(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164751
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】ステー
(51)【国際特許分類】
B60N 3/02 20060101AFI20241120BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20241120BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B60N3/02 A
B60P3/00 Q
B62D25/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080456
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 啓一
【テーマコード(参考)】
3B088
3D203
【Fターム(参考)】
3B088DA06
3B088DB01
3D203AA13
3D203BB54
3D203DA39
(57)【要約】
【課題】運転席の前方に配置される支持物をAピラーより支持するステーであって、車両を運転する際における作業者の前方の視界を、より広く確保することができるステーを提供する。
【解決手段】運転席102の前方に配置される支持物103をAピラー104より支持するステー1であって、Aピラー104に取り付けられる第1本体部(取付け部)2と、支持物103がAピラー104の延出方向に沿った状態となり、且つ運転席102からの視点で支持物103の少なくとも一部がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて、当該支持物103を保持可能な第2本体部(保持部)3とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の前方に配置される支持物をAピラーより支持するステーであって、
前記Aピラーに取り付けられる取付け部と、
前記支持物が前記Aピラーの延出方向に沿った状態となり、且つ前記運転席からの視点で前記支持物の少なくとも一部が前記Aピラーと重なる状態となる支持位置にて、前記支持物を保持可能な保持部とを備える、
ことを特徴とするステー。
【請求項2】
前記ステーは、
前記取付け部と前記保持部とを一体的に連結する連結部をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のステー。
【請求項3】
前記ステーは、
前記取付け部と前記保持部とを連結し、且つ、
前記支持位置と、前記支持物が車内中央側に向かって水平方向に延出した状態となる第1変位位置との間で、前記支持物を変位可能な第1可動部をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のステー。
【請求項4】
前記第1可動部は、
前記支持位置と前記第1変位位置との間で、
前記取付け部に対して前記保持部を回動可能な回動手段を有する、
ことを特徴とする、請求項3に記載のステー。
【請求項5】
前記ステーは、
前記取付け部と前記保持部とを連結し、且つ、
前記Aピラーに近接する前記支持位置と、当該支持位置に比べて前記Aピラーから車内中央側に離間した状態となる第2変位位置との間で、前記支持物を変位可能な第2可動部をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のステー。
【請求項6】
前記第2可動部は、
前記支持位置と前記第2変位位置との間で、
前記取付け部に対して前記保持部をスライド移動可能な移動手段を有する、
ことを特徴とする、請求項5に記載のステー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば架装車両の運転室内に設けられるステーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の運転室内に設けられ、Aピラーより支持物を支持するためのステーが知られている。
例えばその一例として、特許文献1においては、Aピラーに取付けられるアシストグリップと一体的に設けられ、当該アシストグリップの下端部より下方に延出して、支持物であるモニタを支持する第2固定部(ステーに相当)が開示されている。
【0003】
一方、特定の用途や目的に応じた装置が架装された架装車両においては、運転室内にて当該装置を操作可能とする操作ボックスが、運転席の前方に配置されている場合がある。
このような操作ボックスを支持物としてAピラーより支持する場合、作業者の操作によって支持物に加えられる外力も大きく、上記のような、アシストグリップの下端部のみに固定された第2固定部からなるステーでは、十分な剛性を確保できない虞がある。
【0004】
そこで、このような比較的大きな外力が加えられる支持物であっても、十分な剛性を確保しつつAピラーより支持することを目的として、例えば、アシストグリップとともにAピラーに取付けられるステーが、従来から知られている。
具体的には、上記ステーは、Aピラーの車内側の側面に沿って一方に延出する取付け部と、当該取付け部から延出し、支持物を保持する保持部とを備えており、当該取付け部がアシストグリップとAピラーとの間に挟み込まれた状態で、ボルト等の締結部材を用いて、当該アシストグリップとともにAピラーに固定される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述した従来のステーを用いて、支持物をAピラーより支持した場合、当該支持物は、運転席に座った作業者から見て、フロントガラスの下方の隅部に配置されることから、車両を運転する際における作業者の前方の視界は、当該支持物によって僅かに妨げられることとなる。
