(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164899
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/85 20140101AFI20241121BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20241121BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241121BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241121BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20241121BHJP
【FI】
A63F13/85
A63F13/80 A
A63F13/79
A63F13/79 500
A63F13/53
A63F13/80 Z
A63F13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080614
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】川野 貴志
(57)【要約】
【課題】独立的に提供される他のゲームの実績をプレイ環境の設定に反映することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】第2ゲーム機3B(ゲームシステム)は、第1ゲーム機3Aの第1麻雀ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2麻雀ゲームを提供する。また、第2ゲーム機3Bは、第2麻雀ゲームをプレイする各ユーザUが第1麻雀ゲームをプレイした実績のある第1ユーザU1に該当するか否かを第1麻雀ゲームのプレイに関する実績に基づいて判別し、各ユーザUが第1ユーザU1に該当しない場合にプレイ環境を通常環境に設定して、例えば通常対局画面100にて対局させる一方で、第1ユーザU1に該当する場合に第1麻雀ゲームの実績に基づく環境として通常環境とは異なる実績環境にプレイ環境を設定して、例えば俯瞰対局画面200にて対局させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置、及び出力装置を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステムであって、
前記第2ゲームをプレイする各ユーザが前記第1ゲームをプレイした実績のあるユーザとしての関連ユーザに該当するか否かを、前記第1ゲームのプレイに関する実績情報に基づいて判別する関連判別手段と、
前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当しない場合に前記第2ゲームをプレイするためのプレイ環境を通常環境に設定する一方で、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に当該関連ユーザの前記実績情報に基づく環境として前記通常環境とは異なる特別環境に前記プレイ環境を設定する環境設定手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項2】
前記プレイ環境は、各ユーザのプレイ感覚に影響を与える感覚系環境を含み、
前記環境設定手段は、前記感覚系環境に前記特別環境を設定する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記出力装置は、前記第2ゲームをプレイするためのゲーム画面を表示する表示装置を含み、
前記感覚系環境は、前記ゲーム画面の表示態様に影響を与える表示系環境を含み、
前記環境設定手段は、前記表示系環境に前記特別環境を設定する、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記第2ゲームとして、各ゲームの種類を分類するジャンルにおいて前記第1ゲームと同じジャンルに属し、前記第1ゲームを進行させるためのルールの一部、又は全部を共通にするゲームが提供される、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームとして、いずれも麻雀ゲームが提供される、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム画面は、麻雀牌が配置された雀卓を表現するように、麻雀牌画像が配置された雀卓画像を含み、
前記表示系環境は、前記ゲーム画面における前記雀卓画像、及び前記麻雀牌画像の少なくともいずれか一方の画像のレイアウトを含み、
前記特別環境は、前記少なくともいずれか一方の画像が前記通常環境とは異なる所定のレイアウトに配置されるように構成される、請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ゲーム画面は、麻雀牌が配置された雀卓を含む仮想三次元空間を仮想カメラで撮影した撮影結果に対応するように前記雀卓画像を表示し、
前記所定のレイアウトは、少なくとも一部において前記仮想カメラの撮影条件が変化した状況を演出するように前記雀卓画像を表示することにより、前記少なくともいずれか一方の画像のレイアウトが前記通常環境とは異なる、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記ゲーム画面は、四人の対局者にそれぞれ対応する四つのキャラクタの少なくとも一部を含み、
前記一部のキャラクタは、前記所定のレイアウトにおいて前記通常環境における表示態様と異なる表示態様で表示される、請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記表示系環境は、前記麻雀牌画像のデザインを含み、
