(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164842
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】機能性食用炭および水素パウダーの製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20241120BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20241120BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20241120BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L5/00 D
A23L33/16
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024147023
(22)【出願日】2024-08-28
(62)【分割の表示】P 2020096027の分割
【原出願日】2020-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】513258598
【氏名又は名称】炭プラスラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(72)【発明者】
【氏名】横山 功
(72)【発明者】
【氏名】横山 宏章
(72)【発明者】
【氏名】横山 知紀
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
【Fターム(参考)】
4B018LE03
4B018MD01
4B018ME06
4B018MF04
4B018MF14
4B035LC06
4B035LE01
4B035LG01
4B035LP02
4B035LP55
(57)【要約】
【課題】多くの水素を担持(吸着)させることができるサンゴ粉末を用いた水素パウダーの製造方法を提供する。
【解決手段】必須・微量ミネラルを補助する水素パウダーの製造方法であって、炉内の気圧を1気圧~6気圧に設定し、サンゴ粉末を50℃~200℃で焼成する工程と、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて水素担持を生じさせる工程と、を少なくとも含む。また、前記サンゴ粉末の代わりに、海洋深層水を含侵させたパウダー、天然生体由来または鉱物由来のハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)、海洋深層水粉末、海藻粉末、風化貝カルシウム粉末、牡蠣殻粉末、ホタテ貝殻粉末、真珠貝粉末、微粒二酸化ケイ素(シリカ)、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の少なくとも一つを含む必須・微量ミネラルを含有する粉末を用いる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必須・微量ミネラルを補助する水素パウダーの製造方法であって、
炉内の気圧を1気圧~6気圧に設定し、サンゴ粉末を50℃~200℃で焼成する工程と、
水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて水素担持を生じさせる工程と、を少なくとも含むことを特徴とする水素パウダーの製造方法。
【請求項2】
前記サンゴ粉末の代わりに、海洋深層水を含侵させたパウダー、天然生体由来または鉱物由来のハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)、海洋深層水粉末、海藻粉末、風化貝カルシウム粉末、牡蠣殻粉末、ホタテ貝殻粉末、真珠貝粉末、微粒二酸化ケイ素(シリカ)、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の少なくとも一つを含む必須・微量ミネラルを含有する粉末を用いることを特徴とする請求項1記載の水素パウダーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い吸着機能を有し食用に供する「機能性食用炭」および、ミネラルを含み美容に供する「高濃度水素担持パウダー」の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品に添加するのに好適な食用炭が知られている。例えば、特許文献1には、食品に添加する食用炭の製造方法が開示されている。特許文献1では、自然乾燥させた竹を50~60℃で燻煙処理した未炭化材を得る燻煙処理工程と、この未炭化材を着火し窯内温度800~1100℃で精錬して炭化させた後徐冷して原料炭を得る製錬工程と、得られた原料炭を粗粉砕して粒径2~5mmの粉末を得る粗粉砕工程と、この粗粉砕工程で得られた粉末を、振動ミルを用いて粒径10~30μm、20~40μmの微粉末、又は、気流式ジェットミルを用いて粒径0.5~9μmの微粉末を得る微粉砕工程とを経て食用炭が製造されている。そして、粒径0.5~40μmの竹炭微粉末を食用炭とすることにより、食品に添加しても食感が損なわれることがなく、さらに、安定した製品粒度の竹炭微粉末なので、取り扱いも容易であるとされている。
【0003】
一方、特許文献2には、アレルギー症状抑制効能を高めるインド伝統医療素材を配合した健康食品が開示されている。この健康食品は、カリジーリ(学名:Vernonia Anthelmintica)の種子を主成分とし、サンゴ粉末と、ジタの樹皮或いはマリーゴールド(キンセンカ)の花の粉末を効果促進剤として加え、さらに、ツボクサと、ヒマワリの種と、フェンネルと、ブドウの皮のエキスと昆布のいずれかひとつ以上を効果促進剤として加えて乾燥粉末を造粒したことを特徴とする。
【0004】
また、近時、予防医学の観点から水素の優れた性質を利用した「水素医療」という考え方が広がっている。悪玉活性酸素が、万病の元になってしまうことから、水素を日常的に取り込み、悪玉活性酸素を消去することによって、病気にかかるリスクを減少させる可能性があるとされている。このため、水素水を摂取したり、水素ガスを吸引したりすること
によって、水素を体内に取り込むことが注目されている。
【0005】
特許文献3には、サンゴカルシウムをマイナス水素イオン放出物質として採用し、このサンゴカルシウムを酸化焼成と還元焼成の2段階の焼成を行うことによって食用として提供する技術が開示されている。この技術では、サンゴカルシウムと小麦粉の混合物を成形し、酸化焼成と還元焼成を行い、この焼成体を粉末として製錠またはカプセルとして食べるマイナス水素イオン(H-)とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-121238号公報
【特許文献2】特開2007-135495号公報
