(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164685
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】弁ユニット
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080348
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】山内 雅也
(72)【発明者】
【氏名】鍋井 立視
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和宏
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA07
3H062AA13
3H062BB33
3H062CC01
3H062CC27
3H062DD03
3H062EE07
3H062FF01
3H062FF41
3H062GG01
3H062HH03
(57)【要約】
【課題】弁体が回転方向に共振することを抑制する。
【解決手段】弁室(22)が形成された本体及び弁体(30)を有する回転バルブ(20A)と、回転軸(51)を回転させるとともに回転軸の回転位置を保持可能であるモータ(50)と、回転軸と弁体との間で回転力を伝達するマグネットカップリング(60A)と、を備える弁ユニット(10)であって、回転バルブは、本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設けており、マグネットカップリングは8個の外周磁石(62)と8個の外周磁石にそれぞれ対向させて配置された8個の内周磁石(66)とを備え、中心軸線(22c)から8個の外周磁石の外周面までの距離は、中心軸線から最も近い本体の中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上且つ100[%]以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の空間である弁室が形成された本体、及び前記弁室の内部に前記弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納され、前記弁室に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する弁体を有する回転バルブと、
回転軸を有し、前記回転軸を回転させるとともに前記回転軸の回転位置を保持可能であるモータと、
前記回転軸と前記弁体との間で回転力を伝達するマグネットカップリングと、を備える弁ユニットであって、
前記回転バルブは、前記本体の内面と前記弁体との間に所定のクリアランスを設けており、
前記マグネットカップリングは、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石と、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ前記8個の外周磁石にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石とを備え、
前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上且つ100[%]以下である、弁ユニット。
【請求項2】
前記本体の前記外表面に最も近い前記外周磁石の外周面は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記外表面から内側へ5[mm]以内の位置まで近付いている、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項3】
前記本体は、前記中心軸線の方向に延びる正四角柱状に形成されており、
前記中心軸線から最も近い前記本体の前記外表面までの距離は30[mm]である、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項4】
前記中心軸線から前記8個の外周磁石の前記外周面までの距離は、それぞれ27.5[mm]である、請求項3に記載の弁ユニット。
【請求項5】
前記8個の外周磁石及び前記8個の内周磁石の径方向における厚みは3[mm]である、請求項4に記載の弁ユニット。
【請求項6】
前記流体は液体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の弁ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部からの回転力をマグネットカップリングを介して回転バルブの弁体に伝達する弁ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、この種の弁ユニットのマグネットカップリングにおいて、複数の円弧状の外周磁石を周方向において磁極の向きが交互になるように配置し、外周磁石と同数の円弧状の内周磁石を複数の外周磁石に対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置したものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の弁ユニットにおいて、弁体は、弁本体に形成された円柱状の空間である弁室の内部に、弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納されている。弁室を形成する弁本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設けることにより、弁本体の内面と弁体との摺動抵抗を大幅に低減することができ、弁体の回転応答性や回転位置精度を向上させることができると考えられる。しかし、マグネットカップリングは回転方向の力に対して、ばね性の反力を発生する。このため、弁体を保持する回転位置によっては弁室に流入する流体の脈動等による影響が大きくなり、上記クリアランスを設けた場合に弁体が回転方向に共振することに、本願発明者らは着目した。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、駆動部からの回転力をマグネットカップリングを介して回転バルブの弁体に伝達する弁ユニットにおいて、弁本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設ける場合であっても、弁体が回転方向に共振することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
円柱状の空間である弁室が形成された本体、及び前記弁室の内部に前記弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納され、前記弁室に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する弁体を有する回転バルブと、
回転軸を有し、前記回転軸を回転させるとともに前記回転軸の回転位置を保持可能であるモータと、
前記回転軸と前記弁体との間で回転力を伝達するマグネットカップリングと、を備える弁ユニットであって、
前記回転バルブは、前記本体の内面と前記弁体との間に所定のクリアランスを設けており、
前記マグネットカップリングは、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石と、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ前記8個の外周磁石にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石とを備え、
