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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164893
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】吹出しノズル
(51)【国際特許分類】
   B29C 55/14 20060101AFI20241121BHJP
   B29C 55/16 20060101ALI20241121BHJP
   B29C 55/08 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B29C55/14
B29C55/16
B29C55/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080600
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】牧 晃久
(72)【発明者】
【氏名】庄司 光希
【テーマコード(参考)】
4F210
【Fターム(参考)】
4F210AJ08
4F210AK01
4F210AR07
4F210QA02
4F210QC03
4F210QC06
4F210QC07
4F210QD25
4F210QD32
4F210QG01
4F210QG18
4F210QL16
4F210QL17
(57)【要約】
【課題】
吹出しノズルから吹き出すエアの熱伝達率やフィルム面に形成する圧力を得るのに必要な風量を削減することで、エアの加熱エネルギーを削減することができる吹出しノズルを提供すること。
【解決手段】
本発明に係る吹出しノズルは、搬送されるフィルムに対してエアを吹き出す吹出しノズルであって、エアの吹出し部を有する吹出しノズル本体と、上記吹出しノズル本体の外側に設けられた外設部材であって、上記エアの吹出し部に対向する部分が開口し、当該外設部材と上記吹出しノズル本体との隙間で上記吹出しノズルの外部から上記開口に至るエアの流路を形成する外設部材とを備え、当該吹出しノズルをフィルムの走行面に垂直な方向から見て、上記外設部材の開口の内側に上記エアの吹出し部がある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるフィルムに対してエアを吹き出す吹出しノズルであって、
エアの吹出し部を有する吹出しノズル本体と、
前記吹出しノズル本体の外側に設けられた外設部材であって、前記エアの吹出し部に対向する部分が開口し、当該外設部材と前記吹出しノズル本体との隙間で前記吹出しノズルの外部から前記開口に至るエアの流路を形成する外設部材と、を備え、
当該吹出しノズルをフィルムの走行面に垂直な方向から見て、前記外設部材の開口の内側に前記エアの吹出し部がある、吹出しノズル。
【請求項2】
当該吹出しノズルをフィルムの走行面に平行かつフィルムの搬送方向に垂直な方向から見て、前記エアの流路が、前記外設部材の開口を挟んでフィルムの搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ形成されている、請求項1の吹出しノズル。
【請求項3】
前記外設部材の前記吹出しノズル本体に対向する面と表裏をなす面が、前記開口に近づくにつれて前記吹出しノズル本体から離れる態様で傾斜している、請求項1の吹出しノズル。
【請求項4】
前記外設部材の前記吹出しノズル本体に対向する面が、前記開口に近づくにつれて前記吹出しノズル本体から離れる態様で傾斜している、請求項3の吹出しノズル。
【請求項5】
前記吹出しノズル本体のフィルムの搬送方向の上流側と下流側のそれぞれに、エアを排出する機構を備えた、請求項1の吹出しノズル。
【請求項6】
前記エアを排出する機構のエアの吸込み部が、前記エアの流路へのエアの取り込み口よりもフィルムの走行面から離れた位置にある、請求項5の吹出しノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吹出しノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムの製造方法として逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法が知られている。逐次二軸延伸法では、熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムをその長手方向に延伸することによって一軸延伸フィルムを得た後、得られた一軸延伸フィルムをテンターオーブンに導入して、その中で、その幅方向に延伸する。同時二軸延伸法では、熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムをテンターオーブンに導入して、その中で、その長手方向および幅方向に延伸する。