一方、近年においては、道路運送車両法の保安基準の改正等に伴い、車両を運転する作業者にとって、より広い前方の視野を確保する必要性が増々高くなっている。
【0007】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、運転席の前方に配置される支持物をAピラーより支持するステーであって、車両を運転する際における作業者の前方の視界を、より広く確保することができるステーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、本発明の態様1に係るステーは、運転席の前方に配置される支持物をAピラーより支持するステーであって、前記Aピラーに取り付けられる取付け部と、前記支持物が前記Aピラーの延出方向に沿った状態となり、且つ前記運転席からの視点で前記支持物の少なくとも一部が前記Aピラーと重なる状態となる支持位置にて、前記支持物を保持可能な保持部とを備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、運転席に座った作業者から見ると、支持物は、Aピラーに対して略重なる位置に配置されているように見えることから、作業者が車両を運転する際において、当該支持物によって前方の視界が妨げられるのを防止することができる。
従って、本発明に係るステーよれば、車両を運転する際における作業者の前方の視界を、より広く確保することができる。
【0010】
また、本発明の態様2に係るステーは、上記態様1において、前記ステーが、前記取付け部と前記保持部とを一体的に連結する連結部をさらに備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、ステーを構成する部材の部品点数を減らすことができ、より安価にステーを構築することができる。
【0011】
また、本発明の態様3に係るステーは、上記態様1において、前記ステーが、前記取付け部と前記保持部とを連結し、且つ、前記支持位置と、前記支持物が車内中央側に向かって水平方向に延出した状態となる第1変位位置との間で、前記支持物を変位可能な第1可動部をさらに備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、作業者が車両を運転する際には、支持位置にて支持物(例えば、操作ボックス等)を支持する(格納する)一方、作業者が支持物を操作する際には、当該支持物をより操作し易い第1変位位置に変位させる(展開する)ことができる。
つまり、作業者の状況等に応じて、支持物の展開・格納を行うことで、車両の運転時における前方の視界と、支持物の操作時における操作性との双方を、ともに確保することができる。
【0012】
また、本発明の態様4に係るステーは、上記態様3において、前記第1可動部が、前記支持位置と前記第1変位位置との間で、前記取付け部に対して前記保持部を回動可能な回動手段を有することを特徴とする。
このような構成を有することにより、取付け部に対して単に保持部を回動させるだけで、支持位置と第1変位位置との間で、支持物の位置を容易に変移させることができる。
【0013】
また、本発明の態様5に係るステーは、上記態様1において、前記ステーが、前記取付け部と前記保持部とを連結し、且つ、前記Aピラーに近接する前記支持位置と、当該支持位置に比べて前記Aピラーから車内中央側に離間した状態となる第2変位位置との間で、前記支持物を変位可能な第2可動部をさらに備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、作業者が車両を運転する際には、支持位置にて支持物(操作ボックス等)を支持する(格納する)一方、作業者が支持物を操作する際には、当該支持物をより操作し易い第2変位位置に変位させる(展開する)ことができる。
つまり、作業者の状況等に応じて、支持物の展開・格納を行うことで、車両の運転時における前方の視界と、支持物の操作時における操作性との双方を、ともに確保することができる。
【0014】
また、本発明の態様6に係るステーは、上記態様5において、前記第2可動部が、前記支持位置と前記第2変位位置との間で、前記取付け部に対して前記保持部をスライド移動可能な移動手段を有することを特徴とする。
このような構成を有することにより、取付け部に対して単に保持部をスライド移動させるだけで、支持位置と第2変位位置との間で、支持物の位置を容易に変移させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係るステーによれば、車両を運転する際における作業者の前方の視界を、より広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るステーの全体的な構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)はその背面図である。
【
図2】
図1におけるステーを備えた車両の運転室内を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)はその正面図である。
【
図3】運転席から見た車内の前方を示した図であって、
図1におけるステーによってAピラーより支持された支持物の近傍を示した拡大斜視図である。
【
図4】第2実施形態に係るステーの全体的な構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)はその背面図である。
【
図5】
図4におけるステーの動作手順を示した図であって、(a)は第2本体部材を反転させた直後の状態を示した側面図であり、(b)は反転させた第2本体部材をAピラー側に折り畳んだ直後の状態を示した側面図である。
【
