(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164701
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】モデリング装置、モデリング方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241120BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080372
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 博
(72)【発明者】
【氏名】小谷 知
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行う。
【解決手段】ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置は、モデリング済みの図面情報を保持する記録部と、モデリングに利用される複数の要素のうち前記ビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定する決定部と、前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置であって、
モデリング済みの図面情報を保持する記録部と、
モデリングに利用される複数の要素のうち前記ビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定する決定部と、
前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、
モデリング装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素のうちモデリング画面の描画領域に表示する要素と表示しない要素とを決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項3】
前記図面情報は、作成途中の図面情報と作成済みの図面情報のうち少なくとも作成途中の図面情報を含む、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記図面情報に含まれる要素の利用頻度に基づいて、前記選択可能な要素の優先度を決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記図面情報に含まれる要素の前記ビジネスプロセスにおける順序に基づいて、前記選択可能な要素の優先度を決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記図面情報に含まれる要素の配置に基づいて、前記選択可能な要素の優先度を決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記図面情報に含まれる文字情報に基づいて、前記選択可能な要素の優先度を決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記図面情報に含まれる要素が前記図面情報に追加された時刻に基づいて、前記選択可能な要素の優先度を決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記図面情報を、図面情報が入力された場合に要素の優先度を出力するように生成された学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力された優先度を取得することにより、前記選択可能な要素の優先度を決定する、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項10】
前記選択可能な要素を前記要素の分類毎に異なる態様で表示させる、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項11】
前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素を強調表示させる、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項12】
前記図面情報に含まれる要素のうちいずれかが選択状態になったことに対応して、当該選択状態の要素に続けて利用可能な要素の少なくとも一部が前記表示装置に表示される、
請求項1に記載のモデリング装置。
【請求項13】
ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置により、
モデリング済みの図面情報を記録部に保持するステップと、
モデリングに利用される複数の要素のうち前記ビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定するステップと、
前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させるステップと、を含む、
モデリング方法。
【請求項14】
コンピュータに、
モデリング済みの図面情報を保持させ、
モデリングに利用される複数の要素のうちビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定させ、
前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モデリング装置、モデリング方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネスプロセスの流れを可視化することにより企業活動の改善等に活用するため、ビジネスプロセスをモデリングする技術が知られている。ビジネスプロセスのモデリングに関して、例えばBusiness Process Model and Notation(以下、「BPMN」と称する)が国際標準の表記法として公開されている。BPMN等を利用したビジネスプロセスのモデリング作業では、ビジネスプロセスに含まれる手続き等を、規定の図形(以下、「要素」とも称する)を用いて順序付け、業務の流れを表現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】BPMN 2.0 by Example、[online]、平成22年6月2日、Object Management Group、[令和5年3月8日検索]、インターネット<URL:http://prog.tversu.ru/design/dtc-10-06-02.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モデリング作業を行う際に、そのワークフローを構成する要素の種類は多数あるため、ユーザが目的の要素を選択するために複数回の操作を要する場合があり、手間がかかっていた。
【0006】
本開示は、上述した従来の事情を鑑みて案出され、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大である場合でも、ユーザ等がモデリング作業をより効率的に行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置であって、モデリング済みの図面情報を保持する記録部と、モデリングに利用される複数の要素のうち前記ビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定する決定部と、前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、モデリング装置を提供する。
【0008】
また、本開示は、ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置により、モデリング済みの図面情報を記録部に保持するステップと、モデリングに利用される複数の要素のうち前記ビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定するステップと、前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させるステップと、を含む、モデリング方法を提供する。
【0009】
また、本開示は、コンピュータに、モデリング済みの図面情報を保持させ、モデリングに利用される複数の要素のうちビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、前記図面情報に基づいて優先度を決定させ、前記優先度に基づいて、前記選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる、ためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】BPMNによるモデリングを説明するための概略図
【
図4】BPMNによるモデリングを説明するためのテーブル図
【
図5】BPMNによるモデリングを説明するための概略図
【
図6】BPMNによるモデリングを説明するための概略図
【
図7】BPMNによるモデリングを説明するための概略図
【
図8】本開示の一実施の形態に係るモデリングを説明するための概略図
【
図9】本開示の実施の形態1に係るモデリングエディタの処理のフローチャート
【
図10】本開示の実施の形態1に係るモデリング画面を示す概略図
【
図11】本開示の実施の形態2に係るモデリングエディタの処理のフローチャート
【
図12】本開示の実施の形態2に係るモデリング画面を示す概略図
【
図13】本開示の実施の形態3に係るモデリングエディタの処理のフローチャート
【
図14】本開示の実施の形態3に係るモデリング画面を示す概略図
【
図15】本開示の実施の形態3に係るモデリング画面を示す概略図
【
図16】本開示の実施の形態4に係るモデリングエディタの処理のフローチャート
【
図17】本開示の一実施の形態に係るモデリングを説明するための概略図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(ハードウェア構成)
本開示の一実施の形態に係るモデリング装置は、パーソナルコンピュータなどに代表される情報処理装置により実現され得る。