前記特別環境は、前記麻雀牌画像のデザインが前記通常環境とは異なるように構成される、請求項6~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記環境設定手段は、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に、前記実績情報が前記第1ゲームのプレイ環境に関する情報を含んでいるか否かに関わらず、前記関連ユーザの前記実績情報に基づいて前記プレイ環境を前記特別環境に設定する、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記プレイ環境に前記特別環境が設定された場合に当該特別環境の設定を通知する設定通知手段を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記関連ユーザに前記特別環境の設定の可否を選択する選択機会を付与する機会付与手段を備え、
前記環境設定手段は、前記選択機会の選択結果が設定可である場合に前記関連ユーザの前記プレイ環境に前記特別環境を設定する、請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記第2ゲームは、前記プレイ環境の設定を変更するための変更機能を含み、当該変更機能を通じて前記特別環境の設定が前記関連ユーザによって変更可能なように提供される、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータを、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項15】
入力装置、及び出力装置を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記第2ゲームをプレイする各ユーザが前記第1ゲームをプレイした実績のあるユーザとしての関連ユーザに該当するか否かを、前記第1ゲームのプレイに関する実績情報に基づいて判別する関連判別手順と、
前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当しない場合に前記第2ゲームをプレイするためのプレイ環境を通常環境に設定する一方で、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に当該関連ユーザの前記実績情報に基づく環境として前記通常環境とは異なる特別環境に前記プレイ環境を設定する環境設定手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、及び出力装置を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
入力装置、及び出力装置を利用して、ゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、車のドライバとしてレースを行うレーシングゲームの一種を提供するゲーム装置が知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Bandai Namco Amusement Inc.、“湾岸MIDNIGHT MAXIMUM TUNE 6R”、“前作からの引き継ぎ”、[online]、[令和4年4月26日検索]、インターネット、<URL:https://wanganmaxi-official.com/wanganmaxi6r/jp/transfer/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1のレーシングゲームでは、シリーズの前作におけるプレイデータを次作に引き継ぐ機能が設けられている。シリーズのゲームは、前作と異なるゲーム装置で提供される場合もあるが、ゲーム装置にインストールされるプログラムの前作からのバージョンアップとして分類される場合が多い。このため、シリーズの各ゲームは並行的な提供は予定されず、シリーズ化を示す部分を含むものの共通のタイトルを有し、同じジャンルである場合が多く、一般的に登場するキャラクタ、或いはゲーム進行のルールといった世界観が共通する。非特許文献1のレーシングゲームも、前作と共通のタイトルを有する同ジャンルのゲームであり、最新の車が含まれる場合もあるかもしれないが、基本的に登場するキャラクタ(車)やルールは共通している。
【0005】
一方、一般的に各ゲームは、他のゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられ、独立的に提供される。非特許文献1のレーシングゲームも、例えば音楽ゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシリーズ外のレーシングゲームといったゲームから見れば、関連のないゲームに位置づけられ、独立的に提供される。そして、非特許文献1のレーシングゲームは、シリーズ外のゲーム等の他の独立したゲームのプレイデータをプレイ環境等の設定に使用する構成ではない。また、引き継ぎ数等、適宜の制限が加えられる場合があるかもしれないが、あくまでもプレイデータの共通の項目を次作のプレイデータとしてそのまま引き継ぐ構成に過ぎない。このため、例えば前作の項目を次作の異なる項目に反映する(例えば次作に存在しない前作の項目を次作の別の項目に反映する等)ことはできないし、プレイデータで管理されていない項目に反映することもできない。いずれにしても非特許文献1のレーシングゲームは、独立的なゲーム装置間において一方の実績が他のゲームに反映される構成ではない。
【0006】
そこで、本発明は、独立的に提供される他のゲームの実績をプレイ環境の設定に反映することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームシステムは、入力装置、及び出力装置を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステムであって、前記第2ゲームをプレイする各ユーザが前記第1ゲームをプレイした実績のあるユーザとしての関連ユーザに該当するか否かを、前記第1ゲームのプレイに関する実績情報に基づいて判別する関連判別手段と、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当しない場合に前記第2ゲームをプレイするためのプレイ環境を通常環境に設定する一方で、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に当該関連ユーザの前記実績情報に基づく環境として前記通常環境とは異なる特別環境に前記プレイ環境を設定する環境設定手段と、を備える、ものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、入力装置、及び出力装置を