前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上且つ100[%]以下である、弁ユニット。
【0007】
上記構成によれば、回転バルブの本体には、円柱状の空間である弁室が形成されている。弁体は、前記弁室の内部に前記弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納され、前記弁室に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する。このため、弁体を回転させて回転位置を変更することにより、前記弁室に流入する流体の流通状態を変更することができる。モータは、回転軸を有し、前記回転軸を回転させるとともに前記回転軸の回転位置を保持可能である。マグネットカップリングは、前記回転軸と前記弁体との間で回転力(トルク)を伝達する。このため、モータにより回転軸を回転させ、回転軸の回転位置(すなわち弁体の回転位置)を所望の回転位置で保持することにより、弁室に流入する流体の流通状態を所望の流通状態に保持することができる。
【0008】
ここで、前記回転バルブは、前記本体の内面と前記弁体との間に所定のクリアランスを設けている。このため、本体の内面と弁体との摺動抵抗を大幅に低減することができ、弁体の回転応答性や回転位置精度を向上させることができる。しかし、マグネットカップリングは回転方向の力に対して、ばね性の反力を発生する。このため、弁体を保持する回転位置によっては、弁室に流入する流体の脈動等による影響が大きくなり、弁体が回転方向に共振することに、本願発明者らは着目した。
【0009】
この点、前記マグネットカップリングは、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石と、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ前記8個の外周磁石にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石とを備えている。このようにマグネットカップリングが8個の外周磁石と8個の内周磁石とを備える場合は、マグネットカップリングが4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備える場合よりも、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量を大きくすることができ、且つ反力の最大値を大きくすることができることが、シミュレーションにより確認されている。一方、マグネットカップリングが12個の外周磁石と12個の内周磁石とを備える場合は、マグネットカップリングが4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備える場合よりも、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量を大きくすることができるものの、反力の最大値が小さくなることが、シミュレーションにより確認されている。
【0010】
さらに、前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上である。前記中心軸線から前記外周磁石の外周面までの距離が長いほど、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量、及び反力の最大値を大きくすることができることが、シミュレーションにより確認されている。したがって、前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離が、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]未満の場合よりも、外周磁石から内周磁石へ作用する磁力を大きくすることができる。
【0011】
よって、上記構成によれば、マグネットカップリングが発生するばね性の反力を大きくすることができ、マグネットカップリングの固有振動数を流体の脈動の振動数よりも上昇させやすくなる。したがって、本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設けた場合であっても、弁体が回転方向に共振することを抑制することができる。しかも、前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の100[%]以下である。このため、弁室の中心軸線に対して外周磁石の外周面が本体の外表面よりも外側へ張り出すことを避けることができる。
【0012】
第2の手段では、前記本体の前記外表面に最も近い前記外周磁石の外周面は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記外表面から内側へ5[mm]以内の位置まで近付いている。こうした構成によれば、弁室の中心軸線に対して外周磁石の外周面が本体の外表面よりも外側へ張り出すことを避けつつ、外周磁石から内周磁石へ作用する磁力をできるだけ大きくすることができる。
【0013】
具体的には、第3の手段のように、前記本体は、前記中心軸線の方向に延びる正四角柱状に形成されており、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記外表面までの距離は30[mm]である、といった構成を採用することができる。すなわち、回転バルブの本体の横断面(弁室の中心軸線に素直な断面)において、正方形で表される本体の一辺の長さは60[mm]である。こうした構成によれば、回転バルブの本体を60[mm]角の正四角柱状という汎用的な形状及び寸法に形成した上で、弁体が回転方向に共振することを抑制することができる。
【0014】
より具体的には、第4の手段のように、前記中心軸線から前記8個の外周磁石の前記外周面までの距離は、それぞれ27.5[mm]である、といった構成を採用することができる。すなわち、周方向に並べられた8個の外周磁石で形成される円筒状の磁石の外径は、55[mm]である。この場合、8個の外周磁石で形成される円筒状の磁石の外径(55[mm])は、正四角柱状の本体の幅(60[mm])の91.67[%]となる。
【0015】
第5の手段では、前記8個の外周磁石及び前記8個の内周磁石の径方向における厚みは3[mm]である。こうした構成によれば、前記8個の外周磁石及び前記8個の内周磁石の径方向における厚みが、必要以上に厚くなることを抑制することができる。
【0016】
第6の手段では、前記流体は液体である。こうした構成によれば、液体が低圧状態になって気化して気泡が発生するキャビテーションの影響を受ける弁ユニット、すなわち弁体の共振がより発生しやすい弁ユニットにおいて、弁体が回転方向に共振することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図7】比較例の弁ユニットの制御状態を示すタイムチャート。
【
図8】マグネットカップリングの角度ずれ量に対する反力トルクに、磁石厚み及び外周磁石の外径が及ぼす影響を示すシミュレーション結果。
【
図9】マグネットカップリングの角度ずれ量に対する反力トルクが、磁石の個数に応じて変化する傾向を示すシミュレーション結果。
【
図10】マグネットカップリングの角度ずれ量に対する反力トルクと、外周磁石の外径及び磁石の個数との関係を示すシミュレーション結果。
【
