(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164698
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム及び管理システム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241120BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
G03G21/00 396
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080368
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】井上 直樹
(72)【発明者】
【氏名】早戸 拓也
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA62
2H270LA77
2H270LA80
2H270LA87
2H270NA10
2H270NA12
2H270NB08
2H270NC02
2H270NC07
2H270NC14
2H270NC16
2H270NC22
2H270ND02
2H270ND04
2H270ND13
2H270ND22
2H270ND36
2H270RA10
2H270RB04
2H270RC05
2H270RC13
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
(57)【要約】
【課題】ユーザに提供する色材の量を適切にする技術を提供する。
【解決手段】色材を使用してシートに画像を形成する画像形成装置を管理するサーバ装置は、前記画像形成装置が有する前記色材の残量が第1条件を満たす場合、前記画像形成装置のユーザに前記色材を提供すると判定する第1判定手段と、前記第1判定手段が前記ユーザに第1色材を提供すると判定した場合、第1タイミングまでの前記第1色材の第1消費量を判定し、前記第1消費量に基づき前記ユーザに提供する前記第1色材の第1提供量を判定する第2判定手段と、を備えている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
色材を使用してシートに画像を形成する画像形成装置を管理するサーバ装置であって、
前記画像形成装置が有する前記色材の残量が第1条件を満たす場合、前記画像形成装置のユーザに前記色材を提供すると判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段が前記ユーザに第1色材を提供すると判定した場合、第1タイミングまでの前記第1色材の第1消費量を判定し、前記第1消費量に基づき前記ユーザに提供する前記第1色材の第1提供量を判定する第2判定手段と、
を備えている、サーバ装置。
【請求項2】
前記第1条件は、前記色材の残量が0になると、或いは、前記色材の残量が第1閾値より小さくなると満たされる、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第1判定手段は、前記色材の残量が前記第1条件を満たしていることの通知を前記画像形成装置から受信する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記第1タイミングは、所定のタイミングである、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記第2判定手段は、前記第1色材の第1消費速度と、前記第1タイミングまでの期間と、に基づき前記第1消費量を判定する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記第2判定手段は、前記画像形成装置における前記第1色材の残量の履歴に基づき前記第1消費速度を判定する、請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記第2判定手段は、前記第1消費速度を判定するために、前記画像形成装置とは異なる1つ以上の別の画像形成装置における前記第1色材の残量の履歴を使用する、請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記第2判定手段は、前記ユーザとの契約に基づく契約枚数と、前記第1タイミングまでの期間と、に基づき前記第1消費量を判定し、
前記契約枚数は、前記第1色材を使用して単位期間当たりに前記画像を形成できる前記シートの前記契約における枚数を示す、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記第2判定手段は、前記契約に基づき前記ユーザに最初に提供する前記色材の提供量を、前記契約の契約期間と、前記契約枚数と、に基づき判定する、請求項8に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記第2判定手段は、前記第1消費量に基づく判定量が予め定められた異なる複数の色材量の最大量より大きい場合には、前記最大量を前記第1提供量として選択し、それ以外の場合には、前記判定量以上であり、かつ、前記判定量に最も近い色材量を前記第1提供量として前記複数の色材量から選択する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記判定量は、前記第1消費量から前記第1色材の残量を減じた量に基づく、請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記第1提供量は、前記第1消費量、又は、前記第1消費量から前記第1色材の残量を減じた量である、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記画像形成装置は、前記第1色材を収容する収容部材を本体部に格納して前記シートに前記画像を形成し、
前記複数の色材量それぞれは、前記収容部材の収容可能量以下である、請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項14】
前記画像形成装置は、前記第1色材を収容する収容部材から前記画像形成装置の収容部に補給された前記第1色材を使用して前記シートに前記画像を形成し、
前記複数の色材量それぞれは、前記収容部材の収容可能量以下である、請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項15】
前記画像形成装置は、前記シートに前記画像を形成するために前記第1色材を含む複数の色材を使用し、
前記第1判定手段は、前記第1色材の残量が前記第1条件を満たす場合、前記複数の色材の内の前記第1色材とは異なる色材の残量が第2条件を満たすかを判定し、前記残量が前記第2条件を満たす第2色材を前記ユーザに提供すると判定し、
前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記第2色材を前記ユーザに提供すると判定した場合、前記第1タイミングまでの前記第2色材の第2消費量を判定し、前記第2消費量に基づき前記ユーザに提供する前記第2色材の第2提供量を判定する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項16】
前記第1条件は、前記残量が0になると満たされ、かつ、前記第2条件は、前記残量が0より大きい第2閾値より小さくなると満たされる、或いは、
前記第1条件は、前記残量が第1閾値より小さくなると満たされ、かつ、前記第2条件は、前記残量が前記第1閾値より大きい第2閾値より小さくなると満たされる、請求項15に記載のサーバ装置。
【請求項17】
前記第2判定手段は、前記複数の色材の内に、前記第2条件を満たさない第3色材が存在する場合、前記第3色材の残量が前記第1条件を満たす範囲内の所定量となる第2タイミングを判定し、前記第2タイミングに基づき前記第1タイミングを判定し、
前記第2タイミングは、前記第3色材の残量と、前記第3色材の第2消費速度と、に基づき判定される、請求項15に記載のサーバ装置。
【請求項18】
前記第2条件を満たさない複数の第3色材が存在する場合、前記第2判定手段は、前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングを判定し、前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングの内の最も遅いタイミングに基づき前記第1タイミングを判定する、請求項17に記載のサーバ装置。
【請求項19】
前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングの内の最も遅いタイミングが所定のタイミングより遅い場合、前記第2判定手段は、前記所定のタイミングを前記第1タイミングと判定し、それ以外の場合、前記第2判定手段は、前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングの内の最も遅いタイミングを前記第1タイミングと判定する、請求項18に記載のサーバ装置。
