特開 2024-164713 光学モジュール及び内視鏡

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024164713

(43)【公開日】2024-11-27

(54)【発明の名称】光学モジュール及び内視鏡

(51)【国際特許分類】

   A61B 1/04 20060101AFI20241120BHJP

   G02B 23/24 20060101ALI20241120BHJP

   G02B 7/02 20210101ALI20241120BHJP

   H04N 23/50 20230101ALI20241120BHJP

【ＦＩ】

A61B1/04 530

G02B23/24 A

G02B7/02 A

G02B7/02 Z

H04N23/50

【審査請求】未請求

【請求項の数】18

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023080394

(22)【出願日】2023-05-15

(71)【出願人】

【識別番号】320008672

【氏名又は名称】ｉ－ＰＲＯ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002000

【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所

(72)【発明者】

【氏名】榎本 博文

(72)【発明者】

【氏名】伊藤 祐貴

【テーマコード（参考）】

2H040

2H044

4C161

5C122

【Ｆターム（参考）】

2H040DA12

2H040DA13

2H040DA17

2H040DA18

2H040GA03

2H044AA02

2H044AJ04

2H044AJ06

4C161AA06

4C161AA07

4C161AA15

4C161AA22

4C161BB01

4C161CC06

4C161DD03

4C161FF06

5C122DA26

5C122EA05

5C122EA54

5C122FB03

5C122FB08

5C122FC00

5C122GE02

5C122GE05

5C122GE07

5C122GE11

5C122GE18

5C122GE22

(57)【要約】

【課題】細径カメラとして細径の体腔に使用するに際し、内視鏡のモールドと光学部品との相対的な位置ずれを抑制し、撮像画像における画質の劣化を抑制する。
【解決手段】光学モジュールは、先端部を構成するモールド部と、モールド部を覆って先端部の先端面に至るシースと、を備える内視鏡に取り付けられる。光学モジュールは、モールド部内に配置され、モールド部の内周面と接着して固定される光学部品と、光学部品に接続されシース内に配置されるケーブルと、ケーブルに接続された基板と、を有する。光学部品は、カバーガラスと、レンズと、センサカバーガラスと、センサと、を順に接着剤で接着してなる。カバーガラスには、モールド部の内周面に設けられた係止部に係止する被係止部が形成される。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

先端部を構成するモールド部と、前記モールド部を覆って前記先端部の先端面に至るシースと、を備える内視鏡に取り付けられる光学モジュールであって、
前記モールド部内に配置され、前記モールド部の内周面と接着して固定される光学部品と、前記光学部品に接続され前記シース内に配置されるケーブルと、前記ケーブルに接続された基板と、を有し、
前記光学部品は、対物カバーガラスと、レンズと、センサカバーガラスと、センサと、を順に接着剤で接着してなり、
前記対物カバーガラスには、前記モールド部の前記内周面に設けられた係止部に係止する被係止部が形成される、
光学モジュール。

【請求項2】

前記モールド部は、前記先端面から同一外径で後方に延びて前記シースの内径面に固着する円柱状に形成され、
前記モールド部は、その内部に前記先端面側に開口して前記対物カバーガラスを収容する貫通孔を有し、
前記係止部が、前記モールド部の前記内周面を前記内視鏡の軸線に接近する方向に突出させて形成した段差である、
請求項１に記載の光学モジュール。

【請求項3】

前記対物カバーガラスは、立方体形状又は直方体形状であり、
前記対物カバーガラスの外周面は、その四周にわたり前記レンズの外周面と、前記センサカバーガラスの外周面と、前記センサの外周面と同一面上にある接着側面を有し、
前記接着側面と、前記レンズの外周面と、前記センサカバーガラスの外周面と、前記センサの外周面と、は前記接着剤を介して連続している、
請求項１又は２に記載の光学モジュール。

【請求項4】

前記被係止部は、前記対物カバーガラスにのみ形成される、
請求項３に記載の光学モジュール。

【請求項5】

前記被係止部は、前記対物カバーガラスの前面方向を向く面である、
請求項４に記載の光学モジュール。

【請求項6】

前記被係止部は、前記対物カバーガラスの全周にわたって形成される、
請求項５に記載の光学モジュール。

【請求項7】

前記被係止部は、前記接着側面と連続している、
請求項６に記載の光学モジュール。

【請求項8】

前記モールド部は、前記センサの背面側に接続される前記ケーブルの先端側の一部を保持するケーブルホルダを覆う、
請求項１に記載の光学モジュール。

【請求項9】

前記モールド部は、前記センサの背面側に接続される前記ケーブルの先端を覆う、
請求項１に記載の光学モジュール。

【請求項10】

先端部を構成するモールド部と、前記モールド部にモジュール先端部が覆われる光学モジュールと、前記モールド部を覆って前記先端部の先端面に至るシースと、を備える内視鏡であって、
前記光学モジュールは、前記モールド部内に配置され、前記モールド部の内周面と接着して固定される光学部品と、前記光学部品に接続され前記シース内に配置されるケーブルと、前記ケーブルに接続された基板と、を有し、
前記光学部品は、対物カバーガラスと、レンズと、センサカバーガラスと、センサと、を順に接着剤で接着してなり、
前記対物カバーガラスには、前記モールド部の前記内周面に設けられた係止部に係止する被係止部が形成される、
内視鏡。

【請求項11】

前記モールド部は、
前記先端面から同一外径で後方に延びて前記シースの内径面に固着する円柱状に形成され、
前記モールド部は、その内部に前記先端面側に開口して前記対物カバーガラスを収容する貫通孔を有し、
前記係止部が、前記モールド部の前記内周面を前記内視鏡の軸線に接近する方向に突出させて形成した段差である、
請求項１０に記載の内視鏡。

【請求項12】

前記対物カバーガラスは、立方体形状又は直方体形状であり、
前記対物カバーガラスの外周面は、その四周にわたり前記レンズの外周面と、前記センサカバーガラスの外周面と、前記センサの外周面と同一面上にある接着側面を有し、
前記接着側面と、前記レンズの外周面と、前記センサカバーガラスの外周面と、前記センサの外周面と、は前記接着剤を介して連続している、
請求項１０又は１１に記載の内視鏡。

【請求項13】

前記被係止部は、前記対物カバーガラスにのみ形成される、
請求項１２に記載の内視鏡。

【請求項14】

前記被係止部は、前記対物カバーガラスの前面方向を向く面に形成される、
請求項１３に記載の内視鏡。

【請求項15】

前記被係止部は、前記対物カバーガラスの全周にわたって形成される、
請求項１４に記載の内視鏡。

【請求項16】

前記被係止部は、前記接着側面と連続している、
請求項１５に記載の内視鏡。

【請求項17】

前記モールド部は、前記センサの背面側に接続される前記ケーブルの先端側の一部を保持するケーブルホルダを覆う、
請求項１０に記載の内視鏡。

【請求項18】

前記モールド部は、前記センサの背面側に接続される前記ケーブルの先端を覆う、
請求項１０に記載の内視鏡。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、光学モジュール及び内視鏡に関する。

【背景技術】

【0002】

医療分野又は工業分野において、患者の体内、機器又は構造物の内部を撮像するための内視鏡が普及している。この種の内視鏡では、観察対象の内部に挿入される挿入部において、撮像部位からの光を対物レンズ系によってイメージセンサの受光面に結像させる。例えば医療分野における細径カメラでは、被施術者の負担を軽減するために、被施術者の体内等に挿入される先端側の挿入部の外径において更なる細径化が重要となる。

