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特開2024-164892情報処理システム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164892
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080594
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】507212975
【氏名又は名称】住信SBIネット銀行株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】安田 航
(72)【発明者】
【氏名】草野 恵一
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB22
5L040BB42
5L055BB22
5L055BB42
(57)【要約】
【課題】金融機関システムと各種サービスを提供する事業者のステムとの間でユーザ情報を連携し、ユーザが使用するユーザ端末にインストールされている各種サービスのアプリ上で即座に金融機関機能を提供すること
【解決手段】
金融機関と提携している事業者のユーザが使用するユーザ端末の表示画面に金融機関機能の利用要求受付画面を表示する表示画面制御部と、ユーザ端末から金融機関機能の利用要求を受け付け、金融機関口座の開設状況に応じて金融機関システムへのログインステータスを設定するログインステータス管理部と、を備え、ログインステータスが、金融機関システムと事業者システムとの間で金融機関のユーザについての情報を構成する金融機関口座開設手続情報が連携済みに設定されている場合、表示画面制御部は金融機関機能の利用要求受付画面から金融機関機能画面へと表示画面を遷移させる情報処理システム
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関が管理する金融機関システムと、前記金融機関と提携している提携事業者が管理する提携事業者システムとの間における前記金融機関のユーザについての情報と前記提携事業者のユーザについての情報の連携を、所定の時間でバッチ処理を行い、前記ユーザが使用するユーザ端末に前記金融機関システムが備える金融機関機能を提供する情報処理システムであって、
前記ユーザ端末の表示画面に金融機関機能の利用要求受付画面を表示する表示画面制御部と、
前記ユーザ端末から金融機関機能の利用要求を受け付け、金融機関口座の開設の状況に応じて前記金融機関システムへのログインステータスを設定するログインステータス管理部と、を備え、
前記ログインステータスが、前記金融機関システムと前記提携事業者システムとの間で前記金融機関のユーザについての情報を構成する金融機関口座開設手続情報が連携済みに設定されている場合、前記表示画面制御部は前記金融機関機能の利用要求受付画面から金融機関機能画面へと前記表示画面を遷移させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記提携事業者のユーザについて情報を構成する提携事業者ユーザIDごとに金融機関口座開設手続を管理する金融機関口座開設手続管理部をさらに備え、
前記ログインステータスが、前記金融機関システムと前記提携事業者システムとの間で前記提携事業者ユーザIDについての前記金融機関口座開設手続情報が未連携に設定されている場合、
前記表示画面制御部は、前記金融機関機能の利用要求受付画面から金融機関口座の開設申込受付画面へと前記表示画面を遷移させ、
前記ログインステータス管理部は、前記金融機関口座の開設申込受付画面における金融機関口座開設申込後に前記ユーザ端末から前記金融機関口座開設手続情報を取得して、前記未連携であるログインステータスの設定を前記連携済みに変更し、
前記表示画面制御部は、前記金融機関機能の利用要求受付画面又は前記金融機関口座開設設定画面から金融機関システムへのログイン受付画面へ表示画面を遷移させ、
前記表示画面制御部は、前記金融機関システムへのログイン受付画面において前記ユーザ端末からログイン情報を受け付け、前記金融機関機能画面へと前記表示画面を遷移させる
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記金融機関口座開設手続情報には、前記提携事業者ユーザ情報に紐づく金融機関口座開設申込情報に基づいて生成された金融機関口座開設申込完了情報が含まれ、
前記金融機関口座開設申込完了情報は生成され次第、リアルタイムで前記提携事業者システムに連携される
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記金融機関のユーザについての情報には、前記金融機関口座開設申込情報に係る金融機関口座開設申込の審査が完了した金融機関口座開設申込審査完了情報が含まれ、
前記金融機関口座開設申込審査完了情報は、バッチ処理で前記提携事業者システムに連携される
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末の前記金融機関システムへのログイン認証を管理する認証処理部をさらに備え、
前記ログインステータスが、前記金融機関システムと前記提携事業者システムとの間で前記金融機関口座開設手続情報が連携済みに設定されている場合、前記認証処理部は、前記ユーザ端末において認証設定が完了しているか判定し、前記認証設定が完了している場合、前記ユーザ端末の前記金融機関システムへのログイン認証処理を行い、前記表示画面制御部は前記金融機関機能の利用要求受付画面から前記金融機関機能画面へと前記表示画面を遷移させ、
