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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164887
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】タービンホイール
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
F02B39/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080586
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 真明
【テーマコード(参考)】
3G005
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA13
3G005GB79
3G005GB81
(57)【要約】
【課題】各タービンブレードの流入側縁部における剛性を確保しつつ、各タービンブレードの負圧面側における渦の発生を抑制することが可能なタービンホイールを提供すること。
【解決手段】タービンホイール1は、ハブ100と複数枚のタービンブレード200とを備える。各タービンブレード200は、ハブ側縁部201と、シュラウド側縁部202と、流入側縁部203と、流出側縁部204と、を含む。各タービンブレード200の入口領域210は、入口部212と、流出側縁部204に向かうにしたがって次第に厚みが小さくなる厚み減少部214と、を含む。入口部212は、流出側縁部204に向かって厚みが一定、あるいは、流出側縁部204に向かうにしたがって次第に厚みが増大している。厚み減少部214は、流入側縁部203及び流出側縁部204間の長さに対する、流入側縁部203からの長さの比が0.3以下の範囲に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸まわりに回転するハブと、
前記ハブに接続された複数枚のタービンブレードと、を備えるタービンホイールであって、
前記複数枚のタービンブレードの各々は、
前記ハブとつながるハブ側縁部と、
前記タービンホイールを収容するシュラウドと対向するシュラウド側縁部と、
ガスの流入側に形成された流入側縁部と、
ガスの流出側に形成された流出側縁部と、を含み、
各前記タービンブレードは、前記流入側縁部を含む入口領域を有し、
前記入口領域は、
前記流入側縁部を含み、かつ、前記ハブ側縁部から前記シュラウド側縁部に至るよう延びる形状を有する入口部と、
前記流入側縁部から前記流出側縁部に向かう方向における前記入口部の下流側の端部につながっており、前記流出側縁部に向かうにしたがって次第に厚みが小さくなる厚み減少部と、を含み、
前記入口部は、前記流出側縁部に向かって厚みが一定、あるいは、前記流出側縁部に向かうにしたがって次第に厚みが増大しており、
前記厚み減少部は、前記タービンブレードの子午面における前記流入側縁部及び前記流出側縁部間の長さに対する、前記子午面における前記流入側縁部からの長さの比が0.3以下の範囲に形成されている、タービンホイール。
【請求項2】
前記入口領域は、
前記流入側縁部につながっており、前記入口部の一部を構成する第1湾曲面と、
前記タービンブレードのキャンバーラインに沿う方向に前記第1湾曲面から離間した位置に形成された第2湾曲面と、
前記第1湾曲面と前記第2湾曲面とを連結しており、前記厚み減少部の一部を構成する連結面と、を含み、
前記第1湾曲面、前記第2湾曲面及び前記連結面は、当該タービンブレードにおける負圧面に形成されており、
前記第1湾曲面及び前記第2湾曲面は、当該タービンブレードの正圧面から前記負圧面に向かう方向に凸となるように湾曲しており、
前記連結面は、当該タービンブレードの前記負圧面から前記正圧面に向かう方向に凸となるように湾曲している、請求項1に記載のタービンホイール。
【請求項3】
前記第1湾曲面、前記第2湾曲面及び前記連結面は、前記ハブ側縁部と前記シュラウド側縁部との中央部と前記シュラウド側縁部との間の範囲に形成されている、請求項2に記載のタービンホイール。
【請求項4】
前記入口部の表面は、鋳肌からなる鋳肌面で構成されており、
前記厚み減少部の表面は、前記鋳肌面とは異なる表面状態を有する加工面で構成されている、請求項1から3のいずれかに記載のタービンホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、タービンホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-79577号公報には、ターボチャージャに用いられるタービンホイールが開示されている。タービンホイールは、回転軸まわりに回転可能なハブと、ハブに接続された複数枚のタービンブレードと、を有している。各タービンブレードの負圧面のうち、径方向における外側の縁部を含むとともに回転軸と平行な方向に延びる領域に、追加工が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-79577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2020-79577号公報に記載されるようなタービンホイールでは、各タービンブレードのうちガスの流入側に形成された流入側縁部の剛性を確保しつつ、各タービンブレードの負圧面側における渦の発生を抑制したいというニーズがある。
