IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリオニス バイオサイエンシズ エヌブイの特許一覧 ▶ ブイアイビー ブイゼットダブリューの特許一覧 ▶ ユニバーシテイト ヘントの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164840
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】標的療法剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20241120BHJP
   C07K 14/54 20060101ALI20241120BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20241120BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20241120BHJP
   C12N 15/63 20060101ALN20241120BHJP
   C12N 1/21 20060101ALN20241120BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20241120BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K14/54
C07K14/47
C07K19/00
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/21
C12N5/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024133824
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2022110687の分割
【原出願日】2017-02-06
(31)【優先権主張番号】62/291,769
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/291,772
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/291,774
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/291,776
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/291,779
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/335,880
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/335,965
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/335,968
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/335,979
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/336,030
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/353,607
(32)【優先日】2016-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/411,805
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】518268352
【氏名又は名称】オリオニス バイオサイエンシズ ビーブイ
(71)【出願人】
【識別番号】518275408
【氏名又は名称】ブイアイビー ブイゼットダブリュー
(71)【出願人】
【識別番号】516003702
【氏名又は名称】ユニバーシテイト ヘント
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【弁理士】
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】タベルニエル,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】クレイ,ニコライ
【テーマコード(参考)】
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA26X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA43
4B065CA44
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA02
4H045DA50
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
【課題】最小限の副作用しか引き起こさずに癌に対する標的療法を提供できる改善された免疫療法剤を提供する。
【解決手段】プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、PD-1リガンド1(PD-L1)、およびPD-1リガンド2(PD-L2)より選択されるチェックポイントタンパク質に結合する認識ドメインを有する標的化部分と、インターロイキン、インターフェロン、および腫瘍壊死因子の1またはそれより多くから選択される修飾されたシグナル伝達剤とが、リンカーによって連結されたキメラタンパク質を提供する。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)プログラム細胞死タンパク質1リガンド1(PD-L1)に特異的に結合する認識ドメインを含む、1つの標的化部分;および
(b)野生型シグナル伝達剤に比較される際に改善された安全性を与える1またはそれより多い突然変異を有する、修飾シグナル伝達剤;
を含むキメラタンパク質であって、かつ
標的化部分および修飾シグナル伝達剤が、1またはそれより多いリンカーで場合により連結される
キメラタンパク質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、そのすべての全内容が本明細書に援用される、2016年2月5日出願の米国仮特許出願第62/291,769号;2016年5月13日出願の第62/335,880号;2016年10月24日出願の第62/411,805号;2016年2月5日出願の第62/291,772号;2016年2月5日出願の第62/291,774号;2016年5月13日出願の第62/335,965号;2016年2月5日出願の第62/291,776号;2016年5月13日出願の第62/335,968号;2016年5月13日出願の第62/335,979号;2016年5月13日出願の第62/336,030号、2016年6月23日出願の第62/353,607号;および2016年2月5日出願の第62/291,779号の恩典を請求する。
【0002】
分野
本発明は、部分的に、標的療法剤および癌などの疾患の治療におけるその使用に関する。
【0003】
電子提出されたテキストファイルの説明
本明細書と共に電子提出されたテキストファイルの内容は、その全体が本明細書に援用される:配列表のコンピュータ読み取り可能フォーマットコピー(ファイル名:ORN-021PC_Sequence_listing;記録日:2017年2月1日;ファイルサイズ:231KB)。
【背景技術】
【0004】
慣用的な癌療法、例えば化学療法および放射線照射とは対照的に、免疫療法は、癌細胞に対する細胞特異性の利点を提供する。特に、免疫療法は、患者自身の免疫応答を誘導すること、増進すること、または抑制することによって、癌細胞を直接標的とする。こうしたものとして、免疫に基づく療法の有効性を増進させるための方法は、臨床的に有益でありうる。しかし、例えばYERVOY、KEYTRUDA、およびOPDIVOの認可をもたらした臨床試験を含む、免疫共刺激および共阻害分子を標的とする剤に対する印象的な患者の応答にもかかわらず、チェックポイント阻害療法などの免疫療法は、なお、圧倒的多数の患者では失敗している。さらになお、多くの免疫療法は、治療に関する患者の療法ウィンドウを有意に狭め、かつ患者を他の疾患に対してより感受性にする副作用によって複雑である。
【0005】
したがって、最小限の副作用しか引き起こさずに癌に対する標的療法を提供できる改善された免疫療法剤に関する必要性がなおある。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの側面において、本発明は、関心対象の標的(例えば抗原、受容体)に特異的に結合する認識ドメイン(例えば、限定なしに、単一ドメイン抗体を含む、多様な抗体形式を含む、抗原認識ドメイン)を有する、1つの標的化部分を有するキメラタンパク質に関する。多様な態様において、標的化部分は、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、PD-1リガンド1(PD-L1;B7-H1およびCD274としてもまた公知である)、およびPD-1リガンド2(PD-L2;B7-DCおよびCD273としてもまた公知である)より選択されるチェックポイントタンパク質に結合する認識ドメインを有する。
【0007】
多様な態様において、キメラタンパク質は、修飾された(例えば変異した)シグナル伝達剤(例えば、免疫調節剤)をさらに含む。多様な態様において、修飾された(例えば変異した)シグナル伝達剤は、非修飾の(例えば野生型の)シグナル伝達剤に比較した際、改善された安全性を提供する、1またはそれより多い修飾(例えば突然変異)を有する。多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、インターロイキン、インターフェロン、および腫瘍壊死因子の1またはそれより多くから選択される。1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、ヒトインターフェロン-α2である。別の態様において、修飾シグナル伝達剤は、ヒトTNF-αである。さらなる態様において、修飾シグナル伝達剤は、ヒトIL-1βである。
【0008】
いくつかの態様において、標的化部分および修飾された(例えば変異した)シグナル伝達剤は、1またはそれより多いリンカーによって連結される。
【0009】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、多様な疾患または障害、例えば癌、感染、免疫障害、および自己免疫疾患の治療での使用を見出し、本発明は多様な治療法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、C57BL/6マウスに6x10 のB16mCD20cl1黒色腫腫瘍細胞を皮下接種した(50μl)ことを示す。ノギスで測定した際に腫瘍が±10mmのサイズに到達した際、120μgの抗PD-L1 VHH(120μl)またはヒトIFNアルファ、Q124R突然変異体への抗PD-L1 VHHの融合物での病変周囲治療を開始した。曲線は、治療タイプを同定する図レジェンドにおけるものと同じ順(上部から下部へ)である(例えばPBSは上部の曲線であり、抗PD-L1は中央の曲線であり、下部の曲線はヒトIFNアルファ、Q124R突然変異体への抗PD-L1 VHHの融合物である)。
図2図2は、パネルA~Gにおいて、図1の有効性データと対応する安全性データを示す。パネルAにおいて、マウス重量をすべての治療タイプに関して示す。パネルB~Gにおいて、すべてのデータは3つのセットのヒストグラムとして提示され、それらは左から右に:PBS、抗PD-L1 VHH、およびヒトIFNアルファ、Q124Rへの抗PD-L1 VHHの融合体である。示すのは、白血球数(「wbc」)およびリンパ球数(「ly」)(パネルB)、好中球数(「ne」)および単球数(「mо」)(パネルC);赤血球数(「rbc」)およびヘモグロビン(「hb」)(パネルD);ヘマトクリット(hemocrit)(「hct」)、平均血球体積(「mcv」)、平均血球ヘモグロビン(「mch」)、平均血球ヘモグロビン濃度(「mchc」)(パネルE);脱核(pitted)赤血球(「pit」)(パネルF);および平均血小板体積(「mpv」)(パネルG)である。
図3図3は、PD1/PD-L1プレート結合アッセイにおいて試験した際の抗ヒトPD-1 VHH、抗ヒトPD-L1 VHH、抗マウスPD-L1 VHHまたは無関係のVHHの連続希釈の効果を示す。3つ組測定の平均±標準偏差をプロットする。10,000ポイントでの上部から下部の曲線は:抗マウスPD-L1 VHH、無関係のVHH、抗ヒトPD-1 VHH、および抗ヒトPD-L1 VHHである。
図4図4は、抗PD-L1/減弱化IFNキメラの連続希釈でMDA-MB-321細胞を刺激し、ホスホSTAT1に関して染色した実験を示す。データを平均蛍光強度(MFI)としてプロットする。上部の曲線は、抗ヒトPD-L1 VHH/ヒトIFN R149Aである。
図5図5は、ヒト樹状細胞pSTAT1シグナル伝達アッセイを示す。研究したキメラは、抗ヒトPD-L1 VHH/ヒトIFN R149Aおよび抗ヒトPD-L1 VHH/ヒトIFN R33A/E120Rであった。2つの用量の剤を研究した:100ng/mlおよび500ng/ml。PBSは対照であり、データをpSTAT1樹状細胞の割合の倍変化として表す(データは、3つ組データセットの平均である)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、療法的に有益な突然変異を有するシグナル伝達剤、およびシグナル伝達剤を、療法作用が必要な部位(例えば腫瘍細胞)または療法作用が適切な部位(例えば免疫細胞)に標的化する標的化部分を含むキメラタンパク質を提供する。本発明は、キメラタンパク質を含む薬学的組成物および多様な疾患の治療におけるそれらの使用を提供する。本発明のキメラタンパク質および薬学的組成物の投与は、野生型シグナル伝達剤と比較して、有意に減少した副作用を達成する。
【0012】
標的化部分
多様な態様において、本キメラタンパク質は、免疫チェックポイントタンパク質に対して向けられる1つの標的化部分を有する。多様な態様において、免疫チェックポイントタンパク質は、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、PD-1リガンド1(PD-L1;B7-H1およびCD274としても公知である)、およびPD-1リガンド2(PD-L2;B7-DCおよびCD273としても公知である)より選択される。
【0013】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質の標的化部分は、特異的結合が可能なタンパク質に基づく剤、例えば抗体またはその誘導体である。1つの態様において、標的化部分は、抗体を含む。多様な態様において、抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長多量体タンパク質である。各重鎖は、1つの可変領域(例えばV)および少なくとも3つの定常領域(例えばCH、CHおよびCH)を含み、各軽鎖は、1つの可変領域(V)および1つの定常領域(C)を含む。可変領域は、抗体の特異性を決定する。各可変領域は、4つの比較的保存されたフレームワーク領域(FR)が隣接する、相補性決定領域(CDR)としても公知である、3つの超可変領域を含む。CDR1、CDR2、およびCDR3と称される3つのCDRは、抗体結合特異性に寄与する。いくつかの態様において、抗体はキメラ抗体である。いくつかの態様において、抗体はヒト化抗体である。
【0014】
いくつかの態様において、標的化部分は、抗体誘導体または形式を含む。いくつかの態様において、本キメラタンパク質の標的化部分は、その内容の全体が本明細書に援用される、米国特許または特許公報US 7,417,130、US 2004/132094、US 5,831,012、US 2004/023334、US 7,250,297、US 6,818,418、US 2004/209243、US 7,838,629、US 7,186,524、US 6,004,746、US 5,475,096、US 2004/146938、US 2004/157209、US 6,994,982、US 6,794,144、US 2010/239633、US 7,803,907、US 2010/119446、および/またはUS 7,166,697に記載されるような、単一ドメイン抗体、組換えの重鎖のみの抗体(VHH)、一本鎖抗体(scFv)、サメ重鎖のみの抗体(VNAR)、マイクロプロテイン(システインノットタンパク質、ノッティン)、DARPin;テトラネクチン;アフィボディ;トランスボディ;アンチカリン;アドネクチン;アフィリン;マイクロボディ;ペプチドアプタマー;アルタラーゼ;プラスチック抗体;フィロマー;ストラドボディ;マキシボディ;エビボディ;フィノマー;アルマジロ反復タンパク質、クニッツドメイン、アビマー、アトリマー、プロボディ、イムノボディ、トリオマブ、トロイボディ;ペプボディ;ワクシボディ;ユニボディ;アフィマー;デュオボディ、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)、ペプチド模倣分子、または合成分子を含む。Storz MAbs. 2011 May-Jun; 3(3): 310-317もまた参照されたい。
【0015】
1つの態様において、標的化部分は、一本鎖ドメイン抗体、例えば、ラクダ科、サメまたは設計されたVHHなどのVHH抗体を産生する生物由来のVHHを含む。VHHは、天然に存在する重鎖抗体のユニークな構造的および機能的特性を含有する、抗体由来の療法タンパク質である。VHH技術は、軽鎖を欠く、ラクダ科由来の完全に機能的な抗体に基づく。これらの重鎖抗体は、単一可変ドメイン(VHH)および2つの定常ドメイン(CH2およびCH3)を含有する。VHHは、NANOBODIESの商標名で市販されている。
【0016】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、PD-1に対して向けられる1つの標的化部分を有する。PD-1は、多くの異なる腫瘍タイプに由来する腫瘍浸潤リンパ球の大部分の上で発現される。例えば、PD-1は、CD4+およびCD8+ T細胞上で高発現される。PD-1はまた、B細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む、他の活性化非Tリンパ球上でも発現される。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-1に対して向けられる標的化部分および本明細書に記載するような1またはそれより多い突然変異(例えば本明細書に記載するヒトIFN-α2突然変異)を含む修飾IFN-αを含む。いくつかの態様において、キメラタンパク質は:PD-1に対して向けられる標的化部分および本明細書に記載するような1またはそれより多い突然変異を含む修飾TNF-αを含む。いくつかの態様において、キメラタンパク質は:PD-1に対して向けられる標的化部分および本明細書に記載するような1またはそれより多い突然変異を含む修飾IL-1βを含む。
【0017】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、PD-1に対して向けられる標的化部分を有する。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-1ポリペプチドを選択的に結合する標的化部分を有する。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-1ポリペプチドを選択的に結合する抗体、抗体誘導体または形式、ペプチドまたはポリペプチド、あるいは融合タンパク質を含む。
【0018】
1つの態様において、標的化部分は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDAとしても公知である)、またはその断片を含む。ペムブロリズマブおよび他のヒト化PD-1抗体は、その全開示が本明細書に援用される、Hamidら(2013) New England Journal of Medicine 369 (2): 134-44、US 8,354,509、およびWO 2009/114335に開示される。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のためのペムブロリズマブまたはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGVEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMYWVRQAPGQGLEWMGGINPSNGGTNF NEKFKNRVTLTTDSSTTTAYMELKSLQFDDTAVYYCARRDYRFDMGFDYWGQGTTVTVSS ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSS GLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSV FLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTY RVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTK NQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEG NVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (配列番号1)
のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKGVSTSGYSYLHWYQQKPGQAPRLLIYLASYLES GVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQHSRDLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVF IFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLS STLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (配列番号2)
のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0019】
1つの態様において、標的化部分は、抗PD-1抗体、ニボルマブ(BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538、OPDIVOとしても公知である)、またはその断片を含む。ニボルマブ(クローン5C4)およびPD-1に特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、その全開示が本明細書に援用される、US 8,008,449およびWO 2006/121168に開示される。例示的態様において、ニボルマブまたはその抗原結合断片は:
QVQLVESGGG VVQPGRSLRL DCKASGITFS NSGMHWVRQA PGKGLEWVAV IWYDGSKRYY
ADSVKGRFTI SRDNSKNTLF LQMNSLRAED TAVYYCATND DYWGQGTLVT VSSASTKGPS
VFPLAPCSRS TSESTAALGC LVKDYFPEPV TVSWNSGALT SGVHTFPAVL QSSGLYSLSS
VVTVPSSSLG TKTYTCNVDH KPSNTKVDKR VESKYGPPCP PCPAPEFLGG PSVFLFPPKP
KDTLMISRTP EVTCVVVDVS QEDPEVQFNW YVDGVEVHNA KTKPREEQFN STYRVVSVLT
VLHQDWLNGK EYKCKVSNKG LPSSIEKTIS KAKGQPREPQ VYTLPPSQEE MTKNQVSLTC
LVKGFYPSDI AVEWESNGQP ENNYKTTPPV LDSDGSFFLY SRLTVDKSRW QEGNVFSCSV
MHEALHNHYT QKSLSLSLGK (配列番号3)
のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または:
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRASQSVS SYLAWYQQKP GQAPRLLIYD ASNRATGIPA
RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAVYYCQQ SSNWPRTFGQ GTKVEIKRTV AAPSVFIFPP
SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT
LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC (配列番号4)
のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0020】
1つの態様において、標的化部分は、抗PD-1抗体ピジリズマブ(CT-011、hBATまたはhBAT-1としても公知である)、またはその断片を含む。ピジリズマブおよび他のヒト化PD-Iモノクローナル抗体は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2008/0025980およびWO 2009/101611に開示される。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗PD-1抗体またはその抗原結合断片は、US 2008/0025980の配列番号15~18より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域:
US 2008/0025980の配列番号15(配列番号5):
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCSARSSVSYMHWYQQKPGKAPKLLIYRTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCQQRSSFPLTFGGGTKLEIK;
US 2008/0025980の配列番号16(配列番号6):
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCSARSSVSYMHWFQQKPGKAPKLWIYRTSNLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTINSLQPEDFATYYCQQRSSFPLTFGGGTKLEIK;
US 2008/0025980の配列番号17(配列番号7):
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCSARSSVSYMHWFQQKPGKAPKLWIYRTSNLASGVPSRFSGSGSGTDYCLTINSLQPEDFATYYCQQRSSFPLTFGGGTKLEIK;
US 2008/0025980の配列番号18(配列番号8):
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCSARSSVSYMHWFQQKPGKAPKLWIYRTSNLASGVPSRFSGSGSGTSYCLTINSLQPEDFATYYCQQRSSFPLTFGGGTKLEIK;
および/またはUS 2008/0025980の配列番号20~24より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖:
US 2008/0025980の配列番号20(配列番号9):
QVQLVQSGSELKKPGASVKISCKASGYSFSNYGMNWVRQAPGQGLQWMGWINTDSGESTYAEEFKGRFVFSLDTSVSTAYLQITSLTAEDTGMYFCAKVGYDALDYWGQGTLVTVSS;
US 2008/0025980の配列番号21(配列番号10):
QVQLVQSGSELKKPGASVKISCKASGYTFTNYGMNWVRQAPGQGLQWMGWINTDSGESTYAEEFKGRFVFSLDTSVSTAYLQITSLTAEDTGMYFCAKVGYDALDYWGQGTLVTVSS;
US 2008/0025980の配列番号22(配列番号11):
QVQLVQSGSELKKPGASVKISCKASGYTFTNYGMNWVRQAPGQGLQWMGWINTDSGESTYAEEFKGRFVFSLDTSVNTAYLQITSLTAEDTGMYFCVRVGYDALDYWGQGTLVTVSS;
US 2008/0025980の配列番号23(配列番号12):
QIQLVQSGSELKKPGASVKISCKASGYTFTNYGMNWVRQAPGQGLQWMGWINTDSGESTYAEEFKGRFVFSLDTSVNTAYLQITSLTAEDTGMYFCVRVGYDALDYWGQGTLVTVSS;
US 2008/0025980の配列番号24(配列番号13):
QIQLVQSGSELKKPGASVKISCKASGYTFTNYGMNWVKQAPGQGLKWMGWINTDSGESTYAEEFKGRFAFSLDTSVNTAYLQITSLNAEDTGMYFCVRVGYDALDYWGQGTLVTVSS
を含む。
【0021】
1つの態様において、標的化部分は、US 2008/0025980の配列番号18を含む軽鎖およびUS 2008/0025980の配列番号22を含む重鎖を含む。
【0022】
1つの態様において、標的化部分は、AMP-514(MEDI-0680としても公知である)を含む。
【0023】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2010/027827およびWO 2011/066342に開示される、PD-L2-Fc融合タンパク質AMP-224を含む。こうした態様において、標的化部分は、WO2010/027827の配列番号4を含む標的化ドメイン:
LFTVTVPKELYIIEHGSNVTLECNFDTGSHVNLGAITASLQKVENDTSPHRERATLLEEQLPLGKASFHIPQVQVRDEGQYQCIIIYGVAWDYKYLTLKVKASYRKINTHILKVPETDEVELTCQATGYPLAEVSWPNVSVPANTSHSRTPEGLYQVTSVLRLKPPPGRNFSCVFWNTHVRELTLASIDLQSQMEPRTHPTWLLHIFIPFCIIAFIFIATVIALRKQLCQKLYSSKDTTK
RPVTTTKREVNSAI(配列番号14)
および/またはWO2010/027827の配列番号83を含むB7-DC融合タンパク質:
MIFLLLMLSLELQLHQIAALFTVTVPKELYIIEHGSNVTLECNFDTGSHVNLGAITASLQKVENDTSPHRERATLLEEQLPLGKASFHIPQVQVRDEGQYQCIIIYGVAWDYKYLTLKVKASYRKINTHILKVPETDEVELTCQATGYPLAEVSWPNVSVPANTSHSRTPEGLYQVTSVLRLKPPPGRNFSCVFWNTHVRELTLASIDLQSQMEPRTHPTWEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号15)
を含んでよい。
【0024】
1つの態様において、標的化部分は、US 2011/0318373または8,907,053に開示されるペプチドAUNP12または他のペプチドのいずれかを含む。例えば、標的化部分は:
SNTSESFK(SNTSESF)FRVTQLAPKAQIKE-NH2(配列番号16)
【化1】
の配列を有するAUNP12(すなわちUS 2011/0318373の化合物8または配列番号49)を含んでよい。
【0025】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-1抗体1E3、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための1E3またはその抗原結合断片は:
EVQLQQSGPV LVKPGASVKM SCKASGYTFT DYYMNWVKQS HGKSLEWIGN
INPYNGGTTY NQKFKGKATL TVDKSSRTAY MEINSLTSED SAVYYCARGR
IYDGSLDYWG QGTALTVSS (配列番号17)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIQMTQFPSS LCASQGGKVT VTCKASQDIN NYMAWYQHKP GKGPRLLIHY
TSTLLSGIPS RFSGSGSGRD YSFSISNLEP EDIATYYCLQ YDNLWTFGGG
TKLEIK (配列番号18)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0026】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-1抗体1E8、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための1E8またはその抗原結合断片は:
QVQLQQSGAE LAKPGASVRL SCKASGYTFT NYWMHWVKQR PGQGLEWIGH
INPSSGFTTY NQNFKDKATL TADKSSNTAY MQLSSLTYED SAVYFCARED
YDVDYWGQGT TLTVSS (配列番号19)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIVMTQSQKF MSTSVGDRVS VTCKASQSVD TNVAWYQQKP GQSPKALIFS
ASYRYSGVPD RFTGSGSGTD FTLTINSVQS EDLAEYFCQQ YNSYPYTFGS
GTKLEIK (配列番号20)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0027】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-1抗体1H3、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための1H3またはその抗原結合断片は:
EVQLVESGGG LVKPGGSLKL SCAASGFTFS DYGMHWVRQA PEKGLEWVAY
ISSGSYTIYY TDTVKGRFTI SRDNAKNTLF LQMTSLRSED TAMYYCARRG
YGSFYEYYFD YWGQGTTLTV SS (配列番号21)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
QIVLTQSPAL MSASPGEKVT MTCSASSSVS YMYWYQQKPR SSPKPWIYLT
SNLASGVPAR FSGSGSGTSY SLTISSMEAE DAATYYCQQW SSNPFTFGSG
TKLEIK (配列番号22)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0028】
1つの態様において、標的化部分は、例えば、その全開示が本明細書に援用されるUS 8,907,065およびWO 2008/071447に開示されるようなPD-1に対して向けられるVHHを含む。例示的態様において、PD-1に対するVHHは、US 8,907,065の配列番号347~351:
US 8,907,065の配列番号347(配列番号23):
EVQLVESGGGLVQAGKSLRLSCAASGSIFSIHAMGWFRQAPGKEREFVAAITWSGGITYYEDSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAIYYCAADRAESSWYDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号348(配列番号24):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGSIASIHAMGWFRQAPGKEREFVAVITWSGGITYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAIYYCAGDKHQSSWYDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号349(配列番号25):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGSISSIHAMGWFRQAPGKEREFVAAITWSGGITYYADSLKGRFTISRDNAKNTGYLQMNSLKPEDTAIYYCAADRAQSSWYDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号350(配列番号26):
EVQLVESGGGLVQAGGSLGLSCAASGSIFSINAMAWFRQAPGKEREFVALISWSGGSTYYEDSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAIYYCAADRVDSNWYDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号351(配列番号27):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRAFSSGTMGWFRRAPGKEREFVASIPWSGGRIYYADSVKGRFTISRDNAQNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAVKERSTGWDFASWGQCTQVTVSS
を含む。
【0029】
1つの態様において、標的化部分は、その全内容が本明細書に援用されるUS2011/0271358およびWO2010/036959に開示されるような、抗PD-1抗体またはその断片のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗体または抗原結合断片は、US2011/0271358の配列番号25~29:
US2011/0271358の配列番号25(配列番号28):
QVQLVQSGAELKQPGASVKMSCKASGYSFTSSWIHWVKQAPGQGLEWIGYIYPSTGFTEYNQKFKDRATLTADKSTSTAYMELSSLRSEDSAVYYCARWRDSSGYHAMDYWGQGTSVTVS
S;
US2011/0271358の配列番号26(配列番号29):
QVQLVQSGAEVKQPGASVKMSCKASGYSFTSSWIHWVKQAPGQGLEWIGYIYPSTGFTEYNQKFKDRATLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYY3/d10CARWRDSSGYHAMDYWGQGTSVTVSS;
US2011/0271358の配列番号27(配列番号30):
QVQLVQSGHEVKQPGASVKMSCKASGYSFTSSWIHWVKQAPGQGLEWIGYIYPSTGFTEYNQKFKDRATLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARWRDSSGYHAMDYWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号28(配列番号31):
QVQLVQSGHEVKQPGASVKMSCKASGYSFTSSWIHWVRQAPGQGLEWIGYIYPSTGFTEYNQKFKDRATLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARWRDSSGYHAMDYWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号29(配列番号32):
QVQLVQSGHEVKQPGASVKVSCKASGYSFTSSWIHWVRQAPGQGLEWIGYIYPSTGFTEYNQKFKDRATITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARWRDSSGYHAMDYWGQGTLVTVSS
より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはUS2011/0271358の配列番号30~33:
US2011/0271358の配列番号30(配列番号33):
DIVLTQSPASLTLSPGQRLTISCRASQSVSTSGYSYMHWYQQKPDQSPKLLIKFGSNLESGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEEEDFATYYCQHSWEIPYTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号31(配列番号34):
DIVLTQSPATLSLSPGQRLTISCRASQSVSTSGYSYMHWYQQKPDQSPKLLIKFGSNLESGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFATYYCQHSWEIPYTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号32(配列番号35):
EIVLTQSPATLSLSPGQRLTISCRASQSVSTSGYSYMHWYQQKPDQSPKLLIKFGSNLESGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFATYYCQHSWEIPYTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号33(配列番号36):
DIVLTQSPATLSLSPGQRLTISCRASQSVSTSGYSYMHWYQQKPDQSPKLLIKFGSNLESGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQHSWEIPYTFGQGTKLEIK
より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0030】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、TSR-042(Tesaro, Inc.)、REGN2810(Regeneron Pharmaceuticals, Inc.)、PDR001(Novartis Pharmaceuticals)、およびBGB-A317(BeiGene Ltd.)より選択されるPD-1に対して向けられる抗体、またはその抗体断片を含む。
【0031】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、PD-L1に対して向けられる1つの標的化部分を有する。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-L1ポリペプチドを選択的に結合する1つの標的化部分を有する。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-L1ポリペプチドを選択的に結合する、抗体、抗体誘導体または形式、ペプチドまたはポリペプチド、あるいは融合タンパク質を含む。