【0003】
熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムは、包装用途をはじめとして、各種工業材料用途などに広く用いられている。中でも、ポリエステル、ポリオレフィンやポリアミド樹脂の逐次二軸延伸フィルムは、その優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性等により、未延伸フィルムでは使用に耐えない用途に広く使用され、需要量も増加している。
【0004】
テンターオーブンでは、フィルムを所望の温度まで昇温する予熱工程、所望の幅に拡幅する延伸工程、所望の温度で熱処理する熱固定工程、所望の温度まで冷却する冷却工程のうち、少なくとも1つの工程が行われる。これらの工程には、テンターオーブン内を通過するフィルムの表面にエアを吹き付ける吹出しノズルが備えられている。通常、吹出しノズルは、フィルムの搬送方向に間隔をおいて複数本、それぞれの長手方向がフィルムの搬送方向に直角な方向になる状態で設けられ、所望の温度に制御されたエアを吹出しノズルからフィルムの表面に吹き付けることで、エアとフィルムとの間の熱交換を促進し、フィルムを加熱、冷却あるいは保温する。フィルムを効率的に加熱するためには、フィルムを素早く、所望の温度まで昇温または冷却できることが好ましく、吹出しノズルから吹き出すエアの熱伝達率を高めることが必要になる。
【0005】
一般的に吹出しノズルとしては、エア吹出し部にスリットや多数の丸孔が開けられたものが用いられている。(特許文献1、2参照)
また、熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムを製造するテンターオーブンにおいて、テンターオーブンを構成する個々の室でエアの循環が完結せず、設定温度の異なるエアが隣接する室へ流れ込んだり、テンターオーブンの室外から外気がオーブン内に流れ込んだり、テンターオーブンの室内のエアがテンターオーブンの室外に吹き出したりする現象がある。これらの現象はいずれもフィルムの搬送方向にエアが流れる現象であり、このようなエア流れはMD(Machine Direction)流と呼ばれている。MD流はフィルムが搬送される際の随伴気流や、テンターオーブン内へ供給される加温されたエア量とテンターオーブン内から排出されるエア量のアンバランスなどに起因して発生する。
【0006】
MD流が発生すると、例えば、室外から流れ込んだ異なる温度のエアがフィルムの近傍を流れながら室内の加熱エアと混ざるため、フィルムを加熱する効率にムラが生じ、フィルムに大きな温度ムラが生じる。テンターオーブン内でフィルムに温度ムラが生じると、フィルムの厚みムラおよび特性ムラの原因にもなり、製品の品質が低下する。製品の品質が低下する以外にも、テンターオーブン内でフィルム破れが発生し、生産性が低下することがある。また、MD流により吹出しノズルから吹き出されたエアのフィルム面に向かう直進性が失われ、吹出しノズルから吹き出されたエアがフィルムの搬送方向に倒れてフィルムに当たらず、吹出しノズル本来の加熱性能が見込めなくなることもある。これに対しても、吹出しノズルの加熱性能を維持するためには、吹出しノズルから吹き出す風量を大きくする必要があり、吹出しノズルから吹き出すエアを所望の温度に加熱するために必要なエネルギーが増加するといった課題があった。
【0007】
雰囲気温度の異なるMD流が隣室に流出入することを防ぐ技術として、テンターオーブンに隣接して設けられた気流制御装置内部の吹出しノズルでフィルム面に向かってエアを吹き出し、エアカーテンによってMD流を遮断する技術が開示されている。(特許文献3を参照)
また、吹出しノズルから吹き出す風量を低減させてもフィルム面に所望の圧力を付与でき、テンターオーブン内の吹出しノズルや気流制御装置内の吹出しノズルに適した技術として、ノズル吹き出し開口部の近傍に、互いに近づく態様で傾斜する傾斜面を有する内接部を備える吹出しノズルが開示されている。(特許文献4を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2012/133152号
【特許文献2】国際公開第2008/114586号
【特許文献3】国際公開第2017/115654号
【特許文献4】国際公開第2021/075282号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1、2に開示されている吹出しノズルは、エアの熱伝達率を高めるには、吹出しノズルのエア吹出し部から吹き出す風速を上げる、もしくは、吹出しノズルのエア吹出し部の開口面積を大きくする必要がある。いずれも吹出しノズルから吹き出す風量が大きくなってしまい、吹出しノズルから吹き出すエアを所望の温度に加熱するために必要なエネルギーが増加してしまう。