【請求項20】
前記第2判定手段は、前記複数の色材の内の前記第1色材とは異なる総ての色材の残量が前記第2条件を満たす場合、予め定められた異なる複数の色材量の内の最大量を前記画像形成装置に提供した後に、前記残量が前記第1条件を満たす範囲内の所定量となる第3タイミングを前記複数の色材それぞれについて判定し、前記複数の色材それぞれの第3タイミングの内の最も早いタイミングに基づき前記第1タイミングを判定し、
前記色材の前記第3タイミングは、当該色材の前記残量と、当該色材の消費速度と、に基づき判定される、請求項15に記載のサーバ装置。
【請求項21】
前記複数の色材それぞれの第3タイミングの内の最も早いタイミングが所定のタイミングより遅い場合、前記第2判定手段は、前記所定のタイミングを前記第1タイミングと判定し、それ以外の場合には、前記複数の色材それぞれの第3タイミングの内の最も早いタイミングを前記第1タイミングと判定する、請求項20に記載のサーバ装置。
【請求項22】
1つ以上のプロセッサを有する装置の前記1つ以上のプロセッサで実行されると、前記装置を請求項1から21のいずれか1項に記載のサーバ装置として動作させるコンピュータプログラム。
【請求項23】
請求項1から21のいずれか1項に記載のサーバ装置と、
前記サーバ装置と通信可能に構成された前記画像形成装置と、
を含む管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像形成装置におけるサブスクリプションサービスのためのシステムを開示している。以下の説明において、サブスクリプションサービスを、単に、"サービス"とも表記する。特許文献1によると、サービス提供者は、サービス利用中にのみ使用可能な専用カートリッジをユーザに提供している。カートリッジは、画像形成装置が画像形成に使用する色材を収容している。ユーザがサービスの利用を開始すると通常カートリッジは使用できなくなり、ユーザがサービスの利用を停止すると専用カートリッジは使用できなくなる。このため、特許文献1は、サービスの利用開始時に、ユーザが使用している通常カートリッジをサービス提供者が買い取ることと、サービスの利用停止時に、ユーザが使用している専用カートリッジをサービス提供者が買い上げることと、を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1は、サブスクリプションサービスにおいてユーザに提供する色材の量を適切にすることを開示してはいない。
【0005】
本発明は、ユーザに提供する色材の量を適切にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、色材を使用してシートに画像を形成する画像形成装置を管理するサーバ装置は、前記画像形成装置が有する前記色材の残量が第1条件を満たす場合、前記画像形成装置のユーザに前記色材を提供すると判定する第1判定手段と、前記第1判定手段が前記ユーザに第1色材を提供すると判定した場合、第1タイミングまでの前記第1色材の第1消費量を判定し、前記第1消費量に基づき前記ユーザに提供する前記第1色材の第1提供量を判定する第2判定手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ユーザに提供する色材の量を適切にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】幾つかの実施形態による、画像形成装置の概略的な構成図。
【
図2】幾つかの実施形態による、画像形成装置の現像ユニットの構成図。
【
図3】幾つかの実施形態による、画像形成装置に対するカートリッジ交換手順の説明図。
【
図4】幾つかの実施形態による、管理システムの構成図。
【
図5】幾つかの実施形態による、管理サーバの構成図。
【
図7】幾つかの実施形態による、判定情報を示す図。
【
図8】一実施形態による、登録処理のシーケンス図。
【
図9】幾つかの実施形態による、トナーの提供量を判定する処理のフローチャート。
【
図10】幾つかの実施形態による、提供トナーを判定する処理の説明図。
【
図11】幾つかの実施形態による、トナーの提供量を判定する処理のフローチャート。
【
図12】幾つかの実施形態による、画像形成装置の斜視図。
【
図13】幾つかの実施形態による画像形成装置へのトナー補給の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下の各実施形態は、コピー機、プリンタ、ファクシミリ受信機及び複合機等の画像形成装置に適用可能である。また、以下では、トナーを色材として使用する電子写真方式の画像形成装置に基づき各実施形態の説明を行う。しかしながら、例えば、インクを色材として使用するインクジェットプリンタ等、他の種別の色材を使用して画像を形成する任意の種別の画像形成装置に対して以下の各実施形態を適用することができる。
【0011】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態による管理システムの管理対象である画像形成装置1の概略的な断面図である。感光体2は、画像形成時、
図1の反時計回り方向に回転駆動される。帯電ローラ3は、感光体2の表面を帯電させる。露光装置4は、画像情報に基づき感光体2を露光して感光体に静電潜像を形成する。現像ユニット50y、50m、50c及び50kを有するロータリ90は、
図1の時計回り方向に回転可能に構成される。
【0012】
現像ユニット50y、50m、50c及び50kの構成は同様であるため、以下では、代表して現像ユニット50yの構成について説明する。トレイ80yは、ロータリ90に連結され、ロータリ90の半径方向に移動可能に構成される。トレイ80yには、カートリッジ70yが装着される。カートリッジ70yは、イエローのトナーを収容する収容部材である。カートリッジ70yは、現像ユニット50yのトナー収容部53a(
図2)にトナーを供給する。供給ローラ52yは、トナー収容部53aのトナーを現像ローラ51yに供給する。現像ローラ51yは、ロータリ90の回転により感光体2と対向している際に、感光体2の静電潜像をイエローのトナーで現像することで、感光体2にイエローのトナー像を形成する。以下、現像ユニット50yの現像ローラ51yが感光体2と対向するロータリ90の姿勢を、イエロー現像姿勢と表記する。現像ユニット50m、50c及び50kについても、現像ユニット50yと同様に、マゼンタ現像姿勢、シアン現像姿勢及びブラック現像姿勢が定義される。マゼンタ現像姿勢、シアン現像姿勢及びブラック現像姿勢は、現像ユニット50m、50c及び50kそれぞれが感光体2の静電潜像を現像できるロータリ90の姿勢である。
【0013】
上述した様に、現像ユニット50y、50m、50c及び50kの構成は同様であるため、以下では、現像ユニット50y、50m、50c及び50kを総称して現像ユニット50とも表記する。また、現像ユニット50の各構成要素についても、総称的に、トレイ80と、カートリッジ70と、供給ローラ52と、現像ローラ51と表記する。なお、カートリッジ70のサイズについては、各色について同じである必要はない。例えば、イエロー、シアン及びマゼンタのトナーはカラー印刷でのみ使用されるが、ブラックのトナーは、モノクロ印刷とカラー印刷の両方で使用される。したがって、一般的に、ブラックのトナー消費量は、イエロー、シアン及びマゼンタのトナー消費量より多くなる。したがって、ブラックのトナーを収容するカートリッジ70については、他の色のトナーを収容するカートリッジ70よりサイズを大きくして、より多くの量のトナーを収容する構成とし得る。
【0014】
一次転写ローラ11は、感光体2に形成されたトナー像を中間転写ベルト10に転写する。クリーニングユニット6は、中間転写ベルト10に転写されず、感光体2に残留したトナーを感光体2から除去する。中間転写ベルト10は、画像形成時、
図1の時計回り方向に回転駆動される。カラー画像を形成する場合、例えば、ロータリ90をイエロー現像姿勢として感光体2にイエローのトナー像を形成し、これを中間転写ベルト10に転写する。続いて、ロータリ90をマゼンタ現像姿勢として感光体2にマゼンタのトナー像を形成する。なお、中間転写ベルト10に転写されたイエローのトナー像は、中間転写ベルト10の回転と共に、再度、感光体2の対向位置に搬送されてくる。感光体2のマゼンタのトナー像は、この中間転写ベルト10に転写されたイエローのトナー像に重ねて転写される。以後、同様に、感光体2に形成されたシアンのトナー像と、ブラックのトナー像は、順に、中間転写ベルトのトナー像に重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト10にカラーのトナー像が形成される。
【0015】
