(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164878
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20241121BHJP
H04N 1/401 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H04N1/04 101
H04N1/401
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080563
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊己
【テーマコード(参考)】
5C072
5C077
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA08
5C072CA05
5C072CA12
5C072DA02
5C072DA04
5C072DA12
5C072EA04
5C072FB12
5C072RA16
5C072UA02
5C077MM03
5C077MM21
5C077MM27
5C077MP04
5C077PP06
5C077PP44
5C077PP45
5C077SS01
(57)【要約】
【課題】シェーディング補正データを自動的に生成し、切り替える方法を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成する画像読取装置であって、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行する状態で特定の光源による光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得する第1取得手段と、画像の読取対象に対して特定の光源による光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得する第2取得手段と、読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成する生成手段と、読取対象に対して複数の光源の全てによる光を照射しつつ、読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う読取手段と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成する画像読取装置であって、
前記白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、前記複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得する第1取得手段と、
画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得する第2取得手段と、
前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データとに基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成する生成手段と、
画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う読取手段と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記第2取得手段は、前記読取対象を撮像した画像から所定の単体光源取得領域を切り出して、切り出した前記単体光源取得領域における前記第2の反射光の拡散状態を取得する、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記読取対象を撮像した画像から所定の画像読取領域を切り出して、切り出した前記画像読取領域を、前記読取対象用シェーディング補正データを使用してシェーディング補正を行う、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記読取対象の前記画像読取を行う度に、
前記第2取得手段が、前記第2の反射光の拡散状態を取得し、
前記生成手段が、前記読取対象用シェーディング補正データを生成し、
当該読取対象用シェーディング補正データを使用してシェーディング補正を行う、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記読取対象の前記画像読取を所定の回数行う度に、
前記第2取得手段が、前記第2の反射光の拡散状態を取得し、
前記生成手段が、前記読取対象用シェーディング補正データを生成し、
当該読取対象用シェーディング補正データを使用してシェーディング補正を行う、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記読取対象の読取条件が変更になる度に、
前記第2取得手段が、前記第2の反射光の拡散状態を取得し、
前記生成手段が、前記読取対象用シェーディング補正データを生成し、
当該読取対象用シェーディング補正データを使用してシェーディング補正を行う、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記複数の光源のうちの特定の光源のみを点灯させるか、又は、前記複数の光源の全てを点灯させるように制御する光源制御手段、をさらに備え、
前記光源制御手段は、前記特定の光源として、前記複数の光源を構成する複数の発光素子の一部を制御する、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データと、前記読取対象用シェーディング補正データと、を記憶する記憶手段をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項9】
複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成し、