【0010】
特許文献4に開示されている吹出しノズルも、吹き出す風量を低減させたときのフィルム面に付与できる圧力の大きさにまだ改善の余地がある。
【0011】
このように、吹出しノズルから吹き出すエアを所望の温度に加熱したり、フィルム面に付与する圧力を所望の大きさにするために必要なエネルギーを小さくするためには、吹出しノズルから吹き出す風量が少ない方が好ましく、特許文献1、2および4で開示された技術は改良の余地がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、吹出しノズルから吹き出す風量を削減しても、吹出しノズルから吹き出すエアの熱伝達率やフィルム面に付与する圧力を低減させることなく、所望の加熱性能やMD流遮断性能を得ることができる吹出しノズルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[1] 上記課題を解決する本発明は、搬送されるフィルムに対してエアを吹き出す吹出しノズルであって、
エアの吹出し部を有する吹出しノズル本体と、
上記吹出しノズル本体の外側に設けられた外設部材であって、上記エアの吹出し部に対向する部分が開口し、当該外設部材と上記吹出しノズル本体との隙間で上記吹出しノズルの外部から上記開口に至るエアの流路を形成する外設部材と、を備え、
当該吹出しノズルをフィルムの走行面に垂直な方向から見て、上記外設部材の開口の内側に上記エアの吹出し部がある。
【0014】
本発明の吹出しノズルは、以下の[2]~[6]のいずれかの態様であることが好ましい。
[2] 当該吹出しノズルをフィルムの走行面に平行かつフィルムの搬送方向に垂直な方向から見て、上記エアの流路が、上記外設部材の開口を挟んでフィルムの搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ形成されている、上記[1]の吹出しノズル。
[3] 上記外設部材の上記吹出しノズル本体に対向する面と表裏をなす面が、上記開口に近づくにつれて上記吹出しノズル本体から離れる態様で傾斜している、上記[1]または[2]の吹出しノズル。
[4] 上記外設部材の上記吹出しノズル本体に対向する面が、上記開口に近づくにつれて上記吹出しノズル本体から離れる態様で傾斜している、上記[3]の吹出しノズル。
[5] 上記吹出しノズル本体のフィルムの搬送方向の上流側と下流側のそれぞれに、エアを排出する機構を備える、上記[1]~[4]のいずれかの吹出しノズル。
[6] 上記エアを排出する機構のエアの吸込み部が、上記エアの流路へのエアの取り込み口よりもフィルムの走行面から離れた位置にある、上記[5]の吹出しノズル。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吹出しノズルから吹き出すエアの熱伝達率やフィルム面に付与する圧力を得るのに必要な風量を削減することで、エアの加熱エネルギーや風送エネルギーを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る吹出しノズルを備えるテンターオーブンの概略構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る吹出しノズルの構成を示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態の変形例1に係る吹出しノズルの構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態の変形例2に係る吹出しノズルの構成を示す図である。
図5図5は、実施例に用いた数値解析モデルについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の記号を付している。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る吹出しノズルを備えるテンターオーブンの概略構成を示す図である。テンターオーブン1は、一端に搬送されるフィルム4の入口2を、他端に搬送されるフィルム4の出口3を有し、入口2から出口3にわたり形成されるフィルム4の走行面Sを有する。なお、図1において、フィルム4の長手方向はフィルム4の搬送方向FRであり、図の左右方向に相当する。フィルム4の幅方向FTDはフィルム4の長手方向および厚さ方向(紙面上下方向)と直行する方向であり、紙面と直行する方向に相当する。
本発明に適用できるフィルム4には特に限定はなく、テンターオーブン1で加熱および延伸される公知の熱可塑性樹脂フィルムが適用できる。
【0019】