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記第2ゲームをプレイする各ユーザが前記第1ゲームをプレイした実績のあるユーザとしての関連ユーザに該当するか否かを、前記第1ゲームのプレイに関する実績情報に基づいて判別する関連判別手順と、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当しない場合に前記第2ゲームをプレイするためのプレイ環境を通常環境に設定する一方で、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に当該関連ユーザの前記実績情報に基づく環境として前記通常環境とは異なる特別環境に前記プレイ環境を設定する環境設定手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたネットワークシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ネットワークシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図3】プレイ環境のデフォルト設定を説明するための説明図。
【
図6】環境設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(ネットワークシステムの全体構成)
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたネットワークシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたネットワークシステムの全体構成を説明する。ネットワークシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ゲーム機3は、所定のゲームを提供するゲーム装置であり、第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bを含んでいる。第1ゲーム機3Aは、第1ゲームを提供するゲーム装置である。第2ゲーム機3Bは、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供し、
図1の例のネットワークシステム1において本発明のゲームシステムの一形態として機能するゲーム装置である。第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bは、各ゲームを無償で提供してもよい(一方のみが無償の場合を含む)が、一例としていずれも有償で提供する。また、ゲーム機3は、ゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよく、例えば後述のユーザ端末装置4がゲームを提供する場合にはユーザ端末装置4を含み得るが、
図1の例では第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bのいずれも商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。
【0013】
商業用のゲーム機は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム装置である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。プレイ料金は、現金通貨にて徴収される例に限らず、代替的な通貨、電子的な決済手段を利用して徴収されてよい。プレイ料金は、ゲームがプレイされる都度に徴収される例に限らず、所定期間ごとの定額的な課金によって徴収されてもよい。第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bは、適宜の場所に設置されてよいが、
図1の例では多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として、いずれも店舗等の適宜の施設5に設置されている。
【0014】
第1ゲーム、及び第2ゲームとの間の差別化は、同じゲーム(バージョンアップ前後のゲーム、或いは同一シリーズのゲームを含む)以外になるように適宜に実現されてよく、例えば時差的に提供される等の提供時期における差別化(例えばバージョンアップ前後のゲームは一般的に並列的な提供は予定されていない)等によって実現されてもよいが、一例として世界観の相違により実現される。世界観はゲームの種類、登場するキャラクタ、ゲームのルール、或いはタイトル(同一シリーズのゲームには、共通部分と“パート2”等のシリーズ化を示す部分とを含む場合が多い)といった各種の要素によって実現され得るが、世界観の相違はそれらの適宜の相違によって実現される。
【0015】
第1ゲーム、及び第2ゲームは、いずれもアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといった適宜のジャンル(種類)のゲームとして構成され得る。例えば、第1ゲーム、及び第2ゲームは、互いに異なるジャンル(キャラクタ等が共通していてもよい)のゲーム、同種のジャンルの異なるキャラクタ(共通のキャラクタを含んでいてもよい)を利用したゲーム、或いは同種のジャンルのルール(進行を助ける補助的機能を含む)の少なくとも一部が相違するゲームといったゲームとして構成され得る。以下では、第1ゲーム、及び第2ゲームが、登場するキャラクタが互いに全く相違する、同ジャンルの麻雀ゲームとして構成される場合について説明する。また、第1ゲームとしての麻雀ゲームを第1麻雀ゲームと、第2ゲームとしての麻雀ゲームを第2麻雀ゲームと、それぞれ呼ぶ場合がある。
【0016】
ネットワークシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合がある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。ユーザ端末装置4として、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置が利用されてよいが、
図1の例では据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bが示されている。