図6】第3実施形態に係るステーの全体的な構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)はその背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の一実施形態について、
図1乃至
図6を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、車両100の前進方向を前方と規定し、
図1乃至
図6中における各々の矢印の方向によって、車両100及びステー1・201・301の前後方向、左右方向、及び上下方向を表示する。
【0018】
[ステー1(第1実施形態)の構成]
先ず、本発明の第1実施形態におけるステー1の構成について、
図1乃至
図3を用いて説明する。
第1実施形態におけるステー1は、
図2(a)(b)に示すように、車両100の運転室101内において、運転席102の前方に配置される支持物103を、Aピラー104より支持するためのものである。
【0019】
ここで、本実施形態における車両100は、例えば塵芥車等のような、特定の用途や目的に応じた装置が架装された架装車であって、支持物103の一例として、架装された装置を運転室101内にて操作可能とする、操作ボックス等が挙げられる。
また、Aピラー104は、前後方向において、フロントガラス111と運転席側ドアのサイドガラス112(
図3を参照)との間に位置し、且つ上下方向において、運転室101(キャブ)の天井部101aとダッシュボード113との間に位置している。
【0020】
なお、車両100については、塵芥車に限定されることはなく、特定の用途や目的に応じた装置が装備された架装車であれば、何れのものであってもよい。
即ち、塵芥車は、ゴミ積込作業と運搬作業とを行なう装置を架装した架装車であるが、その他の例示として、コンクリートを圧送する装置を有するコンクリートポンプ車や、危険物を貯蔵運搬する容器を架装したタンクローリ等であってもよく、また、例えば緊急自動車等のような、特殊な用途に応じた設備を備える、所謂、特種用途自動車であってもよい。
【0021】
また、車両100は、例えば用途や目的が多岐に亘るが、その用途や目的に応じた装置(荷台)が架装された、一般的に貨物積載用車両として用いられるバンや平ボデータイプのトラック、或いは、平床セミトレーラ等のような用途や目的に応じた装置(被けん引車)を有するトレーラ全般であってもよい。
【0022】
さらに、支持物103についても、上記のような操作ボックスに限定されることはなく、例えばモニタ等のように、運転席102の前方に配置されるものであれば、何れのものであってもよい。
【0023】
車両100において、Aピラー104の車内側(運転室101側)の側面には、アシストグリップ106が、運転席102側(本実施形態においては、後側)に向かって突出するように固定されている。
【0024】
そして、ステー1は、アシストグリップ106とAピラー104との間において、後述する第1本体部2(
図1を参照)が挟み込まれた状態で、ボルト等の締結部材5を用いて、当該アシストグリップ106とともにAピラー104に固定されている。
なお、Aピラー104に対するステー1の固定方法については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、アシストグリップ106における車内側(本実施形態においては、左側)の側面において、当該アシストグリップ106に固定されることにより、アシストグリップ106を介して、Aピラー104に固定されることとしてもよい。
【0025】
ステー1は、
図1(a)(b)に示すように、例えばコ字状に屈曲された矩形帯板形状の部材からなり、主に、一方に延出する第1本体部2と、一方に延出し、且つ第1本体部2と平行に設けられる第2本体部3と、第1本体部2の長手方向の一端部より直角方向に突出し、その突出端部にて第2本体部3の長手方向の一端部と一体的に連結する第3本体部4とを備える。
【0026】
第1本体部2は、Aピラー104に取り付けられる部位であって、本発明に係る取付け部の一例である。
第1本体部2において、第2本体部3側との反対側(本実施形態においては、右側)の平面には、一対のブッシング21・21が設けられる。
【0027】
各ブッシング21は、中空円筒形状の部材からなり、第1本体部2における長手方向の両端部において、軸方向を当該第1本体部2との直交方向として、上記反対側(右側)に向かって突出するように設けられている。
【0028】
そして、第1本体部2の長手方向の両端部には、これら一対のブッシング21・21と同軸上に位置する貫通孔2a・2aが各々形成される。
【0029】
第2本体部3は、支持物103を保持する部位であって、本発明に係る保持部の一例である。
第2本体部3において、第1本体部2側との反対側(本実施形態においては、左側)の平面は、支持物103を保持する保持面3aとして機能する。
なお、第2本体部3において、上記反対側(左側)から見て第1本体部2の貫通孔2aと重なる箇所には、開口孔3bが設けられており、当該開口孔3bを介して、後述するように、締結部材5を用いて、Aピラー104にステー1が取付けられる。
【0030】
第3本体部4は、上述したように、第1本体部2と第2本体部3とを一体的に連結する部位であって、本発明に係る連結部の一例である。
【0031】
このような第1本体部2、第2本体部3、及び第3本体部4によって、コ字状に形成されたステー1は、アシストグリップ106とともに、Aピラー104の車内側(本実施形態においては、左側)の側面に取り付けられる。
【0032】
具体的には、ステー1は、一対のブッシング21・21をAピラー104側(本実施形態においては、右側)に向けた状態で、当該Aピラー104の車内側の側面に沿って、第1本体部2が延出するようにして配置される。