フィルム4の走行面Sの上側には、テンターオーブン1の入口2から出口3に向かい、すなわち、フィルム4の搬送方向FRに、間隔をおいて、4本の吹出しノズルNUi(i=1~4)が設けられている。各吹出しノズルNUiのエア吹き出し面5は、フィルム4の走行面Sに対して間隔をおいて、フィルム4の走行面Sと対向している。また、排気機構EUが吹出しノズルNUiに隣接して設けられる。排気機構EUには吹出しノズルNUiから吹き出されるエアやMD流に乗ったエアを吸い込む排気部EUi(i=1~5)が形成される。
【0020】
同様に、フィルム4の走行面Sの下側にも、テンターオーブン1の入口2から出口3に向かい、すなわち、フィルム4の搬送方向FRに、間隔をおいて、4本の吹出しノズルNDi(i=1~4)が設けられている。各吹出しノズルNDiのエア吹き出し面5は、フィルム4の走行面に対して間隔をおいて、フィルム4の走行面Sと対向している。また、排気機構EDが吹出しノズルNDiに隣接して設けられる。排気機構EDには吹出しノズルNDiから吹き出されるエアやMD流に乗ったエアを吸い込む排気部EDi(i=1~5)が形成される。
【0021】
吹出しノズルNUi、NDiへのエアの供給源として、ブロアと、熱交換機と、ダクトとが設けられる(図示略)。ブロアは排気機構EUi、EDiから吸気したエアを熱交換機に送風し、熱交換機で加熱されたエアを再び吹出しノズルNUi、NDiに送風する。
【0022】
続いて、吹出しノズルの構成を説明する。図2は、本実施形態に係る吹出しノズルの構成を示す図である。図2では、吹出しノズルND1の構成を例に説明するが、他の吹出しノズルも同様の構成を有する。吹出しノズルND1は、ブロアからエアが供給される均圧室11と、エアをフィルム4に吹き出す吹出し室12とを有する。吹出し室12にはフィルム4の走行面Sと対向する面に、フィルム4に向けてエアを吹き出す吹出し部13が形成される。吹出し部13は、フィルム4の幅方向FTDに延びるスリットで形成される。なお、吹出し部13はスリット形状でなく、フィルム4の幅方向FTDに複数の孔形状が並んだものでもよい。また、吹出し部13は、フィルム4の搬送方向FRと平行であり、吹出しノズルND1からエアはフィルム4に向かって垂直に吹き出される。ここでいう垂直とは、エアの吹き出し方向とフィルム4とがなす角度θAFが90deg±5degの範囲を意味し、90deg±2degの範囲であることがさらに好ましい。
【0023】
本実施の形態において、上記の吹出しノズルND1の外側には、外設部材20が備えられており、外設部材20は、吹出しノズルND1の吹出し部13と対向する部分が開口し開口部21となっている。この外設部材20と吹出しノズルND1本体との間には隙間が形成され、吹出しノズルND1の外部空間から開口部21に至るエアの流路22を形成している。エアの流路22の開口部21とは反対側の端は開口しエアの取り込み口23となっている。このエアの取り込み口23を通して開口部21とテンターオーブン1とが連通しており、テンターオーブン1内のエアがエアの取り込み口23から取り込まれるようになっている。吹出しノズルND1から吹き出されるエアは、エアの取り込み口23から取り込まれるエアと、吹出し部13と開口部21との間で合流した後、開口部21からフィルム4に向けて吹き出される。この合流で風圧が高くなるので開口部21から吹き出されるエアの腰が強くなり、エアの熱伝達率やフィルム面に付与する圧力も高くなる。換言すると、所望の伝熱性能やよどみ点の圧力を得るのに必要な風量を削減することができ、エアの加熱エネルギーを削減することができる。
【0024】
図2を参照する。h1、h2、L1はそれぞれ、搬送方向FRの上流側のエアの流路22の上流側の隙間、下流側の隙間、FR方向の長さである。h3、h4、L2はそれぞれ、搬送方向FRの下流側のエアの流路22の上流側の隙間、下流側の隙間、FR方向の長さである。隙間h1、h2、h3、h4、および長さL1とL2は、それぞれが等しいことが好ましい。これにより、エアの取り込み口23から取り込まれるエア量が、搬送方向FRの上流側と下流側で差が生じにくくなるため、開口部21からフィルム4に向かってエアが垂直に吹き出されやすくなる。ただし、エアの取り込み口23から取り込まれるエア量が搬送方向FRの上流側と下流側で等しくなるように、間隙h1、h2、h3、h4や、長さL1とL2をパラメータとして、数値解析等で細かく制御できれば、フィルム4の搬送方向FRの上流側と下流側において、エアの流路22の各寸法が異なっていてもよい。
【0025】
図2を参照する。wは開口部21の搬送方向FRの長さ、tは吹出し部13の搬送方向FRの長さである。開口部21の長さwを吹出し部13の長さtよりも長くし、さらに、吹出しノズルND1をフィルム4の走行面Sに垂直な方向から見て、吹出し部13が開口部21の内側にあるようにする。開口部21の長さwと吹出し部13の長さtとをフィルム4に投影したとき、開口部21の長さwと吹出し部13の長さtの差分w-tだけ空間が生じるので、開口部21からは吹出し部13からの吹き出しエアだけでなく、エアの取り込み口23から取り込まれるエアも通過しやすくなる。これにより、吹出し部13から吹き出すエアと、エア取り込み口23から取り込まれるエアとが、開口部21と吹出し部13との間で合流しやすくなるので、風圧上昇の効果が高まって開口部21から吹き出されるエアの腰が強くなり、エアの熱伝達率やフィルム面に付与する圧力を高くすることが出来る。
