(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164740
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】包装米飯製造システム及び包装米飯製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20241120BHJP
【FI】
A23L7/10 D
A23L7/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080439
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】304001730
【氏名又は名称】有限会社ドリームズファーム
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 敦
(72)【発明者】
【氏名】石山 直哉
(72)【発明者】
【氏名】本間 洋介
【テーマコード(参考)】
4B023
【Fターム(参考)】
4B023LC07
4B023LE12
4B023LP07
4B023LP19
4B023LP20
4B023LT05
4B023LT07
4B023LT62
4B023LT66
(57)【要約】
【課題】包装米飯の容器を確実に密封することができる包装米飯製造システムを提供する。
【解決手段】包装米飯製造システム1は、フランジ19を有する容器20内に炊飯前の米を収容する米収容工程、容器20内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯する炊飯工程、及び容器20内に炊飯された米飯が収容された状態でフランジ19と容器20の開口部を密封する蓋材とを接合する密封工程を含む複数の工程を実行するシステムであって、米収容工程と炊飯工程との間において、容器20のフランジ19上の米を吸引する吸引装置6を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジを有する容器内に炊飯前の米を収容する米収容工程、前記容器内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯する炊飯工程、及び前記容器内に炊飯された米飯が収容された状態で前記フランジと前記容器の開口部を密封する蓋材とを接合する密封工程を含む複数の工程を実行する包装米飯製造システムであって、
前記米収容工程と前記炊飯工程との間において、前記フランジ上の米を吸引する吸引装置を備える、包装米飯製造システム。
【請求項2】
前記吸引装置は、前記フランジ上の米を吸引する吸引ノズルを有する、請求項1に記載の包装米飯製造システム。
【請求項3】
前記容器を搬送路上で搬送しつつ、前記吸引装置によって前記フランジ上の米を吸引可能であって、
前記吸引ノズルには、前記容器の搬送方向の下流側に、前記フランジ上の米を掻き取るスクレーパが設けられる、請求項2に記載の包装米飯製造システム。
【請求項4】
前記容器を搬送路上で搬送しつつ、前記吸引装置によって前記フランジ上の米を吸引可能であって、
前記フランジが接触する接触部を有し、前記搬送路上の前記容器を吸引に適した姿勢にする姿勢調整装置をさらに備え、
前記姿勢調整装置は、前記搬送路上の前記容器が吸引に適した姿勢からずれた姿勢となって前記フランジが浮き上っている場合に、前記フランジが前記接触部に接触して、前記容器の姿勢を吸引に適した姿勢にする、請求項1から3のいずれかに記載の包装米飯製造システム。
【請求項5】
フランジを有する容器内に炊飯前の米を収容する米収容工程と、
前記フランジ上の米を吸引する吸引工程と、
前記容器内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯する炊飯工程と、
前記容器内に炊飯された米飯が収容された状態で、前記フランジと前記容器の開口部を密封する蓋材とを接合して、前記容器を密封する密封工程と、を順次に含む、包装米飯製造方法。
【請求項6】
前記吸引工程が前記容器を搬送路上で搬送しつつ実行され、
前記米収容工程前に、前記搬送路に前記容器を供給する容器供給工程と、
前記容器供給工程後、前記米収容工程前に、前記搬送路上の前記容器を吸引に適した姿勢にする姿勢調整工程と、をさらに含む、請求項5に記載の包装米飯製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯した後に、炊飯された米飯が収容された容器を包装する包装米飯製造システム及び包装米飯製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジで簡単に調理することができる食品として、密封された容器内に炊飯された米飯が収容された包装米飯が普及している。このような包装米飯は、例えば、下記特許文献1に開示される方法で製造される。
【0003】