【0005】
本発明の目的は、各タービンブレードの流入側縁部における剛性を確保しつつ、各タービンブレードの負圧面側における渦の発生を抑制することが可能なタービンホイールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一局面に従ったタービンホイールは、回転軸まわりに回転するハブと、前記ハブに接続された複数枚のタービンブレードと、を備え、前記複数枚のタービンブレードの各々は、前記ハブとつながるハブ側縁部と、前記タービンホイールを収容するシュラウドと対向するシュラウド側縁部と、ガスの流入側に形成された流入側縁部と、ガスの流出側に形成された流出側縁部と、を含み、各前記タービンブレードは、前記流入側縁部を含む入口領域を有し、前記入口領域は、前記流入側縁部を含み、かつ、前記ハブ側縁部から前記シュラウド側縁部に至るよう延びる形状を有する入口部と、前記流入側縁部から前記流出側縁部に向かう方向における前記入口部の下流側の端部につながっており、前記流出側縁部に向かうにしたがって次第に厚みが小さくなる厚み減少部と、を含み、前記入口部は、前記流出側縁部に向かって厚みが一定、あるいは、前記流出側縁部に向かうにしたがって次第に厚みが増大しており、前記厚み減少部は、前記タービンブレードの子午面における前記流入側縁部及び前記流出側縁部間の長さに対する、前記子午面における前記流入側縁部からの長さの比が0.3以下の範囲に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
この開示によれば、各タービンブレードの流入側縁部における剛性を確保しつつ、各タービンブレードの負圧面側における渦の発生を抑制することが可能なタービンホイールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1実施形態におけるタービンホイールの斜視図である。
図2図1に示されるタービンホイールの正面図である。
図3図1に示されるタービンホイールの平面図である。
図4図3におけるIV-IV線での断面図である。
図5】タービンブレードを模式的に示す図である。
図6】子午面における無次元長さと無次元翼厚との関係を示すグラフである。
図7】ハブ側縁部の断面図である。
図8】シュラウド側縁部の正面図である。
図9】ハブ側縁部とシュラウド側縁部との中央部の断面図である。
図10】本開示の第2実施形態におけるタービンホイールの斜視図である。
図11図10に示されるタービンホイールの正面図である。
図12図10に示されるタービンホイールの平面図である。
図13】ハブ側縁部の断面図である。
図14】シュラウド側縁部の正面図である。
図15】ハブ側縁部とシュラウド側縁部との間の部位の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態におけるタービンホイールの斜視図である。図2は、図1に示されるタービンホイールの正面図である。図3は、図1に示されるタービンホイールの平面図である。図4は、図3におけるIV-IV線での断面図である。
【0011】
本実施形態におけるタービンホイール1は、車両に搭載されるターボチャージャに好ましく用いられる。タービンホイール1は、例えばTiAl合金からなる。タービンホイール1は、鋳造によって形成された粗材に追加工(切削加工や電解加工)を施すことにより製造されている。なお、前記粗材は、鍛造等によって形成されてもよい。
【0012】
図1図4に示されるように、タービンホイール1は、ハブ100と、複数枚のタービンブレード200と、を備えている。
【0013】
ハブ100は、回転軸AXまわりに回転可能である。ハブ100は、回転軸方向における一方側(図1図2及び図4における上側)から他方側(図1図2及び図4における下側)に向かうにしたがって次第に拡径する部位を含んでいる。
【0014】
各タービンブレード200は、ハブ100に接続されている。各タービンブレード200は、正圧面(凹面)と、負圧面(凸面)と、を有している。本実施形態では、各タービンブレード200の負圧面(ハブ100の回転方向に凸となるように湾曲する面)の少なくとも一部に追加工が施されている。タービンブレード200のうち追加工が施されていない表面は、鋳肌からなる鋳肌面S1で構成されている。タービンブレード200のうち追加工が施された表面は、鋳肌面S1とは異なる表面状態を有する加工面S2で構成されている。鋳肌面S1と加工面S2との境界は、滑らかにつながっている。
【0015】
各タービンブレード200は、ハブ側縁部201と、シュラウド側縁部202と、流入側縁部203と、流出側縁部204と、を有している。
【0016】
ハブ側縁部201は、ハブ100とつながっている。ハブ側縁部201は、ハブ100とつながっている端面で構成されている。
【0017】
シュラウド側縁部202は、タービンホイール1を収容するシュラウド(図示略)と対向している。シュラウド側縁部202は、タービンブレード200の端面で構成されている。
