(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164861
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20241121BHJP
G06F 1/3296 20190101ALI20241121BHJP
G06F 1/3209 20190101ALI20241121BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241121BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F1/16 312Q
G06F1/3296
G06F1/3209
B41J29/00 C
H04N1/00 519
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080524
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】友藤 真司
【テーマコード(参考)】
2C061
5B011
5C062
【Fターム(参考)】
2C061BB35
2C061CG02
2C061CG11
5B011DA00
5B011DB19
5B011EA02
5B011EA10
5B011EB08
5B011KK00
5B011LL00
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB49
5C062AC38
5C062AC58
5C062AD02
(57)【要約】
【課題】 比較的低コストで、ネットワークインターフェイスのコネクターにケーブルが接続されているか否かを判定する電子機器を得る。
【解決手段】 当該電子機器は、有線ネットワーク通信のコネクター13と、コネクター13のカバー2と、カバー2の開閉を検出する開閉検出部21と、プロセッサー11aを備える。プロセッサー11aは、開閉検出部21により検出されるカバー2の開閉状態に基づいてコネクター13にケーブルが接続されているか否かを判定する。そして、カバー2は、着脱不可な可動式のカバーであって、コネクター13にケーブルが接続されていない場合には、自動的に閉状態となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線ネットワーク通信のコネクターと、
前記コネクターのカバーと、
前記カバーの開閉を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部により検出される前記カバーの開閉状態に基づいて前記コネクターにケーブルが接続されているか否かを判定するプロセッサーとを備え、
前記カバーは、着脱不可な可動式のカバーであって、前記コネクターにケーブルが接続されていない場合には、自動的に閉状態となること、
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記コネクターに接続された物理層回路と、前記物理層回路の上位プロトコルの通信処理を行うデータリンク層回路とをさらに備え、
前記プロセッサーは、前記開閉検出部により前記カバーが閉状態であることが検出されている場合に前記物理層回路およびデータリンク層回路の一方または両方への電力供給を停止すること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記カバーを前記閉状態となる位置へ向かって付勢する弾性部材をさらに備え、
前記カバーは、前記カバーが前記閉状態である場合には前記コネクターへの前記ケーブルの接続を阻害し、前記弾性部材の弾性回復力に抗して前記カバーが開状態である場合には前記コネクターへの前記ケーブルの接続を阻害せず、
前記弾性部材は、前記コネクターから前記ケーブルが取り外されると、前記弾性部材の弾性回復力によって前記カバーを前記閉状態とすること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記プロセッサーを実装された基板をさらに備え、
前記コネクターおよび前記開閉検出部は、前記基板上に実装されていること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像処理装置は、ネットワークインターフェイスのコネクターに対して、着脱自在なカバーを装着可能となっており、カバーの装着を検出すると、ネットワークインターフェイスへの電力供給を停止している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の画像処理装置では、ネットワークインターフェイスのコネクターにケーブルが接続されていないにも拘わらずカバーが取り外されたままとなっている状態になり得る。そのため、コネクターにケーブルが接続されているか否かをカバーとは別の機構によって検出する必要があり、装置のコストが増加してしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、比較的低コストで、ネットワークインターフェイスのコネクターにケーブルが接続されているか否かを判定する電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、有線ネットワーク通信のコネクターと、前記コネクターのカバーと、前記カバーの開閉を検出する開閉検出部と、前記開閉検出部により検出される前記カバーの開閉状態に基づいて前記コネクターにケーブルが接続されているか否かを判定するプロセッサーとを備える。