(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164681
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、炊飯制御方法及び炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
A47J27/00 109G
A47J27/00 103M
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080342
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】藤村 洋
(72)【発明者】
【氏名】寺島 幸之介
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA62
4B055CA64
4B055CC18
4B055CD02
4B055GA04
4B055GB09
4B055GC03
4B055GC04
4B055GD02
4B055GD05
(57)【要約】
【課題】かまどで炊き上げたような食感又は香り等を引き出す炊飯を実現することが期待できるコンピュータプログラム、炊飯制御方法及び炊飯器を提供する。
【解決手段】本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行わせるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と、前記昇温工程の後に、前記釜に収容された水が沸騰している状態を維持する沸騰維持工程と、前記沸騰維持工程の後に、前記釜の温度を所定温度まで到達させ、前記所定温度に到達した後に前記釜の温度を降温させるドライアップ工程とを実行させ、前記所定温度は、130℃以上且つ150℃以下である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行わせるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記釜に収容された米に亀裂状組織が形成される温度及び時間で浸漬を行う浸漬工程と、
前記浸漬工程の後に、前記浸漬工程の温度より高い温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と
を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記浸漬工程では、30分以上且つ70分以下の時間に亘って浸漬を行う、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記浸漬工程では、10℃以上且つ50℃以下の温度で浸漬を行う、
請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記浸漬工程の温度は、でん粉が糊化する温度より低く、
前記昇温工程では、でん粉が糊化する温度より高い温度まで昇温する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記昇温工程の後に、前記釜に収容された水が沸騰している状態を維持する沸騰維持工程と、
前記沸騰維持工程の後に、前記釜の温度を所定温度まで到達させ、前記所定温度に到達した後に前記釜の温度を降温させるドライアップ工程と
を実行させ、
前記所定温度は、130℃以上且つ150℃以下である、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記所定温度は、140℃である、
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記昇温工程では、前記釜の下部の温度より上部の温度を先に上昇させる、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行わせるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と、
前記昇温工程の後に、前記釜に収容された水が沸騰している状態を維持する沸騰維持工程と、
前記沸騰維持工程の後に、前記釜の温度を所定温度まで到達させ、前記所定温度に到達した後に前記釜の温度を降温させるドライアップ工程と
を実行させ、
前記所定温度は、130℃以上且つ150℃以下である、
コンピュータプログラム。
【請求項9】
前記所定温度は、140℃である、
請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行わせるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程を実行させ、