【0003】

例えば特許文献１には、モールド樹脂からなり、対物カバーガラス、レンズ及び撮像素子を埋入して柱状に形成されるモールド部を先端に備えた内視鏡が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０２０－１１０４８３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

特許文献１の構成において、例えば対物カバーガラス、レンズ、撮像素子がすべて接着されている場合、対物カバーガラスとレンズとの間の接着剤及びモールド部と対物カバーガラスとの間の接着剤が劣化すると、対物カバーガラスの位置がずれて撮像画像の画質が劣化する可能性がある。特に被検体の血管等に挿入されるような外径が細い細径カメラでは、接着面積が微細である。このため、対物カバーガラスから撮像素子までを接着剤だけで連結する構造とすると、使用時にケーブルを挿入もしくは引き抜きする都度、対物カバーガラスとレンズ等に引っ張り荷重がかかり、微細な接着面では固定強度が低下し、光学部品のずれが発生しやすいという課題があった。

【0006】

本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、細径の体腔に使用するに際し、先端側の光学部品とその周囲のモールド樹脂との相対的な位置ずれを抑制でき、撮像画像の画質劣化を抑制する光学モジュール及び内視鏡を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本開示は、先端部を構成するモールド部と、前記モールド部を覆って前記先端部の先端面に至るシースと、を備える内視鏡に取り付けられる光学モジュールであって、前記モールド部内に配置され、前記モールド部の内周面と接着して固定される光学部品と、前記光学部品に接続され前記シース内に配置されるケーブルと、前記ケーブルに接続された基板と、を有し、前記光学部品は、カバーガラスと、レンズと、センサカバーガラスと、センサと、を順に接着剤で接着してなり、前記カバーガラスには、前記モールド部の前記内周面に設けられた係止部に係止する被係止部が形成される、光学モジュールを提供する。

【0008】

本開示は、先端部を構成するモールド部と、前記モールド部にモジュール先端部が覆われる光学モジュールと、前記モールド部を覆って前記先端部の先端面に至るシースと、を備える内視鏡であって、前記光学モジュールは、前記モールド部内に配置され、前記モールド部の内周面と接着して固定される光学部品と、前記光学部品に接続され前記シース内に配置されるケーブルと、前記ケーブルに接続された基板と、を有し、前記光学部品は、カバーガラスと、レンズと、センサカバーガラスと、センサと、を順に接着剤で接着してなり、前記カバーガラスには、前記モールド部の前記内周面に設けられた係止部に係止する被係止部が形成される、内視鏡を提供する。

【発明の効果】

【0009】

本開示に係る光学モジュールによれば、細径の体腔に使用するに際し、先端側の光学部品とその周囲のモールド樹脂との相対的な位置ずれを抑制でき、撮像画像の画質劣化を抑制できる。

【0010】

本開示に係る内視鏡によれば、内視鏡を細径カメラとして細径の体腔に使用するに際し、先端側の光学部品とその周囲のモールド樹脂との相対的な位置ずれを抑制でき、撮像画像の画質劣化を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】実施の形態１に係る内視鏡システムを示す斜視図

【図2】内視鏡における先端部の図３の対物カバーガラスの上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図

【図3】内視鏡における先端部の斜視図

【図4】光学モジュールの平面図

【図5】モジュール先端部の側面図

【図6】レンズと接続された対物カバーガラスを前面側から見た要部拡大斜視図

【図7】図６に示すレンズと接続された対物カバーガラスを後方より見た要部拡大斜視図

【図8】図６に示すレンズと接続された対物カバーガラスの正面図

【図9】図８の側面図

【図10】モジュール先端部とシースとの間に機構部品が設けられた構成例の図３の対物カバーガラスの上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図

【図11】変形例１に係る内視鏡における先端部の図３の対物カバーガラスに対応する対物カバーガラスの上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図

【図12】レンズと接続された対物カバーガラスを前面側から見た要部拡大斜視図

【図13】図１２に示すレンズと接続された対物カバーガラスを後方より見た要部拡大斜視図

【図14】図１２に示すレンズと接続された対物カバーガラスの正面図

【図15】図１４の側面図

【図16】変形例１においてモジュール先端部とシースとの間に機構部品が設けられた構成例の図３の対物カバーガラスに対応する対物カバーガラスの上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図

【図17】変形例２に係る内視鏡における先端部の図３の対物カバーガラスに対応する対物カバーガラスの上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図

【図18】レンズと接続された対物カバーガラスを前面側から見た要部拡大斜視図

【図19】図１８に示すレンズと接続された対物カバーガラスを後方より見た要部拡大斜視図

【図20】図１８に示すレンズと接続された対物カバーガラスの正面図

【図21】図２０の側面図

【図22】変形例２においてモジュール先端部とシースとの間に機構部品が設けられた構成例の図３の対物カバーガラスに対応する対物カバーガラスの上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る光学モジュール及び内視鏡を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。

【0013】

（実施の形態１）
図１は、実施の形態１に係る内視鏡システム１１を示す斜視図である。本開示において、「上（上方向）」、「下（下方向）」は、テーブル等の水平面に置かれた画像処理装置１７の筐体の上方向、下方向にそれぞれ対応する（図１参照）。また、「前（先端、先端方向、前方向）」、「後（後端、後端方向、後方向）」は、内視鏡１５の挿入部１９が配置されている先端側に向かう方向、プラグ部２１の基端側に向かう方向（言い換えると、内視鏡１５から画像処理装置１７に向かう方向）にそれぞれ対応する。「左（左方向）」、「右（右方向）」は、内視鏡１５の基端側から先端側に向かって左を向く方向、右を向く方向にそれぞれ対応する。また本開示において、図２の内視鏡１５の中心線を通る線を軸線３５とする。軸線３５に接近する方向とは内視鏡１５の中心線に向かう方向であり、軸線３５から離間する方向とは内視鏡１５の中心線から外側に向かう方向である。

【0014】

図１に示すように、内視鏡システム１１は、内視鏡１５と、観察対象（例えば、血管など生体内の管や腔の内部等）を撮影して得られた静止画又は動画に対して画像処理等を行う画像処理装置１７と、を含む。内視鏡１５は、例えば、医療用の軟性鏡、産業用の小型カメラに相当する。内視鏡１５は、略前後に延びる方向に延在し、観察対象に挿入される挿入部１９と、挿入部１９の後部が接続されるプラグ部２１と、を備える。

【0015】

画像処理装置１７は、前壁２３と、前壁２３に開口するソケット部２５とを有する。ソケット部２５は、内視鏡１５のプラグ部２１の後部と電気的に接続される。これにより、内視鏡１５は、画像処理装置１７との間で電力と各種信号（映像信号、制御信号など）とを送受信する。

【0016】

上述した電力、各種の制御信号は、軟性部２７の内部に挿通されたケーブル２９（図２参照）を介してプラグ部２１から軟性部２７に導かれる。センサ３１（図２参照）から出力された画像信号は、ケーブル２９及びプラグ部２１を介して画像処理装置１７に伝送される。画像処理装置１７は、画像信号に対し、例えば色補正或いは階調補正等の各種の画像処理を行い、画像処理後の画像信号（例えば、撮像画像）を表示装置（図示略）に出力する。表示装置は、例えば、液晶表示パネル等の表示デバイスを有するモニタ装置であり、内視鏡１５によって撮像された被写体の撮像画像（例えば、被写体である人体の血管内の様子を示す撮像画像）を表示する。