包装米飯の製造方法は、容器内に炊飯される前の米が投入される工程を含んでいる。この工程では、貯留ホッパから容器内に米が供給されるため、米の供給時に米が飛び跳ねて、容器のフランジ上に米がのってしまうおそれがある。容器のフランジ上に米がのった状態において、容器のフランジと蓋材とを接合して容器に蓋をすると、フランジと蓋材との間に米が挟まれてしまう。フランジと蓋材との間に米が挟まれていると、容器を密封することができず、包装米飯の検査において不良品と判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、包装米飯の容器を確実に密封することができる包装米飯製造システム及び包装米飯製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装米飯製造システムは、フランジを有する容器内に炊飯前の米を収容する米収容工程、前記容器内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯する炊飯工程、及び前記容器内に炊飯された米飯が収容された状態で前記フランジと前記容器の開口部を密封する蓋材とを接合する密封工程を含む複数の工程を実行する包装米飯製造システムであって、前記米収容工程と前記炊飯工程との間において、前記フランジ上の米を吸引する吸引装置を備える。
【0007】
前記吸引装置は、前記フランジ上の米を吸引する吸引ノズルを有するのが好ましい。
【0008】
本発明の包装米飯製造システムは、前記容器を搬送路上で搬送しつつ、前記吸引装置によって前記フランジ上の米を吸引可能であって、前記吸引ノズルには、前記容器の搬送方向の下流側に、前記フランジ上の米を掻き取るスクレーパが設けられるのが好ましい。
【0009】
本発明の包装米飯製造システムは、前記容器を搬送路上で搬送しつつ、前記吸引装置によって前記フランジ上の米を吸引可能であって、前記フランジが接触する接触部を有し、前記搬送路上の前記容器を吸引に適した姿勢にする姿勢調整装置をさらに備えるのが好ましい。前記姿勢調整装置は、前記搬送路上の前記容器が吸引に適した姿勢からずれた姿勢となって前記フランジが浮き上っている場合に、前記フランジが前記接触部に接触して、前記容器の姿勢を吸引に適した姿勢にする。
【0010】
本発明の包装米飯製造方法は、フランジを有する容器内に炊飯前の米を収容する米収容工程と、前記フランジ上の米を吸引する吸引工程と、前記容器内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯する炊飯工程と、前記容器内に炊飯された米飯が収容された状態で、前記フランジと前記容器の開口部を密封する蓋材とを接合して、前記容器を密封する密封工程と、を順次に含む。
【0011】
本発明の包装米飯製造方法は、前記吸引工程が前記容器を搬送路上で搬送しつつ実行され、前記米収容工程前に、前記搬送路に前記容器を供給する容器供給工程と、前記容器供給工程後、前記米収容工程前に、前記搬送路上の前記容器を吸引に適した姿勢にする姿勢調整工程と、をさらに含むのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、包装米飯の容器を確実に密封することができる包装米飯製造システム及び包装米飯製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムを示す概略図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置を示す概略正面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置を示す左側面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の吸引ノズルの一例を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の吸引ノズルの一例を示す正面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の吸引ノズルの一例を示す右側面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の吸引ノズルの他の例を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の吸引ノズルの他の例を示す正面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の吸引ノズルの他の例を示す右側面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の缶体を示す概略正面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる吸引装置の缶体を示す概略平面図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる姿勢調整装置を示す概略正面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る包装米飯製造システムに用いられる姿勢調整装置を示す概略右側面図である。
【
図14】本発明の包装米飯製造方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
第1実施形態の包装米飯製造システム1は、電子レンジで調理することができる食品として、スーパーなどで販売される米飯を製造するものである。