前記白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、前記複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得し、
画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得し、
前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データとに基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成し、
画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う、
画像読取制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成し、
前記白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、前記複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得し、
画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得し、
前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データとに基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成し、
画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラインカメラやラインスキャナといった、照明、レンズ及びCCDなどのイメージセンサを有する画像読取装置においては、LED(Light Emitting Diode)素子ごとの輝度差が原因で生じる光源の照度ムラが原因で、読取画像における画素の輝度値が不均一となることがある。
図11(a)に、このような読取画像の一例を示す。読取画像における輝度値の不均一を解消するために、一般的にシェーディング補正が行われる。
図11(b)にシェーディング補正を実施した読取画像の一例を示す。
【0003】
一般的な複合機に搭載されている画像読取装置は、筐体内に白基準及び黒基準を配置し、読取の都度、もしくは電源投入時や一定間隔でシェーディング補正データの再取得を行っている。しかし、読取対象の反射率や照明の配置によって、同じ光源を使用しても照度ムラの出方が変化するため、特定の白基準及び黒基準によるシェーディング補正データだけでは補正しきれない場合がある。これに対し、例えば、特許文献1には、読取対象の表面における反射光の拡散特性の変動に柔軟に対応したシェーディング補正を行う技術が開示されている。
【0004】
また、シェーディング補正は、光源の照度劣化、輝度設定、及び配置の変更、或いは読取対象の変更といった読取条件の変更が生じた場合、シェーディング補正用の白基準及び黒基準を読み取り、シェーディング補正データの再取得を行うことが好ましい。例えば、複数の種類の読取対象を扱う製造ラインでは、読取対象の変更に応じて補正データを都度取得し、変更する必要がある。しかし、産業用途等に用いる画像読取装置においては、常に製造ラインが動作しており、画像の読み取りごとに白基準及び黒基準を配置できるタイミングは皆無である場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シェーディング補正データを取得するために読取対象の画像読取処理を中断することなく、シェーディング補正データを自動的に生成し、切り替える方法が求められている。
【0007】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する画像読取装置、画像読取制御方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、画像読取装置は、複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成する画像読取装置であって、前記白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、前記複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得する第1取得手段と、画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得する第2取得手段と、前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データとに基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成する生成手段と、画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う読取手段と、を備える。
【0009】
本発明の一態様によれば、画像読取制御方法は、複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成し、前記白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、前記複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得し、画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得し、前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データと、に基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成し、画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う。
【0010】