【0017】

挿入部１９は、可撓性の軟性部２７と、軟性部２７の先端に連なる先端部３３とを有する。軟性部２７は、各種の内視鏡検査、内視鏡手術等の方式に対応する適切な長さである。軟性部２７の後端は、プラグ部２１に接続されている。軟性部２７は、例えば、螺旋状に巻回された金属薄板の外周にネット部材を被せ、さらに、ネット部材の外周に被覆（シース）が被せられている。軟性部２７は、可撓性を有する。さらに、軟性部２７は、先端部３３とプラグ部２１との間を接続する部材でもある。

【0018】

内視鏡１５は、細径の体腔への挿入が可能な細径を有する。細径の体腔とは、人体の血管に限定されず、例えば、尿管、すい管、胆管、細気管支等を含む。つまり、内視鏡１５は、人体の血管、尿管、すい管、胆管、細気管支等へ挿入することができる。言い換えると、内視鏡１５は、血管内の病変の観察に適用することができる。また、内視鏡１５は、動脈硬化性プラークの同定に適用できる。さらに、内視鏡１５は、心臓カテーテル検査にも適用できる。さらに、内視鏡１５は、血栓或いは動脈硬化性の黄色プラークの検出に適用することができる。なお、内視鏡システム１１のユーザは、内視鏡１５の撮像画像における色調（白色、淡黄色、黄色）や、表面（平滑、不整）によって動脈硬化病変を観察することができる。また、内視鏡システム１１のユーザは、内視鏡１５の撮像画像における色調（赤色、白色、暗赤色、黄色、褐色、混色）によって血栓を観察することができる。

【0019】

また、内視鏡１５は、腎盂・尿管がんや、特発性腎出血の診断・治療に適用することができる。この場合、内視鏡１５は、尿道から膀胱内に挿入され、さらに尿管内にまで進めて、尿管と腎盂の中を観察するために適用することができる。

【0020】

また、内視鏡１５は、十二指腸に開口するファーター乳頭へ挿入することができる。胆汁は、肝臓から造られ胆管を通って、また、膵液は、膵臓から造られ膵管を通って十二指腸にあるファーター乳頭から排出される。内視鏡１５を胆管及び膵管の開口部であるファーター乳頭から挿入することにより、胆管又は膵管の観察に適用できる。

【0021】

さらに、内視鏡１５は、気管支への挿入が可能である。内視鏡１５は、背臥位となった検体（被施術者等）の口腔又は鼻腔から挿入され、咽頭、喉頭を経由し、声帯を視認しながら気管へと挿入される。気管支は分岐するたびに細くなるため、例えば内視鏡１５の最大外径を２ｍｍ未満とすることにより、亜区域気管支までの内腔の確認に内視鏡システム１１を適用することが可能となる。

【0022】

図２は、内視鏡１５における先端部３３の図３の対物カバーガラス４９の上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図である。内視鏡１５は、先端部３３を構成するモールド部３７と、モールド部３７にモジュール先端部３９が覆われる光学モジュール１３（図４参照）と、モールド部３７を覆って先端部３３の先端面４１に至るシース４３と、を備える。モールド部３７は、例えばエポキシ系の第１接着剤４５により形成される。内視鏡１５では、軟性部２７の外被となるシース４３の内側に、ケーブル２９と共に複数本（例えば４本）の光ファイバ４７が挿通される。光ファイバ４７は、先端部３３においてモールド部３７を貫通することにより保持されている。

【0023】

図３は、内視鏡１５における先端部３３の斜視図である。内視鏡１５の先端部３３は、先端面４１の中央部に、四角形の対物カバーガラス４９が配置される。対物カバーガラス４９は、薄板ガラスにより形成され、物体面側にＡｎｔｉ－Ｒｅｆｌｅｃｔｉｏｎ（ＡＲ）コート処理がなされている。先端面４１には、対物カバーガラス４９の各辺の外側に、４つの光ファイバ４７の先端が光出射端面となって配置されている。

【0024】

モールド部３７は、モジュール先端部３９の光学部品５１（図２参照）が埋入されて固化されることにより、先端部３３を硬質に構成する。光学部品５１の詳細については後述する。モールド部３７は、先端面４１から同一外径で後方に延びてシース４３の内径面に固着する円柱状に形成される。先端部３３は、正面視においてシース４３の内外径と、モールド部３７の外径とが軸線３５を中心とした同心円で形成される。光学部品５１は、先端部３３の軸線３５と同軸で配置される。

【0025】

光ファイバ４７は、基端が一括してフェルール（図示略）に接続される。光ファイバ４７の光源は、例えばソケット部２５に設けられるＬｉｇｈｔ Ｅｍｉｓｓｉｏｎ Ｄｉｏｄｅ（ＬＥＤ）である。内視鏡１５では、プラグ部２１をソケット部２５に接続することで、ＬＥＤからの光が光ファイバ４７を伝わり先端面４１から出射される。これにより、内視鏡１５は、単独で用いて暗部での撮影を可能としている。

【0026】

図４は、光学モジュール１３の平面図である。光学モジュール１３では、モジュール先端部３９に設けられた光学部品５１（図２参照）が、モールド部３７内に配置されている。光学部品５１は、モールド部３７を構成する第１接着剤４５（図２参照）でシース４３の内径面と接着して固定される。光学部品５１に接続されるケーブル２９は、その一部（つまりケーブル２９の先端部）がシース４３と第１接着剤４５を介して接着固定されている。、また、ケーブル２９の第１接着剤４５よりも後端側もシース４３内に配置されている。つまり、ケーブル２９の先端部は、光学部品５１を構成するセンサ３１（図２参照）に接続されてモールド部３７内に配置されている。一方で、ケーブル２９の基端は、プラグ部２１の基板５３と接続されている。基板５３では、内部被覆５５（図２参照）により複数本が纏められてケーブル２９を構成するそれぞれの電線５７が基板５３上に実装された所定の回路に接続されている。基板５３の後端には、画像処理装置１７のソケット部２５と接続可能なカードエッジ端子５９が設けられる。

【0027】

図５は、モジュール先端部３９の側面図である。以上までの説明により、実施の形態１に係る光学モジュール１３は、先端部３３（図２参照）を構成するモールド部３７（図２参照）と、モールド部３７を覆って先端部３３の先端面４１（図２参照）に至るまでに基端側から延在しているシース４３と、を備える内視鏡１５（図１参照）に取り付けられる。光学モジュール１３では、光学部品５１が、対物カバーガラス４９と、レンズ６１と、センサカバーガラス６３と、センサ３１と、を先端より順に第２接着剤６５で接着してなる。第２接着剤６５は、第１接着剤４５と同様にエポキシ系のものを用いることができる。なお、対物カバーガラス４９とレンズ６１との間には、クロムからなる絞り６７が挟まれていてもよい。