【特許文献3】特許第4404657号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、炭および活性炭の吸着特性は、まだまだ向上の余地があり、吸着特性をより高めることが可能である。また、また、サンゴはミネラルを豊富に含み人体に良い機能を有しており、水素を担持 (吸着)させやすくする余地がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、炭および活性炭の吸着特性が向上する機能性食用炭の製造方法、および多くの水素を担持(吸着)させることができるサンゴ粉末を用いた水素パウダーの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の機能性食用炭の製造方法は、高い吸着機能を有し、食用に供する機能性食用炭の製造方法であって、炉内の気圧を1気圧~3気圧に設定し、赤松、竹、梅の実またはヤシ殻、ウバメガシを含む草木類を500℃~1500℃で炭化する工程と、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて賦活反応を生じさせる工程と、を少なくとも含むことを特徴とする
【0010】
(2)また、本発明の水素パウダーの製造方法は、必須・微量ミネラルを補助する水素パウダーの製造方法であって、炉内の気圧を1気圧~6気圧に設定し、サンゴ粉末を50℃~200℃で焼成する工程と、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて水素担持(吸着)を生じさせる工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0011】
(3)また、本発明の水素パウダーの製造方法は、前記サンゴ粉末の代わりに、海洋深層水を含侵させたパウダー、天然生体由来または鉱物由来のハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)、海洋深層水粉末、海藻粉末、風化貝カルシウム粉末、牡蠣殻粉末、ホタテ貝殻粉末、真珠貝粉末、微粒二酸化ケイ素(シリカ)、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の少なくとも一つを含む必須・微量ミネラルを含有する粉末を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、吸着特性が向上し、また、多くの水素を担持(吸着)させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る機能性食用炭の製造工程を示すフローチャートである。
【
図2】本実施形態に係る水素担持サンゴパウダーの製造工程を示すフローチャートである。
【
図3】人の大動脈中のケイ素含有量が、年齢と共に変化する様子を示す図である。
【
図4】ヒドロキシルラジカル制御活性を示す実験結果を示す図である。
【
図5】ヒドロキシルラジカル制御活性を示す実験結果を示す図である。
【
図6】ヒドロキシルラジカル制御活性を示す実験結果を示す図である。
【
図7】尿中8-OHdG試験の結果を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭についての「赤色2号吸着試験」の結果を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭についての「悪臭吸着試験」の結果を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭についての「食物油脂吸着試験」の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、機能性食用炭を「スーパークレンズ活性炭」と呼称する。本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭の製造方法は、炉内の気圧を1気圧~3気圧に設定し、赤松、竹、梅の実またはヤシ殻、ウバメガシを含む草木類を500℃~1500℃で炭化する工程と、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて賦活反応を生じさせる工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。また、本明細書では、本実施形態に係る水素パウダーを「還元ミネラル水素パウダー」と呼称する。本実施形態に係る還元ミネラル水素パウダーの製造方法は、炉内の気圧を1気圧~6気圧に設定し、サンゴ粉末を50℃~200℃で焼成する工程と、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて賦活反応を生じさせる工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。このように、本実施形態では、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて賦活反応を生じさせることを特徴としている。
【0015】
海洋深層水は、一般的に深度200m以深の海水であると理解されており、表層水に対して、清浄性、無機栄養塩類が豊富、低温安定性という特徴を有する。すなわち、海洋深層水は、人間の排水で汚染された河川水の影響を受けないため、化学物質による汚染がなく、太陽光が届かずプランクトン等が成育しないことから、有害な雑菌等も表層水の千分の一以下となっている。また、表層水に比べて、植物プランクトンの成長に必要な無機栄養塩類が豊富であり、さらに、水温や含有成分が変化し難く、水質が安定しているという特徴を有する。本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭および還元ミネラル水素パウダーは、水素によって還元処理された海洋深層水を用いることから、カルシウム・マグネシウムなどミネラルのイオン化が促進された状態での処理を施すことができると考えられる。
【0016】
本発明者らは、「水素による還元加工を行なった海洋深層水」(「還元加工ミネラル超濃縮溶液」と呼称することもある)が、アルコールおよびアセトアルデヒドを消去させる機能について、試験を行なった。使用機器は、「ガスクロマトグラフ GC-2010AF/AOC:島津製作所社製」であり、使用試薬は、「ウイスキー(サントリー角瓶)」、「アセドアルデヒド(和光純薬株式会社製)」である。試験方法は、次の通りである。
【0017】
[アルコールについて]
(a)ウイスキー原液(アルコール40%)100mlに試料3滴を入れて撹拌し、2時間静置後、アルコールを測定した。
(b)ウイスキー原液(アルコール40%)100mlに試料6滴を入れて撹拌し、2時
間静置後、アルコールを測定した。
【0018】
[アセドアルデヒドについて]
(a)アセドアルデヒド(90%)を100倍希釈し、0.9%溶液を作る。
(b)上記(a)の100mlに試料3滴を加え、撹拌し、30分後にアセトアルデヒド濃度を測定した。
(c)上記(a)の100mlに試料6滴を加え、撹拌し、30分後にアセトアルデヒド濃度を測定した。
【0019】
【0020】
このように、本実施形態に係る「水素による還元加工を行なった海洋深層水」が、アルコールおよびアセトアルデヒドを消去させる機能を発揮することが確認された。アセトアルデヒドは、二日酔いや悪酔いの原因となり、「身体の酸化や糖化」に関わる悪玉物質であることが知られている。本実施形態に係る「水素による還元加工を行なった海洋深層水(還元加工ミネラル濃縮溶液)」は、高いアセトアルデヒドを消去活性を有するため、身体の酸化や糖化を抑制することが期待される。
【0021】
