(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164872
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】切替開閉装置及び電気電子機器収納用箱
(51)【国際特許分類】
H02B 1/40 20060101AFI20241121BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02B1/40 D
H05K5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080544
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出原 侑昌
(72)【発明者】
【氏名】永草 雄都
(72)【発明者】
【氏名】外山 裕隆
【テーマコード(参考)】
4E360
5G211
【Fターム(参考)】
4E360AA10
4E360AB17
4E360ED02
4E360GB91
5G211AA07
5G211DD11
5G211DD13
5G211EE06
5G211GG04
(57)【要約】
【課題】商用電源の停電若しくは復電を契機とした切り替え以外のタイミングで切り替えを制御可能な切替開閉装置とすること。
【解決手段】負荷機器へ給電する電源を第一電源と第二電源との間で切り替え可能とする主回路ユニット10と、負荷機器へ給電する電源の切り替えを制御可能とする制御部21を備えた制御ユニット20と、を備えた切替開閉装置1であって、切替開閉装置の外側に位置する外部機器と接続可能な外部接続部51と、制御部と外部接続部を接続可能とする第一配線61と、を備え、制御部は、少なくとも一部が内部に位置する第一配線を介して外部機器から送られた電気信号を用いて負荷機器へ給電する電源を切り替える制御を可能とする構成とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷機器へ給電する電源を第一電源と第二電源との間で切り替え可能とする主回路ユニットと、
負荷機器へ給電する電源の切り替えを制御可能とする制御部を備えた制御ユニットと、
を備えた切替開閉装置であって、
切替開閉装置の外側に位置する外部機器と接続可能な外部接続部と、
制御部と外部接続部を接続可能とする第一配線と、
を備え、
制御部は、少なくとも一部が内部に位置する第一配線を介して外部機器から送られた電気信号を用いて負荷機器へ給電する電源を切り替える制御を可能とする切替開閉装置。
【請求項2】
第一電源と電気的に接続可能な第一端子部と、第二電源と電気的に接続可能な第二端子部と、
を主回路ユニットに備え、
かつ、取付状態において被取付面と対向させる取付面を備え、
外部接続部は、第一端子部の配線接続箇所若しくは第二端子部の配線接続箇所よりも取付面側に位置する請求項1に記載の切替開閉装置。
【請求項3】
主回路ユニットは、第一のケース部材と第二のケース部材を組み合わせることによって筐体状の外郭が形成された開閉器を複数備え、
少なくとも一つの開閉器は、第一のケース部材よりも長手方向に突出するように第二のケース部材が構成され、第二のケース部材における第一のケース部材よりも長手方向に突出する部分に外部接続部が設けられる請求項2に記載の切替開閉装置。
【請求項4】
第一電源と電気的に接続可能な第一端子部と、
第二電源と電気的に接続可能な第二端子部と、
を主回路ユニットに備え、
第一端子部と制御部とを接続する第二配線若しくは第二端子部と制御部とを接続する第二配線を備える請求項1に記載の切替開閉装置。
【請求項5】
制御部の接続先を第一配線と第二配線とで切り替えることを可能とする切替部を備える請求項4に記載の切替開閉装置。
【請求項6】
第一電源と電気的に接続可能とする第一端子部と、第二電源と電気的に接続可能とする第二端子部と、負荷機器と電気的に接続可能とする第三端子部と、第三端子部の接続先を第一端子部と第二端子部で切り替え可能とする回動部材と、回動部材の向きを検知することにより第三端子部の接続先を検知可能とする検知部と、検知した第三端子部の接続先を出力可能とする出力部と、を備える請求項1に記載の切替開閉装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載の切替開閉装置を備えた電気電子機器収納用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替開閉装置及び電気電子機器収納用箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、負荷機器に給電する電源を第一電源(商用電源)と、第二電源(非常用電源)で切り替えるために用いる切替開閉装置が知られている。