また、Aピラー104には、アシストグリップ106を取り付けるための、一対の座繰り孔104a・104aが予め設けられており、一対のブッシング21・21は、当該一対の座繰り孔104a・104aに嵌挿される。
【0033】
一方、アシストグリップ106には、Aピラー104への取付けの際に利用される一対の座繰り孔106a・106a、及びこれら一対の座繰り孔104a・104aと同軸上に設けられる一対の貫通孔106a1・106a1が予め設けられており、アシストグリップ106は、第1本体部2と第2本体部3との間において、一対の座繰り孔106a・106a(または、貫通孔106a1)が、当該第1本体部2における一対の貫通孔2a・2a(または、ブッシング21)と、各々同軸上となる状態で配置される。
【0034】
そして、ステー1は、アシストグリップ106の座繰り孔106a及び貫通孔106a1と、第1本体部2の貫通孔2a及びブッシング21とを同時に貫通する、ボルト等の締結部材5を用いて、アシストグリップ106とAピラー104との間に第1本体部2が挟み込まれた状態で、当該アシストグリップ106とともにAピラー104に固定される。
また、第2本体部3の保持面3aには、支持物103が当該第2本体部3に沿って延出した状態で配置され、ステー1は、図示せぬ締結部材を用いて、当該保持面3aを介して支持物103を保持する。
これにより、支持物103は、ステー1によって、Aピラー104の延出方向(略上下方向)に沿った状態となり、且つ運転席102(
図2を参照)からの視点で支持物103の少なくとも一部(本実施形態においては、略全体)がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて、当該Aピラー104より支持された状態となる。
【0035】
具体的には、
図3に示すように、運転席102に座った作業者Mから見ると、支持物103は、Aピラー104に対して略全体が重なる位置に配置されているように見えることから、作業者Mが車両100を運転する際において、当該支持物103によって前方の視界が妨げられるのを防止することができる。
【0036】
なお、上記「運転席102からの視点」の位置については、例えば、運転席102に座った作業者Mの臀部あたりから、上方に630mm程度、且つ後方に100mm程度離れた位置として凡そ規定されるが、これらの数値は、車両100の車種の違いによって様々であり、これに限定されるものではない。
【0037】
また、上記「運転席102からの視点で、支持物103の少なくとも一部がAピラー104と重なる状態」については、例えば、運転席102からの視点で、支持物103の凡そ50%以上の領域が、Aピラー104と重なる状態であることが好ましい。
【0038】
さらに、支持位置P1において、「Aピラー104の延出方向に沿った状態」とは、支持物103の一側面をAピラー104の延出方向に沿わせた状態を意味する。
例えば、本実施形態においては、一方に延びる略直方体形状の操作ボックスを支持物103として想定しているが、この場合、当該支持物103は、支持位置P1において、各種スイッチが配置された一平面を運転席102側に向けた状態で、長手面側の一側面をAピラー104の延出方向に沿わせて支持される。
また、支持物103が、例えばモニタ等のような略矩形板形状の形態を有する場合、当該支持物103は、支持位置P1において、表示画面が設けられた一平面を運転席102側に向けた状態で、外周側の一側面をAピラー104の延出方向に沿わせて支持される。
【0039】
このように、第1実施形態におけるステー1は、Aピラー104に取り付けられる第1本体部(取付け部)2と、支持物103を保持可能な第2本体部(保持部)3とを備えるとともに、第1本体部2と第2本体部3とを一体的に連結する第3本体部(連結部)4をさらに備える構成となっている。
【0040】
このような一体的構成を有することにより、本実施形態におけるステー1によれば、当該ステー1を構成する部材の部品点数を減らすことができ、より安価にステー1を構築することができる。
【0041】
[ステー201(第2実施形態)の構成]
次に、本発明の第2実施形態におけるステー201の構成について、
図4及び
図5を用いて説明する。
【0042】
第2実施形態におけるステー201は、前述した第1実施形態におけるステー1と同じく、Aピラー104に固定されるとともに、当該Aピラー104の延出方向(略上下方向)に沿った状態となり、且つ運転席102(
図2を参照)からの視点で支持物103の少なくとも一部(本実施形態においては、略全体)がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて支持物103を支持する一方、当該支持物103の位置を任意に変更可能とする機構(より具体的には、後述する連結機構204)をさらに備える点について、当該ステー1と相違する。
よって、以下の説明においては、主に第1実施形態におけるステー1との相違点について記載し、当該ステー1と同等な構成についての記載は省略する。
【0043】
ステー201は、
図4(a)(b)に示すように、例えば、一方に延出する矩形帯板形状の部材からなる第1本体部材202と、同じく一方に延出する矩形帯板形状の部材からなる第2本体部材203と、これら第1本体部材202と第2本体部材203とを連結する連結機構204とを備える。
【0044】
第1本体部材202は、Aピラー104に取り付けられる部材であって、本発明に係る取付け部の一例である。
第1本体部材202における一方側(本実施形態においては、右側)の平面には、一対のブッシング221・221が設けられる。
なお、上記一対のブッシング221・221は、前述した第1実施形態における一対のブッシング21・21と同等の構成を有するため、説明の記載は省略する。
