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特開2024-164857医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
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  • 特開-医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164857
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/46 20240101AFI20241121BHJP
【FI】
A61B6/00 360B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080512
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】393015324
【氏名又は名称】株式会社グッドマン
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100152515
【弁理士】
【氏名又は名称】稲山 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】下條 安曇
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA08
4C093AA24
4C093AA26
4C093CA23
4C093DA02
4C093EC16
4C093FF12
4C093FF42
4C093FG14
4C093FG16
(57)【要約】
【課題】医療の専門知識がない者でも検査結果を容易に理解できる態様で表示できる医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医療画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】医用画像処理装置は、臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する。医用画像処理装置は、検査対象を示す3次元モデルを取得する。医用画像処理装置は、検査結果を表示する第1表示領域71と、3次元モデルを表示する第2表示領域72とを含む表示画像7を、表示部に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する第1取得手段と、
前記検査対象を示す3次元モデルを取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段により取得した前記検査結果と、前記第2取得手段により取得した前記3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記第1取得手段は、
前記検査装置により検査される前記検査対象の向きを示す第1情報を更に取得し、
前記表示手段は、
前記第1取得手段により取得した前記第1情報に基づき、前記検査対象の向きに対応する前記3次元モデルの向きを特定し、特定した向きの前記3次元モデルと前記検査結果とを含む前記表示画像を前記表示部に表示する第1表示処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記3次元モデルの向きを変更する変更操作を受け付ける第1受付手段を備え、
前記表示手段は、
前記変更操作を受け付けない場合、前記第1表示処理を実行し、
前記第1受付手段により前記変更操作を受け付けた場合、前記第1表示処理を中止し、前記表示画像に含まれる前記3次元モデルの向きを、受け付けた前記変更操作に基づき変更して前記表示部に表示する第2表示処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
表示処理を切り替える切替操作を受け付ける第2受付手段を備え、
前記表示手段は、
前記第2表示処理の実行中に、前記第2受付手段により前記切替操作を受け付けた場合、前記第2表示処理を中止して前記第1表示処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記第1取得手段は、
前記検査対象の拍動タイミングを示す第2情報を更に取得し、
前記第2取得手段は、拍動する前記3次元モデルを取得し、
前記表示手段は、
前記第1取得手段により取得した前記第2情報に基づき、前記検査対象の前記拍動タイミングに合わせて拍動する前記3次元モデルを前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記検査装置は、放射線による透視撮影を行うアンギオグラフィー装置であり、
前記検査結果は、前記透視撮影の撮影画像であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記検査対象が心臓であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する第1取得ステップと、