以上のように、海洋深層水に水素加工することにより、カルシウムやマグネシウム・ケイ素など必須・微量ミネラルを含有しており、水素ガス・電子を帯びた水素イオンの両方またはいずれかを効率的に存在させることができ、また長時間持続的に水中に溶存させることができる。この「電子を帯びた水素イオン」については、一般的な水素イオンが電子一つを欠損している「H+」なのに対して、電子を二つ帯電した「マイナス水素イオンH-」が存在し、実用化に向けた研究が京都大や東工大で進められているとの報道がある。本実施形態に係る「水素による還元加工を行なった海洋深層水」を用いた還元ミネラル水素パウダー(焼成サンゴカルシウム水素パウダー)を飲用または食用すれば、胃腸内や肝臓・血中内に効率的に水素を届ける事が期待できる。皮膚や頭皮に塗布することにより、美容に直結する細胞に効率的に水素を届けることができる。
【0022】
次に、ケイ素およびその関連物質について説明する。ここで、国際原子量表(2010)に基づいて、原子量を「Si 28.0855」、「H 1.00794」、「O 15.9994」として、小数第3位を四捨五入する。ケイ素は、「Si」で表され、原子量は28.09である。人体に必要とされる1日あたりのケイ素量は、「10~40mg」であり、ケイ素として摂取目安量が用いられている。次に、シリカは二酸化ケイ素とも呼ばれ、「SiO2」で表され、分子量は60.09(28.09+16.00×2=60.09)である。無水であり、水溶性ケイ素ではないものの、「シリカ」という言葉の響きの良さから、水溶性ケイ素の別名として「シリカ」と呼称される事がある。ただし、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)とシリカ(二酸化ケイ素)は下記分子式・分子量の通り、異なる物質である。シリカ(二酸化ケイ素)が水和してH2Oが1つ追加されてメタケイ酸に、更に水和しH2Oが1つ追加されてオルトケイ酸に変化し、生体に取り込まれ有効活用され易くなる。水溶性ケイ素とは含水シリカ(含水ケイ酸)であり、メタケイ酸またはオルトケイ酸の形をとる物質を指す。山や岩石を構成する非水溶性シリカ(二酸化ケイ素)が水H2Oと結び付いて溶け出し、メタケイ酸に変化。更に水和が進み(H2O追加)、より生体に吸収されやすいオルトケイ酸に変化し海洋へと達し、食物連鎖の底辺である「植物プランクトンケイ藻」に取り込まれ連鎖し、生体内への活用が進んで行く。繰り返しになるものの、ミネラルウォーターとして販売されている「温泉や湧き水由来の飲むシリカ(ケイ素)」とは、岩石(シリカ・二酸化ケイ素・ケイ酸・無水ケイ酸) より溶け出し、美肌の湯成分として飲泉に長年愛用されている「水溶性ケイ素」(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)を含む事を指している。ところで、「ケイ素/シリカ」=「28.09/60.09」=「0.47」倍となる。また、「シリカ/ケイ素」=「60.09/28.09」=「2.14」倍であり、これらのことから、シリカ(二酸化ケイ素、SiO2)=ケイ素(Si)×1/0.47=ケイ素(Si)×2.14となる(日本食品分析センター使用の換算値に基づく)。
【0023】
また、水素担持体として、微粒二酸化ケイ素SiO2は、ケイ素Siに酸素原子Oが2つ結びついた構造を有しており、その吸着特性ゆえに水素を抱え込み溶存水素時間を延ばす効果を期待できる。また、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)はオルトケイ酸Si(OH)4の場合、ケイ素Siに水酸基OHが4つ結びついた構造を有しており、より強く溶存水素を抱え込む作用を期待できる。
【0024】
次に、メタケイ酸は、「H2SiO3」で表され、分子量は78.1(1×2+28.09+16.00×3=30.09+48.0=78.09)である。このことから、メタケイ酸は、シリカ(ケイ酸、二酸化ケイ素)が水和して、「H2O+SiO2=H2SiO3」に変化したものであるといえる。
【0025】
また、以下の関係が見出される。
「ケイ素/メタケイ酸」=「28.09/78.09」=「0.36」倍
「メタケイ酸/ケイ素」=「78.09/28.09」=「2.78」倍
「シリカ/メタケイ酸」=「60.09/78.09」=「0.77」倍
「メタケイ酸/シリカ」=「78.09/60.09」=「1.30」倍
【0026】
次に、オルトケイ酸は、「H4SiO4」で表され、分子量は、78.1(1×4+28.09+16.00×4=32.09+64.0=96.09)である。上記メタケイ酸の分子式と比べて更に「H2O」が付いて水和化した形を採る。水溶性ケイ素は、最終的に「オルトケイ酸(H4SiO4)」の形で存在し、その生物地球化学的循環は珪藻によって制御されている。この「オルトケイ酸(H4SiO4)」は、「Si(OH)4」であり、Siを中心として、「OH基が4つ手を握る綺麗な形の分子構造」を取っており、吸収性により優れている。
また、以下の関係が見出される。
「ケイ素/オルトケイ酸」=「28.09/96.09」=「0.29」倍
「オルトケイ酸/ケイ素」=「96.09/28.09」=「3.42」倍
「シリカ/オルトケイ酸」=「60.09/96.09」=「0.63」倍
「オルトケイ酸/シリカ」=「96.09/60.09」=「1.60」倍
【0027】
ここで、1日の推奨摂取目安量について説明する。上述したように、「シリカ/ケイ素」=「60.09/28.09」=「2.14」倍、「メタケイ酸/ケイ素」=「78.09/28.09」=「2.78」倍、「オルトケイ酸/ケイ素」=「96.09/28.09」=「3.42」倍、である。ケイ素単体での1日推奨摂取目安量は、「10~40mg」であることから、シリカ、メタケイ酸、オルトケイ酸に換算した場合の1日推奨摂取目安量は、ケイ素量からの各換算値範囲内と考えられる。すなわち、水溶性ケイ素を構成する「ケイ素」として「10~40mg」、水溶性ケイ素を構成する「シリカ」として「21.4~85.6mg(10~40mg×2.14倍)」、水溶性ケイ素であるメタケイ酸として「27.8~111.2mg(10~40mg×2.78倍)」、水溶性ケイ素であるオルトケイ酸として「34.2~136.8mg(10~40mg×3.42倍)」となる。
【0028】
「Gerd Bendz」編集の文献「Biochemistry of Silicon and Related Problems (Nobel Foundation Symposia)」によれば、「人の大動脈中のケイ素含有量は、年齢と共に変化する」とされている。
図3に示すように、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)は、誕生時に体内にあった数値を100とすると、個人差を無視すると、40歳までに約半分に減ってしまう。人間は、必要な水溶性ケイ素を自分の身体でつくることができないため、美容と健康を維持するためには、積極的に水溶性ケイ素を摂取することが重要である。
【0029】