前記認証設定が完了していない場合、前記表示画面制御部は前記金融機関機能の利用要求受付画面からログイン設定画面へと前記表示画面を遷移させ、
前記表示画面制御部は、前記ログイン設定画面において所定の設定情報の入力が受け付けられると、前記金融機関機能画面へと前記表示画面を遷移させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ユーザ端末の前記金融機関システムへのログイン認証を管理する認証処理部をさらに備え、
前記ログインステータスが、前記金融機関システムと前記提携事業者システムとの間で前記金融機関口座開設手続情報が連携済みに設定されていない場合、
前記表示画面制御部は前記金融機関システムへのログイン受付画面からログイン設定画面へと前記表示画面を遷移させ、
前記表示画面制御部は、前記ログイン設定画面において所定の設定情報の入力が受け付けられると、前記金融機関機能画面へと前記表示画面を遷移させる
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
請求項1記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関が管理する金融機関システムと各種サービスを提供する事業者が管理する事業者システムとの間でユーザ情報を連携し、ユーザが使用するユーザ端末にインストールされている事業者の各種サービスに係るアプリケーションソフトウェア上で金融機関の機能を利用できる仕組みの提案が求められている。
【0003】
例えば、金融機関が提供するローンの申込機能、ATM機能、等の一般的な金融機関システムが有する機能を、上記金融機関と提携している事業者が提供するアプリケーションソフトウェアに係るサービスへログインすることで利用できる仕組みの提案が望まれている。
【0004】
このような仕組みを実現するには、金融機関システムに登録されているユーザの口座番号や、これに直接的に紐づけられた金融機関ユーザ固有IDと、事業者システムに登録されているユーザの会員番号や、これに直接的に紐づけられた事業者ユーザ固有IDとを連携する必要がある。
【0005】
上記の連携処理を随時行うと両者のIDの数が多いので、両者のシステムのデータベース間におけるデータの突合等に不具合が生じる。そこで、ユーザの端末操作が少ない夜間の時間帯にデータの突合を行うバッチ処理を行うことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バッチ処理を行って1日分のデータを突合させると、両者のシステムは安定して動作する一方、上記事業者システムのデータ更新のタイミングが1日1回しかない。そのため、例えば上記事業者が運営する店舗において新規に会員番号を取得して商品を購入しようとするユーザは、その時点で金融機関の口座が設定されていない場合はもちろん、口座の設定がされても会員番号取得のタイミングでは口座番号(金融機関ユーザ固有ID)と会員番号(事業者ユーザ固有ID)とが連携されておらず、バッチ処理まで金融機関の口座からの商品代金の支払いといった金融機関システムの機能を利用できないという課題がある。
【0007】
この発明は、金融機関が管理する金融機関システムと各種サービスを提供する事業者が管理する事業者システムとの間でユーザ情報を連携し、ユーザが使用するユーザ端末にインストールされている各種サービスに係るアプリケーションソフトウェア上で即座に金融機関システムの機能を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]
金融機関が管理する金融機関システムと、前記金融機関と提携している提携事業者が管理する提携事業者システムとの間における前記金融機関のユーザについての情報と前記提携事業者のユーザについての情報の連携を、所定の時間でバッチ処理を行い、前記ユーザが使用するユーザ端末に前記金融機関システムが備える金融機関機能を提供する情報処理システムであって、
前記ユーザ端末の表示画面に金融機関機能の利用要求受付画面を表示する表示画面制御部と、
前記ユーザ端末から金融機関機能の利用要求を受け付け、金融機関口座の開設の状況に応じて前記金融機関システムへのログインステータスを設定するログインステータス管理部と、を備え、
前記ログインステータスが、前記金融機関システムと前記提携事業者システムとの間で前記金融機関のユーザについての情報を構成する金融機関口座開設手続情報が連携済みに設定されている場合、前記表示画面制御部は前記金融機関機能の利用要求受付画面から金融機関機能画面へと前記表示画面を遷移させる
ことを特徴とする情報処理システム。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、金融機関が管理する金融機関システムと各種サービスを提供する事業者が管理する事業者システムとの間でユーザ情報を連携し、ユーザが使用するユーザ端末にインストールされている各種サービスに係るアプリケーションソフトウェア上で即座に金融機関システムの機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成の一例を表す図
図2】本実施形態の情報処理システムが備える(a)ユーザ端末のソフトウェア構成の一例を表す図、(b)提携事業者システムのソフトウェア構成の一例を表す図
図3】本実施形態の情報処理システムが備える金融機関システムのソフトウェア構成の一例を表す図
図4】(a)、(b)ともに本実施形態の情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面の一例を表す図
