(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164874
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】文書処理プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241121BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080548
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬路 武志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明宏
(72)【発明者】
【氏名】片岡 篤士
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】承認依頼作業の効率化を図る。
【解決手段】制御部11は、文書の罫線の位置座標を含む罫線情報a1を記憶部12に登録する。また、文書に記載の承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報b1が設定された場合、罫線情報a1から特定される文書カテゴリc1と、承認者欄情報b1とを関連付けて記憶部12に登録する。さらに、制御部11は、回送先判定対象の対象文書の画像データD1から罫線情報a2を抽出し、罫線情報a2が罫線情報a1と一致する場合、罫線情報a1から特定される文書カテゴリc1に関連付けられている承認者欄情報b1を記憶部12から取得する。そして、制御部11は、取得した承認者欄情報b1から対象文書の画像データD1から承認者欄L1を検出し、承認者欄L1に記載されている承認者を対象文書の回送先と判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
文書の罫線の位置座標を含む第1の罫線情報を記憶部に登録し、
前記文書に記載の承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報が設定された場合、前記第1の罫線情報から特定される文書カテゴリと、前記承認者欄情報とを関連付けて前記記憶部に登録し、
回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データから第2の罫線情報を抽出し、
前記第2の罫線情報が前記第1の罫線情報と一致する場合、一致した前記第1の罫線情報から特定される前記文書カテゴリに関連付けられている前記承認者欄情報を前記記憶部から取得し、
取得した前記承認者欄情報にもとづいて、前記対象文書の承認者欄を検出して、検出した前記承認者欄に記載されている承認者を前記対象文書の回送先と判定する、
処理を実行させる文書処理プログラム。
【請求項2】
前記処理は、前記承認者欄情報が未設定であり、前記文書に記載される固定文言の印字内容を含む固定文言情報が設定された場合、
前記第1の罫線情報から特定される前記文書カテゴリと、前記固定文言情報とを関連付けて前記記憶部に登録し、
前記対象文書をスキャンして取得された画像データから前記第2の罫線情報を抽出し、
前記第2の罫線情報が前記第1の罫線情報と一致する場合、一致した前記第1の罫線情報から特定される前記文書カテゴリに関連付けられている前記固定文言情報を前記記憶部から取得し、
取得した前記固定文言情報にもとづいて前記対象文書の回送先を判定する、
請求項1記載の文書処理プログラム。
【請求項3】
前記固定文言情報は、前記文書のタイトル、前記文書の承認者および前記固定文言の位置座標の少なくとも1つが含まれる、請求項2記載の文書処理プログラム。
【請求項4】
前記処理は、
同一のユーザによって提出された複数の文書それぞれから罫線の位置座標を含む罫線情報を抽出した場合、
同じ前記罫線情報を有する複数の前記文書を文書群にグループ化し、
前記文書群に記載されている文字の文字認識を行って差異がある文字を検出し、
前記差異がある文字が日付の場合、前記ユーザが提出する前記文書は定期的な承認依頼の申請を要する申請書と判定して将来の申請日を予測し、
予測した申請日に前記文書が提出されていないことを検出した場合には、前記ユーザにリマインド通知を行う、
請求項1記載の文書処理プログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
文書に記載されている単語から前記文書の回送先に関連のあるキーワードを検出し、
前記文書の回送先となる人物または部署と、前記人物または前記部署に関連する複数のキーワードが含まれるキーワード群とを関連付けて記憶部に登録し、
回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データの文字認識を行って前記対象文書に記載されている前記キーワードを抽出し、
抽出した前記キーワードが含まれる前記キーワード群に関連付けられている前記人物または前記部署を取得し、
取得した前記人物または前記部署を前記対象文書の回送先と判定する、
処理を実行させる文書処理プログラム。
【請求項6】
記憶部と、
