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  • 特開-自動開閉傘 図1
  • 特開-自動開閉傘 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164770
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】自動開閉傘
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/16 20060101AFI20241120BHJP
   A45B 19/10 20060101ALI20241120BHJP
   A45B 19/04 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
A45B25/16 A
A45B19/10 D
A45B19/04
A45B25/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080475
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】519262168
【氏名又は名称】▲しん▼三海株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】伴場 義通
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104AA02
3B104AA05
3B104DA01
3B104GA01
3B104JA01
3B104LB05
3B104PA01
3B104SD00
3B104TA02
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で、傘軸の伸長および傘布の展開と、逆さま傘の状態での傘布の収束とが可能な、自動開閉傘を提供する。
【解決手段】 傘軸3の下端には、握り4が取り付けられる。握り4には、押しボタン5が設けられる。傘軸3内には、ばねや紐が設けられ、押しボタン5に対する手元でのワンプッシュ操作での傘軸3の伸長および傘布2の展開が可能である。(a)は、傘布2の展開後のワンプッシュ操作で、傘布2を逆さま傘として収束させた状態に対応する。(b)は、傘軸3を縮小させた状態に対応する。傘軸3の縮小は、傘軸3内のばねに伸長力を蓄えながら手動で行う必要があるけれども、途中で止めても飛び出さないように、防止機構が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元でのワンプッシュ操作での傘布の展開と、さらにワンプッシュ操作での傘布の収束とが逆さま傘状態で可能な無動力の自動開閉傘において、
傘軸の上端に固定される上ロクロと、
傘軸で上ロクロの下方に設けられ、上ロクロとの間隔が狭くなる開位置、および上ロクロとの間隔が広くなる閉位置の間を摺動可能で、閉位置で傘布を展開し、開位置で傘布を収束させる下ロクロと、
基端が下ロクロで揺動可能に支持され、先端が傘軸から周辺側に離れる方向に上昇しながら伸びる布張り傘骨と、
布張り傘骨の先端付近で基端が揺動可能に支持され、先端が布張り傘骨の先端から周辺側に離れる方向に下降しながら伸びる内布支持傘骨と、
内布支持傘骨の先端付近で基端が揺動可能に支持され、先端が内布支持傘骨の先端から周辺側に離れる方向に伸びる外布支持傘骨と、
基端が上ロクロで揺動可能に支持され、先端が布張り傘骨の基端と先端との中間に、揺動可能に支持される骨支持傘骨と、
上ロクロから周囲に広がって、内布支持傘骨および外布支持傘骨で支持される傘布と、
を含むことを特徴とする自動開閉傘。
【請求項2】
前記傘布は、撥水加工を施してある、
ことを特徴とする請求項1記載の自動開閉傘。
【請求項3】
前記傘布は、前記収束した状態の形状で、形状記憶加工が施してある、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動開閉傘。
【請求項4】
前記傘布は、前記骨支持傘骨の基端付近から、前記内布支持傘骨および前記外布支持傘骨に沿って、外周端まで、補強帯布が付加されており、
内布支持傘骨の基端と骨支持傘骨の基端との間の補強帯布と、骨支持傘骨の先端付近との間に、紐が張られている、
ことを特徴とする請求項3記載の自動開閉傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手元でのワンプッシュ操作での傘布の展開と、さらにワンプッシュでの傘布の収束とが逆さま傘状態で可能な無動力の自動開閉傘に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、動力源を内蔵する必要が無く、手元での押圧操作で、傘布を折り畳んで逆さま傘状態で収束する折り畳み傘は知られている(たとえば特許文献1、ならびに特許文献2および非特許文献1参照)。逆さま傘は、雨水で濡れた傘布の表面が内側に収納され、周囲を濡らさないように畳む事ができる。特に非特許文献1では、動画を含む。その動画では、傘布を開いている状態から傘布を畳む動作と、傘布が畳まれた状態で傘軸を縮める動作とが自動で行われる旨が繰り返し表示されている。これらの折り畳み傘は、揺動する傘骨の基端を支持する上下二段のロクロ(特許文献2では「ハニカム」と称している)のうち、傘軸に沿って上下に摺動可能な下ロクロの上に、下ロクロと同時に摺動する中ロクロを設けている。傘布の展開時は、摺動する二つのロクロを上ロクロに近い位置に保持し、収束時は二つのロクロを上ロクロから離す。