この切替開閉装置を用いれば、例えば、商用電源に停電が生じた場合には電源を商用電源から非常用電源に自動的に切り替えることができる。また、商用電源の復電時には電源を非常用電源から商用電源に自動的に切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、エネルギーの効率的な利用の観点からすると、昼間に太陽光を利用して発電した発電電力を消費するのが好ましい。また、発電電力に余剰が生じた場合には家庭用蓄電池や車載バッテリーなどの蓄電池に充電し、蓄電した電力を夜や朝に消費するのが好ましい。また、深夜電力を蓄電池に充電して、昼間の電力使用量がピークの時間帯に利用すれば、電気料金の節約ができることもある。ただし、従来は、切替開閉装置をそのような利用に用いることはなされていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、商用電源の停電若しくは復電を契機とした切り替え以外のタイミングで切り替えを制御可能な切替開閉装置とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、負荷機器へ給電する電源を第一電源と第二電源との間で切り替え可能とする主回路ユニットと、負荷機器へ給電する電源の切り替えを制御可能とする制御部を備えた制御ユニットと、を備えた切替開閉装置であって、切替開閉装置の外側に位置する外部機器と接続可能な外部接続部と、制御部と外部接続部を接続可能とする第一配線と、を備え、制御部は、少なくとも一部が内部に位置する第一配線を介して外部機器から送られた電気信号を用いて負荷機器へ給電する電源を切り替える制御を可能とする切替開閉装置とする。
【0007】
また、第一電源と電気的に接続可能な第一端子部と、第二電源と電気的に接続可能な第二端子部と、を主回路ユニットに備え、かつ、取付状態において被取付面と対向させる取付面を備え、外部接続部は、第一端子部の配線接続箇所若しくは第二端子部の配線接続箇所よりも取付面側に位置する構成とすることが好ましい。
【0008】
また、主回路ユニットは、第一のケース部材と第二のケース部材を組み合わせることによって筐体状の外郭が形成された開閉器を複数備え、少なくとも一つの開閉器は、第一のケース部材よりも長手方向に突出するように第二のケース部材が構成され、第二のケース部材における第一のケース部材よりも長手方向に突出する部分に外部接続部が設けられる構成とすることが好ましい。
【0009】
また、第一電源と電気的に接続可能な第一端子部と、第二電源と電気的に接続可能な第二端子部と、を主回路ユニットに備え、第一端子部と制御部とを接続する第二配線若しくは第二端子部と制御部とを接続する第二配線を備える構成とすることが好ましい。
【0010】
また、制御部の接続先を第一配線と第二配線とで切り替えることを可能とする切替部を備える構成とすることが好ましい。
【0011】
また、第一電源と電気的に接続可能とする第一端子部と、第二電源と電気的に接続可能とする第二端子部と、負荷機器と電気的に接続可能とする第三端子部と、第三端子部の接続先を第一端子部と第二端子部で切り替え可能とする回動部材と、回動部材の向きを検知することにより第三端子部の接続先を検知可能とする検知部と、検知した第三端子部の接続先を出力可能とする出力部と、を備える構成とするのが好ましい。
【0012】
また、前記切替開閉装置を備えた電気電子機器収納用箱とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、商用電源の停電若しくは復電を契機とした切り替え以外のタイミングで切り替えを制御可能な切替開閉装置とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】切替開閉装置の例を示す図である。ただし、外部との接続例についても記載している。
【
図2】
図1に示す切替開閉装置の分解斜視図である。ただし、制御ユニットを分解している状態を表している。
【
図4】
図1に示す切替開閉装置の分解斜視図である。ただし、主回路ユニットを分解している状態を表している。