【0032】
1つの態様において、標的化部分は、抗PD-L1抗体MEDI4736(デュルバルマブとしても公知である)、またはその断片を含む。MEDI4736は、PD-L1に関して選択的であり、PD-1およびCD80受容体へのPD-L1の結合を遮断する。本明細書に提供する方法での使用のためのMEDI4736およびその抗原結合断片は、重鎖および軽鎖または重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。MEDI4736の配列は、その全内容が本明細書に援用されるWO/2016/06272に開示される。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のためのMEDI4736またはその抗原結合断片は:
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFTFS RYWMSWVRQA PGKGLEWVAN
IKQDGSEKYY VDSVKGRFTI SRDNAKNSLY LQMNSLRAED TAVYYCAREG
GWFGELAFDY WGQGTLVTVS SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV
KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ
TYICNVNHKP SNTKVDKRVE PKSCDKTHTC PPCPAPEFEG GPSVFLFPPK
PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVHN AKTKPREEQY
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALPASIEKTI SKAKGQPREP
QVYTLPPSRE EMTKNQVSLT CLVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP
VLDSDGSFFL YSKLTVDKSR WQQGNVFSCS VMHEALHNHY TQKSLSLSPG
K (配列番号37)
のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または:
EIVLTQSPGT LSLSPGERAT LSCRASQRVS SSYLAWYQQK PGQAPRLLIY
DASSRATGIP DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYYCQ QYGSLPWTFG
QGTKVEIKRT VAAPSVFIFP PSDEQLKSGT ASVVCLLNNF YPREAKVQWK
VDNALQSGNS QESVTEQDSK DSTYSLSSTL TLSKADYEKH KVYACEVTHQ
GLSSPVTKSF NRGEC (配列番号38)
のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0033】
例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のためのMEDI4736またはその抗原結合断片は、WO/2016/06272の配列番号4のアミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGWFGELAFDYWGQGTLVTVSS(配列番号39)
を含む重鎖可変領域;および/またはWO/2016/06272の配列番号3のアミノ酸配列:
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQRVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSLPWTFGQGTKVEIK(配列番号40)
を含む軽鎖可変領域を含む。
【0034】
1つの態様において、標的化部分は、抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(MPDL3280A、RG7446としても公知である)、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のためのアテゾリズマブまたはその抗原結合断片は:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号41)
のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号42)
のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0035】
1つの態様において、標的化部分は、抗PD-L1抗体アベルマブ(MSB0010718Cとしても公知である)、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のためのアベルマブまたはその抗原結合断片は:
EVQLLESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFTFS SYIMMWVRQA PGKGLEWVSS
IYPSGGITFY ADTVKGRFTI SRDNSKNTLY LQMNSLRAED TAVYYCARIK
LGTVTTVDYW GQGTLVTVSS ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK
DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT
YICNVNHKPS NTKVDKKVEP KSCDKTHTCP PCPAPELLGG PSVFLFPPKP
KDTLMISRTP EVTCVVVDVS HEDPEVKFNW YVDGVEVHNA KTKPREEQYN
STYRVVSVLT VLHQDWLNGK EYKCKVSNKA LPAPIEKTIS KAKGQPREPQ
VYTLPPSRDE LTKNQVSLTC LVKGFYPSDI AVEWESNGQP ENNYKTTPPV
LDSDGSFFLY SKLTVDKSRW QQGNVFSCSV MHEALHNHYT QKSLSLSPGK
(配列番号43)
のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または:
QSALTQPASV SGSPGQSITI SCTGTSSDVG GYNYVSWYQQ HPGKAPKLMI
YDVSNRPSGV SNRFSGSKSG NTASLTISGL QAEDEADYYC SSYTSSSTRV
FGTGTKVTVL GQPKANPTVT LFPPSSEELQ ANKATLVCLI SDFYPGAVTV
AWKADGSPVK AGVETTKPSK QSNNKYAASS YLSLTPEQWK SHRSYSCQVT
HEGSTVEKTV APTECS (配列番号44)
のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0036】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体BMS-936559(12A4、MDX-1105としても公知である)、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のためのBMS-936559またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKTSGDTFSTYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGKAHYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCARKFHFVSGSPFGMDVWGQGTTVTVSS(配列番号45)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPTFGQGTKVEIK(配列番号46)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0037】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体3G10、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための3G10またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYGFSWVRQAPGQGLEWMGWITAYNGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTVYMELRSLRSDDTAVYYCARDYFYGMDVWGQGTTVTVSS(配列番号47)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLVWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPRTFGQGTKVEIK(配列番号48)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0038】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体10A5、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための10A5またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYDVHWVRQAPGQRLEWMGWLHADTGITKFSQKFQGRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARERIQLWFDYWGQGTLVTVSS(配列番号49)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPEKAPKSLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYNSYPYTFGQGTKLEIK(配列番号50)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0039】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体5F8、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための5F8またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKVSGGIFSTYAINWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANHAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDQGIAAALFDYWGQGTLVTVSS(配列番号51)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIK(配列番号52)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0040】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体10H10、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための10H10またはその抗原結合断片は:
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAVSGFTFDDYVVHWVRQAPGKGLEWVSGISGNSGNIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTALYYCAVPFDYWGQGTLVTVSS(配列番号53)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPEKAPKSLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYNSYPYTFGQGTKLEIK(配列番号54)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0041】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体1B12、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための1B12またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKTSGDTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGRAHYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCARKFHFVSGSPFGMDVWGQGTTVTVSS(配列番号55)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPTFGQGTKVEIK(配列番号56)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0042】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体7H1、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための7H1またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKTSGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGKAHYAQKFQGRVTITADESTTTAYMELSSLRSEDTAVYYCARKYDYVSGSPFGMDVWGQGTTVTVSS(配列番号57)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPTFGQGTKVEIK(配列番号58)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0043】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体11E6、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための11E6またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAINWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGSANYAQKFQDRVTITADESTSAAYMELSSLRSEDTAVYYCARDSSGWSRYYMDVWGQGTTVTVSS(配列番号59)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPFGGGTKVEIK(配列番号60)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0044】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体12B7、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための12B7またはその抗原結合断片は:
QVQLVQSGAEVKEPGSSVKVSCKASGGTFNSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPLFGIAHYAQKFQGRVTITADESTNTAYMDLSSLRSEDTAVYYCARKYSYVSGSPFGMDVWGQGTTVT
VSS(配列番号61)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPTFGQGTRLEIK(配列番号62)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0045】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2013/0309250およびWO2007/005874に開示されるような、抗PD-L1抗体13G4、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための13G4またはその抗原結合断片は:
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGITFDDYGMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNRGRIEYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTALYYCAKGRFRYFDWFLDYWGQGTLVTVSS (配列番号63)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
AIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSALAWYQQKPGKAPKLLIYDASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQFNSYPFTFGPGTKVDIK(配列番号64)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0046】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-L1抗体1E12、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための1E12またはその抗原結合断片は:
EVKLQESGPS LVKPSQTLSL TCSVTGYSIT SDYWNWIRKF PGNKLEYVGY
ISYTGSTYYN PSLKSRISIT RDTSKNQYYL QLNSVTSEDT ATYYCARYGG
WLSPFDYWGQ GTTLTVSS (配列番号65)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIVMTQSHKL MSTSVGDRVS ITCKASQDVG TAVAWYQQKP GQSPKLLIYW
ASTRHTGVPD RFTGSGSGTD FTLTISNVQS EDLADYFCQQ DSSYPLTFGA
GTKVELK (配列番号66)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0047】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-L1抗体1F4、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための1F4またはその抗原結合断片は:
EVQLQESGPG LVAPSQSLSI TCTVSGFSLT TYSINWIRQP PGKGLEWLGV
MWAGGGTNSN SVLKSRLIIS KDNSKSQVFL KMNSLQTDDT ARYYCARYYG
NSPYYAIDYW GQGTSVTVSS (配列番号67)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIVTTQSHKL MSTSVGDRVS ITCKASQDVG TAVAWYQQKP GQSPKLLIYW
ASTRHTGVPD RFTGSGSGTD FTLTISNVQS EDLADYFCQQ DSSYPLTFGA
GTKVELK (配列番号68)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0048】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-L1抗体2G11、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2G11またはその抗原結合断片は:
EVKLQESGPS LVKPSQTLSL TCSVTGYSII SDYWNWIRKF PGNKLEYLGY
ISYTGSTYYN PSLKSRISIT RDTSKNQYYL QLNSVTTEDT ATYYCARRGG
WLLPFDYWGQ GTTLTVSS (配列番号69)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIVMTQSPSS LAVSVGEKVS MGCKSSQSLL YSSNQKNSLA WYQQKPGQSP
KLLIDWASTR ESGVPDRFTG SGSGTDFTLT ISSVKAEDLA VYYCQQYYGY
PLTFGAGTKL ELK (配列番号70)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0049】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738に開示されるような、抗PD-L1抗体3B6、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための3B6またはその抗原結合断片は:
EVKLQESGPS LVKPGASVKL SCKASGYTFT SYDINWVKQR PGQGLEWIGW
IFPRDNNTKY NENFKGKATL TVDTSSTTAY MELHSLTSED SAVYFCTKEN
WVGDFDYWGQ GTTLTLSS (配列番号71)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
DIVMTQSPAI MSASPGEKVT MTCSASSSIR YMHWYQQKPG TSPKRWISDT
SKLTSGVPAR FSGSGSGTSY ALTISSMEAE DAATYYCHQR SSYPWTFGGG
TKLEIK (配列番号72)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0050】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 2014/0044738およびWO2012/145493に開示されるような、抗PD-L1抗体3D10、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための3D10またはその抗原結合断片は:
EVQLQQSGPD LVTPGASVRI SCQASGYTFP DYYMNWVKQS HGKSLEWIGD
IDPNYGGTTY NQKFKGKAIL TVDRSSSTAY MELRSLTSED SAVYYCARGA
LTDWGQGTSL TVSS (配列番号73)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
QIVLSQSPAI LSASPGEKVT MTCRASSSVS YIYWFQQKPG SSPKPWIYAT
FNLASGVPAR FSGSGSGTSY SLTISRVETE DAATYYCQQW SNNPLTFGAG
TKLELK (配列番号74)
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0051】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS2011/0271358およびWO2010/036959に開示される抗PD-L1抗体のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗体またはその抗原結合断片は、US2011/0271358の配列番号34~38:
US2011/0271358の配列番号34(配列番号75):
EVQLVQSGPELKKPGASVKMSCKASGYTFTSYVMHWVKQAPGQRLEWIGYVNPFNDGTKYNEMFKGRATLTSDKSTSTAYMELSSLRSEDSAVYYCARQAWGYPWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号35(配列番号76):
EVQLVQSGAEVKKPGASVKMSCKASGYTFTSYVMHWVKQAPGQRLEWIGYVNPFNDGTKYNEMFKGRATLTSDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQAWGYPWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号36(配列番号77):
EVQLVQSGAEVKKPGASVKMSCKASGYTFTSYVMHWVRQAPGQRLEWIGYVNPFNDGTKYNEMFKGRATLTSDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQAWGYPWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号37(配列番号78):
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYVMHWVRQAPGQRLEWIGYVNPFNDGTKYNEMFKGRATLTSDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQAWGYPWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号38(配列番号79):
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYVMHWVRQAPGQRLEWIGYVNPFNDGTKYNEMFKGRATITSDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQAWGYPWGQGTLVTVSS;
より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖および/またはUS2011/0271358の配列番号39~42:
US2011/0271358の配列番号39(配列番号80):
DIVLTQSPASLALSPGERATLSCRATESVEYYGTSLVQWYQQKPGQPPKLLIYAASSVDSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEEEDAAMYFCQQSRRVPYTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号40(配列番号81):
DIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRATESVEYYGTSLVQWYQQKPGQPPKLLIYAASSVDSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEAEDAAMYFCQQSRRVPYTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号41(配列番号82):
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRATESVEYYGTSLVQWYQQKPGQPPKLLIYAASSVDSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEAEDAAMYFCQQSRRVPYTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号42(配列番号83):
DIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRATESVEYYGTSLVQWYQQKPGQPPKLLIYAASSVDSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEAEDAATYFCQQSRRVPYTFGQGTKLEIK
より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0052】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体2.7A4、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2.7A4またはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号2(配列番号84):
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSTYSMNWVRQAPGKGLEWVSSISSSGDYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLKAEDTAVYYCARDLVTSMVAFDYWGQGTLVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号7(配列番号85):
SYELTQPPSVSVSPGQAARITCSGDALPQKYVFWYQQKSGQAPVLVIYEDSKRPSGIPERFSGSSSGTMATLTISGAQVEDEADYYCYSTDRSGNHRVFGGGTRLTVL
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0053】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体2.9D10、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2.9D10またはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号12(配列番号86):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGGEQYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDWNYGYYDMDVWGQGTTVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号17(配列番号87):
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSNYLAWFQQKPGQAPRLLIFGTSSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSIFTFGPGTKVDIK
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0054】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体2.14H9、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2.14H9またはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号22(配列番号88):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGWFGELAFDYWGQGTLVTVS

のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号27(配列番号89):
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQRVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSLPWTFGQGTEVEIK
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0055】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体2.20A8、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2.20A8またはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号32(配列番号90):
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSNYAMSWVRQAPGKGLEWVSAIRGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKDLHYDSSGYLDYWGQGTLVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号37(配列番号91):
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIRSWLAWYQQKPGKAPKLLIYAISRLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQANSFPLTFGGGTKVEIK
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0056】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体3.15G8、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための3.15G8またはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号42(配列番号92):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGGEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARVQLYSDYFDYWGQGTLVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号47(配列番号93):
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKSGKAPKLLIYAASGLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDLATYYCQQSHSLPPTFGQGTKVEIK
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0057】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体3.18G1、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための3.18G1またはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号52(配列番号94):
EVQLLESGGDLVQPGGSLRLSCAASGFTFNSYAMSWVRQAPGKGLEWVSTISGSGGFTFSADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRVEDSAVYSCAKVLVGFNNGCWDYWGQGTLVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号57(配列番号95):
SYVLTQPPSVSVAPGQTARITCGGNNIGSKSVHWYQQKPGQAPVLVVYDDSDRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISRVEAGDEADYYCQVWDSSNDHVVFGGGTKLTVL
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0058】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体2.7A4OPT、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2.7A4OPTまたはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号62(配列番号96):
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSTYSMNWVRQAPGKGLEWVSSISSSGDYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDLVTSMVAFDYWGQGTLVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号67(配列番号97):
SYELTQPPSVSVSPGQTARITCSGDALPQKYVFWYQQKSGQAPVLVIYEDSKRPSGIPERFSGSSSGTMATLTISGAQVEDEADYYCYSTDRSGNHRVFGGGTKLTVL
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0059】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2011/066389、US8,779,108、およびUS2014/0356353に開示されるような、抗PD-L1抗体2.14H9OPT、またはその断片を含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための2.14H9OPTまたはその抗原結合断片は:
WO 2011/066389の配列番号72(配列番号98):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGWFGELAFDYWGQGTLVTVSS
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または:
WO 2011/066389の配列番号77(配列番号99):
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQRVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSLPWTFGQGTKVEIK
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0060】
1つの態様において、標的化部分は、その全内容が本明細書に援用されるWO2016/061142に開示される抗PD-L1抗体のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗体またはその抗原結合断片は、WO2016/061142の配列番号18、30、38、46、50、54、62、70、および78:
WO2016/061142の配列番号18(配列番号100):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWMYWVRQATGQGLEWMGRIDPNSGSTKYNEKFKNRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号30(配列番号101):
EVQLVQSGAEVKKPGATVKISCKVSGYTFTSYWMYWVRQATGQGLEWMGRIDPNSGSTKYNEKFKNRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号38(配列番号102):
EVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGYTFTSYWMYWVRQAPGQGLEWMGRIDPNSGSTKYNEKFKNRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号46(配列番号103):
EVQLVQSGAEVKKPGATVKISCKVSGYTFTSYWMYWIRQSPSRGLEWLGRIDPNSGSTKYNEKFKNRLTISKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号50(配列番号104):
EVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGYTFTSYWMYWIRQPPGKGLEWIGRIDPNSGSTKYNEKFKNRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号54(配列番号105):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWMYWIRQSPSRGLEWLGRIDPNSGSTKYNEKFKNRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号62(配列番号106):
EVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGYTFTSYWMYWVRQARGQRLEWIGRIDPNSGSTKYNEKFKNRLTISKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号70(配列番号107):
QITLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGYTFTSYWMYWVRQAPGKGLEWVSRIDPNSGSTKYNEKFKNRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS;
WO2016/061142の配列番号78(配列番号108):
EVQLVQSGAEVKKPGATVKISCKVSGYTFTSYWMYWVRQARGQRLEWIGRIDPNSGSTKYNEKFKNRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDYRKGLYAMDYWGQGTTVTVSS
より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはUS2016/061142の配列番号22、26、34、42、58、66、74、82、および86:
WO2016/061142の配列番号22(配列番号109):
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号26(配列番号110):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号34(配列番号111):
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号42(配列番号112):
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK.