図1は、本開示の一実施の形態に係るモデリング装置を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータ1は、プロセッサ2、メモリ3、入力装置4、表示装置5、外部記憶装置6、ドライブ装置7、記憶媒体8、通信インターフェース装置9を備える。これらの装置は、記憶媒体8を除き、バス10に接続され、バス10を介して双方向にデータを送受信できる。なお、記憶媒体8はドライブ装置7に接続され、ドライブ装置7およびバス10を介して、他の装置と双方向にデータを送受信できる。
【0014】
プロセッサ2が、メモリ3に格納された各種プログラムやデータを読み出して実行することにより、モデリング装置としての機能を実現してよい。プロセッサ2は、例えば、Central Processing Unit(以下、「CPU」と称する)、Micro Processing Unit(以下、「MPU」と称する)、Digital Signal Processor(以下、「DSP」と称する)、Graphical Processing Unit(以下、「GPU」と称する)、あるいはField Programmable Gate Array(以下、「FPGA」と称する)等を用いて構成されてよい。
【0015】
メモリ3は、例えばRandom Access Memory(以下、「RAM」と称する)やRead Only Memory(以下、「ROM」と称する)等の揮発性/不揮発性の記憶装置を用いて構成され、プロセッサ2の動作の実行に必要な各種プログラム、データ、更には、動作中に生成されたデータ又は情報を一時的に保持する。RAMは、例えばプロセッサ2の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えばプロセッサ2を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶して保持する。
【0016】
入力装置4は、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスにより構成され、プロセッサ2に入力するデータを受け付ける。
【0017】
表示装置5は、プロセッサ2が生成したデータ等を表示する。具体的には、ユーザがモデリング作業を実施するためのモデリング画面等を表示する。表示装置5は、例えば有機ELディスプレイやタッチパネルディスプレイ等である。
【0018】
外部記憶装置6は、不揮発性の記憶装置を用いて構成され、プロセッサ2が取り扱う各種プログラムやデータ等を記憶する。外部記憶装置6は、例えばHard Disk Drive(以下、「HDD」と称する)やSolid State Drive(以下、「SSD」と称する)等である。
【0019】
ドライブ装置7は、記憶媒体8に格納されているプログラムやデータの読み取りや、プログラムやデータの記憶媒体8への書き込みを行う。記憶媒体8は、例えばCompact Disk Read Only Memory(以下、「CD-ROM」と称する)、Digital Versatile Disk Read Only Memory(以下、「DVD-ROM」と称する)やUniversal Serial Bus(以下、「USB」と称する)メモリ等である。
【0020】
通信インターフェース装置9は、不図示のネットワークを介して不図示の外部装置との通信を行い、各種データや信号の送受信を行う。通信インターフェース装置9は、有線通信および無線通信のいずれに対応してもよい。通信インターフェース装置9による通信方式は、例えばWide Area Network(以下、「WAN」と称する)、Local Area Network(以下、「LAN」と称する)、Long Term Evolution(以下、「LTE」と称する)、5G等の移動体通信、電力線通信、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)といった近距離無線通信等、もしくはこれらの組み合わせであってよい。
【0021】
(機能構成)
図2は、本開示の一実施の形態に係るモデリングエディタの機能構成例を示すブロック図である。ここで、モデリングエディタとは、ビジネスプロセス等をモデル化するためのモデリング作業のためのプログラムである。プロセッサ2は、モデリングエディタ11の各処理を実行することで、コンピュータ1にモデリング装置としての機能を実現させてよい。モデリングエディタ11は、例えば記憶媒体8に格納されて、ドライブ装置7を介して実行されてもよいし、企業等のサーバ(不図示)が提供するサービスとして、通信インターフェース装置9を介して実行されてもよい。
【0022】
モデリングエディタ11は、イベントハンドラ12、記録部13、生成部14、決定部15、出力部16、描画モジュール17を含んで構成される。なお、
図2に示す構成は一例であり、1の部位が複数に分割されて構成されてもよいし、複数の部位が1つにまとめられて構成されてもよい。ここでは、本開示の一実施の形態に係る機能に関する部位のみを示しており、
図2に示す構成以外の部位を更に備えてもよい。例えば、モデリングエディタ11は表示制御部を備えてもよい。表示制御部は、例えば出力部16と描画モジュール17との機能を備えていてよい。
【0023】
イベントハンドラ12は、ユーザが入力装置4を通して行ったモデリング作業に関する操作を、記録部13に通知する機能を備えたモジュールである。ユーザが入力装置4を通して行ったモデリング作業に関する操作とは、例えば、要素の追加や削除等が挙げられる。
【0024】
記録部13は、イベントハンドラ12から通知を受信した場合、ユーザの操作を、操作履歴としてメモリ3や外部記憶装置6等に記録する。具体的な例は後述するが、モデリングがBPMNに則っている場合、記録部13は、当該操作履歴をeXtensible Markup Language(以下、「XML」と称する)形式で記録する。記録部13は、ユーザ等が行う、ビジネスプロセスのモデリングに関する操作履歴をメモリ3や外部記憶装置6等に記録する。以下、モデリングされたビジネスプロセスを、BP図と称することがある。記録部13は、完成したBP図の記録をメモリ3や外部記憶装置6等に保存してよいし、メモリ3や外部記憶装置6等に保存された記録を読み出してよい。また、記録部13は、外部装置(不図示)に保存されたBP図の記録を読み出してよい。記録部13は、更に、ドライブ装置7や通信インターフェース装置9を介してBP図の記録を読み出してよい。以下、記録部13により記録された、または読み出される記録のことを図面情報と称することがある。例えば、モデリングがBPMNに則っている場合、図面情報はXMLファイルを意味する。
図2には示していないが、図面情報18は、現在の図面情報(すなわち、作成途中の図面情報)と過去の図面情報(すなわち、作成済みの図面情報)とを含んでよい。現在の図面情報と過去の図面情報とについては、後述する。記録部13は、図面情報18を生成部14と決定部15とに出力する。
【0025】
生成部14は、図面情報18とビジネスプロセスのモデリングに係る制約20とに基づいて、候補要素リスト19を生成する。生成された候補要素リスト19は、例えばメモリ3に保存されてよい。候補要素リスト19は、モデリング作業において、現時点で利用可能(選択可能)な要素がリスト化されたものである。制約20は、ルールベースにて、モデリング作業中に利用可能な要素を規定するための情報である。制約20は、ユーザ等によって予め設定されてもよい。制約20は、例えばドライブ装置7や通信インターフェース装置9経由で取得されてもよい。制約20は、例えばメモリ3に保存される。
【0026】
制約20は、例えば特定のビジネスプロセスが現在モデリングされている場合に、特定の要素をフィルタリングし、候補要素リスト19から除外するようなものであってもよい。この場合、制約20は、モデリングの規則上は利用可能であっても、現在モデリングされているビジネスプロセスでは利用される可能性が低い要素を除外するようなものであってもよい。例えば、モデリングされているビジネスプロセスが文書の承認に係るビジネスプロセスである場合、承認の順序や承認権者が厳格に定められていることが多い。そのため、複数の手順のどれでもよい処理が発生する可能性は低く、ORを示す要素が使用される可能性は低い。そこで、文書の承認に係るビジネスプロセスがモデリングされている場合、ORを示す要素を候補要素リスト19から除外するように制約20を設定することで、使用される可能性の低い要素を候補要素リスト19から除くことができる。他の例としては、製品の配送に係るビジネスプロセスがモデリングされている場合に、特定の要素が利用不可になってもよい。
【0027】
また、制約20は、例えば特定の要素が利用されている場合、同一または異なる特定の要素をフィルタリングし、候補要素リスト19から除外するようなものであってもよい。具体的には、1つのビジネスプロセスにおいて複数回利用される可能性の低い要素が利用されて以降は、当該要素を候補要素リスト19から除外してもよい。より具体的には、例えばビジネスプロセスの開始を示す要素が1つのビジネスプロセスの中で複数回利用される可能性は低いため、ビジネスプロセスの開始を示す要素の後には、当該要素は利用できないようにしてもよい。同様に、異なる要素であっても1つのビジネスプロセスの中で同時に利用される可能性の低い要素を除外してもよい。制約20は、例えば現時点で利用可能な要素の個数を、半数になるようにフィルタリングしてもよい。生成部14は、候補要素リスト19を決定部15に出力する。
【0028】
決定部15は、図面情報と候補要素リストとに基づいて、当該候補要素リストに含まれる各要素の優先度を決定する。優先度の決定方法については、後述する。決定部15は、候補要素リストと優先度とを出力部16に出力する。
【0029】
出力部16は、候補要素リストと優先度とに基づいて、要素を表示装置5に表示させるように描画モジュール17に指示を出力する。出力部16は、例えば、候補要素リストに含まれる要素のうち優先度が高い数個の要素のみが表示されるような指示を出力してよい。また、出力部16は、例えば、候補要素リストに含まれる要素のうち優先度が低い要素を非表示とされるような指示を出力してよい。
【0030】
描画モジュール17は、出力部16からの指示に基づいて、表示装置5に要素を表示させる。描画モジュール17は、ユーザ等のモデリング作業を支援する、Graphical User Interface(以下、「GUI」と称する)機能を備えたモジュールである。また、描画モジュール17は、モデリング画面や、モデリング画面に含まれるツールバーの表示等も制御する。描画モジュール17は、更に、Character User Interface(以下、「CUI」と称する)機能を備えていてよい。