【
図5】
図4に示す一部のケース部材を取り外した主回路ユニットの側面図である。
【
図6】外部接続部と制御部を第一配線でつないでいることを示す図である。
【
図7】正面視で第一端子部と第二端子部の間の位置となるように外部接続部を主回路ユニットに設けた例を示す図である。
【
図8】正面視で第一端子部と第二端子部の間の位置となるように外部接続部を制御ユニットに設けた例を示す図である。
【
図9】正面視で第一端子部と第二端子部の外側の位置となるように外部接続部を制御ユニットに設けた例を示す図である。
【
図10】外部接続部を圧着端子とした例を示す図である。
【
図11】外部接続部を速結端子とした例を示す図である。
【
図12】第二配線を備えた切替開閉装置の分解斜視図である。ただし、主回路ユニットを分解している状態を表している。
【
図13】
図12に示す一部のケース部材を取り外した主回路ユニットの側面図である。
【
図14】切替部と外部接続部を第一配線でつなぎ、切替部と第一端子部や第二端子部を第二配線でつなぎ、切替部と制御部を第三配線でつないでいることを示す図である。
【
図15】検知部を備えた切替開閉装置の分解斜視図である。ただし、主回路ユニットを分解している状態を表している。
【
図16】
図15に示す一部のケース部材を取り外した主回路ユニットの側面図である。ただし、可動接点が第二固定接点に接続した状態を表している。
【
図17】
図16に示す状態から回動部材を動かして可動接点を第一固定接点に接続した状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の切替開閉装置1は、負荷機器Ldへ給電する電源を第一電源Fpと第二電源Spとの間で切り替え可能とする主回路ユニット10と、負荷機器Ldへ給電する電源の切り替えを制御可能とする制御部21を備えた制御ユニット20と、を備えている。また、この切替開閉装置1は、切替開閉装置1の外側に位置する外部機器Odと接続可能な外部接続部51と、制御部21と外部接続部51を接続可能とする第一配線61と、を備え、制御部21は、少なくとも一部が内部に位置する第一配線61を介して外部機器Odから送られた電気信号を用いて負荷機器Ldへ給電する電源を切り替える制御を可能とする。このため、商用電源の停電若しくは復電を契機とした切り替え以外のタイミングで切り替えを制御可能な切替開閉装置1とすることが可能となる。なお、このような切替開閉装置1を備えた電気電子機器収納用箱とするのが好ましい。
【0016】
実施形態の切替開閉装置1は、負荷機器Ldへ給電するための電源を第一電源Fpと、第二電源Spとで切り替えるために用いる。また、実施形態の切替開閉装置1は主回路ユニット10と制御ユニット20を備えている(
図1参照)。この制御ユニット20は主回路ユニット10に備えられた機構を動作させるように制御することができる制御部21を備えている(
図2参照)。
【0017】
図1に示すことから理解されるように、実施形態においては、外部接続部51を主回路ユニット10に備えている。この外部接続部51は、切替開閉装置1とは別に設けられる外部機器Odと接続可能である。また、外部接続部51は第一配線61を介して制御部21と接続されている(
図3から
図6参照)。このような構成であるため、外部機器Odから外部接続部51に送られた電気信号を制御部21に送ることができる。したがって、外部接続部51に接続された外部機器Odを用いて、主回路ユニット10の制御を行うことができる。また、この第一配線61は、少なくとも一部が切替開閉装置1の内部に位置する。このため、切替開閉装置1を被取付面に取り付ける前に、外部接続部51から制御部21までの経路の確保を行うことができる。
【0018】
実施形態の主回路ユニット10は、一方側に、第一電源Fpが接続される第一端子部11を備えている。また、この主回路ユニット10は、もう一方側に、第二電源Spが接続される第二端子部12と、負荷機器Ldが接続される第三端子部13と、を備えている。この主回路ユニット10は、ケース101aを主たる外郭とする開閉器101が、必要な極数分だけ連結されて形成される。
図1に示す例においては、三つの開閉器101が連結されて3極の主回路ユニット10を構成している。また、実施形態の開閉器101は、二つのケース部材101aaを組み合わせることで、内部に空間を有するケース101aを構成することができる(
図4参照)。
【0019】