【0028】

それぞれの電線５７がセンサ３１に接続されたケーブル２９には、導電材からなるケーブルホルダ６９が絶縁されて固定される。ケーブルホルダ６９に保持されたケーブル２９の先端は、半田７１によりセンサ３１の図示しないＧＮＤ（グランド）端子に接続される。センサ３１とケーブルホルダ６９との間のケーブル２９及び半田７１の一部分は、センサ３１とケーブルホルダ６９とを連結固定する接着部７３によって覆われる。ケーブルホルダ６９から導出されたケーブル２９は、プラグ部２１までの間が、導電性のシールド材７５によって覆われる。シールド材７５は、外周が内部被覆５５により覆われる。シールド材７５は、半田７１等の導電材により、又は直接にケーブルホルダ６９と導通接続される。

【0029】

図６は、レンズ６１と接続された対物カバーガラス４９を前面側から見た要部拡大斜視図である。対物カバーガラス４９には、モールド部３７（図２参照）の内周面８１に設けられた係止部７７（図２参照）に係止する被係止部７９が形成される。モールド部３７は先端面４１が開口しており、後端面４２も開口している。モールド部３７は、その内部に先端面４１の開口から後端面４２の開口まで連続する貫通孔が形成されている。貫通孔はモールド部３７の内周面８１に囲まれた空間である。モールド部３７は、その内部に対物カバーガラス４９を収容できる。対物カバーガラスの先端面（言い換えると、前面８５）は、モールド部３７の先端面４１の開口から外部に露出する。モールド部３７の内部には係止部７７が形成される。係止部７７は、モールド部３７の内周面８１を軸線３５に接近する方向に突出させて形成した段差である。この段差は対物カバーガラス４９の軸線直交断面の正方形状と一致するように形成されている（図８参照）。対物カバーガラス４９の被係止部７９は、前部外周面８３から軸線３５から離間する方向に突出させて形成された段差である。この段差は対物カバーガラス４９の軸線直交断面の正方形状と一致するように形成されている（図８参照）。対物カバーガラス４９は、モールド部３７の係止部７７に、この被係止部７９が前方に向けて当接することにより引っ掛かり、前方への移動が機械的に規制される。すなわち、シース４３内において、係止部７７は被係止部７９よりも前方に配置される。

【0030】

被係止部７９は、対物カバーガラス４９にのみ形成されており、対物カバーガラス４９以外の光学部品５１のいずれにも形成されていない。

【0031】

被係止部７９は、対物カバーガラス４９の前面８５の方向を向く面である。

【0032】

図７は、図６に示すレンズ６１と接続された対物カバーガラス４９を後方より見た要部拡大斜視図である。レンズ６１は、例えばエポキシ樹脂からなる。レンズ６１は、凹部８７と、凸曲面部８９と、を有する。凹部８７は、略四角形の光出射側開口部９１を有する。凹部８７は、光出射側開口部９１から底面９３に向かって徐々に開口面積が縮小する逆角錐台形の光出射空間を有する。凸曲面部８９は、例えば球面の一部分で形成される。凸曲面部８９は、非球面であってもよい。レンズ６１では、凸曲面部８９と反対側の平坦なレンズ前面とが第２接着剤６５により対物カバーガラス４９に接着される。すなわち、レンズ６１は、凸レンズとなる。なお、対物カバーガラス４９とレンズ６１との間には、絞り６７（図２参照）が設けられてもよい。

【0033】

レンズ６１は、光出射側開口部９１の周囲が枠状端面９５となる。枠状端面９５には、センサカバーガラス６３に当接する突起９７が四隅のそれぞれに設けられる。レンズ６１が第２接着剤６５を介してセンサカバーガラス６３に当接されると、突起９７がセンサカバーガラス６３の光入射面に当接した状態となる。突起９７は、薄い接着剤層を介してセンサカバーガラス６３の光入射面に接着される。従って、突起９７を除く枠状端面９５は、突起９７よりも厚い接着剤層を介して、センサカバーガラス６３の光入射面に強固に接着される。

【0034】

図８は、図６に示すレンズ６１と接続された対物カバーガラス４９の正面図である。つまり、図８は、対物カバーガラス４９を内視鏡１５の先端側から後端側を見たときの正面図である。なお、図２は、図８のＡ－Ａ断面図としてみることができる。被係止部７９は、対物カバーガラス４９の全周にわたって形成される。より具体的には、被係止部７９は、前部外周面８３と対物カバーガラス４９の外周面９９との間で全周にわたって前面８５の方向を向いた面で形成される。被係止部７９は、対物カバーガラス４９の外周面９９を前部外周面８３まで除いて形成される段差とも言える。対物カバーガラス４９の外周面９９は、０．０３ｍｍの幅までであれば加工して除いても撮像に影響しないことが知見されている。従って、段差は、０．０３ｍｍ以下となる。

【0035】

図９は、図８の側面図である。対物カバーガラス４９は、立方体又は直方体形状で形成される。対物カバーガラス４９の外周面９９は、その四周にわたりレンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３（図５参照）と、センサ３１の外周面１０５（図５参照）と同一面上にある接着側面１０７を有する。この接着側面１０７と、レンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３と、センサ３１の外周面１０５とは、第２接着剤６５を介して前後方向で連続している。被係止部７９は、対物カバーガラス４９の接着側面１０７と連続する面である。対物カバーガラス４９は、接着側面１０７を確保することにより、レンズ６１との接着面から離れた位置に被係止部７９をつくることができる。これにより、対物カバーガラス４９とレンズ６１との接着力を高めることができる。また被係止部７９の厚みを確保できるため、被係止部７９の強度を高めることができる。

【0036】

対物カバーガラス４９は、接着側面１０７よりも前部が、被係止部７９を介して接着側面１０７よりも一段低くなった（言い換えると、軸線３５に接近した）前部外周面８３となる。この前部外周面８３も、モールド部３７の内周面に接着される。対物カバーガラス４９は、モールド部３７の内周面８１に接着した前部外周面８３の前面８５が、先端部３３の先端面４１に面一となって露出される（図３参照）。

【0037】

図１０は、モジュール先端部３９とシース４３との間に機構部品１０９が設けられた構成例の図３の対物カバーガラス４９の上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図である。図１０の説明において、図２に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0038】

実施の形態１において、内視鏡１５は、図２に示す構成だけでなく、モジュール先端部３９とシース４３との間に機構部品１０９が設けられる構成であってもよい。機構部品１０９は、その外径面がシース４３の内径面に密着する円筒外周面を有する部材である。

【0039】

機構部品１０９は、光学部品５１が嵌入される嵌合孔１１１を有する樹脂部品である。嵌合孔１１１は、機構部品１０９の内周面に囲まれた空間である。また、嵌合孔１１１は機構部品１０９の前後方向に貫通している。機構部品１０９の内周面には、対物カバーガラス４９の被係止部７９と係止する係止部７７が形成される。機構部品１０９は、光ファイバ４７を挿通するファイバ挿通穴を有する。機構部品１０９は、樹脂等を用いた硬質材で予め形成されたものを使用することができる。つまり、機構部品１０９は、剛性を有する部材である。機構部品１０９の外周面はシース４３の内径面に固定される。機構部品１０９の外周面とシース４３の固定方法は特に限定されないが、例えば、機構部品１０９の外周面とシース４３の内径面とを接着剤により固定する構造や他の固定部品を用いた構造が挙げられる。

【0040】

この図１０の構成例において、光学モジュール１３は、センサ３１より後方の接着部７３、ケーブルホルダ６９、ケーブル２９、シールド材７５の一部分が、モールド部３７を形成する第１接着剤４５によって機構部品１０９の内径面に接着固定される。この機構部品１０９を用いた内視鏡１５によれば、内視鏡１５の先端面４１にモールド部３７を露出させない構造とすることができる。また、異なる長さの機構部品１０９を使用することで、先端部３３における硬質部分の長さを使用目的に合わせて容易に変えることができる。さらに、先端部３３の成形がモールド部３７を多用する構造に比べ製造が容易となり、内視鏡１５の量産性を高めることができる。