二次転写ローラ12は、中間転写ベルト10に形成されたカラーのトナー像を、カセット15から搬送されてきたシートに転写する。クリーニング装置13は、シートに転写されず、中間転写ベルト10に残留したトナーを中間転写ベルト10から除去する。なお、シートに転写するカラーのトナー像が中間転写ベルト10に形成されるまで、二次転写ローラ12及びクリーニング装置13は、中間転写ベルト10から離間される。モノクロ画像を形成する場合には、ブラック現像姿勢として感光体2にブラックのトナー像を形成し、これを中間転写ベルト10に転写し、さらに、シートに転写する。
【0016】
定着装置40は、トナー像が転写されたシートを加熱・加圧することでトナー像をシートに定着させる。トナー像の定着後、シートは、画像形成装置1の外部に排出される。画像形成装置1の本体部1Aのロータリ90に対向する面には、カートリッジ70を交換するためのドア14が設けられる。
【0017】
図2は、現像ユニット50の構成の説明図である。なお、図の簡略化のため、
図2においては、供給ローラ52と、現像ローラ51と、を省略している。現像ユニット50は、枠体53を有する。枠体53の内部空間は、トナー収容部53aを構成する。供給ローラ52と、現像ローラ51は、トナー収容部53aに設けられる。枠体53には、カートリッジ70からのトナーをトナー収容部53aに補給するための開口53bが設けられる。カートリッジ70の枠体71の内部は、トナーを収容するトナー収容部71aを構成する。枠体71には、トナーをトナー収容部53aに補給するための開口71bが設けられる。カートリッジ70が現像ユニット50に装着された状態において、開口71bと開口53bが対向する様に現像ユニット50は構成される。トナー収容部53aがカートリッジ70より下方に位置するときに、カートリッジ70からトナー収容部53aにトナーが補給される。
【0018】
なお、カートリッジ70に開口71bを覆う封止部材を設ける構成とし得る。同様に、枠体53に開口53bを覆う封止部材を設ける構成とし得る。開口71b及び開口53bに封止部材を設けることで、カートリッジ70が現像ユニット50に装着されていない状態において、トナーの流出が抑制される。
【0019】
図3(A)~
図3(C)は、カートリッジ70の交換処理の説明図である。
図3(A)は、画像形成動作中や、スタンバイ状態における画像形成装置1を示し、ドア14はクローズ状態である。画像形成装置1の制御部は、不図示の残量検知機構によってカートリッジ70又はトナー収容部53aに収容されているトナー残量を検知可能に構成されている。また、制御部は、トナー残量の検知結果に基づいて、各カートリッジ70について、トナー残量が交換の目安である所定値となったことや、カートリッジ70の交換が必要であることをユーザに通知可能に構成されている。当該通知に基づきカートリッジ70を交換する場合、ユーザは、操作パネル等の入力インタフェースを介して制御部にカートリッジ交換動作を指示する。
【0020】
カートリッジ交換動作の指示に応答して、制御部は、ロータリ90を回転させて、交換対象のカートリッジ70をドア14に対向させる。続いて、制御部は、交換対象のカートリッジ70を支持しているトレイ80を半径方向、つまり、ドア14への方向に移動させる。これにより、
図3(B)に示す様に、ドア14がトレイ80に押されてオープン状態となり、トレイ80と、トレイ80に支持されているカートリッジ70が画像形成装置1の外部に突出する。したがって、
図3(C)に示す様に、ユーザはカートリッジ70を交換することができる。
【0021】
なお、制御部は、トナー残量が所定値以下となるまでカートリッジ交換動作の指示を受け付けない様に構成され得る。或いは、カートリッジ70に着脱ロック機構を設け、制御部は、トナー残量が所定値以下となるまでカートリッジ70を交換できない様に着脱ロック機構を制御する構成とし得る。なお、所定値は0であり得る。この構成により、消費されることなく廃棄されるトナー量を少なくすることができる。
【0022】
<管理システム>
図4は、本実施形態による管理システム300の構成図である。管理システム300は、画像形成装置1と、管理サーバ301と、ユーザ端末401と、を含む。管理サーバ301は、例えば、サブスクリプションサービスを提供する事業者(サービス提供者)によって、或いは、サービス提供者の管理下にある事業者によって運用される。画像形成装置1は、サービスを利用する契約(以下、サービス契約)をサービス提供者と締結したユーザが使用する装置であり、ユーザ端末401は、当該ユーザが使用する情報端末である。
【0023】
画像形成装置1は、ユーザが存在するユーザ環境E1に設置される。画像形成装置1及びユーザ端末401は、ローカルネットワークN1に接続される。ローカルネットワークN1は、例えば、LAN(Local Area Network)であり得る。ユーザ環境E1において、ユーザは、画像形成装置1を利用する。画像形成装置1は、上述した様に、色材であるトナーを用いてシートに画像を形成する。
【0024】
管理サーバ301は、画像形成装置1が設置された環境(ユーザ環境E1)に対して遠隔の環境(遠隔環境E2)に設置される。遠隔環境E2は、外部ネットワークN2を介してローカルネットワークN1と接続される。外部ネットワークN2は、例えば、インターネット又はVPN(Virtual Private Network)であり得る。ローカルネットワークN1及び外部ネットワークN2のそれぞれは、例えば、ルータ、スイッチ、ゲートウェイ、無線アクセスポイント及び基地局といった、任意の種類のネットワーク装置を含み得る。また、ローカルネットワークN1及び外部ネットワークN2のそれぞれは、任意の数のネットワーク装置を含み得る。
【0025】
本実施形態において、管理サーバ301は、画像形成装置1を管理するサーバ装置である。例えば、管理サーバ301は、画像形成装置1において画像形成を行ったシートの枚数である印刷枚数(ページ数)や、ユーザアカウント情報等を管理する。管理サーバ301は、例えば、汎用コンピュータを用いて、アプリケーションサーバ、データベースサーバ又はクラウドサーバとして実装されてよい。
【0026】
ユーザ端末401は、管理サーバ301の管理機能を支援するためのユーザインタフェースをユーザに提供する端末装置である。ユーザ端末401は、例えば、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)又はPDA(Personal Digital Assistant)といった、汎用的な端末装置であり得る。画像形成装置1も、ユーザにユーザインタフェースを提供し得る。
【0027】
なお、管理サーバ301の機能は、単一の装置により提供されても、物理的に別個の複数の装置が相互に連携することにより提供されても良い。また、管理サーバ301が保持するものとして説明するデータベースの一部は、管理サーバ301とは別個の外部装置(例えば、他のデータベースサーバ)により保持されていても良い。
【0028】
<管理サーバの構成>
図5は、本実施形態による管理サーバ301の構成例を示すブロック図である。通信I/F311は、外部ネットワークN2を介する通信のための通信インタフェースである。通信I/F311は、有線通信インタフェースであっても、無線通信インタフェースであっても良い。メモリ312は、例えば、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ、光ディスク、又は磁気ディスクといった、任意の種類の記憶媒体を含み得る。メモリ312は、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含み得る。メモリ312は、処理回路314によって実行される1つ以上のコンピュータプログラムや、処理回路314によって使用されるデータ等の種々のデータを格納する。
【0029】
管理DB313は、アカウントテーブル320と、装置登録テーブル330と、印刷データテーブル340と、を含む。本実施形態のサブスクリプションサービスにおいては、所定期間(例えば1ヶ月)における画像形成装置1での印刷枚数がサービス契約で定められた上限値以下の場合、印刷枚数によらず一定額をユーザに課金する。管理DB313内の各テーブルに含まれる以下の情報は、サービス契約と関連付けられる。
【0030】
アカウントテーブル320は、ユーザのアカウントに関する情報を保持するテーブルである。アカウントテーブル320は、例えば、以下の項目の内の1つ以上を含み得る。
・「ユーザID」
・「パスワード」
・「名前」
・「メールアドレス」
・「住所」
・「カラー契約枚数」
・「モノクロ契約枚数」
・「決済方法」
・「シリアル番号(シリアルNo)」
・「契約期間」
・「残契約期間」
【0031】