前記昇温工程では、前記釜の下部の温度より上部の温度を先に上昇させる、
コンピュータプログラム。
【請求項11】
前記釜の上部を加熱する上部加熱部の加熱を、前記釜の下部を加熱する下部加熱部の加熱より先に行う、
請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記釜の上部を加熱する上部加熱部の加熱を、前記釜の下部を加熱する下部加熱部の加熱より高温で行う、
請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
炊飯器の制御装置が、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行う炊飯制御方法であって、
前記制御装置が、
前記釜に収容された米に亀裂状組織が形成される温度及び時間で浸漬を行う浸漬工程と、
前記浸漬工程の後に、前記浸漬工程の温度より高い温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と
を実行する、炊飯制御方法。
【請求項14】
炊飯器の制御装置が、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行う炊飯制御方法であって、
前記制御装置が、
前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と、
前記昇温工程の後に、前記釜に収容された水が沸騰している状態を維持する沸騰維持工程と、
前記沸騰維持工程の後に、前記釜の温度を所定温度まで到達させ、前記所定温度に到達した後に前記釜の温度を降温させるドライアップ工程と
を実行し、
前記所定温度は、130℃以上且つ150℃以下である、
炊飯制御方法。
【請求項15】
炊飯器の制御装置が、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行う炊飯制御方法であって、
前記制御装置が、
前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程を実行し、
前記昇温工程では、前記釜の下部の温度より上部の温度を先に上昇させる、
炊飯制御方法。
【請求項16】
米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行う制御部を備える炊飯器であって、
前記制御部が、
前記釜に収容された米に亀裂状組織が形成される温度及び時間で浸漬を行う浸漬工程と、
前記浸漬工程の後に、前記浸漬工程の温度より高い温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と
を実行する、炊飯器。
【請求項17】
米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行う制御部を備える炊飯器であって、
前記制御部が、
前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程と、
前記昇温工程の後に、前記釜に収容された水が沸騰している状態を維持する沸騰維持工程と、
前記沸騰維持工程の後に、前記釜の温度を所定温度まで到達させ、前記所定温度に到達した後に前記釜の温度を降温させるドライアップ工程と
を実行し、
前記所定温度は、130℃以上且つ150℃以下である、
炊飯器。
【請求項18】
米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行う制御部を備える炊飯器であって、
前記制御部が、
前記釜に収容された水が沸騰する温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程を実行し、
前記昇温工程では、前記釜の下部の温度より上部の温度を先に上昇させる、
炊飯器。
【請求項19】
前記釜の上部を加熱する上部加熱部と、
前記釜の下部を加熱する下部加熱部と
を備え、
前記制御部が、前記釜の上部を加熱する上部加熱部の加熱を、前記釜の下部を加熱する下部加熱部の加熱より先に行う、
請求項18に記載の炊飯器。
【請求項20】
前記釜の上部を加熱する上部加熱部と、
前記釜の下部を加熱する下部加熱部と
を備え、
前記制御部が、前記釜の上部を加熱する上部加熱部の加熱を、前記釜の下部を加熱する下部加熱部の加熱より高温で行う、
請求項18に記載の炊飯器。
【請求項21】
前記釜の下部より上部を高熱量で加熱する加熱部を備える、