【0031】
(BPMNによるモデリング)
本開示の実施の形態の説明において、ビジネスプロセスのモデリングの表記法であるBPMNを用いて説明する。そのため、まず、BPMNにおいて使用される各種の要素等について説明する。また、以下、ビジネスプロセスのことをプロセスと称することがある。なお、本開示の実施の形態の説明を簡単にするためにBPMNを例に挙げるが、本開示の実施の形態を限定する意図ではない。
【0032】
図3は、BPMNで作成されたBP図が表示された画面の概略図である。BP図は、モデリング画面21の描画領域23に表示される。なお、モデリング画面21は、表示装置5に表示される。モデリング画面21は、ユーザによるモデリング作業のための各種要素等を含んだツールバー22を含む。
図3に示すBP図は、タスク41-1の実行というプロセスがモデリングされたものである。
図3に示すBP図では、開始点31-1とタスク41-1と終了点32-1とが、順にシーケンスフロー51-1およびシーケンスフロー51-2により接続されている。
【0033】
開始点31-1は、プロセスの開始を示す要素である。タスク41-1は、ユーザまたはシステムが実施する単一の作業を示す要素である。なお、本明細書においてシステムとは、一連のプロセスを実行するためのワークフローシステムや、一連のプロセスにおける各種作業を管理するワークフローエンジン等を含む。
図3には示していないが、タスク41-1で行われる作業内容は、図形の中に記入される。終了点32-1は、プロセスの正常な終了を示す要素である。シーケンスフロー51-1およびシーケンスフロー51-2は、各要素を繋ぎ、プロセスの順序を示す。
図3の例では、プロセスの開始後、タスク41-1が実行され、プロセスが終了する。
【0034】
BPMNに使用される要素は、いくつかのカテゴリに分類される。本開示の実施の形態の説明のため、BPMNの要素分類のうち3つと、それら3つの分類における要素の例とを
図4に示す。
図4は、BPMNの要素の分類を説明するためのテーブル図である。テーブル70を用いて、BPMNの要素分類のうち、ゲートウェイ、アクティビティおよびイベントについて説明する。
【0035】
ゲートウェイは菱形で表され、プロセスのフローの分岐および結合の制御に使用される。菱形の中の内部記号によって、制御の種類が区別される。例えば、排他ゲートウェイ61-1および排他ゲートウェイ62-1は、プロセスのフローが排他的に分岐することまたは分岐したフローが結合することを示す。包括ゲートウェイ63-1は、プロセスのフローが、条件に適合する全てのルートに分岐することを示す。並列ゲートウェイ64-1は、プロセスのフローが並列に分岐することまたは分岐したフローが結合することを示す。
【0036】
アクティビティは角を丸めた四角形で表され、ユーザまたはシステムが実施する作業を示す。例えば、タスク41-2は、
図3での説明の通り、ユーザまたはシステムが実施する単一の作業を示す。同行において、タスク41-2の右側に示されている4つの要素は、四角形の底辺にプラス記号が付けられている。これらは、当該要素がプロセスを包含していることを示す。
【0037】
イベントは円で表され、円の中の内部記号によって、何らかの事象が発生することを示す。例えば、メッセージイベント33およびメッセージイベント34には、内部記号として封筒が示されている。これらは、メール等のメッセージに関する何らかの事象が発生することを示す。また、タイマーイベント35およびタイマーイベント36には、内部記号として時計が示されている。これらは、時間に関する何らかの事象が発生することを示す。プロセスでイベントが発生する地点によって、円が太線になったり、二重線になったりする。例えば、メッセージイベント33およびタイマーイベント35はプロセス開始時でのイベントであり、タイマーイベント36はプロセスの中間におけるイベントであり、メッセージイベント34はプロセス終了時のイベントである。また、
図3に示した開始点31-1および終了点32-1もイベントに分類される。
【0038】
BPMNでモデリングされたプロセスは、文字列化可能である。具体的には、XML形式で記述可能である。
図5および
図6を用いて、BPMNでモデリングされたプロセスのXML表記の一例を説明する。
【0039】
図5は、BPMNで作成されたBP図が表示された画面の概略図である。
図5に示すBP図が表すプロセス90では、プロセス開始後、タスク41-3とタスク41-4が順番に実施され、その後フローが排他的に2つに分岐する。開始点31-2には、「Start」という文字が与えられている。タスク41-3では、「Open text」という作業が行われる。タスク41-4では、「Edit text」という作業が行われる。
【0040】
タスク41-3では、図形内部の左上に紙の形の記号42が、タスク41-4では、図形内部の左上に人の形の記号43が付けられている。これらの記号はタスクのタイプを示す記号であり、タスク41-3とタスク41-4とが、それぞれスクリプトタスク、ユーザタスクであることを意味する。スクリプトタスクとは、システムがスクリプト(プログラム)を処理することを意味し、ユーザタスクとは、人間がシステムを利用して作業を処理することを意味する。
【0041】
排他ゲートウェイ61-2には、「Result?」という文字が与えられている。これは、排他ゲートウェイ61-2でタスク41-4における作業の結果を判断することを意味し、判断結果に応じてフローが排他的に分岐する。本来、プロセスは排他ゲートウェイ61-2の後も継続するが、ここでは説明を簡単にするため省略する。
【0042】
図6は、プロセス90に対応するXMLを説明するための図である。
図6に、XML形式で表されたプロセス90を格納するファイル100を示す。なお、説明を簡単にするため、ファイル100に格納されているタグのうち一部に着目しており、省略しているタグがある。ここで、タグとは「<」と「>」とで挟まれた、属性や属性値を含んで構成される部分のことを指す。
【0043】
タグ101では、開始点31-2の情報が文字列化されている。タグ101では、開始点31-2に与えられた「Start」および、開始点31-2の識別番号として「31-2」が示されている。
【0044】
タグ102では、タスク41-3の情報が文字列化されている。タグ102では、タスク41-3がスクリプトタスクであることや、タスク41-3での作業内容等が示されている。
【0045】
タグ103では、タスク41-4の情報が文字列化されている。タグ103では、タスク41-4がユーザタスクであることや、タスク41-4での作業内容等が示されている。
【0046】
タグ104では、排他ゲートウェイ61-2の情報が文字列化されている。タグ105では、開始点31-2とタスク41-3とを接続するシーケンスフロー51-3の情報が文字列化されている。タグ106では、タスク41-3とタスク41-4とを接続するシーケンスフロー51-4の情報が文字列化されている。タグ107では、タスク41-4と排他ゲートウェイ61-2とを接続するシーケンスフロー51-5の情報が文字列化されている。
【0047】
このように、BPMNでのモデリングは、XML形式で文字列化される。また、ユーザまたはシステムは、XMLから、プロセスを構成する要素の種類やタスクにおける作業内容、プロセスの実行順序等が分かる。BPMNでモデリング作業を行う場合、記録部13は、XMLを図面情報として記録する。
【0048】
(従来のモデリング作業)
ここまでに説明した要素は、BPMNで使用されている要素のうち一部であり、実際のBP図は更に多数の要素によって作成される場合がある。そのため、従来のモデリング作業においては、ユーザは多数ある要素の中から目的の要素を特定し、選択する必要がある。また、要素をBP図に追加する際には複数回の操作が必要とされ、手間がかかっていた。
図7を用いて、従来のモデリング作業の一例を説明する。
【0049】
図7は、従来のモデリング作業の一例を説明するための図である。
図7(a)には、シーケンスフローと当該シーケンスフローに接続されたタスク41-5とが示されている。当該シーケンスフロー以前には、例えば開始点等の何らかのイベントや、ゲートウェイ等がモデリングされていてよい。タスク41-5を囲む選択枠24は、タスク41-5が現在選択状態であることを示す。ここで、要素が選択状態であるとは、当該要素を囲む選択枠が表示され、後述するツール群が当該要素の近傍に表示されることを意味する。言い換えると、要素が着目されている状態である。なお、要素は、ユーザがマウス等の入力装置4を操作して当該要素を選択(例えば、クリックあるいはキーボードの入力)することによって選択状態となってよい。タスク41-5に限らず、ゲートウェイやイベント等の要素が選択状態である場合、選択状態であることを示す選択枠で囲まれる。
【0050】
図7(a)から
図7(d)を用いて、タスク41-5の後に並列ゲートウェイを挿入する例について説明する。なお、
図7(a)から
図7(d)に示す図は、ディスプレイ等の表示装置5に表示されたモデリング画面の一部に着目した図である。
【0051】
モデリング画面において要素が選択状態となっている場合、当該要素の近傍に、モデリングのためのツールが表示される。以下、説明の便宜上、これらのツールをまとめてツール群と呼ぶことがある。例えば、
図7(a)では、タスク41-5が選択状態であり、タスク41-5の傍にツール群25-1が表示されている。ユーザは、ツール群25-1から所望の記号を選択することでモデリングをすることができる。
【0052】
図7(a)の状態で、ユーザは、並列ゲートウェイを挿入するためにツール群25-1からゲートウェイ60を選択する。ここで、ゲートウェイ60は分類としてのゲートウェイであり、ゲートウェイのうちの特定の1つの要素を示すものではない。これにより、
図7(b)に示す画面に遷移する。
図7(b)では、
図7(a)のモデルに排他ゲートウェイ62-2が挿入されている。つまり、分類としてのゲートウェイ60がユーザによって選択された場合、その分類に属するいずれかのゲートウェイ、より具体的には、
図4に示したようなゲートウェイの種類のいずれかが挿入される。
【0053】
排他ゲートウェイ62-2が挿入されている