図11】本実施形態の弁ユニットの制御状態を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、処理装置のワーク支持台(制御対象)の温度を制御する温度制御システムに具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、温度制御システムに用いられる複数の弁ユニットの1つを示す部分断面図である。弁ユニット10は、第1四方弁20A、第2四方弁20B、モータ50、第1マグネットカップリング60A、第2マグネットカップリング60B等を備えている。
【0020】
モータ50(駆動部)は、ブロック15(スペーサ)及び断熱部材13を介して支持板11(支持部材)により支持されている。モータ50は、回転軸51を有し、回転軸51が本体52(モータ本体)の両側へ突き出している両軸のサーボモータ又はステッピングモータである。モータ50は、回転軸51を回転させるとともに、回転軸51の回転位置を保持可能である。回転軸51の外周縁部の所定位置には、磁石53が取り付けられている。モータ50には、回転軸51と共に回転する磁石53が原点(基準回転位置)に来た時に磁石53の磁気を検出するように、磁気センサ54が取り付けられている。すなわち、磁気センサ54はモータ50(回転軸51)の原点を検出する。モータ50は、制御部80(
図5参照)により制御される。磁気センサ54の検出信号は制御部80に入力される。なお、磁気センサ54を回転軸51の所定位置に取り付ける代わりに、回転軸51の所定位置を磁化させてもよい。
【0021】
第1四方弁20A(回転バルブ)は、第1流路ブロック70A及び断熱部材78を介して支持板11により支持されている。第1四方弁20Aは、本体21、弁体30、ベアリング35,36等を備えている。
【0022】
本体21(弁本体)は、金属等により、直方体状(四角柱状)に形成されている。本体21には、弁室22が円柱状の空間として形成されている。弁室22の中心軸線22cは、モータ50の回転軸51の中心軸線と一致している。本体21は、中心軸線22cの方向に延びる正四角柱状に形成されている。本体21の横断面(中心軸線22cに素直な断面)において、正方形で表される本体21の幅W1(一辺の長さ)は、本実施形態では60[mm]である(
図3参照)。本体21は、60[mm]角の正四角柱状という汎用的な形状及び寸法に形成されている。この場合、中心軸線22cから本体21の外表面までの距離は、外表面21sの位置で最も短くなる。中心軸線22cから外表面21sまでの距離L1は30[mm]である。すなわち、中心軸線22cから最も近い、本体21の中心軸線22cに垂直な方向における外表面21sまでの距離L1は30[mm]である。
【0023】
図2は、
図1のII-II線断面図である。本体21には、弁室22を本体21の外部に連通させ、且つ弁室22の中心軸線22cを中心として右回転方向(所定回転方向)に順に並ぶ位置で弁室22にそれぞれ連通する第1連通路23、第2連通路24、第3連通路25、及び第4連通路26が形成されている。第1連通路23、第2連通路24、第3連通路25、及び第4連通路26は、右回転方向に順に並ぶ第1位置23a、第2位置24a、第3位置25a、及び第4位置26aでそれぞれ弁室22に連通している。すなわち、第1位置23a、第2位置24a、第3位置25a、及び第4位置26aは、弁室22の周方向の一方である右回転方向に順に並んでいる。
【0024】
弁室22の内部には、弁室22の中心軸線22cの方向に柱状に延びる弁体30が収納されている。弁体30は、弁室22の中心軸線22cの方向に延びる円柱状の中央部34と、中央部34から弁室22の径方向に平板状(板状)に延びる第1仕切部31、第2仕切部32、及び第3仕切部33とを備えている。中央部34の中心軸線は、弁室22の中心軸線22cと一致している。中央部34は、ベアリング35,36により、弁室22の中心軸線22cを中心として右回転方向及び左回転方向に回転可能に支持されている。弁体30は、弁室22に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する。
【0025】
第1仕切部31、第2仕切部32、及び第3仕切部33は、右回転方向に順に並んでおり、弁室22を右回転方向で仕切っている。第1仕切部31、第2仕切部32、及び弁室22の内壁により、第1領域27が区画されている。第2仕切部32、第3仕切部33、及び弁室22の内壁により、第2領域28が区画されている。第3仕切部33、第1仕切部31、及び弁室22の内壁により、第3領域29が区画されている。すなわち、弁体30は、弁室22を右回転方向に順に並ぶ第1領域27、第2領域28、及び第3領域29に区画している。
【0026】
弁室22の中心軸線22cを中心として、第1位置23aと第2位置24aとの角度間隔、及び第3位置25aと第4位置26aとの角度間隔は、それぞれ97.5°である。弁室22の中心軸線22cを中心として、第2位置24aと第3位置25aとの角度間隔は120°である。弁室22の中心軸線22cを中心として、第4位置26aと第1位置23aとの角度間隔は45°である。弁室22の中心軸線22cを中心として、第1仕切部31と第2仕切部32との角度間隔、及び第3仕切部33と第1仕切部31との角度間隔は、それぞれ135°である。弁室22の中心軸線22cを中心として、第2仕切部32と第3仕切部33との角度間隔は90°である。
【0027】
すなわち、弁室22の中心軸線22cを中心として右回転方向において、第1仕切部31と第2仕切部32との間隔(角度間隔)は、第1位置23aと第2位置24aとの間隔よりも広く、且つ第1位置23aと第3位置25aとの間隔よりも狭く、且つ第4位置26aと第2位置24aとの間隔よりも狭い。弁室22の中心軸線22cを中心として右回転方向において、第2仕切部32と第3仕切部33との間隔は、第2位置24aと第3位置25aとの間隔よりも狭い。弁室22の中心軸線22cを中心として右回転方向において、第3仕切部33と第1仕切部31との間隔は、第3位置25aと第4位置26aとの間隔よりも広く、第4位置26aと第1位置23aとの間隔よりも広く、且つ第3位置25aと第1位置23aとの間隔よりも狭く、且つ第2位置24aと第4位置26aとの間隔よりも狭い。
【0028】
モータ50の回転軸51の一端は、第1マグネットカップリング60Aを介して、第1四方弁20Aの弁体30に連結されている。すなわち、第1マグネットカップリング60A(マグネットカップリング)は、回転軸51と弁体30との間で回転力(トルク)を伝達する。
図3に合わせて示すように、第1マグネットカップリング60Aは、外周部材61、8個の外周磁石62、内周部材65、及び8個の内周磁石66等を備えている。
【0029】
外周部材61は、有底円筒状に形成されており、回転軸51に連結されている。外周部材61は、回転軸51の中心軸線(弁室22の中心軸線22c)を中心として、回転軸51と一体で回転する。
【0030】
外周部材61の内周縁部には、8個(複数)の外周磁石62が取り付けられている。外周磁石62は、中心軸線22cを中心とする円弧状に形成されており、外周側と内周側とにN極62nとS極62sとを備えている。本実施形態では、8個の外周磁石62の径方向における厚みは3[mm]である。8個の外周磁石62は、外周部材61の周方向において磁極の向きが交互になるように配置されている。
【0031】