請求項18に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯に関する制御を行うコンピュータプログラム、炊飯制御方法及び炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1においては、予熱工程、昇温工程、沸騰維持工程、ドライアップ工程及びむらし工程からなる第1炊飯モードと第2炊飯モードとの2種類の炊飯モードを選択することができ、第2炊飯モードの昇温工程で加熱手段に供給する電力を第1炊飯モードの昇温工程での電力よりも大きくし、第2炊飯モードの沸騰維持工程の時間を第1炊飯モードの沸騰維持工程の時間よりも長くした炊飯器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の炊飯器の第2炊飯モードでは、例えばかまどで炊いたご飯のような独特の粒感のある食感、お米の甘い味及び香り等を引き出すことは難しい。
【0005】
本開示は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、かまどで炊き上げたような食感又は香り等を引き出す炊飯を実現することが期待できるコンピュータプログラム、炊飯制御方法及び炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、米及び水を収容する釜の温度を制御して前記米を炊く炊飯処理を行わせるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記釜に収容された米に亀裂状組織が形成される温度及び時間で浸漬を行う浸漬工程と、前記浸漬工程の後に、前記浸漬工程の温度より高い温度まで前記釜の温度を昇温する昇温工程とを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態による場合は、かまどで炊き上げたような食感又は香り等を引き出す炊飯を実現することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態に係る炊飯器の一構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施の形態に係る炊飯器が行う炊飯処理における温度変化の一例を示す模式図である。
【
図3】本実施の形態に係る炊飯器が行う炊飯処理における温度変化の一例を示す模式図である。
【
図4】本実施の形態に係る炊飯器が行うかまど炊飯モードでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】浸漬工程の条件を決定するための検証結果の一例を示すCT画像である。
【
図6】かまどでの炊飯の温度変化の測定結果を示すグラフである。
【
図7】本実施の形態に係る炊飯器の加熱部の一構成例を示す模式図である。
【
図8】本実施の形態に係る炊飯器の加熱部の一構成例を示す模式図である。
【
図9】かまどでの炊飯の温度変化の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るコンピュータプログラム、炊飯制御方法及び炊飯器等の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
<装置構成>
図1は、本実施の形態に係る炊飯器の一構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係る炊飯器1は、米及び水を収容する内釜21を備え、例えば電磁誘導を利用して内釜21を加熱する、いわゆるIH(Induction Heating)方式の炊飯器である。炊飯器1は、図示しない機器本体に設けられた凹状の内釜収容部に内釜21を収容し、収容された内釜21に対してIH方式の加熱を行うことで炊飯を行う。
【0011】
本実施の形態に係る炊飯器1は、機器本体に電気的なハードウェアの構成要素として、例えば制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、加熱部15及び温度検知部16等を備えている。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を用いて構成されている。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラム31を読み出して実行することにより、内釜21に対する加熱を制御して米を炊く炊飯処理を行うことができる。
【0012】
記憶部12は例えばフラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部12は、制御部11が実行する各種のプログラム、及び、制御部11の制御処理に必要な各種のデータを記憶する。プログラム31は、例えば炊飯器1の製造段階において記憶部12に書き込まれる。ただし、炊飯器1がメモリカード等の記録媒体を読み取る装置を備える場合、プログラム31は記録媒体を介して提供され、炊飯器1が記録媒体からプログラム31を読み出して記憶部12に記憶してもよい。また炊飯器1がネットワークを介した通信機能を備える場合、プログラム31は遠隔のサーバ装置等により配信され、これを炊飯器1が通信にて取得して記憶部12に記憶してもよい。