本発明の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに、複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成し、前記白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、前記複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得し、画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得し、前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データに基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成し、画像の読取対象の読取を実行する状態において、前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、読取対象の画像読取処理を中断することなく、シェーディング補正データを自動的にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る画像読取装置を含むイメージスキャナの一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る画像読取装置の構造の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る画像読取装置の機能の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る光源モジュールの構造の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る参照用単体光源点灯パターンの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る読取対象用単体光源点灯パターンの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る汎用シェーディング補正データの一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る読取対象用シェーディング補正データの一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る準備処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係るシェーディング補正データの生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】シェーディング補正について説明する図である。
【
図12】最小構成を有する画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】最小構成を有する画像読取装置の動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施形態に係る画像読取装置について図面を参照して説明する。以下の説明に用いる図面において本発明に関係ない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合がある。
【0014】
<実施形態>
(構成)
図1は、実施形態に係る画像読取装置を含むイメージスキャナの一例を示す図である。
図1に示すように、イメージスキャナ1は、画像読取装置10と、読取対象20と、読取対象搬送系30と、を含む。画像読取装置10は、読取対象搬送系30によって搬送される読取対象20を上方から撮影し、読取対象20の読取画像を出力する。読取対象20とは、例えば、様々な種類の紙、布、金属板などである。
【0015】
図2は、実施形態に係る画像読取装置の構造の一例を示す図である。
図2(a)に画像読取装置を含むイメージスキャナ1の側面図を示し、
図2(b)に画像読取装置を含むイメージスキャナ1の正面図を示す。以下の説明において、説明の便宜上、図面中にXYZ座標空間を適宜示して説明する。
図2(a)は、イメージスキャナ1をX軸正方向に見たYZ平面図、
図2(b)は、イメージスキャナ1をY軸正方向に見たXZ平面図である。
【0016】
画像読取装置10は、制御基板100、LEDなどの光源モジュール11、CCD(Charge-Coupled Device)12、レンズ13、2つのミラー14、カバーガラス15を備えている。なお、光源モジュール11は、画像読取装置10の外部に設置されてもよい。
【0017】
制御基板100は、画像読取装置10の動作全般を制御する機能を備え、光源モジュール11及びCCD12を制御する。制御基板100の詳細については、
図3を参照して後述する。
【0018】
図2に示すように、光源モジュール11、CCD12、レンズ13、ミラー14、カバーガラス15といった主たる光学構造体は、画像読取装置10内の主たる構造帯に配置、固定され、読取光路を形成する。光源モジュール11が読取対象20に対して光を照射することによって、読取対象20の表面で発生した反射光は、カバーガラス15を通過したのち、2つのミラー14を経由してレンズ13に入力され、レンズ13によってCCD12の上に結像される。なお、画像読取装置10がミラー14を備えない場合もあり、この場合、当該反射光は、カバーガラス15を通過したのち、レンズ13に入力される。
【0019】
また、光源モジュール11、CCD12、レンズ13、ミラー14、カバーガラス15、及び、これらの構成要素により形成される反射光の読取光路は、X軸方向に奥行きを有することとする。CCD12は、ラインイメージセンサあるいはエリアイメージセンサであり、X軸方向の各X座標値における、あるいは、XY平面の各XY座標値における反射光を取得する。CCD12は、入力された反射光を表すアナログ信号を、X座標値あるいはXY座標値ごとに画像データ200として、制御基板100へ出力する。後述するように、本実施形態では、CCD12が出力した画像データ200から単体光源取得領域201と、画像読取領域202を切り出し、単体光源取得領域201を用いてシェーディング補正データを生成し、画像読取領域202に対して、シェーディング補正を行う。