前記検査対象を示す3次元モデルを取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップにより取得した前記検査結果と、前記第2取得ステップにより取得した前記3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する表示ステップと
を備えたことを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項9】
臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する第1取得ステップと、
前記検査対象を示す3次元モデルを取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップにより取得した前記検査結果と、前記第2取得ステップにより取得した前記3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する表示ステップと
をコンピュータに実行させるための医用画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線、超音波、磁気等を用いて臨床検査を行う検査装置の検査結果は、病状、治療計画、治療効果の判定等の様々な局面において、医療従事者に有用な情報を提供する。特許文献1は、超音波画像処理装置を開示する。超音波画像処理装置は、超音波検査の結果に基づき、Bモード画像、オーバレイ画像、ブルズアイ画像、及びシェーマ画像を含む表示画像を生成し、表示部に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-157608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療従事者が患者やその家族等に対して検査結果を見せ、病状等の説明を行う場合がある。ここで、放射線、超音波、磁気等を用いて行われる臨床検査の検査結果自体は、専門知識がないと理解できない場合が多い。このため、医療の専門知識がない者も検査結果を容易に理解できる態様で表示部に表示できる医用画像処理装置が所望される。
【0005】
本発明の目的は、医療の専門知識がない者でも検査結果を容易に理解できる態様で表示できる医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医療画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る医用画像処理装置は、臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する第1取得手段と、前記検査対象を示す3次元モデルを取得する第2取得手段と、前記第1取得手段により取得した前記検査結果と、前記第2取得手段により取得した前記3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
医用画像処理装置は、臨床検査の検査装置による検査結果と、検査対象を示す3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する。この場合、表示画像を視た第3者は、検査結果を検査対象と関連付けて確認できる。従って医用画像処理装置は、第3者が医療の専門知識を有さない場合でも、第3者に検査結果を容易に理解させることができる。
【0008】
第1態様において、前記第1取得手段は、前記検査装置により検査される前記検査対象の向きを示す第1情報を更に取得し、前記表示手段は、前記第1取得手段により取得した前記第1情報に基づき、前記検査対象の向きに対応する前記3次元モデルの向きを特定し、特定した向きの前記3次元モデルと前記検査結果とを含む前記表示画像を前記表示部に表示する第1表示処理を実行してもよい。表示画像に含まれる検査結果と3次元モデルとのそれぞれの向きが対応するので、表示画像を視た第3者は、検査結果を検査対象に容易に関連付けて確認できる。従って医用画像処理装置は、より容易に検査結果を第3者に理解させることができる。
【0009】
第1態様において、前記3次元モデルの向きを変更する変更操作を受け付ける第1受付手段を備え、前記表示手段は、前記変更操作を受け付けない場合、前記第1表示処理を実行し、前記第1受付手段により前記変更操作を受け付けた場合、前記第1表示処理を中止し、前記表示画像に含まれる前記3次元モデルの向きを、受け付けた前記変更操作に基づき変更して前記表示部に表示する第2表示処理を実行してもよい。医用画像処理装置を使用する医療従事者は、表示画像に含まれる3次元モデルの向きを所望の向きに変更して表示部に表示させることができる。この場合、医療従事者は、検査結果と3次元モデルとを対応付けて第3者に理解させるだけでなく、3次元モデルにより示される検査対象自体を第3者に理解させることができる。
【0010】
第1態様において、表示処理を切り替える切替操作を受け付ける第2受付手段を備え、前記表示手段は、前記第2表示処理の実行中に、前記第2受付手段により前記切替操作を受け付けた場合、前記第2表示処理を中止して前記第1表示処理を実行してもよい。医療従事者は、第2表示処理の実行中に切替操作を行うことにより、所望の向きに変更した3次元モデルを、検査結果と対応する向きに容易に切り替えることができる。
【0011】