【0013】
操作部13は、ユーザの操作をうけつけるためのボタン又はタッチパネル等を用いて構成されている。操作部13は、例えば炊飯器1の機器本体の側面、又は、機器本体にヒンジ機構等を介して開閉可能に取り付けられた蓋体の天面等に設けられる。操作部13に対する操作を行うことによってユーザは、例えば炊飯の開始、炊飯モードの選択、炊飯の予約設定及び保温の解除等の炊飯器1に対する種々の操作を行うことができる。操作部13は、ユーザによってなされた操作に応じた電気信号を制御部11へ出力する。
【0014】
表示部14は、液晶パネル等を用いて構成されており、制御部11の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。表示部14は、例えば炊飯器1の機器本体の側面又は蓋体の天面等に設けられる。表示部14は、例えばユーザが設定した炊飯モードがいずれであるか又は予約された炊きあがり時刻等の設定情報を表示することができ、また例えば炊飯処理における現工程及び炊き上がりまでの時間等の動作情報を表示することができる。
【0015】
加熱部15は、内釜収容部に収容された内釜21を加熱するためのものであり、例えば電磁誘導を生じさせるためのコイルを備えて構成される。加熱部15がコイルに対して高周波電流を印加することで、内釜21に渦電流が発生し、内釜21内の電気抵抗によって内釜21が発熱する。加熱部15のコイルに印加する電流量は制御部11により制御され、制御部11は加熱部15のコイルに印加する電流量を増減することで、内釜21の温度を増減することができる。
【0016】
温度検知部16は、内釜収容部に収容された内釜21の温度又は内釜21の内部の温度等を検知するものであり、例えばサーミスタ又は熱電対等を備えて構成される。温度検知部16は、例えば炊飯器1の機器本体に設けられた凹状の内釜収容部の底部に設けられ、内釜収容部に収容された内釜21の底面に接触又は近接する。温度検知部16は、検知した温度又は検知した温度に応じた信号を制御部11へ与える。
【0017】
内釜21は、上部が解放された有底円筒状の容器であり、内部に米及水等を収容すると共に、炊飯器1の内釜収容部に収容される。内釜21は、例えば鉄又はステンレス等の金属製であり、炊飯器1の加熱部15が発する磁力線に応じて生じる渦電流により加熱される。
【0018】
<炊飯処理>
図2及び
図3は、本実施の形態に係る炊飯器1が行う炊飯処理における温度変化の一例を示す模式図である。
図2に示すグラフは、横軸を時間[分]とし、縦軸を温度[℃]として、炊飯器1の内釜21内の温度変化を示したものであり、内釜21の温度変化と炊飯器1が行う炊飯処理に含まれる複数の工程との対応が示されている。また本実施の形態に係る炊飯器1は、例えば通常の炊飯を行う通常炊飯モード、及び、かまどでの炊飯を再現するかまど炊飯モード等の複数の炊飯モードで炊飯を行うことができ、ユーザが好みの炊飯モードを選択することができる。
図2に示す温度変化は、かまど炊飯モードにおける温度変化である。
図3には、かまど炊飯モードでの温度変化を実線で示し、通常炊飯モードでの温度変化を破線で示して対比している。
【0019】
本実施の形態に係る炊飯器1は、例えば「浸漬工程」、「昇温工程」、「沸騰維持工程」、「ドライアップ工程」及び「蒸らし工程」の順で炊飯を行う。なお通常炊飯モード及びかまど炊飯モードのいずれのモードであっても、これらの工程の実施順序は同じである。ただし各工程における温度及び時間等の条件は、通常炊飯モードとかまど炊飯モードとで異なっている。通常炊飯モードは従来の炊飯器に広く採用されている炊飯の方法であり、本願発明者が炊飯の各工程の条件を検証し、かまどでの炊飯を再現し得る条件を設定したものがかまど炊飯モードである。
【0020】
炊飯器1が最初に行う浸漬工程は、内釜21に収容された米を水に漬けて、米に必要な水分を吸収させる工程である。
図2及び
図3に示すかまど炊飯モードの浸漬工程において、本実施の形態に係る炊飯器1は、温度を約30℃に維持して60分の浸漬を行う。このときに炊飯器1の制御部11は、加熱部15による内釜21の加熱を微弱に行うか、又は、例えば内釜21へ投入された水の温度が浸漬の温度に近い場合には加熱を行わなくてもよい。なお本例では浸漬工程の温度を30℃とし、時間を60分としているが、これに限るものではない。かまどでの炊飯を再現するためには、浸漬工程の温度は10℃以上且つ50℃以下の範囲であることが好ましく、時間は30分以上且つ70分以下であることが好ましい。これに対して