図7(b)の状態から、排他ゲートウェイ62-2を並列ゲートウェイに変更するために、ユーザは、ツール群25-1からレンチ26を選択する。これにより、
図7(c)に示す画面に遷移する。
図7(c)では、ゲートウェイの種類を変更するためのダイアログボックス27が表示されている。
【0054】
ユーザは、ダイアログボックス27の中からゲートウェイの種類を並列ゲートウェイに変更するための選択肢28を選択することで、排他ゲートウェイ62-2を並列ゲートウェイに変更できる。これにより、
図7(d)に示す画面に遷移する。
図7(d)では、排他ゲートウェイ62-2が並列ゲートウェイ64-2に変更され、タスク41-5に続いて並列ゲートウェイ64-2が接続された状態となっている。
【0055】
このように、
図7で説明した例においては、
図7(a)の状態から並列ゲートウェイを挿入するために3回の操作を行う必要がある。なお、以上は従来のモデリング作業を説明するための一例である。したがって、並列ゲートウェイを挿入する手順は上記の説明に限定されない。
【0056】
(本開示に係る技術を用いたモデリング作業)
図8は、本開示に係るモデリング画面の一例を示す図である。
図8では、タスク41-6が選択状態であり、タスク41-6の傍にツール群25-2が表示されている。本開示に係る一実施の形態では、ツール群25-2にゲートウェイの各種要素が含まれる。説明の便宜上、ツール群に表示されるゲートウェイの各種要素のことを、候補ゲートウェイ群と呼ぶことがある。
図8の例では、ユーザはツール群25-2に含まれる候補ゲートウェイ群201-1から、並列ゲートウェイ64-3、包括ゲートウェイ63-2または排他ゲートウェイ62-3を直接選択できるようになっている。したがって、例えばユーザがタスク41-6の後ろに並列ゲートウェイ64-3を挿入する場合、必要な操作回数は1回で済む。このように、本開示では、従来のモデリング作業と比べて、ユーザに応じてモデリング作業の際の要素の候補を優先的に提示することで、モデリング作業を効率化させ、ユーザの利便性を向上させる。以下の実施の形態1~4の説明において、
図8の説明のように、候補として表示される要素としてゲートウェイに着目する。しかし本開示に係る実施の形態はこれに限定されず、イベントやアクティビティの要素が候補として表示されてもよい。
【0057】
(実施の形態1)
図9および
図10を参照して、実施の形態1に係るモデリング作業について説明する。実施の形態1では、モデリングにおいて利用頻度の高い要素を候補として表示させる例を説明する。
図9は、実施の形態1に係るモデリングエディタ11の動作例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態において、
図9に係るフローチャートの各処理は、プロセッサ2が
図1に示す各装置と協働することで実行される。
【0058】
図9の開始時点において、記録部13には、現在の図面情報が記録されている。ここで、現在の図面情報とは、ユーザが現在モデリングしているプロセスに関するXMLファイルである。生成部14は、記録部13から現在の図面情報を取得する(ステップS301)。
【0059】
生成部14は、ステップS301の処理で取得した図面情報と、制約20とに基づいて、候補要素リスト19を生成する(ステップS302)。候補要素リスト19には、例えばゲートウェイ、アクティビティおよびイベント等の各種要素が含まれる。また、例えば制約20が、ある時点において特定のゲートウェイの利用を不可とする内容であった場合、当該ゲートウェイは候補要素リスト19に含まれない。また、制約20は例えば、ある時点において利用可能なゲートウェイの個数が所定の個数より多い場合、優先度が所定の閾値より高いゲートウェイのみ候補要素リスト19に含まれるような内容であってもよい。そのような所定の個数および所定の閾値は、ユーザ等により予め設定されていてよい。また、制約20は、所定の閾値を用いない制約であってもよい。例えば、制約20は、優先度順で優先度の高い所定の個数のゲートウェイのみ候補要素リスト19に含まれるような内容であってもよい。この場合の所定の個数は、ユーザ等により予め設定されていてよい。
【0060】
決定部15は、記録部13から現在の図面情報を、生成部14から候補要素リスト19を取得する。決定部15は、現在の図面情報に基づいて、要素毎の利用頻度を集計する(ステップS303)。ここで、要素の利用頻度とは、現在の図面情報の中で、当該要素が何回利用されているかを意味する。
図6に示したように、プロセスを構成する各要素はXMLファイル内においてタグとして文字列化され、識別可能である。そのため、プロセスにおける要素毎の利用頻度をXMLファイルから集計することができる。
【0061】
決定部15は、候補要素リスト19とステップS303の処理で集計した要素毎の利用頻度とに基づいて、候補要素リスト19に含まれる要素毎の優先度を決定する(ステップS304)。このとき、決定部15は、利用頻度が高い要素の優先度を、利用頻度が低い要素の優先度よりも高く決定する。優先度は、例えば数値で表される。この場合、優先度の大小関係は数値の大小関係と等しい。したがって、例えば候補要素リストに要素A、B、C、D、Eが含まれており、要素A~Eの順で利用頻度が高い場合、要素A~Eの優先度はそれぞれ5、4、3、2、1と決定されてよい。決定部15は、候補要素リスト19と優先度とを出力部16に出力する。
【0062】
出力部16は、候補要素リストと優先度とに基づいて、描画モジュール17に描画指示を出力する。出力部16は、候補要素リストに含まれる要素のうち優先度が高い1つまたは複数の要素を描画するように、描画モジュール17に指示を出力してよい。例えば、候補要素リストに要素A~Eが含まれており、要素A~Eの順で優先度が高い場合、出力部16は、要素A~Cのみを描画するように、描画モジュール17に指示を出力してよい。ここで表示される要素の数は、予め規定されていてもよいし、ツール群の周辺の空いている描画領域23のサイズ等に基づいて決定されてもよい。描画モジュール17は、指示を受信した場合、当該指示に基づいて、モデリング画面に要素を描画する(ステップS305)。そして、本処理フローを終了する。なお、本処理フローは、ユーザがモデリング画面を操作して、要素の追加や選択が行われるごとに繰り返されてよい。
【0063】
図10は、実施の形態1に係るモデリングを説明するための図である。
図10には、
図9のステップS305の処理が実行された後のモデリング画面の一例が示されている。
【0064】
図10に示すBP図には、排他ゲートウェイ62-4、62-5および包括ゲートウェイ63-3が含まれている。すなわち、
図10に示すBP図には、排他ゲートウェイが2つ、包括ゲートウェイが1つ含まれている。
【0065】
図10に示すBP図に係る現在の図面情報は、XML形式で記録部13に記録されている。当該現在の図面情報からは、排他ゲートウェイが2つ、包括ゲートウェイが1つ利用されていることが読み取れる。
【0066】
ここで、説明の便宜上、生成部14が生成する候補要素リスト19には、少なくとも排他ゲートウェイ、包括ゲートウェイおよび並列ゲートウェイが含まれるとする。決定部15は、現在の図面情報に基づいて、排他ゲートウェイが2回、包括ゲートウェイが1回利用されていると集計する。また、決定部15は、集計結果と候補要素リスト19とに基づいて、例えば排他ゲートウェイ、包括ゲートウェイおよび並列ゲートウェイの優先度をそれぞれ3、2、1と決定する。候補要素リスト19に排他ゲートウェイ、包括ゲートウェイおよび並列ゲートウェイ以外の要素が含まれている場合、決定部15は、例えば当該要素の優先度を0と決定する。
【0067】
出力部16は、例えば候補要素リストのうち優先度の高い3つの要素を表示させるように描画モジュール17に指示を出力してよい。
図10の例では、排他ゲートウェイ、包括ゲートウェイおよび並列ゲートウェイが該当する。
【0068】
図10では、タスク41-7が選択状態であり、タスク41-7の傍にツール群が表示されている。また、
図9に示す各処理が実行された結果、当該ツール群の中には、出力部16の指示に基づいて描画モジュール17によって描画された、候補ゲートウェイ群201-2が表示されている。候補ゲートウェイ群201-2として、左から順に排他ゲートウェイ62-6、包括ゲートウェイ63-4および並列ゲートウェイ64-4が表示されている。すなわち、優先度が高い要素が左から順に表示されている。このように、出力部16は、優先度の高い順に並べて表示させるように、描画モジュール17に指示を出力してよい。候補ゲートウェイ群として表示させる要素の数および優先度に基づいた表示順は、ユーザ等により予め設定されていてよい。
図10の例では、候補ゲートウェイ群201-2として、3つの要素が優先度の高い順に左から並んで表示されているが、例えば5つの要素が優先度の高い順に右から表示されてもよい。また、要素の優先度が所定の値以上の場合のみ当該要素を候補として表示させるような、優先度の閾値がユーザ等により予め設定されていてもよい。
【0069】
以上、本実施の形態により、ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置は、モデリング済みの図面情報を保持する記録部と、モデリングに利用される複数の要素のうちビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、図面情報に基づいて優先度を決定する決定部と、優先度に基づいて、選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【0070】
これにより、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行える。
【0071】
また、表示制御部は、優先度に基づいて、選択可能な要素のうちモデリング画面の描画領域に表示する要素と表示しない要素とを決定する。
【0072】
これにより、例えば、候補として表示する要素の数の調整、あるいは優先度が所定の閾値未満の要素を非表示にすることができる。
【0073】
また、決定部は、図面情報に含まれる要素の利用頻度に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定する。
【0074】
これにより、例えば利用頻度の高い要素を優先的に候補として表示できる。
【0075】
(実施の形態2)
図11および