WO2016/061142の配列番号58(配列番号113):
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGIPPRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号66(配列番号114):
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKASQDVGTAVAWYQQKPGQAPRLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号74(配列番号115):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGQAPRLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号82(配列番号116):
AIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYLQKPGQSPQLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK;
WO2016/061142の配列番号86(配列番号117):
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGQAPRLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYNSYPLTFGQGTKVEIK
より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0061】
1つの態様において、標的化部分は、その全内容が本明細書に援用されるWO2016/022630に開示される抗PD-L1抗体のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗体または抗原結合断片は、WO2016/022630の配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、および46:
WO2016/022630の配列番号2(配列番号118):
EVKLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFIFRSYGMSWVRQTPEKRLEWVASISSGGSTYYPDSVKGRFTISRDNARNILYLQMSSLRSEDTAMYDCARGYDSGFAYWGQGTLVTVSE;
WO2016/022630の配列番号6(配列番号119):
EVKLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFRSYGMSWVRQTPEKRLEWVASISSGGTTYYPDSVKGRFIISRDNARNILYLQMSSLRSEDTAMYYCAKGYDSGFAYWGQGTLVIVSA;
WO2016/022630の配列番号10(配列番号120):
QVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTTYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWRGVTTDYNAAFMSRLTITKDNSKSQVFFKMNSLQANDTAIYYCARLGFYAMDYWGQGTSVTVSS;
WO2016/022630の配列番号14(配列番号121):
QVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTSYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGVTDYNAAFISRLSISKDNSKSQVFFKMNSLQANDTAIYYCARLGFYAMDYWGQGTSVTVSS;
WO2016/022630の配列番号18(配列番号122):
EVKLFESGGGLVQPGGSLKLSCVASGFDFSTYWMHWVRQAPGQGLEWIGQINPDSTTINYAPSLKDRFIISRDNAKNTLFLQMSKVRSEDTALYYCAKPGDYGYDFDCWGQGTTLTVSS;
WO2016/022630の配列番号22(配列番号123):
EVQLQESGPSLVKPSQTLSLTCSVTGDSITSGYWNWIRKFPGNKLEYMGYISYSGSTYYNPSLKSRISITRDTSKNQYYLQLNSVTTEDTATYYCARSLLWFSTGFAYWGQGTLVTVSA;
WO2016/022630の配列番号26(配列番号124):
QVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTSYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGITDYNAAFKSRLSISKDNSKSQVFFKMNSLQANDTAIYFCARLGFYAMDYWGQGTSVTVSS;
WO2016/022630の配列番号30(配列番号125):
EVKLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFRSYGMSWARQIPEKRLEWVASISSGGTTYYLGSVQGRFTISRDNARNILYLQMSSLRSEDTAMYYCARGYDAGFAYWGQGTLVSVSE;
WO2016/022630の配列番号34(配列番号126):
EVQLQESGPSLVKPSQTLSLTCSVTGDSITSGYWTWIRKFPGNKLEYMGYISYTGSTYYNPSLKSRISISRDTSKSQYYLQLNSVTTEDTATYYCARQRDWLGFAYWGQGTLVTVSA;
WO2016/022630の配列番号38(配列番号127):
EEKLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFSFSSYGMSWVRQTPEKRLEWVASISSGGSIYYPDSVKGRFTISRDNARNILYLQMSSLRSEDTAMYYCARGYDAGFAFWGQGTLVTASA;
WO2016/022630の配列番号42(配列番号128):
QITLKESGPTLVKPTQTLTLTCTVSGFSLSTYGVHWIRQPPGKALEWLGVIWRGVTTDYNAAFMSRLTITKDNSKNQVVLTMNNMDPVDTATYYCARLGFYAMDYWGQGTLVTVSS;
WO2016/022630の配列番号46(配列番号129):
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFIFRSYGMSWVRQAPGKGLEWVASISSGGSTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYDCARGYDSGFAYWGQGTLVTVSS
より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはWO2016/022630の配列番号4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、および48:
WO2016/022630の配列番号4(配列番号130):
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASQSVSTSSSSFMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDTATYYCQHSWEIPYTFGGGTKLEIKR;
WO2016/022630の配列番号8(配列番号131):
DIVLTQSPPSLAVSLGQRATISCRASQSVSTSSSSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDTATYYCQHSWEIPYTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号12(配列番号132):
SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGQSPKLLIYYAANRYTGVPDRFTGSGYGTDFTFTISIVQAEDLAVYFCQQDYTSPYTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号16(配列番号133):
SIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVGWYQQKPGQSPKLLIYYASNRYSGVPDRFTGSGYGTDFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYTSPYTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号20(配列番号134):
DVLMTQTPLYLPVSLGDQASISCRSSQIIVHSNANTYLEWFLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPYTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号24(配列番号135):
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTLTCSASSSVSSSYLYWNQQKPGSSPKVWIYNTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAASYFCHQWRSYPPTLGAGTKLELK;
WO2016/022630の配列番号28(配列番号136):
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSANSSVSYMHWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMGAEDAATYYCQQWSSNPWTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号32(配列番号137):
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASQSVSTSSYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDTATYYCQNSWEIPYTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号36(配列番号138):
DIVMTQTPSSLAVSLGEKVTMSCKSSQSLLYSSNQKNSLAWYQQKPGQSPKLLIYWASNRESGVPDRFTGSSSGTDFTLTISSVKAEDLAVYYCQQYYSYPLTFGAGTKLELK;
WO2016/022630の配列番号40(配列番号139):
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASQSVSTSSYSYVHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDTATYYCQHSWEIPYTFGGGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号44(配列番号140):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVSNDVAWYQQKPGKAPKLLIYYAANRYTGVPDRFSGSGYGTDFTFTISSLQPEDIATYFCQQDYTSPYTFGQGTKLEIK;
WO2016/022630の配列番号48(配列番号141):
DIVLTQSPASLAVSPGQRATITCRASQSVSTSSSSFMHWYQQKPGQPPKLLIKYASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLTINPVEANDTANYYCQHSWEIPYTFGQGTKLEIK
より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0062】
1つの態様において、標的化部分は、その全内容が本明細書に援用されるWO2015/112900に開示される抗PD-L1抗体のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗体または抗原結合断片は、WO2015/112900の配列番号38、50、82、および86:
WO2015/112900の配列番号38(配列番号142):
EVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGYTFTTYWMHWVRQATGQGLEWMGNIYPGTGGSNFDEKFKNRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTRWTTGTGAYWGQGTTVTVSS;
WO 2015/112900の配列番号50(配列番号143):
EVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGYTFTTYWMHWIRQSPSRGLEWLGNIYPGTGGSNFDEKFKNRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTRWTTGTGAYWGQGTTVTVSS;
WO 2015/112900の配列番号82(配列番号144):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTTYWMHWIRQSPSRGLEWLGNIYPGTGGSNFDEKFKNRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTRWTTGTGAYWGQGTTVTVSS;
WO 2015/112900の配列番号86(配列番号145):
EVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGYTFTTYWMHWVRQAPGQGLEWMGNIYPGTGGSNFDEKFKNRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTRWTTGTGAYWGQGTTVTVSS
より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはWO2015/112900の配列番号42、46、54、58、62、66、70、74、および78:
WO2015/112900の配列番号42(配列番号146):
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGQAPRLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号46(配列番号147):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGQAPRLLIYWASTRESGIPPRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号54(配列番号148):
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号58(配列番号149):
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGQAPRLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号62(配列番号150):
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号66(配列番号151):
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGQAPRLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号70(配列番号152):
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGQAPRLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号74(配列番号153):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYLQKPGQSPQLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK;
WO 2015/112900の配列番号78(配列番号154):
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLDSGNQKNFLTWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLEAEDAATYYCQNDYSYPYTFGQGTKVEIK
より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0063】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるWO 2010/077634、およびUS8,217,149に開示される抗PD-L1抗体のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗PD-L1抗体またはその抗原結合断片は:
WO 2010/077634の配列番号20(配列番号155):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSA
のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または
WO 2010/077634の配列番号21(配列番号156):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKR
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0064】
1つの態様において、標的化部分は、その全開示が本明細書に援用されるUS 20120039906に開示されるような、CNCM寄託番号CNCM I-4122、CNCM I-4080およびCNCM I-4081下でアクセス可能なハイブリドーマから得られる抗PD-L1抗体のいずれか1つを含む。
【0065】
1つの態様において、標的化部分は、例えば、その全開示が本明細書に援用されるUS 8,907,065およびWO 2008/071447に開示されるような、PD-L1に対して向けられるVHHを含む。例示的態様において、PD-L1に対するVHHは、US 8,907,065の配列番号394~399:
US 8,907,065の配列番号394(配列番号157):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTLDYYAIGWFRQAPGKEREWASSISSSDGSTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVFLQMNSLKPEDTAVYSCAASQAPITIATMMKPFYDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号395(配列番号158):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTLDYYAKCWFRQAPGKEREWVSCISSSDGSTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYFCAARHGGPLTVEYFFDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号396(配列番号159):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFDYYAIGWFRQAPGKAREGVSCISGGDNSTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCATGGWKYCSGYDPEYIYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号397(配列番号160):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGSTFSQYDVGWYRQAPGKQRELVAFSSSGGRTIYPDSVKGRFTFSRDNTKNTVYLQMTSLKPEDTAVYYCKIDWYLNSYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号398(配列番号161):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGVDASNSAMGWYRQAPGKQREWVARITGGGLIAYTDSVKGRFTISRDNAKSTVYLQMNSLEPEDTAVYYCNTINSRDGWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号399(配列番号162):
EVQLVESGGGLVQAGGSLTISCAASGITFSDSIVSWYRRARGKQREWVAGISNGGTTKYAESVLGRFTISRDNAKNNVYLQMNGLNPEDTAVYLCKVRQYWGQGTQVTVSS
を含む。
【0066】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、PD-L2に対して向けられる1つの標的化部分を有する。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-L2ポリペプチドを選択的に結合する1つの標的化部分を含む。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PD-L2ポリペプチドを選択的に結合する、抗体、抗体誘導体または形式、ペプチドまたはポリペプチド、あるいは融合タンパク質を含む。
【0067】
1つの態様において、標的化部分は、例えば、その全開示が本明細書に援用されるUS 8,907,065およびWO 2008/071447に開示されるような、PD-L2に対して向けられるVHHを含む。例示的態様において、PD-1に対するVHHは、US 8,907,065の配列番号449~455:
US 8,907,065の配列番号449(配列番号163):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASESTVLINAMGWYRQAPGKQRELVASISSGGSTNYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCNADVYPQDYGLGYVEGKVYYGHDYWGTGTLVTVSS;
US 8,907,065の配列番号450(配列番号164):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGSTFSNYVSNYAMGWGRQAPGTQRELVASISNGDTTNYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCFEHQVAGLTWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号451(配列番号165):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCVASGXALKIXVMGWYRQAPGKQRELVAAITSGGRTNYSDSVKGRFTISGDNAXNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCREWNSGYPPVDYWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号452(配列番号166):
EVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRTFSSGTMGWFRRAPGKEREFVASIPWSGGRTYYADSVKDRFTISRDNAQNTVFLQMNSLKPEDTAVYYCAFKERSTGWDFASWGQGIQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号453(配列番号167):
EVQLVESGGGLVQTGGSLRLSCAASGFTLDYYGIGWFRQAPGKEREGVSFISGSDGSTYYAESVKGRFTISRDKAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAADPWGPPSIATMTSYEYKHWGQGTQVTVSS;
US 8,907,065の配列番号454(配列番号168):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSTYTMIWLRRAPGKGFEWVSTIDKDGNTNYVDSVKGRFAVSRDNTKNTLYLQMNSLKPEDTAMYYCTKHGSSARGQGTRVTVSS;
US 8,907,065の配列番号455(配列番号169):
EVQLVESGGGLVEPGGSLRLSCVASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTINSGGGITYRGSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMNSLKPEDTAVYYCENGGSSYRRGQGTQVTVSS
を含む。
【0068】
1つの態様において、標的化部分は、その全内容が本明細書に援用されるUS2011/0271358およびWO2010/036959に開示される抗PD-L2抗体のいずれか1つを含む。例示的態様において、本明細書に提供する方法での使用のための抗体またはその抗原結合断片は、US2011/0271358の配列番号43~47:
US2011/0271358の配列番号43(配列番号170):
QVQLVQSGAELKKPGASVKMSCKASGYTFTGYTMHWVKQAPGQGLEWIGYINPRSGYTEYNQKFKDRTTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDSAVYYCARPWFAYWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号44(配列番号171):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKMSCKASGYTFTGYTMHWVKQAPGQGLEWIGYINPRSGYTEYNQKFKDRTTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARPWFAYWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号45(配列番号172):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKMSCKASGYTFTGYTMHWVRQAPGQGLEWIGYINPRSGYTEYNQKFKDRTTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARPWFAYWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号46(配列番号173):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYTMHWVRQAPGQGLEWIGYINPRSGYTEYNQKFKDRTTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARPWFAYWGQGTLVTVSS;
US2011/0271358の配列番号47(配列番号174):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYTMHWVRQAPGQGLEWIGYINPRSGYTEYNQKFKDRTTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARPWFAYWGQGTLVTVSS
より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはUS2011/0271358の配列番号48~51:
US2011/0271358の配列番号48(配列番号175):
DIVMTQSPASLTVTPGEKVTITCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号49(配列番号176):
DIVMTQSPASLSVTPGEKVTITCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号50(配列番号177):
DIVMTQSPAFLSVTPGEKVTITCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKLEIK;
US2011/0271358の配列番号51(配列番号178):
DIVMTQSPAFLSVTPGEKVTITCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKLEIK
より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0069】
多様な態様において、本発明の標的化部分は、本明細書に開示する配列のいずれかに、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一(例えば、本明細書に開示する配列のいずれかと、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%、または約100%の配列同一性)である、PD-1、PD-L1、および/またはPD-L2を標的とする配列を含んでよい。
【0070】
多様な態様において、本発明の標的化部分は、本明細書に開示するようなPD-1、PD-L1、および/またはPD-L2を標的とする重鎖、軽鎖、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、相補性決定領域(CDR)、およびフレームワーク領域配列の任意の組み合わせを含んでよい。
【0071】