【0018】
流入側縁部(リーディングエッジ)203は、ガスの流入側に形成されている。流入側縁部203は、ハブ100の径方向におけるハブ側縁部201の外側の端部と、径方向におけるシュラウド側縁部202の外側の端部と、を連結している。換言すれば、流入側縁部203は、回転軸AXと平行な方向におけるハブ側縁部201の前記他方側(図1図2及び図4における下側)の端部と、回転軸AXと平行な方向におけるシュラウド側縁部202の前記他方側の端部と、を連結している。
【0019】
流出側縁部(トレーリングエッジ)204は、ガスの流出側に形成されている。流出側縁部204は、径方向におけるハブ側縁部201の内側の端部と、径方向におけるシュラウド側縁部202の内側の端部と、を連結している。換言すれば、流出側縁部204は、回転軸AXと平行な方向におけるハブ側縁部201の前記一方側(図1図2及び図4における上側)の端部と、回転軸AXと平行な方向におけるシュラウド側縁部202の前記一方側の端部と、を連結している。図2及び図4に示されるように、流出側縁部204は、回転軸AXを概ね直交していてもよい。
【0020】
各タービンブレード200は、流入側縁部203を含む入口領域210を有している。入口領域210は、入口部212と、厚み減少部214と、を有している。なお、図1及び図4では、入口部212がドット模様で示されており、厚み減少部214が斜線で示されている。
【0021】
入口部212は、流入側縁部203を含んでいる。入口部212は、ハブ側縁部201からシュラウド側縁部202に至るよう延びる形状を有している。入口部212は、流出側縁部204に向かって厚みが一定、あるいは、流出側縁部204に向かうにしたがって次第に厚みが増大している。
【0022】
厚み減少部214は、流出側縁部204に向かうにしたがって次第に厚みが小さくなる部位である。厚み減少部214は、流入側縁部203から流出側縁部204に向かう方向(ガスの流れ方向)における入口部212の下流側の端部につながっている。図5及び図6に示されるように、本実施形態では、厚み減少部214は、各タービンブレード200のうちシュラウド側縁部202からハブ側縁部201とシュラウド側縁部202との中央部に至る領域を含んでいる。
【0023】
図5及び図6に示されるように、厚み減少部214は、子午面における無次元長さSが0.3以下の範囲に形成されている。子午面における無次元長さSは、タービンブレード200の子午線に沿った流入側縁部203及び流出側縁部204間の長さに対する、子午線に沿った流入側縁部203からの長さの比を意味する。つまり、厚み減少部214は、流入側縁部203と、流入側縁部203から流出側縁部204に向かって子午線に沿った流入側縁部203及び流出側縁部204間の長さの0.3倍の部位と、の間の範囲に形成されている。また、無次元翼厚は、所定の子午線に沿って延びる流入側縁部203及び流出側縁部204間の部位における最大厚みに対する、前記所定の子午線に沿って延びる流入側縁部203及び流出側縁部204間の部位における厚みを意味する。
【0024】
図5では、ハブ側縁部201の子午線の全長がLhで示されており、シュラウド側縁部202の子午線の全長がLsで示されており、ハブ側縁部201とシュラウド側縁部202との中央部の子午線の全長がLmで示されている。なお、図5において、ハブ側縁部201の子午線と対応する位置が0%spanであり、シュラウド側縁部202の子午線と対応する位置が100%spanであり、ハブ側縁部201とシュラウド側縁部202との中央部の子午線が50%spanである。
【0025】
また、図5では、子午線に沿った無次元長さSが0.3の位置が一点鎖線Aで示されている。この一点鎖線Aは、ハブ側縁部201のうち当該ハブ側縁部201の上流側の端部から下流側の端部に向かってハブ側縁部201の子午線の全長Lhの0.3倍の長さh1の位置と、シュラウド側縁部202のうち当該シュラウド側縁部202の上流側の端部から下流側の端部に向かってシュラウド側縁部202の子午線の全長Lsの0.3倍の長さs1の位置と、を結んでいる。
【0026】
図7は、ハブ側縁部の断面図である。図8は、シュラウド側縁部の断面図である。図9は、ハブ側縁部とシュラウド側縁部との中央部の断面図である。
【0027】
図8に示されるように、入口領域210は、第1湾曲面231と、第2湾曲面232と、連結面233と、を有している。第1湾曲面231、第2湾曲面232及び連結面233は、タービンブレード200の負圧面に形成されている。
【0028】
第1湾曲面231は、流入側縁部203につながっている。第1湾曲面231は、入口部212の一部を構成している。第1湾曲面231は、当該タービンブレード200の正圧面から負圧面に向かう方向(ハブ100の回転方向)に凸となるように湾曲している。
【0029】
第2湾曲面232は、キャンバーラインに沿う方向に第1湾曲面231から離間した位置に形成されている。第2湾曲面232は、当該タービンブレード200の正圧面から負圧面に向かう方向に凸となるように湾曲している。
【0030】