【0041】

また、モールド部３７の内周面若しくは機構部品１０９の内周面から軸線３５に接近する方向に突出した部分があり、この突出部がセンサ３１の後側端面に当接している（図２若しくは図１０参照）。これにより、光学部品５１は、内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0042】

また、モールド部３７若しくは機構部品１０９とケーブルホルダ６９の前面が当接している（図２若しくは図１０参照）。これにより、ケーブル２９の相対位置が内視鏡１５の前側にずれにくくなる。

【0043】

また、ケーブルホルダ６９の後側端面とモールド部３７若しくは機構部品１０９が当接している（図２若しくは図１０参照）。これにより、ケーブル２９の相対位置が内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0044】

また、ケーブル２９のうちシールド材７５の前側一部までモールド部３７によって接着されるので、ケーブル２９とモールド部３７との相対位置がずれにくい。更に、ケーブル２９によって光学部品５１の後側を支持しているので、光学部品５１は内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0045】

次に、実施の形態１の各種の変形例に係る構成例を説明する。

【0046】

（実施の形態１の変形例１）
図１１は、変形例１に係る内視鏡１５における先端部３３の図３の対物カバーガラス４９に対応する対物カバーガラス１１３の上下方向に通る一点鎖線面で切断した断面を左方向から見た図である。図１１の説明において、図２又は図１０に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0047】

図１１に示す変形例１の構成例では、対物カバーガラス１１３には、モールド部３７の内周面に設けられた係止部７７に係止する被係止部７９が形成される。

【0048】

図１２は、レンズ６１と接続された対物カバーガラス１１３を前面側から見た要部拡大斜視図である。図１２の説明において、図６に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0049】

対物カバーガラス１１３には、モールド部３７（図１１参照）の内周面に設けられた係止部７７（図１１参照）に係止する被係止部７９が形成される。モールド部３７は内部に内周面８１に囲まれた貫通孔を有する。また貫通孔は先端面４１と後端面４２の開口と連続している。モールド部３７の内部には対物カバーガラス１１３が収容される。モールド部３７の内周面８１に形成される係止部７７は、内周面８１を軸線３５に接近する方向に突出させて形成した段差であり、この段差は対物カバーガラス１１３の軸線直交断面の略八角形と一致するように形成されている（図１４参照）。角柱体の対物カバーガラス１１３は、４つの稜部１１５を有する。対物カバーガラス１１３には、それぞれの稜部１１５に前面８５から付した面を途中で留めた切留面１１７が形成される。対物カバーガラス１１３は、この切留面１１７における面の留められた段差が被係止部７９となる。対物カバーガラス１１３は、モールド部３７の係止部７７に、この被係止部７９が前方に向けて当接することにより引っ掛かり、前方への移動が機械的に規制される。

【0050】

被係止部７９は、対物カバーガラス１１３にのみ形成されており、対物カバーガラス１１３以外の光学部品５１のいずれにも形成されていない。

【0051】

被係止部７９は、対物カバーガラス１１３の前面８５の方向を向く面である。

【0052】

図１３は、図１２に示したレンズ６１と接続された対物カバーガラス１１３を後方より見た要部拡大斜視図である。図１３の説明において、図７に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0053】

レンズ６１は、凹部８７と、凸曲面部８９と、を有する。凹部８７は、略四角形の光出射側開口部９１を有する。凹部８７は、光出射側開口部９１から底面９３に向かって徐々に開口面積が縮小する逆角錐台形の光出射空間を有する。凸曲面部８９は、例えば球面の一部分で形成される。凸曲面部８９は、非球面であってもよい。レンズ６１では、凸曲面部８９と反対側の平坦なレンズ前面とが第２接着剤６５により対物カバーガラス１１３に接着される。

【0054】

図１４は、図１２に示したレンズ６１と接続された対物カバーガラス１１３の正面図である。図１４の説明において、図８に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。なお、図１１は、図１４のＢ－Ｂ断面図としてみることができる。

【0055】

被係止部７９は、対物カバーガラス１１３を正面視した四角形の四隅に形成される。被係止部７９は、四角形の稜部１１５を４５°の傾斜面で面取りした切留面１１７に前面８５と平行な三角形の留め面として形成される。

【0056】

図１５は、図１４の側面図である。図１５の説明において、図９に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0057】

対物カバーガラス１１３は、立方体又は直方体形状で形成される。対物カバーガラス１１３の外周面１１９は、その四周にわたりレンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３（図５参照）と、センサ３１の外周面１０５（図５参照）と同一面上にある接着側面１０７を有する。この接着側面１０７と、レンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３と、センサ３１の外周面１０５とは第２接着剤６５を介して軸線３５と平行な方向で連続している。被係止部７９は、対物カバーガラス１１３の接着側面１０７と連続する段差である。

【0058】

対物カバーガラス１１３では、稜部１１５の前部が、被係止部７９を介して稜部１１５よりも一段低くなった（言い換えると、軸線３５に接近した）切留面１１７となる。この切留面１１７も、モールド部３７の内周面に第１接着剤４５によって接着される。

【0059】

図１６は、変形例１においてモジュール先端部３９とシース４３との間に機構部品１０９が設けられた構成例の図３の対物カバーガラス４９に対応する対物カバーガラス１１３の上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図である。図１６の説明において、図１０に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0060】

実施の形態１の変形例１において、内視鏡１５は、図１１に示す構成だけでなく、モジュール先端部３９とシース４３との間に機構部品１０９が設けられる構成であってもよい。機構部品１０９は、その外径面がシース４３の内径面に密着する円筒外周面を有する部材である。

【0061】

機構部品１０９は、光学部品５１が嵌入される嵌合孔１１１を有する樹脂部品である。嵌合孔１１１は、機構部品１０９の内周面に囲まれた空間である。また、嵌合孔１１１は機構部品１０９の前後方向に貫通している。機構部品１０９の内周面には、対物カバーガラス１１３の被係止部７９と係止する係止部７７が形成される。機構部品１０９は、光ファイバ４７を挿通するファイバ挿通穴を有する。機構部品１０９は、樹脂等を用いた硬質材で予め形成されたものを使用することができる。つまり、機構部品１０９は、剛性を有する部材である。機構部品１０９の外周面はシース４３の内径面に固定される。機構部品１０９の外周面とシース４３の固定方法は特に限定されないが、例えば、機構部品１０９の外周面とシース４３の内径面とを接着剤により固定する構造や他の固定部品を用いた構造が挙げられる。

【0062】

この図１６の構成例において、光学モジュール１３は、センサ３１より後方の接着部７３、ケーブルホルダ６９、ケーブル２９、シールド材７５の一部分が、モールド部３７を形成する第１接着剤４５によって機構部品１０９の内径面に接着固定される。この機構部品１０９を用いた内視鏡１５によれば、内視鏡１５の先端面４１にモールド部３７を露出させない構造とすることができる。また、異なる長さの機構部品１０９を使用することで、先端部３３における硬質部分の長さを使用目的に合わせて容易に変えることができる。さらに、先端部３３の成形がモールド部３７を多用する構造に比べ製造が容易となり、内視鏡１５の量産性を高めることができる。