PD-1、PD-L1および/またはPD-L2を選択的に結合するまたは標的とするさらなる抗体、抗体誘導体または形式、ペプチドまたはポリペプチド、あるいは融合タンパク質は、その全開示が本明細書に援用される、WO 2011/066389、US 2008/0025980、US 2013/0034559、US 8,779,108、US 2014/0356353、US 8,609,089、US 2010/028330、US 2012/0114649、WO 2010/027827、WO 2011,/066342、US 8,907,065、WO 2016/062722、WO 2009/101611、WO2010/027827、WO 2011/066342、WO 2007/005874 、WO 2001/014556、US2011/0271358、WO 2010/036959、WO 2010/077634、US 8,217,149、US 2012/0039906、WO 2012/145493、US 2011/0318373、米国特許8,779,108、US 20140044738、WO 2009/089149、WO 2007/00587、WO 2016061142、WO 2016,02263、WO 2010/077634、およびWO 2015/112900に開示される。
【0072】
修飾シグナル伝達剤
1つの側面において、本発明は、シグナル伝達剤(例えば、免疫調節剤)を含むキメラタンパク質を提供する。多様な態様において、シグナル伝達剤は、減少した活性を有するように修飾される。いくつかの態様において、シグナル伝達剤は、1またはそれより多いその受容体に対する減少したアフィニティを有するように修飾され、これはキメラタンパク質の活性の減弱化を可能にし、かつ/または非特異的なシグナル伝達または望ましくない隔絶を防止する。多様な態様において、修飾シグナル伝達剤の活性は、特定の細胞タイプを標的とする標的化部分をさらに含むキメラタンパク質の背景で、回復される。特に、修飾シグナル伝達剤の活性は、標的細胞に対して回復されるが、非標的細胞に対しては回復されない。したがって、多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、標的細胞での増進した特異性および有効性、ならびにより低い全身毒性を含む減少した副作用などの療法的利点を提供する。
【0073】
多様な態様において、シグナル伝達剤は、免疫調節剤、例えばインターロイキン、インターフェロン、および腫瘍壊死因子の1またはそれより多く、の修飾型より選択される。
【0074】
いくつかの態様において、シグナル伝達剤は、例えばIL-1;IL-2;IL-3;IL-4;IL-5;IL-6;IL-7;IL-8;IL-9;IL-10;IL-11;IL-12;IL-13;IL-14;IL-15;IL-16;IL-17;IL-18;IL-19;IL-20;IL-21;IL-22;IL-23;IL-24;IL-25;IL-26;IL-27;IL-28;IL-29;IL-30;IL-31;IL-32;IL-33;IL-35;IL-36、あるいはその断片、変異体、類似体、またはファミリーメンバーを含む、インターロイキンの修飾型である。
【0075】
いくつかの態様において、シグナル伝達剤は、I、II、およびIII型インターフェロンなどの、インターフェロンの修飾型である。例示的インターフェロンは、例えば、インターフェロン-α-1、2、4、5、6、7、8、10、13、14、16、17、および21、インターフェロン-βおよびインターフェロン-γ、インターフェロンκ、インターフェロンε、インターフェロンτ、およびインターフェロンωを含む。
【0076】
いくつかの態様において、シグナル伝達剤は、TNF-α、TNF-β、LT-β、CD40L、CD27L、CD30L、FASL、4-1BBL、OX40L、およびTRAILを含むがこれらに限定されない、腫瘍壊死因子(TNF)またはTNFファミリーのタンパク質の修飾型である。
【0077】
多様な態様において、シグナル伝達剤は、1またはそれより多い突然変異を有する、シグナル伝達剤の修飾(例えば突然変異体)型である。多様な態様において、突然変異は、修飾シグナル伝達剤が、非修飾のまたは非変異の、すなわち野生型のシグナル伝達剤に比較して(例えば同じシグナル伝達剤を野生型対修飾(例えば突然変異体)型で比較して)、1またはそれより多い減少した結合アフィニティ、減少した内因性活性、および減少した特異的生物活性などの1またはそれより多い減弱活性を有することを可能にする。いくつかの態様において、結合またはアフィニティを減弱させるまたは減少させる突然変異は、結合または活性を実質的に減少させるまたは除去する突然変異を含む。いくつかの態様において、結合またはアフィニティを減弱させるまたは減少させる突然変異は、結合または活性を実質的に減少させるまたは除去する突然変異とは異なる。その結果、多様な態様において、突然変異は、シグナル伝達剤が、非変異の、すなわち野生型のシグナル伝達剤と比較して(例えば同じシグナル伝達剤を野生型対修飾(例えば突然変異体)型で比較して)、より安全である、例えば減少した全身毒性、減少した副作用、および減少したオフターゲット効果を有することを可能にする。本明細書に記載するように、シグナル伝達剤は、1またはそれより多い修飾、例えば突然変異により、改善された安全性を有し得る。多様な態様において、改善された安全性は、本発明のキメラタンパク質が、より低い毒性(例えば全身毒性および/または組織/臓器関連毒性);および/または減少したまたは実質的に除去された副作用;および/または増加した寛容性、減少したまたは実質的に除去された不都合な事象;および/または減少したまたは実質的に除去されたオフターゲット効果;および/または増加した療法ウィンドウを提供することを意味する。
【0078】
多様な態様において、シグナル伝達剤は、1またはそれより多いその受容体に対する結合アフィニティまたは活性を減少させる、1またはそれより多い突然変異を有するように修飾される。いくつかの態様において、シグナル伝達剤は、受容体に対する結合アフィニティまたは活性を実質的に減少させるまたは除去する1またはそれより多い突然変異を有するように修飾される。いくつかの態様において、野生型シグナル伝達剤によって提供される活性は、受容体でのアゴニズム(例えば療法の部位での細胞効果の活性化)である。例えば、野生型シグナル伝達剤は、その受容体を活性化できる。こうした態様において、突然変異は、受容体での活性化活性が減少したまたは除去された修飾シグナル伝達剤を生じる。例えば、突然変異は、標的細胞に減少した活性化シグナルを送達する修飾シグナル剤を生じることもでき、または活性化シグナルが除去され得る。いくつかの態様において、野生型シグナル伝達剤によって提供される活性は、受容体でのアンタゴニズム(例えば療法の部位での細胞効果の遮断または減衰)である。例えば、野生型シグナル伝達剤は、受容体をアンタゴナイズまたは阻害できる。これらの態様において、突然変異は、受容体で減少したまたは除去されたアンタゴナイズ活性を有する修飾シグナル伝達剤を生じる。例えば、突然変異は、標的細胞に減少した阻害シグナルを送達する修飾シグナル剤を生じることもでき、または阻害シグナルが除去され得る。多様な態様において、シグナル伝達剤は、1またはそれより多い突然変異によりアンタゴニスト性であり、例えばアゴニスト性シグナル伝達剤がアンタゴニスト性シグナル伝達剤に変換され(例えばその全内容が本明細書に援用されるWO 2015/007520に記載されるように)、このような変換されたシグナル伝達剤は、場合によってまた、1またはそれより多いその受容体に対する結合アフィニティまたは活性を減少させるか、あるいは1またはそれより多いその受容体に対する結合アフィニティまたは活性を実質的に減少させるか除去する、1またはそれより多い突然変異を有する。いくつかの態様において、受容体での減少したアフィニティまたは活性は、標的化部分との付着によって回復可能である。他の態様において、受容体での減少したアフィニティまたは活性は、標的化部分との付着により実質的に回復可能ではない。
【0079】
多様な態様において、本発明のキメラタンパク質は、シグナル伝達剤が受容体での結合アフィニティまたは活性を弱めるまたは除去する突然変異を有するため、オフターゲット効果を減少させる。多様な態様において、この副作用の減少は、例えば野生型シグナル伝達剤と比較して観察される。多様な態様において、シグナル伝達剤は、標的化部分が実質的な活性化に必要な、失われた/不十分な結合(例えば限定なしにおよび/またはアビディティ)を補償するため、標的細胞に対して活性である。多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、療法活性の部位への途上では実質的に不活性であり、特異的に標的とされる細胞タイプに対して実質的にその効果を有し、これは望ましくない副作用を非常に減少させる。
【0080】
いくつかの態様において、シグナル伝達剤は、1つの受容体(すなわち療法受容体)に対する結合またはアフィニティを減弱させるか減少させる1またはそれより多い突然変異、および第二の受容体での結合または活性を実質的に減少させるか除去する1またはそれより多い突然変異を含んでよい。こうした態様において、これらの突然変異は、同じ位置でまたは異なる位置であってよい(すなわち同じ突然変異または複数の突然変異)。いくつかの態様において、1つの受容体での結合および/または活性を減少させる突然変異(単数または複数)は、別の受容体で実質的に減少させるまたは除去する突然変異(単数または複数)とは異なる。いくつかの態様において、1つの受容体での結合および/または活性を減少させる突然変異(単数または複数)は、別の受容体で実質的に減少させるまたは除去する突然変異(単数または複数)と同じである。いくつかの態様において、本発明のキメラタンパク質は、療法的受容体で結合および/または活性を減弱させしたがってより制御されたオンターゲット療法効果(例えば野生型シグナル伝達剤に比較して)を可能にする突然変異、および別の受容体での結合および/または活性を実質的に減少させるまたは除去ししたがって副作用を減少させる(例えば野生型シグナル伝達剤に比較して)突然変異の両方を有する、修飾シグナル伝達剤を有する。
【0081】
いくつかの態様において、結合または活性の実質的な減少または除去は、標的化部分により実質的に回復可能ではない。いくつかの態様において、結合または活性の実質的な減少または除去は、標的化部分により実質的に回復可能である。多様な態様において、第二の受容体での結合または活性の実質的な減少または除去はまた、他の受容体によって仲介される有害な効果も防止できる。あるいは、またはさらに、他の受容体での結合または活性の実質的な減少または除去は、療法作用部位から離れた療法キメラタンパク質の減少したまたは除去された隔絶があるため、療法効果の改善を引き起こす。例えば、いくつかの態様において、これは、他の受容体での損失を補償する本発明のキメラタンパク質の高用量の必要性を取り除く。用量を減少させるこうした能力は、副作用のより低い可能性をさらに提供する。
【0082】
多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、シグナル伝達剤が、1またはそれより多いその受容体に関して、減少した、実質的に減少した、または除去されたアフィニティ、例えば結合(例えばK)および/または活性化(例えば、修飾シグナル伝達剤がその受容体のアゴニストである場合、例えばKおよび/またはEC50として測定できる)および/または阻害(例えば、修飾シグナル伝達剤がその受容体のアンタゴニストである場合、例えばKおよび/またはIC50として測定できる)を有するようにする、1またはそれより多い突然変異を含む。多様な態様において、シグナル伝達剤の受容体での減少したアフィニティは、活性(アゴニズムまたはアンタゴニズムを含む)の減弱化を可能にする。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、野生型シグナル伝達剤に比較して、約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約10%~20%、約20%~40%、約50%、約40%~60%、約60%~80%、約80%~100%の受容体に対するアフィニティを有する。いくつかの態様において、結合アフィニティは、野生型シグナル伝達剤に比較して、少なくとも約2倍低く、約3倍低く、約4倍低く、約5倍低く、約6倍低く、約7倍低く、約8倍低く、約9倍低く、少なくとも約10倍低く、少なくとも約15倍低く、少なくとも約20倍低く、少なくとも約25倍低く、少なくとも約30倍低く、少なくとも約35倍低く、少なくとも約40倍低く、少なくとも約45倍低く、少なくとも約50倍低く、少なくとも約100倍低く、少なくとも約150倍低く、または約10~50倍低く、約50~100倍低く、約100~150 倍低く、約150~200倍低く、または200倍を超えて低い。
【0083】
キメラタンパク質が1つの受容体で結合を減少させ、かつ第二の受容体で結合を実質的に減少させるか除去する突然変異を有する態様において、1つの受容体に対する修飾シグナル伝達剤の結合アフィニティの減弱または減少は、他の受容体に対するアフィニティの実質的な減少または除去より少ない。いくつかの態様において、1つの受容体に対する修飾シグナル伝達剤の結合アフィニティの減弱または減少は、他の受容体に対するアフィニティの実質的な減少または除去より約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%少ない。多様な態様において、実質的な減少または除去は、減弱または減少よりも結合アフィニティおよび/または活性のより大きな減少を指す。
【0084】
多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、シグナル伝達剤の内因性活性を、例えば野生型シグナル伝達剤に比較して、約75%、または約70%、または約60%、または約50%、または約40%、または約30%、または約25%、または約20%、または約10%、または約5%、または約3%、または約1%に減少させる1またはそれより多い突然変異を含む。
【0085】
いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、シグナル伝達剤が、その受容体に対する標的化部分の結合アフィニティより低い、その受容体に対する減少したアフィニティを有するようにする、1またはそれより多い突然変異を含む。いくつかの態様において、この結合アフィニティの差は、同じ細胞上のシグナル伝達剤/受容体と標的化部分/受容体の間である。いくつかの態様において、この結合アフィニティの差は、シグナル伝達剤、例えば突然変異シグナル伝達剤が、局在化されたオンターゲット効果を有し、かつ野生型シグナル伝達剤で観察される副作用の根底にあるオフターゲット効果を最小限にすることを可能にする。いくつかの態様において、この結合アフィニティは、少なくとも約2倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約15倍低く、または少なくとも約25倍、または少なくとも約50倍低く、または少なくとも約100倍、または少なくとも約150倍である。
【0086】
受容体結合活性は、当該技術分野に公知の方法を用いて測定できる。例えば、アフィニティおよび/または結合活性は、スキャッチャードプロット分析および結合データのコンピュータ適合(例えばScatchard、1949)によって、またはBrechtら(1993)によって記載されるようなフロースルー条件下での屈折率干渉分光測定によって、評価でき、それらすべての全内容は本明細書に援用される。
【0087】
本明細書記載の野生型シグナル伝達剤のアミノ酸配列は当該技術分野に周知である。したがって、多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、本明細書記載のシグナル伝達剤の公知の野生型アミノ酸配列と、少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0088】
多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、本明細書に開示する配列のいずれかと、少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0089】
多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、1またはそれより多いアミノ酸突然変異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、1またはそれより多い突然変異は、置換、挿入、欠失、および一部切除より独立に選択されてよい。
【0090】
いくつかの態様において、アミノ酸突然変異はアミノ酸置換であり、保存的および/または非保存的置換を含んでよい。
【0091】
「保存的置換」は、例えば、関与するアミノ酸残基の極性、電荷、サイズ、可溶性、疎水性、親水性、および/または両親媒性での類似に基づいて行われてよい。20の天然存在アミノ酸は、以下の6つの標準的アミノ酸群にグループ分けされうる:(1)疎水性:Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;および(6)芳香族性:Trp、Tyr、Phe。
【0092】
本明細書において使用される「保存的置換」は、あるアミノ酸の、上記に示す6つの標準的アミノ酸グループの同じグループ内に列挙される別のアミノ酸による交換と定義される。例えばGluによるAspの交換は、こうして修飾されたポリペプチドにおいて、1つの負電荷を保持する。さらに、グリシンおよびプロリンは、α-らせんを破壊するそれらの能力に基づいて、互いに置換されてよい。
【0093】
本明細書において使用される「非保存的置換」は、あるアミノ酸の、上記に示す6つの標準的アミノ酸グループ(1)~(6)の異なる群に列挙される別のアミノ酸による交換と定義される。
【0094】
多様な態様において、置換はまた、非古典的アミノ酸(例えばセレノシステイン、ピロリジン、N-ホルミルメチオニンβ―アラニン、GABAおよびδ-アミノレブリン酸、4-アミノ安息香酸(PABA)、一般的なアミノ酸のD-異性体、2,4-ジアミノ酪酸、α-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、Abu、2-アミノ酪酸、γ-Abu、ε-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、ザルコシン(sarcosme)、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β-アラニン、フルオロアミノ酸、デザイナーアミノ酸、例えばβメチルアミノ酸、Cα-メチルアミノ酸、Nα-メチルアミノ酸、および一般にアミノ酸類似体)を含んでよい。
【0095】
本明細書に記載するように、修飾シグナル伝達剤は、1またはそれより多い受容体でアフィニティおよび/または活性に影響を及ぼす突然変異を有する。多様な態様において、療法受容体、例えば所望の療法効果を仲介する受容体(例えばアゴニズムまたはアンタゴニズム)で、減少したアフィニティおよび/または活性がある。多様な態様において、修飾シグナル伝達剤は、受容体、例えば所望の療法効果を仲介しない受容体でアフィニティおよび/または活性を実質的に減少させるまたは除去する(例えば結合の混乱の結果として)突然変異を有する。任意の修飾シグナル伝達剤、例えば本明細書に記載されるサイトカイン、増殖因子、およびホルモンの1つ、の受容体は、当該技術分野で公知である。
【0096】
受容体での減少したアフィニティおよび/または活性(例えばアゴニスト性)を提供する例示的な突然変異は、各々その全内容が本明細書に援用されるWO 2013/107791(例えばインターフェロンに関する)、WO 2015/0007542(例えばインターロイキンに関する)、およびWO 2015/007903(TNFに関する)に見いだされる。療法受容体での減少したアフィニティおよび/または活性(例えばアンタゴニスト性)を提供する例示的突然変異は、その全内容が本明細書に援用される、WO2015/007520に見いだされる。
【0097】
いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、シグナル伝達剤が、I型サイトカイン受容体、II型サイトカイン受容体、および腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーの受容体に対して、減少したアフィニティおよび/または活性を有するようにする、1またはそれより多い突然変異を含む。
【0098】
多様な態様において、シグナル伝達剤に関する受容体は、I型サイトカイン受容体である。I型サイトカイン受容体は当該技術分野で公知であり、限定されないが、IL2(ベータサブユニット)、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL9、IL11、IL12、GM-CSF、G-CSF、LIF、CNTFに関する受容体、およびまたトロンボポエチン(TPO)、プロラクチン、および成長ホルモンに関する受容体を含む。例示的なI型サイトカイン受容体は、限定されないが、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、LIF受容体、CNTF受容体、TPO受容体、およびI型IL受容体を含む。
【0099】
多様な態様において、シグナル伝達剤に関する受容体は、II型サイトカイン受容体である。II型サイトカイン受容体は、異種サブユニットで構成される多量体受容体であり、主にインターフェロンに関する受容体である。この受容体ファミリーは、限定されないが、インターフェロン-α、インターフェロン-βおよびインターフェロン-γ、IL10、IL22、および組織因子に関する受容体を含む。例示的なII型サイトカイン受容体は、限定されないが、IFN-α受容体(例えばIFNAR1およびIFNAR2)、IFN-β受容体、IFN-γ受容体(例えばIFNGR1およびIFNGR2)、およびII型IL受容体を含む。
【0100】
多様な態様において、シグナル伝達剤に関する受容体は、TNFRファミリーメンバーである。腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリーメンバーは、CXXCXXCのコアモチーフ周囲に3つのジスルフィド結合で形成されるシステインリッチドメイン(CRD)を共有し、伸長した分子を生成する。例示的な腫瘍壊死因子受容体ファミリーメンバーは:CDl 20a(TNFRSFlA)、CD 120b(TNFRSFlB)、リンホトキシンベータ受容体(LTBR、TNFRSF3)、CD 134(TNFRSF4)、CD40(CD40、TNFRSF5)、FAS(FAS、TNFRSF6)、TNFRSF6B(TNFRSF6B)、CD27(CD27、TNFRSF7)、CD30(TNFRSF8)、CD137(TNFRSF9)、TNFRSFlOA(TNFRSFlOA)、TNFRSFlOB、(TNFRSFlOB)、TNFRSFlOC(TNFRSFlOC)、TNFRSFlOD(TNFRSFlOD)、RANK(TNFRSFI lA)、オステオプロテジェリン(TNFRSFl IB)、TNFRSF12A(TNFRSF12A)、TNFRSF13B(TNFRSF13B)、TNFRSF13C(TNFRSF13C)、TNFRSF14(TNFRSF14)、神経増殖因子受容体(NGFR、TNFRSF16)、TNFRSF17(TNFRSF17)、TNFRSF18(TNFRSF18)、TNFRSF19(TNFRSF19)、TNFRSF21(TNFRSF21)、およびTNFRSF25(TNFRSF25)を含む。
【0101】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、インターフェロンαである。こうした態様において、修飾IFN-α剤は、IFN-α/β受容体(IFNAR)、すなわちIFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾IFN-α剤は、IFN-α/β受容体(IFNAR)、すなわちIFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0102】
IFN-α2などのインターフェロンαの突然変異型は、当業者に公知である。例示的態様において、修飾シグナル伝達剤は:
IFN-α2a(配列番号179):
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRKISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEACVIQGVGVTETPLMKEDSILAVRKYFQRITLYLKEKKYSPCAWEVVRAEIMRSFSLSTNLQESLRSKE
のアミノ酸配列を有するアレル型IFN-α2aである。
【0103】
例示的態様において、修飾シグナル伝達剤は:
IFN-α2b(配列番号180):
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRRISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEACVIQGVGVTETPLMKEDSILAVRKYFQRITLYLKEKKYSPCAWEVVRAEIMRSFSLSTNLQESLRSKE
のアミノ酸配列(アミノ酸23位でIFN-α2aと異なる)を有するアレル型IFN-α2bである。
【0104】
いくつかの態様において、上記IFN-α2突然変異体(IFN-α2aまたはIFN-α2b)は、144~154位での1またはそれより多いアミノ酸、例えばアミノ酸148、149および/または153位で変異されている。いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、L153A、R149A、およびM148Aより選択される1またはそれより多い突然変異を含む。こうした突然変異体は、例えば、その全内容が本明細書に援用される、WO2013/107791およびPiehlerら(2000)J. Biol. Chem, 275:40425-33に記載される。
【0105】
いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、IFNAR1に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、その全内容が本明細書に援用されるWO2010/030671に記載されるように、F64A、N65A、T69A、L80A、Y85A、およびY89Aより選択される1またはそれより多い突然変異を含む。
【0106】
いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、その全内容が本明細書に援用されるWO2008/124086に記載されるように、K133A、R144A、R149A、およびL153Aより選択される1またはそれより多い突然変異を含む。
【0107】
いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、R120位に突然変異を含む。いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、その全内容が本明細書に援用されるWO2015/007520およびWO2010/030671に記載されるように、R120EおよびR120E/K121Eより選択される1またはそれより多い突然変異を含む。こうした態様において、上記IFN-α2突然変異体は、野生型IFN-α2活性をアンタゴナイズする。こうした態様において、上記突然変異体IFN-α2はIFNAR1に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する一方、IFNR2のアフィニティおよび/または活性は保持される。
【0108】
いくつかの態様において、INF-α2突然変異体は、(1)理論によって束縛されることは望ましくないが、アンタゴニスト性効果を生じる、R120EおよびR120E/K121Eより選択される1またはそれより多い突然変異、ならびに(2)理論によって束縛されることは望ましくないが、例えばIFNAR2で減弱された効果を可能にする、K133A、R144A、R149A、およびL153Aより選択される1またはそれより多い突然変異、を含む。いくつかの態様において、IFN-α2突然変異体は、R120E突然変異およびR149AまたはL153Aのいずれかを含む。1つの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、R120EおよびL153Aを含む。
【0109】
いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、その全開示が本明細書に援用されるWO2013/059885に開示されるように、L15A、A19W、R22A、R23A、L26A、F27A、L30A、L30V、K31A、D32A、R33K、R33A、R33Q、H34A、D35A、Q40A、D114R、L117A、R120A、R125A、K134A、R144A、A145G、A145M、M148A、R149A、S152A、L153A、およびN156Aより選択される1またはそれより多い突然変異を含む。いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、WO2013/059885に開示されるように、突然変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはL30Aを含む。いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、WO2013/059885に開示されるように、突然変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはR33Aを含む。いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、WO2013/059885に開示されるように、突然変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはM148Aを含む。いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、WO2013/059885に開示されるように、突然変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはL153Aを含む。いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、WO2013/059885に開示されるように、突然変異N65A、L80A、Y85A、および/またはY89Aを含む。いくつかの態様において、ヒトIFN-α2突然変異体は、WO2013/059885に開示されるように、突然変異N65A、L80A、Y85A、Y89A、および/またはD114Aを含む。