【0020】
イメージスキャナ1は、白基準及び黒基準を用いたシェーディング補正機能を備え、例えば、白基準板及び黒基準板(不図示)を内蔵している。画像読取装置10は、このシェーディング補正機能により、汎用シェーディング補正データ153を生成する。汎用シェーディング補正データ153は、一般的な画像読取装置が生成するシェーディング補正データである。画像読取装置10は、生成した汎用シェーディング補正データ153を、記憶領域150に格納する。
【0021】
図3は、実施形態に係る画像読取装置の機能の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御基板100は、光源モジュール11およびCCD12と接続されている。制御基板100は、光源制御回路110と、AFE(Analog Front End)120と、画像制御回路130と、外部I/F140と、記憶領域150と、を備えている。
【0022】
光源制御回路110は、光源モジュール11を制御することにより、光源の輝度や点灯パターンの制御を行う。
図4(a)に、本実施形態に係る光源モジュール11の構造の一例を示す。光源モジュール11は、LED基板111と、複数のLED素子112と、拡散板113と、LED照明筐体114と、を備えている。LED基板111は、光源制御回路110からLED素子112に対する制御信号の伝送路が配線されたプリント基板である。複数のLED素子112は、LED基板111の上にX軸方向に並んで配置されている。なお、光源モジュール11が備える発光素子はLED素子112に限定されず、他の発光素子を備えていてもよい。LED素子112が発する光は、拡散板113を介して、読取対象20に照射される。光源制御回路110は、例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御、あるいは電流値制御により、LED素子112の光量を制御してもよい。
【0023】
光源モジュール11は、
図4(b)に例示するように、1つのLED素子112を点灯制御の単位としてもよいし、
図4(c)に例示するように、複数のLED素子112を点灯制御の単位としてもよい。光源制御回路110は、LED素子112の最小単位ブロックごとに、LED素子112の点灯制御を行う。例えば、
図4(b)の場合、光源制御回路110は、特定の1つのLED素子112のみを発光させることが可能であり、
図4(c)に示す例の場合、特定の3つのLED素子112のみを発光させることが可能である。なお、
図4(c)では、3個を点灯制御の単位としているが、点灯制御できる最小単位ブロックのLED素子112の個数は3個に限定されない。
【0024】
光源制御回路110は、画像読取装置10が汎用シェーディング補正データ153を生成する過程において、光源モジュール11の全てのLED素子112を点灯させる。光源制御回路110は、画像読取装置10が後述する参照用の反射光の拡散パターン(参照用単体光源点灯パターン151と称する)及び読取対象20の反射光の拡散パターン(読取対象用単体光源点灯パターン152と称する)を取得する過程において、点灯制御の単位ブロックである特定のLED素子112を点灯させる。
【0025】
AFE120は、CCD12から入力された反射光を表すアナログ信号をデジタル信号に変換し、当該デジタル信号を画像制御回路130へ入力する。
【0026】
画像制御回路130は、CCD12が出力する画像データ200の特定領域を単体光源取得領域201として切り出し、読取対象用単体光源点灯パターン152の生成に使用する。そして、画像制御回路130は、画像データ200の他の特定領域を画像読取領域202として切出し、画像読取領域202に対して画像補正を行い、外部I/F140を通じて外部の装置へ出力する。シェーディング補正は画像補正の中に含まれる。
【0027】
画像制御回路130は、イメージスキャナ1において白基準及び黒基準を用いた画像の読取が設定されている状態において、光源制御回路110によって特定のLED素子112が点灯することにより発生した反射光を表す信号を、CCD12及びAFE120を介して取得する。画像制御回路130は、X座標値ごとの当該信号を、参照用単体光源点灯パターン151として取得し、取得した参照用単体光源点灯パターン151を、記憶領域150に格納する。
【0028】
図5に、参照用単体光源点灯パターン151を表すグラフを例示する。
図5(a)、
図5(b)のグラフの横軸はCCD12が反射光を取得するX座標値、縦軸はCCD12が取得した反射光の輝度を表す。
図5(a)のグラフにおいて、反射光の輝度が最大となるX座標値は、点灯する特定のLED素子112が位置するX座標値に相当する。反射光は反射する面において拡散するので、参照用単体光源点灯パターン151を表すグラフは、
図5(a)に例示するような山の形状を示す。画像制御回路130は、
図5(a)に例示する参照用単体光源点灯パターン151を、CCD12が取得した反射光の輝度の最大値が「1」となるように正規化する。
【0029】
正規化後の参照用単体光源点灯パターン151を
図5(b)に示す。画像制御回路130は、正規化した参照用単体光源点灯パターン151において、反射光の輝度が所定の閾値1以上となるX座標値の範囲の幅を表すL_ref1を算出する。画像制御回路130は、正規化した参照用単体光源点灯パターン151において、反射光の輝度が所定の閾値2以上となるX座標値の範囲の幅を表すL_ref2を算出する。但し、閾値2は、閾値1よりも小さいこととする。
【0030】