「ユーザID」は、各ユーザのアカウントを一意に識別するための識別情報である。「パスワード」は、ユーザがシステムへログインする際のユーザ認証において使用される。「名前」は、各アカウントのユーザ名を表す。ユーザ名は、例えば、ログイン後に画面上に表示される。「メールアドレス」は、システムから各ユーザへの様々な通知を電子メールで行う際に使用され得る。「住所」は、例えば、カートリッジ70の送付先として使用される。「カラー契約枚数」は、所定期間内に定額でカラー印刷ができる印刷枚数の上限値を示す。「モノクロ契約枚数」は、所定期間内に定額でモノクロ印刷ができる印刷枚数の上限値を示す。以下の説明においては、カラー契約枚数とモノクロ契約枚数とを総称して契約枚数と表記する。「決済方法」は、サービスの対価の決済方法を示す。「シリアル番号」は、ユーザIDを特定するための検索キーとして使用可能な識別情報を示す。「契約期間」は、サービスの契約期間を示し、「残契約期間」はその時点での残りの契約期間を示す。
【0032】
装置登録テーブル330は、各ユーザが使用する画像形成装置1に関する情報を保持するテーブルである。装置登録テーブル330は、例えば、以下の項目のうちの1つ以上を含み得る。
・「所有者」
・「装置ID」
・「登録日」
・「ステータス」
【0033】
「所有者」は、各画像形成装置1を所有又は使用しているユーザのアカウントを、アカウントテーブル320に登録されている「ユーザID」で示す。「装置ID」は、画像形成装置1を一意に識別するための識別情報である。「所有者」と「装置ID」とのペアにより、ユーザのアカウントと、当該ユーザが使用している画像形成装置1との間の関連付けが示される。1つのユーザアカウントに2つ以上の画像形成装置を関連付けることもできる。「登録日」は、画像形成装置1の「装置ID」が装置登録テーブル330に登録された日付を示す。「ステータス」は、画像形成装置1が実際に「所有者」のユーザ環境E1に設置されているかの検証に関するステータスを示す。「装置ID」の初期登録の時点では「ステータス」は「未検証」を示し、検証が完了すると「ステータス」は「検証済み」に変更され得る。
【0034】
印刷データテーブル340は、印刷に関するデータを保持するテーブルである。印刷データテーブル340は、例えば、以下の項目のうちの1つ以上を含み得る。
・「当月契約ページ数(モノクロ)」
・「当月契約ページ数(カラー)」
・「利用済みページ数(モノクロ)」
・「利用済みページ数(カラー)」
・「利用可能ページ数(モノクロ)」
・「利用可能ページ数(カラー)」
・「カートリッジ情報」
【0035】
「当月契約ページ数(モノクロ)」は、アカウントテーブル320の「モノクロ契約枚数」と同じ情報を示す。なお、以下の説明では、所定期間を"1か月"とする。「当月契約ページ数(カラー)」は、アカウントテーブル320の「カラー契約枚数」と同じ情報を示す。「利用済みページ数(モノクロ)」及び「利用済みページ数(カラー)」は、それぞれ、現在の月におけるモノクロの印刷済み枚数及びカラーの印刷済み枚数を示す。「利用可能ページ数(モノクロ)」及び「利用可能ページ数(カラー)」は、それぞれ、現在の月の末日までに定額の範囲内で印刷できるモノクロの印刷枚数及びカラーの印刷枚数を示す。「カートリッジ情報」は、画像形成装置1で使用されているカートリッジ70の種別、識別番号、トナー残量、トナー使用量等の情報を示す。
【0036】
処理回路314は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり得る。処理回路314は、メモリ312に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより、管理サーバ301が有する機能を提供する。より具体的には、
図5に示す様に、処理回路314は、管理部350と、選択部360と、登録処理部370と、認証部380として機能し得る。
【0037】
管理部350は、選択部360、登録処理部370及び認証部380での処理を管理すすると共に、ユーザ端末401や画像形成装置1との通信に関する処理を行う。また、管理部350は、ユーザへのトナーの提供、つまり、カートリッジ70の提供の要否を判定する第1判定部(第1判定手段)として機能する。登録処理部370は、管理DB313に対するデータの登録及び更新を管理する。例えば、管理部350は、アカウントテーブル320に登録されるべきアカウント情報の入力を受け付けるための画面をユーザ端末401に表示させ得る。その場合、管理部350は、入力されたアカウント情報を通信I/F311を介してユーザ端末401から受信する。登録処理部370は、受信したアカウント情報をアカウントテーブル320に登録し得る。また、管理部350は、各ユーザが保有する画像形成装置1についての装置情報の入力を受け付けるための画面をユーザ端末401に表示させ得る。その場合、管理部350は、入力された装置情報を通信I/F311を介してユーザ端末401から受信する。登録処理部370は、受信した装置情報を装置登録テーブル330に登録し得る。さらに、管理部350は、画像形成装置1から印刷済みの枚数や、トナーの残量に関する情報を繰り返し取得する。登録処理部370は、印刷済みの枚数や、トナーの残量に関する情報に基づき印刷データテーブル340を更新する。
【0038】
認証部380は、管理システム300へユーザがログインするためのログイン認証を行う。例えば、管理部350は、ユーザID及びパスワードの入力を受け付けるためのログイン画面をユーザ端末401に表示させ、通信I/F311を介して、ユーザID及びパスワードをユーザ端末401から受信する。認証部380は、受信したユーザID及びパスワードと、アカウントテーブル320に格納されているユーザID及びパスワードとを用いてユーザ認証を行う。
【0039】
選択部360は、管理部350がユーザにカートリッジ70を提供すると判定した場合、ユーザに提供するカートリッジ70の種別を選択又は判定する第2判定部(第2判定手段)として機能する。登録処理部370は、選択部360が選択したカートリッジ70についてのカートリッジ情報を、印刷データテーブル340に登録する。カートリッジ70の種別や、種別の選択方法については後述する。
【0040】
処理回路314によってユーザ端末401に表示される入力画面は、例えば、ウェブページ、入力フォーム又はアプリケーション画面等の、任意の形式で提供され得る。例えば、ユーザ端末401における装置情報の入力の受け付けは、アカウントテーブル320に格納されているユーザID及びパスワードを用いたユーザ認証が成功し、ユーザが管理システム300(管理サーバ301)へログインしている期間中に行われ得る。
【0041】
<GUIの例>
図6は、管理サーバ301によって提供され、ユーザ端末401の表示部に表示されるGUI(Graphical User Interface)の例としての画面500を示す。画面500は、ユーザ端末401を用いてユーザ(契約ユーザ)が管理システム300にログインすることで、ユーザ端末401の表示部に表示される。画面500には、管理サーバ301の管理DB313に保持されている情報が表示される。画面500に表示される情報は、サービス契約の内容を含む。
【0042】
画面500は、領域510及び520を含む。領域510には、印刷データテーブル340に含まれる項目の情報が表示されている。領域520には、アカウントテーブル320及び装置登録テーブル330に含まれる項目の情報が表示されている。画面500は、当該画面を介して、管理サーバ301が管理している情報をユーザが確認できるように構成されている。また、画面500は、当該画面を介して、サービス契約の内容(契約プラン)をユーザが変更できるように構成されている。
【0043】
画面500には、現在の契約プランにおいて、モノクロ印刷の契約枚数が1か月当たり100枚であり、カラー印刷の契約枚数が1か月当たり20枚であることが示されている。また、画面500には、20枚のモノクロ印刷と1枚のカラー印刷を既に行っていることと、モノクロの残りの印刷枚数が80枚であり、カラーの残りの印刷枚数が19枚であることも示されている。さらに、画面500には、各色のカートリッジ70のトナー残量も示されている。
【0044】
サービス提供者は、サービス契約に基づいて、ユーザにカートリッジ70を提供する。具体的には、サービス提供者は、サービス契約により、最初のカートリッジ70を提供する。その後、管理サーバ301は、画像形成装置1のトナー残量に関する情報を画像形成装置1から取得し、トナー残量がトナーを提供するための提供条件を満たすと、ユーザに交換用のカートリッジ70を提供する。以下の説明において、サービス契約時において最初にユーザに提供するカートリッジ70をスタータカートリッジと表記し、その後、交換用に提供するカートリッジ70を交換カートリッジと表記する。
【0045】
本実施形態において、選択部360は、サービス契約に基づいて、各色のスタータカートリッジの種別を決定する。カートリッジ70の種別は、当該カートリッジ70に収容されているトナー量に基づき区別される。一例として、
図7に示す様に、種別A~種別Gの7つの種別のカートリッジ70を使用するものとする。
図7において、収容量は、カートリッジ70に収容されているトナー量(色材量)であり、カートリッジ70の収容可能量(収容可能な最大量)を1とした相対値で示している。