水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)は、人体にも含まれ、毛髪・爪・血管・骨・歯・関節や細胞壁などに存在しており、生体内の水溶性ケイ素はコラーゲンを束ねる作用を持ち、骨・歯・毛髪・爪・コラーゲンの再生や補強、維持に役立つ他、肌の保湿などにも影響を及ぼす。また、水溶性ケイ素は皮膚(真皮層)・毛髪・爪等に含まれ、コラーゲン・セラミド、エラスチン・ヒアルロン酸・コンドロイチンなどを結び付け、肌のハリや弾力を維持し、組織を束ね丈夫にする機能を有する。さらに、セラミドまたはヒアルロン酸、乳酸菌、水溶性ケイ素を組み合わせることによって、優れた美容健康効果が得られることが知られている。すなわち、セラミドは、皮膚のバリア機能(特に保湿効果)を高めて、表皮の水分の蒸発を抑える機能を有し、ヒアルロン酸は、皮膚の保水機能を高めて乾燥を防ぎ、乳酸菌は、整腸作用と共に免疫力増加機能や抗アレルギー機能を有し、更に水溶性ケイ素は、肌(皮膚)におけるコラーゲンの合成を促進させ、コラーゲン層間の接着および上質化を担う機能を有することから、これらを組み合わせることによって美容健康効果が発揮されることが期待される。更に、水溶性ケイ素は腸壁から吸収され、血管を通る際、血管内部の付着物を可溶化する作用があり、動脈硬化の予防にも効果がある。さらに、植物の成長の促進、あるいは茎の強化を図る機能を有している。
【0030】
米国の「フラミンガム子孫研究」では、ケイ素(水溶性ケイ素に含有)の摂取量と骨密度(BMD)に密接な関係があるとされた。この研究では、30代から80代までの研究対象者の男女2846人の食生活において、「ケイ素摂取量」の測定結果に応じて4グループに分けて比較した。その結果、男性や閉経前の女性では、ケイ素摂取量が多いほど、大腿骨頚部の骨密度が高いことが判明した。これにより、ケイ素の骨粗鬆症予防に対する効果が期待されている。このように、ケイ素の重要性が明らかになったことから、欧米では、身体に吸収されやすい水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の健康補助食品・サプリメントはかなり以前より注目されており、欧米のケイ素商品の市場はすでに非常に莫大な規模となっている。人間の骨は、ハイドロキシアパタイトが約70%、コラーゲンが約30%で構成されており、それらに芯を通し、組織として強固なものにするのが水溶性ケイ素である。このため、水溶性ケイ素、ハイドロキシアパタイト、およびコラーゲンを含有することによって、これら3成分のコラボレーションによる相乗効果は大きいことが期待される。
【0031】
植物由来のケイ酸も鉱物由来のケイ酸も同一条件下にて温度・圧力をかけて海洋深層水を用いた加工を施すことで水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)を得ることはできるが、それぞれケイ素以外に含まれるミネラルバラ
ンスは異なるため、大地の恵み・植物の恵みを共に満喫するのであれば、植物性水溶性ケイ素・鉱物性水溶性ケイ素の各濃縮液をミックスすることで、相乗効果を期待することもできる。なお、竹の他に、稲(稲わら・もみ殻)・ササ・キビ・ススキ・サトウキビ・ムギ等のイネ科植物、スギナ、トクサなどケイ素高含有植物を用いても良い。また、水晶・石英などの鉱物由来ケイ酸を用いても良い。霧島(霧島連山)や箱根の天然水や温泉水由来のケイ酸を配合しても良い。また、富士山溶岩マリモ・パウダーより溶出するケイ酸を活用したり、富士山の湧き水や温泉水に豊富に含まれるケイ酸を掛け合わせたりする事により、ケイ酸以外に含まれるミネラルの更なる相乗効果を期待できる。「富士山のミネラルの恵み」と、「海洋深層水ミネラルの恵み」は、まさに高低ミネラルの恵みであり、陰陽のミネラルバランスの恵みであると言うことができる。なお、富士山の湧き水、温泉水、溶岩などには「バナジウム」が含まれており、「バナジウム」は、糖尿病への効果が期待できることが知られている。本実施形態においても、「バナジウム」を含有することによって、糖尿病への効果が期待できるようになる。
【0032】
また、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)を多く含むミネラルウォーターの産地は、おもに富士・箱根地域や九州地方に分布している。九州地方は、阿蘇・雲仙・霧島・久住・桜島・別府といった世界有数の火山・温泉群を有しており、このエリアの地層にはケイ酸が多く含まれ、長い時間をかけて水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)に変わり、水の中に溶け出している事が知られている。また、水溶性ケイ素を豊富に含む霧島の温泉水については、「はるか昔、イザナギノミコトとイザナミノミコトが、足腰の立たないヒルコノミコトを船にのせ、たどり着いた「なげきの杜」で温泉治療をさせた」という神話が知られている。本実施形態においても、霧島や桜島の湧き水や天然水由来のケイ酸を活用しても良い。
【0033】
[第1の実施形態]
次に、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭の製造工程を示すフローチャートである。まず、赤松、竹、梅の実またはヤシ殻、ウバメガシを含む草木類を収穫し(ステップS1)、収穫した草木類を炭窯で加熱処理する(ステップS2)。この加熱処理が「炭化」であり、処理の条件は、例えば、炉内の気圧が1気圧~3気圧であり、温度が500℃~1500℃とする。次に、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて賦活反応を生じさせる(ステップS3)。このように、炭化した原料(赤松、竹、梅の実またはヤシ殻、ウバメガシを含む草木類の炭)とミネラル含有水(水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」)を500℃~1500℃の温度で反応させると、炭素とミネラルとの部分反応によって微細孔(直径5~200オングストローム)が生成し、活性炭が製造される。これにより、スーパークレンズ活性炭の吸着特性が向上する。気圧、温度条件は一律ではなく、各草木類により導管のサイズが異なることから、草木類毎に最適な条件を見出し、炭化する必要がある。
【0034】
[検証例1]
ここで、本発明者らは、スーパークレンズ活性炭が、温度・圧力に加えて、還元水を用いて「ふんわりフワフワ」に炭化させていることに特徴があることから、歯を傷つける研磨作用は低いことを証明すべく試験を実施した。歯のエナメル質よりもガラス表面は硬度が弱いため、ガラス表面を対象に「伊那赤松妙炭・ヤシ殻活性炭顆粒(分散加工)」を用いて電動ハブラシによる研磨作用試験を行なった。結果としては、1時間も炭により電動ハブラシ磨きにも関わらず、ガラス表面には全く傷がついていないことが判明した。これにより、スーパークレンズ活性炭による歯への研磨作用は、全く問題がないことが分かった。
【0035】
また、本実施形態では、海洋深層水のみならず、「富士、南アルプス、中央アルプス、霧島天然水などの湧き水・温泉水などを活性炭フィルタを通過させてミネラルを濃縮した水」に水素加工した還元水を用いて賦活反応を生じさせても良い。
【0036】
[検証例2]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「赤色2号吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、鎌倉 珪竹炭粉末、伊那赤松妙炭粉末)、医療実績の他社活性炭粉末、竹炭粉末(国産)とした。試験方法は、赤色2号(アマランス)にて着色した水に試料を添加し攪拌し、これをろ過したものに対し、吸光度測定を行なった。結果は、次の表および