図3に示す通常炊飯モードでの浸漬工程では、炊飯器1は、温度を約50℃に維持して20分の浸漬を行っている。
【0021】
浸漬工程の後、炊飯器1は、内釜21の温度を水の沸騰温度(例えば100℃)まで昇温する昇温工程を行う。このときに炊飯器1の制御部11は、加熱部15による内釜21の加熱を大出力で行い、浸漬の温度から沸騰温度までの昇温を速やかに行う。また通常炊飯モード及びかまど炊飯モードのいずれの炊飯モードであっても、昇温工程における加熱部15の加熱は、ほぼ同じ態様で行われる。なお、でん粉が糊化する温度は約60℃~70℃であるが、少なくともかまど炊飯モードにおいて内釜21の温度が糊化の温度を超えるのは昇温工程に入った後であることが好ましい。即ち、浸漬工程の温度は、でん粉が糊化する温度よりも低いことが好ましい。
【0022】
昇温工程において内釜21の温度が沸騰温度に達した後、炊飯器1はこの沸騰温度を維持して米を炊き上げる沸騰維持工程を行う。このときに炊飯器1の制御部11は、昇温工程と同じか又は昇温工程よりも小さい出力で加熱部15による内釜21の加熱を行い、沸騰状態を維持する。通常炊飯モード及びかまど炊飯モードのいずれの炊飯モードであっても、沸騰維持工程における加熱部15の加熱は、ほぼ同じ態様で行われる。
【0023】
なお
図2及び
図3に示すグラフには表れていないが、本実施の形態に係る炊飯器1は、少なくともかまど炊飯モードの昇温工程において、内釜21の上部の温度を下部の温度より先に昇温する。即ち炊飯器1は、内釜21の上部の温度が下部の温度より高い状態を維持して昇温し、内釜21の上部の温度を先に沸騰温度に到達させ、その後に内釜21の下部の温度を沸騰温度に到達させる。
【0024】
沸騰維持工程において内釜21内の水が沸騰し続けて蒸発し、内釜21内の水がなくなった後、内釜21の温度は急激に上昇する。この温度上昇はドライアップと呼ばれる現象であり、炊飯器1の制御部11は、ドライアップにより温度が上昇し始めた後、温度が所定温度に達するまで加熱部15による加熱を継続して行う。制御部11は、内釜21の温度が所定温度に達した場合に、加熱部15による加熱を停止するか又は出力を低減し、これにより内釜21の温度は低下していく。本実施の形態においては、内釜21の温度が沸騰温度からドライアップにより所定温度まで上昇し、その後に温度が低下して沸騰温度に戻るまでの期間をドライアップ工程とする。
【0025】
本実施の形態に係る炊飯器1は、かまど炊飯モードの場合に、ドライアップ工程において内釜21の温度が到達する所定温度、即ち炊飯における最高温度が約140℃となるように、加熱部15による加熱を制御する。ただし本例においてかまど炊飯モードのドライアップ工程における最高温度を140℃としているが、これに限るものではない。かまどでの炊飯を再現するためには、ドライアップ工程の最高温度は130℃以上且つ150℃以下の範囲内であることが好ましい。これに対して
図3に示す通常炊飯モードのドライアップ工程における最高温度は約120℃である。炊飯器1は、かまど炊飯モードでは通常炊飯モードの場合より加熱部15の出力を高めるか、又は、ドライアップの開始からの加熱時間を長くすることで、通常炊飯モードよりかまど炊飯モードの最高温度を高くすることができる。
【0026】
ドライアップ工程が終了して内釜21内の温度が沸騰温度まで戻った後、炊飯器1は、炊き上がった内釜21内の米を蒸らす蒸らし工程を行う。蒸らし工程において炊飯器1は、沸騰維持工程よりも低出力で加熱部15の加熱を行い、内釜21内の温度を沸騰温度以下の高温に保つ。
図2及び
図3においては、蒸らし工程の温度が沸騰温度の100℃で維持されているが、実際には内釜21内の温度は沸騰温度から徐々に低下して行ってよい。
【0027】
図4は、本実施の形態に係る炊飯器1が行うかまど炊飯モードでの処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態に係る炊飯器1の制御部11は、例えば操作部13に対するユーザの所定操作に応じて炊飯を開始し、まず浸漬工程を実施する(ステップS1)。浸漬工程において制御部11は、加熱部15による加熱を低出力で行って、又は、不要であれば加熱を行わずに、米及び水が収容された内釜21の温度を、予め定められた浸漬温度、例えば30℃に維持する。制御部11は、例えば自身が備えるタイマ機能を用いて浸漬工程の開始からの経過時間を計時し、予め定められた浸漬時間、例えば60分が経過したか否かを判定する(ステップS2)。浸漬時間が経過していない場合(S2:NO)、制御部11は、ステップS1へ処理を戻し、浸漬時間が経過するまで浸漬工程を継続する。