画像制御回路130は、イメージスキャナ1において画像を読み取る読取対象20が設置されている状態において、光源制御回路110によって特定のLED素子112が点灯することにより発生した反射光を表す信号を、CCD12及びAFE120を介して取得する。画像制御回路130は、単体光源取得領域201におけるX座標値ごとの当該信号を、読取対象用単体光源点灯パターン152として取得し、取得した読取対象用単体光源点灯パターン152を記憶領域150に格納する。
【0031】
図6に、参照用単体光源点灯パターン151を表すグラフを例示する。
図6(a)、
図6(b)に例示するグラフにおける横軸及び縦軸は、
図5(a)、
図5(b)に関して上述した通りである。このグラフにおいて、反射光の輝度が最大となるX座標値は、
図5(a)に関して上述した通りである。反射光は反射する面(読取対象20の表面)において拡散するので、読取対象用単体光源点灯パターン152を表すグラフも、
図5(a)に例示するグラフと同様に、
図6(a)に例示するような山の形状を示す。(換言すれば、特定の光源ユニット11のみを点灯したときに
図6(a)の山の形状が得られるような領域を単体光源取得領域201と定め、この領域を切り出す。)画像制御回路130は、
図6(a)に例示する読取対象用単体光源点灯パターン152をCCD12が取得した反射光の輝度の最大値が「1」となるように正規化する。
【0032】
正規化後の読取対象用単体光源点灯パターン152を
図6(b)に示す。画像制御回路130は、正規化した読取対象用単体光源点灯パターン152において、反射光の輝度が上述した閾値1以上となるX座標値の範囲の幅を表すL_eff1を算出する。画像制御回路130は、正規化した読取対象用単体光源点灯パターン152において、反射光の輝度が上述した閾値2以上となるX座標値の範囲の幅を表すL_eff2を算出する。
【0033】
画像制御回路130は、記憶領域150に格納されている、参照用単体光源点灯パターン151と、読取対象用単体光源点灯パターン152と、汎用シェーディング補正データ153とに基づいて、読取対象用シェーディング補正データ154を生成する。汎用シェーディング補正データ153の一例を
図7に示す。
図7のグラフの縦軸は反射光の輝度の補正値、横軸はX座標値を示す。汎用シェーディング補正データ153は、読取対象20の光の反射特性(反射光の拡散特性)に依存しないシェーディング補正データである。汎用シェーディング補正データ153は、画像読取装置10が備える一般的な機能により生成される。これに対し、読取対象用シェーディング補正データ154は、読取対象20の光の反射特性(反射光の拡散特性)が反映された、読取対象20に依存するシェーディング補正データである。
【0034】
画像制御回路130は、上述のL_ref1、L_ref2、L_eff1、L_eff2を用いて、例えば次式(1)に示す通りに、汎用シェーディング補正データ153に対する補正値γeffを算出する。
γeff={(L_ref1/L_ref2)-(Leff1/Leff2)}*T
・・・(1)
ここで、式(1)において、「/」は除算を表す演算子であり、「-」は減算を表す演算子であり、「*」は乗算を表す演算子であり、「T」は所定の係数である。式(1)が示す補正値γeffは、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を行うときの反射面における反射光の拡散率と、読取対象20の表面における反射光の拡散率との差分を表す。画像制御回路130は、汎用シェーディング補正データ153に対して、補正値γeffを用いた所定の演算を行うことによって、読取対象用シェーディング補正データ154を算出する。汎用シェーディング補正データ153に対して行う演算としては、様々な演算が考えられる。例えば、汎用シェーディング補正データ153が、X座標値に対する反射光の輝度の補正値(輝度の観測値に対して四則演算等を行う値)を表す場合、画像制御回路130は、補正値γeffに基づいて、汎用シェーディング補正データ153における輝度の補正値を調整する。
【0035】
例えば、画像制御回路130は、以下の式(2)に示すシグモイド関数に適用した式(3)により算出されるSeff(x)を用いて、読取対象用シェーディング補正データ154を生成する。
sigmoid(x)=1/{1+e^(-a*x)} ・・・(2)
ここで、式(2)において、eは自然対数の底を表し、aはシグモイド関数におけるゲインを表し、^はべき乗を表す演算子である。
Seff(x)=1/[1+e^{-γ
eff*(x-(L1+L2)/2)}]
・・・(3)
ここで、式(3)において、Seff(x)は、階調値(輝度)xにおけるシェーディング補正係数(コントラスト調整に適用)を表し、L1、L2は、それぞれ上述した反射光の輝度に関する閾値1及び閾値2を表す。なお、画像制御回路130は、γ
effの値が負の値となる場合、式(3)の逆関数にγeffの絶対値を適用することによって、Seff(x)を算出する。例えば、画像制御回路130は、汎用シェーディング補正データ153に対して、Seff(x)によって計算される係数を加算したり乗じたりする等して、読取対象用シェーディング補正データ154を生成する。読取対象用シェーディング補正データ154の一例を
図8に示す。
図8のグラフの縦軸は反射光の輝度の補正値、横軸はX座標値を示す。
【0036】
このように、画像読取装置10は、特定のLED素子112を点灯させることによって得られる参照用単体光源点灯パターン151と、読取対象用単体光源点灯パターン152とに基づいて、読取対象20が有する反射光の拡散特性をふまえて、汎用シェーディング補正データ153を補正した読取対象用シェーディング補正データ154を生成する。これにより読取対象の表面における反射光の拡散特性の変動に柔軟に対応したシェーディング補正を行うことができる。
【0037】
記憶領域150は、例えば電子メモリや磁気ディスク等の不揮発性の記憶デバイスである。記憶領域150は、参照用単体光源点灯パターン151、読取対象用単体光源点灯パターン152、汎用シェーディング補正データ153、読取対象用シェーディング補正データ154、を格納している。
【0038】
次に
図9、