図12を参照して、実施の形態2に係るモデリング作業について説明する。実施の形態2では、現在選択状態となっている要素との距離がより近い要素を候補として表示させる例等を説明する。実施の形態2に係るモデリング作業の説明において、実施の形態1に係るモデリング作業と同一の内容の説明は簡略化あるいは省略し、差分に着目して説明する。
図11は、実施の形態2に係るモデリングエディタ11の動作例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態において、
図11に係るフローチャートの各処理は、プロセッサ2が
図1に示す各装置と協働することで実行される。
【0076】
図11の開始時点において、記録部13には現在の図面情報が記録されている。また、1つまたは複数の過去の図面情報が、記録部13により読み出されている。ここで、過去の図面情報とは、既にユーザ等によりモデリングされたプロセスに関するXMLファイルであり、例えばメモリ3や外部記憶装置6等に保存され、記録部13によって読み出されている。生成部14は、記録部13から現在の図面情報を取得する(ステップS401)。
【0077】
生成部14は、ステップS401の処理で取得した現在の図面情報と、制約20とに基づいて、候補要素リスト19を生成する(ステップS402)。
【0078】
決定部15は、記録部13から現在および過去の図面情報を、生成部14から候補要素リスト19を取得する(ステップS403)。
【0079】
決定部15は、現在および過去の図面情報に基づいて、要素毎の利用頻度を集計する(ステップS404)。このとき、実施の形態1での処理とは異なり、取得した現在の図面情報だけでなく、過去の図面情報も含めて、各要素が利用されている回数を集計する。
【0080】
決定部15は、現在の図面情報に基づいて、プロセス内の要素と当該要素のプロセスにおける順序とを紐づける(ステップS405)。プロセスにおいて、シーケンスフローの始点に接続された要素よりも、当該シーケンスフローの終点に接続された要素の方が後の順序になる。シーケンスフローがどの要素とどの要素とを接続しているかは、図面情報にて文字列化されているため、プロセス内の要素の順序が決まる。
【0081】
決定部15は、現在の図面情報に基づいて、プロセス内の要素と当該要素がユーザによりBP図に追加された時刻とを紐づける(ステップS406)。決定部15は、ステップS406の処理を実行するために、例えばメモリ3からユーザの操作ログを読み出してよい。操作ログは、記録部13が記録する操作履歴とは異なり、ユーザがコンピュータ1を操作した内容を記録したログである。操作ログには、ユーザによる操作日時や操作内容等が含まれる。
【0082】
決定部15は、候補要素リストとステップS404、S405、S406の処理の結果とに基づいて、当該候補要素リストに含まれる要素毎に重み付けを行う(ステップS407)。重み付けは、ステップS404、S405、S406のそれぞれの処理の結果毎に行われてよい。
【0083】
例えば、決定部15は、ステップS404の処理結果に基づいて、現在および過去のモデルでの利用頻度がより高い要素により大きな重みを付ける。
【0084】
例えば、決定部15は、ステップS405の処理結果に基づいて、現在選択状態となっている要素との距離がより近い要素により大きな重みを付ける。ここで、現在選択状態となっている要素との距離がより近い要素とは、現在選択状態となっている要素よりもプロセスにおける順序が早い要素のうち、当該順序と現在選択状態となっている要素の順序との差がより小さい要素ということである。説明を簡略化するため、現在選択状態となっている要素との距離がより近い要素と表現する。具体的には、
図12を用いて後述する。
【0085】
例えば、決定部15は、ステップS406の処理結果に基づいて、現在時刻により近い時刻にBP図に追加された要素により大きな重みを付ける。なお、決定部15は、ユーザがBP図に要素を追加してから次にBP図に追加する要素を選ぶまでの経過時間に基づいて時刻の近さを評価してもよい。このようにすることでBP図に追加する要素の選択に要した時間が重みに反映される。ユーザがBP図に追加する要素の選択に迷いがない場合、当該経過時間は短くなると考えられる。そのため、当該経過時間を重みに反映することで、ユーザがより強い確信をもって選択した要素ほど、候補としてより表示され易くなる。また、決定部15は、経過時間を問わず、要素がBP図に追加された順序に基づいて時刻の近さを評価してもよい。このようにすることで、ユーザが休憩を取ったりすることにより要素のBP図への追加とかかわりのない時間経過が発生していた場合に、誤った重み付けが行われる可能性を低減することができる。
【0086】
決定部15は、ステップS407の処理で行った重み付けに基づいて、候補要素リストに含まれる要素毎の優先度を決定する(ステップS408)。決定部15は、例えば、ステップS404、S405およびS406のそれぞれの処理結果に基づいた重み付けの結果を用いて演算することで、優先度を決定してもよい。演算の例として、重み付けの結果の足し合わせや、掛け合わせ等が挙げられる。また、決定部15は、ステップS404、S405およびS406のそれぞれの処理結果に基づいた重み付けの結果のうちいずれか1つに基づいて、優先度を決定してもよい。決定部15は、更に、ステップS404、S405およびS406のそれぞれの処理結果に基づいた重み付けの結果のうちいずれか2つに基づいて、優先度を決定してもよい。
【0087】
例えば、ステップS404、S405およびS406のそれぞれの処理結果に基づいた重み付けに応じて、要素に与えられる重みの大きさは異なっていてよい。また、各処理結果に基づいた重み付けにおける重みの大きさは、ユーザに予め設定されていてよい。例えば、各ステップにおける重みは総和が1になる様に正規化されてよい。また、ステップS407において、重み付けの結果を足し合わせる場合には、各ステップの決定基準の重要性や有用性に基づいて、更に重み付けを行ってもよい。
【0088】
例えば、候補要素リストに要素A、B、C、D、Eが含まれている場合、ステップS404の処理結果に基づいて、要素A~Eに1~5の範囲で重みが与えられてよい。また、ステップS405の処理結果に基づいた場合も、要素A~Eに1~5の範囲で重みが与えられてよい。一方、ステップS406の処理結果に基づいた場合、要素A~Eに10~20の範囲で重みが与えられてよい。この場合、現在時刻により近い時刻に追加されていることが、利用頻度やプロセス内の順序よりも重視されている。このように、利用頻度、順序、時刻のいずれがより重視されて重み付けが行われるか、ユーザによって予め設定されていてよい。なお、説明を簡単にするために重みを数値で表したが、これに限定する意図ではない。
【0089】
決定部15は、候補要素リストと優先度とを出力部16に出力する。出力部16は、候補要素リストと優先度とに基づいて、描画モジュール17に描画指示を出力する。描画モジュール17は、指示を受信した場合、当該指示に基づいて、モデリング画面に要素を描画する(ステップS409)。そして、本処理フローを終了する。なお、本処理フローは、ユーザがモデリング画面を操作して、要素の追加や選択が行われるごとに繰り返されてよい。
【0090】
図12は、実施の形態2に係るモデリングを説明するための図である。
図12には、
図11のステップS409の処理が実行された後のモデリング画面の一例が示されている。
【0091】
図12に示すBP図には、排他ゲートウェイ62-7、62-8および包括ゲートウェイ63-5が含まれている。すなわち、
図12に示すBP図には、排他ゲートウェイが2つ、包括ゲートウェイが1つ含まれており、これは、実施の形態1に係る
図10に示すBP図と同様である。
【0092】
図12では、タスク41-8が選択状態であり、タスク41-8の傍にツール群が表示されている。また、当該ツール群の中には、候補ゲートウェイ群201-3が表示されている。ここで、実施の形態1との比較のために、
図10の例と同様に、候補ゲートウェイ群201-3には優先度が高い3つの要素が左から順に並べて表示されているとする。しかしながら、
図12では、
図10の例とは異なり、候補ゲートウェイ群201-3として包括ゲートウェイ63-6、排他ゲートウェイ62-9、並列ゲートウェイ64-5が左から順に表示されている。
【0093】
例えば、
図12では現在選択状態となっている要素との距離がより近い要素の優先度がより高くなるように決定されている。
図12において、現在選択状態となっている要素はタスク41-8である。プロセスにおける順序がタスク41-8よりも早い要素は、ゲートウェイに限定すると、包括ゲートウェイ63-5、排他ゲートウェイ62-7、62-8である。また、それら3つのゲートウェイのプロセスにおける順序は、包括ゲートウェイ63-5、排他ゲートウェイ62-8、62-7の順でタスク41-8に近い。したがって、排他ゲートウェイと比較して包括ゲートウェイにより大きな重みが付けられ、その結果、
図12の例では、包括ゲートウェイ63-6が排他ゲートウェイ62-9よりも優先的に表示されている。
【0094】
また、例えば
図12では、利用頻度が高い要素の優先度がより高くなるように決定されていてもよい。ここで、
図12に示すBP図に係る図面情報は、現在の図面情報である。
図12に示すBP図では、排他ゲートウェイの方が包括ゲートウェイよりも利用頻度が高い。しかしながら、過去の図面情報も考慮に入れると、包括ゲートウェイ、排他ゲートウェイ、並列ゲートウェイの順に利用頻度が高い場合、候補ゲートウェイ群201-3は
図12に示した通りになる。
【0095】
また、例えば
図12では、BP図に追加された時刻がより現在時刻に近い要素の優先度がより高くなるように決定されていてもよい。ここで、
図12の例では包括ゲートウェイ63-5は直近(最も遅い時刻)に追加されているとする。この場合、包括ゲートウェイ63-6が優先的に表示される。
【0096】
ステップS404の処理では、現在の図面情報だけでなく過去の図面情報も含めて、要素毎の利用頻度を集計した。ただしこれに限定されず、実施の形態1のように、現在の図面情報のみに基づいて、要素毎の利用頻度を集計してもよい。また、実施の形態1においても、記録部13が過去の図面情報を読み出し、現在の図面情報だけでなく、過去の図面情報も含めて要素毎の利用頻度を集計してもよい。
【0097】
また、現在の図面情報と過去の図面情報とを利用して重み付けを行う際、例えば現在の図面情報がより重視されるような設定が、予めユーザ等によりされていてもよい。