【0017】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネットとを接続するLANとがルータを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4もアクセスポイント等を介して適宜の構成によりインターネットに接続される。
【0018】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して麻雀ゲームに関連する各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機サービスは、麻雀ゲームに関連する各種のサービスを適宜に含み得るが、一例として配信サービス、及びマッチングサービスを含んでいる。配信サービスは、ネットワークNTを介してプログラム或いはデータを配信し、更新するサービスである。センターサーバ2は、配信サービスを通じて各ゲーム機3に麻雀ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。マッチングサービスは、複数のユーザが一緒に麻雀ゲームをプレイする場合にその複数のユーザ(他のユーザ)をマッチングするサービスである。例えば、麻雀ゲームでは対戦型のプレイが提供される場合があり、その場合、対戦相手(他のゲーム機3のユーザ)がマッチングサービスを介してマッチングされる。
【0019】
なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、認証したユーザの利用実績等のデータをゲーム機3から受け取って保存するサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービスといった、麻雀ゲームの提供に関連する各種のサービスを適宜に含んでいてよい。
【0020】
同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、適宜のサービスを含んでいてよい。例えば、Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供する情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等の各種のサービスを含んでいてよい。あるいは、Webサービスは、麻雀ゲームがプレイされている様子(ライブ映像、及び録画映像の両方を含む)を視聴するサービスを含んでいてもよい。
【0021】
(ネットワークシステムの制御系)
次に、
図2を参照して、ネットワークシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0022】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバプログラムPG1が記録される。
【0023】
また、記憶部22には、ゲーム機用サービス等の提供に必要なサーバデータSDが記憶される。サーバデータSDは各種のデータを適宜に含み得るが、
図3の例ではプレイデータPDが示されている。プレイデータPDは、各ゲームの実績に関する各種の情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、第1麻雀ゲーム、及び第2麻雀ゲームのいずれか一方の実績のみを管理してもよいが、一例として両ゲームの実績を第1麻雀ゲーム、或いは第2麻雀ゲームといったゲーム毎、かつユーザ毎に管理する。実績の情報は、ゲームのプレイに関連する各種の実績を適宜に含んでいてよく、例えば各ユーザがプレイした施設5、プレイしたゲーム機3の種類、プレイ日時、獲得スコア、使用したキャラクタ、或いは獲得アイテムといった各種の実績が適宜に含まれ得る。また、ゲームのプレイ環境の設定が可能なゲームの場合、実績の情報はその設定結果の情報を含んでいてもよい。
【0024】
なお、サーバデータSDは、例えばその他にも各ユーザを識別するためのユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データを含んでいてよい。また、サーバデータSDは、後述のゲームデータGDの少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0025】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置が設けられる。制御ユニット21には適宜の論理的装置が設けられ得るが、
図2の例ではサービス管理部23が示されている。サービス管理部23は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する論理的装置である。サービス管理部23は、ユーザ端末装置4が接続される場合には、ユーザ端末装置4に対して上述のWebサービスを実現するための各種処理を実行する場合がある。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0026】
第1ゲーム機3Aには、コンピュータとしての制御ユニット31Aと、記憶手段としての記憶部32Aとが設けられる。制御ユニット31Aは、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。記憶部32Aは、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される記憶装置である。記憶部32Aには、ゲーム等の各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット31に実行させるゲームプログラム、或いはゲームの提供に必要なゲームデータ等が適宜に記録され得るが、
図2の例ではプレイデータPDが示されている。プレイデータPDは上述のとおりのデータであり、実績の情報の一部として第1麻雀ゲームのプレイに関する各種実績の情報を記録するように構成され、適宜の時期にセンターサーバ2に保存される。また、センターサーバ2に保存されたプレイデータPDは、必要に応じて第1ゲーム機3Aに提供される。なお、第1ゲーム機3Aには、アーケードゲーム機として機能するための各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ得るが、
図2の例ではそれらの図示は省略されている。
【0027】