【0003】
折り畳み傘の傘軸を、複数段で伸縮可能にし、内部に収縮状態で傘骨を伸長方向に付勢するばねを収容する自動開閉傘も知られている(たとえば特許文献3および特許文献4参照)。特許文献3では、傘軸を、収縮状態での下端側のワンプッシュ操作で伸長させて、同時に傘布も展開させる。傘軸に関して、上側の上ロクロに上端を固定し、下端に引っかけヘッドを設け、途中で下ロクロに掛けた紐体を、傘軸の伸長および傘布の展開後に引っかけヘッドを離して、下ロクロを下降させて傘布を収束させる。特許文献4では、傘軸の上端から下方に垂れる紐を、傘軸を手動で縮める際に、傘軸下端の握り柄内に設け、ゼンマイばねで回転するラチェットに巻き取り可能にしておき、傘軸を縮める途中で停止しても、傘軸が急に伸び出さないようにして、安全を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3204928号公報
【特許文献2】登録実用新案第3232519号公報
【特許文献3】特許第4745374号公報
【特許文献4】特許第5557280号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社マクアケ、「TWO FOLD REVERSE UMBRELLA 2.0」、[令和5年5月1日検索]、インターネット<URL:https://www.makuake.com/project/two_fold_reverse_umbrella/?from=keywordsearch&keyword=%E5%82%98&disp_order=121>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の折り畳み傘は、傘布に関する記載が省略されている。特許文献2および非特許文献1の折り畳み傘は、下ロクロを押し上げて傘軸を伸ばしながら傘布を開く動作を手動で行う必要がある。この動作で、傘軸内に設けるばねに、自動動作のための動力が蓄積される。しかしながら、上ロクロから張架骨とともに伸びて周辺に広がる表の傘布と、下ロクロから平張り骨とともに伸びて、傘布の途中に接続される裏の傘布とで、傘布は二重に設けられている。中ロクロからは、支え骨が張架骨の途中まで伸びて、張架骨を支持する。したがって、急に雨が降り出したような場合に、傘を手動で開く必要があり、手間取って濡れてしまうおそれがある。また、特に傘布が二重の部分があるなど、構造が複雑であり、きれいに折り畳むことが困難になると予想される。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構造で、傘軸の伸長および傘布の展開と、逆さま傘の状態での傘布の収束とが可能な、自動開閉傘を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、手元でのワンプッシュ操作での傘軸の伸長および傘布の展開と、さらにワンプッシュ操作での傘布の収束とが逆さま傘状態で可能な無動力の自動開閉傘において、
傘軸の上端に固定される上ロクロと、
傘軸で上ロクロの下方に設けられ、上ロクロとの間隔が狭くなる開位置、および上ロクロとの間隔が広くなる閉位置の間を摺動可能で、閉位置で傘布を展開し、開位置で傘布を収束させる下ロクロと、
基端が下ロクロで揺動可能に支持され、先端が傘軸から周辺側に離れる方向に上昇しながら伸びる布張り傘骨と、
布張り傘骨の先端付近で基端が揺動可能に支持され、先端が布張り傘骨の先端から周辺側に離れる方向に下降しながら伸びる内布支持傘骨と、
内布支持傘骨の先端付近で基端が揺動可能に支持され、先端が内布支持傘骨の先端から周辺側に離れる方向に伸びる外布支持傘骨と、
基端が上ロクロで揺動可能に支持され、先端が布張り傘骨の基端と先端との中間に、揺動可能に支持される骨支持傘骨と、
上ロクロから周囲に広がって、内布支持傘骨および外布支持傘骨で支持される傘布と、
を含むことを特徴とする自動開閉傘である。
【0009】
また、本発明の前記傘布は、撥水加工を施してある、
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の前記傘布は、前記収束した状態の形状で、形状記憶加工が施してある、
ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の前記傘布は、前記骨支持傘骨の基端付近から、前記内布支持傘骨および前記外布支持傘骨に沿って、外周端まで、補強帯布が付加されており、
