(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164708
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127A
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080382
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャニース・ヤップ
(72)【発明者】
【氏名】ルエラ・ヴィラモラ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス・ラガナス
(72)【発明者】
【氏名】ダノバン ポール・デービーズ
(72)【発明者】
【氏名】オラン・セリーン ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】カスティーリャ・ジェイムズ マリー
(72)【発明者】
【氏名】ガブカン・ガブリエル
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE08
5C062AE15
5C062AF18
(57)【要約】
【課題】文章中の測定単位及びその対象とされる数値を、簡単な操作で、ユーザーの自国で採用する測定単位及びその対象となる数値に変換する。
【解決手段】画像形成装置1は、画像読取部11と、処理対象データを文字情報に変換する文字情報変換部101と、国情報を取得する位置情報取得部102と、国情報が示す国で採用されている国別測定単位を特定する測定単位特定部104と、上記変換された文字情報から測定単位及びその表現対象である数値を含む測定単位文字情報を抽出する測定単位情報抽出部105と、当該抽出された測定単位が、上記国別測定単位と一致しない場合に、上記抽出された測定単位文字情報を、上記国別測定単位と、当該国別測定単位に対応する数値とに変換する測定単位変換部106とを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
処理対象データを取得する処理対象データ取得部と、
前記処理対象データ取得部によって取得された処理対象データを文字情報に変換する文字情報変換部と、
前記情報処理装置が存在している国を示す国情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部によって取得された国情報が示す国で採用されている国別測定単位を特定する測定単位特定部と、
前記文字情報変換部によって変換された文字情報から、測定単位及び当該測定単位による表現対象である数値を含む測定単位文字情報を抽出する測定単位情報抽出部と、
前記測定単位情報抽出部によって抽出された前記測定単位が、前記測定単位特定部によって特定された国別測定単位と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、前記測定単位情報抽出部によって抽出された前記測定単位文字情報を、前記国別測定単位と、当該国別測定単位に対応する数値とに変換する測定単位変換部とを有する、情報処理装置。
【請求項2】
表示部と、
前記表示部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記測定単位文字情報を前記国別測定単位に変換できない場合に、変換できない旨を示すエラーメッセージを前記表示部に表示させる、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記測定単位変換部は、変換後の数値の小数点以下数値を、予め定められた桁数までに限定して変換する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記測定単位変換部は、前記測定単位情報抽出部によって抽出された前記測定単位を示す文字列が、測定単位とは異なる意味を有するとして予め定められた文字列である場合は、前記変換を行わない、請求項1記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、測定単位及び当該測定単位による表現対象である数値を、他方式の測定単位及びこれに対応する数値に変換する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能を備えた複合機が提案されている。そして、海外の出版物も手軽に国内で読むことができる。しかし、当該出版物の文章に測定単位(長さ、質量、時間、温度など)があると、国によって測定単位が異なるため、読者は、当該測定単位が表す数値の大きさ及び小ささを、具体的に把握しにくい場合がある。例えば、特許文献1には、全地球測位システム(GPS)信号を用いる携帯電話機であって、自分の位置を検出して当該位置が属する国が採用する測定単位を特定して表示する技術が開示されている。一方、特許文献2には、測定単位及びその対象となる数値を、当該測定単位及びその対象となる数値に基づいて、別の測定単位及びその対象となる数値を示唆することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8200290号公報
【特許文献2】米国特許第9020999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術の場合は、ユーザーは、自身で外国の測定単位及びその対象となる数値を示す文字情報を見つけて、自身で自国の測定単位及びそれに対応する数値に変換しなければ、ユーザーは、自国での測定単位により示される数値の大きさ及び小ささを把握することができない。