図7に示す様に、各種別のカートリッジ70の収容量は、カートリッジ70の収容可能量以下である。例えば、種別Gのカートリッジ70は、最大量のトナーを収容するものであり、種別Aのカートリッジ70は、カートリッジGの1/10のトナーを収容するものである。
【0046】
管理サーバ301のメモリ312には、
図7に示す様な、サービス契約における印刷枚数(1か月当たり)と、カートリッジ種別との関係を示す判定情報が格納されている。なお、
図7に示す判定情報は、サービス契約の「契約期間」毎に作成される。「契約期間」は、アカウントテーブル320に格納されている。例えば、ユーザの「契約期間」が2年間である場合、管理サーバ301は、2年間の契約期間に関連付けられた判定情報を使用してスタータカートリッジの種別を決定する。例えば、ユーザの「カラー契約枚数」及び「モノクロ契約枚数」が、
図6に示す様に、20枚及び100枚であり、「契約期間」が2年間であり、
図7が、2年間の契約期間の判定情報であるものとする。
【0047】
この場合、カラー印刷に関してはP=20であるため、カートリッジ70の種別はAとなる。したがって、カラー印刷のみで使用するイエロー、シアン、マゼンタのスタータカートリッジは種別Aとなる。一方、ブラックについてはカラー印刷とモノクロ印刷の両方に使用されるため、Pの値は、20+100の120になり、種別Cとなる。したがって、ブラックのスタータカートリッジは種別Cとなる。サービス提供者は、各色について、選択部360が判定した種別のスタータカートリッジをユーザに送付する処理を行う。また、登録処理部370は、選択部360が判定した種別のスタータカートリッジの情報を印刷データテーブル340に登録する。
【0048】
なお、本実施形態では、1つの判定情報を各色のカートリッジ70の種別を決定するために使用した。しかしながら、例えば、ブラックのカートリッジ70の種別を決定するための判定情報と、カラーのカートリッジ70の種別を決定するための判定情報と、を異ならせる構成とすることができる。さらに、4つの色のカートリッジ70の種別を決定するための判定情報それぞれを異ならせることもできる。さらに、本実施形態ではカートリッジ70の種別を種別A~種別Gの7つとしたが、種別数は2以上の任意の数であり得る。さらに、各色のカートリッジ70の種別数は同じでなくても良い。
【0049】
判定情報は、交換カートリッジの提供回数(送付回数)が少なくなる様に、かつ、契約終了時にカートリッジ70に残留するトナーの量が少なくなる様に設定される。つまり、契約期間及び契約枚数の組み合わせに基づき判定される契約期間でのトナー消費量の推定値に基づき判定情報は作成される。例えば、上記例では、カラーのスタータカートリッジの種別がAであり、ブラックのスタータカートリッジの種別がCであった。これは、2年間の契約期間において消費されるブラックのトナー量の推定値が種別Aのトナー量に最も近く、2年間で消費されるカラーのトナー量の推定値が種別Cのトナー量に最も近いことを意味する。なお、契約期間が長い、又は、契約枚数が多く、契約期間におけるトナー消費量の推定値が種別Gのカートリッジが収容するトナー量より大きい場合、種別Gのカートリッジが選択される。
【0050】
判定情報を作成するために使用するトナー消費量は、例えば、複数のユーザの平均的な消費量に基づき推定され得る。例えば、トナー消費量は、同じ契約枚数の複数のユーザの平均的な消費量に基づき推定され得る。また、例えば、トナー消費量は、契約枚数及び契約期間が同じ複数のユーザの平均的な消費量に基づき推定され得る。さらに、複数のユーザの消費量に基づきカラー印刷及びモノクロ印刷における1枚当たりの平均的なトナー消費量を推定し、この1枚当たりの平均的なトナー消費量に基づき判定情報を作成することができる。
【0051】
通常、カートリッジ70には最大量のトナーが充填されてユーザに提供される。つまり、本実施形態における種別Gのカートリッジ70がユーザに提供される。本実施形態では、サービス契約の内容に応じて、様々なトナー量のカートリッジ70をユーザに提供する。例えば、契約期間の短い、或いは、契約枚数の少ないユーザの場合、種別Gのカートリッジ70を提供すると、契約終了時に未使用のトナーがカートリッジ70に残留することになる。本実施形態では、サービス契約の内容に応じて、ユーザに提供するカートリッジ70の種別、つまり、トナー量を決定することで、契約終了時にカートリッジ70に残留するトナーの量を減少させることができる。また、契約期間の長い、或いは、契約枚数の大きいユーザの場合には、トナーの提供量を多くすることで、ユーザへのカートリッジ70の送付回数を削減し、送付コストを下げることができる。
【0052】
なお、契約期間が長く、或いは、契約枚数が大きいため、種別Gのカートリッジであってもサービス契約の終了までに1回以上のカートリッジ70の交換が必要と判定される場合には、1度に複数のカートリッジ70をユーザに提供する構成とし得る。
【0053】
図8は、ユーザによる登録処理の例を示すシーケンス図である。なお、
図8に示すシーケンスの開始に先立って、ユーザのアカウント情報は、管理サーバ301のアカウントテーブル320に既に登録済みであるものとする。S600で、ユーザ端末401は、ログイン画面を表示し、当該ログイン画面を介して、ユーザID及びパスワードの入力をユーザから受け付ける。S601で、ユーザ端末401は、入力されたユーザID及びパスワードを含むログイン要求を、管理サーバ301へ送信する。
【0054】
S602で、管理サーバ301(認証部380)は、ユーザ端末401から受信したユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証を実行する。ここでは、ユーザ認証は成功し、管理システム300へのログインが成立したものとする。管理サーバ301は、S603で、ユーザ認証が成功したことを示す認証成功通知を、ログイン要求に対する応答としてユーザ端末401へ送信する。
図8に示すシーケンスにおけるその後の処理は、ユーザ(ユーザ端末401)のログインセッションが継続している間に行われる。
【0055】
S604で、ユーザ端末401は、カラー契約枚数の入力画面を介して、カラー契約枚数の入力をユーザから受け付ける。カラー契約枚数の入力完了後、S605で、ユーザ端末401は、入力されたカラー契約枚数情報を、管理サーバ301へ送信する。管理サーバ301(登録処理部370)は、ユーザ端末401からカラー契約枚数情報を受信すると、S606でアカウントテーブル320の「カラー契約枚数」に契約枚数を格納する。その後、管理サーバ301(登録処理部370)は、S607でカラー契約枚数が登録されたことをユーザ端末401に対して送信する。これにより、カラー契約枚数の登録が完了する。
【0056】
S608で、ユーザ端末401は、モノクロ契約枚数の入力画面を介して、モノクロ契約枚数の入力をユーザから受け付ける。モノクロ契約枚数の入力完了後、S609で、ユーザ端末401は、入力されたモノクロ契約枚数情報を、管理サーバ301へ送信する。管理サーバ301(登録処理部370)は、ユーザ端末401からモノクロ契約枚数情報を受信すると、S610でアカウントテーブル320の「モノクロ契約枚数」に契約枚数を格納する。その後、管理サーバ301(登録処理部370)は、S611でモノクロ契約枚数が登録されたことをユーザ端末401に対して送信する。これにより、モノクロ契約枚数情報の登録が完了する。
【0057】
S612で、ユーザ端末401は、製品種類の入力画面を介して、登録する製品(画像形成装置)の入力をユーザから受け付ける。製品種類の入力完了後、S613で、ユーザ端末401は、入力された製品種類情報を、管理サーバ301へ送信する。管理サーバ301(登録処理部370)は、ユーザ端末401から製品種類情報を受信すると、S614で装置登録テーブル330に画像形成装置1の情報を登録し、S615で製品種類情報が登録されたことをユーザ端末401に対して送信する。これにより、製品種類情報の登録が完了する。
【0058】
また、契約枚数の初期登録により、管理部350は、ユーザにスタータカートリッジを提供すると判定する。この場合、選択部360は、S606で登録したカラー契約枚数と、S610で登録したモノクロ契約枚数に基づき、ユーザに提供するスタータカートリッジの種別を判定する。また、登録処理部370は、選択部360が選択したスタータカートリッジについての情報を印刷データテーブル340に登録する。
【0059】
なお、管理部350は、選択部360が選択したスタータカートリッジの種別を
図8のシーケンスにおいてユーザに提示することも可能である。その場合には、ユーザからの許諾に応じて、選択した種別のスタータカートリッジをユーザに提供する構成とし得る。なお、ユーザが許諾しない場合には、選択した種別の収容量との差が所定値以内の収容量である別の種別のカートリッジ群から、スタータカートリッジをユーザに選択させる構成とすることができる。
【0060】
<第二実施形態>
第一実施形態では、スタータカートリッジの種別選択について説明した。本実施形態では、交換カートリッジの種別選択について説明する。