文書の罫線の位置座標を含む第1の罫線情報を前記記憶部に登録し、前記文書に記載の承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報が設定された場合、前記第1の罫線情報から特定される文書カテゴリと、前記承認者欄情報とを関連付けて前記記憶部に登録し、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データから第2の罫線情報を抽出し、前記第2の罫線情報が前記第1の罫線情報と一致する場合、一致した前記第1の罫線情報から特定される前記文書カテゴリに関連付けられている前記承認者欄情報を前記記憶部から取得し、取得した前記承認者欄情報にもとづいて、前記対象文書の承認者欄を検出して、検出した前記承認者欄に記載されている承認者を前記対象文書の回送先と判定する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項7】
記憶部と、
文書に記載されている単語から前記文書の回送先に関連のあるキーワードを検出し、前記文書の回送先となる人物または部署と、前記人物または前記部署に関連する複数のキーワードが含まれるキーワード群とを関連付けて前記記憶部に登録し、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データの文字認識を行って前記対象文書に記載されている前記キーワードを抽出し、抽出した前記キーワードが含まれる前記キーワード群に関連付けられている前記人物または前記部署を取得し、取得した前記人物または前記部署を前記対象文書の回送先と判定する制御部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書処理プログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
企業においては、多種多様な文書の作成および管理の業務が行われている。このような業務の中で、承認を要する申請書などの文書に対しては、承認先に申請書を回送して承認を受けるための承認依頼が行われる。
【0003】
関連技術としては、例えば、帳票画像を読取って、読取った帳票画像の文字画像を文字データに変換する文字認識を行って帳票データを作成し、帳票データを係員端末に配信する技術が提案されている(特許文献1)。また、帳票画像の記入事項および番号札画像の受付番号を文字認識し、文字認識結果を管理サーバへ送信して、管理サーバは、窓口端末へ文字認識結果を送信する技術が提案されている(特許文献2)。さらに、画像データにもとづいて帳票の種別を識別し、画像データから日付印情報を抽出して、識別子と日付印情報とを対応付けて記憶する技術が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-284758号公報
【特許文献2】特開2013-171475号公報
【特許文献3】特開2012-218890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが申請書の承認依頼を行う場合、例えば、ユーザが目視によって申請書の回送先を確認/判断して、メールなどで申請書を回送することが行われている。しかし、多数の申請書を扱う場合や申請書の記載内容によっては、申請書の承認を行う承認者または担当部署などの回送先を逐一確認することが煩雑となる場合があり、申請書の承認依頼作業において手間がかかるという問題がある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、承認依頼作業の効率化を図った文書処理プログラムおよび情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、文書処理プログラムが提供される。この文書処理プログラムは、コンピュータに、文書の罫線の位置座標を含む第1の罫線情報を記憶部に登録し、文書に記載の承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報が設定された場合、第1の罫線情報から特定される文書カテゴリと、承認者欄情報とを関連付けて記憶部に登録し、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データから第2の罫線情報を抽出し、第2の罫線情報が第1の罫線情報と一致する場合、一致した第1の罫線情報から特定される文書カテゴリに関連付けられている承認者欄情報を記憶部から取得し、取得した承認者欄情報にもとづいて、対象文書の承認者欄を検出して、検出した承認者欄に記載されている承認者を対象文書の回送先と判定する処理を実行させる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、記憶部と、文書の罫線の位置座標を含む第1の罫線情報を記憶部に登録し、文書に記載の承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報が設定された場合、第1の罫線情報から特定される文書カテゴリと、承認者欄情報とを関連付けて記憶部に登録し、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データから第2の罫線情報を抽出し、第2の罫線情報が第1の罫線情報と一致する場合、一致した第1の罫線情報から特定される文書カテゴリに関連付けられている承認者欄情報を記憶部から取得し、取得した承認者欄情報にもとづいて、対象文書の承認者欄を検出して、検出した承認者欄に記載されている承認者を対象文書の回送先と判定する制御部とを有する。
【0009】