第1態様において、前記第1取得手段は、前記検査対象の拍動タイミングを示す第2情報を更に取得し、前記第2取得手段は、拍動する前記3次元モデルを取得し、前記表示手段は、前記第1取得手段により取得した前記第2情報に基づき、前記検査対象の前記拍動タイミングに合わせて拍動する前記3次元モデルを前記表示部に表示してもよい。医用画像処理装置は、検査結果が検査対象の拍動に応じて膨縮する場合において、検査結果に合わせて3次元モデルも膨縮させることができる。この場合、表示画像を視た第3者は、検査結果の拍動にあわせて動作する検査対象と検査結果とを対応付けて確認できる。
【0012】
第1態様において、前記検査装置は、放射線による透視撮影を行うアンギオグラフィー装置であり、前記検査結果は、前記透視撮影の撮影画像であってもよい。医用画像処理装置は、アンギオグラフィー装置により撮影された撮影画像と3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示させることができる。
【0013】
第1態様において、前記検査対象が心臓であってもよい。医用画像処理装置は、心臓の3次元モデルと検査結果とを含む表示画像を表示部に表示させることができる。
【0014】
本発明の第2態様に係る医用画像処理方法は、臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する第1取得ステップと、前記検査対象を示す3次元モデルを取得する第2取得ステップと、前記第1取得ステップにより取得した前記検査結果と、前記第2取得ステップにより取得した前記3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する表示ステップとを備えたことを特徴とする。第2態様によれば、第1態様と同様の効果を奏する。
【0015】
本発明の第3態様に係る医用画像処理プログラムは、臨床検査を行う検査装置により検査対象を検査した検査結果を取得する第1取得ステップと、前記検査対象を示す3次元モデルを取得する第2取得ステップと、前記第1取得ステップにより取得した前記検査結果と、前記第2取得ステップにより取得した前記3次元モデルとを含む表示画像を表示部に表示する表示ステップとをコンピュータに実行させる。第3態様によれば、第1態様と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】検査システム1の概要、及び医用画像処理装置3の電気的構成を示す図である。
図2】表示画像7Aを示す図である。
図3】表示画像7Bを示す図である。
図4】表示画像7Cを示す図である。
図5】表示画像7Dを示す図である。
図6】医用画像処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0018】
<検査システム1の概要>
図1に示すように、検査システム1は、検査装置2及び医用画像処理装置3を含む。検査装置2は、被検者Pの血管に造影剤を注入して検査対象の透視撮影を行う血管造影検査装置、所謂アンギオグラフィー装置である。検査対象の一例は、心臓である。なお以下では、検査対象が心臓であることを前提として説明するが、本発明において検査対象は心臓に限定されない。医用画像処理装置3は、検査装置2による検査結果を取得して表示部34に表示する。検査装置2及び医用画像処理装置3は、ネットワークNを介して通信可能に接続する。
【0019】
検査装置2は、アーム21、アーム移動機構21A、X線発生器22、X線検出器23、寝台24、寝台移動機構24A、インジェクタ25、心電計26、及びコンソール装置27を含む。
【0020】
アーム21はC字状を有する。アーム移動機構21Aは、アーム21を回転させる。アーム21の一方側の端部にX線発生器22が設けられ、アーム21の他方側の端部にX線検出器23が設けられる。X線発生器22及びX線検出器23は、寝台24を挟んで対向する。寝台24には、被検者Pが保持される。寝台24は、寝台移動機構24Aにより移動する。X線発生器22はX線管を有する。X線管は、高電圧が印加されることによりX線を発生する。X線検出器23は、複数のX線検出素子を有する。複数のX線検出素子は、それぞれ、検出したX線の強度を示す信号を出力する。
【0021】
インジェクタ25は、被検者Pに挿入されたカテーテルに造影剤を注入するための装置である。心電計26は、被検者Pの心電波形を取得し、取得した心電波形と時間情報とを対応付けた心電データを出力する。
【0022】
コンソール装置27は、アーム移動機構21Aを制御してアーム21を回転させ、且つ、寝台移動機構24Aを制御して寝台24を移動させる。コンソール装置27は、X線発生器22を制御してX線を出射させ、且つ、X線検出器23から出力される信号を取得する。コンソール装置27は、X線検出器23から取得した信号を一定周期で可視化し、撮影画像を生成する。撮影画像は、X線検出器23により検出されたX線の強度を濃淡で表すことで生成される。撮影画像には、各周期で可視化されたフレームが複数含まれる。コンソール装置27は、生成した撮影画像を、ネットワークNを介して医用画像処理装置3に送信する。
【0023】
コンソール装置27は、アーム移動機構21A及び寝台移動機構24Aの制御態様に基づき、アーム21に接続されたX線発生器22及びX線検出器23と、検査装置2により撮影される心臓との位置関係を特定する。コンソール装置27は更に、特定した位置関係に基づき、心臓の向き、より詳細には、X線検出器23から出射されるX線が心臓に対してどの向きで入射するかを特定する。コンソール装置27は、特定した向きを示す情報(以下、「第1情報」という。)を、ネットワークNを介して医用画像処理装置3に送信する。