【0063】

変形例１に係る光学モジュール１３及び内視鏡１５によれば、図１４に示す対物カバーガラス１１３における前面８５の面積を実施の形態１に係る面積（つまり、図８に示す前面８５の面積）に比べて大きくできる。これにより、センサ３１に入射する撮像光の光強度をより強くすることができ、明るい撮像画像が得られる。

【0064】

（実施の形態１の変形例２）
図１７は、変形例２に係る内視鏡１５における先端部３３の図３の対物カバーガラス４９に対応する対物カバーガラス１２１の上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図である。図１７の説明において、図２、図１０又は図１１に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0065】

図１７に示す変形例２の構成例では、対物カバーガラス１２１には、モールド部３７の内周面に設けられた係止部７７に係止する被係止部７９が形成される。

【0066】

図１８は、レンズ６１と接続された対物カバーガラス１２１を前面側から見た要部拡大斜視図である。図１８の説明において、図６又は図１２に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0067】

対物カバーガラス１２１には、モールド部３７（図１７参照）の内周面に設けられた係止部７７（図１７参照）に係止する被係止部７９が形成される。モールド部３７は内部に内周面８１に囲まれた貫通孔を有する。また貫通孔は先端面４１と後端面４２の開口と連続している。モールド部３７の内部には対物カバーガラス１２１が収容される。モールド部３７の内周面８１に形成される係止部７７は、内周面８１を軸線３５に接近する方向に突出させて形成した突起である。角柱体の対物カバーガラス１２１は、４つの稜部１１５を有する。対物カバーガラス１２１には、正面視の４つの隅を挟む直交二辺と稜部１１５とが交わる角部を三角錐で切り取った傾斜三角面が形成される。対物カバーガラス１２１では、この傾斜三角面が被係止部７９となる。対物カバーガラス１２１は、モールド部３７の係止部７７に、この被係止部７９が前方に向けて当接することにより引っ掛かり、前方への移動が機械的に規制される。

【0068】

被係止部７９は、対物カバーガラス１２１にのみ形成されており、対物カバーガラス１２１以外の光学部品５１のいずれにも形成されていない。

【0069】

被係止部７９は、対物カバーガラス１２１の前面８５の方向を向く面である。

【0070】

図１９は、図１８に示したレンズ６１と接続された対物カバーガラス１２１を後方より見た要部拡大斜視図である。図１９の説明において、図７又は図１３に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0071】

レンズ６１は、凹部８７と、凸曲面部８９と、を有する。凹部８７は、略四角形の光出射側開口部９１を有する。凹部８７は、光出射側開口部９１から底面９３に向かって徐々に開口面積が縮小する逆角錐台形の光出射空間を有する。凸曲面部８９は、例えば球面の一部分で形成される。凸曲面部８９は、非球面であってもよい。レンズ６１では、凸曲面部８９と反対側の平坦なレンズ前面とが第２接着剤６５により対物カバーガラス１２１に接着される。

【0072】

図２０は、図１８に示したレンズ６１と接続された対物カバーガラス１２１の正面図である。図２０の説明において、図８又は図１４に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。なお、図１７は、図２０のＣ－Ｃ断面図としてみることができる。

【0073】

被係止部７９は、対物カバーガラス１２１を正面視した四角形の四隅に形成される。被係止部７９は、対物カバーガラス１２１の正面視における４つの隅をそれぞれ挟む直交二辺と稜部１１５とが交わる角部を三角錐で切り取って形成される。

【0074】

図２１は、図２０の側面図である。図２１の説明において、図９又は図１５に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0075】

対物カバーガラス１２１は、立方体又は直方体形状で形成される。対物カバーガラス１２１の外周面１２３は、その四周にわたりレンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３（図５参照）と、センサ３１の外周面１０５（図５参照）と同一面上にある接着側面１０７を有する。この接着側面１０７と、レンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３と、センサ３１の外周面１０５とは第２接着剤６５を介して同軸と平行な方向で連続している。被係止部７９は、対物カバーガラス１２１の接着側面１０７と連続する段差である。

【0076】

図２２は、変形例２においてモジュール先端部３９とシース４３との間に機構部品１０９が設けられた構成例の図３の対物カバーガラス４９に対応する対物カバーガラス１２１の上下方向に通る一点鎖線で切断した断面を左方向から見た図である。図２２の説明において、図１０又は図１６に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化或いは省略し、異なる内容について説明する。

【0077】

実施の形態１の変形例２において、内視鏡１５は、図１７に示す構成だけでなく、モジュール先端部３９とシース４３との間に機構部品１０９が設けられる構成であってもよい。機構部品１０９は、その外径面がシース４３の内径面に密着する円筒外周面を有する部材である。

【0078】

機構部品１０９は、光学部品５１が嵌入される嵌合孔１１１を有する樹脂部品である。嵌合孔１１１は、機構部品１０９の内周面に囲まれた空間である。また、嵌合孔１１１は機構部品１０９の前後方向に貫通している。機構部品１０９の内周面には、対物カバーガラス１２１の被係止部７９と係止する係止部７７が形成される。機構部品１０９は、光ファイバ４７を挿通するファイバ挿通穴を有する。機構部品１０９は、樹脂等を用いた硬質材で予め形成されたものを使用することができる。つまり、機構部品１０９は、剛性を有する部材である。機構部品１０９の外周面はシース４３の内径面に固定される。機構部品１０９の外周面とシース４３の固定方法は特に限定されないが、例えば、機構部品１０９の外周面とシース４３の内径面とを接着剤により固定する構造や他の固定部品を用いた構造が挙げられる。

【0079】

この図２２の構成例において、光学モジュール１３は、センサ３１より後方の接着部７３、ケーブルホルダ６９、ケーブル２９、シールド材７５の一部分が、モールド部３７を形成する第１接着剤４５によって機構部品１０９の内径面に接着固定される。この機構部品１０９を用いた内視鏡１５によれば、内視鏡１５の先端面４１にモールド部３７を露出させない構造とすることができる。また、異なる長さの機構部品１０９を使用することで、先端部３３における硬質部分の長さを使用目的に合わせて容易に変えることができる。さらに、先端部３３の成形がモールド部３７を多用する構造に比べ製造が容易となり、内視鏡１５の量産性を高めることができる。

【0080】

変形例２に係る光学モジュール１３及び内視鏡１５によれば、図２０に示す対物カバーガラス１２１における前面８５の面積を実施の形態１に係る面積（つまり、図８に示す前面８５の面積）に比べて大きくできる。これにより、センサ３１に入射する撮像光の光強度をより強くすることができる。これに加え、変形例２に係る光学モジュール１３及び内視鏡１５によれば、被係止部７９を設けるための対物カバーガラス１２１の加工又は成形が容易となるので、量産性を高めることができる。

【0081】

次に、上記した実施の形態１に係る構成の作用を説明する。

【0082】

実施の形態１に係る光学モジュール１３は、内視鏡１５の先端部３３を構成するモールド部３７と、モールド部３７を覆って先端部３３の先端面４１に至るまで基端側から延在しているシース４３と、を備える内視鏡１５に取り付けられる。光学モジュール１３は、モールド部３７内に配置され、モールド部３７を構成する第１接着剤４５で接着して固定される光学部品５１と、光学部品５１に接続されシース４３内に配置されるケーブル２９と、ケーブル２９に接続された基板５３と、を有する。光学部品５１は、対物カバーガラス４９と、レンズ６１と、センサカバーガラス６３と、センサ３１と、を順に第２接着剤６５で接着してなる。対物カバーガラス４９には、モールド部３７の内周面に設けられた係止部７７に係止する被係止部７９が形成される。