【0110】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、インターフェロンβである。こうした態様において、修飾インターフェロンβ剤は、IFN-α/β受容体(IFNAR)、すなわちIFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾インターフェロンβ剤は、IFN-α/β受容体(IFNAR)、すなわちIFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0111】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、インターフェロンγである。こうした態様において、修飾インターフェロンγ剤は、インターフェロンガンマ受容体(IFNGR)、すなわちIFNGR1およびIFNGR2鎖に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾インターフェロンγ剤は、インターフェロンガンマ受容体(IFNGR)、すなわちIFNGR1およびIFNGR2鎖に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0112】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNF-αである。TNFは、細胞増殖、分化、アポトーシス、腫瘍発生、ウイルス複製、自己免疫、免疫細胞機能および輸送、炎症、ならびに敗血症ショックの制御を含む、多くの多様な機能を持つ多面的なサイトカインである。TNFは、標的細胞上の2つの別個の膜受容体:TNFR1(p55)およびTNFR2(p75)に結合する。TNFR1は非常に広い発現パターンを示す一方、TNFR2はリンパ球、Treg、内皮細胞、特定のニューロン、マイクログリア、心筋細胞および間葉系幹細胞の特定の集団上で優先的に発現される。受容体活性化に応答して、非常に特異的な生物学的経路が活性化されるが、ある程度の重複もある。一般的な規則として、理論によって束縛されることは望ましくないが、TNFR1シグナル伝達はアポトーシス(細胞死)の誘導と関連し、TNFR2シグナル伝達は細胞生存シグナル(例えばNFκB経路の活性化)と関連する。TNFの投与は全身毒性であり、これは主に、TNFR1関与のためである。しかし、TNFR2の活性化もまた広範囲の活性と関連し、TNFR1と同様に、TNFに基づく療法剤の開発の背景において、TNF標的化および活性の制御が重要である。
【0113】
いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNFR1および/またはTNFR2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNFR1および/またはTNFR2に対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。TNFR1は大部分の組織において発現され、細胞死シグナル伝達に関連するが、対照的に、TNFR2は細胞生存シグナル伝達に関与する。したがって、癌を治療する方法に対して向けられる態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNFR1に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有し、かつ/またはTNFR2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。これらの態様において、キメラタンパク質は、アポトーシスが望ましい細胞、例えば腫瘍細胞または腫瘍血管系内皮細胞に標的化されてよい。例えば神経変性障害の治療のための神経形成における、細胞生存を促進する方法に向けられた態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNFR2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有し、かつ/またはTNFR1に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。言い換えると、本発明のキメラタンパク質は、いくつかの態様において、死または生存シグナルのいずれかを優先することを可能にする修飾TNF-α剤を含む。
【0114】
いくつかの態様において、キメラタンパク質は、TNFR1に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有し、かつ/またはTNFR2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する修飾TNFを有する。こうしたキメラは、いくつかの態様において、野生型TNF、および/またはTNFR1に対して減少したアフィニティおよび/または活性を引き起こす突然変異(単数または複数)のみを有するキメラに比較して、より強力なアポトーシス誘導剤である。こうしたキメラは、いくつかの態様において、腫瘍細胞死または腫瘍血管系内皮細胞死を誘導する際に使用を見出す(例えば癌の治療において)。やはりいくつかの態様において、これらのキメラは、例えばTNFR2を通じてTreg細胞の活性化を回避するかまたは減少させ、したがってさらに、TNFR1が仲介する抗腫瘍活性をin vivoで支持する。
【0115】
いくつかの態様において、キメラタンパク質は、TNFR2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有し、かつ/またはTNFR1に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する修飾TNFを有する。こうしたキメラは、いくつかの態様において、いくつかの細胞種における細胞生存のより強力な活性化剤であり、これは、限定なしに神経形成の刺激を含む、多様な疾患セッティングにおいて、特定の療法的目的でありうる。さらに、こうしたTNFR2優先キメラはまた、自己免疫疾患(例えばクローン病、糖尿病、MS、大腸炎等、および本明細書に記載する多くの他のもの)の治療においても有用である。いくつかの態様において、キメラは自己反応性T細胞を標的とする。いくつかの態様において、キメラは、Treg細胞活性化および細胞傷害性T細胞の間接的抑制を促進する。
【0116】
いくつかの態様において、キメラは、自己反応性T細胞の死を、例えばTNFR2の活性化および/またはTNFR1の回避(例えばTNFR2に対する減少したアフィニティおよび/または活性、ならびに/あるいはTNFR1に対する実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する修飾TNF)によって引き起こす。理論によって束縛されることは望ましくないが、これらの自己反応性T細胞は、例えばNFkB経路活性/シグナル伝達改変によって、それらのアポトーシス/生存シグナルを改変させる。
【0117】
いくつかの態様において、TNFR2に基づくキメラは、とりわけ、多様な自己免疫疾患、心疾患、脱ミエリンおよび神経変性障害、ならびに感染性疾患を含む疾患において、さらなる療法適用を有する。
【0118】
1つの態様において、野生型TNF-αは:
TNF-α(配列番号181)
VRSSSRTPSDKPVAHVVANPQAEGQLQWLNRRANALLANGVELRDNQLVVPSEGLYLIYSQVLFKGQGCPSTHVLLTHTISRIAVSYQTKVNLLSAIKSPCQRETPEGAEAKPWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSAEINRPDYLDFAESGQVYFGIIAL
のアミノ酸配列を有する。
【0119】
こうした態様において、修飾TNF-α剤は、減少した受容体結合アフィニティを持つ修飾TNF-αを生じる、1またはそれより多いアミノ酸位29、31、32、84、85、86、87、88、89、145、146および147での突然変異を有する。例えばその全内容が本明細書に援用される米国特許第7,993,636号を参照されたい。
【0120】
いくつかの態様において、修飾ヒトTNF-α部分は、例えば、その全内容が本明細書に援用されるWO/2015/007903に記載されるように、1またはそれより多いアミノ酸位R32、N34、Q67、H73、L75、T77、S86、Y87、V91、I97、T105、P106、A109、P113、Y115、E127、N137、D143、およびA145で突然変異を有する(番号付けは、ヒトTNF配列、Genbank寄託番号BAG70306、バージョンBAG70306.1 Gl: 197692685による)。いくつかの態様において、修飾ヒトTNF-α部分は、R32G、N34G、Q67G、H73G、L75G、L75A、L75S、T77A、S86G、Y87Q、Y87L、Y87A、Y87F、V91G、V91A、I97A、I97Q、I97S、T105G、P106G、A109Y、P113G、Y115G、Y115A、E127G、N137G、D143N、A145GおよびA145Tより選択される置換突然変異を有する。1つの態様において、ヒトTNF-α部分は、Y87Q、Y87L、Y87A、およびY87Fより選択される突然変異を有する。別の態様において、ヒトTNF-α部分は、I97A、I97Q、およびI97Sより選択される突然変異を有する。さらなる態様において、ヒトTNF-α部分は、Y115AおよびY115Gより選択される突然変異を有する。
【0121】
いくつかの態様において、修飾TNF-α剤は、その全内容が本明細書に援用されるWO2008/124086に記載されるように、N39Y、S147Y、およびY87Hより選択される1またはそれより多い突然変異を有する。
【0122】
いくつかの態様において、修飾ヒトTNF-α部分は、その全内容が本明細書に援用されるPCT/IB2016/001668に記載されるような受容体選択性を提供する突然変異を有する。いくつかの態様において、TNFに対する突然変異は、TNF-R1選択性である。いくつかの態様において、TNF-R1選択性であるTNFに対する突然変異は、R32、S86、およびE146位の1またはそれより多くにおいてである。いくつかの態様において、TNF-R1選択性であるTNFに対する突然変異は、R32W、S86T、およびE146Kの1またはそれより多くである。いくつかの態様において、TNF-R1選択性であるTNFに対する突然変異は、R32W、R32W/S86T、R32W/E146KおよびE146Kの1またはそれより多くである。いくつかの態様において、TNFに対する突然変異は、TNF-R2選択性である。いくつかの態様において、TNF-R2選択性であるTNFに対する突然変異は、A145、E146、およびS147位の1またはそれより多くにおいてである。いくつかの態様において、TNF-R2選択性であるTNFに対する突然変異は、A145T、A145R、E146D、およびS147Dの1またはそれより多くである。いくつかの態様において、TNF-R2選択性であるTNFに対する突然変異は、A145R、A145T/S147D、およびA145T/E146D/S147D位の1またはそれより多くである。
【0123】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNF-βである。TNF-βは、ホモ三量体またはLT-βとのヘテロ三量体(LT-α1β2)を形成できる。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、TNFR1および/またはTNFR2および/またはヘルペスウイルス進入仲介因子(HEVM)および/またはLT-βRに対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0124】
1つの態様において、野生型TNF-βは:
TNF-β(配列番号182)
LPGVGLTPSAAQTARQHPKMHLAHSNLKPAAHLIGDPSKQNSLLWRANTDRAFLQDGFSLSNNSLLVPTSGIYFVYSQVVFSGKAYSPKATSSPLYLAHEVQLFSSQYPFHVPLLSSQKMVYPGLQEPWLHSMYHGAAFQLTQGDQLSTHTDGIPHLVLSPSTVFFGAFAL
のアミノ酸配列を有する。
【0125】
こうした態様において、修飾TNF-β剤は、TNFR2に対して減少した受容体結合アフィニティを持つ修飾TNF-βを生じる、106~113位の1またはそれより多いアミノ酸で突然変異を含んでよい。1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、アミノ酸位106~113で1またはそれより多い置換突然変異を有する。例示的態様において、置換突然変異は、Q107E、Q107D、S106E、S106D、Q107R、Q107N、Q107E/S106E、Q107E/S106D、Q107D/S106E、およびQ107D/S106Dより選択される。別の態様において、修飾シグナル伝達剤は、106~113位で約1~約3アミノ酸の挿入を有する。
【0126】
いくつかの態様において、修飾剤は、その全内容が本明細書に援用されるWO 2015/007903に記載されるような、一本鎖三量体型であってよいTNFファミリーメンバー(例えばTNF-アルファ、TNF-ベータ)である。
【0127】
いくつかの態様において、修飾剤は、TNFR1で、減少したアフィニティおよび/または活性、すなわちアンタゴニスト性活性(例えば天然のアンタゴニスト性活性、あるいは1またはそれより多い突然変異の結果であるアンタゴニスト性活性、例えばその全内容が本明細書に援用されるWO 2015/007520を参照されたい)を有するTNFファミリーメンバー(例えばTNF-アルファ、TNF-ベータ)である。これらの態様において、修飾剤は、場合によって、TNFR2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性も有するTNFファミリーメンバー(例えばTNF-アルファ、TNF-ベータ)である。いくつかの態様において、修飾剤は、TNFR2で、減少したアフィニティおよび/または活性、すなわちアンタゴニスト性活性(例えば天然のアンタゴニスト性活性、あるいは1またはそれより多い突然変異の結果であるアンタゴニスト性活性、例えばその全内容が本明細書に援用されるWO 2015/007520を参照されたい)を有するTNFファミリーメンバー(例えばTNF-アルファ、TNF-ベータ)である。これらの態様において、修飾剤は、場合によって、TNFR1に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性も有するTNFファミリーメンバー(例えばTNF-アルファ、TNF-ベータ)である。こうした態様の構築物は、例えば、細胞特異的様式でTNF応答を弱める方法に使用を見出す。いくつかの態様において、アンタゴニスト性TNFファミリーメンバー(例えばTNF-アルファ、TNF-ベータ)は、WO2015/007903に記載されるような一本鎖三量体型である。
【0128】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、TRAILである。いくつかの態様において、修飾TRAIL剤は、DR4(TRAIL-RI)および/またはDR5(TRAIL-RII)および/またはDcR1および/またはDcR2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾TRAIL剤は、DR4(TRAIL-RI)および/またはDR5(TRAIL-RII)および/またはDcR1および/またはDcR2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0129】
1つの態様において、野生型TRAILは:
TRAIL
MAMMEVQGGPSLGQTCVLIVIFTVLLQSLCVAVTYVYFTNELKQMQDKYSKSGIACFLKEDDSYWDPNDEESMNSPCWQVKWQLRQLVRKMILRTSEETISTVQEKQQNISPLVRERGPQRVAAHITGTRGRSNTLSSPNSKNEKALGRKINSWESSRSGHSFLSNLHLRNGELVIHEKGFYYIYSQTYFRFQEEIKENTKNDKQMVQYIYKYTSYPDPILLMKSARNSCWSKDAEYGLYSIYQGGIFELKENDRIFVSVTNEHLIDMDHEASFFGAFLVG
のアミノ酸配列を有する。
【0130】
こうした態様において、修飾TRAIL剤は、アミノ酸位T127-R132、E144-R149、E155-H161、Y189-Y209、T214-1220,K224-A226、W231、E236-L239、E249-K251、T261-H264およびH270-E271(番号付けはヒト配列、Genbank寄託番号NP _003801、バージョン10 NP _003801.1、Gl:4507593に基づく;上記を参照されたい)で突然変異を含んでよい。
【0131】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1である。1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1αまたはIL-1βである。1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1βである。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1R1および/またはIL-1RAcPに対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1R1および/またはIL-1RAcPに対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1R2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-1R2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。例えば、いくつかの態様において、本発明の修飾IL-1剤は、IL-1R2での相互作用を回避し、したがって療法剤のデコイおよび/またはシンクとしての機能を実質的に減少させる。
【0132】
1つの態様において、野生型IL-1βは:
IL-1β(成熟型、野生型)
APVRSLNCTLRDSQQKSLVMSGPYELKALHLQGQDMEQQVVFSMSFVQGEESNDKIPVALGLKEKNLYLSCVLKDDKPTLQLESVDPKNYPKKKMEKRFVFNKIEINNKLEFESAQFPNWYISTSQAENMPVFLGGTKGGQDITDFTMQFVSS(配列番号183)
のアミノ酸配列を有する。
【0133】
IL1は炎症促進性サイトカインであり、重要な免疫系制御因子である。IL1は、CD4 T細胞応答の強力な活性化因子であり、Th17細胞の比率、ならびにIFNγおよびIL-4産生細胞の拡大を増加させる。IL-1はまたCD8 T細胞の強力な制御因子であり、抗原特異的CD8 T細胞拡大、分化、末梢への遊走および記憶を増進させる。IL-1受容体は、IL-1R1およびIL-1R2を含む。IL-1R1への結合およびIL-1R1を通じたシグナル伝達は、それによりIL-1がその生物学的(および病理学的)活性の多くを仲介する機構を構成する。IL1-R2はデコイ受容体として機能でき、それによってIL-1R1を通じた相互作用およびシグナル伝達に関するIL-1利用可能性を減少させる。
【0134】
いくつかの態様において、修飾IL-1は、IL-1R1に対して減少したアフィニティおよび/または活性(例えばアゴニスト性活性)を有する。いくつかの態様において、修飾IL-1は、IL-1R2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。こうした態様において、回復可能なIL-1/IL-1R1シグナル伝達およびIL-R2での療法キメラ喪失の防止があり、したがって必要とされるIL-1用量が減少する(例えば野生型またはIL-R1に対する減弱突然変異のみを有するキメラに比較して)。こうした構築物は、例えば抗癌応答を生じさせるように免疫系を刺激することを含む、例えば、癌を治療する方法において使用を見出す。
【0135】
いくつかの態様において、修飾IL-1は、IL-1R1に対して減少したアフィニティおよび/または活性(例えばアンタゴニスト性活性、例えば天然のアンタゴニスト性活性、あるいは1またはそれより多い突然変異の結果であるアンタゴニスト性活性、例えばその全内容が本明細書に援用されるWO 2015/007520を参照されたい)を有する。いくつかの態様において、修飾IL-1は、IL-1R2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。こうした態様において、回復可能でないIL-1/IL-1R1シグナル伝達およびIL-R2での療法キメラ喪失の防止があり、したがって必要とされるIL-1用量が減少する(例えば野生型またはIL-R1に対する減弱突然変異のみを所持するキメラに比較して)。こうした構築物は、例えば免疫系を抑制することを含む、例えば、自己免疫疾患を治療する方法において使用を見出す。
【0136】
こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、I型IL-1Rに対する減少した結合アフィニティおよび減少した生物学的活性を有する修飾ヒトIL-1βを産生する、アミノ酸52~54の欠失を有する。例えば、その全内容が本明細書に援用される、WO 1994/000491を参照されたい。いくつかの態様において、修飾ヒトIL-1βは、その全内容が本明細書に援用されるWO2015/007542およびWO/2015/007536に記載されるように、IL-1Rに対する減少した結合を示す、A117G/P118G、R120X、L122A、T125G/L126G、R127G、Q130X、Q131G、K132A、S137G/Q138Y、L145G、H146X、L145A/L147A、Q148X、Q148G/Q150G、Q150G/D151A、M152G、F162A、F162A/Q164E、F166A、Q164E/E167K、N169G/D170G、I172A、V174A、K208E、K209X、K209A/K210A、K219X、E221X、E221S/N224A、N224S/K225S、E244K、N245Q(式中、Xはアミノ酸における任意の変化、例えば非保存的変化であってよい)より選択される1またはそれより多い置換突然変異を有する(番号付けは、ヒトIL-1β配列、Genbank寄託番号NP_000567、バージョンNP-000567.1、Gl: 10835145に基づく)。いくつかの態様において、修飾ヒトIL-1βは、R120A、R120G、Q130A、Q130W、H146A、H146G、H146E、H146N、H146R、Q148E、Q148G、Q148L、K209A、K209D、K219S、K219Q、E221SおよびE221Kより選択される1またはそれより多い突然変異を有してよい。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異Q131GおよびQ148Gを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異Q148GおよびK208Eを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびQ131Gを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Aを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Nを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Rを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Eを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Aを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Nを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Rを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Eを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Gを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびK208Eを含む。1つの態様において、修飾ヒトIL-1βは、突然変異R120G、F162A、およびQ164Eを含む。
【0137】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤はIL-2である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγに対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-2Rβおよび/またはIL-2Rγに対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-2Rαに対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。こうした態様は、癌を治療するために、例えば修飾IL-2がIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγでアゴニスト性である場合、適切である。例えば、本発明の構築物は、IL2受容体βおよびγを有するCD8 T細胞(抗腫瘍効果を提供しうる)の減弱された活性化を優先でき、かつIL2受容体α、β、およびγを有するTreg(免疫抑制性の腫瘍促進効果を提供しうる)を優先しないことも可能である。さらに、いくつかの態様において、IL-2RαよりもIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγを優先することは、肺浮腫などのIL-2副作用を回避する。また、IL-2に基づくキメラは、自己免疫疾患の治療に、例えば修飾IL-2がIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγでアンタゴニスト性である(例えば天然アンタゴニスト性活性あるいは1またはそれより多い突然変異の結果であるアンタゴニスト性活性、例えばその全内容が本明細書に援用されるWO2015/007520を参照されたい)場合に有用である。例えば、本発明の構築物は、IL2受容体βおよびγを有するCD8 T細胞の減弱された抑制を優先し(したがって免疫応答を弱め)、かつIL2受容体α、βおよびγを有するTregを優先しないことも可能である。あるいは、いくつかの態様において、IL-2を有するキメラは、Tregの活性化を優先し、したがって免疫抑制、およびCD8 T細胞の不利な活性化を優先する。例えば、これらの構築物は、疾患の治療または免疫抑制から利益を得るであろう疾患、例えば自己免疫障害の治療に使用を見出す。
【0138】
いくつかの態様において、キメラタンパク質は、本明細書に記載するように、CD8 T細胞に向けられた標的化部分、ならびにIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγに対する減少したアフィニティおよび/または活性、ならびに/あるいはIL-2Rαに対して実質的に減少したかまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する修飾IL-2剤を有する。いくつかの態様において、これらの構築物は、標的とされるCD8 T細胞活性を提供し、一般的にTreg細胞に対して不活性である(または実質的に減少した活性を有する)。いくつかの態様において、こうした構築物は、野生型IL-2に比較して増進した免疫刺激効果を有し(例えば理論によって束縛されることは望ましくないがが、Tregを刺激しないことによって)、一方IL-2に関連する全身毒性を除去するかまたは減少させる。
【0139】
1つの態様において、野生型IL-2は:
IL-2(成熟、野生型)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号184)
のアミノ酸配列を有する。
【0140】
こうした態様において、修飾IL-2剤は、アミノ酸L72(L72G、L72A、L72S、L72T、L72Q、L72E、L72N、L72D、L72R、またはL72K)、F42(F42A、F42G、F42S、F42T、F42Q、F42E、F42N、F42D、F42R、またはF42K)およびY45(Y45A、Y45G、Y45S、Y45T、Y45Q、Y45E、Y45N、Y45D、Y45RまたはY45K)で1またはそれより多い突然変異を有する。理論によって束縛されることは望ましくないが、これらの修飾IL-2剤は、野生型IL-2に比較した際、高アフィニティIL-2受容体に対して減少したアフィニティを有し、かつ中程度のアフィニティのIL-2受容体に対するアフィニティを保持すると考えられる。例えば、その全内容が本明細書に援用される米国特許公報第2012/0244112号を参照されたい。
【0141】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-3である。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、共通のベータ(ベータcまたはCD131)サブユニットと対形成したユニークなアルファ鎖を有するヘテロ二量体であるIL-3受容体に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、共通のベータ(ベータcまたはCD131)サブユニットと対形成したユニークなアルファ鎖を有するヘテロ二量体であるIL-3受容体に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0142】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-4である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、1型および/または2型IL-4受容体に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、1型および/または2型IL-4受容体に対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。1型IL-4受容体は、共通γ鎖とIL-4Rαサブユニットで構成され、IL-4を特異的に結合する。2型IL-4受容体は、IL-13Rα1として公知である異なるサブユニットに結合したIL-4Rαサブユニットを含む。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、2型IL-4受容体に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0143】