【0005】
本発明は以上の課題を鑑みてなされたものであり、文章中の測定単位及びその対象とされる数値を、簡単な操作で、ユーザーの自国で採用する測定単位及びその対象となる数値に変換することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る情報処理装置は、処理対象データを取得する処理対象データ取得部と、前記処理対象データ取得部によって取得された処理対象データを文字情報に変換する文字情報変換部と、前記情報処理装置が存在している国を示す国情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部によって取得された国情報が示す国で採用されている国別測定単位を特定する測定単位特定部と、前記文字情報変換部によって変換された文字情報から、測定単位及び当該測定単位による表現対象である数値を含む測定単位文字情報を抽出する測定単位情報抽出部と、前記測定単位情報抽出部によって抽出された前記測定単位が、前記測定単位特定部によって特定された国別測定単位と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、前記測定単位情報抽出部によって抽出された前記測定単位文字情報を、前記国別測定単位と、当該国別測定単位に対応する数値とに変換する測定単位変換部とを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、文章中の測定単位及びその対象とされる数値を、簡単な操作で、ユーザーの自国で採用する測定単位及びその対象となる数値に変換することができる。従って、ユーザーは、外国のドキュメントに現れる測定単位及びその対象とされる数値を、手間をかけて見つけて変換しなくても、簡単に外国のドキュメントに現れる測定単位及びその対象とされる数値の大きさ及び小ささを理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置及びそのネットワーク構成を示す概略構成図である。
【
図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】制御ユニット内部の機能的構成を示す図である。
【
図4】各国と、各国で採用しているそれぞれの測定単位の関係を示すデータテーブルを示す図である。
【
図6】測定単位及び当該測定単位による表現対象である数値の変換処理を示すフローチャートである。
【
図7】表示部に表示されるコピー動作設定画面の一例を示す図である。
【
図9】変換された文字情報において、抽出された測定単位を示す図である。
【
図10】変換された文字情報において、抽出された測定単位を変換する様子を示す図である。
【
図12】表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図13】表示部に表示される送信設定画面の一例を示す図である。
【
図14】表示部に表示されるSMB設定画面の一例を示す図である。
【
図15】表示部に表示されるFTP設定画面の一例を示す図である。
【
図16】表示部に表示されるメール設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る情報処理装置の一実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置及びそのネットワーク構成を示す概略構成図である。
【0010】
画像形成装置1は、例えば、複合機(MFP(Multifunction Peripheral))からなる。画像形成装置1を用いて紙媒体からなるドキュメントをスキャンすると、画像形成装置1は、読み取られたドキュメントの画像データに対してOCR(Optical Character Reader)を実行してテキストデータを取得し、当該テキストデータから、長さ、重さ、或いは面積等を示す測定単位(feet、pond、ha等)及びその表現対象とされる数値を検出する。続いて、画像形成装置1は、自身の現在位置の地理的位置を取得し、この地理的位置が属する国を検出する。更に、画像形成装置1は、上記検出した測定単位に対応する、当該国で採用されている測定単位を特定し、上記検出した測定単位の対象とされる数値を、当該特定された測定単位に対応する数値に変換する。画像形成装置1は、上記検出した測定単位を上記特定された測定単位に置き換えると共に、上記検出した数値を当該変換した数値に置き換える。そして、ユーザーは、画像形成装置1により、このように置換が済んだ測定単位及び数値を含む画像データからなるドキュメントに対して、印刷又は各種の送信(SMB/FTP/Eメール送信)を行う。
【0011】
図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
図3は、制御ユニット内部の機能的構成を示す図である。画像形成装置1は、制御ユニット10を含む。制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0012】