【0026】
図2に示す断面視において、吹出し部13の中心と開口部21の中心が搬送方向FRに垂直な同一軸上にあることが好ましい。これにより、搬送方向FRの上流側と下流側のエアの取り込み口23から流入するエアの量が等しくなるため、開口部21と吹出し部13との間での風圧上昇の効果が得られるだけでなく、開口部21からエアがフィルムに向かって垂直に吹き出されやすくなる。ただし、吹出しノズルND1の吹き出しエアをフィルム4に対して意図的に傾けて吹き出す、いわゆる傾斜ノズルとして使用する場合には、吹出し部13の中心と開口部21の中心が上記の同一軸上になくてもよく、これによって、搬送方向FRの上流側と下流側のエアの取り込み口23から流入するエア量に差を付けることが出来るので、合流後のエアは開口部21からフィルムに対して傾斜して吹き出される。
【0027】
また、上記のエアの流路22は、吹出しノズルND1をフィルム4の走行面Sに平行かつフィルム4の搬送方向FRに垂直な方向から見て、外設部材20の開口部21を挟んでフィルム4の搬送方向FRの上流側と下流側にそれぞれ形成されていることが好ましい。吹出しノズルNDiをフィルム4の搬送方向FRに、間隔をおいて設置する場合、吹出しノズルNDiの吹出し部13から吹き出されるエアを互いに干渉させない様にフィルム4に向けて垂直に吹き出すことが好ましく、外設部材20の開口部21を挟んでフィルム4の搬送方向FRの上流側と下流側にエアの流路22をそれぞれ形成することで、吹出しノズルND1から吹き出すエアと合流するエアの量に差が生じにくくなり、合流後に開口部21からフィルムに対して垂直にエアを吹き出しやすくなる。
【0028】
本実施の形態において、吹出しノズルNDi、NUi本体の搬送方向FRの上流側と下流側には、エアを排出する排気機構ED、EUを備えることが好ましい(図1を参照)。吹出しノズルNDi、NUiのエア吹出し部13から吹き出されるエアは、それ自身の作用で周辺のエアを巻き込みながらフィルム4に向けて直進する現象があるが、吹出しノズルNDi、NUi本体の搬送方向FRの上流側と下流側に、エアを排出する排気機構ED、EUを備えることで、吹出しノズルNDi、NUiから吹き出されるエアをリターンエアとして排気機構ED、EUでエアの取り込み口23近傍まで引っ張ることが出来るため、エアの取り込み口23からエアが流入しやすくなり、吹出し部13から吹き出されたエアとの合流時に風圧上昇する効果が高まる。排気機構ED、EUの各排気部EDi、EUiから吸気される風量差は、各吹出しノズルNDi、NUiから吹き出される風量差やテンターオーブン1内のエアバランスに応じて決定されるため、特に限定されないが、外設部材20の開口部21と、吹出しノズルNDi、NUiの吹出し部13との間での風圧上昇の効果が高まり、かつ、合流後のエアが開口部21からフィルム4に向かって垂直に吹き出すように、排気機構ED、EUの各排気部EDi、EUiから吸気される風量を任意に制御できる手段を備えていてもよい。
【0029】
排気機構ED、EUのエアの吸込み部EDi、EUiは、エアの取り込み口23よりもフィルム4の走行面Sから離れた位置にあることが好ましい。これにより、エアの吸込み部EDi、EUiに向けて引っ張られるリターンエアの一部が、エアの取り込み口23により流入しやすくなり、吹出し部13から吹き出されたエアとの合流時に風圧上昇する効果がさらに高まる。
【0030】
(変形例1)
次に、実施の形態の変形例1について、図3を参照して説明する。図3は、変形例1における吹出しノズルの構成を示す図である。変形例1のテンターオーブンの構成は、上述したテンターオーブン1において、吹出しノズルの構成、より具体的には外設部材の形状を変えた以外は同じである。上述した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付す。以下、吹出しノズルND1に代わる吹出しノズルND1Aの構成を説明するが、吹出しノズルNDiに代わる吹出しノズルNDiA、吹出しノズルNUiに代わる吹出しノズルNUiAの構成も同じである。
【0031】
吹出しノズルND1Aの外側には、外設部材20Aが備えられる。外設部材20Aの吹出しノズルND1A本体に対向する面と表裏をなす面25は、開口部21に近づくにつれて吹出しノズルND1A本体から離れる態様で傾斜している。
【0032】