【0083】

実施の形態１に係る光学モジュール１３では、モジュール先端部３９が、内視鏡１５の先端部３３を構成する硬質のモールド部３７によって覆われる。モジュール先端部３９は、光学部品５１を有し、この光学部品５１がモールド部３７によって覆われる。光学部品５１は、内視鏡１５の先端面４１から対物カバーガラス４９、レンズ６１、センサカバーガラス６３及びセンサ３１を順に接着してなる。内視鏡１５は、細径の体腔に挿入が可能とされることから、最大外径が例えば１ｍｍ以下となる。なお、１ｍｍ以下に限定されなくてもよい。モジュール先端部３９は、その前面８５が内視鏡１５の先端面４１と同一面となる。すなわち、モールド部３７の先端面４１には開口があり、対物カバーガラス４９の前面８５が先端面４１と面一となって外部に露出する。

【0084】

光学モジュール１３では、光学部品５１の後端に設けられるセンサ３１から後方向（先端面４１と反対方向）に向かってケーブル２９が導出される。ケーブル２９は、一例として２０００ｍｍ程度の長さを有し、基端に基板５３が接続される。ケーブル２９は、内視鏡１５を構成する軟性のシース４３によって覆われる。シース４３は、内外径が円形となるチューブ状に形成される。ケーブル２９を覆ったシース４３の先端は、内視鏡１５の先端面４１まで延長されてモールド部３７の外径面を覆う。シース４３の先端と先端面４１とは面一になる。

【0085】

光学モジュール１３では、光学部品５１が内視鏡１５の先端部３３におけるモールド部３７に納められた際に、対物カバーガラス４９がモールド部３７の内周面８１に機械的に引っ掛かる構造を備える。すなわち、対物カバーガラス４９には、モールド部３７の内周面に設けられた係止部７７に係止する被係止部７９が形成される。被係止部７９は、段差、窪み、切欠の少なくとも一つとすることができる。係止部７７は、これら段差、窪み、切欠に引っ掛かる段差、凸部、切欠とすることができる。

【0086】

光学モジュール１３は、対物カバーガラス４９に形成された被係止部７９が、モールド部３７の係止部７７に引っ掛かることにより、内視鏡１５の前方、すなわち、内視鏡１５の先端面４１から突出する方向の移動（モールド部３７に対する相対的な移動）が規制される。これにより、光学モジュール１３は、たとえ第２接着剤６５による光学部品５１の接着が剥がれたとしても、光学部品５１がモールド部３７の前方に移動しない。一方、光学モジュール１３では、内視鏡１５の先端面４１から後退する方向の移動が、センサ３１に接続されたケーブル２９によって規制される。これはケーブル２９の導電性のシールド材７５の先端がモールド部３７の後端部に接着されているためである。より詳細には、導電性のシールド材７５の先端側の外周面は、モールド部３７の内周面８１に接着している。

【0087】

光学モジュール１３では、対物カバーガラス４９に設けた被係止部７９が、モールド部３７の内周面に設けられる係止部７７に、機械的に引っ掛かる構造を備えるので、第１接着剤４５が劣化し、モールド部３７の内周面に対する接着強度が低下しても、モールド部３７と光学部品５１との相対的な位置ずれが抑制される。また、光学部品５１の接着面よりも先端側にモールド部３７との引っ掛かり面をつくることで、第１接着剤４５や第２接着剤６５の切断や劣化による剥離が起きた場合に、対物カバーガラス４９等の光学部品５１の位置がずれることを抑制することができる。その結果、撮像画像における画質の劣化が抑制される。

【0088】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、内視鏡１５のモールド部３７と光学モジュール１３との相対的な位置ずれを抑制でき、撮像画像における画質の劣化を抑制できる。

【0089】

また、光学モジュール１３において、モールド部３７は、先端面４１から同一外径で後方に延びてシース４３の内径面に固着する円柱状に形成される。モールド部３７は、その内部の先端面４１側に開口して対物カバーガラス４９を収容する貫通孔を有する。係止部７７が、モールド部３７の内周面８１を軸線３５に接近する方向に突出させて形成した段差である。

【0090】

この光学モジュール１３では、内視鏡１５のシース４３が、先端面４１から同一内外径の円形で形成される。また、内視鏡１５のモールド部３７は、先端面４１から同一外径で後方に延びてシース４３の内径面に固着する円柱状に形成される。光学モジュール１３の光学部品５１が埋入されるモールド部３７には、先端面４１側に開口して対物カバーガラス４９を収容する貫通孔が形成されている。

【0091】

光学部品５１は、センサ３１の一辺が一例として０．５ｍｍ以下の正方形でダイシングされる。光学部品５１は、対物カバーガラス４９の後端部からセンサ３１までの各部品（レンズ６１、センサカバーガラス６３）の外周面が、センサ３１の外周面１０５に倣って形成されることで、角柱状となって接合される。

【0092】

内視鏡１５は、円形のシース４３と、先端面４１側に開口する対物カバーガラス４９を収容するための貫通孔と、この貫通孔に嵌って前面８５が露出する正方形のモジュール先端部３９とが、同軸に配置され、かつ先端面４１の正面視における各部材の配置が、軸線３５を中心とした点対称となる。

【0093】

つまり、光学モジュール１３は、モールド部３７の軸線３５に対して光学部品５１が偏芯していない。また、内視鏡１５は、係止部７７及び被係止部７９を含めた光学部品５１からシース４３までの固定部品が、モールド部３７のみとなる。モールド部３７と光学部品５１とは、第１接着剤４５のみで接着される。第１接着剤４５は、モールド部３７を形成する接着剤と同一であってもよい。光学モジュール１３は、内視鏡１５を細径とするため、モールド部３７と光学部品５１との間に、光学部品５１を内視鏡１５に固定するための固定部品（鏡筒やホルダ等）を挟まずに構成されている。これにより、光学モジュール１３は、内視鏡１５における直径１ｍｍ以下の細径化、高い破壊強度、優れた量産性を実現させている。

【0094】

また、光学部品５１の間も、固定部品（鏡筒やホルダ等）を用いずに、第２接着剤６５のみで行われる。その結果、光学モジュール１３は、少ない部品数で、部品形状及び固定構造を単純化し、細径化及び量産化を実現しつつ、内視鏡１５のモールド部３７と光学部品５１との相対的な位置ずれをしっかりと抑制している。

【0095】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、少ない部品数で、部品形状及び固定構造を単純化し、細径化及び量産化を実現しつつ、モールド部３７と光学部品５１との相対的な位置ずれをしっかりと抑制している。

【0096】

また、光学モジュール１３において、対物カバーガラス４９は、立方体形状又は直方体形状である。対物カバーガラス４９の外周面９９は、その四周にわたりレンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３と、センサ３１の外周面１０５と同一面上にある接着側面１０７を有する。接着側面１０７と、レンズ６１の外周面１０１と、センサカバーガラス６３の外周面１０３と、センサ３１の外周面１０５と、は第２接着剤６５を介して連続している。