【0024】
コンソール装置27は、心電計26から出力される心電データを取得する。コンソール装置27は、取得した心電データに基づき、心臓の拍動タイミングを特定する。コンソール装置27は、特定した拍動タイミングを示す情報(以下、「第2情報」という。)を、ネットワークNを介して医用画像処理装置3に送信する。
【0025】
医用画像処理装置3は、CPU31、記憶装置32、入力部33、表示部34、及びインターフェース35を有する。CPU31は、医用画像処理装置3の処理全体を司る。インターフェース35は、検査装置2のコンソール装置27との間でネットワークNを介して通信を行うためのドライバ素子である。例えばCPU31は、コンソール装置27から送信される撮影画像、第1情報、及び第2情報を、インターフェース35を介して受信する。入力部33は、キーボード、マウス、タッチパネル等であり、ユーザからの入力操作を受け付ける。表示部34は、後述する表示画像7(図2図5参照)を表示するディスプレイである。
【0026】
記憶装置32は、CPU31が実行する医用画像処理プログラム、コンソール装置27から受信した撮影画像、第1情報、第2情報、及び、心臓の3次元モデル等を記憶する。
【0027】
なお、医用画像処理処理プログラムは、ネットワークNに接続するサーバ等に記憶されてもよい。医用画像処理装置3は、ネットワークNを介してサーバ等から医用画像処理プログラムを受信し、記憶装置32に記憶してもよい。又は、医用画像処理装置3は、医用画像処理プログラムを記憶した記憶媒体を接続可能な端子を有していてもよい。医用画像処理装置3は、端子に接続された記憶媒体に記憶された医用画像処理プログラムを読み出し、記憶装置32に記憶してもよい。
【0028】
3次元モデルは、心臓の立体的な形状を表現したモデルであり、より詳細には、ソリッドモデルである。なお、3次元モデルは、ソリッドモデルである場合に限定されず、ワイヤーフレームやサーフェスフレームであってもよい。3次元モデルでは、心臓の右心房、右心室、左心房、左心室、冠状動脈等が示される(図2図5参照)。3次元モデルは、一般的な成人の心臓を参考にして予め作成され、記憶される。なお、心臓が拍動する動きを表示部34に表示することができるよう、心臓の3次元モデルは、収縮した状態と拡張した状態との間で変化する心臓の様子を示す動画ファイルとして記憶される。
【0029】
<表示画像>
図2から図5を参照し、医用画像処理装置3の表示部34に表示される表示画像7の具体例について説明する。表示画像7は、例えば医療従事者が、患者やその家族に対し、検査装置2による検査結果に関する説明を行う場合等において使用される。なお本発明は、このような使用態様で使用される場合に限定されない。表示画像7には、第1表示領域71、第2表示領域72、第3表示領域73、第4表示領域74、及び操作ボタン群75が含まれる。
【0030】
第1表示領域71には、コンソール装置27から受信した撮影画像が表示される。撮影画像は、複数のフレームをコマ送りしながら順番にすることで、動画として表示される。第4表示領域74には、コンソール装置27から受信した撮影画像に含まれる複数のフレームのそれぞれのファイル名が表示される。第3表示領域73には、コンソール装置27から受信した第2情報により示される拍動タイミングの時系列グラフが表示される。第3表示領域73に示される点線731は、時系列グラフのうち、第1表示領域71に表示されたフレームが撮影された時点を示す。
【0031】
第2表示領域72には、記憶装置32に記憶された心臓の3次元モデルが表示される。心臓の3次元モデルは、拡張及び収縮を繰り返す。これにより、心臓の拍動が表される。拍動は、第3表示領域73に示される時系列グラフのうち点線731で示される位置における拍動と同期する。なお、心臓の3次元モデルの拡張及び収縮のタイミングは、コンソール装置27から受信した第2情報に基づき特定される。
【0032】
第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルの向きは、第1表示領域71に表示された撮影画像の向きと一致する。なお、撮影画像の向きとは、検査装置2のX線発生器22(図1参照)から被検者Pの心臓を視たときの向きを示す。つまり、心臓の3次元モデルの向きは、検査装置2のX線発生器22から被検者Pの心臓を視たときの態様と、第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルの態様とが一致するように設定される。なお、心臓の3次元モデルの向きは、コンソール装置27から受信した第1情報に基づき特定される。
【0033】
例えば、検査装置2においてアーム21が回転し且つ寝台24が移動しながら検査が行われることにより、第1表示領域71に表示される撮影画像の向きが変化した場合、図2に示す表示画像7A、及び、図3に示す表示画像7Bに示すように、第2表示領域72に表示される3次元モデルの向きも連動して変化する。以下、第1表示領域71の撮影画像と第2表示領域72の3次元モデルとのそれぞれの向きが一致するように表示させる動作モードを、「第1表示モード」という。