外設部材20Aの面25が上記のように傾斜している効果を図3のエア流れを用いながら説明する。吹出しノズルND1Aから吹き出されたエアはフィルム4に向かって進み、フィルム4に当たる。その後、エアはフィルム4の搬送方向FRの上流側と下流側に流れる向きを変えてリターンエアとなり、排気部EDに吸引されると共に、一部エアは外設部材20Aのエアの取り込み口23から流入し、吹出し部13と開口部21との間で合流し、風圧が上昇する効果を発現する。このとき、上述の一部エアの中にはコアンダ効果によって面25に沿って流れるエアも存在し、このエアは開口部21からフィルム4に向けて吹き出されるエアと合流する。このとき、面25が上記のように傾斜していると、このエアが開口部21からフィルム4に向けて吹き出されるエアと効率的に合流する。
【0033】
図3を参照する。t1、t2はそれぞれ、搬送方向FRの上流側の外設部材20Aの上流側の厚み、下流側の厚みであり、t3、t4はそれぞれ、搬送方向FRの下流側の外設部材20Aの上流側の厚み、下流側の厚みである。外設部材20Aの面25は傾斜しているが、厚さt1とt4、および厚さt2とt3はそれぞれ等しいことが好ましい。これにより、面25に沿って流れるエアと開口部21からフィルム4に向けて吹き出されるエアの、開口部21とフィルム4との間で合流する位置が、搬送方向FRの上流側と下流側で等しくなるため、開口部21から吹き出されるエアはフィルム4に向けて垂直に進みやすくなる。しかし、厚さt1、t2、t3、t4の大きさは所望の風量におけるエアの熱伝達率やフィルム面に形成する圧力、開口部21からのエアの吹き出し方向に基づいて設定されるものであり、特に限定されない。効率的にエアを合流させるためには、厚さt1とt4の大きさは5mm以下が好ましく、さらに好ましくは1mm以下である。厚さt2とt3の大きさは、フィルム4との接触が避けられる大きさであれば特に限定されず、好ましくは50mm以下である。また、外設部材20Aの面25はフィルム4の搬送方向FRにおいて段階的に傾斜面が変化していてもよい。図3において、外設部材20Aは四角形状で示したが、面25が傾斜する三角形状でもよい。この場合、厚さt1とt4の大きさは0mmとなる。
【0034】
(変形例2)
次に、実施の形態の変形例2について、図4を参照して説明する。図4は、変形例2における吹出しノズルの構成を示す図である。変形例2のテンターオーブンの構成は、変形例1のテンターオーブンにおいて、吹出しノズルNDiA、NUiAの構成、より具体的には外設部材の形状を変えた以外は同じである。変形例1の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付す。以下、吹出しノズルND1Aに代わる吹出しノズルND1Bの構成を説明するが、吹出しノズルNDiAに代わる吹出しノズルNDiB、吹出しノズルNUiAに代わる吹出しノズルNUiBの構成も同じである。
【0035】
吹出しノズルND1Bの外側には、外設部材20Bが備えられる。外設部材20Bの吹出しノズルND1B本体に対向する面24は、開口部21に近づくにつれて吹出しノズルND1B本体から離れる態様で傾斜している。外設部材20Bの面24がこのように傾斜していることで、エアの取り込み口23から流入するエアがエアの流路22を通過する際の圧力損失が低下するため、エアの取り込み口23からの流入量が増加する。その結果、エアの取り込み口23から流入するエアと吹出しノズルND1Bの吹き出しエアとが合流するときの風圧がさらに高くなり、エアの熱伝達率やフィルム面に形成する圧力もより高まる。
【0036】
本実施の形態において、外設部材20Bの面24は傾斜しているが、間隙h1とh4、およびh2とh3はそれぞれ等しいことが好ましい。これにより、エアの取り込み口23から流入するエア量がフィルム4の搬送方向FRの上流側と下流側で等しくなるため、開口部21からフィルム4に向けて吹き出されるエアは、フィルム4に向けて垂直に進みやすくなる。しかし実際には、外設部材20Bの間隙h1、h2、h3、h4や、厚さt1、t2、t3、t4は、所望の風量におけるエアの熱伝達率やフィルム面に形成する圧力、開口部21からのエアの吹き出し方向に基づいて設定されるものであり、特に限定されない。また、外設部材20Bの面24はフィルム4の搬送方向FRにおいて傾斜面が段階的に変化していてもよい。図4において、外設部材20Aは四角形状で示したが、面24および面25がそれぞれ傾斜する三角形状でもよい。この場合、厚さt1とt4の大きさは0mmとなる。
【0037】