図1に示すように、包装米飯製造システム1は、容器供給装置2、姿勢調整装置3、米収容装置4、米ならし装置5、吸引装置6、加圧加熱装置7、給水装置8、炊飯装置9、シール装置10、蒸気発生装置11、冷却装置12、及び乾燥装置13を備える。また、包装米飯製造システム1は、前述した各装置に沿うように設けられた搬送路14,15を有するコンベア16,17を備える。図示例では、コンベア16の搬送路14は、コンベア16の幅方向を長手方向とする略長方形の板状のリテーナー18が複数連続して流される構成である。リテーナー18は、複数の貫通孔を有する。複数の貫通孔は、コンベア16の幅方向に沿って配置されている。図示例では、リテーナー18は、7つの貫通孔を有する。コンベア17は、例えばベルトコンベアである。従って、コンベア17の搬送路15は、稼働するコンベアベルトで構成される。
【0016】
このような構成の包装米飯製造システム1では、容器供給装置2によってフランジ19を有する容器20が搬送路14上に供給される。図示例では、複数の容器20がそれぞれ、リテーナー18の貫通孔に差し込まれる。このようにして容器20が搬送路14上に供給された後、姿勢調整装置3によって搬送路14上の容器20の姿勢が調整される。そして、姿勢が調整された容器20内に、炊飯される前の米が収容される。炊飯前の米は、米収容装置4によって搬送路14上の容器20内に供給される。炊飯前の米が収容された容器20は、搬送路14によって米ならし装置5に運ばれる。容器20内の米は、米ならし装置5によって均される。そして、炊飯前の米が収容された容器20は、搬送路14によって吸引装置6に運ばれる。フランジ19の上に炊飯前の米がのっている場合、そのフランジ19上の米は、吸引装置6によって吸引される。吸引装置6による吸引は、容器20を搬送路14上で搬送しつつ行われる。吸引装置6による吸引がなされた後、炊飯前の米が収容された容器20は、搬送路14によって加圧加熱装置7に運ばれる。炊飯前の米には、加圧加熱装置7によって加圧滅菌処理が行われる。
【0017】
加圧滅菌処理後、炊飯前の米が収容された容器20は、搬送路14によって給水装置8に運ばれる。炊飯前の米が収容された容器20内には、給水装置8によって炊き水が供給される。炊き水が供給された容器20は、リテーナー18から取り外されて搬送路15に載せ置かれる。炊き水が供給された容器20は、搬送路15によって炊飯装置9に運ばれる。炊飯装置9による炊飯は、容器20内に炊飯前の米が収容された状態で行われる。炊飯された米飯が収容された容器20は、搬送路15によってシール装置10に運ばれる。容器20のフランジ19と容器20の開口部を密封する図示しない蓋材とは、シール装置10によって接合される。このようにして密封された容器20は、搬送路15によって蒸気発生装置11に運ばれる。密封された容器20内の炊飯された米飯は、蒸気発生装置11によって蒸らされる。炊飯された米飯の蒸らしが行われた後、容器20は、搬送路15によって冷却装置12に運ばれる。密封された容器20内の米飯は、冷却装置12によって冷却される。冷却装置12による冷却は、容器20の表面に冷水を接触させることでなされる。炊飯された米飯の冷却後、容器20は、乾燥装置13に運ばれる。表面に水が付着した容器20は、乾燥装置13によって乾燥される。その後、容器20の外観検査などが行われる。このようにして、密封された容器20内に炊飯された米飯が収容された包装米飯が製造される。
【0018】
前述したように、吸引装置6は、容器20のフランジ19上の米を吸引する装置である。吸引装置6による吸引は、容器20内に炊飯前の米が収容された後で、炊飯前に実行される。
図2から
図11に示すように、吸引装置6は、吸引ノズル21,22、缶体23、及び図示しない吸引源を有する。第1実施形態では、4つの吸引装置6が用いられる。
【0019】
吸引ノズル21,22は、フランジ19上の米を吸引するノズルである。図示例では、4つの吸引装置6のうち、1つの吸引装置6には、
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21が用いられ、残りの3つの吸引装置6には、
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22が用いられる。
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21は、本体部24及び接続部25を有する。本体部24は、中空状で、フランジ19上の米を吸引する吸引口26を有する。
図4から
図6に示すように、吸引口26は、略長方形状である。吸引口26の長手方向の長さは、1つの容器20のフランジ19上の米を吸引することができる長さを有する。吸引口26の短手方向の長さは、例えば約5mmである。
図6に示すように、吸引ノズル21の本体部24は、吸引口26から吸引方向の下流側に行くに従って徐々に膨らんだ形状である。
図4に示すように、吸引ノズル21の接続部25は、略円筒状で、軸方向一端部に円板状のフランジ27を有する。接続部25と本体部24とは、接続部25の軸方向他端部と本体部24の吸引口26とは逆側の端部とが固定されることで、一体化される。なお、接続部25と本体部24とは、一体形成してもよい。この際、本体部24の内部と接続部25の内部とは、互いに連通されている。
【0020】
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22は、本体部28及び接続部29を有する。本体部28は、中空状で、フランジ19上の米を吸引する吸引口30を有する。