【0045】
第2本体部材203は、支持物103を保持する部材であって、本発明に係る保持部の一例である。
第2本体部材203は、第1本体部材202に対して、ブッシング221側との反対側(本実施形態においては、左側)に配置される。
また、第2本体部材203は、一方の平面203aにて保持物103を保持可能であり、長手方向の一端部203bにおいて、連結機構204を介して、第1本体部材202における長手方向の一端部(本実施形態においては、下端部)202aと連結される。
【0046】
そして、後述するように、第2本体部材203は、連結機構204によって、第1本体部材202に対して平行な姿勢となる第1格納位置S1と、第1本体部材202に対して略直角方向(本実施形態においては、左方向)に延出した姿勢となる第1展開位置S2との間で可変可能に構成される。
【0047】
なお、上記第1格納位置S1は、例えば作業者M(
図2(a)を参照)が車両100を運転する場合などに、第2本体部材203を変位させる位置であって、当該第1格納位置S1にて第2本体部材203を保持することにより、支持物103は、Aピラー104の延出方向(略上下方向)に沿った状態となり、且つ、運転席102からの視点で支持物103の略全体がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて、当該Aピラー104より支持された状態となる。
また、上記第1展開位置S2は、例えば作業者M(
図2(a)を参照)が操作ボックスである支持物103を操作する場合などに、第2本体部材203を変位させる位置であって、当該第1展開位置S2にて第2本体部材203を保持することにより、支持物103は、車内中央側(本実施形態においては、左方向)に向かって水平方向に延出した状態となる第1可動位置P2にて、当該Aピラー104より支持された状態となる。
但し、上記第1可動位置P2は、本発明に係る第1変位位置の一例である。
【0048】
なお、上記「水平方向」とは「略水平方向」を意味し、仮想水平面に対して、上方側及び下方側にそれぞれ約30°程度の範囲内にて傾斜した方向も含まれる。
【0049】
連結機構204は、上述したように、第1本体部材202と第2本体部材203とを連結する機構であって、本発明に係る第1可動部の一例である。
連結機構204は、例えば、L字状に屈曲された板状部材からなる可動部材241と、可動部材241と第1本体部材202とを連結する第1連結部材242と、可動部材241と第2本体部材203とを連結する第2連結部材243とを有する。
【0050】
可動部材241は、第1本体部材202における長手方向の一端部202aに一側面241aを沿わせた状態で、当該一端部202aよりブッシング221側との反対側(左側)に向かって突出するように配置される。
また、第1連結部材242は、例えば、可動部材241及び第1本体部材202に対して直交方向に貫設される回転軸等により構成され、当該第1連結部材242を中心にして、可動部材241は、第1本体部材202に対して回転可能に設けられる。
【0051】
さらに、第2連結部材243は、例えば、可動部材241の突出端部241bと、第2本体部材203の一端部203bとを連結する蝶番等により構成され、当該第2連結部材243を介して、第2本体部材203は、可動部材241に対して第2連結部材243側に回動可能に設けられている。つまり、第2本体部材203は、第2連結部材243によって、第1本体部材202に対して回動可能に構成されている。
なお、上記第2連結部材243は、本発明に係る回動手段の一例である。
【0052】
また、可動部材241と第2本体部材203との間には、例えばスライドラッチ等からなる図示せぬ保持手段が設けられており、当該保持手段によって、第2本体部材203は、可動部材241に対して、車内中央側(左方向)に向かって水平方向に延出した状態で保持可能に構成されている。
【0053】
そして、第1本体部材202と第2本体部材203との間には、例えば、第1本体部材202に設けられるボス部材205aと、第2本体部材203に設けられる貫通孔205bと、これらのボス部材205a及び貫通孔205bに対して抜脱可能に嵌挿されるロックピン205cとからなる第1ロック手段205が設けられており、当該第1ロック手段205によって、第2本体部材203は、第1格納位置S1にて保持可能に構成されている。
【0054】
また、第1本体部材202と可動部材241との間には、例えば、第1本体部材202に設けられる貫通孔206aと、可動部材241に設けられる貫通孔206bと、これらの貫通孔206a・206bに対して抜脱可能に嵌挿されるロックピン206cとからなる第2ロック手段206が設けられており、当該第2ロック手段206によって可動部材241の位置が保持されることにより、第2本体部材203は、第1展開位置S2にて保持可能に構成されている。
【0055】
このような構成からなるステー201は、アシストグリップ106とともに、Aピラー104の車内側(左側)の側面に取り付けられる。
【0056】
具体的には、ステー201は、連結機構204を下方に向け、且つ一対のブッシング221・221をAピラー104側(本実施形態においては、右側)に向けた状態で、当該Aピラー104の車内側の側面に沿って第1本体部材202が延出するようにして配置される。
また、ステー201は、アシストグリップ106とAピラー104との間に第1本体部材202が挟み込まれた状態で、当該アシストグリップ106とともにAピラー104に固定される。
これにより、ステー201は、上記第1格納位置S1と上記第1展開位置S2との間で第2本体部材203が可変可能に、Aピラー104に固定される。
【0057】