【0034】
操作ボタン群75は、「再生」「停止」「前フレーム」「後フレーム」「最初フレーム」「最後フレーム」「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」「RESET」がそれぞれ表示された複数の操作ボタンを含む。
【0035】
「再生」ボタンは、複数のフレームをコマ送りしながら第1表示領域71に順番に表示する表示モードを選択する場合に選択される。この場合、撮影画像は動画として表示される。「停止」ボタンは、複数のフレームのコマ送りを停止して動画の表示を解除する場合に選択される。この場合、「停止」ボタンが選択されたタイミングで第1表示領域71に表示されたフレームがそのまま静止画として継続して表示される。
【0036】
「最初フレーム」ボタンは、撮影画像の複数のフレームのうち最初のフレームを静止画として第1表示領域71に表示させる場合に選択される。「最後フレーム」ボタンは、撮影画像の複数のフレームのうち最後のフレームを静止画として第1表示領域71に表示させる場合に選択される。
【0037】
「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の各操作ボタンは、第2表示領域72に表示された心臓の3次元モデルを回転させる場合に選択される。より詳細には、次の通りである。
【0038】
「LAO方向回転」は、心臓の3次元モデルを左前斜位方向に回転させる場合に選択される。「RAO方向回転」は、心臓の3次元モデルを右前斜位方向に回転させる場合に選択される。「CRA方向回転」は、心臓の3次元モデルを頭尾方向に回転させる場合に選択される。「CAU方向回転」は、心臓の3次元モデルを尾頭方向に回転させる場合に選択される。
【0039】
「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れかの操作ボタンが選択された場合、第1表示モードは中止される。これにより、第1表示領域71に表示された撮影画像の向きと、第2表示領域72に表示された心臓の3次元モデルの向きとが連動して変化する状態は中止される。心臓の3次元モデルの向きは、何れかの操作ボタンの選択に応じ、撮影画像の向きとは独立して変更される。以下、「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れかの操作ボタンが選択された場合の動作モードを、「第2表示モード」という。
【0040】
例えば第1表示モードにおいて、図3に示す表示画像7Bが表示された状態で「LAO方向回転」が選択された場合、第1表示モードは中止され、第2表示モードに切り替えられる。この場合、図4に示す表示画像7Cのように、第2表示領域72に表示された心臓の3次元モデルは、右前斜位方向から視た状態となるように回転する。又、図3に示す表示画像7Bが表示された状態で、「CAU方向回転」が選択された場合、図5に示す表示画像7Dのように、第2表示領域72に表示された心臓の3次元モデルは、尾頭方向から視た状態となるように回転する。
【0041】
「RESET」ボタンは、第2表示モードを中止して第1表示モードに切り替える場合に選択される。例えば、第2表示モードにおいて、図4に示す表示画像7B、又は、図5に示す表示画像7Dが表示された状態で「RESET」が選択された場合、第1表示領域71に表示された撮影画像の向きと、第2表示領域72に表示された心臓の3次元モデルの向きとが一致するよう連動して変化する状態に切り替えられる(図2図3参照)。
【0042】
<医用画像処理>
図6を参照し、医用画像処理について説明する。医用画像処理装置3のCPU31は、表示部34に表示画像7を表示させるための操作を、入力部33を介して検出した場合、記憶装置32に記憶された医用画像処理プログラムを読み出して実行することにより、医用画像処理を開始する。
【0043】
なお、医用画像処理が開始される前に、検査装置2において被検者Pの心臓の透視撮影が予め実行される。具体的には、検査装置2では、コンソール装置27によりインジェクタ25が制御され、被検者Pの血管に造影剤が注入される。又、コンソール装置27によりX線発生器22、X線検出器23、アーム移動機構21A、及び寝台移動機構24Aが制御され、心臓の透視撮影が開始される。コンソール装置27は、X線検出器23から出力される信号を取得して可視化し、撮影画像を生成する。コンソール装置27は、アーム移動機構21A及び寝台移動機構24Aの制御態様に基づき、被検者Pの心臓の向きを特定する。コンソール装置27は、心電計26から出力される心電データに基づき、心臓の拍動タイミングを特定する。コンソール装置27は、心臓の透視撮影の終了後、生成した撮影画像、特定した心臓の向きを示す第1情報、及び、特定した拍動タイミングを示す第2情報を、ネットワークNを介して医用画像処理装置3に送信する。
【0044】
CPU31は、コンソール装置27から送信された撮影画像、第1情報、及び第2情報を受信して取得する(S11)。なお、撮影画像には、周期的に撮影された複数のフレームが含まれる。CPU31は、記憶装置32に記憶された心臓の3次元モデルを読み出して取得する(S12)。
【0045】