さらに、上記課題を解決するために、文書処理プログラムが提供される。この文書処理プログラムは、コンピュータに、文書に記載されている単語から文書の回送先に関連のあるキーワードを検出し、文書の回送先となる人物または部署と、人物または部署に関連する複数のキーワードが含まれるキーワード群とを関連付けて記憶部に登録し、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データの文字認識を行って対象文書に記載されているキーワードを抽出し、抽出したキーワードが含まれるキーワード群に関連付けられている人物または部署を取得し、取得した人物または部署を対象文書の回送先と判定する処理を実行させる。
【0010】
また、上記課題を解決するために、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、記憶部と、文書に記載されている単語から文書の回送先に関連のあるキーワードを検出し、文書の回送先となる人物または部署と、人物または部署に関連する複数のキーワードが含まれるキーワード群とを関連付けて記憶部に登録し、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データの文字認識を行って対象文書に記載されているキーワードを抽出し、抽出したキーワードが含まれるキーワード群に関連付けられている人物または部署を取得し、取得した人物または部署を対象文書の回送先と判定する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
1側面によれば、承認依頼作業の効率化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報処理装置の一例を説明するための図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】罫線情報と承認者欄情報の事前登録の一例を示す図である。
【
図4】罫線情報と固定文言情報の事前登録の一例を示す図である。
【
図5】固定文言にもとづいて回送先を判定する場合の動作の一例を説明するための図である。
【
図6】キーワードの事前登録の一例を示す図である。
【
図7】キーワードの事前登録の一例を示す図である。
【
図8】キーワードの事前登録の一例を示す図である。
【
図9】キーワードにもとづいて回送先を判定する場合の動作の一例を説明するための図である。
【
図10】定期的な申請に対してリマインド通知を行う場合の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0014】
図1は情報処理装置の一例を説明するための図である。情報処理装置10は制御部11および記憶部12を備える。制御部11の機能は、情報処理装置10が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現することができる。また、記憶部12には、文書(申請書、帳票等)の回送先を判定するための情報等が記憶される。
【0015】
〔ステップS1〕制御部11は、文書の罫線の位置座標を含む罫線情報a1(第1の罫線情報)を記憶部12に登録する。
〔ステップS2〕制御部11は、文書に記載の承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報b1が設定された場合、罫線情報a1から特定される文書カテゴリc1と、承認者欄情報b1とを関連付けて記憶部12に登録する。なお、文書カテゴリc1は、例えば、経理関係、備品購入関係といった文書の種類のことである。
【0016】
〔ステップS3〕制御部11は、回送先判定対象の対象文書をスキャンして取得された画像データD1から罫線情報a2(第2の罫線情報)を抽出する。
〔ステップS4〕制御部11は、抽出した罫線情報a2が登録済みの罫線情報a1と一致する場合、一致した罫線情報a1から特定される文書カテゴリc1に関連付けられている承認者欄情報b1を記憶部12から取得する。
【0017】
〔ステップS5〕制御部11は、取得した承認者欄情報b1にもとづいて、対象文書の画像データD1から承認者欄L1を検出して、検出した承認者欄L1に記載されている承認者(承認を行う人物または担当部署等)を対象文書の回送先と判定する。
【0018】
なお、制御部11は、対象文書の回送先の判定後、回送先が判定された対象文書のデータおよび承認依頼メール等を承認者に宛てて送信する。また、対象文書を提出したユーザに対して、回送先の宛名等をメール等で通知を行うこともできる。
【0019】
このように、情報処理装置10では、文書の罫線情報a1と、罫線情報a1から特定される文書カテゴリc1と承認者欄情報b1とを関連付けて予め登録しておく。そして、回送先判定対象の対象文書の罫線情報a2が登録済みの罫線情報a1に一致する場合、一致した罫線情報a1から特定される文書カテゴリc1に関連付けられている承認者欄情報b1にもとづいて承認者欄L1を検出し、検出した承認者欄L1に記載されている承認者を対象文書の回送先と判定する。
【0020】
これにより、文書の回送先を自動判定することができるので、例えば、文書の承認を行う人物または担当部署などの回送先を逐一確認するための作業の煩雑さを軽減することができ、承認依頼作業の効率化を図ることが可能になる。また、承認者宛てに承認依頼メールが自動送信されることにより、電子印ではない承認印の押印依頼の手間を解消することもできる。
【0021】