図9は、サービス契約の期間中に管理サーバ301が実行する処理のフローチャートである。なお、管理サーバ301は、画像形成装置1のトナー収容部53a又はカートリッジ70のトナー残量に関する情報を、ネットワークN2を介して、画像形成装置1から繰り返し取得しているものとする。また、登録処理部370は、繰り返し取得した各色のトナー残量を印刷データテーブル340に履歴情報として記録しているものとする。なお、印刷データテーブル340には現在のトナー残量のみを格納し、履歴情報については他のテーブルや、管理サーバ301と通信可能な他の装置に格納する構成であっても良い。
【0061】
管理部350は、S10で、画像形成装置1の各色のトナー残量を監視する。当該監視は、画像形成装置1から取得するトナー残量を監視することで、或いは、印刷データテーブル340の履歴情報を監視することで行われ得る。管理部350は、S11で、第1提供条件(第1条件)を満たすトナー残量のトナーが有るか否かを判定することで、ユーザに提供(送付)すべきトナーがあるかを判定する。例えば、第1提供条件は、トナー残量が0より大きい第1閾値未満又は第1閾値以下になると満たされる。また、例えば、第1提供条件は、トナー残量が0になると満たされる。総ての色のトナー残量が第1提供条件を満たさない場合、管理部350はトナーの提供が不要、つまり、交換用のカートリッジ70の送付は不要と判定する。
【0062】
トナーの提供が必要と管理部350が判定した場合、選択部360は、S12で、提供する色のトナー(第1色材)のトナー消費速度Va(第1消費速度)を判定する。トナー消費速度Vaとは、単位期間当たりのトナーの消費量であり履歴情報から判定され得る。続いて、選択部360は、S13で、契約終了タイミングまでの期間である残り契約期間PEを判定する。選択部360は、S14で、残り契約期間PEにおけるトナー消費量CE(第1消費量)を判定する。トナー消費量CEは、残り契約期間PEとトナー消費速度Vaとの積に基づき求められる。例えば、トナー消費量CEは、CE=PE×Vaとして求められる。或いは、トナー消費量CEは、Va×PEに所定のマージン量を加えたものとすることもできる。この構成により、サービス契約の終了間近にトナー切れとなる確率を低減させることができる。
【0063】
S15で、選択部360は、トナー消費量CEに基づきユーザに提供するカートリッジ70の種別を判定する。具体的には、選択部360は、トナー消費量CEに基づき判定量を求める。判定量は、例えば、トナー消費量CEからトナー残量を減ずることで求められる。選択部360は、判定量と、7つの種別のカートリッジ70の複数の収容量とを比較する。そして、判定量が複数の収容量の最大量より多い場合、選択部360は、最大量をユーザへの提供量(第1提供量)とする。それ以外の場合、つまり、判定量が最大量以下である場合、選択部360は、判定量以上であり、かつ、判定量に最も近い収容量を提供量(第1提供量)とする。そして、選択部360は、提供量を収容している種別のカートリッジ70をユーザに提供すると判定する。例えば、判定量が相対値で0.6であると、種別Eのカートリッジ70が交換カートリッジとして選択される。また、判定量が相対値で1より大きい場合には、種別Gのカートリッジ70が交換カートリッジとして選択される。なお、トナー消費量CEからトナー残量を減じたものを判定量とするのではなく、トナー消費量CEを判定量とすることもできる。
【0064】
なお、残り契約期間PEが所定期間より少ない場合、管理部350は、S13の後、ユーザに、契約延長を行うか否かを確認するメッセージをユーザ端末401に送信する構成とし得る。当該メッセージに応答して、ユーザは、ユーザ端末401を介して管理サーバ301に契約期間を延長するか否かと、延長する場合には、延長期間を送信し得る。管理部350は、ユーザ端末から契約期間を延長しないことを示すメッセージを受信した場合や、所定期間内にユーザ端末から応答のメッセージを受信しない場合には、処理をS14に進める。一方、ユーザ端末から、延長期間と共に契約期間を延長することを示すメッセージを受信した場合、登録処理部370は、アカウントテーブル320を更新する。また、選択部360は、更新後の残り契約期間PEに基づきS14以降の処理を行う。
【0065】
以上、第1色材をユーザに提供すると判定した場合、第1タイミングまでの第1色材のトナー消費量である第1消費量を判定し、第1消費量に基づきユーザに提供する第1色材の量である第1提供量、つまり、カートリッジの種別を判定する。なお、本実施形態において第1タイミングは、契約終了タイミングである。この構成により、サービス契約の終了タイミングにおいてカートリッジ70に残留する第1色材の量を削減することができる。また、第1消費量に基づきユーザへの第1色材の第1提供量を判定することで、ユーザへのカートリッジ70の送付回数を削減し、送付コストを下げることができる。
【0066】
本実施形態では、ユーザの履歴情報に基づき当該ユーザのトナー消費速度Vaを判定し、これにより当該ユーザのトナー消費量CEをS14で判定していた。ここで、トナー消費速度Vaの算出に使用する履歴情報の期間は、履歴情報の全期間であっても、過去所定期間であっても良い。さらに、トナー消費速度Vaの算出に使用する履歴情報の期間は、交換対象のカートリッジ70の使用期間とすることもできる。また、トナー消費速度Vaの算出に、他のユーザのトナー消費速度も考慮する構成とし得る。つまり、他のユーザが使用している1つ以上の画像形成装置における履歴情報をトナー消費速度Vaの判定に使用する構成とすることができる。ここで、他のユーザは、例えば、契約枚数が同じ他のユーザとし得る。
【0067】
また、
図7に示す、スタータカートリッジの種別を判定するため使用した判定情報に基づき交換カートリッジの種別を決定することもできる。この場合、トナー消費速度Vaの算出は不要であり、残り契約期間PEと同じ契約期間に対応する判定情報、又は、残り契約期間PEに最も近い契約期間に対応する判定情報を使用する。
【0068】
また、本実施形態では、管理サーバ301が、画像形成装置1から繰り返しトナー残量を取得していた。しかしながら、画像形成装置1がトナー残量を監視し、トナー残量がカートリッジ70の交換が必要になる閾値に達すると、画像形成装置1が管理サーバ301に対してカートリッジ70の交換が必要となったこと、つまり第1提供条件が満たされたことを通知する構成とすることもできる。さらに、スタータカートリッジと同様に、交換カートリッジについてもS15で選択した種別をユーザに事前に通知して許諾を得る構成とし得る。ユーザが許諾しない場合、スタータカートリッジと同様に、選択した種別の収容量との差が所定値以内の種別のカートリッジ群から、交換カートリッジをユーザに選択させる構成とすることができる。
【0069】
<第三実施形態>
第二実施形態では、トナー残量が第1提供条件を満たすカートリッジ70が生じると、サービス提供者は、このカートリッジ70と同じ色の交換用カートリッジをユーザに提供(送付)していた。しかしながら、第1色のカートリッジ70のトナー残量が第1提供条件を満たす状態となった際に、第2色のカートリッジ70も近い将来に第1提供条件を満たす状態になることが予想される場合、第1色及び第2色の両方の交換用カートリッジを纏めてユーザに送付することで送付コストを抑えることができる。
【0070】
このため、本実施形態では、第2提供条件(第2条件)を設ける。例えば、トナー残量が第1閾値未満又は第1閾値以下になると第1提供条件が満たされる場合、第2提供条件は、トナー残量が第1閾値より大きい第2閾値未満又は第2閾値以下になると満たされる。また、トナー残量が0になると第1提供条件が満たされる場合、第2提供条件は、トナー残量が0より大きい第2閾値未満又は第2閾値以下になると満たされる。第2提供条件は、第1提供条件を満たす第1色材が生じた場合、第1提供条件を満たしていないが第1色材と共にユーザに送付する第2色材を判定するための条件である。
【0071】
例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)それぞれのトナー残量が
図10(A)に示す通りであるものとする。なお、
図10(A)において、Th1は第1閾値であり、Th2は第2閾値である。
図10(A)において、Yのトナー残量は、第1閾値を下回っている。また、Cのトナー残量は、第1閾値より大きいが、第2閾値より小さい。なお、M及びKのトナー残量は、共に、第2閾値より大きい。
図10(A)の状態の場合、第二実施形態では、Y(第1色材)のカートリッジ70のみをユーザに送付することになる。一方、本実施形態では、Y(第1色材)に加えてC(第2色材)のカートリッジ70をユーザに送付することになる。これにより、カートリッジ70の送付回数を低減させることができる。なお、第2色材であるCのカートリッジ70の種別の判定方法は、第二実施形態と同様である。つまり、選択部360(第2判定部)は、契約終了タイミング(第1タイミング)までの第2色材の第2消費量を判定し、第2消費量に基づき第2提供量、つまり、第2色材のカートリッジ70の種別を判定する。