なお、第一電源Fpと第二電源Spは、さまざまな電源を採用することが可能である。例えば、商用電源であってもよいし、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーを利用したものや、燃料電池や蓄電池などの分散型電源であってもよい。より具体的には、第一電源Fpを商用電源とし、第二電源Spを分散型電源とすることや、第一電源Fpを太陽光発電を利用した電源とし、第二電源Spを燃料電池を利用した電源とすることなどが例示できる。
【0020】
次に主回路ユニット10に備えられる開閉器101の具体的な構成について説明をする。
図1及び
図5に示す開閉器101は、第一端子部11の一方の端部に第一固定接点11aを有し、他方の端部に電線を接続する際に端子ネジが螺合されるネジ穴を備えている。また、第二端子部12の一方の端部に第二固定接点12aを有し、他方の端部に電線を接続する際に端子ネジが螺合されるネジ穴を備えている。また、第三端子部13は、二つの可動接点13aを備えている。これらの可動接点13aは、各々、第一固定接点11a若しくは第二固定接点12aと接触することが可能であるが、第一固定接点11aと第二固定接点12aが同時に可動接点13aと接触することはないように構成されている。
【0021】
実施形態においては、このようなことを可能とするために、二つの可動接点13aを備えた可動接触子13bを、回動可能な回動部材13cが保持している。この回動部材13cが回動することで可動接点13aの接触先を第一固定接点11aと第二固定接点12aとの間で切り替えることを可能としている。
【0022】
また、第三端子部13は一方側が動く部分であり、回動部材13cが備えられている。これに対して、第三端子部13の他方側は動かない部分であり、導電部材を介して可動接触子13bに対して電気的に接続される部分を備えている。この端部には、電線を接続する際に端子ネジが螺合されるネジ穴を備えている。
【0023】
実施形態においては、可動接点13aが、第一端子部11の第一固定接点11aに接触する場合、可動接点13aを介して第一端子部11と第三端子部13が電気的に接続されるため、第一端子部11に接続される第一電源Fpから第三端子部13に接続される負荷機器Ldへの給電が可能となる。また、可動接点13aが、第二端子部12の第二固定接点12aに接触する場合には、同様の理由により、第二電源Spから負荷機器Ldへ給電が可能となる。
【0024】
第一端子部11と第二端子部12と第三端子部13は、開閉器101の外郭を構成するケース101aに収容されている。実施形態では、このような開閉器101を複数個連結することで、主回路ユニット10を構成するが、隣接する開閉器101のケース101a同士を連結する際に、各開閉器101の回動部材13cも連結し、連結する全ての回動部材13cが連動可能な構造となっている。そのため、開閉器101のケース101aには、回動部材13cの一部を挿入可能な開口が設けられている。この開口は、隣接する開閉器101同士の対向する面の回動部材13cに対応する位置に設けられている。
【0025】
隣接する開閉器101の回動部材13c同士が連結できるようにするためには、一方の回動部材13cに係合部を備え、他方の回動部材13cに係合部と係合可能な被係合部を備える構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、係合部と被係合部とを係合させて回動部材13c同士を連結させることができる。
【0026】
本実施形態においては、パーツの種類が増えることを抑制するため、3つの開閉器101の回動部材13cを同一形状としている。また、それらの回動部材13cは、係合部と被係合部の両方を備えた構造としている。なお、回動部材13cの構造はこのようなものである必要はないため、開閉器101毎に回動部材13cの形状を変更するようにしてもよい。例えば三つの開閉器101を連結させる場合、中央の開閉器101の回動部材13cには、係合部と被係合部の両方を設けるが、両端の開閉器101の回動部材13cには、係合部若しくは被係合部の一方を設けるように構成してもよい。
【0027】
次に実施形態の制御ユニット20について説明をする。実施形態の制御ユニット20は、主回路ユニット10と隣り合うように設けられ、主回路ユニット10に備えられた可動接点13aの接続先を第一端子部11と第二端子部12とで切り替える制御をすることができる。このような制御をすることで、第三端子部13に接続される負荷機器Ldへ給電される電源を、第一電源Fpと第二電源Spとで切り替えることができる。