図2は情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、制御部11の機能を有するプロセッサ101によって装置全体が制御されている。
プロセッサ101には、バス110を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
【0022】
メモリ102は、情報処理装置10の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0023】
バス110に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107、ネットワークインタフェース108およびスキャナインタフェース109がある。
【0024】
ストレージ装置103は、記憶部12の機能を有し、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、情報処理装置10の補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0025】
GPU104は、画像処理を行う演算装置であり、グラフィックコントローラとも呼ばれる。GPU104には、ディスプレイ201が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をディスプレイ201の画面に表示させる。
【0026】
入力インタフェース105には、キーボード202とマウス203とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード202やマウス203から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス203は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0027】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク204に記録されたデータの読み取り、または光ディスク204へのデータの書き込みを行う。光ディスク204は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク204には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Re Writable)などがある。
【0028】
機器接続インタフェース107は、情報処理装置10に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置205やメモリリーダライタ206を接続することができる。メモリ装置205は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ206は、メモリカード207へのデータの書き込み、またはメモリカード207からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード207は、カード型の記録媒体である。
【0029】
ネットワークインタフェース108は、ネットワークN1に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワークN1を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。ネットワークインタフェース108は、例えば、スイッチやルータなどの有線通信装置にケーブルで接続される有線通信インタフェースである。またネットワークインタフェース108は、アクセスポイントなどの無線通信装置に電波によって通信接続される無線通信インタフェースであってもよい。
【0030】
スキャナインタフェース109は、イメージスキャナ208に接続しており、イメージスキャナ208によって変換された、紙などの物理的な媒体に印刷された画像や文書のデータをプロセッサ101に送信する。
【0031】
情報処理装置10は、以上のようなハードウェアによって、本発明の処理機能を実現することができる。情報処理装置10は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。情報処理装置10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0032】
例えば、情報処理装置10に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また情報処理装置10に実行させるプログラムを、光ディスク204、メモリ装置205、メモリカード207などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0033】
図3は罫線情報と承認者欄情報の事前登録の一例を示す図である。なお、以降の説明では文書を申請書と呼ぶ場合がある。
〔ステップS11〕申請書(未記入)がスキャンされて、申請書の画像データd1(以下、単に申請書d1と呼ぶ)が取得される。
【0034】
〔ステップS12〕制御部11は、申請書d1から申請書カテゴリ(
図1の文書カテゴリc1に相当)を特定するための罫線情報a1を自動抽出する。罫線情報a1は、申請書d1に記載されている罫線の位置座標や罫線の長さなどを含む。
【0035】