図8に示す通りである。
【表2】
本実施形態に係る「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は、高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が形成されている。このため、市販の活性炭や竹炭粉末(国産)と比較すると、極めて高い吸着率(90%以上)が実現されることが分かった。
【0037】
[検証例3]
また、本発明者らは、公的第三者機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭を用いた「悪臭吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末)とした。試験方法は、(1)テドラーバッグ(におい袋:3L)に試験検体を入れたものを「試料測定」、入れていないものを「空試験」とし、(2)両者に調整した10種類の臭気成分を添加し、30分静置後の臭気を測定した。各試料3回測定し、平均値を結果とした。ここで、吸着率(%)とは、減少率(%)と同義であり、(空試験の濃度)-(資料測定の濃度)を(空試験の濃度)で除算して100をかけて得られるものである。結果は、次の表および
図9に示すとおりである。なお、次の表中、「アンモニア」は、特有の強い刺激臭を有し、「酢酸」は、強い酸味と刺激臭を有する。「メチルメルカブタン」は、歯周病菌ジンジバリス菌が産み出す代表的な口臭物質であり、「硫化水素」は、腐卵臭を有する。「アセトアルデヒド」は、独特の臭気と刺激性を持ち、自動車の排気やたばこの煙などに由来する大気汚染物質でもある。「ピリジン」は、腐り果てた魚のような臭いを有し、「トリメチルアミン」は、魚の生臭さの主因となる物質である。「ノネナール」は、油臭くて青臭いニオイを有しており、加齢臭との関連が研究されている。「インドール」は、大便臭を有し、「イソ吉草酸」は、チーズもしくは汗、足、加齢による口臭の臭いのような不快感を伴う刺激臭を有する。
【表3】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、多種類の悪臭に対して、極めて高い吸着率が確認された。
【0038】
[検証例4]
また、本発明者らは、第三者研究機関第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭を用いた「食物油脂吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末)、ヤシ殻活性炭粉末(中国産)、市販の竹炭粉末(国産)とした。試験方法は、(1)湯に食物油脂を加え、均等になるまで攪拌し、(2)試料を加えて10分攪拌し、(3)これをろ過したものを測定した。(4)食物油脂を(1)と同量の湯に入れ、攪拌後ろ過したものを原液として比較した。結果は、次の表および
図10に示すとおりである。
【表4】
本実施形態に係る「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭)」は、高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が形成され、ヤシ殻活性炭粉末(中国産)、市販の竹炭粉末(国産)と比較すると、極めて高い炭素比率(98%)以上を実現している。このような構成であるため、第三者機関による食物油脂吸着試験結果において、炭粉末1gあたり5.6gと高い吸着結果を確認することができた。
【0039】
[検証例5]
また、本発明者らは、第三者研究機関第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「重金属吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)カドミウム標準液、鉛標準液、水銀標準液を希釈し、(2)これらの希釈溶液に試験検体を添加し、攪拌後、ろ過したものをICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析装置にて分析した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表5】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、3種類の重金属に対して、極めて高い吸着率が確認された。
【0040】
[検証例6]
また、本発明者らは、第三者研究機関第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「ニコチン吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)ニコチン標準液を希釈し、(2)これらの溶液に試験検体を添加し、攪拌後、ろ過したものをGC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)にて分析した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表6】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、ニコチンに対して、極めて高い吸着率が確認された。
【0041】
[検証例7]
また、本発明者らは、第三者研究機関第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「インドール・スカトール吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)大便臭を放つインドールおよびスカトールを溶解し、(2)これらの溶液に試験検体を添加し、10分攪拌後、ろ過したものをGC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)にて分析した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表7】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、インドール・スカトールに対して、極めて高い吸着率が確認された。
【0042】
[検証例8]
また、本発明者らは、第三者研究機関第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「タバコタール色素吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)市販のタバコの葉をビーカーに取り、熱湯で煮出したものを原液とし、(2)原液に試験検体を添加し、攪拌後、ろ過したものに対し、吸光度を測定した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表8】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、タバコタール色素に対して、極めて高い吸着率が確認された。
【0043】