図7から
図9に示すように、吸引口30は、略長方形状である。吸引口30の長手方向の長さは、2つの容器20,20のフランジ19上の米を吸引することができる長さを有する。すなわち、
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22の吸引口30の長手方向の長さは、
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21の吸引口26の長手方向の長さよりも長い。吸引口30の短手方向の長さは、例えば約5mmである。
図8に示すように、吸引ノズル22の本体部28は、吸引口30から吸引方向の下流側に行くに従って徐々に膨らんだ形状である。
図7に示すように、吸引ノズル22の接続部29は、略円筒状で、軸方向一端部に円板状のフランジ31を有する。接続部29と本体部28とは、接続部29の軸方向他端部と本体部28の吸引口30とは逆側の端部とが固定されることで、一体化される。なお、接続部29と本体部28とは、一体形成してもよい。この際、本体部28の内部と接続部29の内部とは、互いに連通されている。
【0021】
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21、及び
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22には、フランジ19上の米を掻き取るスクレーパ32,33が設けられる。
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21の場合、スクレーパ32は、略長方形の板状である。スクレーパ32の長手方向両端部には、スクレーパ32の厚み方向に沿うように、ビス34が設けられる。スクレーパ32にビス34が設けられた状態において、ビス34の頭部は、スクレーパ32に形成された貫通孔に収容されており、ビス34のねじ部は、スクレーパ32から突出している。また、スクレーパ32の長手方向両端部には、スクレーパ32の厚み方向に沿うように、ピン36が設けられる。スクレーパ32にピン36が設けられた状態において、ピン36の頭部は、スクレーパ32に形成された貫通孔に収容されており、ピン36の頭部から突出したピン部は、スクレーパ32から突出している。
【0022】
略長方形の板状のスクレーパ32は、吸引ノズル21の吸引口26の短手方向の一方側において、吸引ノズル21に設けられる。板状のスクレーパ32は、吸引ノズル21の吸引口26の長手方向に沿うようにして、吸引ノズル21に固定される。板状のスクレーパ32は、スクレーパ32の一方の板面と吸引ノズル21の本体部24の外面とが当接した状態で、吸引ノズル21の本体部24に固定される。板状のスクレーパ32は、略長方形の板状の押さえ板38によって、吸引ノズル21に押さえられる。押さえ板38は、スクレーパ32の長手方向に沿うようにして、スクレーパ32に重ね合わされる。具体的には、スクレーパ32の他方の板面に押さえ板38が重ね合わされた状態で、押さえ板38を貫通したビス34のねじ部にナット39がねじ込まれるとともに、ピン36が押さえ板38に差し込まれる。スクレーパ32が吸引ノズル21に設けられた状態において、スクレーパ32は、吸引口26よりも吸引方向上流側に突出している。なお、吸引ノズル21に設けられるスクレーパ32は、例えばシリコンゴムからなる。
【0023】
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22の場合、スクレーパ33は、略長方形の板状で、長手方向略中央部に、切欠き部40を有する。スクレーパ33の長手方向の一方側には、一対のビス41,41が設けられる。一対のビス41,41は、スクレーパ33の長手方向に離隔して配置される。スクレーパ33の長手方向の他方側には、一対のビス42,42が設けられる。一対のビス42,42は、スクレーパ33の長手方向に離隔して配置される。これらの4つのビス41,42は、
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21に設けられるスクレーパ32の場合と同様に、スクレーパ33に設けられる。スクレーパ33の長手方向の一方側には、一対のピン43,43が設けられる。一対のピン43,43は、スクレーパ33の長手方向に離隔して配置される。スクレーパ33の長手方向の他方側には、一対のピン44,44が設けられる。一対のピン44,44は、スクレーパ33の長手方向に離隔して配置される。これらの4つのピン43,44は、
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21に設けられるスクレーパ32の場合と同様に、スクレーパ33に設けられる。
【0024】