図5】本実施形態の情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面の他の例を表す図
図6】(a)、(b)ともに本実施形態の情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面の他の例を表す図
図7】(a)、(b)ともに本実施形態の情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面の他の例を表す図
図8】本実施形態の情報処理システムの処理の一例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。本実施形態の情報処理システム1は、一又は複数のコンピュータで構成され、金融機関が取り扱うサービスを、当該金融機関と提携しているサービス提供事業者が提供するアプリケーションソフトウェアを通じて上記金融機関に口座を開設しているユーザに提供する際に使用されるものである。
【0012】
一実施形態として、都市銀行や、インターネット上で銀行業務を行ういわゆるネット銀行、等の金融機関が管理する金融機関システムと、当該金融機関と提携している百貨店、小売店等の提携事業者が管理する提携事業者システムとの間において上記金融機関のユーザについての金融機関ユーザ情報と上記提携事業者のユーザについての提携事業者ユーザ情報とを連携し、上記提携事業者のユーザが使用するユーザ端末にインストールされている提携事業者システムに係るアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」ということがある)を通じて、上記金融機関システムが備える金融機関機能を上記提携事業者のユーザに利用させる情報処理システムである。
【0013】
このような情報処理システムは、金融機関が提携事業者と連携して一又は複数のコンピュータを用いて提供、管理するシステムである。
【0014】
一実施形態として、金融機関が通信ネットワーク上に構築している金融機関システムと提携事業者が通信ネットワーク上に構築している提携事業者システムとの間で、ユーザ端末で実行されるアプリを通じた上記金融機関システムへのログイン処理を管理して上記金融機関機能を上記ユーザ端末に提供する形態で情報処理システムを構築することができる。
【0015】
図1に示す形態では、情報処理システム1は、インターネット通信網、無線通信規格で定められている無線通信網を含む通信ネットワーク5を通じて、ユーザが使用するユーザ端末2と、金融機関と提携している提携事業者が管理する提携事業者システム3と、金融機関が管理する金融機関システム4と、が相互に通信可能に接続されて構築されている。
【0016】
本実施形態には、この実施形態で説明する情報処理システム1としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを含む。
【0017】
[ユーザ端末]
ユーザ端末2は、提携事業者の会員として提携事業者システム3に登録されているユーザが使用する端末であって、スマートフォン、タブレット、等の端末である。
【0018】
図示していないが、ユーザ端末2は、ハードウェア構成として各種コンピュータプログラムの実行及び演算処理を行うCPUと、RAM、ROMといった各種データを記憶するメモリと、内蔵ストレージ等の補助記憶装置と、液晶ディスプレイ等の情報出力デバイスと、タッチパネル等の情報入力デバイスと、通信ネットワーク5を介して提携事業者システム3及び金融機関システム4それぞれと各種情報の送受信を行う通信モジュールと、金融機関システム4が提供するWebページをアプリ上で表示するWEBVIEW機能と、を備えている。また、ユーザ端末2には、提携事業者システム3が備える各種機能を実行可能なアプリケーションソフトウェア(提携事業者アプリ)がインストールされており、このアプリケーションソフトウェアを起動することで本実施形態の情報処理システム1による情報処理が実行される。
【0019】
ユーザ端末2は、ソフトウェア構成として図2(a)に示すように、記憶部21及び表示画面制御部24を備えている。
【0020】
記憶部21には上記提携事業者アプリ22及び認証情報23が記憶される。
表示画面制御部24はユーザ端末2の表示画面の遷移処理を制御する。一例として、提携事業者アプリ22が実行されるとユーザ端末2を金融機関機能利用受付手段として機能させ、表示画面制御部24は金融機関機能の利用要求受付画面を表示する。本実施形態では例えば図4(a)に示すような金融機関機能の利用のためのアクセス先が表示される。
【0021】
また、上記金融機関機能の利用要求受付画面においてユーザ操作により、表示画面制御部24は金融機関口座の開設申込受付画面へ表示画面を遷移させる。本実施形態では、一例として図5に示すような金融機関口座の開設申込を受け付ける「口座開設」や「ログイン」が表示された画面へと遷移させ、当該「口座開設」が選択されると、図6(a)に示すような金融機関口座開設設定画面へと表示画面を遷移させる。
【0022】
認証情報23は、金融機関システム4の認証処理部43による金融機関システム4へのアクセスに係るユーザ端末2のFIDO認証登録完了を示す情報であって、所定の識別子とともに提携事業者アプリ22に書き込まれる。
【0023】
[提携事業者システム]
提携事業者システム3は、金融機関と提携している提携事業者が一又は複数のコンピュータ(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、等の端末)やサーバで構築するシステムである。