周方向に並べられた8個の外周磁石で形成される円筒状の磁石の外径D1(以下、「外周磁石の外径」ということがある)は、本実施形態では55[mm]である。すなわち、弁室22の中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面までの距離は、それぞれ27.5[mm](55[mm]/2)である。この場合、8個の外周磁石で形成される円筒状の磁石の外径D1=55[mm]は、正四角柱状の本体21の幅W1=60[mm]の91.67[%]である。換言すれば、中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面までの距離=27.5[mm]は、中心軸線22cから、最も近い本体21の中心軸線22cに垂直な方向における外表面21sまでの距離L1=30[mm]の91.67[%]である。すなわち、中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面までの距離は、中心軸線22cから最も近い本体21の外表面21sまでの距離L1の90[%]以上且つ100[%]以下である。
【0032】
また、本体21の外表面21sから8個の外周磁石62の外周面までの最短距離は、2.5[mm]である。換言すれば、本体21の外表面21sに最も近い外周磁石62の外周面62fは、中心軸線22cから最も近い本体21の外表面21sから内側へ2.5[mm]の位置まで近付いている。すなわち、本体21の外表面21sに最も近い外周磁石62の外周面62fは、中心軸線22cから最も近い本体21の外表面21sから内側へ5[mm]以内の位置まで近付いている。
【0033】
内周部材65は、円柱状に形成されており、弁体30に連結されている。内周部材65は、弁体30の中央部34の中心軸線(弁室22の中心軸線22c)を中心として、弁体30と一体で回転する。内周部材65の外周縁部には、外周磁石62と同数(8個)の内周磁石66が取り付けられている。内周磁石66は、中心軸線22cを中心とする円弧状に形成されており、外周側と内周側とにN極66nとS極66sとを備えている。本実施形態では、8個の内周磁石66の径方向における厚みは3[mm]である。8個の内周磁石66は、外周部材61(内周部材65)の周方向において磁極の向きが交互になるように配置されている。
【0034】
8個の外周磁石62は、第1四方弁20Aの本体21の透磁部63を介して、8個の内周磁石66とそれぞれ対向している。8個の外周磁石62と透磁部63との間には隙間が形成されており、8個の外周磁石62と透磁部63とは非接触である。透磁部63は、非磁性体材料により形成されており、磁気を透過する。これにより、8個の外周磁石62と8個の内周磁石66とがそれぞれ引き付け合い、外周部材61と内周部材65とが磁力によりトルク伝達可能に結合されている。すなわち、第1マグネットカップリング60Aは、第1四方弁20Aの弁体30とモータ50との間でトルク(回転力)を非接触で伝達する。
【0035】
外周部材61と内周部材65とにトルクが作用していない状態では、
図3に示すように、外周磁石62のN極62nの正面に内周磁石66のS極66sが位置し、外周磁石62のS極62sの正面に内周磁石66のN極66nが位置している。この状態から、外周磁石62と内周磁石66とが回転方向にずれると、第1マグネットカップリング60Aは回転方向(周方向)にばね性の反力を発生する。第1マグネットカップリング60Aが発生する反力は、外周磁石62と内周磁石66との角度のずれ量に応じて、正弦関数的(周期的)に増減する。反力の周期は、外周磁石62及び内周磁石66の数が多いほど短くなる。反力の向きは、周期的に正の方向と負の方向とに反転する。
【0036】
図1に戻り、第1四方弁20Aには、内周部材65と共に回転する内周磁石66の磁気を検出するように、磁気センサ68が取り付けられている。すなわち、磁気センサ68は内周部材65、ひいては弁体30の回転角度(回転位置)を検出する。磁気センサ68の検出信号は制御部80に入力される。
【0037】
第1四方弁20Aの本体21と透磁部63との間は、シール部材63aによりシールされている。第1四方弁20Aの本体21と蓋67との間は、シール部材67aによりシールされている。これにより、本体21、透磁部63、及び蓋67の内部は、第1連通路23、第2連通路24、第3連通路25、及び第4連通路26を除いて密閉されている。ここで、シール部材63a,67aは、弁体30、内周部材65、及び内周磁石66等の回転する部材と接触していない。すなわち、シール部材63a,67aは、他の部材と摺動しない。
【0038】
第1流路ブロック70Aは、金属等により、直方体状(四角柱状)に形成されている。第1流路ブロック70Aの長手方向は、水平方向であり、且つモータ50の回転軸51に垂直な方向となっている。第1流路ブロック70Aには、第1流路ブロック70Aの長手方向に延びる主往路71が形成されている。主往路71は、第1流路ブロック70Aの内部に円柱状の空間として形成されている。また、第1流路ブロック70Aには、第1流路ブロック70Aの長手方向に延びる主復路75が形成されている。主復路75は、第1流路ブロック70Aの内部に円柱状の空間として形成されている。主往路71と主復路75とは平行になっている。第1流路ブロック70Aにおいて、主往路71と主復路75との間には、溝73が形成されている。これにより、主往路71を流通する流体と、主復路75を流通する流体とが、第1流路ブロック70Aを介して熱伝達することを抑制することができる。第1流路ブロック70Aには、主往路71と第1四方弁20Aの第1連通路23とを接続する通路72が形成されている。また、第1流路ブロック70Aには、主復路75と第1四方弁20Aの第4連通路26とを接続する通路76が形成されている。
【0039】
モータ50の回転軸51における第1四方弁20Aと反対側の端は、第2マグネットカップリング60Bを介して、第2四方弁20Bの弁体30に連結されている。第2四方弁20B(回転バルブ)は第1四方弁20Aと同様の構成を備えており、第2マグネットカップリング60B(マグネットカップリング)は第1マグネットカップリング60Aと同様の構成を備えている。第2四方弁20Bは、第1流路ブロック70Aと同様の構成を備える第2流路ブロック70B、及び断熱部材78を介して支持板11により支持されている。すなわち、第1流路ブロック70A及び第2流路ブロック70Bは、共通の支持板11により支持され、第1流路ブロック70Aと第2流路ブロック70Bとの間には、断熱部材78が設けられている。
図4は、
図1のIV-IV線断面図である。
【0040】
右回転方向を正として、第2四方弁20Bの弁体30は、第1四方弁20Aの弁体30に対して位相が-90°ずれている。換言すれば、右回転方向を正として、第1四方弁20Aの弁体30は、第2四方弁20Bの弁体30に対して位相が+90°ずれている。
【0041】
図5は、温度制御システムの模式図である。温度制御システムは、高温側チラー81、低温側チラー82、第1流路ブロック70A、第2流路ブロック70B、弁ユニット10としての第1弁ユニット10A、第2弁ユニット10B、第3弁ユニット10C、第4弁ユニット10D、ワーク支持台としての第1ワーク支持部50A、第2ワーク支持部50B、第3ワーク支持部50C、第4ワーク支持部50D等を備えている。
【0042】
高温側チラー81(第1調整装置)は、タンク、熱交換部、ポンプ等を含む周知の流体循環装置である。流体は、例えばフッ素系の不活性液体である。高温側チラー81のポンプにより不活性液体が圧送される際に、不活性液体に脈動が生じる。また、不活性液体が低圧状態になると、不活性液体が気化して気泡が発生するキャビテーションが起きる場合がある。高温側チラー81は、第1吸入口81a及び第1吐出口81bが設けられ、第1吸入口81aから流体を吸入して高温(例えば180℃、第1温度)に調整して第1吐出口81bから吐出する。第1吐出口81bは、通路81cを介して第1流路ブロック70Aの主往路71に接続されている。第1吸入口81aは、通路81dを介して第1流路ブロック70Aの主復路75に接続されている。すなわち、第1流路ブロック70Aは、第1吐出口81bと各第1四方弁20Aの第1連通路23との間の通路の少なくとも一部、及び各第1四方弁20Aの第4連通路26と第1吸入口81aとの間の通路の少なくとも一部を形成している。