なお、Aピラー104に対するステー201(より具体的には、第1本体部材202)及びアシストグリップ106の固定箇所の構成については、前述した第1実施形態におけるステー1(より具体的には、第1本体部2)及びアシストグリップ106の固定箇所の構成と同等であるため、説明の記載は省略する。
【0058】
そして、第2本体部材203の一方の平面203aに、図示せぬ締結部材を用いて支持物103が保持されることにより、当該支持物103は、支持位置P1と第1可動位置P2との間で可変可能に、ステー201によって支持される。
【0059】
ここで、ステー201によって支持された支持物103の、支持位置P1と第1可動位置P2との間での変位動作については、以下の手順に従い実施される。
【0060】
即ち、第1可動位置P2から支持位置P1へと支持物103を変位させる場合、先ず始めに、第2ロック手段206によるロック状態を解除した後(即ち、ロックピン206cを抜きとった後)、
図5(a)に示すように、第1連結部材242を中心にして、可動部材241とともに、第1展開位置S2に位置した状態の第2本体部材203を下方側に反転させる。
【0061】
次に、上述した図示せぬ保持手段(スライドラッチ)を解放し、
図5(b)に示すように、第2連結部材243を介して、第2本体部材203を上方側に折り畳むようにして回動させる。
【0062】
その後、第1ロック手段205をロック状態とすることにより(即ち、ロックピン205cを差し込むことにより)、第2本体部材203は、第1格納位置S1にて保持され、支持物103は、ステー201によって、支持位置P1にて支持された状態となる。
【0063】
一方、支持位置P1から第1可動位置P2へと支持物103を変位させる場合、先ず始めに、第1ロック手段205によるロック状態を解除した後(即ち、ロックピン205cを抜きとった後)、第2連結部材243を介して、第2本体部材203を下方側に回動させる。
【0064】
次に、上述した図示せぬ保持手段(スライドラッチ)を保持状態とし、
図5(a)に示すように、第1連結部材242を中心にして、可動部材241とともに第2本体部材203を上方側に反転させる。
【0065】
その後、
図4(a)(b)に示すように、第2ロック手段206をロック状態とすることにより(即ち、ロックピン206cを差し込むことにより)、第2本体部材203は、第1展開位置S2にて保持され、支持物103は、ステー201によって、第1可動位置P2にて支持された状態となる。
【0066】
このように、第2実施形態におけるステー201は、Aピラー104に取り付けられる第1本体部材(取付け部)202と、支持物103を保持可能な第2本体部材(保持部)203とを備えるとともに、第1本体部材202と第2本体部材203とを連結し、且つ、支持位置P1と、支持物103が車内中央側(左側)に向かって水平方向に延出した状態となる第1可動位置(第1変位位置)P2との間で、当該支持物103を変位可能な連結機構(第1可動部)204をさらに備える構成となっている。
【0067】
このような構成を有することにより、本実施形態におけるステー201によれば、作業者Mが車両100を運転する際には、支持位置P1にて支持物103(例えば、操作ボックス等)を支持する(格納する)一方、作業者Mが支持物103を操作する際には、当該支持物103をより操作し易い第1可動位置(第1変位位置)P2に変位させる(展開する)ことができる。
つまり、作業者Mの状況等に応じて、支持物103の展開・格納を行うことで、車両100の運転時における前方の視界と、支持物103の操作時における操作性との双方を、ともに確保することができる。
【0068】
また、第2実施形態におけるステー201において、連結機構(第1可動部)204は、支持位置P1と第1可動位置(第1変位位置)P2との間で、第1本体部材(取付け部)202に対して第2本体部材(保持部)203を回動可能な第2連結部材(回動手段)243を有する構成となっている。
このような構成を有することにより、第1本体部材202に対して単に第2本体部材203を回動させるだけで、支持位置P1と第1可動位置P2との間で、支持物103の位置を容易に変移させることができる。
【0069】
[ステー301(第3実施形態)の構成]
次に、本発明の第3実施形態におけるステー301の構成について、
図6を用いて説明する。
【0070】
第3実施形態におけるステー301も、前述した第2実施形態における201と同じく、Aピラー104に固定されるとともに、当該Aピラー104の延出方向(略上下方向)に沿った状態となり、且つ運転席102(
図2を参照)からの視点で支持物103の少なくとも一部(本実施形態においては、略全体)がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて支持物103を支持する点においては、前述した第1実施形態におけるステー1と同等である一方、当該支持物103の位置を任意に変更可能とする機構(より具体的には、後述する連結機構304)をさらに備える点について、当該ステー1と相違する。
よって、以下の説明においては、主に第1実施形態におけるステー1との相違点について記載し、当該ステー1と同等な構成についての記載は省略する。
【0071】
ステー301は、
図6(a)(b)に示すように、例えば、略L字状に屈曲された矩形帯板形状の部材からなる第1本体部材302と、同じく略L字状に屈曲された矩形帯板形状の部材からなる第2本体部材303と、これら第1本体部材302と第2本体部材303とを連結する連結機構304とを備える。
【0072】
第1本体部材302は、Aピラー104に取り付けられる部材であって、本発明に係る取付け部の一例である。
第1本体部材302は、一方に延出する第1基部302aと、当該第1基部302aの長手方向の一端部より、直角方向に延出する第1支持部302bとを有する。