【0024】
図示していないが、提携事業者システム3を構成するコンピュータやサーバは、ハードウェア構成として各種コンピュータプログラムの実行及び演算処理を行うCPUと、RAM、ROMといった各種データを記憶するメモリと、内蔵ストレージ等の補助記憶装置と、液晶ディスプレイ等の情報出力デバイスと、タッチパネル等の情報入力デバイスと、通信ネットワーク5を介してユーザ端末2及び金融機関システム4それぞれと各種情報の送受信を行う通信モジュールと、を備えている。また、サーバについては一もしくは複数の機器から構成してもよく、又はクラウド上で実現されるサーバであってもよい。
【0025】
提携事業者システム3を構成するサーバは、ソフトウェア構成として図2(b)に示すように、データ連携処理部31、ログインステータス管理部32及び記憶部33を備えている。
【0026】
データ連携処理部31は、金融機関システム4との間で情報の連携処理を行う。本実施形態では、金融機関システム4へ提携事業者ユーザ情報33aを連携し、金融機関システム4から金融機関口座開設手続情報45b、金融機関口座情報45c及びログイン履歴情報45dが連携される。
【0027】
ログインステータス管理部32は、提携事業者ユーザIDごとの金融機関システム4へのログインステータスを設定する処理を行う。
【0028】
本実施形態では、金融機関システム4との間の各種情報の連携状況に応じて以下のログインステータスを設定する処理を行う。
【0029】
・第一のログインステータス
金融機関システム4と提携事業者システム3との間で金融機関口座開設手続情報45bが連携済みであることを示す。
本実施形態では、ログインステータス管理部32は、データ連携処理部31が金融機関システム4からリアルタイムで金融機関口座開設手続情報45bの連携を受けることで、上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDについての金融機関口座の開設が済んでいる、あるいは金融機関口座の開設申込の審査中であると判断し、上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDに第一のログインステータスを設定する処理を行う。設定されたログインステータスは上記提携事業者ユーザIDに関連付けられ提携事業者ユーザ情報33aとして記憶部33に記憶される。
【0030】
・第二のログインステータス
金融機関システム4と提携事業者システム3との間で金融機関口座開設手続情報45bが未連携であること、すなわち、金融機関口座の申込や開設完了を検知できていない状態であることを示す。
本実施形態では、ログインステータス管理部32は、データ連携処理部31が金融機関システム4から金融機関口座開設手続情報45bの連携を受けていない場合、上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDについての金融機関口座の開設申込がされていない、解約済み、または否決済みの何れかであると判断し、上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDに第二のログインステータスを設定する処理を行う。設定されたログインステータスは上記提携事業者ユーザIDに関連付けられ提携事業者ユーザ情報33aとして記憶部33に記憶される。
【0031】
また、ログインステータス管理部32は、提携事業者ユーザIDごとの金融機関システム4へのログインステータスを確認する処理を行う。
【0032】
本実施形態では、提携事業者アプリ22によってユーザ端末2が金融機関機能受付手段として機能し、表示画面制御部24が表示した金融機関機能の利用要求受付画面において、ユーザ操作により金融機関機能の利用要求を受け付け、当該ユーザに係る提携事業者ユーザIDについての金融機関口座の開設の状況に応じて設定される上記第一のログインステータスもしくは第二のログインステータスを、記憶部33に記憶されている提携事業者情報33aを参照して確認する処理を行う。
【0033】
記憶部33には提携事業者ユーザ情報33a、金融機関口座開設手続情報45b、金融機関口座情報45c及びログイン履歴情報45dが記憶される。
【0034】
提携事業者ユーザ情報33aは、提携事業者の会員として提携事業者システム3に登録される提携事業者ユーザIDやそのログインステータスで、上記提携事業者ユーザIDは上記金融機関機能の利用要求ごとに金融機関システム4へ逐次連携する情報である。
【0035】
金融機関口座開設手続情報45b、金融機関口座情報45c及びログイン履歴情報45dはそれぞれ、金融機関システム4から連携される情報である。これらのうち金融機関口座開設手続情報45bはリアルタイムで連携され、金融機関口座情報45c及びログイン履歴情報45dは日次のバッチ処理で連携される。
【0036】
[金融機関システム]
金融機関システム4は、金融機関が一又は複数のコンピュータ(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、等の端末)やサーバで構築するシステムである。
【0037】
図示していないが、金融機関システム4を構成するコンピュータやサーバは、ハードウェア構成として各種コンピュータプログラムの実行及び演算処理を行うCPUと、RAM、ROMといった各種データを記憶するメモリと、内蔵ストレージ等の補助記憶装置と、液晶ディスプレイ等の情報出力デバイスと、タッチパネル等の情報入力デバイスと、通信ネットワーク5を介してユーザ端末2及び提携事業者システム3それぞれと各種情報の送受信を行う通信モジュールと、を備えている。また、サーバについては一もしくは複数の機器から構成してもよく、又はクラウド上で実現されるサーバであってもよい。