【0043】
低温側チラー82(第2調整装置)は、タンク、熱交換部、ポンプ等を含む周知の流体循環装置である。流体は、例えばフッ素系の不活性液体である。低温側チラー82のポンプにより不活性液体が圧送される際に、不活性液体に脈動が生じる。また、不活性液体が低圧状態になると、不活性液体が気化して気泡が発生するキャビテーションが起きる場合がある。低温側チラー82は、第2吸入口82a及び第2吐出口82bが設けられ、第2吸入口82aから流体を吸入して低温(例えば0℃、第2温度)に調整して第2吐出口82bから吐出する。第2吐出口82bは、通路82cを介して第2流路ブロック70Bの主往路71に接続されている。第2吸入口82aは、通路82dを介して第2流路ブロック70Bの主復路75に接続されている。すなわち、第2流路ブロック70Bは、第1流路ブロック70Aと分離して設けられ、第2吐出口82bと各第2四方弁20Bの第1連通路23との間の通路の少なくとも一部、及び各第2四方弁20Bの第4連通路26と第2吸入口82aとの間の通路の少なくとも一部を形成している。
【0044】
弁ユニット10A~10Dの各第1四方弁20A(回転バルブ)の第2連通路24は、各第1配管41Aに接続されている。弁ユニット10A~10Dの各第2四方弁20B(回転バルブ)の第2連通路24は、各第1配管41Aとは別の各第2配管41Bに接続されている。各弁ユニット10A~10Dにおいて、第1配管41Aと第2配管41Bとは、接続部43で接続されている。各第1配管41Aには、各第1四方弁20Aの第2連通路24から接続部43への流体の流通を許可し、接続部43から各第1四方弁20Aの第2連通路24への流体の流通を禁止する第1逆止弁45が設けられている。各第2配管41Bには、各第2四方弁20Bの第2連通路24から接続部43への流体の流通を許可し、接続部43から各第2四方弁20Bの第2連通路24への流体の流通を禁止する第2逆止弁46が設けられている。
【0045】
各接続部43は、各配管47を介してワーク支持部50A~50Dの各流入口91に接続されている。ワーク支持部50A~50Dは、ワークを支持するワーク支持台の一部又は全部を構成している。各ワーク支持部50A~50Dの内部には、流体の流路92が形成されている。流入口91から流入した流体が、流路92を流通して流出口93から流出する。各ワーク支持部50A~50Dには、第1温度センサ55、第2温度センサ56、及び第3温度センサ57が取り付けられている。第1温度センサ55は、流入口91に流入する流体の温度を検出する。第2温度センサ56は、流路92の中間部を流通する流体の温度を検出する。第3温度センサ57は、流出口93から流出する流体の温度を検出する。温度センサ55~57の検出信号は制御部80に入力される。
【0046】
各ワーク支持部50A~50Dの流出口93は、各配管48に接続されている。弁ユニット10A~10Dの各第1四方弁20Aの第3連通路25は、各配管42Aに接続されている。弁ユニット10A~10Dの各第2四方弁20Bの第3連通路25は、各配管42Bに接続されている。各配管42A及び各配管42Bは、配管48に接続されている。
【0047】
以上により、各第1四方弁20Aにおいて、第1連通路23が通路を介して高温側チラー81の第1吐出口81bに接続され、第2連通路24が通路を介して各ワーク支持部50A~50Dの流入口91に接続され、第3連通路25が通路を介して各ワーク支持部50A~50Dの流出口93に接続され、第4連通路26が通路を介して高温側チラー81の第1吸入口81aに接続されている。また、各第2四方弁20Bにおいて、第1連通路23が通路を介して低温側チラー82の第2吐出口82bに接続され、第2連通路24が通路を介して各ワーク支持部50A~50Dの流入口91に接続され、第3連通路25が通路を介して各ワーク支持部50A~50Dの流出口93に接続され、第4連通路26が通路を介して低温側チラー82の第2吸入口82aに接続されている。
【0048】
図6は、第1四方弁20A及び第2四方弁20Bの各弁体30の状態と流体供給との関係を示す模式図である。右回転方向(時計回りCW:Clock Wise)を正として、第2四方弁20Bの弁体30は、第1四方弁20Aの弁体30に対して位相が-90°ずれている。
図5の弁ユニット10A~10Cが上記構成を備えている。
【0049】
NEUTRAL状態(非流通状態)では、第1四方弁20Aの弁体30は、第2連通路24を第1領域27に連通させ、且つ第3連通路25を第2領域28に連通させ、且つ第4連通路26及び第1連通路23を第3領域29に連通させる(第2状態)。これにより、
図5に示すように、第1流路ブロック70Aの主往路71から弁ユニット10A~10Cの第1四方弁20Aの第1連通路23へ供給された高温の流体は、第3領域29及び第4連通路26を介して第1流路ブロック70Aの主復路75へ排出される。
【0050】
また、NEUTRAL状態では、第2四方弁20Bの弁体30は、第2連通路24を第2領域28に連通させ、且つ第3連通路25を第3領域29に連通させ、且つ第4連通路26及び第1連通路23を第1領域27に連通させる(第2状態)。これにより、
図5に示すように、第2流路ブロック70Bの主往路71から弁ユニット10A~10Cの各第2四方弁20Bの第1連通路23へ供給された低温の流体は、第1領域27及び第4連通路26を介して第2流路ブロック70Bの主復路75へ排出される。
【0051】
ここで、第1四方弁20A及び第2四方弁20Bは、本体21の内面21fと弁体30(詳しくは仕切部31~33)との間に所定のクリアランスA(隙間)を設けることで流体の内部シール性を落としている(低下させている)。これにより、クリアランスAを通じた流体の微少な漏れ(内部シール性の低下)を許容している。すなわち、本体21の内面21fと弁体30の仕切部31~33(内面21fに最も近い弁体30の外面)とが非接触の状態で、弁体30は回転する。なお、
図6では、クリアランスAを誇張して示しているが、クリアランスAの幅は例えば10~40[μm]である。
【0052】
NEUTRAL状態から、弁体30を左回転方向(反時計回り:Counter Clock Wise)に例えば45°回転させることによりHOT供給状態(
図6は全開状態を示す)に切り替わる。HOT供給状態(第1流通状態)では、第1四方弁20Aの弁体30は、第1連通路23及び第2連通路24を第1領域27に連通させ、且つ第3連通路25及び第4連通路26を第3領域29に連通させる(第1状態)。また、HOT供給状態では、第2四方弁20Bの弁体30は、第2連通路24を第2領域28に連通させ、且つ第3連通路25を第3領域29に連通させ、且つ第4連通路26及び第1連通路23を第1領域27に連通させる(第2状態)。
図6ではHOT供給状態の全開状態を示しているが、弁体30の回転角度を45°よりも小さい任意の角度に調節することにより、高温の流体の流量を調節することができる。
【0053】
NEUTRAL状態から、弁体30を右回転方向に例えば45°回転させることによりCOLD供給状態(