【0072】
<第四実施形態>
続いて、第四実施形態について第三実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態においても、第三実施形態と同様に、第1提供条件及び第2提供条件に基づきユーザに提供するトナーを判定する。但し、本実施形態では、トナーの提供量を色毎に個別に判定するのではなく、画像形成に使用する4つの色の総てのトナー残量に基づき判定する。
【0073】
第三実施形態と同様に、
図10(A)に示す状態である場合、管理サーバ301は、Y及びCのトナーをユーザに提供すると判定する。一方、
図10(B)に示す状態である場合、管理サーバ301は、Y、M、C及びK、つまり総ての色のトナーをユーザに提供すると判定する。以下の説明において、ユーザに提供(送付)するカートリッジ70を提供カートリッジと表記し、提供(送付)するトナーを提供トナー(第1色材及び第2色材)と表記する。また、提供しないカートリッジ70を非提供カートリッジと表記し、提供しないトナーを非提供トナー(第3色材)と表記する。
図10(A)の場合、提供カートリッジはY及びCのカートリッジ70であり、提供トナーは、Y及びCのトナーであり、非提供カートリッジはM及びKのカートリッジ70であり、非提供トナーは、M及びKのトナーである。同様に、
図10(B)の場合、提供カートリッジは総ての色のカートリッジ70であり、提供トナーは、総ての色のトナーであり、非提供カートリッジ及び非提供トナーはない。
【0074】
図11は、提供カートリッジの種別、つまり、提供トナーの提供量を判定する処理のフローチャートである。
図11の処理は、少なくとも1つの色のトナーのトナー残量が第1提供条件を満たす状態となった場合に開始される。なお、Y、M、C及びKそれぞれのトナー消費速度が第二実施形態で説明した様に求められているものとする。
【0075】
S20で、管理部350は、提供トナー及び非提供トナーを判定する。上述した様に、提供トナーは、第1提供条件を満たすトナーと、第2提供条件を満たすトナーである。S21において、選択部360は、非提供トナー(第3色材)が有るか否かを判定する。例えば、
図10(A)の場合、非提供トナーは"有"であり、
図10(B)の場合、非提供トナーは"無"である。
【0076】
非提供トナーが有る場合、選択部360は、非提供トナーそれぞれについて、トナー残量が第3閾値となるタイミングTE(第2タイミング)を判定する。第3閾値は所定量であり、第1提供条件を満たすトナー残量の範囲内から選択される。例えば、第3閾値を0とし、非提供トナーのトナー消費速度を第2消費速度とすると、タイミングTEは、(非提供トナーの残量/第2消費速度)で求められる。選択部360は、1つの色のトナーのみが非提供トナーである場合、当該非提供トナーのタイミングTEをタイミングT1とする。また、複数の色のトナーが非提供トナーである場合、選択部360は、各非提供トナーのタイミングTEの内の1つをタイミングT1とする。例えば、選択部360は、各非提供トナーのタイミングTEの内の最も遅いタイミングをタイミングT1とし得る。例えば、
図10(A)において、非提供トナーは、M及びKのトナーである。選択部360は、Mのトナー残量と、Mのトナーの消費速度に基づきMのタイミングTEを判定する。同様に、選択部360は、Kのトナー残量と、Kのトナーの消費速度に基づきKのタイミングTEを判定する。選択部360は、MのタイミングTEとKのタイミングTEの内の一方をタイミングT1とする。例えば、選択部360は、MのタイミングTEとKのタイミングTEの内の遅い方をタイミングT1(第1タイミング)とし得る。なお、タイミングT1が、契約終了タイミングより遅い場合、契約終了のタイミングをタイミングT1(第1タイミング)とし得る。
【0077】
選択部360は、S24において、提供トナーそれぞれについて、タイミングT1までのトナー消費量を判定する。トナー消費量は、タイミングT1までの期間と、トナー消費速度との積に基づき求められ得る。
図10(A)の場合、選択部360は、タイミングT1までのYのトナー消費量とCのトナー消費量をそれぞれ判定する。選択部360は、S25において、判定したトナー消費量に基づき、
図9のS15と同様に各提供トナーの提供量を判定し、これにより、提供カートリッジの種別を判定する。
【0078】
S22、S24及びS25の処理により、各色のトナーの提供時期を揃える様にすることができる。例えば、
図10(A)の例において、Mのトナー残量が第3閾値となるタイミングTEをタイミングT1としたものとする。この場合、Y、M及びCのカートリッジ70のトナー残量は、略同じタイミングで第1提供条件を満たす様になる。したがって、Y、M及びCのカートリッジ70を纏めてユーザに送付することができる。さらに、次のタイミングでは、Y、M、C及びKの総ての色のカートリッジ70を纏めてユーザに送付することができる。これにより、送付コストを抑えることができる。
【0079】
一方、S21で、非提供トナーが無い場合、選択部360は、提供トナーそれぞれのトナー残量に基づきタイミングT1を判定する。具体的には、種別Gの収容量、つまり、最大量のトナーをユーザに提供した場合に、次回、トナー残量が第3閾値となるタイミングTE(第3タイミング)を判定する。第3閾値は、上述した様に、第1提供条件を満たすトナー残量の範囲内から選択される。タイミングTEは、現在のトナー残量と種別Gの収容量との和を、トナー消費速度で除することで求められる。選択部360は、各提供トナーのタイミングTEの内の最も早いものをタイミングT2とする。タイミングT2が、所定のタイミングである契約終了タイミングより遅い場合、契約終了タイミングをタイミングT1(第1タイミング)とする。一方、タイミングT2が、契約終了タイミングより早い場合、選択部360は、タイミングT2をタイミングT1(第1タイミング)とする。そして、選択部360は、S24及びS25の処理により、タイミングT1に基づき各提供カートリッジの種別を判定する。
【0080】
S23の処理は、
図10(B)に示す様に、総ての色のカートリッジ70が提供カートリッジの場合に行われる。したがって、S23、S24及びS25の処理により、総てのカートリッジ70のトナー残量は、略同じタイミングで第1提供条件を満たす様になる。なお、タイミングT2が、契約終了タイミングより遅い場合、総てのカートリッジ70のトナー残量は、契約終了タイミング近傍で第1提供条件を満たす様になる。一方、タイミングT2が、契約終了タイミングより早い場合、総てのカートリッジ70のトナー残量は、タイミングT2近傍で第1提供条件を満たす様になる。この場合、4つのカートリッジ70を纏めて送付することができ、送付コストを抑えることができる。
【0081】
<その他>
上記各実施形態の画像形成装置1は、カートリッジ70を装着して画像形成を行い、カートリッジ70を交換することでトナーを画像形成装置1に補給するものであった。しかしながら、現像ユニットにトナーの貯蔵部を設け、現像ユニットの貯蔵部に対して別の収容部材である補給パックからトナーを補給する方式の画像形成装置100に対しても上記各実施形態を適用可能である。
【0082】
図12(A)は、カートリッジ70ではなく、補給パックによりトナーを補給する方式の画像形成装置100の斜視図である。画像形成対象のシートPは、画像形成装置100内に給送され、画像形成後、排出口81から排出トレイ82上に排出される。
図12(A)において、排出トレイ82は閉状態である。
図12(B)は、排出トレイ82を、開状態とした図である。この状態で、トナーの補給口114が露出する様に画像形成装置100は構成される。現像ユニットの貯蔵部は、補給口114の下方に設けられる。
図13に示す様に、補給口114を介して、補給パック200からKのトナーを現像ユニットの貯蔵部に供給することができる。
【0083】
なお、本実施形態による画像形成装置100は、モノクロ印刷のみが可能であるため、管理DB313においては、モノクロ契約枚数等のモノクロ印刷に関する情報のみを管理し、カラー印刷に関する情報を管理する必要はない。また、画像形成装置100の場合、第一実施形態で説明した「カートリッジ情報」の代わりに、「貯蔵部情報」が印刷データテーブル340において管理される。「貯蔵部情報」は、貯蔵部内の現在のトナー残量を示す。さらに、「貯蔵部情報」は、例えば、トナー消費速度を算出するためのトナー残量の履歴を示し得る。
【0084】
画像形成装置100の場合、上記各実施形態で説明したカートリッジ70の種別は、補給パック200の種別となる。補給パック200の種別は、補給パック200が格納しているトナー量で区別される。なお、所定数の種別を予め設定するのではなく、必要なトナー量を補給パック200に充填してユーザに提供する構成であっても良い。例えば、第二実施形態で説明すると、