[検証例9]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「食用色素吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、食用色素にて着色した水に試験検体を添加し、攪拌後、ろ過したものに対し、吸光度を測定した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表9】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、食用色素に対して、極めて高い吸着率が確認された。
【0044】
[検証例10]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「トリハロメタン(クロロホルム)吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)クロロホルム溶液を調整し、(2)クロマト管に試料を層になるように入れ、上から(1)の溶液を静かに投入し、(3)透過した液体をGC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)にかけて分析した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表10】
このように、すべての試験検体において、非常に良好なトリハロメタンの吸着が確認された。水道水のトリハロメタンに基準値は、0.1ppmであるが、この試験では、濃度を基準値の200倍としても十分な吸着が確認できた。加熱条件によって、水道水中のトリハロメタンは増加する可能性があるが、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)によれば、十分に吸着できると推定される。
【0045】
[検証例11]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「残留塩素吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)次亜塩素酸ナトリウムを希釈し、(2)ロートにろ紙を乗せ、試験検体を入れ、(2)の希釈液100mlを上から投入し、(3)透過した液をバックテストにて測定した。ろ紙ブランクとして(1)の希釈液を、ろ紙を透過させたもので測定した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表11】
このように、すべての試験検体において、吸着処理後に残留塩素は検出されず、残留塩素の吸着は非常に良好な結果となった。水道水の残量塩素の基準値は、0.1ppmであるが、この試験では、濃度を基準値の50倍としても十分な吸着が確認できた。
【0046】
[検証例12]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「ヒ素吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)ヒ素標準液を希釈し、(2)(1)で作成した希釈液に試験検体を加え、マグネットスターラーにて攪拌し、(3)ろ紙アドバンテック2Bにてろ過し、(4)ヒ素濃度を測定した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表12】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、ヒ素に対して、高い吸着率が確認された。
【0047】
[検証例13]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「アルミニウム吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)アルミニウム標準液を希釈し、(2)(1)で作成した希釈液に試験検体を添加して攪拌し、ろ過したものをICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析装置にて分析した。吸着率は、以下の表の通りである。
【表13】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、アルミニウムに対して、特に伊那赤松妙炭での高い吸着率が確認された。
【0048】
[検証例14]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「細菌吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。
試験方法は、歯周病の疑いがある男性の口内細菌を利用し、(1)使用菌液である唾液を生理食塩水で10倍に希釈した後、ろ紙(アドバンテックろ紙No.2)を用いてろ過し、(2)10mlに検体1gを添加し、3分間混和した。(3)炭の沈澱を待って上清を1ml採り、希釈後、培地に接種した。結果は、以下の通りである。
【表14】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、100%に近い吸着率で口内細菌を吸着できることが明らかとなった。
【0049】
[検証例15]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「AGEs吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、(1)水にアラニン、グルコースを溶かして加熱し、自然冷却後、希釈したAGEs溶液を作成し、(2)AGEs溶液に、各試験検体を加え、攪拌後にろ過し、吸光度を測定した。結果は、以下の通りである。
【表15】
【0050】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、特に機能性ヤシ殻活性炭は100%に近い吸着率でAGEsを吸着できることが明らかとなった。また、市販炭製品(1)および(2)は、高価格帯・高機能性を謳う食用炭原料であるが、これらと比較しても「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」の優位性が明らかとなった。さらに、上記の通り、AGEs吸着試験結果は、機能性ヤシ殻活性炭が100%であり、誤差を考慮したとしても100%に近い結果であり、伊那赤松妙炭が56%であり、鎌倉珪竹炭が51%であるのに対し、球状活性炭処方薬(細粒分包)が17%であったことから、機能性ヤシ殻活性炭は、この処方薬の5.9倍、伊那赤松妙炭は、この処方薬の3.3倍、鎌
倉珪竹炭は、この処方薬の3.0倍もの高い吸着率を示した。これにより、この処方薬に対する「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭)」の優位性が明らかとなった。
【0051】
[検証例16]
また、本発明者らは、第三者研究機関を介して、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭として、機能性ヤシ殻活性炭、伊那赤松妙炭、鎌倉珪竹炭を用いた「プリン体吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)とした。試験方法は、プリン体として「アデニン」を用い、一般的なビールのプリン体濃度50ppm溶液に対して炭試料1gを加え攪拌後、ろ紙を用いてろ過し、液体クロマトグラフにて濃度を測定した。測定結果は以下の通りである。測定結果は、以下の通りである。