図6は全開状態を示す)に切り替わる。COLD供給状態(第1流通状態)では、第1四方弁20Aの弁体30は、第2連通路24を第1領域27に連通させ、且つ第3連通路25を第2領域28に連通させ、且つ第4連通路26及び第1連通路23を第3領域29に連通させる(第2状態)。また、COLD供給状態では、第2四方弁20Bの弁体30は、第1連通路23及び第2連通路24を第1領域27に連通させ、且つ第3連通路25及び第4連通路26を第3領域29に連通させる(第1状態)。
図6ではCOLD供給状態の全開状態を示しているが、弁体30の回転角度を45°よりも小さい任意の角度に調節することにより、低温の流体の流量を調節することができる。
【0054】
制御部80は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース、駆動回路等を備えるマイコンである。制御部80は、ワーク支持部50A~50Dの各第2温度センサ56の検出信号及び磁気センサ54,68の検出信号に基づいて、ワーク支持部50A~50Dの各流路92の中間部の温度を各目標温度に制御すべく、弁ユニット10A~10Dの各モータ50の駆動を制御する(目標温度制御)。
【0055】
具体的には、制御部80は、例えばユーザが設定したワーク支持部50A~50Dの表面の設定温度に基づいて、ワーク支持部50A~50Dの各流路92の中間部の目標温度を、0℃(第2温度)よりも高く且つ180℃(第1温度)よりも低く設定する。目標温度は、例えばワーク支持部50A~50Dの表面の温度と、ワーク支持部50A~50Dの各流路92の中間部の温度との差に基づいて設定される。
【0056】
制御部80は、ワーク支持部50A~50Dの各第2温度センサ56により検出された各温度(ワーク支持部50A~50Dの各温度)が、0℃よりも高く且つ目標温度よりも低く且つ180℃よりも低い場合に、弁ユニット10A~10Dの各モータ50により各弁体30の回転角度(回転位置)を制御してHOT供給状態(第1流通状態)に切り替えさせる。また、制御部80は、各第2温度センサ56により検出された各温度が、0℃よりも高く且つ目標温度よりも高く且つ180℃よりも低い場合に、弁ユニット10A~10Dの各モータ50により各弁体30の回転角度(回転位置)を制御してCOLD供給状態(第2流通状態)に切り替えさせる。そして、制御部80は、各第2温度センサ56により検出された各温度が0℃よりも高く且つ180℃よりも低く且つ目標温度を含む所定温度範囲である場合に、弁ユニット10A~10Dの各モータ50により各弁体30を回転させて、HOT供給状態及びCOLD供給状態よりも優先してNEUTRAL状態(非流通状態)に切り替えさせる。所定温度範囲は、例えば目標温度±5℃の範囲内であり、各第2温度センサ56により検出された各温度が目標温度に略等しいとみなすことができる温度範囲である。
【0057】
上述したように、第1四方弁20A及び第2四方弁20Bは、本体21の内面21fと弁体30との間に所定のクリアランスA(隙間)を設けることで流体の内部シール性を落としている。これにより、本体21の内面21fと弁体30との摺動抵抗を大幅に低減することができ、弁体30の回転応答性や回転位置精度を向上させることができる。一方、本体21の内面21fと弁体30との摺動抵抗が低減されると、弁体30が回転方向の力により振動した際に振動が減衰しにくくなる。そして、マグネットカップリング60A,60Bは回転方向の力に対して、ばね性の反力を発生する。このため、弁体30を保持する回転位置によっては、弁室22に流入する流体の脈動やキャビテーション等による影響が大きくなり、弁体30が回転方向に共振することに、本願発明者らは着目した。
【0058】
図7は、比較例の弁ユニットの制御状態を示すタイムチャートである。ここでは、弁体30の回転角度をステップ状に変化させて保持した場合に、磁気センサ68により検出される弁体30の回転角度を示している。比較例の弁ユニットのマグネットカップリング(以下、「比較例のマグネットカップリング」という)は、4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備えており、周方向に並べられた4個の外周磁石で形成される円筒状の磁石の外径(外周磁石の外径)が47[mm]であり、外周磁石の外径に応じた外径の内周磁石を備えている。すなわち、弁室22の中心軸線22cから外周磁石の外周面までの距離は23.5[mm]である。比較例のマグネットカップリングのその他の構成は、第1マグネットカップリング60Aの対応する構成に準じている。このため、比較例のマグネットカップリングでは、内周磁石及び外周磁石の厚みは3[mm]である。
【0059】
比較例の弁ユニットでは、磁気センサ68により検出される弁体30の回転角度が±15[°]付近である場合に、弁体30の回転角度が変動している。すなわち、弁体30が回転方向に共振する予兆が生じている。また、磁気センサ68により検出される弁体30の回転角度が-25[°]付近である場合に、弁体30の回転角度が大きく変動し、弁体30が回転方向に共振している。その結果、弁体30の回転角度を保持できなくなっている。例えば、モータ50がステッピングモータである場合は、ステッピングモータが脱調して制御できなくなっている。
【0060】
図8は、マグネットカップリングの角度ずれ量に対する反力トルクに、磁石厚み及び外周磁石の外径が及ぼす影響を示すシミュレーション結果である。角度ずれ量は、外周磁石62のN極の正面に内周磁石66のS極が位置する状態から、外周磁石62と内周磁石66との角度がずれた量である。マグネットカップリングが発生する反力トルクが負の値の場合は外部からのトルクに対して回転を妨げる方向のトルクが生じ、反力トルクが正の値の場合は外部からのトルクに対して回転を増長する方向のトルクが生じている。一点鎖線の枠Uは、弁体30が共振していないとみなせる外周磁石と内周磁石との角度ずれ量の範囲であり、この範囲を超えた場合は弁体30に共振の予兆が生じている若しくは弁体30が共振していることとなる。弁体30の共振を抑制するためには、枠Uの範囲における反力トルクの大きさを大きくし、マグネットカップリングの固有振動数を上昇させることが有効である。すなわち、反力トルクのピーク値の大きさよりも、単位回転ずれ量当たりの反力トルクの大きさの増加量(回転ずれ量に対する反力トルクの増加量)が重要となる。
【0061】
破線のグラフF1は、
図7で説明した比較例のマグネットカップリングの反力トルクを示している。一点鎖線のグラフF2は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石の厚みを内径側へ3[mm]から5[mm]に拡大し、それに応じて内周磁石の外径を縮小した場合の反力トルクを示している。実線のグラフF3は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石の外径を47[mm]から55[mm](弁室22の中心軸線22cから外周磁石の外周面までの距離を23.5[mm]から27.5[mm])に拡大し、それに応じて内周磁石の外径を拡大した場合の反力トルクを示している。この結果から、外周磁石の厚みを内径側へ拡大すること、及び外周磁石の外径を拡大することのいずれも、枠Uの範囲における反力トルクの大きさを大きくするために有効である。そして、外周磁石の厚みを内径側へ拡大することよりも、外周磁石の外径を拡大することが、枠Uの範囲における反力トルクの大きさを大きくするためにより有効である。
【0062】
図9は、マグネットカップリングの角度ずれ量に対する反力トルクが、磁石の個数に応じて変化する傾向を示すシミュレーション結果である。
【0063】