1つの態様において、野生型IL-4は:
IL-4(成熟型、野生型)
HKCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHHEKDTRCLGATAQQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS(配列番号185)
のアミノ酸配列を有する。
【0144】
こうした態様において、修飾IL-4剤は、アミノ酸R121(R121A、R121D、R121E、R121F、R121H、R121I、R121K、R121N、R121P、R121T、R121W)、E122(E122F)、Y124(Y124A、Y124Q、Y124R、Y124S、Y124T)およびS125(S125A)で1またはそれより多い突然変異を有する。理論によって束縛されることは望ましくないが、これらの修飾IL-4剤は、1型受容体によって仲介される活性を維持するが、他の受容体によって仲介される生物学的活性を有意に減少させる。例えば、その全内容が本明細書に援用される米国特許第6,433,157号を参照されたい。
【0145】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-6である。IL-6は、リガンド結合性IL-6R鎖(CD126)およびシグナル伝達構成要素gp130を含む細胞表面I型サイトカイン受容体複合体を通じてシグナル伝達する。IL-6はまた、IL-6Rの細胞外部分である、IL-6Rの可溶性型(sIL-6R)にも結合可能である。sIL-6R/IL-6複合体は、神経突起伸長およびニューロン生存に関与する可能性があり、したがって再ミエリン化を通じた神経再生で重要でありうる。したがって、いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-6R/gp130および/またはsIL-6Rに対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-6R/gp130および/またはsIL-6Rに対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0146】
1つの態様において、野生型IL-6は:
IL-6(成熟型、野生型)
APVPPGEDSKDVAAPHRQPLTSSERIDKQIRYILDGISALRKETCNKSNMCESSKEALAENNLNLPKMAEKDGCFQSGFNEETCLVKIITGLLEFEVYLEYLQNRFESSEEQARAVQMSTKVLIQFLQKKAKNLDAITTPDPTTNASLTTKLQAQNQWLQDMTTHLILRSFKEFLQSSLRALRQM(配列番号186)
のアミノ酸配列を有する。
【0147】
こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、アミノ酸58、160、163、171または177で1またはそれより多い突然変異を有する。理論によって束縛されることは望ましくないが、これらの修飾IL-6剤は、IL-6Rアルファに対する減少した結合アフィニティおよび減少した生物学的活性を示す。例えば、その全内容が本明細書に援用されるWO97/10338を参照されたい。
【0148】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-10である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-10受容体-1およびIL-10受容体-2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-10受容体-1およびIL-10受容体-2に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0149】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-11である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-11Rαおよび/またはIL-11Rβおよび/またはgp130に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-11Rαおよび/またはIL-11Rβおよび/またはgp130に対して実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0150】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-12である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-12Rβ1および/またはIL-12Rβ2に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-12Rβ1および/またはIL-12Rβ2に対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0151】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-13である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-4受容体(IL-4Rα)およびIL-13Rα1に対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-4受容体(IL-4Rα)およびIL-13Rα1に対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0152】
1つの態様において、野生型IL-13は:
IL-13(成熟型、野生型)
SPGPVPPSTALRELIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRFN(配列番号187)
のアミノ酸配列を有する。
【0153】
こうした態様において、修飾IL-13剤は、アミノ酸13、16、17、66、69、99、102、104、105、106、107、108、109、112、113および114で1またはそれより多い突然変異を有する。理論によって束縛されることは望ましくないが、これらの修飾IL-13剤は、減少した生物学的活性を示す。例えば、その全内容が本明細書に援用されるWO 2002/018422を参照されたい。
【0154】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-18である。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-18Rαおよび/またはIL-18Rβに対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-18Rαおよび/またはIL-18Rβに対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、シグナル伝達に必要なTIRドメインを欠くIL-18Rαのアイソフォームである、II型IL-18Rαに対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0155】
1つの態様において、野生型IL-18は:
IL-18(野生型)
MAAEPVEDNCINFVAMKFIDNTLYFIAEDDENLESDYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNEDL(配列番号188)
のアミノ酸配列を有する。
【0156】
こうした態様において、修飾IL-18剤は、その全内容が本明細書に援用されるWO/2015/007542に記載されるように、Y37-K44、R49-Q54、D59-R63、E67-C74、R80、M87-A97、N127-K129、Q139-M149、K165-K171、R183およびQ190-N191より選択されるアミノ酸またはアミノ酸領域に1またはそれより多い突然変異を含んでよい(番号付けは、ヒトIL-18配列番号、Genbank寄託番号AAV38697、バージョンAAV38697.1、Gl: 54696650に基づく)。
【0157】
1つの態様において、修飾シグナル伝達剤は、IL-33である。こうした態様において、修飾シグナル伝達剤は、ST-2受容体およびIL-1RAcPに対して減少したアフィニティおよび/または活性を有する。いくつかの態様において、修飾シグナル伝達剤は、ST-2受容体およびIL-1RAcPに対して、実質的に減少したまたは除去されたアフィニティおよび/または活性を有する。
【0158】
1つの態様において、野生型IL-33は:
IL-33(野生型)
MKPKMKYSTNKISTAKWKNTASKALCFKLGKSQQKAKEVCPMYFMKLRSGLMIKKEACYFRRETTKRPSLKTGRKHKRHLVLAACQQQSTVECFAFGISGVQKYTRALHDSSITGISPITEYLASLSTYNDQSITFALEDESYEIYVEDLKKDEKKDKVLLSYYESQHPSNESGDGVDGKMLMVTLSPTKDFWLHANNKEHSVELHKCEKPLPDQAFFVLHNMHSNCVSFECKTDPGVFIGVKDNHLALIKVDSSENLCTENILFKLSET(配列番号189)
のアミノ酸配列を有する。
【0159】
こうした態様において、修飾IL-33剤は、その全内容が本明細書に援用されるWO/2015/007542に記載されるように、I113-Y122、S127-E139、E144-D157、Y163-M183、E200、Q215、L220-C227およびT260-E269より選択されるアミノ酸またはアミノ酸領域における1またはそれより多い突然変異を含んでよい(番号付けは、ヒト配列、Genbank寄託番号NP_254274、バージョンNP_254274.1、Gl:15559209に基づく)。
【0160】
リンカー
いくつかの態様において、本発明のキメラタンパク質は、場合によって1またはそれより多いリンカーを含む。いくつかの態様において、本発明のキメラタンパク質は、標的化部分およびシグナル伝達剤を連結するリンカーを含む。いくつかの態様において、本発明のキメラタンパク質は、シグナル伝達剤内にリンカーを含む(例えば一本鎖TNFの場合、それは2つのリンカーを含み三量体を生じることができる)。
【0161】
いくつかの態様において、本明細書に記載するリンカーのいずれかに単一ヌクレオチド配列として連結される本発明のキメラタンパク質をコードするベクターが提供され、これを用いてこうしたキメラタンパク質を調製できる。
【0162】
いくつかの態様において、リンカーの長さは、その受容体への標的化部分およびシグナル伝達剤の効率的な結合を可能にする。例えば、いくつかの態様において、リンカーの長さは、同じ細胞上の受容体への標的化部分の1つおよびシグナル伝達剤の効率的な結合、ならびに別の細胞への他の標的化部分の効率的な結合を可能にする。細胞の例示的な対を本明細書の別の箇所で提供する。
【0163】
いくつかの態様において、リンカーの長さは、同じ細胞上の受容体への標的化部分の1つおよびシグナル伝達剤の結合部位の間の最小距離と、少なくとも等しい。いくつかの態様において、リンカーの長さは、同じ細胞上の受容体への標的化部分の1つおよびシグナル伝達剤の結合部位の間の最小距離の少なくとも2倍、または3倍、または4倍、または5倍、または10倍、または20倍、または25倍、または50倍、または100倍、またはそれより大きい。
【0164】
本明細書に記載するように、リンカーの長さは、同じ細胞上の受容体への標的化部分の1つおよびシグナル伝達剤の効率的な結合を可能にし、結合は順次的であり、例えば標的化部分/受容体結合がシグナル伝達剤/受容体結合に先行する。
【0165】
いくつかの態様において、単一のキメラ中に2つのリンカーがあり、各々がシグナル伝達剤を標的化部分に連結する。多様な態様において、リンカーは、いずれかの細胞の調節を妨げるであろう立体障害を伴わずに、疾患細胞およびエフェクター細胞を有する部位の形成を可能にする長さを有する。
【0166】
本発明は、多様なリンカー配列の使用を意図する。多様な態様において、リンカーは、天然に存在するマルチドメインタンパク質に由来してよく、または例えばその全内容が本明細書に援用されるChichiliら(2013), Protein Sci. 22(2):153-167、Chenら(2013), Adv Drug Deliv Rev. 65(10):1357-1369に記載されるような、実験に基づいたリンカーである。いくつかの態様において、リンカーは、その全内容が本明細書に援用されるChenら(2013), Adv Drug Deliv Rev. 65(10):1357-1369およびCrastoら(2000), Protein Eng. 13(5):309-312に記載されるものなどのリンカー設計データベースまたはコンピュータプログラムを用いて設計されてよい。多様な態様において、リンカーは、機能性であってよい。例えば、限定なしに、リンカーは、フォールディングおよび/または安定性を改善する、発現を改善する、薬物動態を改善する、かつ/または本発明のキメラタンパク質の生物活性を改善するように機能してよい。
【0167】
いくつかの態様において、リンカーはポリペプチドである。いくつかの態様において、リンカーは、長さ約100アミノ酸未満である。例えば、リンカーは長さ約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸未満であってよい。いくつかの態様において、リンカーはポリペプチドである。いくつかの態様において、リンカーは、長さ約100アミノ酸より長い。例えば、リンカーは長さ約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸より長くてよい。いくつかの態様において、リンカーは柔軟である。別の態様において、リンカーは強固である。
【0168】
いくつかの態様において、あるリンカーは2つの標的化部分を互いに連結し、このリンカーは短い長さを有し、あるリンカーは標的化部分およびシグナル伝達剤を連結し、このリンカーは2つの標的化部分を連結するリンカーよりも長い。例えば、2つの標的化部分を連結するリンカーと、標的化部分およびシグナル伝達剤を連結するリンカーの間のアミノ酸の長さの相違は、長さ約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸であってよい。
【0169】
多様な態様において、リンカーは、実質的にグリシンおよびセリン残基で構成される(例えば約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約97%がグリシンおよびセリン)。例えば、いくつかの態様において、リンカーは(GlySer)であり、式中、nは約1~約8、例えば1、2、3、4、5、6、7、または8である。1つの態様において、リンカー配列は、GGSGGSGGGGSGGGGS(配列番号190)である。さらなる例示的なリンカーは、限定されないが、配列LE、GGGGS(配列番号191)、(GGGGS)(n=1~4)(配列番号192)(Gly)(配列番号193)、(Gly)(配列番号194)、(EAAAK)(n=1~3)(配列番号195)、A(EAAAK)A(n=2~5)(配列番号196)、AEAAAKEAAAKA(配列番号197)、A(EAAAK)ALEA(EAAAK)A(配列番号198)、PAPAP(配列番号199)、KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号200)、EGKSSGSGSESKST(配列番号201)、GSAGSAAGSGEF(配列番号202)、および(XP)、式中、Xは、任意のアミノ酸、例えばAla、Lys、またはGluを示す、を有するリンカーを含む。多様な態様において、リンカーはGGSである。
【0170】
いくつかの態様において、リンカーは抗体のヒンジ領域(例えばサブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、ならびにIgA1およびIgA2)を含むIgG、IgA、IgD、およびIgEのもの)である。多様な態様において、リンカーは抗体のヒンジ領域(例えばサブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、ならびにIgA1およびIgA2)を含むIgG、IgA、IgD、およびIgEのもの)である。IgG、IgA、IgD、およびIgEクラス抗体で見られるヒンジ領域は、柔軟なスペーサーとして作用し、Fab部分が空間で自由に動くことを可能にする。定常領域とは対照的に、ヒンジドメインは構造的に多様であり、免疫グロブリンクラスおよびサブクラス間で、配列および長さの両方が多様である。例えば、ヒンジ領域の長さおよび柔軟性は、IgGサブクラス間で多様である。IgG1のヒンジ領域はアミノ酸216~231を含み、それが非常に柔軟であるため、Fab断片は対称軸の周りを回転でき、2つの重鎖間ジスルフィド架橋の第一のものを中心とする球内を動くことができる。IgG2は、IgG1より短いヒンジを有し、12のアミノ酸残基および4つのジスルフィド架橋を有する。IgG2のヒンジ領域は、グリシン残基を欠き、比較的短く、かつさらなる重鎖間ジスルフィド架橋によって安定化される、強固なポリプロリン二重らせんを含有する。これらの特性は、IgG2分子の柔軟性を制限する。IgG3はそのユニークな伸長されたヒンジ領域(IgG1ヒンジの約4倍長い)によって他のサブクラスとは異なり、62アミノ酸(21プロリンおよび11システインを含む)を含有し、柔軟でないポリプロリン二重らせんを形成する。IgG3において、Fab断片はFc断片から比較的離れており、分子により大きな柔軟性を与える。IgG3における延長されたヒンジはまた、他のサブクラスに比較してより高いその分子量の原因でもある。IgG4のヒンジ領域はIgG1のものより短く、その柔軟性はIgG1およびIgG2のものの中間である。ヒンジ領域の柔軟性は、IgG3>IgG1>IgG4>IgG2の順に減少すると報告される。
【0171】
結晶学的研究によれば、免疫グロブリンヒンジ領域は、3つの領域:上部ヒンジ領域、コア領域、および下部ヒンジ領域に機能的にさらに細分割可能である。Shinら, 1992 Immunological Reviews 130:87を参照されたい。上部ヒンジ領域は、CH1のカルボキシル端~動きを制限するヒンジ中の第一の残基、一般的には2つの重鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を形成する最初のシステイン残基、のアミノ酸を含む。上部ヒンジ領域の長さは、抗体のセグメント的柔軟性と相関する。コアヒンジ領域は、重鎖間ジスルフィド架橋を含有し、下部ヒンジ領域は、CH2ドメインのアミノ末端を連結し、CH2中の残基を含む。同文献。野生型ヒトIgG1のコアヒンジ領域は配列Cys-Pro-Pro-Cysを含有し、これはジスルフィド結合形成によって二量体化されると、ピボットとして働くと考えられる環状オクタペプチドを生じ、したがって柔軟性を与える。多様な態様において、本発明のリンカーは、抗体の上部ヒンジ領域、コア領域、および下部ヒンジ領域の1つ、または2つ、または3つを含む(例えばサブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、ならびにIgA1およびIgA2)を含むIgG、IgA、IgD、およびIgEのもの)。ヒンジ領域はまた、1またはそれより多いグリコシル化部位も含有してよく、これは、炭水化物付着のためのいくつかの構造的に別個のタイプを含む。例えば、IgA1は、ヒンジ領域の17アミノ酸セグメント内に5つのグリコシル化部位を含有し、腸プロテアーゼに対するヒンジ領域ポリペプチドの耐性を与え、これは分泌性免疫グロブリンに好都合な特性と考えられる。多様な態様において、本発明のリンカーは、1またはそれより多いグリコシル化部位を含む。多様な態様において、リンカーは、ヒトIgG4抗体のヒンジ-CH2-CH3ドメインである。
【0172】
望ましい場合、本発明のキメラタンパク質は、C2およびC3ドメインの1つまたは両方、ならびに場合によってヒンジ領域を含む、抗体Fc領域に連結されてよい。例えば、Fc領域に単一ヌクレオチド配列として連結される本発明のキメラタンパク質をコードするベクターは、こうしたポリペプチドを調製するために使用されてよい。
【0173】
いくつかの態様において、リンカーはPEGなどの合成リンカーである。
【0174】
多様な態様において、リンカーは機能的であってよい。例えば、限定なしに、リンカーは、フォールディングおよび/または安定性を改善する、発現を改善する、薬物動態を改善する、かつ/または本発明のキメラタンパク質の生物活性を改善するように機能できる。別の例において、リンカーは、キメラタンパク質を特定の細胞タイプまたは位置に標的化するよう機能できる。
【0175】
多様な態様において、キメラタンパク質は、半減期を延長するまたは薬物動態および薬力学特性を改善するために、別の剤とコンジュゲートされ、かつ/または融合されてよい。いくつかの態様において、キメラタンパク質は、PEG、XTEN(例えばrPEG)、ポリシアル酸(POLYXEN)、アルブミン(例えばヒト血清アルブミンまたはHAS)、エラスチン様タンパク質(ELP)、PAS、HAP、GLK、CTP、トランスフェリン等の1またはそれより多くと融合またはコンジュゲートされてよい。いくつかの態様において、キメラタンパク質を、抗体またはFc断片などの抗体断片に融合またはコンジュゲートされてよい。例えば、キメラタンパク質は、ヒト免疫グロブリン(Ig)GのFcドメインのN末端またはC末端のいずれかに融合されてよい。多様な態様において、個々のキメラタンパク質の各々は、その全内容が本明細書に援用されるBioDrugs(2015)29:215-239に記載される剤の1またはそれより多くに融合される。
【0176】
キメラタンパク質の産生
本発明のキメラタンパク質を産生するための方法を本明細書に記載する。例えば、当該技術分野で公知の方法を用いて、本発明のキメラタンパク質をコードするDNA配列(例えば修飾シグナル伝達剤および標的化部分およびリンカーをコードするDNA配列)を化学的に合成できる。合成DNA配列を、例えば発現調節配列を含む他の適切なヌクレオチド配列に連結して、所望のキメラタンパク質をコードする遺伝子発現構築物を産生できる。したがって、多様な態様において、本発明は、本発明のキメラタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸を提供する。
【0177】
本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を発現ベクター中に組み込む(連結する)ことができ、トランスフェクション、形質転換、または形質導入技術を通じて、そのベクターを宿主細胞中に導入できる。例えば、レトロウイルス形質導入によって、本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を宿主細胞中に導入できる。例示的な宿主細胞は大腸菌(E.coli)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胚性腎臓293(HEK293)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えばHep G2)、および骨髄腫細胞である。形質転換宿主細胞を、宿主細胞が本発明のキメラタンパク質をコードする遺伝子を発現することを可能にする条件下で増殖できる。したがって、多様な態様において、本発明は、本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターを提供する。多様な態様において、本発明はさらに、こうした発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0178】
特定の発現および精製条件は、使用する発現系に応じて多様であろう。例えば、遺伝子が大腸菌で発現される場合、これはまず、適切な細菌プロモーター、例えばTrpまたはTac、および原核シグナル配列から下流に、操作される遺伝子を配置することによって、発現ベクター中にクローニングされる。別の例において、操作される遺伝子が真核宿主細胞、例えばCHO細胞で発現される場合、これはまず、例えば適切な真核プロモーター、分泌シグナル、エンハンサーおよび多様なイントロンを含有する発現ベクター中に挿入される。遺伝子構築物を、トランスフェクション、形質転換、または形質導入技術を用いて、宿主細胞内に導入できる。
【0179】
キメラタンパク質をコードする発現ベクターでトランスフェクションされた宿主細胞を、タンパク質の発現を可能にする条件下で増殖させることによって、本発明のキメラタンパク質を産生できる。発現に続いて、タンパク質を収集し、当該技術分野に周知の技術、例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)およびヒスチジンタグなどのアフィニティタグを用いて、またはクロマトグラフィにより精製できる。
【0180】
したがって、多様な態様において、本発明は、本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を提供する。多様な態様において、本発明は、本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を含む宿主細胞を提供する。
【0181】
薬学的に許容されうる塩および賦形剤
本明細書記載のキメラタンパク質は、無機酸または有機酸と反応可能な十分に塩基性の官能基、あるいは無機塩基または有機塩基と反応可能なカルボキシル基を有して、薬学的に許容されうる塩を形成できる。薬学的に許容されうる酸付加塩は、当該技術分野で周知であるように、薬学的に許容されうる酸から形成される。こうした塩は、例えば、本明細書にその全体が援用されるJournal of Pharmaceutical Science, 66, 2-19(1977)およびThe Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection, and Use. P. H. StahlおよびC. G. Wermuth(監修), Verlag, Zurich (Switzerland) 2002に列挙される薬学的に許容されうる塩を含む。
【0182】
薬学的に許容されうる塩は、限定されない例として、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、過クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、о-アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン-2-安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン-1,4-ジカルボン酸塩、ヘキシン-1,4-ジカルボン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、桂皮酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、リンゴ酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩(teraphthalate)、プロピオル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、p-ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ナフタレン-1,5-スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、および酒石酸塩を含む。
【0183】
用語「薬学的に許容されうる塩」はまた、酸性官能基、例えばカルボン酸官能基、および塩基を有する、本発明の組成物の塩も指す。適切な塩基は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア、および有機アミン、例えば非置換のまたはヒドロキシ置換のモノ、ジ、またはトリアルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N-メチル、N-エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ、ビス、またはトリス-(2-OH-低次アルキルアミン)、例えばモノ;ビス、またはトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミン、またはトリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N-ジ-低次アルキル-N-(ヒドロキシル-低次アルキル)-アミン、例えばN,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン;N-メチル-D-グルカミン;およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸等を含む。
【0184】
いくつかの態様において、本明細書記載の組成物は、薬学的に許容されうる塩の形である。
【0185】
薬学的組成物および配合物
多様な態様において、本発明は、本明細書記載のキメラタンパク質および薬学的に許容されうるキャリアーまたは賦形剤を含む、薬学的組成物に関する。本明細書記載の任意の薬学的組成物を、薬学的に許容されうるキャリアーまたはビヒクルを含む組成物の構成要素として、被験体に投与できる。こうした組成物は場合によって、適切な投与のための形を提供するように、適切な量の薬学的に許容されうる賦形剤を含んでよい。
【0186】