連結面233は、第1湾曲面231と第2湾曲面232とを連結している。連結面233は、厚み減少部214の一部を構成している。連結面233は、当該タービンブレード200の負圧面から正圧面に向かう方向に凸となるように湾曲している。
【0031】
第1湾曲面231、第2湾曲面232及び連結面233は、ハブ側縁部201とシュラウド側縁部202との中央部とシュラウド側縁部202との間の範囲に形成されている。
【0032】
以上に説明したように、本実施形態におけるタービンホイール1では、各タービンブレード200が入口部212を有しているため、流入側縁部203の剛性が確保され、かつ、各タービンブレード200の厚み減少部214は、前記比(子午面における無次元長さS)が0.3以下の範囲に形成されているため、各タービンブレード200の負圧面側での渦の発生が抑制される。
【0033】
(第2実施形態)
次に、図10図15を参照しながら、本開示の第2実施形態におけるタービンホイール1について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0034】
本実施形態では、各タービンブレード200の負圧面のうち、流入側縁部203及びシュラウド側縁部202の近傍の領域、並びに、ハブ側縁部201の近傍の領域は、追加工が施されていない鋳肌面S1で構成されている。
【0035】
本実施形態では、図15に示されるように、例えば、ハブ側縁部201とシュラウド側縁部202との中央部に厚み減少部214が形成されている。
【0036】
この態様では、第1実施形態におけるタービンホイール1に比べ、各タービンブレード200の流入側縁部203の剛性が有効に確保される。
【0037】
なお、各タービンブレード200のうち追加工を施す部位は、流入側縁部203の剛性の確保や、流出側縁部204を薄くすることによる渦の発生の抑制等を踏まえて適宜設定される。
【0038】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0039】
[態様1]
回転軸まわりに回転するハブと、
前記ハブに接続された複数枚のタービンブレードと、を備えるタービンホイールであって、
前記複数枚のタービンブレードの各々は、
前記ハブとつながるハブ側縁部と、
前記タービンホイールを収容するシュラウドと対向するシュラウド側縁部と、
ガスの流入側に形成された流入側縁部と、
ガスの流出側に形成された流出側縁部と、を含み、
各前記タービンブレードは、前記流入側縁部を含む入口領域を有し、
前記入口領域は、
前記流入側縁部を含み、かつ、前記ハブ側縁部から前記シュラウド側縁部に至るよう延びる形状を有する入口部と、
前記流入側縁部から前記流出側縁部に向かう方向における前記入口部の下流側の端部につながっており、前記流出側縁部に向かうにしたがって次第に厚みが小さくなる厚み減少部と、を含み、
前記入口部は、前記流出側縁部に向かって厚みが一定、あるいは、前記流出側縁部に向かうにしたがって次第に厚みが増大しており、
前記厚み減少部は、前記タービンブレードの子午面における前記流入側縁部及び前記流出側縁部間の長さに対する、前記子午面における前記流入側縁部からの長さの比が0.3以下の範囲に形成されている、タービンホイール。
【0040】
このタービンホイールでは、各タービンブレードが入口部を有しているため、流入側縁部の剛性が確保され、かつ、各タービンブレードの厚み減少部は、前記比が0.3以下の範囲に形成されているため、負圧面側での渦の発生が抑制される。
【0041】
[態様2]
前記入口領域は、
前記流入側縁部につながっており、前記入口部の一部を構成する第1湾曲面と、
前記タービンブレードのキャンバーラインに沿う方向に前記第1湾曲面から離間した位置に形成された第2湾曲面と、
前記第1湾曲面と前記第2湾曲面とを連結しており、前記厚み減少部の一部を構成する連結面と、を含み、
前記第1湾曲面、前記第2湾曲面及び前記連結面は、当該タービンブレードにおける負圧面に形成されており、
前記第1湾曲面及び前記第2湾曲面は、当該タービンブレードの正圧面から前記負圧面に向かう方向に凸となるように湾曲しており、
前記連結面は、当該タービンブレードの前記負圧面から前記正圧面に向かう方向に凸となるように湾曲している、態様1に記載のタービンホイール。
【0042】
[態様3]
前記第1湾曲面、前記第2湾曲面及び前記連結面は、前記ハブ側縁部と前記シュラウド側縁部との中央部と前記シュラウド側縁部との間の範囲に形成されている、態様2に記載のタービンホイール。
【0043】
[態様4]
前記入口部の表面は、鋳肌からなる鋳肌面で構成されており、
前記厚み減少部の表面は、前記鋳肌面とは異なる表面状態を有する加工面で構成されている、態様1から3のいずれかに記載のタービンホイール。
【0044】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 タービンホイール、100 ハブ、200 タービンブレード、201 ハブ側縁部、202 シュラウド側縁部、203 流入側縁部、204 流出側縁部、210 入口領域、212 入口部、214 厚み減少部、231 第1湾曲部、232 第2湾曲面、233 連結面、S1 鋳肌面、S2 加工面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15