図10のフローチャートを用いて説明するように、本実施形態では、CCD12の読取領域を単体光源取得領域201と画像読取領域202に分割することにより、読取対象20の画像読取を行いながら、読取対象用単体光源点灯パターン152および読取対象用シェーディング補正データ154の生成と画像読取を一連の動作で行う。これにより、シェーディング補正データを取得するために読取対象20の画像読取を停止することなく、読取対象20の特性に応じた読取対象用シェーディング補正データ154を自動的に生成し、読取対象20の画像読取に適用することができる。
【0039】
(動作)
図9は、実施形態に係る準備処理の一例を示すフローチャートである。
読取対象20の画像読取に先立ち、画像読取装置10の製造時等に特定の白基準及び黒基準を用いて、汎用シェーディング補正データ153及び参照用単体光源点灯パターン151を取得し、記憶領域150に保存しておく。
具体的には、画像読取装置10は、イメージスキャナ1において、白基準及び黒基準を用いた画像を読取面に設置する(ステップS1)。次に、光源制御回路110は、光源モジュール11の全てのLED素子112を点灯させる(ステップS2)。次に、画像読取装置10は、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行し、画像の読取結果に基づいて汎用シェーディング補正データ153を生成し、生成した汎用シェーディング補正データ153(
図7)を記憶領域150に格納し、保存する(ステップS3)。
【0040】
次に、光源制御回路110は、光源モジュール11における特定の単体のLED素子112を点灯させる(ステップS4)。例えば、光源制御回路110は、特定の1つのLED素子112のみを発光させる。あるいは、光源制御回路110は、点灯制御できる最小単位ブロック(例えば、3個)のLED素子112を発行させる。画像読取装置10は、白基準および黒基準を用いた画像の読取を実行する。画像制御回路130は、画像の読取結果が表す反射光の拡散パターンを取得し、取得した反射光の拡散パターンを、参照用単体光源点灯パターン151(
図5)として記憶領域150に格納し、保存する(ステップS5)。以上で準備処理を終了する。
【0041】
次に実際に読取対象20の画像読取を実行する場面での処理について説明する。
図10は、実施形態に係るシェーディング補正データの生成処理の一例を示すフローチャートである。
まず、イメージスキャナ1において、
図2に例示するように読取対象20を読取面に配置した状態にて搬送する(ステップS11)。次に光源制御回路110は、光源モジュール11における特定の単体のLED素子112を点灯させる(ステップS12)。この処理は、
図9のステップS4と同様である。次に、制御基板100は、CCD12を制御して、読取対象20を撮像する(ステップS13)。CCD12は撮像した画像データ200を、AFE120を通じて画像制御回路130へ出力する。画像制御回路130は、画像データから単体光源取得領域201を切り出して抽出する(ステップS14)。
【0042】
次に画像制御回路130は、単体光源取得領域201から読取対象用単体光源点灯パターン152(
図6)を取得する(ステップS15)。次に画像制御回路130は、記憶領域150に保存された参照用単体光源点灯パターン151(
図5)を読み出す(ステップS16)。次に画像制御回路130は、参照用単体光源点灯パターン151と読取対象用単体光源点灯パターン152から、式(1)によって単体光源点灯パターン補正値γ
effを算出する(ステップS17)。
【0043】
次に画像制御回路130は、記憶領域150に保存された汎用シェーディング補正データ153(
図7)を読み出し、ステップS17で算出した単体光源点灯パターン補正値γ
effを反映し(ステップS18)、読取対象用シェーディング補正データ154(
図8)を生成する(ステップS19)。画像制御回路130は、生成した読取対象用シェーディング補正データ154を記憶領域150に格納し、保存する。
【0044】
次に光源制御回路110は、画像読取用の光源モジュール11を全灯点灯させる(ステップS20)。画像読取装置10は、ステップS19で生成した読取対象用シェーディング補正データ154を使用して画像読取を行う。例えば、読取対象用シェーディング補正データ154をフィルタとして適用し(ステップS21)、CCD12が読取対象20を撮像する(ステップS22)。CCD12は、画像データ200を画像制御回路130へ出力する。画像制御回路130は、画像データ200から画像読取領域202を切り出し(ステップS23)、切り出した画像読取領域202に対して、読取対象用シェーディング補正データ154を用いてシェーディング補正を行い、その結果をイメージスキャナ1による読取画像として、外部I/F140を通じて外部へ出力する(ステップS24)。
【0045】
以降、光源モジュール11の単体光源点灯と全光源点灯を繰り返し、都度、読取対象用シェーディング補正データ154を生成しながら画像読取を行う。
【0046】
上記の実施形態は一例であって、以下のような構成であってもよい。例えば、画像読取装置10の光路内にミラー14を設けることとしたが、ミラー14を設けない構成としてもよい。記憶領域150に格納する単体光源点灯パターンは3つ以上であってもよい。また、実際に使用する読取対象用シェーディング補正データ154を生成するタイミングは任意に設定することができる。例えば、読取対象用シェーディング補正データ154を記憶領域150に保存せず、画像読取の度に生成してもよいし、読取対象20の読取条件変更(例えば、読取対象20の種類が素材1から素材2に変更になるとき等)される度に読取対象用シェーディング補正データ154を生成してもよいし、画像読取を所定回数実行する度(例えば、画像読取数回に1回の割合で生成するなど)に読取対象用シェーディング補正データ154を生成してもよい。また、CCD12は、ラインイメージセンサでなくエリアイメージセンサであってもよい。また、光源モジュール11はLEDではなく、その他の種類の発光素子であってもよい。光源は画像読取装置10と一体でなくとも、イメージスキャナ1の構成内に固定されていればよい。光源モジュール11の数は、特定の最小単位ブロック(1個で複数個でもよい。)の点灯と全灯点灯の切り替え制御ができれば1ユニットでも複数ユニットでもよい。また、画像読取領域202と単体光源取得領域201を異なる領域としたが、両者に重なる領域があってもよい。