また、上記第1基部302aにおいて、第1支持部302bの延出方向との反対側(本実施形態においては、右側)の平面には、一対のブッシング321・321が設けられる。
なお、上記一対のブッシング321・321は、前述した第1実施形態における一対のブッシング21・21と同等の構成を有するため、説明の記載は省略する。
【0073】
そして、第1支持部302bの一方(本実施形態においては、上方側)の平面302b1には、後述するガイドレール304aが、当該第1支持部302bの延出方向に沿って配置されている。
【0074】
第2本体部材303は、支持物103を保持する部材であって、本発明に係る保持部の一例である。
第2本体部材303は、一方に延出する第2基部303aと、当該基部303aの長手方向の一端部より、直角方向に延出する支持部303bとを有する。
【0075】
第2本体部材303は、第1本体部材302に対して、ブッシング321側との反対側(本実施形態においては、左側)に配置される。
また、第2本体部材303は、第2基部303aが、第1本体部材302の第1支持部302bと対向し、且つ、第2支持部303bが第1本体部材302の第1基部302aに沿って延出した状態で配置される。
さらに、第2本体部材303は、第2支持部303bにおける一方の平面303b1にて保持物103を保持可能であり、第2基部303aにおける第1支持部302bとの対向面303a1において、連結機構304を介して、第1本体部材302(より具体的には、第1支持部302b)と連結される。
【0076】
そして、後述するように、第2本体部材303は、連結機構304によって、第1本体部材302の第1基部302aと近接する第2格納位置S11と、当該第1基部302aと離間する第2展開位置S12との間で可変可能に構成される。
【0077】
なお、上記第2格納位置S11は、前述した第1格納位置S1と同じく、例えば作業者M(
図2(a)を参照)が車両100を運転する場合などに、第2本体部材203を変位させる位置であって、当該第2格納位置S11にて第2本体部材303を保持することにより、支持物103は、Aピラー104に近接して当該Aピラー104の延出方向(略上下方向)に沿った状態となり、且つ、運転席102からの視点で支持物103の略全体がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて、Aピラー104より支持された状態となる。
また、上記第2展開位置S12も、前述した第1展開位置S2と同じく、例えば作業者M(
図2(a)を参照)が操作ボックスである支持物103を操作する場合などに、第2本体部材303を変位させる位置であって、当該第2展開位置S12にて第2本体部材303を保持することにより、支持物103は、支持位置P1に比べてAピラー104から車内中央側に離間した状態となる第2可動位置P3にて、当該Aピラー104より支持された状態となる。
但し、上記第2可動位置P3は、本発明に係る第2変位位置の一例である。
【0078】
連結機構304は、上述したように、第1本体部材302と第2本体部材303とを連結する機構であって、本発明に係る第2可動部の一例である。
連結機構304は、例えば、一方向に延出するガイドレール304aと、当該ガイドレール304aを摺動するリニアブロック304bとを有する。
【0079】
そして、連結機構304は、第1本体部材302の第1支持部302bと、第2本体部材303の第2基部303aとの間に配置される。
また、ガイドレール304aは、第1支持部302bの延出方向に沿って配置された状態で、当該第1支持部302bの平面302b1と固定され、且つリニアブロック304bは、第2基部303aの対向面303a1に固定される。つまり、第2本体部材303は、リニアブロック304bによって、第1本体部材302に対してスライド移動可能に構成されている。
なお、連結部材304を構成するガイドレール304a及びリニアブロック304bは、本発明に係る移動手段の一例である。
【0080】
さらに、第1本体部材302と第2本体部材303との間には、例えば、第1本体部材302に設けられる一対のボス部材(第1ボス部材305a1及び第2ボス部材305a2)と、第2本体部材303に設けられる貫通孔305bと、これら一対のボス部材、及び貫通孔305bに対して抜脱可能に嵌挿されるロックピン305cとからなる第3ロック手段305が設けられている。
【0081】
そして、第1ボス部材305a1及び貫通孔305bにロックピン305cを嵌挿することにより、第2本体部材303は、第3ロック手段305によって、第2格納位置S11にて保持可能に構成されている。
また、第2ボス部材305a2及び貫通孔305bにロックピン305cを嵌挿することにより、第2本体部材303は、第3ロック手段305によって、第2展開位置S12にて保持可能に構成されている。
【0082】
このような構成からなるステー301は、アシストグリップ106とともに、Aピラー104の車内側(左側)の側面に取り付けられる。
【0083】
具体的には、ステー301は、連結機構304を下方に向け、且つ一対のブッシング321・321をAピラー104側(本実施形態においては、右側)に向けた状態で、当該Aピラー104の車内側の側面に沿って、第1本体部材302の第1基部302aが延出するようにして配置される。
また、ステー301は、アシストグリップ106とAピラー104との間に、第1本体部材302の第1基部302aが挟み込まれた状態で、当該アシストグリップ106とともにAピラー104に固定される。
これにより、ステー301は、上記第2格納位置S11と上記第2展開位置S12との間で第2本体部材303が可変可能に、Aピラー104に固定される。