〔ステップS13〕申請書d1に記載されている承認者欄の位置座標を含む承認者欄情報b1が制御部11に対して手動設定される。例えば、情報処理装置10を備えるシステムの運用管理者によって、承認者欄情報b1が制御部11に対して手動設定される。
【0036】
〔ステップS14〕制御部11は、罫線情報a1から特定される申請書カテゴリと、承認者欄情報b1とを関連付けて記憶部12に登録する。
上記のように、回送先の判定を行うための情報の事前登録がなされた上で
図1に示した回送先判定制御が行われる。なお、承認者欄から申請書の回送先を判定する動作については、
図1で上述したので説明は省略する。
【0037】
次に申請書の固定文言にもとづいて回送先の判定制御を行う場合について、
図4、
図5を用いて説明する。
図4は罫線情報と固定文言情報の事前登録の一例を示す図である。
〔ステップS21〕申請書(未記入)がスキャンされて申請書の画像データ(申請書d1)が取得される。
【0038】
〔ステップS22〕制御部11は、申請書d1から申請書カテゴリを特定するための罫線情報a1を自動抽出する。
〔ステップS23〕申請書d1に記載されている固定文言の印字内容を含む固定文言情報e1が制御部11に対して手動設定される。例えば、情報処理装置10を備えるシステムの運用管理者によって、固定文言情報e1が制御部11に対して手動設定される。
【0039】
なお、固定文言情報e1には、申請書のタイトル、申請書の承認者(承認を行う人物または担当部署等)、および固定文言の位置座標の少なくとも1つが含まれる。また、申請書の種類ごとにIDが設定されているような場合は、該当のIDを固定文言情報e1に使用してもよい。
【0040】
〔ステップS24〕制御部11は、罫線情報a1から特定される申請書カテゴリと、固定文言情報e1とを関連付けて記憶部12に登録する。
図5は固定文言にもとづいて回送先を判定する場合の動作の一例を説明するための図である。
【0041】
〔ステップS31〕制御部11は、申請書の罫線の位置座標を含む罫線情報a1を記憶部12に登録する。
〔ステップS32〕制御部11は、承認者欄情報が未設定であり、申請書に記載される固定文言の印字内容を含む固定文言情報e1が設定された場合、罫線情報a1から特定される申請書カテゴリc11と、固定文言情報e1とを関連付けて記憶部12に登録する。
【0042】
〔ステップS33〕制御部11は、回送先判定対象の申請書をスキャンして取得された画像データ(申請書d1)から罫線情報a2を抽出する。
〔ステップS34〕制御部11は、抽出した罫線情報a2が登録済みの罫線情報a1と一致する場合、一致した罫線情報a1から特定される申請書カテゴリc11に関連付けられている固定文言情報e1を記憶部12から取得する。
【0043】
〔ステップS35〕制御部11は、取得した固定文言情報e1にもとづいて、申請書d1から固定文言L2を検出して、検出した固定文言L2にもとづいて、申請書d1の回送先を判定する。例えば、固定文言情報e1が申請書d1のタイトルであり、そのタイトルが備品購入申請書と記載されていることが検出された場合、申請書d1の回送先は備品購入を行う部署であると判定する。
【0044】
このように、情報処理装置10では、申請書の罫線情報a1と、罫線情報a1から特定される申請書カテゴリc11と固定文言情報e1とを関連付けて予め登録しておく。そして、回送先判定対象の申請書の罫線情報a2が登録済みの罫線情報a1に一致する場合、一致した罫線情報a1から特定される申請書カテゴリc11に関連付けられている固定文言情報e1にもとづいて申請書の回送先を判定する。
【0045】
これにより、申請書の回送先を自動判定することができるので、例えば、申請書の承認を行う人物または担当部署などの回送先を逐一確認するための作業の煩雑さを軽減することができ、承認依頼作業の効率化を図ることが可能になる。
【0046】
次に申請書に記載されている単語から認識したキーワードにもとづいて、申請書の回送先を判定する制御について
図6から
図9を用いて説明する。
図6から
図8はキーワードの事前登録の一例を示す図である。なお、申請書の種類として、PC(パソコン)リース申請書、PC購入申請書およびリースPC返却申請書を例にして、各申請書それぞれにおけるキーワードの事前登録について説明する。
【0047】
〔ステップS41a〕制御部11は、PCリース申請書d11に記載されているすべての文字を文字認識する。そして、PCリース申請書d11からPCのリースに関するキーワードとして、例えば、「費用」、「リース」等の単語を抽出して、抽出した複数のキーワードをグループ化してキーワード群g1とする。
【0048】
〔ステップS41b〕制御部11は、抽出した複数のキーワードを含むキーワード群g1と、PCリースを行う部署(またはPCリース担当者など)とを関連付けて、記憶部12に登録する。
【0049】
〔ステップS42a〕制御部11は、PC購入申請書d12に記載されているすべての文字を文字認識する。そして、PC購入申請書d12からPCの購入に関するキーワードとして、例えば、「費用」、「購入」等の単語を抽出して、抽出した複数のキーワードをグループ化してキーワード群g2とする。
【0050】
〔ステップS42b〕制御部11は、抽出した複数のキーワードを含むキーワード群g2と、PCの購入を行う部署(またはPC購入担当者など)とを関連付けて記憶部12に登録する。
【0051】
〔ステップS43a〕制御部11は、リースPC返却申請書d13に記載されているすべての文字を文字認識する。そして、リースPC返却申請書d13からリースPCの返却に関するキーワードとして、例えば、「リース」、「返却」等の単語を抽出して、抽出した複数のキーワードをグループ化してキーワード群g3とする。