【0028】
浸漬時間が経過した場合(S2:YES)、制御部11は、昇温工程を行う(ステップS3)。昇温工程において制御部11は、加熱部15による加熱を高出力で行って、内釜21の温度を浸漬温度から沸騰温度へ上昇させる。制御部11は、温度検知部16が検知する内釜21の温度が沸騰温度に到達したか否かを判定する(ステップS4)。内釜21の温度が沸騰温度に到達していない場合(S4:NO)、制御部11は、ステップS3へ処理を戻し、沸騰温度に到達するまで昇温工程を継続する。
【0029】
内釜21の温度が沸騰温度に到達した場合(S4:YES)、制御部11は、内釜21の温度を沸騰温度に維持する沸騰維持工程を行う(ステップS5)。沸騰維持工程において制御部11は、昇温工程と同じ出力か又は昇温工程よりもやや小さい出力で加熱部15による加熱を行い、内釜21の温度を維持する。制御部11は、温度検知部16が検知する内釜21の温度が沸騰温度より高い温度に上昇したか否かに基づいて、ドライアップが開始されたか否かを判定する(ステップS6)。ドライアップが開始されていない場合(S6:NO)、制御部11は、ステップS5へ処理を戻し、ドライアップが開始されるまで沸騰維持工程を継続する。
【0030】
ドライアップが開始された場合(S6:YES)、制御部11は、ドライアップ工程を行い、加熱部15による加熱を維持して内釜21の温度を上昇させる。ドライアップ工程において制御部11は、温度検知部16が検知する内釜21の温度が予め定められた最高温度、例えば140℃に到達したか否かを判定する(ステップS7)。内釜21の温度が最高温度に到達していない場合(S7:NO)、制御部11は、最高温度に到達するまで加熱部15による加熱を維持する。
【0031】
最高温度に到達した場合(S7:YES)、制御部11は、加熱部15による加熱を停止するか、又は、加熱部15による加熱の出力を低減して、内釜21の温度を最高温度から沸騰温度まで低下させる降温を開始する(ステップS8)。内釜21の温度が沸騰温度まで低下した後、制御部11は、沸騰維持工程より低出力で加熱部15による加熱を維持する蒸らし工程を行い(ステップS9)、処理を終了する。
【0032】
なお上記では炊飯器1がかまど炊飯モードで炊飯を行う場合について手順を説明したが、通常炊飯モードにおいても炊飯は同じ手順で行われる。ただし、かまど炊飯モードと通常炊飯モードとでは、各工程における温度及び時間の条件が異なっている。以下、本実施の形態に係る炊飯器1のかまど炊飯モードにおける各工程の温度及び時間の条件に付いて説明する。
【0033】
<浸漬工程>
図5は、浸漬工程の条件を決定するための検証結果の一例を示すCT(Computed Tomography)画像である。
図5に示す2つのCT画像は、浸漬工程を行った後に炊いたご飯(ご飯粒)をアルコール脱水処理したものの内部形状を拡大して撮影した画像であり、浸漬工程の温度及び時間の条件が異なっている。
図5左側に示すCT画像は、浸漬温度を25℃且つ浸漬時間を60分とした浸漬工程後に炊いたご飯粒の内部形状を示す。この条件での浸漬工程を経たご飯は、例えばCT画像中において円で囲まれた箇所に見られるように、内部に微細な亀裂状組織が形成される。これに対して
図5右側に示すCT画像は、浸漬温度を55℃且つ浸漬時間を25分とした浸漬工程後のご飯粒の内部形状であり、この条件ではご飯粒の内部に亀裂状組織が形成されていない。
【0034】
本願の発明者は、かまどで炊かれる米の状態を調査し、浸漬後の米の内部に同様の亀裂状組織が形成されていることを見出し、この亀裂状組織が形成される浸漬温度及び浸漬時間の条件を調査した。調査の結果、浸漬時間が30分以上且つ70分以下であり、浸漬温度が10℃以上且つ50℃以下である場合に、浸漬工程を経た米の内部に亀裂状組織が形成されることが分かった。そこで本実施の形態に係る炊飯器1では、浸漬時間が30分以上且つ70分以下であり、浸漬温度が10℃以上且つ50℃以下であるという条件を満たす一例として、浸漬時間が60分且つ浸漬温度が30℃という浸漬条件をかまど炊飯モードの炊飯に採用している。
【0035】
炊飯器1は、浸漬時間が30分以上且つ70分以下、浸漬温度が10℃以上且つ50℃以下の範囲内で決定された条件で浸漬工程を行うことにより、浸漬工程後の米に亀裂状組織を形成することができる。これにより炊飯器1は、米粒に張りがあり、噛んだときに粒感があり、噛み締めた場合に粒の内部がみずみずしく柔らかい食感を与える御飯を炊き上げることが期待できる。
【0036】
なお、例えば浸漬温度として20℃~30℃を想定した場合に、夏場など気温が高い時期には水温が浸漬温度を超える可能性がある。このような場合に炊飯器1は、例えば表示部14に「冷蔵庫で冷やした水を内釜に入れてください」等のメッセージを表示して、浸漬温度以下の温度の水を米と共に投入するようユーザに促してもよい。また例えば炊飯器1は、内釜21の温度を低下させる冷却機構を備えてもよい。