図9のS15においては、トナー消費量CEに基づき判定量を求め、判定量と、種別A~種別Gの収容量とを比較することで、選択部360は、種別A~種別Gの収容量の内の1つを提供量としていた。画像形成装置100を使用する場合、判定量のトナーを補給パック200に充填してユーザに提供する構成とし得る。なお、カートリッジ70とは異なり、収容可能な最大量の異なる様々なサイズの補給パック200を使用することができる。判定量が、サイズの最も大きい補給パック200の最大収容可能量を超えている場合には、当該補給パック200に最大量のトナーを充填してユーザに提供する構成とし得る。
【0085】
図12の画像形成装置100は、モノクロ印刷のみが可能なものであるが、画像形成装置100は、カラー印刷が可能なものであっても良い。この場合、画像形成装置100は、Y、M、C及びKのトナーそれぞれを、色別の補給口114を介して各色の現像ユニットの貯蔵部に供給できる様に構成される。逆に、上記各実施形態の画像形成装置1は、Kのカートリッジ70のみを利用できるモノクロの画像形成装置であっても良い。
【0086】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0087】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
色材を使用してシートに画像を形成する画像形成装置を管理するサーバ装置であって、
前記画像形成装置が有する前記色材の残量が第1条件を満たす場合、前記画像形成装置のユーザに前記色材を提供すると判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段が前記ユーザに第1色材を提供すると判定した場合、第1タイミングまでの前記第1色材の第1消費量を判定し、前記第1消費量に基づき前記ユーザに提供する前記第1色材の第1提供量を判定する第2判定手段と、
を備えている、サーバ装置。
(構成2)
前記第1条件は、前記色材の残量が0になると、或いは、前記色材の残量が第1閾値より小さくなると満たされる、構成1に記載のサーバ装置。
(構成3)
前記第1判定手段は、前記色材の残量が前記第1条件を満たしていることの通知を前記画像形成装置から受信する、構成1又は2に記載のサーバ装置。
(構成4)
前記第1タイミングは、所定のタイミングである、構成1から3のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成5)
前記第2判定手段は、前記第1色材の第1消費速度と、前記第1タイミングまでの期間と、に基づき前記第1消費量を判定する、構成1から4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成6)
前記第2判定手段は、前記画像形成装置における前記第1色材の残量の履歴に基づき前記第1消費速度を判定する、構成5に記載のサーバ装置。
(構成7)
前記第2判定手段は、前記第1消費速度を判定するために、前記画像形成装置とは異なる1つ以上の別の画像形成装置における前記第1色材の残量の履歴を使用する、構成6に記載のサーバ装置。
(構成8)
前記第2判定手段は、前記ユーザとの契約に基づく契約枚数と、前記第1タイミングまでの期間と、に基づき前記第1消費量を判定し、
前記契約枚数は、前記第1色材を使用して単位期間当たりに前記画像を形成できる前記シートの前記契約における枚数を示す、構成1から4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成9)
前記第2判定手段は、前記契約に基づき前記ユーザに最初に提供する前記色材の提供量を、前記契約の契約期間と、前記契約枚数と、に基づき判定する、構成8に記載のサーバ装置。
(構成10)
前記第2判定手段は、前記第1消費量に基づく判定量が予め定められた異なる複数の色材量の最大量より大きい場合には、前記最大量を前記第1提供量として選択し、それ以外の場合には、前記判定量以上であり、かつ、前記判定量に最も近い色材量を前記第1提供量として前記複数の色材量から選択する、構成1から9のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成11)
前記判定量は、前記第1消費量から前記第1色材の残量を減じた量に基づく、構成10に記載のサーバ装置。
(構成12)
前記第1提供量は、前記第1消費量、又は、前記第1消費量から前記第1色材の残量を減じた量である、構成1から9のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成13)
前記画像形成装置は、前記第1色材を収容する収容部材を本体部に格納して前記シートに前記画像を形成し、
前記複数の色材量それぞれは、前記収容部材の収容可能量以下である、構成10又は11に記載のサーバ装置。
(構成14)
前記画像形成装置は、前記第1色材を収容する収容部材から前記画像形成装置の収容部に補給された前記第1色材を使用して前記シートに前記画像を形成し、
前記複数の色材量それぞれは、前記収容部材の収容可能量以下である、構成10又は11に記載のサーバ装置。
(構成15)
前記画像形成装置は、前記シートに前記画像を形成するために前記第1色材を含む複数の色材を使用し、
前記第1判定手段は、前記第1色材の残量が前記第1条件を満たす場合、前記複数の色材の内の前記第1色材とは異なる色材の残量が第2条件を満たすかを判定し、前記残量が前記第2条件を満たす第2色材を前記ユーザに提供すると判定し、
前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記第2色材を前記ユーザに提供すると判定した場合、前記第1タイミングまでの前記第2色材の第2消費量を判定し、前記第2消費量に基づき前記ユーザに提供する前記第2色材の第2提供量を判定する、構成1から14のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成16)
前記第1条件は、前記残量が0になると満たされ、かつ、前記第2条件は、前記残量が0より大きい第2閾値より小さくなると満たされる、或いは、
前記第1条件は、前記残量が第1閾値より小さくなると満たされ、かつ、前記第2条件は、前記残量が前記第1閾値より大きい第2閾値より小さくなると満たされる、構成15に記載のサーバ装置。
(構成17)
前記第2判定手段は、前記複数の色材の内に、前記第2条件を満たさない第3色材が存在する場合、前記第3色材の残量が前記第1条件を満たす範囲内の所定量となる第2タイミングを判定し、前記第2タイミングに基づき前記第1タイミングを判定し、
前記第2タイミングは、前記第3色材の残量と、前記第3色材の第2消費速度と、に基づき判定される、構成15又は16に記載のサーバ装置。
(構成18)
前記第2条件を満たさない複数の第3色材が存在する場合、前記第2判定手段は、前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングを判定し、前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングの内の最も遅いタイミングに基づき前記第1タイミングを判定する、構成17に記載のサーバ装置。
(構成19)
前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングの内の最も遅いタイミングが所定のタイミングより遅い場合、前記第2判定手段は、前記所定のタイミングを前記第1タイミングと判定し、それ以外の場合、前記第2判定手段は、前記複数の第3色材それぞれの前記第2タイミングの内の最も遅いタイミングを前記第1タイミングと判定する、構成18に記載のサーバ装置。
(構成20)
前記第2判定手段は、前記複数の色材の内の前記第1色材とは異なる総ての色材の残量が前記第2条件を満たす場合、予め定められた異なる複数の色材量の内の最大量を前記画像形成装置に提供した後に、前記残量が前記第1条件を満たす範囲内の所定量となる第3タイミングを前記複数の色材それぞれについて判定し、前記複数の色材それぞれの第3タイミングの内の最も早いタイミングに基づき前記第1タイミングを判定し、
前記色材の前記第3タイミングは、当該色材の前記残量と、当該色材の消費速度と、に基づき判定される、構成15から19のいずれか1つに記載のサーバ装置。
(構成21)
前記複数の色材それぞれの第3タイミングの内の最も早いタイミングが所定のタイミングより遅い場合、前記第2判定手段は、前記所定のタイミングを前記第1タイミングと判定し、それ以外の場合には、前記複数の色材それぞれの第3タイミングの内の最も早いタイミングを前記第1タイミングと判定する、構成20に記載のサーバ装置。
(構成22)
1つ以上のプロセッサを有する装置の前記1つ以上のプロセッサで実行されると、前記装置を構成1から21のいずれか1つに記載のサーバ装置として動作させるコンピュータプログラム。
(構成23)
構成1から21のいずれか1つに記載のサーバ装置と、
前記サーバ装置と通信可能に構成された前記画像形成装置と、
を含む管理システム。
【0088】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0089】
350:管理部、360:選択部