【0052】
〔ステップS43b〕制御部11は、抽出した複数のキーワードを含むキーワード群g3と、リースPCの返却を行う部署(またはリースPC返却担当者など)とを関連付けて記憶部12に登録する。
【0053】
図9はキーワードにもとづいて回送先を判定する場合の動作の一例を説明するための図である。
図9の例では、PCリース申請書の回送先の判定についての例を示している。
〔ステップS51〕制御部11は、申請書d1に記載されているすべての文字を文字認識する。
【0054】
〔ステップS52〕制御部11は、申請書d1に記載されている単語から申請書d1の回送先に関連のあるキーワードを検出する。この例では、申請書d1から「リース」、「費用」のキーワードが検出されたとする。
【0055】
〔ステップS53〕制御部11は、抽出したキーワードである「リース」、「費用」がキーワード群g1に含まれることを検出する。そして、制御部11は、キーワード群g1に関連付けられている人物または部署を取得する。この例では、「リース」、「費用」のキーワードが含まれるキーワード群g1は、PCリース部署に関連付けられて登録されているので、制御部11は、記憶部12からPCリース部署を取得し、取得したPCリース部署を申請書d1の回送先と判定する。
【0056】
このように、情報処理装置10では、申請書に印字されている文字から「リース」、「費用」などの回送先に関係するキーワードを抽出し、事前に登録されている関連部門に対応する場合に、その関連部門を回送先と判定する。
【0057】
これにより、罫線の記載がない申請書に対しても、申請書の回送先を自動判定することができるので、申請書の承認を行う人物または担当部署などの回送先を逐一確認するための作業の煩雑さを軽減することができ、承認依頼作業の効率化を図ることが可能になる。
【0058】
次に定期的な申請に対してリマインド通知を行う制御について説明する。
図10は定期的な申請に対してリマインド通知を行う場合の動作の一例を示す図である。
〔ステップS61〕制御部11は、同一のユーザ(申請者)2によって提出された複数の申請書それぞれから罫線の位置座標を含む罫線情報を抽出し、同じ罫線情報を有する複数の申請書を申請書群にグループ化する。
【0059】
図10の場合、申請書da1、da2、・・・は同じ罫線情報を持つので、申請書群g11にグループ化される。また、申請書db1、db2、・・・は、同じ罫線情報を持つので、申請書群g12にグループ化される。
【0060】
〔ステップS62〕制御部11は、申請書群g11に含まれる申請書da1、da2に記載されている文字の文字認識を行って、差異がある文字を検出する。
図10の例では、申請書da1の日付は2022年10月14日になっており、申請書da2の日付は2022年11月14日になっており、差異がある文字が日付であると検出される。
【0061】
〔ステップS63〕制御部11は、差異がある文字が日付の場合、ユーザ2が提出する申請書は、定期的な承認依頼の申請を要する申請書と判定して将来の申請日を予測する。そして、制御部11は、予測した申請日に申請書が提出されていないことを検出した場合には、ユーザ2にリマインド通知を行う。例えば、定期的に毎月14日に申請があった場合に、今月の14日までに申請がないことを検出した場合は、ユーザ2にその旨のリマインド通知を行う。
【0062】
このように、情報処理装置10では、過去の申請書の文字認識結果にもとづいて定常的な申請と判断した場合、予測した申請日に申請が無かったものについては申請者に対してリマインド通知を行う構成とした。これにより、承認依頼業務において、定期的な申請の忘れが自動的にチェックされるので、申請漏れを防止することが可能になる。
【0063】
上記で説明した本発明の情報処理装置10の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、情報処理装置10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0064】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶部、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶部には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0065】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶部に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0066】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶部からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0067】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0068】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
a1、a2 罫線情報
b1 承認者欄情報
c1 文書カテゴリ
D1 対象文書の画像データ
L1 承認者欄