内布支持傘骨の基端と骨支持傘骨の基端との間の補強帯布と、骨支持傘骨の先端付近との間に、紐が張られている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、下ロクロが上ロクロとの間隔が狭くなる開位置で、下ロクロに基端が揺動可能に支持される布張り傘軸と、上ロクロに基端が揺動可能に支持される骨支持傘骨とが挟む角度が小さくなる。布張り傘軸の先端は、傘軸から離れる方向に移動するので、傘布を展開させることができる。下ロクロが上ロクロとの間隔が広くなる閉位置で、布張り傘軸と骨支持傘軸とが挟む角度が大きくなり、布張り傘軸の先端は、傘軸に接近する方向に移動する。布張り傘骨の先端と骨支持傘骨の基端との間で傘布は凹み、内布支持傘骨の先端が外布支持傘骨の基端を支持する部分も、内布支持傘骨の基端および外布支持傘骨の先端に対して凹むように、内布支持傘骨および外布支持傘骨が折れ曲がる。内布支持傘骨および外布保持傘骨で支持される部分の傘布も、折れ曲がりに従って凹む。傘布は、逆さま傘の状態で収束される。したがって、簡単な構造で、傘軸の伸長および傘布の展開と、逆さま傘の状態での傘布の収束とが可能な、自動開閉傘を提供することができる。
【0013】
また本発明によれば、傘布には撥水加工が施されているので、降水時に展開しても、付着する雨水は少なくなり、逆さま傘の状態で、凹んだ傘布に溜まる雨水も少なくすることができる。
【0014】
また本発明によれば、傘布には、収束した状態で形状記憶加工が施してあるので、収束させるときれいに畳むことができる。
【0015】
また本発明によれば、傘布を収束させる際は、内布支持傘骨の基端と骨支持傘骨の基端との間の補強帯布と、骨支持傘骨の先端付近との間を、紐で引っ張るので、きれいに畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施例である自動開閉傘1を、傘布2が逆さま傘の状態で収束させるための概略的な構成を示す簡略化した正面図である。
図2図2は、図1の自動開閉傘1で、傘布2を展開している状態の構成を示す簡略化した正面図である。
図3図3は、図1の自動開閉傘1の展開状態の正面断面図、および収束させて折り畳んで横向きにした正面図である。
図4図4は、図1の自動開閉傘1の収束状態の構成の一部を示す写真である。
図5図5は、図1の自動開閉傘1の展開状態の構成の一部を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1から図5は、本発明の一実施例である自動開閉傘1の構成を示す。図面に寄っては、他の図に記載されている対応部分の記載を省略する場合がある。実施例の説明は、図に沿って行うけれども、説明対象の図で記載を省略している部分に対する説明も、他の図に付されている参照府を使用して行う場合もある。
【実施例0018】
図1は、本発明の一実施例である自動開閉傘1を、傘布2が逆さま傘の状態で収束させるための概略的な構成を示す。自動開閉傘1の傘布2は、傘軸3の上端を中心として、周囲に拡がる。傘軸3は、複数段の軸の組合せで構成され、望遠鏡式に伸縮が可能である。図1(a)は傘軸3が伸長した状態、図1(b)は傘軸3が収縮した状態を示す。傘軸3の下端には、握り4が取り付けられる。握り4には、押しボタン5が設けられる。傘軸3内には、ばねや紐が設けられ、押しボタン5に対する手元でのワンプッシュ操作での傘軸3の伸長および傘布2の展開と、さらにワンプッシュ操作での傘布2の収束とが逆さま傘状態で可能である。また、傘軸3の縮小は、傘軸3内のばねに伸長力を蓄えながら手動で行う必要があるけれども、途中で止めても飛び出さないように、防止機構が設けられている。そのような機構としては、特許文献3や、特許文献4で紹介されている従来技術などを利用することができる。
【0019】
図1(a)は、傘布2の展開後のワンプッシュ操作で、傘布2を逆さま傘として収束させた状態に対応する。図1(b)は、傘軸3を縮小させた状態に対応する。傘軸3の上部となる外側の軸には、上端に上ロクロ6が固定され、上ロクロ6の下方に下ロクロ7が設けられる。下ロクロ7は、上ロクロ6との間隔が狭くなる開位置、および上ロクロ6との間隔が広くなる閉位置の間を、外側の軸に沿って摺動可能である。下ロクロ7は、閉位置で傘布2を展開し、開位置で傘布2を収束させる。閉位置の下ロクロ7を、手動で引下げると、内蔵するばねに抗して、傘軸3の外側の筒内に、他の筒が望遠鏡式に順次収容されて、下ロクロ7の下端が握り4の上端まで達するまで傘軸3が短縮される。上ロクロ6の上方には、傘布2を挟んで、さらにハンドル8が取付けられる。図1(a)のように、傘布2が逆さま傘の状態で収束された自動開閉傘1は、ハンドル8を手持ちすることで、雨水で周囲を濡らさないように、移動させることができる。
【0020】