【0038】
金融機関システム4を構成するサーバは、ソフトウェア構成として図3に示すように、金融機関口座開設手続管理部41、データ連携処理部42、認証処理部43及び記憶部44を備えている。
【0039】
金融機関口座開設手続管理部41は、提携事業者ユーザIDごとの金融機関口座開設手続を管理する。
【0040】
本実施形態では、ユーザ端末2の表示画面制御部24が表示画面に表示した上述した金融機関口座開設設定画面において、金融機関口座開設手続管理部41は金融機関口座開設申込情報を受け付ける。一例として図5に示す金融機関口座の開設申込受付画面において、ユーザ操作により「口座開設」が選択されると、表示画面制御部24は、図6(a)に示すような金融機関口座開設設定画面へと表示画面を遷移させる。ユーザは当該金融機関口座開設設定画面において、当該ユーザの氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、提携事業者ユーザID等の金融機関システム4に登録されるアカウント作成に必要な金融機関口座開設申込情報を入力し、金融機関口座開設手続管理部41は当該金融機関口座開設申込情報を取得する。
【0041】
入力されたユーザ登録情報のうち提携事業者ユーザIDは提携事業者ユーザ情報33aとして記憶部44に記憶される。また、入力された金融機関口座開設申込情報は提携事業者ユーザIDに関連付けられて金融機関口座開設手続情報45bとして記憶部44に記憶される。
【0042】
金融機関口座開設手続管理部41は、上記金融機関口座開設設定画面において入力された金融機関口座開設申込情報に基づいて、提携事業者ユーザIDに紐づく金融機関口座開設申込受番号といった金融機関口座開設申込完了情報を生成し、当該情報を金融機関口座開設手続情報45bとして記憶部44に記憶する。金融機関口座開設手続情報45bはデータ連携処理部42によって提携事業者アプリ22を経由して提携事業者システム3へ即座に連携されるとともに、ユーザ端末2の表示画面には図6(b)に示すような提携事業者ユーザ情報33aに係る上記提携事業者ユーザIDに紐づく金融機関口座開設申込受付番号が表示される。
【0043】
提携事業者システム3では、金融機関システム4から金融機関口座開設手続情報45bの連携を受けると、ログインステータス管理部32が上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDに設定されている第二のログインステータスの設定を第一のログインステータスに変更する処理を行う。
【0044】
また、金融機関口座開設手続管理部41は、上記金融機関口座開設申込情報に係る金融機関口座開設申込の審査処理を行う。審査が完了すると、金融機関口座開設手続管理部41は、金融機関ユーザ情報45a及び金融機関口座情報45cを生成する処理を行う。金融機関ユーザ情報45aは新たに設定される金融機関ユーザIDである。金融機関口座情報45cは、ユーザの金融機関の口座に関する情報で、例えば上記金融機関ユーザIDに紐づく口座番号やアカウント情報、金融機関口座開設申込審査完了ステータスが含まれている。当該金融機関口座情報45cは例えば1日に一度、データ使用量が少ない午前3時等に自動的にバッチ処理で提携事業者システム3へ連携される。
【0045】
データ連携処理部42は、提携事業者システム3との間で情報の連携処理を行う。本実施形態では上述したように、提携事業者システム3へ金融機関口座開設手続情報45bをリアルタイムで提携事業者アプリ22を経由して連携し、金融機関口座情報45c及びログイン履歴情報45dは日次のバッチ処理で連携し、提携事業者システム3から提携事業者ユーザ情報33aがリアルタイムで連携される。
【0046】
認証処理部43は、ユーザ端末2の金融機関システム4へのログイン認証を管理する。
【0047】
本実施形態では、以下の場面でログイン認証処理が行われる。なお、認証処理の方法は種々のものを採用できるが、本実施形態ではFIDO認証によるログイン認証処理が行われる。
【0048】
・ユーザからの金融機関機能の利用要求に第一のログインステータスが設定され、ユーザ端末2において記憶部21に認証情報23が記憶されている場面
この場合、ユーザ端末2の表示画面制御部24は、認証処理部43による認証処理後、上記金融機関機能の利用要求受付画面から金融機関機能の画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。一例として図4(a)に示す金融機関機能の利用要求受付画面から図4(b)に示すような金融機関機能を提供するトップページへと遷移させる。
ユーザは上記金融機関機能の画面において、振込処理や金融商品・サービスを即座に利用することができる。
【0049】
・ユーザからの金融機関機能の利用要求に第二のログインステータスが設定されている場合-A
この場合、ユーザ端末2の表示画面制御部24は、上記金融機関機能の利用要求受付画面から金融機関システム4へのログインを受け付ける画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。一例として図5に示すような金融機関口座の開設申込を受け付ける「口座開設」や「ログイン」が表示された画面へと遷移させる。ユーザ操作により「ログイン」が選択されるとログイン認証処理が行われる。