【表16】
【0052】
このように、「スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末、鎌倉珪竹炭粉末)」は高温高圧下にてミネラルを活用した独自加工を施していることから、奥深くまで微細な孔が生成され、高い吸着率でプリン体を吸着できることが明らかとなった。
【0053】
[検証例17]
本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末)を用いて、「アクリルアミドの吸着試験」を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、伊那赤松妙炭粉末)とした。試験方法は、アクリルアミド水溶液中に検体をそれぞれ添加し、撹拌後遠心を行ない、上清をフィルタにてろ過した。このろ液について、「TOC-V CSN(全有機炭素計)」を用いた濃度測定を行なった結果は、以下の通りである。
【0054】
【0055】
本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、 伊那赤松妙炭粉末)は、高い吸着率でアクリルアミドを吸着できることが明らかとなった。特に、機能性ヤシ殻活性炭粉末では、90%を超える吸着率を示した。アクリルアミドは、インスタントコーヒーやポテトチップスに含まれており、発ガン性のある有害物質として知られているが、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭を用いることによって、アクリルアミドを高い割合で除去することができる。
【0056】
[検証例18]
次に、本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、紀州備長
活性炭粉末)のカフェイン吸着試験を行なった。試験検体は、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、紀州備長活性炭粉末)とした。試験方法は、カフェイン水溶液に検体をそれぞれ加え撹拌後、ろ紙にてろ過し、液体クロマトグラフにて濃度を測定した。結果は、次の表の通りである。
【0057】
【表18】
このように、スーパークレンズ活性炭(機能性ヤシ殻活性炭粉末、紀州備長活性炭粉末)は、いずれも高いカフェイン吸着率を示した。カフェインは適量であれば身体を活性化させる効能が言われているが、多量に飲用する場合は副作用があるとして、カフェインを取り除いたコーヒーがデカフェと呼ばれ、注目を集めている。本実施形態に係るスーパークレンズ活性炭を用いることによって、カフェインを高い割合で除去することができる。
【0058】
[第2の実施形態]
次に、本実施形態に係る還元ミネラル水素パウダーの製造方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る還元ミネラル水素パウダーの製造工程を示すフローチャートである。この還元ミネラル水素パウダーは、高濃度かつ長時間水素発生が可能である。まず、炉内にサンゴ粉末を供給し(ステップT1)、サンゴ粉末を窯で加熱処理する(ステップT2)。これらサンゴの焼成処理であり、処理の条件は、炉内の気圧が1気圧~6気圧であり、温度が50℃~200℃とする。次に、水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」を用いて水素担持を生じさせる(ステップT3)。このように、焼成したサンゴ粉末とミネラル含有水(水素による還元加工を行なった「海洋深層水または水溶性ケイ素含有水」)を1気圧から6気圧、50℃~200℃の温度で反応させると、サンゴ粉末とミネラルとの部分反応によって微細孔(直径10~200A)が生成される。これにより、微細孔のミネラルに多くの水素を担持(吸着)させることができる。
【0059】
[検証例19]
本発明者らは、第三者機関(日本水素水振興協会)に依頼して、本実施形態に係る還元ミネラル水素パウダー(焼成サンゴカルシウム水素パウダー)による溶存水素量を測定した。その結果、溶存水素量(酸化還元方式)では、10分後に840ppb、2時間後に1,096ppb、6時間後に1,085ppb、24時間後に1,045ppbが計測された。また、「滋賀県東北部工業技術センター」で、紫外可視近赤外分光高度計を用い、水素イオン発生量の調査(第三者研究機関にて実施)を行なった。測定原理は、水素の存在により、NAD試薬との反応にて生成されたNADHを測定し、水素量を算出するものである。試料1gに蒸留水10mlを加え、撹拌し、1時間静置後、上清を分析した。その結果、パウダー1gから生じる水素イオン量は、3.55×10の20乗個(3.55垓個)となり、人体の細胞60兆個に対し、細胞一個あたり水素イオン570万個を供給できる水準となることが分かった。
【0060】
このように、長時間、水素が溶存することが確認されたことに加え、水素イオンの豊富な発生量が確認されたことによって、本実施形態に係る経口組成物(焼成サンゴカルシウム水素パウダー)の腸内および肝臓へのアプローチ等が期待できるといえる。腸は、体内活性酸素の約9割が発生するといわれ、肝臓は体内最大の解毒器官であり、絶えず活性酸素にさらされている。両器官へのアプローチの可能性が見出されたことは、水素パワーの
潜在力を示すものといえる。
【0061】
さらに、「滋賀県東北部工業技術センター」での紫外可視近赤外分光高度計を用いたアセトアルデヒド消去能も調査した(第三者研究機関にて実施)。試験は、焼酎200mlに試料(焼成サンゴカルシウム水素パウダー)0.2gを加え、15分撹拌。静置後、上清を分析する方法で行なわれた。その結果、アルデヒド濃度は、10mg/lから1.9mg/lとなり、81%の消去率が確認された。二日酔いの原因ともいわれるアセトアルデヒトを消去するという事実は、二日酔い対策や肝臓の健全化の有効性が期待される。
【0062】
[検証例20]
本発明者らは、第三者研究機関に依頼して、本実施形態に係る還元ミネラル水素パウダー(焼成サンゴカルシウム水素パウダー)のヒドロキシラジカル消去機能について検証した。検証方法は、以下の通りである。通常、420mg~820mg/100mlで飲用するため、焼成サンゴカルシウム水素パウダーを蒸留水で懸濁し(32.8mg/ml)、約1時間静置し、ストック溶液とした。測定では、(1)ストック溶液の10倍希釈溶液、(2)ストック溶液を作成し、最終的に活性酸素産生系に添加することで、それぞれ40倍希釈、4倍希釈(飲用濃度)とした。「ヒドロキシルラジカル産生方法」については、過酸化水素に紫外線を照射することにより産生した。
【0063】
次に、調整したサンプルは、ESRフラットセルに回収し、以下の測定条件でESR測定を行なった。
Center Field: 335mT
Modulation Width : 100μT
Sweep Width:± 5.0mT
Time Constant : 0.1sec
Sweep Time : 1min
Gain : 50
【0064】
次に、ヒドロキシルラジカル捕捉剤として、DMPOを用い、以下のプロトコールを用いてサンプルのヒドロキシルラジカル消去活性の測定を行なった。
蒸留水(control)、溶液(1)または(2):50μL
5.7M DMPO:20μL
2.5mM H2O2: 130μL