略長方形の板状のスクレーパ33は、吸引ノズル22の吸引口30の短手方向の一方側において、吸引ノズル22に設けられる。板状のスクレーパ33は、吸引ノズル22の吸引口30の長手方向に沿うようにして、吸引ノズル22に固定される。板状のスクレーパ33は、スクレーパ33の一方の板面と吸引ノズル22の本体部28の外面とが当接した状態で、吸引ノズル22の本体部28に固定される。板状のスクレーパ33は、2つの押さえ板79,79によって、吸引ノズル22に押さえられる。押さえ板79は、略長方形の板状である。2つの押さえ板79,79のうち、一方の押さえ板79は、スクレーパ33の長手方向に沿うようにして、スクレーパ33の長手方向の一方側に重ね合わされる。具体的には、スクレーパ33の他方の板面に一方の押さえ板79が重ね合わされた状態で、押さえ板79を貫通した一対のビス41,41にナット45,45がねじ込まれるとともに、一対のピン43,43が押さえ板79に差し込まれる。2つの押さえ板79,79のうち、他方の押さえ板79は、スクレーパ33の長手方向に沿うようにして、スクレーパ33の長手方向の他方側に重ね合わされる。具体的には、スクレーパ33の他方の板面に他方の押さえ板79が重ね合わされた状態で、押さえ板79を貫通した一対のビス42,42にナット46,46がねじ込まれるとともに、一対のピン44,44が押さえ板79に差し込まれる。スクレーパ33が吸引ノズル22に設けられた状態において、スクレーパ33は、吸引口30よりも吸引方向上流側に突出している。
図8に示すように、スクレーパ33が吸引ノズル22に取り付けられた状態において、スクレーパ33の切欠き部40は、吸引方向上流側に開口している。なお、
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22に設けられるスクレーパ33は、例えばシリコンゴムからなる。
【0025】
前述したように、第1実施形態では、4つの吸引装置6が用いられる。そのため、
図10及び
図11に示すように、第1実施形態では、各吸引ノズル21,22が接続される4つの缶体23が用いられる。4つの缶体23は、ワゴン47に載せ置かれる。缶体23は、中空状で、缶体本体部48と蓋部49とを有する。缶体本体部48は、上方に開口した有底の略円筒状である。缶体本体部48の開口部は、蓋部49によって密封される。蓋部49は、缶体本体部48に対して着脱可能である。蓋部49は、吸引ノズル21,22で吸引した米を缶体23内に収容する収容口50と、缶体23内に圧縮空気を供給する供給口51と、缶体23内の空気を外部に排出する排出口52とを有する。収容口50は、蓋部49の後部に位置している。収容口50には、後述する吸引路53が接続される。供給口51は、蓋部49の前側上部に位置している。供給口51には、図示しない圧縮空気路が接続される。排出口52は、蓋部49の前側側部に位置している。排出口52には、エジェクタ54が設けられる。
【0026】
缶体23と吸引ノズル21,22とは、吸引ノズル21,22で吸引した米を缶体23に運ぶ吸引路53で接続される。具体的には、吸引路53の一端部が吸引ノズル21,22の接続部25,29に接続されるとともに、吸引路53の他端部が缶体23の収容口50に接続される。
図2に示すように、吸引路53と吸引ノズル21,22とは、クランプ55によって接続される。この場合、吸引路53は、上流側端部にパイプ56を有する。このパイプ56と接続部25,29とが接続されることで、吸引ノズル21,22は、吸引路53に接続される。具体的には、パイプ56のフランジと接続部25,29のフランジ27,31とが重ね合わされた状態で、パイプ56と接続部25,29とが互いに接近する方向にクランプ55で締め付けられる。
【0027】
吸引路53のパイプ56は、コンベア16に設けられる支持体57に支持される。図示例では、支持体57は、コンベア16に設けられる一対の縦柱58,58と、一対の縦柱58,58間に設けられる横柱59とを有する。一対の縦柱58,58は、コンベア16上に、コンベア16の幅方向に離隔して固定される。横柱59は、一対の縦柱58,58間を架け渡すように設けられる。吸引路53のパイプ56は、支持体57の横柱59に、ブラケット60を介して取り付けられる。これにより、吸引ノズル21,22は、支持体57を介してコンベア16に支持される。吸引ノズル21,22がコンベア16に設けられた状態において、吸引ノズル21,22は、搬送路14の上方に配置される。吸引ノズル21,22の吸引口26,30は、搬送路14に向かって開口している。吸引ノズル21,22に設けられたスクレーパ32,33は、吸引ノズル21,22の吸引口26,30よりも下方に突出している。吸引ノズル21,22に設けられたスクレーパ32,33は、吸引口26,30よりも搬送路14の下流側に位置している。このように、吸引ノズル21,22には、容器20の搬送方向の下流側に、フランジ19上の米を掻き取るスクレーパ32,33が設けられる。
【0028】
前述したように、リテーナー18には、7つの容器20が支持される。そのため、
図2に示すように、第1実施形態では、
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21を備える吸引装置6と、
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22を備える3つの吸引装置6とが用いられる。各吸引ノズル21,22が搬送路14の上方に配置された状態において、4つの吸引ノズル21,22は、コンベア16の幅方向に並んで配置される。この際、各吸引ノズル21,22の吸引口26,30の長手方向は、コンベア16の幅方向に沿っている。このような構成であるので、
図4から
図6に示す構成の吸引ノズル21は、1つの容器20のフランジ19上の米を吸引することができ、
図7から