破線のグラフF1は、上記比較例のマグネットカップリングの反力トルクを示している。一点鎖線のグラフF4は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石及び内周磁石の数を4個から12個に増加させた場合の反力トルクを示している。実線のグラフF5は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石及び内周磁石の数を4個から8個に増加させた場合の反力トルクを示している。この結果から、外周磁石及び内周磁石の数を増加させた場合は、枠Uの範囲において、単位回転ずれ量当たりの反力トルクの大きさの増加量が大きくなっている。しかし、磁石の数を12個に増加させた場合と8個に増加させた場合とで、枠Uの範囲において反力トルクの大きさに違いがない。したがって、外周磁石及び内周磁石の数を8個に増加させることが、必要最少限の磁石数で枠Uの範囲における反力トルクの大きさを大きくするためにより有効である。
【0064】
なお、外周磁石及び内周磁石の厚みが3[mm]の場合に限らず、外周磁石及び内周磁石の厚みが2~4[mm]の場合も略同様の結果であり、外周磁石及び内周磁石の厚みが2~4[mm]から外れても同様の傾向となることが、シミュレーションにより確認されている。また、外周磁石の外径が47[mm]の場合に限らず、外周磁石の外径が50~60[mm](弁室22の中心軸線22cから外周磁石の外周面までの距離は25~30[mm])の場合も略同様の結果であり、外周磁石の外径が50~60[mm]から外れても同様の傾向となることが、シミュレーションにより確認されている。
【0065】
図10は、マグネットカップリングの角度ずれ量に対する反力トルクと、外周磁石の外径及び磁石の個数との関係を示すシミュレーション結果である。ここでは、上記枠Uの範囲付近の角度ずれ量について、外部からのトルクに対して回転を妨げる方向の反力トルクを正の値で示している。
【0066】
破線のグラフF1は、上記比較例のマグネットカップリングの反力トルクを示している。二点鎖線のグラフF5は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石及び内周磁石の数を4個から8個に増加させた場合の反力トルクを示している。一点鎖線のグラフF3は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石の外径を47[mm]から55[mm]に拡大し、それに応じて内周磁石の外径を拡大した場合の反力トルクを示している。実線のグラフF6は、比較例のマグネットカップリングの外周磁石及び内周磁石の数を4個から8個に増加させ、且つ外周磁石の外径を47[mm]から55[mm]に拡大し、それに応じて内周磁石の外径を拡大した場合、すなわち本実施形態の第1マグネットカップリング60Aの反力トルクを示している。この結果から、外周磁石及び内周磁石の数を4個から8個に増加させ、且つ外周磁石の外径を47[mm]から55[mm]に拡大し、それに応じて内周磁石の外径を拡大することにより、反力トルクを飛躍的に大きくすることできる。
【0067】
なお、外周磁石及び内周磁石の厚みが3[mm]の場合に限らず、外周磁石及び内周磁石の厚みが2~4[mm]の場合も略同様の結果であり、外周磁石及び内周磁石の厚みが2~4[mm]から外れても同様の傾向となることが、シミュレーションにより確認されている。
【0068】
図11は、本実施形態の弁ユニットの制御状態を示すタイムチャートである。ここでは、弁体30の回転角度をステップ状に変化させて保持した場合に、磁気センサ68により検出される弁体30の回転角度を示している。本実施形態の弁ユニット10では、磁気センサ68により検出される弁体30の回転角度が45[°]~-45[°]である全使用範囲において、弁体30が回転方向に共振しておらず、弁体30が回転方向に共振する予兆も生じていない。
【0069】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0070】
・第1四方弁20Aは、本体21の内面21fと弁体30との間に所定のクリアランスAを設けることで流体の内部シール性を落としている(低下させている)。このため、本体21の内面21fと弁体30との摺動抵抗を大幅に低減することができ、弁体30の回転応答性や回転位置精度を向上させることができる。
【0071】
・第1マグネットカップリング60Aは、中心軸線22cを中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石62と、中心軸線22cを中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ8個の外周磁石62にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石66とを備えている。このように第1マグネットカップリング60Aが8個の外周磁石62と8個の内周磁石66とを備える場合は、第1マグネットカップリング60Aが4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備える場合よりも、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量を大きくすることができ、且つ反力の最大値を大きくすることができることが、シミュレーションにより確認されている。なお、第1マグネットカップリング60Aが12個の外周磁石と12個の内周磁石とを備える場合は、第1マグネットカップリング60Aが4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備える場合よりも、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量を大きくすることができるものの、反力の最大値が小さくなることが、シミュレーションにより確認されている。
【0072】
・中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面62fまでの距離は、中心軸線22cから最も近い本体21の中心軸線22cに垂直な方向における外表面21sまでの距離L1の90[%]以上である。中心軸線22cから外周磁石の外周面までの距離が長いほど、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量、及び反力の最大値を大きくすることができることが、シミュレーションにより確認されている。したがって、中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面62fまでの距離が、中心軸線22cから最も近い本体21の中心軸線22cに垂直な方向における外表面21sまでの距離の90[%]未満の場合よりも、外周磁石62から内周磁石66へ作用する磁力を大きくすることができる。
【0073】
・よって、第1マグネットカップリング60Aが発生するばね性の反力を大きくすることができ、第1マグネットカップリング60Aの固有振動数を流体の脈動の振動数よりも上昇させやすくなる。したがって、本体21の内面21fと弁体30との間に所定のクリアランスAを設けて流体の内部シール性を落とす場合であっても、弁体30が回転方向に共振することを抑制することができる。しかも、中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面62fまでの距離は、中心軸線22cから最も近い本体21の中心軸線22cに垂直な方向における外表面21sまでの距離L1の100[%]以下である。このため、弁室22の中心軸線22cに対して外周磁石62の外周面62fが本体21の外表面21sよりも外側へ張り出すことを避けることができる。
【0074】