制御ユニット10は、ROM又は記憶部18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部100と、文字情報変換部101と、位置情報取得部102と、測定単位特定部104と、測定単位情報抽出部105と、測定単位変換部106として機能する。なお、これら各部100~106は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されていてもよい。
【0013】
制御部100は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部100は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)等の外部装置との通信を制御する。
【0014】
制御ユニット10は、原稿搬送部61、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、記憶部18、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0015】
文字情報変換部101は、画像読取部11による原稿読取で得られた画像データ、又は通信部22によって外部機器から受信されたドキュメントデータを、処理対象データとして、既知のOCR処理を行うことで、テキストデータからなる文字情報に変換する。
【0016】
位置情報取得部102は、画像形成装置1が存在している位置が属する国を示す国情報を取得する。位置情報取得部102は、(A)GPS位置検出機能を備え、当該機能により画像形成装置1の存在する位置の位置情報を検出し、当該位置情報が示す位置が属する国を特定し、特定した国を示す国情報を取得する、或いは(B)管理者による操作部16の操作で指定された国を記憶しておき、当該指定された国を示す国情報を取得する。
【0017】
上記(A)の場合、位置情報取得部102は、GPS位置検出機能により取得した上記位置情報が示す位置が属する国を検出する。(1) 位置情報取得部102は、インターネット等のネットワーク4を介して、上記取得した位置情報を、通信部22を介して、位置情報提供センター2に送信し、位置情報提供センター2から当該位置情報が示す位置が属する国を示す国情報を、通信部22を介して受信することで、当該位置情報が示す位置が属する国を検出する。或いは、(2) 位置情報取得部102は、緯度経度又は平面直角座標系で定義された世界地図情報を記憶しており、当該世界地図情報に基づいて、上記取得した位置情報が示す位置が属する国を検出する。この場合、位置情報取得部102は、位置情報提供センター2との通信は不要である。本実施形態では、(2)の場合を例にして説明する。
【0018】
測定単位特定部104は、位置情報取得部102によって検出された国で採用されている国別測定単位を特定する。例えば、測定単位特定部104は、各国と、各国で採用しているそれぞれの測定単位の関係を示すデータテーブルDT(
図4)を記憶しており、当該データテーブルDTから、位置情報取得部102によって検出された国で採用されている測定単位を読み出すことで、国別測定単位を特定する。
図4に示すように、データテーブルDTは、例えば、米国の重さ単位(重さの測定単位として用いられる各種文字列。以下、同様)、長さ単位(長さの測定単位として用いられる各種文字列。以下、同様)、及び温度単位(温度の測定単位として用いられる各種文字列。以下、同様)等を記憶するテーブルDT1と、日本の重さ単位、長さ単位、及び温度単位等を記憶するテーブルDT2と、更に、他国の重さ単位、長さ単位、及び温度単位等を記憶するテーブル(図略)とを有している。
【0019】
測定単位情報抽出部105は、文字情報変換部101によって変換されたテキストデータ(文字情報)から、測定単位及び当該測定単位による表現対象である数値を含む測定単位文字情報を抽出する。測定単位情報抽出部105は、例えば、世界各国で採用される重さ単位、長さ単位、及び温度単位等を記憶しており、これらに一致する文字列を測定単位としてテキストデータから抽出し、更に、その前後に位置する数値を上記表現対象である数値としてその文字列を抽出し、これらを測定単位文字情報として抽出する。
【0020】
測定単位変換部106は、測定単位情報抽出部105によって抽出された測定単位が、測定単位特定部104によって特定された国別測定単位と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、測定単位情報抽出部105によって抽出された測定単位文字情報を、上記国別測定単位と、上記国別測定単位に対応する数値とに変換する。測定単位変換部106は、
図5に例を示すような、各国測定単位対応テーブルDTLを記憶している。各国測定単位対応テーブルDTLは、 例えば、米国採用の重さ単位、長さ単位、及び温度単位等に対応する、日本採用の重さ単位、長さ単位、及び温度単位等を記憶している。
図5に示す各国測定単位対応テーブルDTLでは、対応する各測定単位の文字列を同じ行に並べて表記している。
【0021】
例えば、測定単位変換部106は、測定単位情報抽出部105によって抽出された測定単位の文字列が、測定単位特定部104によって特定された日本の国別測定単位としての重さ単位、長さ単位、及び温度単位等(データテーブルDTから読み出す)のいずれかの文字列に一致するか否かを判断する。測定単位変換部106は、一致しないと判断した場合、測定単位情報抽出部105によって抽出された測定単位(例えば、「yard」)を、各国測定単位対応テーブルDTLを参照して、これに対応する上記国別測定単位としての日本の測定単位(例えば、「yard」に対応する「meter」)に変換し、測定単位情報抽出部105によって抽出された表現対象である数値(例えば、「100 yard」の「100」)を、上記国別測定単位としての日本の測定単位に対応する数値(例えば、「91.44」(1 yard=0.9144 meterの場合))に変換する。測定単位変換部106は、ある国の単位Aで表現される数値から、別の国の単位B(単位Aに対応するもの)で表現される数値に変換するための関数を、各国で採用される各単位の全てについて記憶している。