図9に示す構成の吸引ノズル22は、2つの容器20,20のフランジ19上の米を吸引することができる。ここで、コンベア16の幅方向とは、水平方向において容器20の搬送方向と直交する方向である。
【0029】
なお、
図2に示すように、吸引路53のパイプ56は、パイプ56を支持体57に取り付けるブラケット60よりも下流側において分割可能であってもよい。この場合、上流側のパイプ61と下流側のパイプ62とがクランプ63によって接続される。具体的には、上流側のパイプ61のフランジと下流側のパイプ62のフランジとが重ね合わされた状態で、上流側のパイプ61と下流側のパイプ62とが互いに接近する方向にクランプ63で締め付けられる。
【0030】
図10に示すように、吸引路53は、中途で分割可能であってもよい。この場合、上流側のパイプ64と下流側のパイプ65とがクランプ66によって接続される。具体的には、上流側のパイプ64のフランジと下流側のパイプ65のフランジとが重ね合わされた状態で、上流側のパイプ64と下流側のパイプ65とが互いに接近する方向にクランプ66で締め付けられる。吸引路53は、中途において、缶体23が載せ置かれるワゴン47に支持される。
【0031】
吸引源は、缶体23内に圧縮空気を供給する装置である。典型的には、吸引源は、エアコンプレッサである。なお、吸引源は、エアコンプレッサに限定されるものではなく、缶体23内に圧縮空気を供給できる装置であればよい。吸引源は、圧縮空気路を介して、缶体23に接続される。
【0032】
吸引装置6は、吸引源を駆動することで、容器20のフランジ19上の米を吸引することができる。吸引源を駆動すると、圧縮空気路を介して、缶体23内に圧縮空気が供給される。圧縮空気は、缶体本体部48に入らずに、エジェクタ54を介して缶体23外部に排出される。圧縮空気が外部に排出されることで、エジェクタ54部分に負圧が生じるので、缶体本体部48内の空気は、エジェクタ54を介して缶体23外部に排出される。これにより、缶体本体部48内が負圧になって、吸引ノズル21,22から空気を吸引することができる。従って、吸引装置6は、フランジ19上の米を吸引することができる。吸引装置6は、前述した構成に限定されるものではなく、種々の装置を用いることができる。
【0033】
前述したように、姿勢調整装置3は、搬送路14の搬送方向において、容器供給装置2よりも下流側で吸引装置6よりも上流側に設けられる。姿勢調整装置3は、搬送路14上の容器20を吸引に適した姿勢に調整する装置である。
図12及び
図13に示すように、姿勢調整装置3は、コンベア16に設けられる支持体67と、容器20のフランジ19が接触する接触部68とを有する。支持体67は、搬送路14側に開口する略矩形の箱状である。支持体67は、複数の支持脚69を介して、コンベア16上に設けられる。接触部68は、搬送路14の搬送方向の下流側において、支持体67に設けられる。第1実施形態では、接触部68は、支持体67に回転可能に設けられるローラである。接触部68は、搬送路14の幅方向に離隔して支持体67に設けられる一対の取付部材70を介して、支持体67に取り付けられる。
【0034】
取付部材70は、取付片71、全ねじ72、及び複数のナット73を有する。取付片71は、全ねじ72及び複数のナット73によって、支持体67に固定された支持片74に設けられる。具体的には、全ねじ72の下端部が取付片71を貫通した状態で、ナット73は、取付片71を上下から挟み込むように、全ねじ72にねじ込まれる。また、全ねじ72の上端部が支持片74を貫通した状態で、ナット73は、支持片74を上下から挟み込むように、全ねじ72にねじ込まれる。このようにして、一対の取付片71,71は、搬送路14の幅方向に離隔して、支持体67に設けられる。ローラである接触部68は、一対の取付片71,71間を架け渡すように設けられる。接触部68の軸方向は、搬送路14の幅方向に沿っている。接触部68は、自身の軸線まわりに回転可能である。接触部68が支持体67に設けられた状態において、接触部68は、搬送路14の上方に配置される。第1実施形態では、接触部68が取付部材70を介して支持体67に設けられるので、接触部68は、支持体67に対して高さ調整可能である。
【0035】
次に、
図1及び
図14を用いて、第1実施形態の包装米飯製造システム1を用いた包装米飯製造方法について説明する。包装米飯製造方法では、典型的には、容器供給工程S1、姿勢調整工程S2、米収容工程S3、米ならし工程S4、吸引工程S5、加圧加熱処理工程S6、炊き水供給工程S7、炊飯工程S8、密封工程S9、蒸らし工程S10、冷却工程S11、及び乾燥工程S12が順次に実行される。包装米飯製造方法は、例えば、容器供給工程S1から炊き水供給工程S7の間において、容器20を搬送路14上で搬送しつつ実行される。包装米飯製造方法に用いられる容器20は、上方に開口した略矩形の箱状で、上端部にフランジ19を有している。なお、容器20は、略矩形状に限定されるものではない。
【0036】
容器供給工程S1は、搬送路14に容器20を供給する工程である。容器20は、上下に積み重ねられた状態で、容器供給装置2に保持される。容器供給装置2は、リテーナー18の複数の貫通孔に、容器20を1つずつ自動で差し込む。これにより、容器20は、搬送路14に供給される。
図1に示すように、搬送路14に容器20が供給された状態において、容器20のフランジ19は、上方に位置している。