そして、前記カバーは、着脱不可な可動式のカバーであって、前記コネクターにケーブルが接続されていない場合には、自動的に閉状態となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、比較的低コストで、ネットワークインターフェイスのコネクターにケーブルが接続されているか否かを判定する電子機器が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるカバー2および開閉検出部21の詳細を説明する図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるカバー2が開動作するときのカバー2および開閉検出部21について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図1に示す電子機器は、有線ネットワーク通信機能を有しており、基板1上に、SoC(System-on-a-Chip)としてのICチップ11と、物理層回路12と、コネクター13と、トランジスターなどといったスイッチング素子14,15とを備え、さらに、コネクター13のカバー2と、カバー2の開閉検出部21とを備えている。また、ICチップ11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサー11aとデータリンク層回路11bとを内蔵している。
【0012】
物理層回路12は、コネクター13に接続されており、物理層の信号処理を行い、ネットワーク通信を行う回路である。データリンク層回路11bは、物理層回路の上位プロトコル(データリンク層)の通信処理を行い、ネットワーク通信を行う回路である。ここでは、データリンク層回路11bは、メディアアクセス制御を行う。プロセッサー11aは、ネットワーク通信におけるデータリンク層より上位の通信プロトコルでネットワーク通信を行うとともに、各種データ処理を行う。
【0013】
コネクター13は、有線ネットワーク通信(ここでは、ローカルエリアネットワーク)のコネクターである。例えば、コネクター13は、RJ45型ジャックであり、(カバー2が開状態であれば)RJ45型プラグ(コネクター)を備えたLAN(Local Area Network)用のケーブル101を接続可能となっている。
【0014】
この実施の形態では、基板1上にプロセッサー11aが実装されており、その基板1上にコネクター13および開閉検出部21が実装されている。さらに、その基板1上に物理層回路12およびデータリング層回路11bが実装されている。
【0015】
カバー2は、コネクター13のカバーである。カバー2は、着脱不可な可動式のカバーであって、コネクター13にケーブル101が接続されていない場合には、自動的に閉状態(ケーブル101のコネクターをコネクター13に差し込めない状態)となる。
【0016】
開閉検出部21は、カバー2の開閉を検出する。この実施の形態では、開閉検出部21は、開状態のカバー2の接触を受けるタクタイルスイッチである。なお、開閉検出部21は、光学的にカバー2の位置を検出してカバー2の開閉を検出する光学センサー(PI(Photo Interruption)センサーなど)でもよい。
【0017】
図2は、
図1におけるカバー2および開閉検出部21の詳細を説明する図である。
図3は、
図1におけるカバー2が開動作するときのカバー2および開閉検出部21について説明する図である。
【0018】
例えば
図2に示すように、弾性部材22が設けられており、弾性部材22は、カバー2を閉状態となる位置へ向かって付勢している。ここでは、カバー2は、軸2aを中心にして回動可能となっており、軸2aから延びる支持部材2bで板状のカバー本体2cを支持している。そして、弾性部材22は、ねじれコイルバネであり、一方の腕がカバー2の支持部材2bに固定されており、他方の腕が電子機器の筐体や基板1上の構造物に固定されている。これにより、カバー2(支持部材2b)が、開閉検出部21とは反対方向に付勢される。
【0019】
カバー2が閉状態である場合には、カバー2(カバー本体2c)はコネクター13へのケーブル101の接続を阻害している。
【0020】
そして、ケーブル101をコネクター13に接続する際には、ユーザーは、カバー2を手動にて開閉検出部21の方向へ回動させてカバー2を開状態としコネクター13を露出させた後、ケーブル101のコネクターをコネクター13に挿入する。このように、弾性部材22の弾性回復力に抗してカバー2が開状態となっている場合にはカバー2(カバー本体2c)はコネクター13へのケーブル101の接続を阻害しない。
【0021】
カバー2が閉状態である場合、カバー2は開閉検出部21(タクタイルスイッチ)に接触していないが、カバー2が開状態である場合、カバー2のカバー本体2cが開閉検出部21(タクタイルスイッチ)に接触する。
【0022】
ケーブル101のコネクターがコネクター13に挿入されている状態では、例えば
図3に示すようにカバー本体2cがケーブル101に接触することで係止され、カバー2の開状態が維持される。