CPU31は、操作ボタン群75のうち「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れかの操作ボタンを選択する操作を、入力部33を介して検出したか判定する(S13)。CPU31は、「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れの操作ボタンを選択する操作も検出しない場合(S13:NO)、処理をS14に進める。CPU31は、第1表示領域71の撮影画像と第2表示領域72の3次元モデルとのそれぞれの向きが一致する第1表示モードで表示画像7を表示させるため、以下の処理を実行する。
【0046】
CPU31は、S11の処理によって取得した第1情報に基づき、検査装置2により検査される被検者Pの心臓の向きを特定する。CPU31は、特定した心臓の向きと一致する3次元モデルの向きを更に特定する(S14)。
【0047】
CPU31は、S11で取得した撮影画像に含まれる複数のフレームを、1フレームずつ第1表示領域71に表示する(S15)。これにより、撮影画像が動画として第1表示領域71に表示される。CPU31は、S11で取得した撮影画像に含まれる複数のフレームのそれぞれのファイル名を、第4表示領域74に表示する。
【0048】
CPU31は、S14で特定した向きで心臓の3次元モデルを第2表示領域72に表示する(S15)。なお、特定される心臓の向きは、検査装置2のX線発生器22及びX線検出器23に対する心臓の向きが変化することに応じて変化する。このため、第1表示領域71に表示される撮影画像の向きが変化することに同期して、第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルの向きも変化する。
【0049】
CPU31は、S11で取得した第2情報に基づき、拍動タイミングの時系列グラフを第3表示領域73に表示する。更にCPU31は、第1表示領域71に表示されたフレームに対応する拍動タイミングを、第2情報に基づき特定する。CPU31は、特定した拍動タイミングに同期して心臓の3次元モデルが拍動するよう、心臓の3次元モデルが拡張又は収縮するタイミングを調整する(S15)。これにより、第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルは、第1表示領域71に表示された撮影画像の拍動タイミングに合わせて拍動する。
【0050】
CPU31は、「停止」ボタンを選択する操作を、入力部33を介して検出した場合、操作が検出された時点で第1表示領域71に表示されたフレームをそのまま継続して表示させる。CPU31は、「前フレーム」「後フレーム」「最初フレーム」「最後フレーム」の各ボタンを選択する操作を、入力部33を介して検出した場合、操作された操作ボタンに対応するフレームを第1表示領域71に表示させる。これらの場合、第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルの向きは、第1表示領域71に表示されたフレームの撮影画像の向きと一致するように調整される。
【0051】
CPU31は、表示画像7の表示を終了させるための操作(例えば、表示画像7のウィンドウの右上のクローズボタンを選択する操作)を、入力部33を介して検出したか判定する(S16)。CPU31は、表示画像7の表示を終了させるための操作を検出したと判定した場合(S16:YES)、医用画像処理を終了させる。一方、CPU31は、表示画像7の表示を終了させるための操作を検出していないと判定した場合(S16:NO)、処理をS13に戻す。
【0052】
CPU31は、操作ボタン群75のうち「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れかの操作ボタンを選択する操作を検出したと判定した場合(S13:YES)、処理をS17に進める。CPU31は、第1表示モードを中止する。CPU31は、第2表示領域72に表示された心臓の3次元モデルの向きが操作ボタンの選択に応じて変更される第2表示モードで表示画像7を表示させるため、以下の処理を実行する。
【0053】
CPU31は、選択された操作ボタンを受け付け(S17)、対応する回転方向及び回転量を特定する。CPU31は、S11で取得した撮影画像に含まれる複数のフレームを、1フレームずつ第1表示領域71に表示する(S18)。これにより、撮影画像が動画として第1表示領域71に表示される。CPU31は、S11で取得した撮影画像に含まれる複数のフレームのそれぞれのファイル名を、第4表示領域74に表示する。
【0054】
CPU31は、S12で取得した心臓の3次元モデルを、第2表示領域72に表示する(S18)。表示される心臓の3次元モデルの向きは、特定した回転方向及び回転量に基づき回転され変更される(S18)。なお、第1表示領域71に表示される撮影画像の向きが変化しても、第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルの向きは変化せず、変更後の向きで維持される。
【0055】
CPU31は、操作ボタン群75のうち「RESET」ボタンを選択する操作を、入力部33を介して検出したか判定する(S19)。CPU31は、「RESET」ボタンを選択する操作を検出したと判定した場合(S19:YES)、第2表示モードを中止し、第1表示モードで表示画像7を表示させるため、処理をS13に戻す。
【0056】