【0028】
実施形態の制御ユニット20は、制御部21と、それを収納する第一のケース部品22と、第二のケース部品23を備えている。また、制御ユニット20の第一のケース部品22に隣接する開閉器101に対してネジ等を用いて固定されることで主回路ユニット10と制御ユニット20が固定される。
【0029】
なお、制御部21は、主回路ユニット10に備えられた回動部材13cを第一端子部11側へ回動させることが可能な第一制御部と、主回路ユニット10に備えられた回動部材13cを第二端子部12側へ回動させることが可能な第二制御部とに分けてもよい。
【0030】
実施形態の制御部21は、制御ユニット20に備えられた二つのソレノイドへの通電を制御することができる。二つのソレノイドのうちの、一方のソレノイドのコイルに通電して可動鉄心を移動させることで主回路ユニット10の回動部材13cを所定の方向に回動させることができ、他方のソレノイドのコイルに通電して可動鉄心を移動させることで主回路ユニット10の回動部材13cを逆方向に回動させることができる。
【0031】
したがって、例えば、外部接続部51を介して制御部21へ電気信号を入力し、一方のソレノイドのコイルへ通電して主回路ユニット10の回動部材13cを回動させることで切り替えを行い、第三端子部13を第一端子部11と接続させることができる。
【0032】
上記した例からも理解されるように、主回路ユニット10の回動部材13cを回動させる契機となるものとして、外部接続部51を介して制御部21に入力される電気信号がある。電気信号は、第一電源Fp若しくは第二電源Spから給電している状態若しくは給電可能な状態になったことを示す信号とすることができる。なお、電気信号は、電源と同程度の電圧レベルを有する信号であってもよいし、電源よりも低い電圧レベルを有する信号であってもよい。
【0033】
電気信号が電源と同程度の電圧レベルを有する信号である場合、電気信号は制御部21を動かすための電源として利用することができる。この場合、制御部21に電気信号が入力されることで制御部21が動き始めるようにすることができる。
【0034】
例えば電気信号を用いた動作を可能とするために、第一電源Fpからの第一電気信号と、第二電源Spからの第二電気信号が入力され得る状況において、制御部21へ第一電気信号が入力された場合には、第一制御部が動くが、第二制御部は休止状態とするように構成することができる。
【0035】
また、第一電気信号と第二電気信号の両方が入力されていない場合には、第一制御部と第二制御部が休止状態となるように構成することができる。
【0036】
第一制御部と第二制御部に優先度を設定し、第一電気信号と第二電気信号の両方が入力されている場合には、一方の動きを優先するように構成してもよい。このとき、他方の制御部については、一方の制御部への電気信号の入力が途絶えてしまう場合に備えている待機状態としていてもよい。
【0037】
一方、電気信号が、電源より低い電圧レベルを有する信号である場合は、制御部21を動かすための電源は、外部接続部51に入力される電気信号とは別に存在する。つまり、電気信号はただ電源の状態を示す信号である。そのため、制御部21は常に待機状態となっている。制御部21は電気信号が入力された場合に待機状態が解除されて動き始める。
【0038】
なお、「電源より低い電圧レベルを有する信号」が制御部21に入力される構成とする場合、切替開閉装置1の外部に設けられる外部機器Odから送られる信号を「電源より低い電圧レベルを有する信号」とすることができる。また、切替開閉装置1の外部接続部51などへ入力される信号は「電源と同程度の電圧レベルを有する信号」としておき、外部接続部51などへ入力された後に、切替開閉装置1の内部で「電源より低い電圧レベルを有する信号」に変換するようにしてもよい。
【0039】
外部接続部51に外部機器Odから信号が入力されるようにするためには、切替開閉装置1と外部機器Odとを用いて切替開閉システムを構築する。切替開閉システムに利用される外部機器Odは、切替開閉装置1の外部接続部51に接続される。この外部接続部51は、切替開閉装置1に配線される第一配線61を介して制御部21と接続されるとともに、外部機器Odに接続可能なように構成されている。
【0040】
なお、切替開閉装置1の各端子部に接続される電源は、直接的に接続されるものであってもよいのであるが、外部機器Odを介して間接的に接続されるものであってもよい。