【0098】
以上、本実施の形態により、図面情報は、作成途中の図面情報と作成済みの図面情報のうち少なくとも作成途中の図面情報を含む。
【0099】
これにより、作成途中の図面情報だけでなく、作成済みの図面情報も利用できる。
【0100】
また、決定部は、図面情報に含まれる要素のビジネスプロセスにおける順序に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定する。
【0101】
これにより、例えば選択状態の要素の近くで利用されている要素を優先的に候補として表示できる。
【0102】
また、決定部は、図面情報に含まれる要素が図面情報に追加された時刻に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定する。
【0103】
これにより、例えば直近に利用された要素を優先的に候補として表示できる。
【0104】
(実施の形態3)
図13から
図15を参照して、実施の形態3に係るモデリング作業について説明する。実施の形態3では、モデリングされた要素の配置や要素に記載された文字情報に基づいて、候補となる要素を表示させる例を説明する。実施の形態3に係るモデリング作業の説明において、実施の形態1および2に係るモデリング作業と同一の内容の説明は簡略化あるいは省略し、差分に着目して説明する。
図13は、実施の形態3に係るモデリングエディタ11の動作例を説明するためのフローチャートである。ただし、フローチャートの一部にユーザによる操作を含めている。本実施の形態において、
図13に係るフローチャートの各処理は、プロセッサ2が
図1に示す各装置と協働することで実行される。
【0105】
図13の開始時点において、記録部13には現在の図面情報が記録されている。生成部14は、記録部13から現在の図面情報を取得する(ステップS501)。
【0106】
生成部14は、ステップS501の処理で取得した現在の図面情報と、制約20とに基づいて、候補要素リスト19を生成する(ステップS502)。
【0107】
決定部15は、記録部13から現在の図面情報を、生成部14から候補要素リスト19を取得する。決定部15は、現在の図面情報に基づいて、要素配置情報を抽出する(ステップS503)。要素配置情報とは、1つまたは複数の要素を1つのセットとみなした際の、XMLファイルにおける当該セットに対応するタグである。また、抽出とは、当該タグを1つのまとまりとして扱えるようにすることである。以下、1つのセットとみなした複数の要素を、要素セットと呼ぶことがある。
【0108】
要素配置情報は、選択状態にある要素に続けてユーザ操作によりBP図に追加される要素の候補を予測する目的で、2種類が抽出される。
図14は、実施の形態3に係るモデリングの一例を説明するための図である。
図14の例では、ユーザはタスク41-12に続いて、新たな要素をモデリングする。この場合、第1要素配置情報として抽出される要素セットには、少なくともタスク41-12が含まれる必要がある。例えば、タスク41-12、排他ゲートウェイ62-11および終了点32-3のセットである要素セット81や、当該セットにタスク41-11が加わった要素セット82が第1要素配置情報として抽出される。
【0109】
複数の要素を1つのセットとみなす範囲は、例えば、所望の要素よりも前の時点に所定の回数遡った範囲までとしてもよい。例えば、要素セット81はタスク41-12から1回、要素セット82はタスク41-12から2回遡った範囲までをセットに含めた例である。また、ユーザの指定により、セットとみなす要素の範囲が設定されてもよい。この場合、ユーザは、遡る回数を指定してもよいし、セットに含める複数の要素を直接指定してもよい。決定部15は、続いて、第1要素配置情報として抽出した要素セットと同一または類似度が高い要素セットを含む要素セットを、第2要素配置情報として抽出する。なお、決定部15は、要素セットの類似度を様々な基準で評価してよい。決定部15は例えば、複数の要素セットを比較した際、当該複数の要素セットそれぞれに同一の要素が含まれている割合に応じて、当該複数の要素セットの類似度を評価してもよい。この場合、例えば同一の要素が含まれている割合が高いほど、類似度も高く評価される。また、決定部15は例えば、複数の要素セットを比較した際、当該複数の要素セットそれぞれに同じ要素分類に属する要素が含まれている割合に応じて、当該複数の要素セットの類似度を評価してもよい。この場合、例えば同じ要素分類に属する要素が含まれている割合が高いほど、類似度も高く評価される。決定部15は、更に、同一の要素が含まれている要素セット同士の方が、同一の要素ではないが要素分類が同じ要素が含まれている要素セット同士よりも類似度が高いと評価してもよい。
【0110】
図14の例では、決定部15は、要素セット81に対応して、包括ゲートウェイ63-7、タスク41-10、排他ゲートウェイ62-10および終了点32-2のセットである要素セット83を第2要素配置情報として抽出する。また、決定部15は、要素セット82に対応して、当該セットに包括ゲートウェイ63-7、タスク41-10、排他ゲートウェイ62-10、終了点32-2およびタスク41-9のセットである要素セット84を第2要素配置情報として抽出する。第2要素配置情報には、第1要素配置情報として抽出された要素セットの次点(例えば、プロセスの下流)の要素に相当する要素が含まれる。次点の要素は、例えば、
図14における包括ゲートウェイ63-7である。
【0111】
図14の例では、第1要素配置情報として要素セット81、82を、第2要素配置情報として要素セット83、84を挙げたが、これに限定されない。例えば、
図14に示すBP図と比べて、利用されている要素の種類および数が多いBP図においては、第2要素配置情報となり得る要素セットも多く存在すると考えられる。そのような場合、決定部15は、当該要素セットを全て第2要素配置情報として抽出してもよいし、一部を第2要素配置情報として抽出してもよい。つまり、第2要素配置情報はBP図の全体から抽出してもよいし、BP図の一部分に着目して抽出してもよい。これは、第1要素配置情報についても同様である。
【0112】
決定部15は、ステップS503の処理で抽出した要素配置情報に基づいて、要素毎の利用頻度を集計する(ステップS504)。このとき利用頻度が集計される要素は、第2要素配置情報に含まれる、第1要素配置情報として抽出された要素セットの次点の要素に相当する要素である。
図14の例では、第1要素配置情報として要素セット81、82が抽出され、それぞれに対応して第2要素配置情報として要素セット83、84が抽出される。したがって、要素セット83における包括ゲートウェイ63-7、要素セット84における包括ゲートウェイ63-7が集計対象である。
【0113】
決定部15は、候補要素リストとステップS504の処理の結果とに基づいて、当該候補要素リストに含まれる要素毎に重み付けを行う(ステップS505)。
【0114】
決定部15は、ステップS505の処理で行った重み付けに基づいて、候補要素リストに含まれる要素毎の優先度を決定する(ステップS506)。決定部15は、候補要素リストと優先度とを出力部16に出力する。出力部16は、候補要素リストと優先度とに基づいて、描画モジュール17に描画指示を出力する。描画モジュール17は、指示を受信した場合、当該指示に基づいて、モデリング画面に要素を描画する(ステップS507)。
【0115】
図14の例では、包括ゲートウェイの優先度が他の要素よりも高く決定されるため、候補ゲートウェイ群201-4の左に包括ゲートウェイ63-8が表示されている。なお、
図14の例では、優先度が高い要素が左から順に表示されるとする。
【0116】
図14の例では、包括ゲートウェイ以外の要素の優先度は等しい。この場合、候補ゲートウェイ群201-4を構成する包括ゲートウェイ63-8以外の要素は、例えばランダムに選出されてもよいし、優先度が等しい場合における要素の優先順位が予めユーザ等によって設定されていてもよい。
図14の例では、包括ゲートウェイ63-8に続いて、排他ゲートウェイ62-12および並列ゲートウェイ64-6が表示されている。
【0117】
実施の形態3における優先度の算出には、文字情報が用いられてもよい。例えば、ステップS503での要素配置情報の抽出の処理で、要素に記載された文字情報が加味されてもよい。
図15は、実施の形態3に係るモデリングの一例を説明するための図である。
図15の例では、タスク41-13、41-14、41-15に「AAAAA」と記載されている。このとき、決定部15は、第1要素配置情報としてタスク41-15を抽出してよい。これにより、第2要素配置情報としてタスク41-13、排他ゲートウェイ62-13を含むセット要素85や、タスク41-14、排他ゲートウェイ62-14を含むセット要素86が抽出される。
図15の例では、その後、
図9のステップS504~S506の処理が行われ、排他ゲートウェイの優先度が他の要素よりも高く決定される。したがって、候補ゲートウェイ群201-5の3つの要素のうち一番左に排他ゲートウェイ62-15が表示される。
【0118】
または、決定部15は、第1要素配置情報としてタスク41-15を抽出した後、「AAAAA」と記載されたタスクを抽出し、当該タスクの次点の要素を参照してもよい。決定部15は、次点の要素毎の参照された回数を集計し、参照された回数がより多い要素により大きい重みを付けてもよい。
図15の例では、当該タスクはタスク41-13、41-14であり、次点の要素はそれぞれ排他ゲートウェイ62-13、62-14である。したがって、排他ゲートウェイが決定部15により2回参照され、より大きな重みが付けられる。その結果、排他ゲートウェイ62-15が優先的に表示される。
【0119】
図15の例では、要素に記載された文字情報として「AAAAA」を挙げたが、これに限定する意図ではない。また、優先度の算出に用いられる文字情報は、予めユーザによって辞書(不図示)に登録されていてもよい。辞書には、優先度の算出に用いられる文字情報が一覧になってまとめられていてよい。また、辞書に登録された文字情報に含まれる一部の文字列が、優先度の算出に用いられるような設定がユーザによりされてもよい。例えば、「ABCDE」という文字情報が辞書に登録されているとき、「BCD」という文字列が優先度の算出に用いられてもよい。なお、所謂あいまい検索により優先度算出の文字情報を抽出するようにしても良い。このようにすることで、完全一致していない文字情報も優先度の算出に用いることができるので、要素に記載された文字情報に表記ゆれがあっても正確に優先度を算出することができる。なお、文字列を対象としたあいまい検索の手法は様々なものが知られているため、詳細な説明は省略する。辞書は、例えばメモリ3に保持される。また、文字情報は要素に記載されていることに限定されず、XMLで記述されている何らかの文字列が利用されてよい。