CPU31は、操作ボタン群75のうち「RESET」ボタンを選択する操作を検出していないと判定した場合(S19:NO)、処理をS20に進める。CPU31は、表示画像7の表示を終了させるための操作を、入力部33を介して検出したか判定する(S20)。CPU31は、表示画像7の表示を終了させるための操作を検出していないと判定した場合(S20:NO)、処理をS17に戻す。一方、CPU31は、表示画像7の表示を終了させるための操作を検出したと判定した場合(S20:YES)、医用画像処理を終了させる。
【0057】
<本実施形態の作用、効果>
医用画像処理装置3は、検査装置2により撮影された心臓の撮影画像と、心臓を示す3次元モデルとを含む表示画像7を、表示部34に表示する(S15、S18)。この場合、表示画像7を視た被検者Pやその家族等(以下、「第3者」という。)は、撮影画像に含まれる血管の様子と、3次元モデルで示される心臓の血管とを関連付けて確認できる。従って、医療従事者は、撮影画像により示される検査結果を、医療の専門知識を有さない第3者に対して容易に理解させることができる。
【0058】
臨床検査を行う検査装置として、CT装置、MRI装置、超音波診断装置等が知られている。例えばCT装置では、X線発生器が被験者の周りを360°回転することにより収集される情報をコンピュータ解析することにより、被検者の身体の特定の部位の輪切り画像が生成される。又、MRI装置では、CT装置におけるX線発生器の代わりに磁場が利用され、CT装置と同じように輪切り画像が生成される。又、超音波診断装置では、超音波プローブから出射された超音波の反射波を検出し、その遅延時間をコンピュータ解析することで画像化する。このように、CT装置、MRI装置、超音波診断装置では、何れの場合も、検査結果を可視化するために膨大なコンピュータ解析が必要となる。このため、検査結果を可視化して確認可能となるまでに時間を要する。
【0059】
一方、検査装置2は、被検者Pの血管に造影剤を注入して検査対象の透視撮影を行う血管造影検査装置、所謂アンギオグラフィー装置である。アンギオグラフィー装置における検査結果の可視化は、X線検出器23により検出されるX線の強度をそのまま濃淡で表すことで実現可能である。このため、検査結果自体の可視化に要する時間は、他の検査装置と比べて短い。一方で、検査結果自体の可視化に合わせて、検査結果の理解を容易化するための補助表示(例えば、検査対象の同時表示)を実現しようとした場合、この補助表示に要する時間も短縮する必要がある。
【0060】
これに対し、検査装置2は、撮影画像の表示と同時に、撮影対象である心臓の3次元モデルを表示する。3次元モデルは予め準備され、記憶装置32に記憶される。従って検査装置2は、記憶装置32から3次元モデルを読み出して表示すればよいので、3次元モデルを表示するのに要する処理を削減できる。このため、医用画像処理装置3は、検査装置2による検査から、撮影画像及び3次元モデルを含む表示画像7の表示までに要する時間を短縮できる。従って医用画像処理装置3は、検査結果と、検査結果を容易に確認させるための補助表示とを、第3者に対して迅速に視認させることができる。
【0061】
なお、検査装置2による検査対象を心臓とすることにより、医用画像処理装置3は、心臓の3次元モデルと撮影画像とを含む表示画像7を表示させることができる。
【0062】
医用画像処理装置3は、検査装置2から受信した第1情報に基づき、心臓の向きに対応する3次元モデルの向きを特定する(S14)。医用画像処理装置3は、特定した向きの3次元モデルと撮影画像とを含む表示画像7を表示部34に表示する(S15)。この場合、表示画像7に含まれる撮影画像と3次元モデルとのそれぞれの向きは一致する。このため、表示画像7を視た第3者は、検査対象である心臓と撮影画像とを容易に関連付けて確認できる。例えば第3者は、撮影画像に含まれる血管と、心臓を示す3次元モデルに含まれる血管とを容易に関連付けて確認できる。従って医用画像処理装置3は、より容易に検査結果を第3者に理解させることができる。
【0063】
医用画像処理装置3は、操作ボタン群75のうち「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れかの操作ボタンを選択する操作を検出しない場合(S13:NO)、第1表示モードを継続する。第1表示モードでは、撮影画像と3次元モデルとのそれぞれの向きが一致するように表示される。一方、医用画像処理装置3は、操作ボタン群75のうち「LAO方向回転」「RAO方向回転」「CRA方向回転」「CAU方向回転」の何れかの操作ボタンを選択する操作を検出した場合(S13:YES)、第1表示モードを中止し、第2表示モードで表示画像7を表示する。第2表示モードにおいて、3次元モデルの向きは、何れかの操作ボタンの選択に応じ、撮影画像とは独立して変更される。この場合、医療従事者は、表示画像7に含まれる心臓の3次元モデルの向きを所望の向きに変更して表示部34に表示させることができる。従って医療従事者は、撮影画像と、心臓の3次元モデルとを対応付けて第3者に理解させるだけでなく、3次元モデルにより示される心臓自体を第3者に容易に理解させることができる。
【0064】