【0041】
外部機器Odは、切替開閉装置1の電源の切り替えに用いることができる。最も単純な外部機器Odは端子台である。外部機器Odが端子台である場合、例えば、第一電源Fpに接続される電線及び第二電源Spに接続される電線を端子台により分岐させる。第一電源Fpに接続される電線は、「第一端子部11」と「第一端子部11側に設けられた外部接続部51(第一端子部側外部接続部)」に接続され、第二電源Spに接続される電線は、「第二端子部12」と「第二端子部12側に設けられた外部接続部51(第二端子部側外部接続部)」に接続する。このとき、電気信号は、電源と同程度の電圧レベルを有する信号となる。
【0042】
また、外部機器Odは、複数の電源が接続され、優先度や時間、給電量、充電量などの制御により負荷機器Ldへ給電する電源を選択することができる機能を有するものであってもよい。
【0043】
具体的には、切替開閉装置1の第一端子部11と第二端子部12の各々に別の蓄電池が接続される場合に、蓄電池に充電される充電量が多い方を優先的に使用する制御を行う機能を外部機器Odが備えることや、所定の時間ごとに蓄電池を切り替えて使用する制御を行う機能を外部機器Odが備えることなどが例示できる。また、切替開閉装置1に商用電源と蓄電池が接続される場合に、蓄電池からの供給が可能な限り蓄電池を使用する制御を行う機能を外部機器Odが備えるようにしてもよい。
【0044】
これらの制御のためには、外部機器Odから外部接続部51へ出力された電気信号に応じて切替開閉装置1の制御部21が切り替えられるようにすればよい。この他、外部機器Odに三つ以上の電源が接続される場合、切替開閉装置1への入力用に利用される各端子部に接続される電源を一つずつ選択する機能を外部機器Odが備えるようにしてもよい。もちろん、これらの例示以外の機能を外部機器Odが備えるようにしてもよい。
【0045】
次に外部接続部51について詳しく説明をする。外部機器Odが接続される外部接続部51が設けられる箇所は、切替開閉装置1を設置した状態において露出する個所であることが好ましい。例えば、
図1に示すことから理解されるように、外部接続部51を主回路ユニット10に設けるようにし、第一端子部11側や第二端子部12側に外部接続部51が設けられるようにしてもよい。また、外部接続部51を主回路ユニット10に設けるようにし、主回路ユニット10における制御ユニット20と対向する側面とは反対側の側面側に外部接続部51が設けられるようにしてもよい(
図7参照)。
【0046】
外部接続部51を制御ユニット20に設けるようにしてもよい。この場合、制御ユニット20における主回路ユニット10と対向する側面とは反対側の側面側に外部接続部51が設けられるようにしてもよい(
図8参照)。また、制御ユニット20の第一端子部11側や第二端子部12側などに外部接続部51が設けられるようにしてもよい(
図9参照)。
【0047】
電線の接続作業を考慮すると、外部接続部51は、主回路ユニット10の第一端子部11若しくは第二端子部12の配線接続箇所よりも被取付面側(設置面側)に設けることが好ましい。より詳しくは、第一電源Fpと電気的に接続可能な第一端子部11と、第二電源Spと電気的に接続可能な第二端子部12と、を主回路ユニット10に備え、かつ、取付状態において被取付面と対向させる取付面81を備え、外部接続部51は、第一端子部11の配線接続箇所若しくは第二端子部12の配線接続箇所よりも取付面81側に位置する構成とすることが好ましい。
【0048】
外部接続部51の高さが、第一端子部11、第二端子部12、第三端子部13に接続される電線の高さと異なるようにすると、各配線の区別がしやすくなる。そうすると、配線作業が楽になるとともに、各端子部との間の絶縁距離を確保しやすい構造とすることができる。なお、
図3及び
図5に示す例では、外部接続部51が、第一端子部11の配線接続箇所及び第二端子部12の配線接続箇所よりも取付面81側に位置する構成としている。また、外部接続部51が、第三端子部13の配線接続箇所よりも取付面81側に位置する構成としている。
【0049】
また、
図1及び
図4に示す例では、主回路ユニット10は、第一のケース部材101aaと第二のケース部材101aaを組み合わせることによって筐体状の外郭が形成された開閉器101を複数備えている。このような構成とする場合、少なくとも一つの開閉器101は、第一のケース部材101aaよりも長手方向に突出するように第二のケース部材101aaが構成され、第二のケース部材101aaにおける第一のケース部材101aaよりも長手方向に突出する部分に外部接続部51が設けられる構成とするのが好ましい。