多様な態様において、薬学的賦形剤は、石油、動物、植物、または合成起源のもの、例えばピーナツ油、大豆油、ミネラルオイル、ごま油等を含む、液体、例えば水および油であってよい。薬学的賦形剤は、例えば、生理食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド性シリカ、尿素等であってよい。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤、および着色剤を使用できる。1つの態様において、薬学的に許容されうる賦形剤は、被験体に投与する際は無菌である。本明細書記載の任意の剤を静脈内投与する際には、水が有用な賦形剤である。生理食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、特に注射可能溶液のための液体賦形剤として使用できる。適切な薬学的賦形剤はまた、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等も含む。本明細書記載の任意の剤はまた、望ましい場合、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤も含んでよい。適切な薬学的賦形剤の他の例は、本明細書に援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences 1447-1676(Alfonso R. Gennaro監修, 第19版 1995)に記載される。
【0187】
本発明は、多様な配合物中での記載される薬学的組成物(および/またはさらなる療法剤)を含む。本明細書記載の任意の本発明の薬学的組成物(および/またはさらなる療法剤)は、溶液、懸濁物、エマルジョン、液滴、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、ゼラチンカプセル、粉末、持続放出配合物、座薬、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁物、凍結乾燥粉末、凍結懸濁物、乾燥粉末、または使用に適した任意の他の型を取ってよい。1つの態様において、組成物はカプセルの形である。別の態様において、組成物は錠剤の形である。さらに別の態様において、薬学的組成物をソフトゲルカプセルの形で配合する。さらなる態様において、薬学的組成物をゼラチンカプセルの形で配合する。さらに別の態様において、薬学的組成物を液体として配合する。
【0188】
必要な場合、本発明の薬学的組成物(および/またはさらなる剤)は、可溶化剤も含んでよい。また、剤は、当該技術分野に公知の適切なビヒクルまたは送達デバイスで送達できる。本明細書に概略を示す併用療法を、単一の送達ビヒクルまたは送達デバイスで共送達することもできる。
【0189】
本発明の薬学的組成物(および/またはさらなる剤)を含む配合物は、単位投薬型で好適に提示されてよく、薬学業に周知の方法のいずれかによって調製されてよい。こうした方法は一般的に、療法剤を、1またはそれより多い付属成分を構成するキャリアーと会合させる工程を含む。典型的には、配合物は、療法剤を液体キャリアー、細分割固形キャリアーまたはその両方と均一にかつ緊密に会合させ、次いで、必要であれば、産物を所望の配合の投薬型に成型する工程(例えば湿潤または乾燥顆粒化、粉末ブレンド等、その後、当該技術分野に公知の慣用法を用いて、錠剤化する)によって調製される。
【0190】
多様な態様において、本明細書記載の任意の薬学的組成物(および/またはさらなる剤)を、本明細書記載の投与様式のために適応した組成物として、ルーチンの方法によって配合する。
【0191】
投与経路は、例えば:経口、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜外、舌下、鼻内、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入によるまたは局所経路を含む。投与は局所または全身であってよい。いくつかの態様において、投与は経口的に達成される。別の態様において、投与は非経口注射による。投与様式は、開業医の裁量に委ねられてよく、部分的に、医学的状態の部位に依存する。大部分の例において、投与は、血流内への本明細書記載の任意の剤の放出を生じる。
【0192】
1つの態様において、本明細書記載のキメラタンパク質は、経口投与に適応した組成物として、ルーチンの方法によって配合される。経口送達のための組成物は、例えば、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁物、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形であってよい。経口投与組成物は、薬学的に口当たりがよい調製物を提供するために、1またはそれより多い剤、例えば、甘味剤、例えばフルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;フレーバー剤、例えばペパーミント、ウィンターグリーン、またはチェリーの油;着色剤;および保存剤を含んでよい。さらに、錠剤またはピル型の場合、組成物をコーティングして、胃腸管における分解および吸収を遅延させ、それによって長期間にわたる維持された作用を提供することも可能である。浸透圧的に活性である駆動性の本明細書記載の任意のキメラタンパク質を取り巻く選択的に浸透性の膜もまた、経口投与組成物に適切である。これらの後者のプラットホームにおいて、カプセルを取り巻く環境由来の液体は、駆動性化合物によって吸収され、この化合物が膨張して、開口部を通じて剤または剤組成物を放出する。これらの送達プラットホームは、即時放出配合物のスパイク化プロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次の送達プロファイルを提供しうる。時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールもまた有用でありうる。経口組成物は、標準的な賦形剤、例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムを含んでよい。1つの態様において、賦形剤は薬学等級のものである。懸濁物は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント等、およびその混合物を含有してよい。
【0193】
非経口投与(例えば静脈内、筋内、腹腔内、皮下および動脈内注射および注入)に適した投薬型は、例えば、溶液、懸濁物、分散物、エマルジョン等を含む。これらはまた無菌固形組成物(例えば凍結乾燥組成物)の形で製造可能であり、これを使用直前に無菌注射可能媒体中に溶解するまたは懸濁することができる。これらは、例えば、当該技術分野で公知の懸濁剤または分散剤を含有してよい。非経口投与に適した配合構成要素は、無菌希釈剤、例えば注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗細菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばEDTA;緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩;および浸透圧調節剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースを含む。
【0194】
静脈内投与のため、適切なキャリアーは、生理学的生理食塩水、静菌水、クレモフォールELTM(BASF、ニュージャージー州パーシッパニー)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。キャリアーは、製造および保存条件下で安定でなければならず、微生物に対して保存されていなければならない。キャリアーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、およびその適切な混合物を含有する溶媒または分散剤であってよい。
【0195】
本明細書に提供する組成物は、単独でまたは他の適切な構成要素と組み合わせて、吸入によって投与されるエアロゾル配合物にされ(すなわち「噴霧化」)てよい。エアロゾル配合物を、加圧された許容できる噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等中に入れることも可能である。
【0196】
本明細書記載の任意の本発明の薬学的組成物(および/またはさらなる剤)を、徐放または持続放出手段によって、あるいは一般の当業者に周知の送達デバイスによって投与できる。例は、限定されないが、各々、その全体が本明細書に援用される米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;および第5,733,556号に記載されるものを含む。こうした投薬型は、例えば、ヒドロプロピルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、微小球体、またはその組み合わせを用いて1またはそれより多い活性成分の徐放または持続放出を提供して、多様な比率で所望の放出プロファイルを提供するのに有用である。本明細書記載のものを含む、当業者に公知の適切な徐放配合物または持続放出配合物は、本明細書記載の剤の活性成分と共に使用するために、容易に選択できる。本発明はしたがって、限定されないが、徐放または持続放出に適応される錠剤、カプセル、ジェルキャップ、およびカプレットなどの経口投与に適した単一単位投薬型を提供する。
【0197】
活性成分の徐放または持続放出は、限定されないが、pH変化、温度変化、適切な波長の光による刺激、酵素の濃度または利用可能性、水の濃度または利用可能性、あるいは他の生理学的条件または化合物を含む、多様な条件によって刺激されてよい。
【0198】
別の態様において、徐放系を、治療しようとする標的領域の近傍に置き、こうして全身用量の一部のみを要するようにできる(例えばGoodson, Medical Applications of Controlled Release中, 上記, vol. 2, pp. 115-138(1984)を参照されたい)。Langer, 1990, Science 249:1527-1533による概説によって論じられる他の徐放系が使用可能である。
【0199】
薬学的配合物は、好ましくは無菌である。滅菌は、例えば無菌ろ過膜を通じたろ過によって達成可能である。組成物を凍結乾燥する場合、凍結乾燥および再構成の前または後に、フィルター滅菌を行ってよい。
【0200】
投与および投薬量
本発明によって投与しようとするキメラタンパク質の実際の用量は、特定の投薬型、および投与様式に応じて多様であろうことが認識されるであろう。キメラタンパク質の作用を修飾しうる多くの要因(例えば体重、性別、食餌、投与時間、投与経路、排出率、被験体の状態、薬剤組み合わせ、遺伝的素質および反応感度)が、当業者によって考慮されてよい。投与を連続して、あるいは最大許容用量内で1またはそれより多い別個の用量で実行することも可能である。所定の条件セットに対する最適投与率は、慣用的投薬型投与試験を用いて、当業者によって確認可能である。
【0201】
いくつかの態様において、キメラタンパク質の適切な投薬量は、約0.01mg/kg~約10g/kg被験体体重、約0.01mg/kg~約1g/kg被験体体重、約0.01mg/kg~約100mg/kg被験体体重、約0.01mg/kg~約10mg/kg被験体体重の範囲であり、例えば、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.08mg/kg、約0.09mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約1.6mg/kg、約1.7mg/kg、約1.8mg/kg、約1.9mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約100mg/kg、約1g/kg、約10g/kgであり、すべての値およびその間の範囲を含む。
【0202】
キメラタンパク質の個々の用量は、例えば、単位投薬あたり約0.01mg~約100g、約0.01mg~約75g、約0.01mg~約50g、約0.01mg~約25g、約0.01mg~約10g、約0.01mg~約7.5g、約0.01mg~約5g、約0.01mg~約2.5g、約0.01mg~約1g、約0.01mg~約100mg、約0.1mg~約100mg、約0.1mg~約90mg、約0.1mg~約80mg、約0.1mg~約70mg、約0.1mg~約60mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約40mg活性成分、約0.1mg~約30mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約1mg、または単位投薬当たり約5mg~約80mgを含有する単位投薬型(例えば錠剤またはカプセル)で投与されてよい。例えば、単位投薬型は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約200mg、約500mg、約1g、約2.5g、約5g、約10g、約25g、約50g、約75g、約100gであってよく、すべての値およびその間の範囲を含む。
【0203】
1つの態様において、キメラタンパク質は、毎日約0.01mg~約100g、毎日約0.01mg~約75g、毎日約0.01mg~約50g、毎日約0.01mg~約25g、毎日約0.01mg~約10g、毎日約0.01mg~約7.5g、毎日約0.01mg~約5g、毎日約0.01mg~約2.5g、毎日約0.01mg~約1g、毎日約0.01mg~約100mg、毎日約0.1mg~約100mg、毎日約0.1mg~約95mg、毎日約0.1mg~約90mg、毎日約0.1mg~約85mg、毎日約0.1mg~約80mg、毎日約0.1mg~約75mg、毎日約0.1mg~約70mg、毎日約0.1mg~約65mg、毎日約0.1mg~約60mg、毎日約0.1mg~約55mg、毎日約0.1mg~約50mg、毎日約0.1mg~約45mg、毎日約0.1mg~約40mg、毎日約0.1mg~約35mg、毎日約0.1mg~約30mg、毎日約0.1mg~約25mg、毎日約0.1mg~約20mg、毎日約0.1mg~約15mg、毎日約0.1mg~約10mg、毎日約0.1mg~約5mg、毎日約0.1mg~約3mg、毎日約0.1mg~約1mg、または毎日約5mg~約80mgの量で投与される。多様な態様において、キメラタンパク質は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約200mg、約500mg、約1g、約2.5g、約5g、約7.5g、約10g、約25g、約50g、約75g、約100gの1日用量で投与され、すべての値およびその間の範囲を含む。
【0204】
本発明の特定の態様によって、キメラタンパク質を含む薬学的組成物は、例えば、1日1回より多く(例えば1日約2回、約3回、約4回、約5回、約6回、約7回、約8回、約9回、または約10回)。1日あたり約1回、ほぼ1日おき、ほぼ3日おき、1週間あたり約1回、2週間ごとに約1回、毎月約1回、2ヶ月ごとに約1回、3ヶ月ごとに約1回、6ヶ月ごとに約1回、または毎年約1回投与されてよい。
【0205】
併用療法およびさらなる療法剤
多様な態様において本発明の薬学的組成物を、さらなる療法剤(単数または複数)と組み合わせて共投与する。共投与は、同時であるまたは連続的であってよい。
【0206】
1つの態様において、さらなる療法剤および本発明のキメラタンパク質を被験体に同時に投与する。本明細書で用いる用語「同時に」は、さらなる療法剤およびキメラタンパク質を、約60分を越えない、例えば約30分を越えない、約20分を越えない、約10分を越えない、約5分を越えない、または約1分を越えない時間間隔で投与することを意味する。さらなる療法剤およびキメラタンパク質の投与は、単一配合物(例えばさらなる療法剤およびキメラタンパク質を含む配合物)のまたは別個の配合物(例えばさらなる療法剤を含む第一の配合物およびキメラタンパク質を含む第二の配合物)の同時投与によることもできる。
【0207】
それらの投与のタイミングが、さらなる療法剤およびキメラタンパク質の薬理学的活性が時間的に重複しており、それによって組み合わされた療法効果が発揮されるようであれば、共投与は、療法剤が同時に投与されることを必要としない。例えば、さらなる療法剤およびキメラタンパク質は連続して投与されてよい。本明細書で用いる用語「連続して」は、さらなる療法剤およびキメラタンパク質が、約60分より長い時間間隔で投与されることを意味する。例えば、さらなる療法剤およびキメラタンパク質の連続投与の間の時間は、約60分より長く、約2時間より長く、約5時間より長く、約10時間より長く、約1日より長く、約2日より長く、約3日より長く、約1週間より離れて、約2週間より離れて、または約1ヶ月より離れていてよい。最適投与時間は、投与しようとするさらなる療法剤およびキメラタンパク質の代謝率、排出率、および/または薬力学的活性に依存するであろう。さらなる療法剤またはキメラタンパク質のどちらかが最初に投与されてよい。
【0208】
共投与はまた、療法剤が同じ投与経路によって被験体に投与されることを必要としない。むしろ、各療法剤は任意の適切な経路によって、例えば非経口的にまたは経口的に投与されてよい。
【0209】
いくつかの態様において、本明細書記載のキメラタンパク質は、別の療法剤と共投与される場合、相乗的に作用する。こうした態様において、キメラタンパク質およびさらなる療法剤は、剤が単一療法の背景で用いられる際に使用される用量よりも低い用量で投与されてよい。
【0210】
いくつかの態様において、本発明は、さらなる療法剤としての化学療法剤に関する。例えば、限定なしに、本発明のキメラタンパク質および化学療法剤のこうした組み合わせは、本明細書の別の箇所に記載するように、癌の治療において使用を見出す。化学療法剤の例は、限定されないが、アルキル化剤、例えばチオテパおよびCYTOXANシクロホスファミド;スルホン酸アルキル、例えばブスルファン、イムプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドパ、カルボクオン、メツレドパ、およびウレドパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロロメラミンを含むエチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(例えばブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリースタチン;CC-1065(そのアゾゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(例えばクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189およびCB 1-TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコディクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノヴェンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン;抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えばカリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマIIおよびカリケアマイシンオメガII(例えばAgnew, Chem. Intl. Ed. Engl., 33: 183-186(1994)を参照されたい));ダイネマイシン(dynemicin)Aを含むダイネマイシン;ビスホスホネート、例えばクロドロネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ―L-ノルロイシン、ADRIAMYCINドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えばメトトレキセートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセート;プリン類似体、例えばフルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えばカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えばミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えばフロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシノイド、例えばメイタンシンおよびアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体(JHS Natural Products、オレゴン州ユージーン);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(例えばT-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばTAXOLパクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology、ニュージャージー州プリンストン)、ABRAXANEパクリタキセルのクレモフォール不含、アルブミン操作ナノ粒子配合物(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, 111)、およびTAXOTEREドキセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer、フランス・アントニー);クロラムブシル;GEMZARゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;白金類似体、例えばシスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イフォスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE、ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ;イバンドロネート;イリノテカン(カンプトサール、CPT-11)(イリノテカンと5-FUおよびロイコボリンの治療措置を含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えばレチノール酸;カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);オキサリプラチン、オキサリプラチン治療措置(FOLFOX)を含む;ラパチニブ(タイカーブ);PKC-α、Raf、H-Ras、EGFRの阻害剤(例えばエルロチニブ(タルセバ))および細胞増殖を減少させるVEGF-A、および上記のいずれかの薬学的に許容されうる塩、酸または誘導体を含む。さらに、治療法は、放射線照射の使用をさらに含んでよい。さらに、治療法は、光線力学療法の使用をさらに含んでよい。
【0211】
いくつかの態様において、限定なしに、感染性疾患適用を含み、本発明は、さらなる療法剤としての抗感染剤に関する。いくつかの態様において、抗感染剤は、限定されないが、アバカビル、アシクロビル、アデフォビル、アムプレナビル、アタザナビル、シドフォビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エトラビリン、ファムシクロビル、およびホスカルネットを含む抗ウイルス剤である。いくつかの態様において、抗感染剤は、限定されないが、セファロスポリン抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、およびセフトビプロール);フルオロキノロン抗生物質(シプロ、レバキン、フロキシン、テキン、アベロックス、およびノルフロクス);テトラサイクリン抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、およびドキシサイクリン);ペニシリン抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、およびメチシリン);モノバクタム抗生物質(アズトレオナム);およびカルバペナム抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、およびメロペネム)を含む抗細菌剤である。いくつかの態様において、抗感染剤は、抗マラリア剤(例えばクロロキン、キニン、メフロキン、プリマキン、ドキシサイクリン、アルテメテル/ルメファントリン、アトバクオン/プログアニルおよびスルファドキシン/ピリメタミン)、メトロニダゾール、チニダゾール、イベルメクチン、パモ酸ピランテル、およびアルベンダゾールを含む。
【0212】
いくつかの態様において、限定なしに自己免疫適用を含み、さらなる療法剤は免疫抑制剤である。いくつかの態様において、免疫抑制剤は、抗炎症剤、例えばステロイド性抗炎症剤または非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である。ステロイド、特に副腎コルチコステロイドおよびその合成類似体が当該技術分野で周知である。本発明に有用なコルチコステロイドの例は、限定なしに、ヒドロキシルトリアムシノロン、アルファ-メチルデキサメタゾン、ベータ-メチルベタメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルシノロンアセトニド、フルシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾンおよびそのエステルのバランス、クロロプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドネート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾンを含む。本発明で使用可能な(NSAIDS)は、限定されないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチルミド、ベンジル-2,5-ジアセトキシ安息香酸、イブプロフェン、フリンダック、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナメート、フェニルブタゾン、およびインドメタシンを含む。いくつかの態様において、免疫抑制剤は、細胞分裂停止剤、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤(例えばアザチオプリン、メトトレキセート)、細胞傷害性抗生物質、抗体(例えばバシリキシマブ、ダクリズマブ、およびムロモナブ)、抗イムノフィリン(例えばシクロスポリン、タクロリムス、シロリムス)、インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、ミコフェノレート、および小分子生物学的剤(例えばフィンゴリモド、ミリオシン)であってよい。さらなる抗炎症剤は、例えば、その全内容が本明細書に援用される米国特許第4,537,776号に記載される。
【0213】
いくつかの態様において、本発明は、1またはそれより多い免疫調節剤、例えば、限定なしに、免疫チェックポイントを調節する剤との併用療法に関する。多様な態様において、免疫調節剤は、PD-1、PD-L1、およびPD-L2の1またはそれより多くを標的とする。多様な態様において、免疫調節剤はPD-1阻害剤である。多様な態様において、免疫調節剤は、本明細書に記載されるような、PD-1、PD-L1、およびPD-L2の1またはそれより多くに対して特異的な抗体である。例えば、いくつかの態様において、免疫調節剤は、限定なしに、ニボルマブ(ONO-4538/BMS-936558、MDX1106、OPDIVO、BRISTOL MYERS SQUIBB)、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA、MERCK)、ピジリズマブ(CT-011,CURE TECH)、MK-3475(MERCK)、BMS 936559(BRISTOL MYERS SQUIBB)、MPDL328OA(ROCHE)などの抗体である。いくつかの態様において、免疫調節剤は、CD137またはCD137Lの1またはそれより多くを標的とする。多様な態様において、免疫調節剤は、CD137またはCD137Lの1またはそれより多くに対して特異的な抗体である。例えば、いくつかの態様において、免疫調節剤は、限定なしに、ウレルマブ(BMS-663513および抗4-1BB抗体としてもまた公知である)などの抗体である。いくつかの態様において、本発明のキメラタンパク質は、固形腫瘍および/またはB細胞非ホジキンリンパ腫および/または頭頸部癌および/または多発性骨髄腫の治療のため、ウレルマブと(場合によってニボルマブ、リリルマブおよびウレルマブの1またはそれより多くと)組み合わされる。いくつかの態様において、免疫調節剤は、CTLA-4、AP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1またはそれより多くを標的とする剤である。多様な態様において、免疫調節剤は、CTLA-4、AP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1またはそれより多くに特異的な抗体である。例えば、いくつかの態様において、免疫調節剤は、限定なしに、イピリムマブ(MDX-010、MDX-101、Yervoy、BMS)および/またはトレメリムマブ(Pfizer)などの抗体である。いくつかの態様において、本発明のキメラタンパク質は、黒色腫、前立腺癌、および肺癌の1またはそれより多くの治療のため、イピリムマブ(場合によってバビツキシマブ)と組み合わされる。多様な態様において、免疫調節剤は、CD20を標的とする。多様な態様において、免疫調節剤は、CD20に特異的な抗体である。例えば、いくつかの態様において、免疫調節剤は、限定なしに、オファツムマブ(GENMAB)、オビヌツズマブ(GAZYVA)、AME-133v(APPLIED MOLECULAR EVOLUTION)、オクレリズマブ(GENENTECH)、TRU-015(TRUBION/EMERGENT)、ベルツズマブ(IMMU-106)などの抗体である。
【0214】
いくつかの態様において、本発明は、その全内容が全体で本明細書に援用されるWO 2013/10779、WO 2015/007536、WO 2015/007520、WO 2015/007542、およびWO 2015/007903に記載される1またはそれより多くのキメラ剤との併用療法に関する。
【0215】
