱式保護カバー92cに変更されている点を除いて、第1の実施形態の雌コネクタ20と同一である。よって、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0075】
図17は、本変形例の電線を備えた雄コネクタ10と電線を備えた雌コネクタ420との装着前の状態を示す、1つの斜視図である。本変形例の雌コネクタ420おけるコネクタピン92aが、絶縁性の高い樹脂製の着脱式保護カバー92cによって覆われているため、例えば、作業者が雄コネクタ10と雌コネクタ420との装着作業をしていない場合は、例えばヒトの指がコネクタピン92aに触れることを確度高く防止することができる。一方、作業者が必要に応じて、通電されていないときに、雌コネクタ420における着脱式保護カバー92cをコネクタピン92aから離脱させて、雄コネクタ10と雌コネクタ420との装着作業を行うことにより、より確度高く雄コネクタ10の電線91と雌コネクタ420の電線(図示しない)との電気的接続を実現し得る。なお、安全性を高める観点から言えば、着脱ができない態様の保護カバー92bが採用された第1の実施形態の雌コネクタ20を採用することは、好適な一態様である。
【0076】
なお、第2の実施形態に示すように、コネクタ構造200における雌コネクタ20の代わりに本変形例の雌コネクタ420を、2つ以上、着脱可能に横並びで連結されることも、採用し得る他の一態様である。
【0077】
<上述の各実施形態の変形例(4)>
本変形例においては、第1の実施形態の雄コネクタ10が、雄コネクタ510に変更されている点を除いて、第1の実施形態の雌コネクタ20と同一である。よって、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0078】
図18は、本変形例の雄コネクタ510と雌コネクタ20との装着前の状態を示す、平面図(a)、底面図(b)、X-X断面図(c)、及びY-Y断面図(d)(図5に相当する各図面)である。
【0079】
図18に示すように、本変形例の雄コネクタ510は、ガイド溝12と鍵溝13との間に、周状の凹溝である、Oリング用溝19を備えている。本変形例においては、例えば、Oリング用溝19に公知のOリングを嵌め込むことによって、外部から雄コネクタ510又は雌コネクタ20への水の侵入を確度高く防止することができる。なお、雄コネクタ510が雌コネクタ20にさらに押し込まれたときに、Oリング用溝19の幅、深さ、及びOリングの径を適宜調整することにより、弾性とリング状の欠損部とを利用した弾性回動体30の凸部32がガイド溝12の第1傾斜部12cを上がり切った後、該Oリングも乗り越えたうえで、鍵溝13と嵌合することができる。
【0080】
本変形例の雄コネクタ510を採用することにより、例えば、水が近くに存在する環境下において雄コネクタ510と雌コネクタ20とを装着する場合であっても、より安全に雄コネクタ510と雌コネクタ20との電気的な接続状態を保持し得る。
【0081】
なお、第2の実施形態に示すように、コネクタ構造200における雄コネクタ10の代わりに本変形例の雄コネクタ510を、2つ以上、着脱可能に横並びで連結されることも、採用し得る他の一態様である。
【0082】
また、上述の各実施形態における雄コネクタ又はコネクタ構造は、太陽光発電システムの蓄電池以外の設備及び電気機器(例えば、鉄道・車両用、半導体生産設備用、情報通信用)にも広く適用され得る。また、電機業界に加えて医療機器業界、あるいは自動車部品業界においても、上述の各実施形態における雄コネクタ又はコネクタ構造を採用することができる。
【0083】
上述の各実施形態の開示は、それらの実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
10,10x,310,510 雄コネクタ
12,312 ガイド溝
12a 開口部(開口部他端)
312a 開口部
12b 開口部(開口部一端)
12c,312c 第1傾斜部
12d テーパー部
13 鍵溝
13a 第1鍵溝部
13b 第2鍵溝部
13c,13d 壁面
14 第2傾斜部
18a 雄連結部
18b 雄連結嵌入部
19 Oリング用溝
20,420 雌コネクタ
22 貫通孔
22a 第1位置
22b 第2位置
24 凹溝
26 係合凸部
28a 雌連結部
28b 雌連結嵌入部
30,30x 弾性回動体
32 凸部
32a 目印
34 係合爪
91,92 電線
91a,92a コネクタピン
91b 接触子
92b 保護カバー
92c 着脱式保護カバー
100,200 コネクタ構造
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
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図9
図10
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図13
図14
図15
図16
図17
図18