【0037】
姿勢調整工程S2は、容器供給工程S1後に、搬送路14上の容器20を吸引に適した姿勢にする工程である。姿勢調整工程S2では、姿勢調整装置3によって、容器供給装置2を用いて搬送路14に供給された容器20が吸引に適した姿勢にされる。容器供給装置2によって搬送路14に容器20が供給されると、搬送路14上の容器20は、吸引に適した姿勢からずれた姿勢となって、フランジ19が浮き上った状態となる場合がある。すなわち、リテーナー18の貫通孔に容器20が傾斜した状態で差し込まれる場合がある。フランジ19が浮き上っている場合、搬送路14を流れる容器20が姿勢調整装置3に到達すると、容器20のフランジ19は、姿勢調整装置3の接触部68に接触する。これにより、容器20のフランジ19の浮き上がりが解消されて、搬送路14上の容器20は、リテーナー18の貫通孔に正しい姿勢ではめ込まれた状態となる。
【0038】
姿勢調整工程S2において、姿勢調整装置3は、搬送路14を流れる容器20のフランジ19が接触部68に接触することで、容器20を押えることができる。これにより、姿勢調整装置3は、容器20の姿勢を吸引に適した姿勢にすることができる。前述したように、姿勢調整装置3の接触部68は、回転可能なローラである。従って、容器20のフランジ19が接触部68に接触した際に、搬送路14上の容器20の流れを阻害するのを抑制できる。
【0039】
米収容工程S3は、フランジ19を有する容器20内に炊飯前の米を収容する工程である。前述したように、米収容工程S3前には、容器供給工程S1が実行されている。米収容工程S3では、容器供給装置2で搬送路14に供給された容器20内に、米収容装置4によって炊飯前の米が供給される。米収容装置4には、炊飯前の米が収容される。炊飯前の米は、浸漬米である。浸漬米とは、洗米後に、所定時間水に浸し、水分を吸収させた米をいう。炊飯前の米は、水切りされた後、米収容装置4の貯留ホッパ75から容器20の開口部を介して容器20内に供給される。米収容装置4は、所定量の炊飯前の米を自動で容器20内に供給する。なお、図示例では、米収容工程S3前に、姿勢調整工程S2によって、容器20の姿勢が調整される。
【0040】
米ならし工程S4は、容器20内に収容された米を均す工程である。容器20内に収容された米は、米ならし装置5によって均される。米ならし装置5は、例えば櫛状部材76を備える。容器20内に収容された米は、櫛状部材76によって平になるように均される。なお、米ならし装置5は、前述した構成に限定されるものではなく、例えば、米が収容された容器20を振動させる構成であってもよい。
【0041】
米収容工程S3において容器20内に米を供給する際、飛び跳ねた米は、容器20のフランジ19上にのることがある。米ならし工程S4において容器20内の米を均す際、米ならし装置5によって飛ばされた米は、容器20のフランジ19上にのることがある。吸引工程S5は、容器20のフランジ19上の米を吸引する工程である。吸引工程S5では、容器20を搬送路14上で搬送しつつ、吸引装置6によってフランジ19上の米を吸引可能である。具体的には、容器20が吸引ノズル21,22の下方を通過する際に、駆動した吸引装置6の吸引ノズル21,22によって、フランジ19上の米が吸引される。吸引ノズル21,22によって吸引された米は、吸引路53を介して、缶体23に収容される。図示例では、吸引ノズル21,22にスクレーパ32,33が設けられているので、スクレーパ32,33でフランジ19上の米を掻き取った後、スクレーパ32,33で掻き取られた米を吸引ノズル21,22によって吸引することができる。なお、図示例では、吸引工程S5前に姿勢調整工程S2が実行されるので、容器20のフランジ19は、吸引ノズル21,22よりも下方に位置した状態とされる。従って、搬送路14上の容器20は、吸引時において、吸引に適した姿勢となっている。
【0042】
加圧加熱処理工程S6は、容器20内の米を加熱殺菌する工程である。加圧加熱処理工程S6では、加圧加熱装置7によって、容器20内の米が加熱殺菌される。加圧加熱装置7内には、リテーナー18ごと容器20が搬入される。加圧加熱装置7は、内部に搬入された容器20内の米に対して、加熱殺菌処理を行う。加熱殺菌処理として、加圧加熱装置7は、例えば、内部に搬入された容器20内の米に対して、130℃~145℃の飽和蒸気を加圧状態で5秒~20秒間供給する。
【0043】
炊き水供給工程S7は、米が収容された容器20内に炊き水を供給する給水工程である。炊き水供給工程S7では、給水装置8によって、容器20内に所定量の水が供給される。容器20内に供給される水は、給水装置8の給水ノズル77から容器20の開口部を介して容器20内に供給される。炊き水の温度は、常温でもよいが、60℃~90℃としてもよい。炊き水の温度を60℃~90℃とすると、炊飯前に米のアルファ化が促進される。図示例では、給水装置8は、加圧加熱装置7の搬出側の近傍に設置される。給水装置8は、滅菌状態を保つのに寄与する。
【0044】
炊き水供給工程S7後、容器20は、リテーナー18から取り出されて、搬送路15であるコンベアベルトに載せ置かれる。炊き水供給工程S7後において、搬送路15は、各工程で用いられる装置間の容器20の受け渡しに用いられる。
【0045】