【0050】
また、第一のケース部材101aaよりも長手方向に突出する部分が第二のケース部材101aaに設けられている場合においても、主回路ユニット10の上下方向の長さ(第一端子部11が設けられている側と第二端子部12が設けられている側との長さ)が制御ユニット20の同方向の長さよりも短いように構成するのが好ましい。そうすれば、突出する部分を設けても、その部分の存在により配置上の制約を受ける可能性を抑制することができる。
【0051】
なお、外部接続部51は、主回路ユニット10の第一端子部11側や第二端子部12側に設けることが好ましい。例えば、第一端子部11と第一外部接続部51を切替開閉装置1の中心から見て同じ方向に設けることで、電線の接続間違いを防ぐことが可能となる。
【0052】
また、
図1などに示すことから理解されるように、外部接続部51の配線への接続は、第一配線61に接続されたネジを用いるものとすればよいのであるが、その他の態様とすることも可能である。例えば、切替開閉装置1の外部に露出する圧着端子を用いるものとしてもよい(
図10参照)。また、切替開閉装置1の内部に収納した速結端子を用いるものであってもよい(
図11参照)。また、外部接続部51を電線で構成し、その電線の端部を外部機器Odに接続するようにしてもよい。
【0053】
ところで、第一端子部11や第二端子部12と、外部接続部51の両方に電線等を接続する構成とすることが考えられる。また、第一端子部11や第二端子部12と電線等を接続し、電気信号を電源と同等の電圧レベルとする場合などには、電源と第一端子部11や第二端子部12を電気的に接続するだけで、制御部21への通電や制御部21の制御が行える構成とすることが好ましい。
【0054】
このようなことを可能とするために、第一端子部11と制御部21を接続する第二配線62や第二端子部12と制御部21を接続する第二配線62を切替開閉装置1に設けておくことが好ましい(
図12、
図13及び
図14参照)。より具体的には、切替開閉装置1は、第一電源Fpと電気的に接続可能な第一端子部11と、第二電源Spと電気的に接続可能な第二端子部12と、を主回路ユニット10に備え、第一端子部11と制御部21とを接続する第二配線62若しくは第二端子部12と制御部21とを接続する第二配線62を備える構成とするのが好ましい。
【0055】
なお、以下の記載では、制御部21に対して、第一配線61を介して外部接続部51が接続され、第二配線62を介して第一端子部11や第二端子部12が接続されるように構成する場合であって、制御部21が第一配線61を介して外部接続部51と接続されることで、外部機器Odによる制御が可能となるこのような制御を外部制御と呼びことにする。一方、制御部21が第二配線62を介して第一端子部11や第二端子部12と接続されることで、切替開閉装置1の内部での制御が可能となるが、このような制御を内部制御と呼ぶことにする。
【0056】
内部制御を使用する場合には、第一端子部11や第二端子部12を制御部21と接続する第二配線62を通るルートは、制御部21への電源の供給と、制御部21の制御内容の特定の双方に利用可能である。一方、電気信号が電源より低い電圧レベルの場合においては、第二配線62を通るルートは、制御部21に電源を供給するためには利用されるが、制御部21の制御内容の特定には利用されない。この場合、制御部21の制御内容の特定は、第一配線61を通るルートが利用されるようにすればよい。
【0057】
第一配線61と第二配線62を備える構成とする場合、内部制御と外部制御とを切り替えることができる切替部65を切替開閉装置1に設けることが好ましい(
図14参照)。この場合、例えば、第一配線61を用いて外部接続部51と切替部65を接続し、第二配線62を用いて第一端子部11や第二端子部12と切替部65を接続し、第三配線63を用いて切替部65と制御部21を接続する。このような例とすることに限らないが、制御部21の接続先を第一配線61と第二配線62とで切り替えることを可能とする切替部65を備える切替開閉装置1とするのが好ましい。
【0058】