図2図3図4において、吹出しノズルND1、ND1A、ND1Bのエア吹き出し面5は、フィルム4と平行な形態で示したが、吹出しノズルND1、ND1A、ND1Bの吹出し部13近傍のエア吹き出し面5が、吹出し部13に近づくにつれてフィルム4に近づく態様で傾斜する傾斜面であってもよい。また、外設部材20、20A、20Bの面24と吹出しノズルND1、ND1A、ND1Bのエア吹き出し面5とが平行であっても、傾斜角度が異なっていてもよく、所望の風量におけるエアの熱伝達率やフィルム面に形成する圧力、開口部21からのエアの吹き出し方向に基づいて設定されるものであり、特に限定されない。同様に、外設部材20、20A、20Bの面25と吹出しノズルND1、ND1A、ND1Bのエア吹き出し面5とが平行であっても、傾斜角度が異なっていてもよく、外設部材20A、20Bの面24と外設部材20A、20Bの面25とが平行であっても、傾斜角度が異なっていてもよく、所望の風量におけるエアの熱伝達率やフィルム面に形成する圧力、開口部21からのエアの吹き出し方向に基づいて設定されるものであり、特に限定されない。
【実施例0038】
以下、実施例によって、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本実施例により本発明が限定して解釈されるわけではない。
【0039】
[解析例]
まず、本発明による効果の評価方法について説明する。本発明の吹出しノズルを備えたテンターオーブン1を構成する室をモデル化した数値解析モデルを作成し、これを数値的に計算してフィルム4の加熱性能を評価した。
【0040】
図5は本発明の実施例に用いたテンターオーブン1のフィルム4の搬送方向FRの断面図である。図5では、フィルム4の走行面Sを境界として上下に分けたうち、テンターオーブン1の下半分の構成を示した。テンターオーブン1の内部を計算する上で、計算資源を節約するために、テンターオーブン1はフィルム4を介して上下に対称な形状と仮定し、下半分のみ計算した。
【0041】
各構造の寸法は次の通りとした。テンターオーブン1はフィルム4の搬送方向FRの長さLを1500mmとし、内部に吹出しノズルNDiをフィルム4の搬送方向に4本設置した。吹出しノズルNDiはフィルム4の搬送方向FRの長さLnを200mmとした。各吹出しノズルNDiのフィルム4の搬送方向FRの上流側および下流側には排気機構EDを設置し、排気機構EDのフィルム4の搬送方向FRの長さはLe1、Le5を62.5mm、Le2、Le3、Le4を125mmとした。テンターオーブン1の入口2とフィルム4の距離y2および、出口3とフィルム4の距離y3をそれぞれ180mmとした。吹出しノズルNDiのエアの吹出し部13からフィルム4までの距離ynを180mm、排気機構EDの排気部EDiとフィルム4までの距離yeを180mmとした。吹出しノズルNDiの吹出し部13はスリット形状とし、長さtを10mmとした。
【0042】
数値解析は市販の汎用熱流体解析ソフトウェアである「STAR-CCM」(株式会社IDAJ製)を用い、定常計算を行った。乱流の取り扱いにはk-ε乱流モデルを用い、壁近傍の乱流境界層の取り扱いには壁法則を用いた。上記ソフトウェアは、流体の運動方程式であるナヴィエ・ストークス方程式を有限体積法により解析するものである。もちろん、同様の解析ができるものであればどのような熱流体解析ソフトウェアを用いてもよい。
【0043】
解析の境界条件として、テンターオーブン1の入口2および出口3を圧力境界として大気圧(0.1MPa)を設定した。吹出しノズルNDiのエア吹出し部13にはフィルム4に向けて20m/sでエアを吹き出す境界条件を設定した。排気機構ED1~ED5から排気する風量の総和は、吹出し部13から吹き出した風量の総和と等しく、かつ、各排気機構ED1~ED5の風量は排気風量の総和を等分配とする境界条件を設定した。
【0044】
吹出しノズルNDiの効果は、テンターオーブン1を通過するフィルム4の伝熱効率で評価した。伝熱効率とは、フィルム4がテンターオーブン1内に設置された吹出しノズルNDi上を通過する際に受ける熱伝達率の平均値である。実施例では、求めた熱伝達率が比較対象と比較して大きい場合に、吹出しノズルとして伝熱効率の向上効果が認められるのでA、求めた熱伝達率が比較対象と比較して変化が無いか、もしくは小さくなった場合にBと判定した。
【0045】
(実施例1)
吹出しノズルNDiを図2に示す吹出しノズルND1の形態として、上記の解析を実施した。長さwを15mm、間隙h1、h2、h3およびh4を5mm、厚さt1、t2、t3およびt4を1mmとし、吹出し部と開口部のそれぞれの搬送方向FRの中心が搬送方向FRに垂直な同一軸上にあるようにした。
【0046】
(実施例2)
厚さt2と厚さt3を15mmにした以外は実施例1と同じパラメータにして上記の解析を実施した。このとき外設部材20は、図3に示したように、外設部材20Aの面25が、開口部21に近づくにつれて吹出しノズルND1A本体から離れる態様で傾斜している。
【0047】
(実施例3)
間隙h2と間隙h3を15mmにした以外は実施例1と同じパラメータにして上記の解析を実施した。このとき外設部材20は、図4に示したように、外設部材20Bの面24と面25が、開口部21に近づくにつれて吹出しノズルND1B本体から離れる態様で傾斜している。