【0037】
<昇温工程>
米と水とを加熱することにより、米のでん粉の分子は規則性を失って糊状に変化する。このような変化を糊化(α化)と言い、米のでん粉が糊化する温度は約50℃~65℃である。炊飯器1の浸漬工程の温度は、このでん粉が糊化する温度未満である必要がある。本実施の形態に係る炊飯器1は、かまど炊飯モードにおいて浸漬工程の温度を30℃としており、この条件を満たしている。炊飯器1は、米のでん粉が糊化する温度より低い温度での浸漬工程を行った後、昇温工程において浸漬温度から沸騰温度へ内釜21の温度を上昇させる際に初めて、でん粉が糊化する温度より高い温度まで内釜21の温度を上昇させる。これにより炊き上がった御飯の食感を向上させることが期待できる。
【0038】
また本願の発明者は、実際にかまどで炊飯を行った際のかまど内の温度変化を測定した。
図6は、かまどでの炊飯の温度変化の測定結果を示すグラフであり、横軸を時間[分]とし、縦軸を温度[℃]としている。本測定では、かまど内の6箇所に温度センサを配置し、かまどでの炊飯において常温から沸騰温度へ昇温する際の各箇所での温度変化を測定している。6個のセンサはかまど内の上部の3箇所と下部の3箇所とに配置され、
図6のグラフでは上部の3箇所の温度変化を実線で示し、下部の3箇所の温度変化を破線で示している。
【0039】
実際のかまどでの炊飯では、常温から沸騰温度への昇温の過程において、かまど内の上部の温度が先に上昇し、かまど内の下部の温度がその後に上昇している。これに対して従来の炊飯器で同様の測定を行った場合、測定結果のグラフは図示を省略するが、内釜の下部の温度が先に上昇し、上部の温度がその後に上昇していた。この測定結果に基づいて本実施の形態に係る炊飯器1は、内釜21の上部の温度が先に上昇し、内釜21の下部の温度がその後に上昇するように、内釜21の加熱を行っている。
【0040】
図7及び
図8は、本実施の形態に係る炊飯器1の加熱部15の一構成例を示す模式図であり、炊飯器1の内釜21と加熱部15との配置を模式的に示してある。IH方式の炊飯器1の加熱部15は、電磁誘導により内釜21に渦電流を生じさせるためのコイルを備えており、このコイルの巻き数が多いほど高出力で加熱を行うことができる。
図7及び
図8の模式図では、加熱部15のコイルの巻線を模式的な断面として黒丸で示し、黒丸の重なりが多い箇所はコイルの巻き数が多いことを示している。
【0041】
従来の炊飯器では、内釜21を収容する内釜収容部の底部分にのみ、IH方式の加熱を行うためのコイルが配置されていた。これに対して
図7に示す本実施の形態に係る炊飯器1では、内釜収容部の底部分と側面部分とに加熱部15のコイルが配置されている。炊飯器1の加熱部15は、内釜収容部に収容された内釜21の底面及び側面を覆うように配置されたコイルに高周波電流を印加することによって、内釜21の底面及び側面から加熱を行うことができる。また炊飯器1の加熱部15が備えるコイルは、下側のコイルの巻き数が少なく、上側のコイルの巻き数が多い。このため加熱部15は、内釜21の上側を高出力で加熱し、下側を低出力で加熱することができる。
【0042】
また
図8に示す本実施の形態に係る炊飯器1は、内釜21を加熱する加熱部15を、内釜21の上部を加熱する上部加熱部15aと、下部を加熱する下部加熱部15bとに分割した構成である。炊飯器1の制御部11は、上部加熱部15a及び下部加熱部15bを個別に制御することができる。例えば制御部11は、上部加熱部15aによる加熱を下部加熱部15bによる加熱より先に開始することによって、内釜21の上部の温度を先に上昇させることができる。また例えば制御部11は、上部加熱部15aによる加熱を下部加熱部15bによる加熱より高出力で、即ちより多くの電流を印加することで、内釜21の上部の温度を先に上昇させることができる。
【0043】
また本実施の形態に係る炊飯器1において、内釜収容部に収容された内釜21の側面を覆うコイルは、少なくとも内釜21に収容される水の最高水位と同じかそれ以上の高さまで設けられることが好ましい。ここで最高水位とは、炊飯器1で炊くことができる米の最大量(例えば5合炊きの炊飯器において5号の米)に対して必要な水を、この米と共に内釜21に収容した場合の水位である。加熱部15のコイルを最高水位以上の高さまで設けることによって、加熱部15は内釜21に収容された米を上側から加熱することができる。
【0044】
<ドライアップ工程>
本願の発明者は、炊飯器1のドライアップ工程における最高温度を検証するため、実際にかまどで炊飯を行った際のドライアップでの温度変化を測定した。