・本体21の外表面21sに最も近い外周磁石62の外周面62fは、中心軸線22cから最も近い本体21の外表面21sから内側へ5[mm]以内の位置まで近付いている。こうした構成によれば、弁室22の中心軸線22cに対して外周磁石62の外周面62fが本体21の外表面21sよりも外側へ張り出すことを避けつつ、外周磁石62から内周磁石66へ作用する磁力をできるだけ大きくすることができる。
【0075】
・本体21は、中心軸線22cの方向に延びる正四角柱状に形成されており、中心軸線22cから最も近い本体21の外表面21sまでの距離L1は30[mm]である。すなわち、第1四方弁20Aの本体21の横断面(弁室22の中心軸線22cに素直な断面)において、正方形で表される本体21の一辺の長さは60[mm]である。こうした構成によれば、第1四方弁20Aの本体21を60[mm]角の正四角柱状という汎用的な形状及び寸法に形成した上で、弁体30が回転方向に共振することを抑制することができる。
【0076】
・中心軸線22cから8個の外周磁石62の外周面62fまでの距離は、それぞれ27.5[mm]である。すなわち、周方向に並べられた8個の外周磁石62で形成される円筒状の磁石の外径は、55[mm]である。この場合、8個の外周磁石62で形成される円筒状の磁石の外径(55[mm])は、正四角柱状の本体21の幅(60[mm])の91.67[%]となり、
図10に示すように枠Uの範囲において反力トルクを飛躍的に大きくすることできる。
【0077】
・8個の外周磁石62及び8個の内周磁石66の径方向における厚みは3[mm]である。こうした構成によれば、8個の外周磁石62及び8個の内周磁石66の径方向における厚みが、必要以上に厚くなることを抑制することができる。
【0078】
・流体は液体である。このため、液体が低圧状態になって気化して気泡が発生するキャビテーションの影響を受ける弁ユニット10、すなわち弁体30の共振がより発生しやすい弁ユニット10において、弁体30が回転方向に共振することを抑制することができる。
【0079】
・第1マグネットカップリング60Aは、第1四方弁20Aの弁体30とモータ50との間でトルクを非接触で伝達する。このため、第1四方弁20Aの弁体30を密閉した状態で回転させ易くなるとともに、第1四方弁20Aの弁体30とモータ50との間で熱が伝達されることを抑制することができる。同様に、第2マグネットカップリング60Bは、第2四方弁20Bの弁体30とモータ50との間でトルクを非接触で伝達する。このため、第2四方弁20Bの弁体30を密閉した状態で回転させ易くなるとともに、第2四方弁20Bの弁体30とモータ50との間で熱が伝達されることを抑制することができる。ひいては、第1四方弁20Aにより流通を制御する流体と第2四方弁20Bにより流通を制御する流体との温度が異なる場合に、第1四方弁20Aの弁体30と第2四方弁20Bの弁体30との間でモータ50を介して熱が伝達されることを抑制することができる。
【0080】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0081】
・
図12,13に示すように、第1四方弁20A(弁ユニット10)に、弁体30の回転方向の共振を抑制するダンパ38(ショックアブソーバ)を設けることもできる。ダンパ38は、弁体30の中央部34を延長した延長部34a、蓋67に形成した凹部67b、延長部34aに設けた突起34b、及び蓋67に形成した円弧状の凹部67cにより構成されている。延長部34aは、弁体30の中央部34を中心軸線22cの方向のうち蓋67側へ延長した部分であり、円柱状に形成されている。凹部67bは、延長部34aを収納しており、断面円形に形成されている。凹部67bの内周面と延長部34aの外周面とは、第1四方弁20Aにより制御する流体が略流通しない(流通しない若しくは流通しにくい)ように近接している。突起34bは、羽根状(板状)に形成されており、延長部34aから径方向へ所定の長さで突出している。円弧状の凹部67cは、延長部34aの外周に、中心軸線22cを中心とする円弧状に形成されている。凹部67cの内部に突起34bが配置されている。突起34bの先端と凹部67cの内面との間には、所定のクリアランスBが形成されている。凹部67cの内部は、第1四方弁20Aにより流通状態を制御する流体で満たされている。
【0082】
上記構成によれば、弁体30が回転する際に、延長部34aと共に突起34bが回転する。これにより、凹部67cの内部の流体が、突起34bにより押されて流動する。ここで、凹部67bの内周面と延長部34aの外周面との間は流体が略流通しないため、凹部67cの内部の流体はクリアランスBのみを通じて流動する。この際に、弁体30の回転に対して抵抗が付与され、特に弁体30の回転速度が速いほど抵抗が大きくなる。したがって、ダンパ38は、弁体30が回転方向に共振して高速で回転する際に大きな抵抗を付与することができ、弁体30が共振することを抑制することができる。
【0083】
・本体21は、正四角柱状(四角柱状)に限らず、その他の正多角柱状(多角柱状)や、円柱状に形成されていてもよい。本体21が円柱状に形成されている場合は、弁室22の中心軸線22cから最も近い、本体21の中心軸線22cに垂直な方向における外表面21sは、本体21の外周面全体となる。
【0084】
・第1四方弁20A(回転バルブ)の弁体30と第2四方弁20B(回転バルブ)の弁体30とを、別々のモータにより位相が90°ずれた状態で(連動させて)回転させることもできる。また、第1四方弁20Aの弁体30と第2四方弁20Bの弁体30とを、別々のモータにより独立して回転させることもできる。また、第1四方弁20A又は第2四方弁20Bを単独で使用することもできる。
【0085】
・弁ユニット10が備える回転バルブは、四方弁に限らず、三方弁等であってもよい。その場合であっても、本体21の内面21fと弁体との間に所定のクリアランスAを設けている回転バルブにおいて、第1マグネットカップリング60Aを採用することにより、弁体の共振を抑制することができる。
【0086】
・回転バルブの弁体は、円柱状の中央部と、中央部から弁室22の径方向に板状に延びる複数の仕切部とを備える構成に限らず、円柱状の弁体の内部に流体の流路が形成された構成であってもよい。その場合であっても、本体21の内面21fと弁体との間に所定のクリアランスAを設けている回転バルブにおいて、第1マグネットカップリング60Aを採用することにより、弁体の共振を抑制することができる。
【0087】
・流体としては、フッ素系の不活性液体に限らず、アルコール、水、油等を採用することもできる。また、流体としては、液体に限らず、気体を採用することもできる。
【0088】
・モータ50と、第1マグネットカップリング60A及び第2マグネットカップリング60Bとの間に、モータ50の回転速度を加速又は減速する変速機構(例えばギヤ機構等)を設けることもできる。
【0089】
なお、上記実施形態及びその変更例を、組み合わせ可能な範囲で組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0090】
10…弁ユニット、20A…第1四方弁(回転バルブ)、20B…第2四方弁(回転バルブ)、21…本体、21f…内面、21s…外表面、22…弁室、22c…中心軸線、30…弁体、34…中央部、50…モータ、51…回転軸、60A…第1マグネットカップリング(マグネットカップリング)、60B…第2マグネットカップリング(マグネットカップリング)、61…外周部材、62…外周磁石、62f…外周面、62n…N極、62s…S極、63…透磁部、65…内周部材、66…内周磁石、66n…N極、66s…S極、A…クリアランス、D1…外径、L1…距離、W1…幅。