認証処理後、ログインステータス管理部32は、上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDに設定されている第二のログインステータスを第一のログインステータスに変更する処理を行う。また、ユーザ端末2の表示画面制御部24は、認証処理部43による認証処理後、上記金融機関システム4へのログインを受け付ける画面から金融機関機能の画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。一例として図5に示す金融機関口座の開設申込を受け付ける画面から図4(b)に示すような金融機関機能を提供するトップページへと遷移させる。
ユーザは上記金融機関機能の画面において、振込処理や金融商品・サービスを即座に利用することができる。
【0050】
・ユーザからの金融機関機能の利用要求に第二のログインステータスが設定されている場合-B
金融機関口座開設手続管理部41によって金融機関口座開設申込の審査処理が完了すると、ユーザ端末2の表示画面制御部24は、ユーザ端末2の表示画面に表示される金融機関口座開設申込完了の画面から認証処理に必要なデータの入力画面へと遷移する処理を行う。一例として図6(b)に示す金融機関口座開設申込受付番号が表示された画面から図5に示す「ログイン」が表示された画面へ遷移させ、「ログイン」が選択されると図7(b)に示すような認証設定画面へと遷移させる。
また、ユーザ端末2の表示画面制御部24は、上記認証設定画面から金融機関機能の画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。
ユーザは上記金融機関機能の画面において、振込処理や金融商品・サービスを即座に利用することができる。
【0051】
記憶部44には、金融機関ユーザ情報45a、金融機関口座開設手続情報45b、金融機関口座情報45c、ログイン履歴情報45d及び上述した提携事業者ユーザ情報33aが記憶される。
【0052】
金融機関ユーザ情報45aは、上述したように金融機関システム4に登録される金融機関ユーザIDである。
【0053】
金融機関口座開設手続情報45bは、上述したように金融機関口座開設申込情報及び金融機関口座開設申込完了情報で構成され、金融機関口座開設申込完了情報はデータ連携処理部42によって提携事業者アプリ22を経由して提携事業者システム3へ即座に連携される。
【0054】
金融機関口座情報45cは、上述したようにユーザの金融機関の口座に関する情報で、金融機関ユーザIDに紐づく口座番号といったアカウント情報、金融機関口座開設申込審査完了ステータスがデータ連携処理部42によって提携事業者システム3へバッチ処理で連携される。
【0055】
ログイン履歴情報45dは、上記ログインステータスが第一のログインステータに設定されている金融機関機能の利用要求に係るユーザのユーザ端末2の金融機関システム4へのログイン履歴に関する情報であり、データ連携処理部42によって提携事業者システム3へバッチ処理で連携される。
【0056】
[情報処理システムによる処理フロー]
以下、図4から図8を参照して本実施形態の情報処理システム1の処理フローの一例を説明する。
【0057】
(S101)
提携事業者システム3にユーザ登録されているユーザがユーザ端末2を操作して提携事業者システム3に係る提携事業者アプリ22を実行すると、まずユーザは提携事業者システム3に登録されたログインIDとパスワードで提携事業者システム3にログインする。図4(a)は、提携事業者アプリ22が、提携事業者システム3にログインしたユーザ端末2を金融機関機能利用受付手段として機能させ、表示画面制御部24が金融機関機能の利用要求受付画面を表示した状態を示している。この処理フローでの情報処理システム1では、例えば家電量販店や百貨店などのアプリが典型的に想定されているが、買い物履歴情報や、買い物に付随して発生するポイントなどがユーザの情報と紐づけられて管理されており、ユーザは自分のログインIDとパスワードを用いてログインすることによってこれらの情報に正しくアクセスし、ポイントでの買い物やさまざまなサービスを受けることができる。ここで重要であるのは、当該ユーザは、提携事業者にとって必要な認証をパスして提携事業者システム3にアクセスしている点である。すなわち、当該ユーザは提携事業者の設けている基準をクリアしたレベルでの個人認証を経ている。
この提携事業者システム3にはそれらサービスを使うための各種リンクやコンテンツが表示されているが、本発明に無関係であるため、図示を省略する。以下同様に、本発明に無関係な表示は省略する。画面に表示された利用要求受付画面をユーザが選択すると、利用要求信号がユーザ端末2から金融機関システム4に発信される。なお、図では「〇△□BANK」と銀行機能に直結するようなイメージの表示を例示しているが、例えば「支払方法 1.ポイント 2.振込 3.カード決済 4.交通系ICカード」といったように支払方法のオプションとして列記しても良い。この場合、「2.振込」を選択すると利用要求信号が発信される。
【0058】
(S102)
図4(a)に示す金融機関機能の利用要求受付画面におけるユーザ操作によって、ユーザ端末2からの利用要求信号を金融機関システム4が受信すると、提携事業者システム3のログインステータス管理部32は、ユーザ操作により金融機関機能の利用要求を受け付け、当該ユーザに係る提携事業者ユーザIDについての金融機関口座の開設の状況に応じて設定される上記第一のログインステータスもしくは第二のログインステータスを、記憶部33に記憶されている提携事業者情報33aを参照して確認する処理を行う。
第一のログインステータスは、金融機関システム4と提携事業者システム3との間で金融機関口座開設手続情報45bが連携済みである場合を示す。