図9は、かまどでの炊飯の温度変化の測定結果を示すグラフであり、横軸を時間[分]とし、縦軸を温度[℃]としている。本測定では、かまどの底部分に温度センサを配置してドライアップが生じた際の温度変化を測定している。なお
図6のグラフにドライアップに相当する温度変化が見られないのは測定位置の差によるものである。
【0045】
温度測定の結果、実際のかまどでの炊飯におけるドライアップの最高温度は約140℃であった。従来の炊飯器のドライアップ工程における最高温度は約120℃であり、かまどでの炊飯の最高温度が炊飯器よりも高いことが判明した。また本願の発明者は、ドライアップ工程の最高温度が炊き上がる米に与える影響を検証し、最高温度が130℃以上になると米から甘い香り成分が検出されることが分かった。
【0046】
これらの検証結果から、ドライアップ工程の最高温度は130℃以上且つ150℃以下であることが好ましく、この一例として本実施の形態に係る炊飯器1はドライアップ工程の最高温度を140℃としている。なお、ドライアップ工程の最高温度の下限値130℃は上述のように甘い香り成分が検出される温度によるものであり、上限値150℃はこれより高い温度では米が焦げる可能性が高いことによるものである。もし米が焦げることを防止する手段がある場合、ドライアップ工程の最高温度の上限値は150℃より高い温度まで拡張できる可能性がある。
【0047】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る炊飯器1は、内釜21に収容された米に亀裂状組織が形成される温度及び時間で浸漬を行う浸漬工程と、この浸漬工程の後に浸漬温度から沸騰温度まで内釜21の温度を昇温する消音工程とを実行する。浸漬工程においては、30分以上且つ70分以下の浸漬時間と、10℃以上且つ50℃以下の浸漬温度とで浸漬を行うことで、米に亀裂状組織が形成される。これにより炊飯器1は、かまどで炊き上げたような食感を引き出す炊飯を実現することが期待できる。
【0048】
また本実施の形態に係る炊飯器1は、浸漬工程においてでん粉が糊化する温度より低い浸漬温度での浸漬を行い、その後の昇温工程において初めてでん粉が糊化する温度より高い温度まで内釜21の温度を上昇させる。これにより炊飯器1は、炊き上げたご飯の食感を向上することが期待できる。
【0049】
また本実施の形態に係る炊飯器1は、昇温工程の後に沸騰を維持する沸騰維持工程と、内釜21内の水がなくなった後に上昇する温度を所定の最高温度まで到達させ、その後に最高温度から沸騰温度まで降温させるドライアップ工程とを実行する。ドライアップ工程において内釜21の温度を到達させる最高温度は、130℃以上且つ150℃以下であることが好ましく、例えば140℃とすることができる。これにより炊飯器1は、かまどで炊き上げたような甘い香り及び味を引き出す炊飯を実現することが期待できる。
【0050】
また本実施の形態に係る炊飯器1は、昇温工程において内釜21の下部よりも上部の温度を先に上昇させる。このために炊飯器1では、内釜21を加熱する加熱部15のコイルを、内釜収容部に収容された内釜21の底面及び側面を覆うよう配置し、上部のコイルの出力を下部のコイルの出力より高める。又は、炊飯器1は、上部のコイルと下部のコイルとを個別に制御し、上部のコイルによる加熱を下部のコイルによる加熱より先に行うか、もしくは、上部のコイルによる加熱を下部のコイルによる加熱より高出力で行うかしてもよい。これらにより炊飯器1は、昇温工程において内釜21の下部よりも上部の温度を先に上昇させることができ、かまどで炊き上げたような食感を引き出す炊飯を実現することが期待できる。また本実施の形態に係る炊飯方法で炊いた米の食味試験を行った結果、従来方法よりもお米の食味を向上できることが判明している。
【0051】
なお本実施の形態において
図2,
図3,
図6及び
図9に示したグラフは一例であって、これに限るものではない。また
図5に示した米の形状に関する拡大画像は一例であって、これに限るものではない。
【0052】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0053】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも1つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 炊飯器
11 制御部(コンピュータ)
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 加熱部
15a 上部加熱部
15b 下部加熱部
16 温度検知部
21 内釜
31 プログラム(コンピュータプログラム)