【0023】
その後、コネクター13からケーブル101が取り外されると、弾性部材22は、自己の弾性回復力によってカバー2を閉状態とし、これにより、開閉検出部21(タクタイルスイッチ)へのカバー2の接触が解除される。
【0024】
プロセッサー11aは、開閉検出部21により検出されるカバー2の開閉状態に基づいてコネクター13にケーブル101が接続されているか否かを判定する。そして、この実施の形態では、プロセッサー11aは、開閉検出部21によりカバー2が閉状態であることが検出されている場合に物理層回路12およびデータリンク層回路11bの一方または両方(ここでは両方)への電力供給を停止する。
【0025】
ここでは、開閉検出部21およびスイッチング素子14,15は、プロセッサー11aのGPIO(General-Purpose Input/Output)に接続されており、GPIOを介して、開閉検出部21の一端の電圧レベルを取得するとともに、スイッチング素子14,15への制御信号を出力したりする。なお、開閉検出部21の一端は、必要に応じて、抵抗を介して電源電圧Vccへプルアップされる。
【0026】
次に、上記電子機器の動作について説明する。
【0027】
ケーブル101がコネクター13に接続されていない状態では、弾性部材22の弾性回復力によってカバー2が閉状態となっている。この状態では、開閉検出部21は、カバー2の開状態を検出しておらず、プロセッサー11aは、カバー2が閉状態であると判定し、カバー2の閉状態に基づいて、ケーブル101がコネクター13に接続されていないと判定する。そして、プロセッサー11aは、ケーブル101がコネクター13に接続されていないと判定すると、スイッチング素子14,15を電気的にオンオフ制御して、物理層回路12およびデータリンク層11bへの電力供給を停止する。
【0028】
ユーザーは、ケーブル101をコネクター13に接続する際には、カバー2を手動にて開閉検出部21の方向へ回動させてカバー2を開状態としコネクター13を露出させた後、ケーブル101のコネクターをコネクター13に挿入する。これにより、カバー2は開状態となり、ケーブル101がコネクター13に接続される。
【0029】
ケーブル101がコネクター13に接続されている状態では、このように、弾性部材22の弾性回復力に抗してカバー2が開状態となっている。この状態では、開閉検出部21は、カバー2の開状態を検出しており、プロセッサー11aは、カバー2が開状態であると判定し、カバー2の開状態に基づいて、ケーブル101がコネクター13に接続されていると判定する。そして、プロセッサー11aは、ケーブル101がコネクター13に接続されていると判定すると、スイッチング素子14,15を電気的にオンオフ制御して、物理層回路12およびデータリンク層11bへの電力供給を行う。電力供給が開始されると、物理層回路12およびデータリンク層11bは、ケーブル101を介してFLP(Fast Link Pulse)バーストの送出などを行って通信相手とのクロック同期やオートネゴシエーションなどを行う。
【0030】
また、ユーザーがケーブル101のコネクターをコネクター13から引き抜いてコネクター13へのケーブル101の接続を解除すると、弾性部材22は、自己の弾性回復力でカバー2を回動させ、カバー2を閉状態とする。この状態では、上述のように、開閉検出部21は、カバー2の開状態を検出しておらず、プロセッサー11aは、カバー2が閉状態であると判定し、カバー2の閉状態に基づいて、ケーブル101がコネクター13に接続されていないと判定する。そして、プロセッサー11aは、物理層回路12およびデータリンク層11bへの電力供給を停止する。
【0031】
以上のように、上記実施の形態によれば、当該電子機器は、有線ネットワーク通信のコネクター13と、コネクター13のカバー2と、カバー2の開閉を検出する開閉検出部21と、プロセッサー11aを備える。プロセッサー11aは、開閉検出部21により検出されるカバー2の開閉状態に基づいてコネクター13にケーブルが接続されているか否かを判定する。そして、カバー2は、着脱不可な可動式のカバーであって、コネクター13にケーブルが接続されていない場合には、自動的に閉状態となる。
【0032】
これにより、比較的低コストで、ネットワークインターフェイスのコネクター13にケーブル101が接続されているか否かを判定する電子機器が得られる。また、カバー2の開閉状態に基づいてケーブル101が接続されていないと判定されたときには、物理層回路12やデータリンク層回路11bへの電力供給が停止されるため、不要な電力消費が抑制される。
【0033】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0034】
例えば、上記実施の形態において、カバー2は、スライド式のカバーでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えば、有線ネットワーク通信機能を有する電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 基板
2 カバー
11a プロセッサー
11b データリンク層回路
12 物理層回路
13 コネクター
21 開閉検出部
22 弾性部材