【0022】
操作部16は、操作者からの各種の指示を受け付けるためのハードキーとしての設定キー16Bを備えている。また、操作部16は、表示部15に設けられるタッチパネル16Cを備えている。操作部16は、設定キー16B又はタッチパネル16Cの操作に基づいて受け付けた指示を制御ユニット10に出力する。
【0023】
画像読取部11は、原稿の画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子の出力が原稿の画像を示す画像データに変換される。
【0024】
画像形成部12は、上記画像データによって示される画像を記録紙に形成するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット、シアン用の画像形成ユニット、イエロー用の画像形成ユニット、及びブラック用の画像形成ユニットを備えている。各画像形成ユニットのいずれにおいても、感光体ドラムの表面を均一帯電させ、感光体ドラムの表面を露光して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光体ドラムの表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム表面のトナー像を中間転写ベルトに1次転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルトと2次転写ローラーの間のニップ域において給紙部から搬送路を通じて搬送されてきた記録紙に2次転写される。この後、定着部13で記録紙が加熱及び加圧されて、記録紙上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙が排出ローラーを通じて排出トレイに排出される。
【0025】
原稿搬送部61は、原稿載置台60(
図1)に載置された原稿を画像読取部11まで搬送する搬送ローラー及びその駆動源等からなる。
【0026】
表示部15は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0027】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を備え、画像読取部11によって生成された画像データ等を記憶するための大容量の記憶装置である。また、記憶部18は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種動作制御プログラムを記憶する。例えば、記憶部18は、各種動作制御プログラムの1つとして、上記制御プログラムを記憶している。
【0028】
給紙部14は、記録紙を貯蔵し、画像形成部12に向けて当該記録紙を供給する搬送機構である。
【0029】
画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データ、又は通信部22によって外部機器から受信されたドキュメントデータ等を一時的に記憶する領域を含む。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0030】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC等の外部装置とデータ通信を行なう。
【0031】
次に、画像形成装置1による、測定単位及び当該測定単位による表現対象である数値の変換処理を
図6に示すフローチャート等を用いて説明する。
【0032】
まず、ユーザーは、読取対象とする原稿を画像読取部11の原稿台上に載置する。そして、ユーザーによる操作部16の操作で、コピー動作設定画面の表示指示が入力されると、制御部100は、この表示指示に従って、
図7に例を示すようなコピー動作設定画面D1を表示部15に表示させる。コピー動作設定画面D1の表示時に、ユーザーが、コピー動作設定画面D1内に表示されている変換ボタンB1をタッチ操作したとき、当該タッチ操作に基づいて、タッチパネル16Cを介して、測定単位変換指示が操作部16に受け付けられ、この状態で、ユーザーが、更にスタートボタンB2をタッチ操作すると、当該タッチ操作に基づいて、タッチパネル16Cを介して、コピー動作実行指示が操作部16に受け付けられる(S1でYES)。
【0033】
制御部100は、上記コピー動作実行指示に従って、原稿搬送部6及び画像読取部11を動作させて、上記載置された原稿の読取を開始させる(S2)。以下に示すS3以降の処理は、当該原稿の読取動作と並行して、或いは、当該原稿の読取動作の終了後に行われる。
【0034】
続いて、文字情報変換部101は、画像読取部11による原稿読取で得られた画像データを処理対象データとして、OCR処理を実行してテキストデータからなる文字情報に変換する(S3)。
図8に、このように変換されたテキストデータからなる文字情報500の例を示す。
【0035】