内部制御と外部制御とを切り替えることができる切替部65を設けた切替開閉装置1とする場合、レバーやボタンなど、切替部65の切り替え先を変更可能な操作部を設けることが好ましい。なお、操作部による切り替え操作により第一電源Fp側と第二電源Sp側の制御が異なるものとならないよう、切替部65は、第一電源Fp側と第二電源Sp側の両方が内部制御若しくは、第一電源Fp側と第二電源Sp側の両方が外部制御のいずれかの態様しか取れないようにしておくのが好ましい。
【0059】
ところで、第三端子部13の接続先が第一端子部11か、第二端子部12のいずれであるかを検知可能な検知部71を備える構成としてもよい。また、検知部71で検知した第三端子部13の接続先の情報などを出力可能な出力部72を設けるものであってもよい。
図15及び
図16に示す例では、主回路ユニット10に、検知部71と出力部72を備えている構成となっている。
【0060】
特に、切替開閉装置1は、第一電源Fpと電気的に接続可能とする第一端子部11と、第二電源Spと電気的に接続可能とする第二端子部12と、負荷機器Ldと電気的に接続可能とする第三端子部13と、第三端子部13の接続先を第一端子部11と第二端子部12で切り替え可能とする回動部材13cと、回動部材13cの向きを検知することにより第三端子部13の接続先を検知可能とする検知部71と、検知した第三端子部13の接続先を出力可能とする出力部72と、を備える構成とするのが好ましい。
【0061】
図16及び
図17に示す例の検知部71は、回動部材13cが回動することでスイッチが押されること若しくはスイッチから離れることを検知するマイクロスイッチである。ただし、検知部71はマイクロスイッチ以外のものとすることも可能である。検知部71は、第三端子部13が第一端子部11と接続していることが確認できるような配置と、第三端子部13が第二端子部11と接続していることが確認できるような配置のいずれもがなされるようにしてもよい。この場合、一つの検知部71で双方の確認をできるようにしてもよいし、各々の確認を別の検知部71でおこなえるようにしてもよい。
【0062】
また、第三端子部13が第一端子部11と接続していることの確認と、第三端子部13が第二端子部11と接続していることの確認のいずれか一方がなされるように検知部71を配置してもよい。この場合、例えば、マイクロスイッチなどに備えられたスイッチが押された場合に、一方に接続されたとみなすようにしてもよいし、マイクロスイッチなどに備えられたスイッチが離れた場合に、もう一方に接続されたとみなすようにしてもよい。
【0063】
検知部71は出力部72に接続され、検知部71で検知した結果などを出力部72に向けて出力する構成とするのが好ましい。出力部72は、外部接続部51と同様の位置や構成としてもよい。また、検知部71が切替開閉装置1の前部側に設けられる場合は、出力部72も切替開閉装置1の前部側に設けるようにしてもよい。なお、出力部72の数は、検知部71の数と一致させればよい。
【0064】
ところで、上記切替開閉装置1は第一端子部11に第一負荷を接続し、第二端子部12に第二負荷を接続し、第三端子部13に電源を接続するように利用してもよい。この場合、切替開閉装置1は電源の接続先を第一負荷と第二負荷の間で切り替えることができる。この切り替えは、外部機器Odから外部接続部51を介して制御部21に送られる信号を利用して行えるようにしてもよい。
【0065】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、実施形態では、ソレノイドへの通電を制御部でコントロールすることで切替開閉装置の切り換えを行うことを説明したが、切替開閉装置の切り替えを行うために制御部がコントロールするのはソレノイドへの通電である必要はない。例えば、制御部を用いて、電気信号によりモータを駆動して切替開閉装置の切り換えを行うようにしてもよい。より具体的には、制御部を用いて、電気信号によりモータを駆動して、主回路ユニットの回動部材を回動させて、切替開閉装置の切り換えを行うようにしてもよい。この場合、モータの駆動角度により、切替開閉装置の切り換えをおこなうことも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 切替開閉装置
10 主回路ユニット
11 第一端子部
12 第二端子部
13 第三端子部
13c 回動部材
20 制御ユニット
21 制御部
51 外部接続部
61 第一配線
65 切替部
71 検知部
72 出力部
81 取付面
101aa ケース部材
Fp 第一電源
Sp 第二電源
Ld 負荷機器
Od 外部機器