【0084】
なお、Aピラー104に対するステー301(より具体的には、第1本体部材302の第1基部302a)及びアシストグリップ106の固定箇所の構成については、前述した第1実施形態におけるステー1(より具体的には、第1本体部2)及びアシストグリップ106の固定箇所の構成と同等であるため、説明の記載は省略する。
【0085】
そして、第2本体部材303において、第2支持部303bの一方の平面303b1に、図示せぬ締結部材を用いて支持物103が保持されることにより、当該支持物103は、支持位置P1と第2可動位置P3との間で可変可能に、ステー301によって支持される。
【0086】
ここで、ステー301によって支持された支持物103の、支持位置P1と第2可動位置P3との間での変位動作については、以下の手順に従い実施される。
【0087】
即ち、第2可動位置P3から支持位置P1へと支持物103を変位させる場合、先ず始めに、第3ロック手段305によるロック状態を解除した後(即ち、ロックピン306cを抜きとった後)、連結機構304を介して、第2本体部材303をAピラー104側(本実施形態においては、右側)へと移動させる。
【0088】
その後、第3ロック手段305をロック状態とすることにより(即ち、ロックピン305cを差し込むことにより)、第2本体部材203は、第2格納位置S11にて保持され、支持物103は、ステー301によって、支持位置P1にて支持された状態となる。
【0089】
一方、支持位置P1から第2可動位置P3へと支持物103を変位させる場合、先ず始めに、第3ロック手段305によるロック状態を解除した後(即ち、ロックピン305cを抜きとった後)、連結機構304を介して、第2本体部材303を車内中央側(本実施形態においては、左側)へと移動させる。
【0090】
その後、第3ロック手段305をロック状態とすることにより(即ち、ロックピン305cを差し込むことにより)、第2本体部材203は、第2展開位置S12にて保持され、支持物103は、ステー301によって、第2可動位置P3にて支持された状態となる。
【0091】
このように、第3実施形態におけるステー301は、Aピラー104に取り付けられる第1本体部材(取付け部)302と、支持物103を保持可能な第2本体部材(保持部)303とを備えるとともに、第1本体部材302と第2本体部材303とを連結し、且つ、Aピラー104に近接する支持位置P1と、当該支持位置P1に比べてAピラー104から車内中央側に離間した状態となる第2可動位置(第2変位位置)P3との間で、当該支持物103を変位可能な連結機構(第2可動部)304をさらに備える構成となっている。
【0092】
このような構成を有することにより、本実施形態におけるステー301によれば、作業者Mが車両100を運転する際には、支持位置P1にて支持物103(例えば、操作ボックス等)を支持する(格納する)一方、作業者Mが支持物103を操作する際には、当該支持物103をより操作し易い第2可動位置(第2変位位置)P3に変位させる(展開する)ことができる。
つまり、作業者Mの状況等に応じて、支持物103の展開・格納を行うことで、車両100の運転時における前方の視界と、支持物103の操作時における操作性との双方を、ともに確保することができる。
【0093】
また、第3実施形態におけるステー301において、連結機構(第2可動部)304は、支持位置P1と第2可動位置(第2変位位置)P3との間で、第1本体部材(取付け部)302に対して第2本体部材(保持部)303をスライド移動可能なガイドレール304a及びリニアブロック304b(移動手段)を有する構成となっている。
このような構成を有することにより、第1本体部材302に対して単に第2本体部材303をスライド移動させるだけで、支持位置P1と第2可動位置P3との間で、支持物103の位置を容易に変移させることができる。
【0094】
以上のように、本発明を具現化した第1~第3実施形態におけるステー1・201・301は、運転席102の前方に配置される支持物103をAピラー104より支持するステーであって、Aピラー104に取り付けられる取付け部を構成する第1本体部2、第1本体部材202、または第1本体部材302と、支持物103がAピラー104の延出方向に沿った状態となり、且つ運転席102からの視点で支持物103の少なくとも一部がAピラー104と重なる状態となる支持位置P1にて、当該支持物103を保持可能な保持部を構成する第2本体部3、第2本体部材203、または第2本体部材303とを備えることを特徴とする。
【0095】
このような構成を有することにより、
図3に示すように、運転席102に座った作業者M(
図2(a)を参照)から見ると、支持物103は、Aピラー104に対して略重なる位置に配置されているように見えることから、作業者Mが車両100を運転する際において、当該支持物103によって前方の視界が妨げられるのを防止することができる。
従って、第1~第3実施形態におけるステー1・201・301によれば、車両100を運転する際における作業者Mの前方の視界を、より広く確保することができる。
【0096】
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0097】
1、201、301 ステー
102 運転席
103 支持物
104 Aピラー
2 第1本体部(取付け部)
202、302 第1本体部材(取付け部)
203、303 第2本体部(保持部)
204 連結機構(第1可動部)
243 第2連結部材(回動手段)
3 第2本体部(保持部)
304 連結機構(第2可動部)
304a ガイドレール(移動手段)
304b リニアブロック(移動手段)
4 第3本体部(連結部)
P1 支持位置
P2 第1可動位置(第1変位位置)
P3 第2可動位置(第2変位位置)