【0047】
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係る画像読取装置10は、読取対象20の画像を読み取る際に、画像データ200から単体光源取得領域201を切り出し、切り出した単体光源取得領域201を使用して読取対象用シェーディング補正データ154を生成し、画像データ200から画像読取領域202を切り出し、切り出した画像読取領域202に対して読取対象用シェーディング補正データ154を適用してシェーディング補正を行う。
【0048】
例えば、金属板などの多くの種類の読取対象を扱う製造ラインでは、読取対象20に応じたシェーディング補正データを、都度取得し、変更する必要がある。しかし、実際の製造現場では、個々の読取対象20に応じたシェーディング補正データを生成・管理することは困難である。また読取対象毎にシェーディング補正データを設けるとすると、製造ラインの統一化ができず設備コストが高くなってしまう。これに対し、本実施形態によれば、読取対象20ごとの読取対象用シェーディング補正データ154を自動的に取得し、適用することができるので、効率的に読取対象20に応じたシェーディング補正を行うことができる。
【0049】
より具体的には、読取対象20から直接、読取対象用シェーディング補正データ154を生成できるため、白基準及び黒基準を読取面に配置してシェーディング補正データ取得を行う必要がない。従って、シェーディング補正データの再取得のために製造ラインを一時停止する必要がない。
【0050】
また、読取対象20から直接、読取対象用シェーディング補正データ154を生成できるため、読取対象の表面における反射光の拡散特性の変動など読取条件に対応した読取対象用シェーディング補正データ154が得られ、読取画像の品質向上が図れる。
【0051】
また、読取対象用単体光源点灯パターン152の取得と画像読取を一連の動作で行えるため、事前に読取対象ごとのシェーディング補正データを事前に準備する必要がなく、導入コストの低減が見込める。
【0052】
また、読取対象用シェーディング補正データ154の生成を画像読取と一連の動作で行えるため、異なる種類の読取対象20を同一の製造ラインに投入することができ、設備コストの低減が見込める。例えば、本実施形態のシェーディング補正データの生成方法は、製造業における検査用途での画像読取装置にも適用することができる。
【0053】
(最小構成)
図12は、最小構成を有す画像読取装置10の構成を示すブロック図である。
画像読取装置10は、複数の光源の全てを点灯させた状態で、白基準及び黒基準を用いた画像の読取を実行することによって汎用シェーディング補正データを生成する画像読取装置であって、第1取得手段801と、第2取得手段802と、生成手段803と、読取手段804と、を備える。
第1取得手段801は、白基準及び前記黒基準を用いた画像の読取を実行する状態において、複数の光源のうちの特定の光源から光を照射することによって発生する第1の反射光の拡散状態を取得する。
第2取得手段802は、画像の読取対象に対して前記特定の光源から光を照射することによって発生する第2の反射光の拡散状態を取得する。
生成手段803は、前記第1の反射光の拡散状態と、前記第2の反射光の拡散状態と、前記汎用シェーディング補正データとに基づいて、前記読取対象に依存する読取対象用シェーディング補正データを生成する。
読取手段804は、前記読取対象に対して前記複数の光源の全てから光を照射しつつ、前記読取対象用シェーディング補正データを使用して画像読取を行う。
【0054】
図14は、最小構成を有する画像読取装置の動作を示すフローチャート図である。
画像読取装置10は、汎用シェーディング補正データを生成する(ステップS801)。第1取得手段801は、第1の反射光の拡散状態を取得する(ステップS802)。第2取得手段802は、第2の反射光の拡散状態を取得する(ステップS803)。生成手段803は、読取対象用シェーディング補正データを生成する(ステップS804)。読取手段804は、読取対象の画像読取を行う(ステップS805)。
【0055】
なお、上述した実施形態における画像読取装置10の一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、画像読取装置10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0056】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0057】
また、上述した実施形態における画像読取装置10の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。画像読取装置10の各機能部は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0058】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1・・・イメージスキャナ
10・・・画像読取装置
11・・・光源モジュール
12・・・CCD
13・・・レンズ
14・・・ミラー
15・・・カバーガラス
20・・・読取対象
30・・・読取対象搬送系
100・・・制御基板
110・・・光源制御回路
120・・・AFE
130・・・画像制御回路
140・・・外部I/F
150・・・記憶領域
151・・・参照用単体光源点灯パターン
152・・・読取対象用単体光源点灯パターン
153・・・汎用シェーディング補正データ
154・・・読取対象用シェーディング補正データ
200・・・画像データ
201・・・単体光源取得領域
202・・・画像読取領域