そして、位置情報取得部102は、画像形成装置1が存在している位置を示す位置情報を、GPS機能を実行して取得する(S4)。位置情報取得部102は、位置情報取得部102によって取得された位置情報が示す位置が属する国を検出する(S5)。更に、測定単位特定部104は、位置情報取得部102によって検出された国で採用されている全ての国別測定単位を上記データテーブルDTから読み出すことで、国別測定単位を特定する(S6)。
【0036】
測定単位情報抽出部105は、文字情報変換部101によって変換された文字情報から、測定単位及び当該測定単位による表現対象とされる数値を含む測定単位文字情報を抽出する処理を行う(S7)。例えば、
図9に例を示すように、測定単位情報抽出部105は、まず上記文字情報500の中から、上述した世界各国で採用される重さ単位、長さ単位、及び温度単位等を示す文字列(feet、pond、℃等)のいずれかに一致する文字列を、測定単位を示す文字列(以下、単に測定単位という)として検出し(検出した文字列を
図9中にハイライトで示す)、当該検出した測定単位の前又は後に続いて配置されている数値(数字からなる文字列)を、当該検出した測定単位による表現対象とされる数値として検出する。測定単位情報抽出部105は、当該検出した測定単位及び数値を測定単位文字情報として抽出する。
【0037】
そして、測定単位変換部106は、測定単位情報抽出部105によって測定単位及び当該測定単位による表現対象とされる数値を含む測定単位文字情報が抽出された場合(S8でYES)、測定単位情報抽出部105によって抽出された測定単位が、S6で特定された国別測定単位に一致するかを判断する(S9)。測定単位変換部106は、当該抽出された測定単位が当該国別測定単位に一致しないと判断した場合に(S9でNO)、上記測定単位文字情報を、上記国別測定単位と、当該国別測定単位に対応する数値とに変換する(S10)。例えば、
図10に示すように、測定単位変換部106は、S7で抽出された長さの測定単位及びこれにより表現される数値と、重さの測定単位及びこれにより表現される数値と、温度の測定単位及びこれにより表現される数値とを、上記国別測定単位及び当該国別測定単位に対応する数値としての、日本で採用されている長さの測定単位及びこれにより表現される数値と、重さの測定単位及びこれにより表現される数値と、温度の測定単位及びこれにより表現される数値とに変換する。
図11に、当該変換後の文字情報500’の例を示す。
【0038】
但し、S9において、測定単位変換部106は、測定単位情報抽出部105によって抽出された測定単位を示す文字列が、測定単位とは異なる意味を含む文字列であると判断した場合には、上記国別測定単位及び当該国別測定単位に対応する数値への変換を行わないものとしてもよい。
【0039】
続いて、測定単位変換部106は、上記のように、上記測定単位文字情報を、上記国別測定単位及び当該国別測定単位に対応する数値とに変換した上記テキストデータからなる文字情報を、予め指定されたファイル形式のドキュメントに変換する(S11)。予め指定されたファイル形式は、ユーザーによる操作で操作部16に入力されたファイル形式指定指示により指定される。また、予め指定されたファイル形式は、例えば、PDF、DOCX等のワードプロセッサーアプリケーション対応形式、XLS等の表計算アプリケーション対応形式、及び、JPEG等の画像ファイル形式である。測定単位変換部106は、予め指定されたファイル形式としての各ファイル形式に上記テキストデータを変換する既知の機能を備えている。
【0040】
制御部100は、測定単位変換部106により上記ファイル形式のドキュメントが作成された後、表示部15に、
図12に例を示すような、当該ドキュメントの印刷又は送信(保存)の指示の入力を受け付けるための操作画面D2を表示させる。当該操作画面D2の表示時に、ユーザーが、操作画面D2内に表示されている印刷ボタンB21をタッチ操作したとき、当該タッチ操作に基づいて、タッチパネル16Cを介して、印刷実行指示が操作部16に受け付けられる(S12で「印刷」)。印刷実行指示が操作部16に受け付けられたとき、制御部100は、当該印刷実行指示に従って、上記ファイル形式のドキュメントを、画像形成部12に画像形成(印刷)させる(S13)。
【0041】
一方、当該操作画面D2の表示時に、ユーザーが、操作画面D2内に表示されている送信ボタンB22をタッチ操作したとき、当該タッチ操作に基づいて、タッチパネル16Cを介して、送信指示が操作部16に受け付けられる(S12で「送信」)。このとき、制御部100は、
図13に例を示すような送信設定画面D3を表示部15に表示させる。
【0042】
送信設定画面D3には、送信形式として、SMBを選択するためのSMBボタンB31、FTPを選択するためのFTPボタンB32、及びメール送信を選択するためのメール送信ボタンB33が表示される。送信設定画面D3の表示時に、ユーザーによるSMBボタンB31のタッチ操作に基づいてタッチパネル16Cを介して表示切換指示が操作部16に受け付けられたとき、制御部100は、
図14に例を示すSMB設定画面D4を表示部15に表示させる。SMB設定画面D4の表示時に、ユーザーによる操作部16の操作でファイルネームを含む送信先情報及び送信実行指示が操作部16に受け付けられると、制御部100は、当該送信先情報が示す、画像形成装置1と同一のLAN環境内に接続されているパーソナルコンピューター等の記憶装置内のフォルダーに向けて、通信部22により上記ファイル形式のドキュメントを送信させる(S14)。
【0043】