第二のログインステータスは、金融機関システム4と提携事業者システム3との間で金融機関口座開設手続情報45bが未連携である場合を示す。
【0059】
(S103)
上記金融機関機能の利用要求に第一のログインステータスが設定されている場合、認証処理部43は、ユーザ端末2において記憶部21に認証情報23が記憶されているか、すなわち認証設定が完了しているか判定する処理を行う。
【0060】
(S104)
ユーザ端末2において記憶部21に認証情報23が記憶されている場合、認証処理部43は、ユーザ端末2の金融機関システム4へのログイン認証処理をFIDO認証により行う。このログインが完了することで、当該ユーザは金融機関の設けている基準をクリアしたレベルで個人認証を経ていることになる。FIDO認証登録完了を示す情報は所定の識別子とともにユーザ端末2の提携事業者アプリ22に認証情報23として記憶される。
ユーザ端末2の表示画面制御部24は図4(a)に示す金融機関機能の利用要求受付画面から図4(b)に示すような金融機関機能を提供する画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。
ユーザは上記金融機関機能の画面において、振込処理や金融商品・サービスを即座に利用することができる。
【0061】
(S105)
上記金融機関機能の利用要求に第二のログインステータスが設定されている場合、提携事業者アプリ22がユーザ端末2を表示画面制御手段として機能させ、表示画面制御部24は図4(a)に示す金融機関機能の利用要求受付画面から図5に示すような金融機関口座の開設申込を受け付ける画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。ユーザの操作により、当該画面中の「口座開設」が選択されると、図6(a)に示すような金融機関口座開設設定画面へと表示画面を遷移させる。ユーザ端末2の変更等により認証情報23が提携事業者アプリ22に記憶されていない場合、ユーザ操作によりログインが選択されると、金融機関口座に関するログインID(もしくは銀行口座の口座番号)やパスワード、指紋認証といったFIDO認証が行われ、ログイン認証にパスし、ユーザが金融機関システム4にアクセスすると、ログインステータス管理部32に認証完了情報が送信され、ログインステータス管理部32は、金融機関システム4から金融機関口座情報45cをバッチ処理による連携を受けた後、記憶部33に記憶されている提携事業者ユーザ情報33aを構成する提携事業者ユーザIDのログインステータスを第二のログインステータスから第一のログインステータスに書き換えて保存する。
図6(a)には、あらかじめユーザ登録情報として入力されている氏名や住所、生年月日等のデータが入力の補助としてあらかじめ表示されていても良い。
ユーザは当該金融機関口座開設設定画面の指示に基づき、当該ユーザの氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、提携事業者ユーザID等の金融機関システム4に登録されるアカウント作成に必要な金融機関口座開設申込情報を入力する。入力された金融機関口座開設申込情報は暗号化処理が施されたうえで金融機関システム4に送信され、提携事業者ユーザIDに関連付けられて記憶部44に金融機関口座開設手続情報45bとして記憶される。
金融機関口座開設手続管理部41は、上記金融機関口座開設設定画面において入力された金融機関口座開設申込情報に基づいて、提携事業者ユーザIDに紐づく金融機関口座開設申込受番号といった金融機関口座開設申込完了情報を生成し、当該情報を金融機関口座開設手続情報45bとして記憶部44に記憶する。金融機関口座開設手続情報45bは提携事業者システム3へ即座に連携されるとともに、ユーザ端末2の表示画面には図6(b)に示すような提携事業者ユーザ情報33aに係る上記提携事業者ユーザIDに紐づく金融機関口座開設申込受付番号が表示される。
提携事業者システム3では、金融機関システム4から金融機関口座開設手続情報45bの連携を受けると、ログインステータス管理部32が上記金融機関機能の利用要求に係る提携事業者ユーザIDに設定されている第二のログインステータスの設定を第一のログインステータスに変更する処理を行う。
また、金融機関口座開設手続管理部41は、上記金融機関口座開設申込情報に係る金融機関口座開設申込の審査処理を行う。口座開設の審査処理は金融機関が定める基準に基づき様々な方法で行われる。ユーザの利便性を考慮すると、銀行員の介在を最小限にとどめ、できるだけ自動的にかつ最短3分ほどで遅くとも15分以内に口座開設を完了できる自動システムであることが望ましい。審査が完了すると、金融機関口座開設手続管理部41は、金融機関ユーザ情報45a及び金融機関口座情報45cを生成する処理を行う。
認証処理部43は口座開設が完了すると、ユーザにFIDO認証に必要なデータの登録をさせる。FIDO認証に必要なデータは金融機関によってさまざまであるが、指紋認証、静脈認証、顔認識、を一つもしくは複数登録させる。なお、本実施形態ではFIDO認証の前提として、取引パスワードによる認証、SMSによる認証、等を実施し、認証に成功した場合のみFIDO認証の登録処理へと移行するようにしている。
上記金融機関口座情報45cはバッチ処理で提携事業者システム3へ連携する。
FIDO認証によって個人認証が確認されると、当該ユーザは金融機関の設けている基準をクリアしたレベルで個人認証を経ていることになる。また、FIDO認証登録完了を示す情報は定の識別子とともにユーザ端末2の記憶部21に認証情報23として記憶される。