炊飯工程S8は、容器20内に炊飯前の米が収容された状態で炊飯する工程である。炊飯工程S8では、炊飯装置9によって炊飯される。炊飯装置9は、炊飯前の米が収容された容器20が収容される蒸気槽78を有する。炊飯装置9は、蒸気槽78内に容器20が収容された状態において、容器20に100℃前後の加熱蒸気を20分間~30分間供給することで、容器20内の米を炊飯する。炊飯工程S8では、蒸気槽78内に加熱蒸気が供給されるので、炊飯と同時に容器20内の米を二次殺菌できる。
【0046】
密封工程S9は、容器20内に炊飯された米飯が収容された状態で、フランジ19と容器20の開口部を密封する蓋材とを接合して容器20を密封する工程である。密封工程S9では、シール装置10によって、容器20が密封される。シール装置10は、容器20の開口部を閉塞するように容器20のフランジ19に蓋材が重ね合わされた状態において、蓋材とフランジ19とを熱溶着することで、容器20を密封する。なお、密封工程S9は、クリーンな環境下で行われるのが好ましい。密封工程S9は、例えばクリーンルーム内で実行される。
【0047】
蒸らし工程S10は、炊飯された米飯を蒸らす工程である。蒸らし工程S10では、蒸気発生装置11によって、炊飯された米飯が蒸らされる。蒸気発生装置11内には、シール装置10によって密封された容器20が搬入される。蒸気発生装置11は、内部に搬入された容器20内の炊飯された米飯に対して、蒸らし処理を行う。蒸らし処理として、蒸気発生装置11は、例えば、装置内に80℃~90℃の蒸気を10分間~20分間供給する。蒸らし工程S10では、蒸気発生装置11内に加熱蒸気が供給されるので、蒸らしを行うと同時に容器20の表面を殺菌できる。
【0048】
蒸らし工程S10では、炊飯工程S8で用いられた炊飯装置9を用いて、炊飯された米飯の蒸らしを行ってもよい。炊飯装置9を用いて蒸らしを行う場合、密封工程S9で密封された容器20が炊飯装置9の蒸気槽78に戻された後、炊飯装置9は、蒸気発生装置11によって行われた蒸らし処理と同様の蒸らし処理を行う。
【0049】
冷却工程S11は、炊飯された米飯を冷却する工程である。冷却工程S11では、冷却装置12によって、容器20内の米飯が冷却される。冷却装置12内には、密封された容器20が搬入される。冷却装置12は、内部に搬入された容器20内の炊飯された米飯に対して、冷却処理を行う。冷却処理として、冷却装置12は、例えば、密封された容器20の表面に、冷水又は冷水シャワーを10分間~30分間浴びせる。これにより、容器20及び容器20内の米飯が冷却される。
【0050】
乾燥工程S12は、炊飯された米飯が収容された容器20を乾燥させる工程である。乾燥工程S12では、乾燥装置13によって、容器20の表面が乾燥される。乾燥装置13は、例えば、温度及び湿度を制御した環境下で容器20を乾燥させる。乾燥工程後の容器20の外観検査を経て、容器20は、箱詰めされる。
【0051】
上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法の場合、米収容工程S3と炊飯工程S8との間において、フランジ19上の米が吸引装置6によって吸引される。従って、上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法によれば、容器20を密封する際にフランジ19と蓋材との間に米が残っていないので、包装米飯の容器20を確実に密封することができる。
【0052】
上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法の場合、吸引装置6は、吸引ノズル21,22を有している。従って、上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法によれば、簡易な構成で、フランジ19上の米を容易に吸引することができる。
【0053】
上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法の場合、吸引ノズル21,22には、フランジ19上の米を掻き取るスクレーパ32,33が設けられる。従って、上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法によれば、フランジ19上の米を確実に吸引することができる。
【0054】
上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法の場合、搬送路14上の容器20は、姿勢調整装置3によって、吸引に適した姿勢に正される。従って、上述した包装米飯製造システム1及び包装米飯製造方法によれば、搬送路14上を流れる容器20のフランジ19が吸引ノズル21,22に引っ掛かるのを防止できる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
【0056】
例えば、包装米飯製造方法は、上述した包装米飯製造システム1を用いる場合に限らない。吸引装置6は、上述した構成に限定されない。
【符号の説明】
【0057】
1 包装米飯製造システム
3 姿勢調整装置
6 吸引装置
14 搬送路
19 フランジ
20 容器
21 吸引ノズル
22 吸引ノズル
32 スクレーパ
33 スクレーパ
68 接触部
S1 容器供給工程
S2 姿勢調整工程
S3 米収容工程
S5 吸引工程
S8 炊飯工程
S9 密封工程