いくつかの態様において、本明細書記載のキメラタンパク質は、修飾される、すなわち共有結合が組成物の活性を防止しないような組成物への任意のタイプの分子の共有結合による、誘導体を含む。例えば、限定なしに、誘導体は、とりわけ、グリコシル化、脂質化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解的切断、細胞性リガンドまたは他のタンパク質への連結等によって修飾されている組成物を含む。任意の多くの化学的修飾が、限定されないが、特異的化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成を含む、公知の技術によって実行されてよい。
【0216】
さらに他の態様において、本明細書記載のキメラタンパク質は、例示的態様において、毒素、化学療法剤、放射性同位体、およびアポトーシスまたは細胞死を引き起こす剤を含む、細胞傷害性剤をさらに含む。こうした剤が、本明細書記載の組成物にコンジュゲートされてよい。
【0217】
本明細書記載のキメラタンパク質はしたがって、翻訳後に修飾されて、エフェクター部分、例えば化学的リンカー、検出可能部分、例えば蛍光色素、酵素、基質、生物発光物質、放射性物質、および化学発光部分、または官能性部分、例えばストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、細胞毒素、細胞傷害性剤、および放射性物質を付加してよい。
【0218】
例示的な細胞傷害性剤は、限定されないが、メトトレキセート、アミノプテリン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン;アルキル化剤、例えばメクロレタミン、チオテパ、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、マイトマイシンC、ロムスチン(CCNU)、1-メチルニトロソ尿素、シクロホスファミド、メクロレタミン、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチンおよびカルボプラチン(パラプラチン);ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、デトルビシン、カルミノマイシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロンおよびビスアントレンを含むアントラサイクリン;ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ブレオマイシン、カリケアマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC)を含む抗生物質;ならびに抗有糸分裂剤、例えばビンカアルカロイド、ビンクリスチンおよびビンブラスチンを含む。他の細胞傷害性剤は、パクリタキセル(タキソール)、リシン、シュードモナス外毒素、ゲムシタビン、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、エトポシド、テニポシド、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、コルチコステロイド、ミトタン(O,P’-(DDD))、インターフェロン、およびこれらの細胞傷害性剤の混合物を含む。
【0219】
さらなる細胞傷害性剤は、限定されないが、化学療法剤、例えばカルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ゲムシタビン、カリケアマイシン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン、VEGFアンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、白金、タキソール、イリノテカン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ロイコボリン、ステロイド、シクロホスファミド、メルファラン、ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン)、ムスチン、チロシンキナーゼ阻害剤、放射線療法、性ホルモンアンタゴニスト、選択的アンドロゲン受容体調節因子、選択的エストロゲン受容体調節剤、PDGFアンタゴニスト、TNFアンタゴニスト、IL-1アンタゴニスト、インターロイキン(例えばIL-12またはIL-2)、IL-12Rアンタゴニスト、毒素コンジュゲート化モノクローナル抗体、腫瘍抗原特異的モノクローナル抗体、エルビタックス、アバスチン、ペルツズマブ、抗CD20抗体、リツキサン、オクレリズマブ、オファツムマブ、DXL625、HERCEPTIN(登録商標)、またはその任意の組み合わせを含む。植物および細菌由来の毒性酵素、例えばリシン、ジフテリア毒素およびシュードモナス毒素を、療法剤(例えば抗体)にコンジュゲートして、細胞タイプ特異的殺傷試薬を生成できる(Youleら, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 77:5483(1980); Gillilandら, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 77:4539(1980); Krolickら, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 77:5419(1980))。
【0220】
他の細胞傷害性剤は、Goldenbergによって米国特許第6,653,104号に記載されるような細胞傷害性リボヌクレアーゼを含む。本発明の態様はまた、錯体形成剤の使用を伴いまたは伴わずに、アルファまたはベータ粒子を放出する放射性核種がキメラタンパク質に安定にカップリングされる、放射性イムノコンジュゲートにも関する。こうした放射性核種は、ベータ放出剤、例えばリン-32、スカンジウム-47、銅-67、ガリウム-67、イットリウム-88、イットリウム-90、ヨウ素-125、ヨウ素-131、サマリウム-153、ルテチウム-177、レニウム―186またはレニウム―188、およびアルファ放出剤、例えばアスタチン-211、鉛-212、ビスマス-212、ビスマス-213またはアクチニウム-225を含む。
【0221】
例示的な検出可能部分はさらに、限定されないが、セイヨウワサビ(horseradish)ぺルオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ―ガラクトシダーゼおよびルシフェラーゼを含む。さらなる例示的蛍光物質は、限定されないが、ローダミン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ウンベリフェロン、ジクロロトリアジニルアミン、フィコエリトリンおよび塩化ダンシルを含む。さらなる例示的化学発光部分は、限定されないが、ルミノールを含む。さらなる例示的生物発光物質は、限定されないが、ルシフェリンおよびエクオリンを含む。さらなる例示的放射性物質は、限定されないが、ヨウ素-125、炭素-14、硫黄-35、トリチウムおよびリン-32を含む。
【0222】
治療法
本明細書記載の方法および組成物は、限定されないが、癌、感染、免疫障害、自己免疫疾患、ならびに多くの他の疾患および障害を含む、多様な疾患および障害を治療するための適用を有する。
【0223】
さらに、任意の本発明の剤は、限定されないが、癌、感染、免疫障害、および自己免疫疾患を含む、多様な疾患および障害を治療すること、または治療用の薬剤の製造における使用のためであってよい。
【0224】
いくつかの態様において、本発明は、癌を有する患者の治療に関する。本明細書において用いられる、癌は、体の臓器または系の正常な機能に干渉しうる任意の制御されない細胞増殖を指し、原発性および転移性腫瘍の両方を含む。元来の位置から遊走し重要な臓器に播種する原発性腫瘍または癌は最終的に、罹患臓器の機能的悪化を通じて、被験体の死を導きうる。転移は、原発性腫瘍位置とは別の、癌細胞または癌細胞群であり、原発性腫瘍から体の他の部分への癌細胞の播種から生じる。転移は最終的に、被験体の死を生じうる。例えば、癌は、良性および悪性癌、ポリープ、過形成、ならびに休眠中腫瘍または微小転移を含んでよい。
【0225】
治療可能な例示的癌は、限定されないが、癌腫、例えば腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、および移行上皮癌、肉腫(例えば骨および柔組織を含む)、白血病(例えば急性骨髄性、急性リンパ芽球性、慢性骨髄性、慢性リンパ球性、および毛様細胞を含む)、リンパ腫および骨髄腫(例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、軽鎖、非分泌性、MGUS、および形質細胞腫を含む)、および中枢神経系癌(例えば脳(例えば神経膠腫(例えば星状細胞腫、乏突起神経膠腫、および上衣腫)、髄膜腫、下垂体腺腫、および神経腫、および脊髄腫瘍(例えば髄膜腫および神経線維腫)))を含む、多様なサブタイプを含む。
【0226】
治療可能な例示的な癌は、限定されないが、基底細胞癌、胆管癌;膀胱癌;骨癌;脳および中枢神経系の癌;乳癌;腹膜癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸および直腸癌;結合組織癌;消化器の癌;子宮内膜癌;食道癌;目の癌;頭頸部癌;胃癌(胃腸癌を含む);神経膠芽腫;肝癌;肝腫瘍;上皮内新生物;腎臓癌または腎癌;喉頭癌;白血病;肝癌;肺癌(例えば小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌;および肺の扁平上皮癌);黒色腫;骨髄腫;神経芽腫;口腔癌(唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;網膜芽腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器の癌;唾液腺癌;肉腫;皮膚癌;扁平上皮癌;胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮または子宮内膜癌;泌尿器系の癌;膣癌;ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非開裂細胞NHL;巨大腫瘤病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫)を含むリンパ腫;およびワルデンストレーム・マクログロブリン血症;慢性リンパ球性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);毛様細胞白血病;慢性骨芽球性白血病;ならびに他の癌腫および肉腫;ならびに移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、ならびに母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(例えば脳腫瘍に関連するもの)、ならびにメグズ症候群を含む。
【0227】
いくつかの態様において、本発明は、微生物感染および/または慢性感染の治療またはこの感染を有する患者の治療に関する。例示的な感染は、限定されないが、HIV/AIDS、結核、骨髄炎、B型肝炎、C型肝炎、エプスタイン-バーウイルスまたはパルボウイルス、T細胞白血病ウイルス、細菌過剰増殖症候群、真菌または寄生虫感染を含む。
【0228】
多様な態様において、本発明の組成物は、1またはそれより多い炎症性疾患または状態、例えば炎症、急性炎症、慢性炎症、呼吸器疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、敗血症ショック、関節リウマチ、炎症性腸疾患、炎症性骨盤疾患、疼痛、目の炎症性疾患、セリアック病、リー症候群、グリセロールキナーゼ不全、家族性好酸球増加症(FE)、常染色体劣性痙性失調症、喉頭炎症性疾患;結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、珪肺症および他の塵肺症を治療するまたは防止するために用いられる。
【0229】
多様な態様において、本発明の組成物は、1またはそれより多い自己免疫疾患または状態、例えば多発性硬化症、糖尿病、ループス、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギラン・バレー症候群、強皮症、グッドパスチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫癲癇、ラスムッセン脳炎、原発性胆管硬化症、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、アジソン病、橋本甲状腺炎、筋線維痛症、メイナー症候群;移植拒絶(例えば同種移植片拒絶の防止)、悪性貧血、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、筋無力症、ライター症候群、グレーブス病、および他の自己免疫疾患を治療するまたは防止するために用いられる。
【0230】
キット
本発明はまた、本明細書記載の任意の剤(例えば多様なさらなる療法剤を伴うまたは伴わないキメラタンパク質)の投与のためのキットも提供する。キットは、本明細書記載の本発明の薬学的組成物の少なくとも1つを含む、物質または構成要素の集合である。したがって、いくつかの態様において、キットは、本明細書記載の薬学的組成物の少なくとも1つを含有する。
【0231】
キット中に設定される構成要素の正確な性質は、意図される目的に依存する。1つの態様において、キットは、ヒト被験体を治療する目的のために設定される。
【0232】
使用のための説明書がキットに含まれてよい。使用のための説明書は一般に、所望の目的を達成するために、例えば癌を治療するために、キットの構成要素を用いる際に使用される技術を記載する具体的な表現を含む。場合によって、キットはまた、他の有用な構成要素、例えば希釈剤、緩衝剤、薬学的に許容されうるキャリアー、シリンジ、カテーテル、アプリケーター、ピペッティングまたは測定ツール、包帯材料または当業者に容易に認識されるような他の有用な道具も含有する。
【0233】
キット中で組み合わされる材料および構成要素は、操作性および有用性を保持する任意の好都合で適切な方法で貯蔵され、開業医に提供されてよい。例えば、構成要素は室温、冷蔵または凍結温度で提供されてよい。構成要素は典型的には、適切なパッケージング材料中に含有される。多様な態様において、パッケージング材料は、周知の方法によって構築されて、好ましくは、無菌の混入物質不含環境を提供する。パッケージング材料は、キットおよび/またはその構成要素の内容物および/または目的を示す外部ラベルを有してもよい。
【0234】
定義
本明細書で使用する「a」、「an」、または「the」は、1または1より多くを意味してよい。
【0235】
さらに、用語「約」は、参照数字表示と関連して用いられる場合、参照数字表示のプラスまたはマイナス最大10%の参照数字表示を意味する。例えば、用語「約50」は、45~55の範囲を含む。
【0236】
「有効量」は、医学的使用と関連して用いる場合、関心対象の疾患の測定可能な治療、防止、または発症率における減少を提供するのに有効である量である。
【0237】
本明細書で使用する際、こうした調節の非存在下に比較して剤または刺激の存在下で、活性および/または効果の読み取り値が有意な量、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、またはさらに、最大でそしてこれを含めて少なくとも約100%、減少される場合、何かが「減少され」る。一般の当業者に理解されるように、いくつかの態様において、活性が減少され、いくつかの下流読み取り値が減少するが、他のものは増加してもよい。
【0238】
逆に、こうした剤または刺激の非存在下に比較して、剤または刺激の存在下で、活性および/または効果の読み取り値が有意な量、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、またはさらに、最大でそしてこれを含めて、少なくとも約100%またはそれより多く、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、増加される場合、活性は「増加され」る。
【0239】
本明細書に言及するように、すべての組成割合は、別に明記しない限り、総組成の重量による。本明細書で使用する単語「含む」およびその変形は、リスト中の項目の詳述が、この技術の組成および方法においてやはり有用でありうる他の同様の項目の排除ではないように、非限定であると意図される。同様に、用語「可能である」および「しうる」およびその変形は、態様が特定の要素または特徴を含むことができるまたは含みうるという詳述が、これらの要素または特徴を含有しない本発明の技術の他の態様を排除しないように、非限定であると意図される。
【0240】
含める、含有する、または有するなどの用語の同義語としての制限なしの用語「含む」は、本明細書において、本発明を記載しかつ請求するために用いられるが、本発明またはその態様は、代替的に、「からなる」または「から本質的になる」などの代替用語を用いて記載されてよい。
【0241】
本明細書において使用する単語「好ましい」および「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利益を提供する技術の態様を指す。しかし、同じまたは他の状況下で、他の態様がまた好ましい可能性もある。さらに、1またはそれより多い好ましい態様の詳述は、他の態様が有用でないことを暗示せず、技術の範囲から他の態様を排除するとは意図されない。
【0242】
療法効果を達成するために必要とされる本明細書に記載される組成物の量は、特定の目的のための慣用的方法によって、実験的に決定されてよい。一般的に、療法目的用の療法剤を投与するため、療法剤は、薬理学的に有効な用量で投与される。「薬理学的に有効な量」、「薬理学的有効用量」、「療法的有効量」または「有効量」は、特に障害または疾患を治療するために、所望の生理学的効果を生じるために十分な量または所望の結果を達成できる量を指す。本明細書で使用する有効量は、例えば、障害または疾患の症状の発展を遅延させ、障害または疾患の症状の経過を改変し(例えば疾患の症状の進行を遅延させ)、障害または疾患の1またはそれより多い症状または徴候を減少させるまたは排除し、かつ障害または疾患の症状を逆転させるために十分な量を含む。療法的利益はまた、改善が達成されるかどうかにかかわらず、根底にある疾患または症状の進行を停止するまたは遅延させることも含む。
【0243】
有効量、毒性、および療法有効性は、例えば、LD50(集団の約50%に致死性である用量)およびED50(集団の約50%で療法的に有効である用量)を決定するため、細胞培養または実験動物において、標準的な薬学的手順によって決定できる。投薬量は、使用する投薬型および利用する投与経路に応じて多様でありうる。毒性および療法的効果の間の用量比は療法指数であり、比LD50/ED50によって表されてよい。いくつかの態様において、大きな療法指数を示す組成物および方法が好ましい。療法的有効用量は、まず、例えば細胞培養アッセイを含むin vitrоアッセイから概算可能である。また、用量は、細胞培養において、または適切な動物モデルにおいて決定されるようなIC50を含む循環血漿濃度の範囲を達成するように、動物モデルにおいて処方できる。血漿中の記載する組成物のレベルは、例えば、高性能液体クロマトグラフィによって測定できる。任意の特定の投与量の効果は、適切なバイオアッセイによって監視できる。投薬量は医師により決定され、必要な場合、治療の観察される効果に適するように調整されてよい。
【0244】
特定の態様において、効果は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、または少なくとも約90%の定量化可能な変化を生じるであろう。いくつかの態様において、効果は、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、またはさらに約90%あるいはそれより多くの定量可能な変化を生じるであろう。療法的利益はまた、改善が達成されるかどうかにかかわらず、根底にある疾患または障害の進行を停止するまたは遅延させることも含む。
【0245】
本明細書において、「治療の方法」は、本明細書記載の疾患または障害を治療するための組成物の使用、および/または使用のための組成物および/または本明細書記載の疾患または障害を治療するための薬剤の製造における使用に等しく適用可能である。本発明はさらに、以下の限定されない実施例によって例示される。
【0246】
実施例
以下の実施例において、言及しない限り、IFNに対する突然変異は、ヒトIFN-α2、配列番号179に対するものである。
【0247】
Q124R突然変異体は、ネズミモデルにおいてin vivоでアッセイ可能な減弱化ヒトIFNアルファ2突然変異体の代表である。具体的には、Q124Rは、マウスでの使用に適したヒトIFN突然変異である(すなわちマウスにおいて機能するヒト突然変異体IFNである)。その全内容が本明細書に援用されるNat. Comm. 2014;5:3016. doi: 10.1038/ncomms4016を参照されたい。
【0248】
これらの実施例において用いられる抗ヒトPD-1 VHHは、配列番号23である。
【0249】
これらの実施例において用いられる抗ヒトPD-L1 VHHは、配列番号158である。
【0250】
実施例1:抗マウスPD-L1/減弱化ヒトIFNキメラの特徴付け
図1は、抗PD-L1 VHHおよびPBSに比較した際の、抗PD-L1ヒトIFN Q124Rキメラ構築物の抗腫瘍活性を示す。実験において、C57BL/6マウスに6x10 B16mCD20cl1黒色腫腫瘍細胞(マウス黒色腫細胞株)を皮下接種した(50μl)。腫瘍が、ノギスによって測定した際、±10mmのサイズに到達した際、30μgの多様な構築物(100μl)での病変周囲治療を開始した。図1は、抗PD-L1がB16腫瘍モデルにおいて最小限の効果を有する一方、抗PD-L1-ヒトIFN Q124Rキメラは抗腫瘍活性および減少した腫瘍サイズを示したことを示す。
【0251】
抗PD-L1ヒトIFN Q124Rキメラはまた、安全であることも示された(図2)。各図において、パネルA~Gは:上述の腫瘍研究におけるマウスの体重変化(パネルA)、白血球数(「wbc」)およびリンパ球数(「ly」)(パネルB)、好中球数(「ne」)および単球数(「mо」)(パネルC);赤血球数(「rbc」)を示し、図4に関して、ヘモグロビン(「hb」)(パネルD);ヘマトクリット(「hct」)、平均血球体積(「mcv」)、平均血球ヘモグロビン(「mch」)、平均血球ヘモグロビン濃度(「mchc」)(パネルE);脱核(pitted)赤血球(「pit」)(パネルF);および平均血小板体積(「mpv」)(パネルG)を示す。重要なことに、抗PD-L1-ヒトIFN Q124Rキメラは、野生型インターフェロンから予期されたものよりもはるかに優れた安全性パラメータを示した。
【0252】
実施例2:抗ヒトPD1およびPD-L1 VHHの特徴付け
PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)は、免疫チェックポイントとして機能し、T細胞のリガンドPD-L1(プログラム細胞死リガンド1)およびPD-L2に結合することによってT細胞の活性化を防止することにより、免疫系の下方制御において重要な役割を果たす。プレート結合アッセイをセットアップして、これらの2つのタンパク質間の相互作用に対するPD-1およびPD-L1 VHHの効果を評価した。
【0253】
具体的には、マキシソーププレートを抗FLAG Ab(Sigma;PBS中の2μg/ml)で一晩コーティングし、洗浄緩衝液(PBS+0.05%Tween-20)で洗浄し、PBS+5%Tween-20でブロッキングした(室温で2時間)。FLAGタグ付きhPD-L1細胞外ドメインを含有する馴化培地を、室温で2時間インキュベーションした。過剰な未結合タンパク質を洗浄緩衝液で洗い流した。VHHの存在下または非存在下で、hPD1-Fc(500ng/ml;R&D Systems;カタログ番号1086-PD)を室温で2時間結合させた。結合したhPD1-Fcをセイヨウワサビぺルオキシダーゼ(HRP)カップリング抗ヒト二次ABおよびTMB HRP基質(KPL)で定量した。
【0254】
この実験において、hPD-1-Fcを、hPD-1、hDP-L1、mPD-L1または無関係な標的に特異的なVHHの連続希釈(1000ng/ml;1/10)の存在下で、固定hPD-L1に結合させた。データは明らかに、hPD-1およびhPD-L1 VHHの両方がPD-1/PD-L1の相互作用を遮断したことを示す一方、mPD-L1または無関係なVHHの効果は観察されなかった。図3を参照されたい。
【0255】
実施例3:IFNキメラの抗ヒトPD-L1標的化
ヒトPD-L1(プログラム細胞死リガンド1)/減弱化IFNキメラ(「AcTaferon」)標的化の効率を、FACS分析によるヒトPD-L1陽性MDA-MB-321細胞株でのSTAT1リン酸化の定量により、調べた。
【0256】
具体的には、MDA-MB-321細胞を、示すように、10%FBSを補充したDMEM培地中37℃で15分間、抗ヒトPD-L1/減弱化IFNキメラで刺激した。刺激後、細胞を、37℃で10分間1体積の固定緩衝液I(BD Biosciences)を添加することによって固定し、氷上で30分間2体積のPerm III緩衝液I(BD Biosciences)中に再懸濁することによって透過処理した。試料を、4℃で20分間抗STAT1 pY701 Ab(BD Biosciences)で染色し、FACSCalibur(BD Biosciences)およびCellQuest Prоバージョン4.0.2ソフトウェア(BD Biosciences)で分析した。
【0257】
この実験において、MDA-MB-321細胞を、37℃で15分間抗ヒトPD-L1/減弱化IFNキメラの連続希釈(100ng/ml;1/5)で刺激した。固定および透過処理後、細胞をホスホSTAT1に関して染色し、FACSで分析した。データは明らかに、抗ヒトPD-L1/減弱化IFNキメラのPD-L1標的化は抗ヒトPD-L1/減弱化R149A IFNキメラのSTAT1リン酸化を強く増加させたが、抗ヒトPD-L1/減弱化R33A/E120R IFNキメラのものは増加させなかったことを示す。標的化されない(Bcll10 VHH)キメラは、100ng/mlであってもシグナル伝達できなかった。図4を参照されたい。
【0258】
実施例4:抗ヒトPD-L1 VHHキメラでのヒト樹状細胞におけるシグナル伝達誘導
樹状細胞pSTATシグナル伝達アッセイを行った。研究したキメラは、抗ヒトPD-L1 VHH/ヒトIFN R149Aおよび抗ヒトPD-L1 VHH/ヒトIFN R33A/E120Rであった。2つの用量の剤を研究した:100ng/mlおよび500ng/ml。
【0259】
簡潔には、ヒトPBMCを、健康なドナーから得た血液から単離した。およそ120mlの血液を、ヘパリンコーティング試験管(12試験管)を用いて各ドナーから収集した。血液を室温で維持し、直ちに処理した。簡潔には、血液をDPBSで1:1に希釈し、25mlを15mlのLympholyte H上に静かに重層した。遠心分離後、単核細胞リングを収集し、細胞をDPBS(PBS ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水、Wisent、カタログ番号311-425-LL)で3回洗浄し、計数した。樹状細胞を、製造者の指示に従って、PBS中の細胞系譜特異的モノクローナル抗体および磁気粒子の懸濁物の組み合わせを含有する「DC濃縮キット」(STEMCELL Technologies、カタログ番号19251)を用いてPBMC集団から濃縮した。
【0260】
樹状細胞(DC)を、試験物品および対照(PBS)の存在下または非存在下で15分間刺激し、リン酸化STAT1(pSTAT1、特にpY701-STAT1)のレベルを、フローサイトメトリーにより単離DC細胞集団(Lin-(CD14/CD16/CD20/CD56/CD3)/HLA-DR+)において決定した。刺激後、細胞を固定し(BD Cytofix固定緩衝剤、BD Biosciences、カタログ番号554655)、次いでPerm緩衝剤II(BD PhosFlow Perm緩衝剤、BD Biosciences、カタログ番号558052)で透過処理した。細胞を次いで、ホスホSTAT1およびDC表面マーカー(Lin-/HLA-DR+)に関して染色した(以下の表を参照されたい)。細胞内および表面染色の両方を同時に行った。フローサイトメトリーおよびデータ獲得を、DPBSで細胞を洗浄した後に行った。
【0261】
フローサイトメトリー染色に関する抗体のリストを示す表
【表1】
図5は、pSTAT樹状細胞の割合の倍変化として表したデータを示す。
【0262】
本研究は、その活性が細胞標的化に際して回復可能であるIFNシグナル伝達剤(IFN R149A)を含むヒトPD-L1抗原標的化構築物が、ヒト樹状細胞においてIFNシグナル伝達を促進する(pSTAT1誘導によって決定されるように)ことを明らかに示す。対照的に、活性が回復可能でないIFNシグナル伝達剤(IFN R33A/E120R)を組み込むPD-L1標的化構築物ではIFNシグナル伝達活性化は観察されない。したがって、マウスPD-L1を標的とする匹敵するIFN融合構築物に関して観察されるように、ヒトPD-L1抗原に向けられる標的化部分を用いるヒト樹状細胞へのIFNの標的化は、顕著なIFNシグナル伝達の誘発をもたらす。
【0263】
同等物
本発明は、その特定の態様と関連して記載されてきているが、さらなる修飾が可能であり、本出願は、一般的に、本発明の原理にしたがい、かつ本発明が属する業内の公知のまたは慣用的な実施内で思い浮かぶような、かつ付随する請求項の範囲内に示すように、かつ従うように、本明細書の先の本質的な特徴に適用可能であるような本開示からの逸脱を含めて、本発明の任意の変形、使用または適応を含むと意図される。
【0264】
当業者は、ルーチンの実験を超えるものを用いずに、本明細書に特に記載する特定の態様に対する多くの同等物を認識するかまたは確認することが可能であろう。こうした同等物は、以下の請求項の範囲内に含まれると意図される。
【0265】
援用
本明細書に引用するすべての特許および刊行物は、その全体が本明細書に援用される。
【0266】
本明細書に論じる刊行物は、単に本出願の出願日前のその開示に関して提供される。本明細書中のいずれも、本発明が先行発明によって、こうした刊行物に先行する権利がないことの承認と見なされないものとする。
【0267】
本明細書で使用するすべての見出しは、単に整理のためであり、いかなる方式でも開示を制限するとは意図されない。個々のセクションいずれの内容も、すべてのセクションに等しく適用可能でありうる。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3
図4
図5
【配列表】
2024164840000001.xml