次に金融機関システム4はユーザ端末に再度図4(a)に示す提携事業者アプリ画面に遷移させ、当該画面の利用要求受付が行われたS102に移行する。ユーザのログインステータスは第一のログインステータスに切り替わって保存されているためS103に進むことになる。
【0062】
(S106)
S106はいわば予備的なステップである。ログインステータスが第一のログインステータスであるので、本来は認証設定が未済であることは想定されていない。ただし、各種入力処理をWeb画面で行う本実施例においては、通信の一時的な断絶や、情報パケットの欠落等によって、ログインステータスは第一のログインステータスに切り替わっているのに連携が実際には動作しない場合がありうる。このような場合に備え、S106では、認証処理部43は、上記金融機関機能の利用要求受付画面又は上記金融機関システムへのログイン受付画面からログイン設定画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。
一例として、図4(a)に示す金融機関機能の利用要求受付画面から図7(b)に示すようなログイン設定情報の入力を受け付ける画面が表示される。
あるいは、上記S105において、7(a)に示す金融機関システム4へのログイン受付画面から図7(b)に示すような認証設定画面が表示される。
認証処理部43は、上記認証設定画面において、ユーザ操作により入力された情報に基づいて認証設定処理を行う。
【0063】
(S107)
認証処理部43は、ユーザ端末2の表示画面に表示される図7(a)に示す金融機関システム4へのログイン受付画面において、ユーザ操作により入力されたログイン情報を受け付けて図4(b)に示す金融機関機能のWeb画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。
また、認証処理部43は、ユーザ端末2の表示画面に表示される図7(b)に示すログイン設定画面において、ユーザ操作により入力された所定の設定情報を受け付けて図4(b)に示す金融機関機能のWeb画面へとユーザ端末2の表示画面を遷移させる処理を行う。
この場合、認証処理部43は、上記ログイン設定画面においてユーザ操作により入力された情報に基づいて認証設定処理を行い、当該認証設定に係る情報を用いて認証処理を行う。
ユーザは上記金融機関機能のWeb画面において、振込処理や金融商品・サービスを即座に利用することができる。
また、提携事業者システム3のデータ連携処理部31と金融機関システム4のデータ連携処理部42は、従来と同様、1日一度のバッチ処理によって顧客IDの突合を行っている。多くのユーザは提携事業者システム3と金融機関システム4のいずれか、あるは両方にID保有や新規ID開設しても、すぐに連携させてすぐに活用するとは限らない。本実施形態によれば、必要な顧客には、各ステップにおける提携事業者ユーザ情報33a及び金融機関口座開設手続情報45bを即座に連携させて活用可能な環境を提供するとともに、その日に活用するわけではない顧客のIDはバッチ処理で一括して連携することで、システムの過度な負荷や顧客の連携のための入力の手間を避け、より快適な環境を提供できる。
【0064】
このように、本実施形態の情報処理システムでは、ユーザ端末2にインストールされている事業者の各種サービスに係るアプリ上で、当該事業者と提携している金融機関の機能を利用する際に、金融機関口座開設手続情報が金融機関のシステムに連携されているか判別する仕組み及び、金融機関口座開設手続情報のうち、少なくとも金融機関口座開設申込完了情報を即座に事業者のシステムに連携する仕組みを採用しているので、金融機関口座の開設の完了情報の事業者のシステムへのバッチ処理を待つことなく金融機関の機能を利用して事業者のサービスの提供を受けることができる。
【0065】
また、ユーザは図4(a)に示したユーザ端末2にインストールされた提携事業者アプリを起点とし、通常のサービスを受けながら、提携事業者アプリに表示された金融機関機能利用受付部から金融機関のWeb画面に連続的に遷移するので、提携事業者システムに登録されている個人情報を含む各種情報を利用して口座開設することができるので、入力すべきデータを削減してユーザの負担を軽減し、かつ入力ミスを最小限とすることができる。提携事業者システム3にログインしているユーザ端末2から連続的に遷移した上で、金融機関のFIDO認証を行うことで、より高い信頼度で個人認証が可能となる。また、遷移する先が金融機関のWeb画面であるので、遷移先のユーザインターフェイスを提携事業者アプリと親和性高くデザインすることが容易であり、ユーザの利便性が向上する。金融機関としては、多くの提携事業者と連携するにあたり、デザインをカスタマイズする必要が生じるが、Web画面であるので、比較的容易にカスタマイズすることができる。
【0066】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【0067】
例えば、ユーザ端末2の提携事業者アプリ22の実行によって本実施形態では金融機関機能の利用を受け付けるアイコン等を例示したが、これに限定することなく、提携事業者のユーザIDが紐づいているバーコードやQRコード(登録商標)を採用してもよい。この場合、これらのコードを図示していない読取機器を操作して読取り、提携事業者ユーザ情報33aを取得して、この情報をもとに上記ログインステータスを設定する処理を行うことでも、同様の効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 情報処理システム
5 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8