【0097】

この光学モジュール１３では、センサ３１の一辺が一例として０．５ｍｍ以下の正方形でダイシングされる。光学部品５１は、対物カバーガラス４９の後端部からセンサ３１までの各部品の外周面が、センサ３１の外周面１０５に倣って形成されることで、角柱状となって接合される。対物カバーガラス４９には、レンズ６１、センサカバーガラス６３及びセンサ３１と同じ高さで連続する面が残されている。すなわち、光学モジュール１３は、光学部品５１において、センサ３１から対物カバーガラス４９の後端部に至るまでの間の外周面に段差がない。これにより、モールド部３７と光学部品５１を接着する第１接着剤４５に段差があることによる応力集中が生じず、第１接着剤４５が切断しにくくなっている。

【0098】

なお、モールド部３７の係止部７７と対物カバーガラス４９の被係止部７９との段差においては、光学部品５１のモールド前方への移動が機械的に規制されるので、光学部品５１の移動を規制する強度が高まり、段差があることによる応力集中が第１接着剤４５に生じにくくなる。

【0099】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、光学部品５１の移動を規制する強度が高まり、段差があることによる応力集中が第１接着剤４５に生じにくくなる。

【0100】

また、光学モジュール１３において、被係止部７９は、対物カバーガラス４９にのみ形成される。

【0101】

この光学モジュール１３では、被係止部７９が、対物カバーガラス４９にのみ形成される。光学モジュール１３は、対物カバーガラス４９を最先端部品として光学部品５１が角柱状に組み立てられる。すなわち、光学モジュール１３は、センサ３１から対物カバーガラス４９の後端部に至るまでの間の外周面に段差がない。これにより、モールド部３７と光学部品５１を接着する第１接着剤４５に段差があることによる応力集中が生じず、第１接着剤４５が切断しにくくなる。

【0102】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、モールド部３７と光学部品５１を接着する第１接着剤４５に段差があることによる応力集中が生じず、第１接着剤４５が切断しにくくなる。

【0103】

また、光学モジュール１３において、被係止部７９は、対物カバーガラス４９の前面方向を向く面である。

【0104】

この光学モジュール１３では、被係止部７９が、対物カバーガラス４９の前面方向を向く面で形成される。言い換えると、対物カバーガラス４９は、この前面方向を向く面を境とした後端部の外周面が、レンズ６１の外周面１０１からセンサ３１の外周面１０５まで段差なく連続する角柱状の側面を形成する。対物カバーガラス４９は、この角柱状の側面を後端部に有することで、レンズ６１との接着面から離れた位置に引っ掛かり面である被係止部７９がつくられる。これにより、光学モジュール１３では、対物カバーガラス４９とレンズ６１との接着強度の低下を生じさせないようにしながら、引っ掛ける面、すなわち、被係止部７９の強度が確保されている。引っ掛かり面である被係止部７９がレンズ６１の外周面１０１に近接して設けられる構造に比べ、レンズ６１から離間して被係止部７９が設けられることにより、レンズ６１に対する接着強度が確保されながら、引っ掛ける面の強度も確保される。

【0105】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、レンズ６１に対する接着強度が確保されながら、引っ掛ける面の強度も確保される。

【0106】

また、光学モジュール１３において、被係止部７９は、対物カバーガラス４９の全周にわたって形成される。

【0107】

この光学モジュール１３では、被係止部７９が、角柱状となる対物カバーガラス４９の全周にわたって前面方向を向く面として形成される。すなわち、角柱状の４つの側面のすべてに段差となる被係止部７９が設けられ、この段差が対物カバーガラス４９の全周で連続する。これにより、光学部品５１は、軸線３５を中心とした全周が、モールド部３７に設けられる係止部７７に当接するので、高い係止強度（機械的な引っ掛かかり強度）が得られる。また、光学部品５１は、軸線３５を中心とした全周が、モールド部３７の係止部７７に当接するので、内視鏡１５の先端部３３における軸線３５に対するレンズ中心軸の同軸性が高精度に確保できる。

【0108】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、内視鏡１５の先端部３３における軸線３５に対するレンズ中心軸の同軸性が高精度に確保できる。

【0109】

また、光学モジュール１３において、被係止部７９は、接着側面１０７と連続している。

【0110】

この光学モジュール１３では、被係止部７９が接着側面１０７と連続する。接着側面１０７は、センサ３１の外周面１０５と同一面上にある対物カバーガラス４９の後端部が有している面である。被係止部７９は、この後端部の前面方向を向く面であるので、接着側面１０７と被係止部７９とは、段差で例えば直角に交わる。これにより、対物カバーガラス４９の外周面９９とモールド部３７とを接着する第１接着剤４５が、対物カバーガラス４９の後端部における外周面から被係止部７９を経て、対物カバーガラス４９の前端部における外周面まで途切れることなく連続する。その結果、光学部品５１とモールド部３７との接着強度を高めながら、かつ機械的な引っ掛かかり強度も確保される。

【0111】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、光学部品５１とモールド部３７との接着強度を高めながら、かつ機械的な引っ掛かかり強度も確保される。

【0112】

また、光学モジュール１３において、モールド部３７は、センサ３１の背面側に接続されるケーブル２９の先端側の一部を保持するケーブルホルダ６９を覆う。

【0113】

この光学モジュール１３では、ケーブルホルダ６９は、センサ３１の背面側に接続されるケーブル２９の先端側の一部を保持する。また、モールド部３７は、ケーブルホルダ６９の全周を覆う。つまり、ケーブルホルダ６９は第１接着剤４５により形成されるモールド部３７によって覆われるため、ケーブル２９の相対位置が内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0114】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、ケーブル２９の相対位置が内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0115】

また、光学モジュール１３において、モールド部３７は、センサ３１の背面側に接続されるケーブル２９の先端を覆う。

【0116】

この光学モジュール１３では、ケーブル２９の先端は、センサ３１の背面に接続されるとともに、その先端が全周において第１接着剤４５により形成されるモールド部３７によって覆われる。これにより、ケーブル２９とモールド部３７との相対位置がずれにくい。更に、ケーブル２９によって光学部品５１の後側を支持しているので、光学部品５１は内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0117】

そして、光学モジュール１３を備えた内視鏡１５によれば、同様の作用により、ケーブル２９とモールド部３７との相対位置がずれにくい。更に、ケーブル２９によって光学部品５１の後側を支持しているので、光学部品５１は内視鏡１５の後側にずれにくくなる。

【0118】

以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。

【産業上の利用可能性】

【0119】

本開示は、細径の体腔に使用するに際し、先端側の光学部品とその周囲のモールド樹脂との相対的な位置ずれを抑制でき、撮像画像の画質劣化を抑制する光学モジュール及び内視鏡として有用である。

【符号の説明】

【0120】

１３ 光学モジュール
１５ 内視鏡
２９ ケーブル
３１ センサ
３３ 先端部
３５ 軸線
３７ モールド部
３９ モジュール先端部
４１ 先端面
４３ シース
４５ 第１接着剤
４９ 対物カバーガラス
５１ 光学部品
５３ 基板
６１ レンズ
６３ センサカバーガラス
６５ 第２接着剤
７７ 係止部
７９ 被係止部
８１ 内周面
９９ 対物カバーガラスの外周面
１０１ レンズの外周面
１０３ センサカバーガラスの外周面
１０５ センサの外周面
１０７ 接着側面
１１３ 対物カバーガラス
１２１ 対物カバーガラス

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】