CPU31は、「RESET」ボタンを選択する操作を検出した場合(S19:YES)、第2表示モードを中止し、第1表示モードで表示画像7を表示させる。医療従事者は、第2表示モードで表示画像7を表示している最中に「RESET」ボタンを操作することにより、所望の向きに変更した心臓の3次元モデルを、撮影画像と対応する向きに容易に切り替えることができる。
【0065】
第2表示領域72に表示される心臓の3次元モデルは、撮影画像の拍動タイミングに同期して拡張及び収縮を繰り返す。これにより、3次元モデルが示す心臓の拍動が表される。この場合、表示画像7を視た第3者は、撮影画像の拍動に同期して拡張又は収縮する心臓の3次元モデルと撮影結果とを、容易に対応付けて確認できる。
【0066】
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。検査装置2は、X線以外の放射線(アルファ線、ガンマ線、ベータ線、中性子線等)により検査を行う装置であってもよい。検査装置2は、アンギオグラフィー装置に限定されず、他の方法で臨床検査を行う装置であってもよい。例えば検査装置2は、CT装置、MRI装置、超音波診断装置等でもよい。検査装置2により検査される検査対象は、心臓に限定されず、他の臓器や、臓器以外の体内の部位であってもよい。
【0067】
検査装置2のコンソール装置27にて実行された各種処理の少なくとも一部は、コンソール装置27の代わりに医用画像処理装置3により実行されてもよい。例えば医用画像処理装置3は、X線検出器23から出力される信号を直接取得し、一定周期で可視化することで撮影画像を生成してもよい。又、例えば医用画像処理装置3は、検査装置2に組み込まれていてもよい。
【0068】
医用画像処理は、医用画像処理装置3のCPU31のみにより実行される場合に限定されず、複数の装置のそれぞれのCPUにより分散実施されてもよい。例えば医用画像処理は、ネットワークNに接続する複数のPCにより実行されてもよい。医用画像処理は、ASIC、FPGA等により実行されてもよい。
【0069】
医用画像処理装置3は、表示部34を有さなくてもよい。例えば医用画像処理装置3は、撮影画像と3次元モデルとを含む表示画像7のデータを、ネットワークNを介して他の端末装置(PC、タブレット端末、スマートフォン等)に送信してもよい。他の端末装置は、ネットワークNを介して表示画像7のデータを受信し、自身が有する表示部34に表示してもよい。
【0070】
検査装置2のコンソール装置27は、透視撮影を実行しながら、撮影画像、第1情報、及び第2情報を医用画像処理装置3に送信してもよい。医用画像処理装置3は、受信した撮影画像、第1情報、及び第2情報に基づき、表示画像7を表示部34に表示させてもよい。つまり、検査システム1は、検査装置2により透視撮影を行いながら、同時に医用画像処理装置3により表示画像7を表示させてもよい。この場合、第3者は、被検者Pの検査が行われている最中において、撮影結果だけでなく心臓の3次元モデルを視認し確認できる。
【0071】
記憶装置32に記憶される3次元モデルは、検査装置2により検査が行われる被検者Pに基づき生成されてもよい。例えば3次元モデルは、CT装置はMRI装置により検査が行われることで特定される被検者Pの心臓の形状及び大きさに基づいて生成されてもよい。
【0072】
心臓の3次元モデルの各部位が、色分け等により区別可能であってもよい。例えば、表示画像7が表示されている状態で、心臓の3次元モデルの何れかの部位を選択する操作が検出された場合、医用画像処理装置3は、選択された部位の色を他の部位の色と異なる色で示してもよい。
【0073】
検査装置2では、被検者Pに対して常に一定方向からX線を出射することにより透視撮影が行われてもよい。この場合、医用画像処理装置3は、心臓の撮影方向に対応する向きで3次元モデルを常に表示すればよく、その向きを変化させなくてもよい。
【0074】
医用画像処理装置3において、第1表示モードと第2表示モードとを切り替える方法は、上記実施形態に限定されない。例えば、操作ボタン群75に「切り替え」ボタンが更に含まれていてもよい。医用画像処理装置3は、「切り替え」ボタンを選択する操作を検出した場合に表示モードを切り替えてもよい。医用画像処理装置3は、常に第1表示モードで表示画像7を表示するか、又は、常に第2表示モードで表示画像7を表示してもよい。第1表示モードと第2表示モードとは切替不可能であってもよい。
【0075】
心臓の3次元モデルは、拍動しなくてもよく、静止画により示されてもよい。
【0076】
<その他>
S11の処理を行うCPU31は、本発明の「第1取得手段」の一例である。S12の処理を行うCPU31は、本発明の「第2取得手段」の一例である。S15、S18の処理を行うCPU31は、本発明の「表示手段」の一例である。S15は、本発明の「第1表示処理」の一例である。S18は、本発明の「第2表示処理」の一例である。S13の処理を行うCPU31は、本発明の「第1受付手段」の一例である。S19の処理を行うCPU31は、本発明の「第2受付手段」の一例である。S11の処理は、本発明の「第1取得ステップ」の一例である。S12の処理は、本発明の「第2取得ステップ」の一例である。S15、S18の処理は、本発明の「表示ステップ」の一例である。
【符号の説明】
【0077】
2 :検査装置
3 :医用画像処理装置
7 :表示画像
31 :CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6