紫外線を30秒間照射後、ESRにて測定した。
【0065】
図4において、得られたESRスピンアダクトの四角で囲ったシグナル強度から、コントロールを100%とし、各サンプル添加にて得られた値を「% of control」として評価した。なお、スピンアダクトの信号強度は、外部標準試料Mn2+(
図4の左端)のESR信号に対する比から解析した。そして、個別データを用いて統計学的処理を実施した。各条件におけるデータ数は2および3であり、統計処理は、Tukeyの分散分析を用い、5%以下を有意差とした。
【0066】
ヒドロキシルラジカル消去活性を示す結果は、
図4~6に示す通りである。すなわち、コントロール(
図4中のa)と比較し、試料(1)0.82 mg/mL(
図4中のb)および試料(2)8.2 mg/mL(
図4中のc)共に、有意なヒドロキシルラジカル消去が認められた(p <0.05, Tukey 多重検定)。
【0067】
また、本実施形態では、サンゴ粉末の代わりに、海洋深層水を含侵させたパウダー、天然生体由来または鉱物由来のハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)、海洋深層水粉末、海藻粉末、風化貝カルシウム粉末、牡蠣殻粉末、ホタテ貝殻粉末、真珠貝粉末、微粒
二酸化ケイ素(シリカ)、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の少なくとも一つを含む必須・微量ミネラルを含有する粉末を用いることも可能である。これにより、ミネラルを豊富に含有する還元ミネラル水素パウダーを製造することが可能となる。海洋深層水を含浸させることにより、コラーゲンや乳酸菌原料など多種多様な粉末原料に対して低温高圧加工により水素担持(吸着)が可能となる。
【0068】
[検証例21]
上記のように、サンゴ粉末の代わりに、「海洋深層水を含侵しさせたパウダー、およびハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)、微粒二酸化ケイ素(シリカ)を含有する還元ミネラル水素パウダー」を製造することができるが、この「海洋深層水を含侵させたシルクパウダー、真珠貝由来ハイドロキシアパタイト、微粒二酸化ケイ素を含有するシルク水素パールパウダー(商標登録出願済)」の溶存水素量と、酸化還元電位を測定した。試験方法は、溶存水素計として「株式会社トラストレックス製 ENH-2000」を用い、酸化還元電位計として「株式会社佐藤商事製 YK-23RP-ADV」を用い、横浜市水道水100mLに対し、「シルク水素パールパウダー」1gを投入し攪拌して測定した。結果は、以下の通りである。なお、以下の記載では、便宜上、マイナスの数値に「▲」を付すこととする。
(初期値)
溶存水素量…0ppb
酸化還元電位…+600mV
pH7
(10分後)
溶存水素量…1312ppb
酸化還元電位…▲725mV
pH 10.81
(1時間後)
溶存水素量…1827ppb
酸化還元電位…▲906mV
pH 10.83
(12時間後)
溶存水素量…1847ppb
酸化還元電位…▲920mV
pH 10.66
(20時間後)
溶存水素量…1730ppb
酸化還元電位…▲888mV
pH 10.12
(32時間後)
溶存水素量…908ppb
酸化還元電位…▲357mV
pH 8.51
(45時間後)
溶存水素量…552ppb
酸化還元電位…▲182mV
pH 8.30
(60時間後)
溶存水素量…336ppb
酸化還元電位…▲46mV
pH 8.36
(66時間後)
溶存水素量…220ppb
酸化還元電位…▲14mV
pH 8.16
【0069】
上記のように、12時間後の溶存水素量は、1847ppbであった。これは、12時間が経過しても、市販の水素水の出荷時の含有量の2.3倍~4.6倍もの水素が含まれていることとなる。また、12時間経過後の酸化還元電位は、▲920mV(-920mV)であった。このことから、「シルク水素パールパウダー」は、活性酸素を有効に除去し、高い抗酸化機能を有することが分かった。
【0070】
[検証例22]
本実施形態に係る「シルク水素パールパウダー」から発生する水素の定量を行なった。試験方法は、ガスクロマトグラフィーにより、本実施形態に係る「シルク水素パールパウダー」から生じる水素の量を測定した。具体的には、本実施形態に係る「第1のシルク水素パールパウダー」および「第2のシルク水素パールパウダー」を乳鉢で粉砕した後、5mgおよび2mgを採取し、125mLバイアルに加え、そこに精製水25mLを加え、すばやく蓋をし、30分間超音波抽出した。室温で48時間以上静置した後、バイアルの中のヘッドスペースガス0.5mLをガスクロマトグラフに注入し、水素を測定した。結果は、以下の通りである。
【0071】
【0072】
市販されているアルミニウム缶に充填された水素水には、出荷時には、410mlあたり0.16mg~0.32mg(0.4ppm~0.8ppm)の水素が含まれていると言われている。最近の技術の進化により、この水素の量は、かなり多い方であると考えられている。これに対し、第1のシルク水素パールパウダーからは、140(mL/g)の水素が検出された。これは、12.5mgに相当するため、市販の水素水に対して40倍~78倍の水素が含まれていることとなる。また、第2のシルク水素パールパウダーからは、3.5(mL/g)の水素が検出された。これは、0.3mgに相当するため、ほぼ市販の水素水と同等な水素が含まれていることとなる。これにより、本実施形態に係る第1のシルク水素パールパウダーには、従来には見られなかった量の水素が担持されていることが分かる。
【0073】
このように、「シルク水素パールパウダー」は、水素含有量が高いため、水素による抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗癌作用、ミトコンドリア内でのエネルギー産生促進作用、脂質代謝改善作用、耐糖能改善作用、動脈硬化発症抑制作用、パーキンソン病の症状改善作用などが期待される。また、ハイドロキシアパタイトや海洋深層水を混合させることでこれらの有用性を享受することも可能となる。
【0074】
[検証例22]
また、本発明者らは、日本酸化療法医学会と共に、「ヒト臨床試験」を実施した。高濃度水素イオン発生原料としての「焼成サンゴカルシウム水素パウダー」と、高濃度水素ガ
ス発生原料としての「マリンミネラル水素パウダー」とを混合し、充填したハイブリッド水素サプリメントを用いて、ヒト臨床試験を行なった。この「マリンミネラル水素パウダー」は、海洋深層水粉末と微粒二酸化ケイ素に本実施形態に係る水素担持加工を施して水素ガス、水素イオンが発生する「複合ミネラル含有パウダー」である。この試験では、
図7に示すように、飲用開始後、5日間で尿中の遺伝子損傷(生体内での酸化ストレス)を表すマーカーである「8-OHdGクレアチニン比」の「摂取前と摂取開始後5日目の各平均値」の統計的有意な低下が認められた。水素が持つ浸透力が短期間で十分に発揮される原料であることが判明した。
【0075】
以上説明したように、本発明によれば、炭および活性炭の吸着特性が向上するスーパークレンズ活性炭の製造方法、および多くの水素を担持(吸着)させることができる還元ミネラル水素パウダーの製造方法を提供することが可能となる。本発明は、食品用途のみならず、化粧品や雑貨にも活用することができる。