【0120】
本実施の形態における優先度の算出方式として、以下の4つが挙げられる。1つ目は、モデル全体から抽出された要素配置情報に基づく、優先度の算出方式である。2つ目は、モデルの一部分に着目して抽出された要素配置情報に基づく、優先度の算出方式である。3つ目は、文字情報を用いた、優先度の算出方式である。4つ目は、予めユーザによって辞書に登録された文字情報を用いた、優先度の算出方式である。各算出方式において、要素毎に重み付けがされるが、それらの重みの大きさは予めユーザ等によって設定されていてよい。
【0121】
ステップS506の処理では、決定部15は、これらの4つの算出方式により得られた優先度を足し合わせる等の演算を行い、出力部16に出力される優先度を決定してよい。このように決定された優先度に基づいて、ステップS507の処理により1つまたは複数の要素が候補としてモデリング画面に表示される。なお、本実施の形態では、優先度を足し合わせる例を説明したが、4つの算出方式によって得られた優先度を乗算などの他の演算を用いて統合して優先度を決定してもよい。
【0122】
ユーザは、候補として表示された1つまたは複数の要素のうちいずれかを選択する(ステップS508)。決定部15は、ユーザにより選択された要素の重みが大きくなるように、優先度の4つの算出方式における重み付けの際の重みを更新する(ステップS509)。したがって、各算出方式において、重みの大きさは予めユーザ等により設定されていてもよいが、本フローを繰り返すことで重みは更新されていき、ユーザの操作が候補の要素の表示に反映されていく。
【0123】
実施の形態3では、現在の図面情報のみに基づいた処理を説明した。しかしこれに限定されず、記録部13は過去の図面情報を読み出してよく、決定部15は過去の図面情報からも要素配置情報を抽出してもよいし、過去の図面情報に含まれる文字情報を利用してもよい。
【0124】
以上、本実施の形態により、決定部は、図面情報に含まれる要素の配置に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定する。
【0125】
これにより、例えばモデリング済みの要素配置と同様の要素配置となるような要素を優先的に候補として表示できる。
【0126】
また、決定部は、図面情報に含まれる文字情報に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定する。
【0127】
これにより、文字情報を考慮した優先度の決定が可能になる。
【0128】
(実施の形態4)
実施の形態4では、効率的なモデリング作業のために学習済みモデル(不図示)が利用される。当該学習済みモデルは、現在の図面情報が入力されたときに、次にBP図に追加され得る要素毎の優先度を出力するように任意の学習アルゴリズムにより予め生成されていてよい。
【0129】
以下の説明において、「学習処理」とは、学習データおよび任意の学習アルゴリズムを用いてモデルに学習を行わせることにより、学習済みモデルを生成することを指す。ここでは、モデルの学習にて用いられるデータを「学習データ」と記載し、一定程度の学習が行われたモデルを「学習済みモデル」と記載する。学習済みモデルは、複数の学習データを用いて学習が進むことにより、適時更新され、同じ入力であってもその出力が変化していく。したがって、学習済みモデルは、いずれの時点での状態であるかを限定するものではない。また、学習データの構成は、利用する学習アルゴリズムに応じて変更されてよい。
【0130】
生成された学習済みモデルは、例えばコンピュータ1で実装され、本実施の形態にて利用される。学習処理は一般的に処理負荷が高いため、本実施の形態に係る処理が実行される前に、他の装置等にて予め学習処理が行われて学習済みモデルが生成されている(いわゆる、学習フェーズ)ことが好ましい。そして、モデリングエディタ11が提示する要素の優先度を決定する際に、学習済みモデルを利用して推論を行う(いわゆる、推論フェーズ)ように構成されてよい。
【0131】
本実施の形態において、図面情報18に含まれる要素毎の利用頻度、プロセスにおける要素の順序、要素の配置および文字情報の少なくともいずれかを入力データとし、各要素の優先度を出力データとした対から構成される学習データを設け、当該学習データを用いて所定の学習アルゴリズムにより学習処理を行うことで学習済みモデルを生成してよい。また、本実施の形態においては、すでに生成された学習済みモデルに対して、現在の図面情報から抽出される各種情報を入力することで、各要素の優先度を取得する。なお、本実施の形態に係る学習済みモデルを生成するための学習アルゴリズムは特に限定するものではないが、例えば、Convolutional Neural Network(以下、「CNN」と称する)、Transformerなどが用いられてよい。
【0132】
図16を参照して、実施の形態4に係るモデリング作業について説明する。
図16は、実施の形態4に係るモデリングエディタ11の動作例を説明するためのフローチャートである。
図16に係るフローチャートの各処理は、プロセッサ2が
図1に示す各装置と協働することで実行される。
【0133】
図16の開始時点において、記録部13には現在の図面情報が記録されている。生成部14は、記録部13から現在の図面情報を取得する(ステップS601)。
【0134】
生成部14は、ステップS601の処理で取得した現在の図面情報と、制約20とに基づいて、候補要素リスト19を生成する(ステップS602)。
【0135】
決定部15は、記録部13から現在の図面情報を、生成部14から候補要素リスト19を取得する。決定部15は、現在の図面情報を学習済みモデル(不図示)に出力する(ステップS604)。
【0136】
決定部15は、学習済みモデルから出力された各要素の優先度を取得する(ステップS604)。決定部15は候補要素リスト19と優先度とを出力部16に出力する。出力部16は、候補要素リスト19と優先度とに基づいて、描画モジュール17に描画指示を出力する。描画モジュール17は、指示を受信した場合、当該指示に基づいて、モデリング画面に要素を描画する(ステップS605)。
【0137】
実施の形態4では、学習済みモデルを生成する際の学習処理により、実施の形態1~3で優先度を決定する際に考慮された事項(例えば、要素毎の利用頻度)をカバーできる。したがって、例えば
図10、
図12、
図14および
図15のように、候補となる要素を表示させることができる。
【0138】
なお、学習済みモデルは、過去の図面情報の画像が入力データとして入力されたときに、優先度を出力するように構成されてもよい。この場合、入力データに含まれる要素毎の利用頻度、プロセスにおける要素の順序、要素の配置および文字情報のそれぞれの画像が教師データとして扱われる。なお、画像データを用いる際には、領域抽出、文字認識、構文解析などの処理が併せて行われてもよい。
【0139】
以上、本実施の形態により、決定部は、図面情報を、図面情報が入力された場合に要素の優先度を出力するように生成された学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力された優先度を取得することにより、選択可能な要素の優先度を決定する。
【0140】
これにより、ユーザの過去のモデリング作業に基づいて、候補の要素を表示できる。
【0141】
(その他変形例)
上記の実施の形態の説明では、
図10、
図12、
図14および
図15のように、候補となる要素のうち優先度の高い3つを表示させる例を示した。しかしこれに限定するものではなく、例えば要素を5つ表示させてもよいし、1つだけ表示させてもよい。また、例えば候補となる要素のうちいくつかを表示させた場合、表示されていない残りの要素はユーザの操作により表示されてもよい。ユーザの操作とは、例えばマウス等の入力装置4によるモデリング画面の所定の箇所のクリック、あるいはキーボードの入力等であってよい。
【0142】
これにより、優先度に基づいて表示されなかった要素についても、ユーザの操作により表示させることができる。
【0143】
また、上記の実施の形態の説明では、説明を簡単にするため、候補として表示させる要素はゲートウェイである例を示した。しかしこれに限定するものではなく、アクティビティおよびイベントの要素も候補として表示させてよい。
図17は、候補の要素の表示例を説明するための図である。
図17(a)の例では、候補アクティビティ群202-1として、アクティビティの要素が3つ表示されている。
図17(b)の例では、候補イベント群203-1として、イベントの要素が3つ表示されている。
【0144】
また、ゲートウェイ、アクティビティおよびイベントのそれぞれの要素を、それぞれ同時に表示させてもよい。この場合、ゲートウェイ、アクティビティおよびイベントのそれぞれの要素に対して、優先度が決定されている。
図17(c)の例では、候補ゲートウェイ群201-6、候補アクティビティ群202-2および候補イベント群203-2が表示されている。
【0145】
これにより、要素の分類に関わらず、候補の要素を表示させることができる。
【0146】
また、例えばタスクに時間に関連する文字情報が含まれている場合、候補としてタイマーイベントを優先的に表示させてもよい。例えば、時間に関連する文字列が予め辞書に登録され、辞書に登録された当該文字列が利用されている場合に、タイマーイベントが優先的に表示されるような設定が予めユーザ等によりされていてよい。また、例えばタスクに時間に関連する文字情報が含まれている場合に、ユーザがタイマーイベントを選択したという情報が過去の図面情報に含まれていて、実施の形態4で説明した学習済みモデルが当該情報を学習してもよい。時間に関連する文字情報を例に挙げたが、これに限定されず、例えばメール等のメッセージに関連する文字情報であってもよい。この場合、例えばメッセージイベントが優先的に表示されてもよい。また、XMLファイル内の文字情報であれば、要素に記載された文字情報に限定されない。
【0147】