図1のように逆さま傘の状態で傘布2を収束可能な自動開閉傘1の傘骨10は、布張り傘骨11、内布支持傘骨12、外布支持傘骨13および骨支持傘骨14の組合せを複数組、本実施例では10組を含む。ただし、図1では、傘骨10は1組のみ示す。布張り傘骨11は、基端11aが下ロクロ7で揺動可能に支持され、先端11bが傘軸3から周辺側に離れる方向に上昇しながら伸びる。内布支持傘骨12は、布張り傘骨11の先端11b付近で基端12aが揺動可能に支持され、先端12bが布張り傘骨11の先端11bから周辺側に離れる方向に下降しながら伸びる。外布支持傘骨13は、内布支持傘骨12の先端12b付近で基端13aが揺動可能に支持され、先端13bが内布支持傘骨12の先端12bから周辺側に離れる方向に伸びる。骨支持傘骨14は、基端14aが上ロクロ6で揺動可能に支持され、先端14bが布張り傘骨11の基端11aと先端11bとの中間に、揺動可能に支持される。傘布2は、上ロクロ6から周囲に広がって、内布支持傘骨12および外布支持傘骨13で支持される。
【0021】
図2は、図1の自動開閉傘1で、傘布2を展開している状態の構成を示す。この状態は、図1(b)に示す状態から、押しボタン5へのワンプッシュ操作で、傘軸3が伸長しながら、下ロクロ7が上ロクロ6に対して開位置に接近し、傘布2を展開させて自動的に移行する。傘張り傘骨11が開く際に内布支持傘骨12を開くために、骨支持傘骨14の先端14b付近と内布支持傘骨12の基端12aとの間に布張りリンク材15が設けられる。布張りリンク材15は、平行四辺形リンクを形成する。平行四辺形リンク内で、布張り傘骨11と骨支持傘骨14との間には、傘布2を閉じる方向に付勢するばね16が設けられる。布張りリンク材15が設けられる。
【0022】
傘布2は、骨支持傘骨14の基端14a付近から、内布支持傘骨12および外布支持傘骨12に沿って、外周端まで、補強帯布17が付加されている。内布支持傘骨12の基端12aと骨支持傘骨14の基端14aとの間の補強帯布17と、骨支持傘骨14の先端14b付近との間に、紐18が張られている。傘布2を収束させる際は、内布支持傘骨12の基端12aと骨支持傘骨14の基端14aとの間の補強帯布17と、骨支持傘骨14の先端14b付近との間を、紐18で引っ張るので、きれいに畳むことができる。内布支持傘骨12と外布支持傘骨13とを開閉するために、布支持リンク材19が設けられている。
【0023】
布張り傘骨11および骨支持傘骨14は、アルミニウムフレームが採用される。アルミニウムフレームは、アルミニウム合金の板材を断面がU字状となるように折り曲げて形成される。布張り傘骨11および骨支持傘骨14は、マグネシウム合金など、他の軽量金属板材で形成してもよい。内布支持傘骨12、布張りリンク材15および布支持リンク材19は、アルミニウム合金や鉄などの金属の棒材で形成される。外布支持傘骨13は、グラスファイバーやカーボンファイバーなどの、軽量で弾力性に優れたファイバー材で形成される。これらの材料の使い分けで、傘骨10を軽量かつ高強度に組み合わせることができる。
【0024】
図3は、図3(a)で図1の自動開閉傘1の展開状態の正面断面図、および図3(b)で傘布2を収束させて折り畳んで横向きにした正面図を示す。傘布2は、高密度360TのPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)布を使用し、さらにフッ素系加工剤でコーティングする。PTT布は、特殊な加工なしでも紫外線(UV)を90%カットする効果を有し、使用を継続してもその効果が薄れにくい。傘布2として、他の繊維を用いることもできる。フッ素系加工剤によるコーティングは、撥水加工を施すことであり、降水時に傘布2を展開しても、付着する雨水は少なくなり、逆さま傘の状態で、凹んだ傘布2に溜まる雨水も少なくすることができる。
【0025】
傘布2は、PTT繊維に形状安定性や形状記憶性があるので、収束した状態の形状で、形状記憶加工が施してある。したがって、図3(b)のように、収束させるときれいに畳むことができる。図3(b)では、傘布を巻いて、バンド20で止めている。
【0026】
図4は、図1の自動開閉傘1の収束状態の構成の一部を示す。ファイバー材を使用する外布支持傘骨13の基端13aには、連結部材21を付加して、金属の棒材を使用する内布支持傘骨12の先端12bおよび布支持リンク材19と連結する。布張り傘骨11の先端11bよりも内側となる傘布2は、形状記憶による折り目が表れている。
【0027】
図5は、図1の自動開閉傘1の展開状態の構成の一部を示す。布張り傘骨11の先端11bよりも内側となる傘布2も、布張り傘骨11の先端11bよりも外側で、内布支持傘骨12で支持される傘布2と同様に、張った状態で拡げられる。
【0028】
本実施例の自動開閉傘1は、上部にハンドル8を取り付けているけれども、ストラップなどを取り付けたり、石突を取り付けたりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 自動開閉傘
2 傘布
3 傘軸
4 握り
5 押しボタン
6 上ロクロ
7 下ロクロ
8 ハンドル
10 傘骨
11 布張り傘骨
11a,12a,13a,14a 基端
11b,12b,13b,14b 先端
12 内布支持傘骨
13 外布支持傘骨
14 骨支持傘骨
17 補強帯布
18 紐
図1
図2
図3
図4
図5