また、送信設定画面D3の表示時に、ユーザーによるFTPボタンB32のタッチ操作に基づいてタッチパネル16Cを介して表示切換指示が操作部16に受け付けられたとき、制御部100は、
図15に例を示すFTP設定画面D5を表示部15に表示させる。FTP設定画面D5の表示時に、ユーザーによる操作部16の操作でファイルネームを含む送信先情報及び送信実行指示が操作部16に受け付けられると、制御部100は、当該送信先情報が示す、画像形成装置1とインターネットを介して接続されたサーバー等の記憶装置内のフォルダーに向けて、通信部22により上記ファイル形式のドキュメントを送信させる(S14)。
【0044】
一方、送信設定画面D3の表示時に、ユーザーによるメール送信ボタンB33のタッチ操作に基づいてタッチパネル16Cを介して表示切換指示が操作部16に受け付けられたとき、制御部100は、
図16に例を示すメール設定画面D6を表示部15に表示させる。メール設定画面D6の表示時に、ユーザーによる操作部16の操作で、送信先情報としてのメールアドレス及びファイルネーム、更に送信実行指示が操作部16に受け付けられると、制御部100は、当該送信先情報が示す送信先に対して、インターネットを介して、通信部22により上記ファイル形式のドキュメントをメール送信させる(S14)。なお、制御部100は、既知のメール送信機能を備えている。
【0045】
このように、上記実施形態によれば、文章中の測定単位及びその対象とされる数値を、簡単な操作で、ユーザーの自国(画像形成装置1が設置されている国)で採用する測定単位及びその対象となる数値に変換することができる。従って、ユーザーは、外国のドキュメントに現れる測定単位及びその対象とされる数値を、手間をかけて見つけて変換しなくても、簡単に外国のドキュメントに現れる測定単位及びその対象とされる数値の大きさ及び小ささを理解できる。
【0046】
例えば、米国のレシピ本が日本に届いたとする。日本人は、新しい米国料理の作り方を学びたいと思ってこの本を購入する。ユーザーは、レシピを読んでいると、測定単位が日本とは違うことがわかる。ユーザーは、レシピ本が米国採用の測定単位を使用していることに気付き、レシピに従うためには、各測定単位を日本採用の測定単位に変換する必要があると気付く。本実施の形態に係る画像形成装置1は、当該レシピ本を読み取った場合、米国採用の測定単位を日本採用の測定単位に変換するため、測定単位の相違に基づく顧客の混乱を避けることができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、
図6を参照して説明した上記処理におけるS1及びS2の処理で得た画像データに代えて、S3では、通信部22によって外部機器から受信されたドキュメントデータを対象として、文字情報変換部101が文字情報についての上記変換を行うようにしてもよい。
【0048】
また、上記S9の処理において、測定単位変換部106が、上記測定単位文字情報を、上記国別測定単位と、当該国別測定単位に対応する数値とに変換できなかった場合、制御部100は、当該変換ができない旨を示すエラーメッセージを表示部15に表示させるようにしてもよい。例えば、データテーブルDTに、位置情報取得部102によって検出された国で採用されている国別測定単位が記憶されていない場合は、測定単位特定部104が国別測定単位を特定が特定できず、測定単位変換部106は、上記変換ができない。このような場合に、制御部100は、上記エラーメッセージを表示部15に表示させる。
【0049】
また、上記S9の処理において、測定単位変換部106が、上記測定単位文字情報を、上記国別測定単位と、当該国別測定単位に対応する数値とに変換する際に、変換後の数値の小数点以下数値を、予め定められた桁数までに限定して変換するようにしてもよい。
【0050】
更に、上記S9の処理において、測定単位変換部106は、測定単位情報抽出部によって抽出された測定単位を示す文字列が、測定単位とは異なる意味を有するとして予め定められた文字列である場合は、前記変換を行わないものとしてもよい。例えば、測定単位情報抽出部によって抽出された測定単位を示す文字列が「mile」である場合で、上記国別測定単位が日本採用の「km」である場合、日本では、例えば「40,000mile」は単に長さを示す意味だけではなく、いわゆるマイレージポイントを示す意味としても用いられるため、「40,000mile」を「64373.76km」に変換すると意味が違ってしまうことになる。このような場合、測定単位変換部106は、上記予め定められた文字列として「mile」を記憶しておくことにより、「40,000mile」を「64373.76km」に変換せず、「40,000mile」のままとしておくことができる。また、測定単位変換部106は、位置情報取得部102が取得した国情報が示す国が特定の国であることを条件として、上記予め定められた文字列を適用するようにしてもよい。例えば、測定単位変換部106は、位置情報取得部102が取得した国情報が示す国が日本であることを条件として、上記予め定められた文字列を適用するようにしてもよい。
【0051】
図1乃至
図16を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0052】
1 画像形成装置
10 制御ユニット
11 画像読取部
15 表示部
16 操作部
100 制御部
101 文字情報変換部
102 位置情報取得部
104 測定単位特定部
105 測定単位情報抽出部
106 測定単位変換部
500,500’ 文字情報