【0048】
(実施例4)
長さwを11mmとした以外は実施例1と同じパラメータにして上記の解析を実施した。このとき外設部材20の開口部21の長さwは、吹出しノズルND1のエア吹出し部13の長さtよりも大きいので、外設部材20の開口部21の内側に吹出しノズルND1のエア吹出し部13がある態様で外設部材は設けられている。
【0049】
(比較例1)
長さwを10mmとした以外は実施例1と同じパラメータにして上記の解析を実施した。このとき外設部材20の開口部21の長さwと、吹出しノズルND1のエア吹出し部13の長さtとが等しいので、吹出しノズルND1のエア吹出し部13は外設部材20の開口部21の内側にはない。
【0050】
(比較例2)
吹出しノズルNDiの外部に外設部材20を設けなかった以外は実施例1と同じパラメータにして上記の解析を実施した。この比較例2を比較対象とした。
【0051】
実施例1~4、比較例1、2の結果を表1にまとめる。
【0052】
【表1】
【0053】
各吹出しノズルから吹き出したエアの熱伝達率は、比較例1、2がどちらも44W/mKであったのに対し、実施例1~4は45~52W/mKであった。この結果より、吹出しノズル本体の外側において、吹出しノズル本体との隙間でエアの流路を形成し、かつ外部空間と連通する開口を形成した外設部材を設け、外設部材の開口部の内側に吹出ノズルの吹出し部があることで、吹出しノズルの伝熱効率を高めることができることが分かった。換言すると、吹出しノズル本体の外側に外設部材を設け、外設部材の開口部の内側に吹出ノズルの吹出し部があることで、吹出しノズル本体の風量を削減しても所望の伝熱効率を得られることが分かった。
【0054】
実施例2ではエアの熱伝達率が、実施例1の47W/mKよりも高い50W/mKとなった。これは、エアの流路22へのエアの取り込み口23から流入したエアと吹出しノズルND1A本体から吹き出したエアとの合流で風圧が上昇しただけでなく、外設部材20Aの面25に沿って流れたリターンエアの一部が効率的に開口部21から吹き出したエアと再合流できるようになったためである。このことから、外設部材20Aの面25が、開口部21に近づくにつれて吹出しノズルND1A本体から離れる態様で傾斜していることが好ましいことが分かった。
【0055】
実施例3ではエアの熱伝達率が、実施例1の47W/mKよりも高い52W/mKとなり、実施例2の50W/mKよりもさらに高くなった。これは、外設部材20Bのエアの流路22の空間が実施例1と実施例2よりも広がったため、エアの流路22で生じる圧力損失が低下し、エアの取り込み口23から流入したエア量が増えたために、吹出しノズルND1B本体から吹き出したエアとの合流時にさらに風圧が上昇したためである。このことから、外設部材20Bの面24は、開口部21に近づくにつれて吹出しノズルND1B本体から離れる態様で傾斜していることが好ましいことが分かった。
【0056】
実施例4ではエアの熱伝達率が、実施例1の47W/mKよりも低い45W/mKとなった。これは、吹出しノズルND1のエア吹出し部13の長さtと、外設部材20の開口部21の長さwとの差分を実施例1よりも小さくしたため、エアの取り込み口23からテンターオーブン1内のエアが流入しにくくなって、外設部材20の開口部21と吹出しノズルND1の吹出し部13との間での風圧上昇の効果が低下したためである。
【0057】
比較例1ではエアの熱伝達率が、実施例4の45W/mKよりも低い44W/mKとなった。これは、吹出しノズルND1のエア吹出し部13の長さtと、外設部材20の開口部21の長さwとを同じ大きさにしたため、実施例4よりもエアの取り込み口23からテンターオーブン1内のエアが流入しにくくなって、外設部材20の開口部21と吹出しノズルND1の吹出し部13との間での風圧上昇の効果が低下したためである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の吹出しノズルは、フィルム製造設備のテンターオーブンでの加熱、延伸、熱固定、冷却工程やテンターオーブンのフィルムの搬送方向の上流および/または下流側に隣接して設置した気流制御装置に好ましく適用できるが、適用範囲はこれに限られない。
【符号の説明】
【0059】
1 テンターオーブン
2 入口
3 出口
4 フィルム
5 エア吹き出し面
11 均圧室
12 吹出し室
13 吹出し部
20、20A、20B 外設部材
21 開口部
22 エアの流路
23 エアの取り込み口
24 吹出しノズルに対向する面
25 吹出しノズルに対向する面と表裏をなす面
ED、EU 排気機構
EDi、EUi 排気部
FR 搬送方向
FTD 幅方向
NDi、NUi、ND1A、ND1B 吹出しノズル
S 走行面
図1
図2
図3
図4
図5