これにより、例えばプロセス内で実行される作業に関連する要素が優先的に表示される。
【0148】
また、候補の要素の表示位置は、上記の実施の形態の説明で示した表示位置に限定されない。例えば、
図17(d)に示すように、候補ゲートウェイ群201-7、候補アクティビティ群202-3および候補イベント群203-3が、それぞれツール群の周囲に表示されてもよい。候補の要素を表示させる位置は、ユーザ等により予め設定されていてよい。
【0149】
これにより、候補の要素を所定の位置に表示させることができる。
【0150】
また、
図17(c)や
図17(d)に示す例のように、候補の要素を分類毎に分けて表示させる場合、各分類は異なる態様で表示されてもよい。具体的には、色分けされていてもよいし、線の太さや要素の表示サイズ等を異ならせてもよい。また、特定の分類が強調されて表示されていてもよい。例えば、
図17(c)において、候補ゲートウェイ群201-6、候補アクティビティ群202-2および候補イベント群203-2が、それぞれ赤色、緑色、紫色に表示されていてもよい。また、例えば、
図17(d)において、候補ゲートウェイ群201-7が、候補アクティビティ群202-3および候補イベント群203-3と比べて、大きいサイズで表示されていてもよい。例えば、更に、優先度の大きい要素がより大きく表示されるような強調表示が行われてもよい。
【0151】
これにより、例えば、候補となる要素の分類毎の表示、あるいは候補となる要素を強調表示等が可能となる。
【0152】
また、候補の要素のモデリング画面における表示数は、モデリング画面の描画領域に基づいて決定されてもよい。例えば、描画領域に空いている空間が大きいほど、候補の要素の表示数が増えてもよい。
【0153】
これにより、画面の描画領域の空いている空間の大きさに応じて、要素の表示数の増減が制御できる。
【0154】
また、上記の実施の形態の説明では、制約20に基づく候補要素リストを生成した上で、当該候補要素リストに含まれる要素の優先度を決定していた。しかしこれに限定するものではなく、制約20を考慮せずに優先度を決定した後、制約20に基づいて一部の要素を除外するなど、他の手順で上記の実施の形態と同様の結果が得られるようにしてもよい。
【0155】
また、上記の実施の形態の説明では、制約20に基づいて除外すると判定された要素は候補要素リスト19に含めないようにしていた。しかしこれに限定するものではなく、制約20に基づいて除外されるべき要素であっても、利用される可能性がある要素であれば候補要素リスト19に含めるようにしてもよい。この場合、制約20に基づいて除外されるべき要素が制約20に基づいて除外されるべきでない要素よりも優先度が低くなるようにしてもよい。また、制約20に基づいて除外されるべきと判断された要素が、モデリングされているプロセスにおいて利用される可能性が全くない要素である場合は候補要素リスト19に含めず、利用される可能性が低い要素であれば候補要素リスト19に含めるようにしてもよい。
【0156】
また、上記の実施の形態の思想を、他のグラフの描画や他のプロセスのモデリングに適用してもよい。
【0157】
(本開示のまとめ)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0158】
<技術1>
ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置は、モデリング済みの図面情報を保持する記録部と、モデリングに利用される複数の要素のうちビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、図面情報に基づいて優先度を決定する決定部と、優先度に基づいて、選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【0159】
これにより、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行える。
【0160】
<技術2>
上記技術に記載のモデリング装置において、表示制御部は、優先度に基づいて、選択可能な要素のうちモデリング画面の描画領域に表示する要素と表示しない要素とを決定してよい。
【0161】
これにより、例えば、候補として表示する要素の数の調整、あるいは優先度が所定の閾値未満の要素を非表示にすることができる。
【0162】
<技術3>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、図面情報は、作成途中の図面情報と作成済みの図面情報のうち少なくとも作成途中の図面情報を含んでよい。
【0163】
これにより、作成途中の図面情報だけでなく、作成済みの図面情報も利用できる。
【0164】
<技術4>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、決定部は、図面情報に含まれる要素の利用頻度に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定してよい。
【0165】
これにより、例えば利用頻度の高い要素を優先的に候補として表示できる。
【0166】
<技術5>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、決定部は、図面情報に含まれる要素のビジネスプロセスにおける順序に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定してよい。
【0167】
これにより、例えば選択状態の要素の近くで利用されている要素を優先的に候補として表示できる。
【0168】
<技術6>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、決定部は、図面情報に含まれる要素の配置に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定してよい。
【0169】
これにより、例えばモデリング済みの要素配置と同様の要素配置となるような要素を優先的に候補として表示できる。
【0170】
<技術7>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、決定部は、図面情報に含まれる文字情報に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定してよい。
【0171】
これにより、文字情報を考慮した優先度の決定が可能になる。
【0172】
<技術8>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、決定部は、図面情報に含まれる要素が図面情報に追加された時刻に基づいて、選択可能な要素の優先度を決定してよい。
【0173】
これにより、例えば直近に利用された要素を優先的に候補として表示できる。
【0174】
<技術9>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、決定部は、図面情報を、図面情報が入力された場合に要素の優先度を出力するように生成された学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力された優先度を取得することにより、選択可能な要素の優先度を決定してよい。
【0175】
これにより、ユーザの過去のモデリング作業に基づいて、候補の要素を表示できる。
【0176】
<技術10>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置は、選択可能な要素を前記要素の分類毎に異なる態様で表示させてよい。
【0177】
これにより、候補となる要素を分類毎に表示できる。
【0178】
<技術11>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置は、優先度に基づいて、選択可能な要素を強調表示させてよい。
【0179】
これにより、候補となる要素を強調して表示できる。
【0180】
<技術12>
上記技術の少なくとも1つに記載のモデリング装置において、図面情報に含まれる要素のうちいずれかが選択状態になったことに対応して、当該選択状態の要素に続けて利用可能な要素の少なくとも一部が表示装置に表示される。
【0181】
これにより、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行える。
【0182】
<技術13>
ビジネスプロセスに係るモデリングを行うモデリング装置により実行されるモデリング方法は、モデリング済みの図面情報を記録部に保持するステップと、モデリングに利用される複数の要素のうちビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、図面情報に基づいて優先度を決定するステップと、優先度に基づいて、選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させるステップと、を含む。
【0183】
これにより、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行える。
【0184】
<技術14>
プログラムは、コンピュータに、モデリング済みの図面情報を保持させ、モデリングに利用される複数の要素のうちビジネスプロセスのモデリングに係る制約に基づいて選択可能な要素について、図面情報に基づいて優先度を決定させ、優先度に基づいて、選択可能な要素の少なくとも一部を表示装置に表示させる。
【0185】
これにより、モデリング作業において、選択可能な要素の組み合わせが膨大な場合でも、モデリング作業をより効率的に行える。
【0186】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本開示は、モデリング装置、モデリング方法およびプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0188】
1 コンピュータ
2 プロセッサ
3 メモリ
4 入力装置
5 表示装置
6 外部記憶装置
7 ドライブ装置
8 記憶媒体
9 通信インターフェース装置
10 バス
11 モデリングエディタ
12 イベントハンドラ
13 記録部
14 生成部
15 決定部
16 出力部
17 描画モジュール
18 図面情報
19 候補要素リスト
20 制約