第2ゲーム機3Bには、コンピュータとしての制御ユニット31Bと、記憶手段としての記憶部32Bとが設けられる。制御ユニット31Bは、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0028】
記憶部32Bは、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される記憶装置である。記憶部32Bには、ゲーム等の各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット31Bに実行させるコンピュータプログラムの一例として、ゲームプログラムPG2が記録される。また、記憶部32Bには、ゲームデータGD、及びプレイデータPDが記録される。
【0029】
ゲームデータGDは、ゲームの提供に必要なデータである。ゲームデータGDは、例えばゲーム画面用の各種の画像を表示するための画像データ、ゲーム用の音声(BGM等の各種楽曲を含む)を再生するための音声データ、或いはID管理データといったゲーム用の各種のデータを適宜に含み得る。プレイデータPDは上述のとおりであり、ゲームデータGDの一部として機能してもよいが、
図2の例では別のデータとして示されている。プレイデータPDは、実績の情報の一部として更に第2麻雀ゲームのプレイに関する各種実績の情報を記録するように構成され、適宜の時期にセンターサーバ2に保存される。また、センターサーバ2に保存されたプレイデータPDは、必要に応じて第2ゲーム機3Bに提供される。
【0030】
制御ユニット31Bには、制御ユニット31Bのハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。制御ユニット31Bは、各種論理的装置を通じてゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のサービス管理部23が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)を実行するが、
図3の例では第2麻雀ゲームに関連する論理的装置として、対局制御部33、演出制御部34、及びアシスト制御部35が示されている。
【0031】
対局制御部33は、第2麻雀ゲームの対局を進めるために必要な各種の処理を実行する。対局制御部33による制御は、通常の麻雀ゲームにおける対局のルール、手順等に沿って実行されてよい。例えば、洗牌、親決め、配牌といった対局開始段階の処理、摸打(自摸及び打牌)、鳴き、リーチ、ロンといった対局中に生じる各種の行為の処理、あがり(和了)又は流局に対応した点数(点棒)の清算といったように、麻雀の対局を進行させるために必要な各種の処理が対局制御部33にて制御される。対局制御部33の制御は、一般的な麻雀のルール及び手順に沿ったものであればよく、その手順の詳細は説明を省略する。
【0032】
演出制御部34は、第2麻雀ゲームにおける演出に必要な各種の処理を実行する。演出制御部34による演出は、一局の対戦ごとに、その対戦の進行中における対局の状況に応じて変化するものを含む。「一局の対戦」は、例えば東一局の対戦といったように、対戦開始から、あがり又は流局によって対戦の単位としての「局」の結果が確定するまでの範囲をいう。したがって、演出制御部34は、各種処理を通じて一局の対戦中において演出を適宜に変化させる。また、演出制御部34が実行する処理には、ゲーム画面のレイアウト(キャラクタの見え方や麻雀牌のデザイン等を含む)を変更する処理が含まれる。ゲーム画面のレイアウトは、プレイ環境の一部として用意され、ユーザの設定を通じて変更される。つまり、演出制御部34が実行する処理には、プレイ環境の設定結果に応じたレイアウトにてゲーム画面を表示する処理が含まれる。
【0033】
アシスト制御部35は、第2麻雀ゲームにおける各種アシスト(補助)を実現するための処理を実行する。例えば、アシスト制御部35は、一局の対戦中において、プレイヤによるプレイを援助するために用意されている各種のアシスト機能をプレイヤに対して提供するための処理を実行する。対局中のアシスト機能は各種機能を適宜に含んでいてよいが、例えば対戦相手の手牌の状態を推定する手がかりとなる情報をプレイヤに提示する機能、麻雀の役名等をプレイヤに知らせる機能、或いは手牌における面子の形成等をプレイヤに知らせる機能といった機能が含まれる。また、アシスト機能には、例えばその他にもアガリを自動で実行するアガリオート機能、或いはシャンテン数(聴牌(テンパイ)までに必要な牌の数)表示機能等、各種の機能が適宜に含まれる。アシスト機能のうちON/OFFの切替が可能なもの(例えばアガリオート機能等)は、プレイ環境の一つとしてON/OFFの設定(切替)ができるように構成される。そして、アシスト制御部35は、プレイ環境を設定(変更)する機会を提供したり、プレイ環境のデフォルト(初期)設定を調整したりする処理も実行する。例えば、アシスト制御部35は、プレイ環境のデフォルト(初期)設定を調整する処理の一例として環境設定処理を提供する。環境設定処理の手順の詳細は後述する。
【0034】
また、第2ゲーム機3Bにはアーケードゲーム機として機能するための各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられる。例えば、第2ゲーム機3Bには、操作装置D1、リーダD2、表示装置D3、及びスピーカD4が設けられる。表示装置D3は、第2麻雀ゲームをプレイするためのゲーム画面等を表示するための装置である。スピーカD4は、BGM等の楽曲、ユーザの指示に応じた効果音、或いはキャラクタの声といった各種の音声を出力するための音声再生装置である。表示装置D3、及びスピーカD4はいずれも制御ユニット31Bに接続される出力装置の一例であり、制御ユニット31Bからの出力信号に応じて制御される。
【0035】
操作装置D1は、ユーザの操作を入力するための入力装置である。操作装置D1として操作ボタン、レバー等といった物理的な操作部等が適宜に利用され得るが、一例としてタッチセンサが利用される。タッチセンサは、タッチ操作の位置を検出するための検出装置であり、ゲーム画面に対するタッチ操作の位置に応じたユーザの指示を検出するように表示装置D3の画面上に配置される。タッチセンサ(操作装置D1)は制御ユニット31Bに接続され、ユーザのタッチ操作の位置に応じた信号を制御ユニット31に入力(出力)する。
【0036】
リーダD2は、ユーザが所持するカードCdから情報を取得するための入力装置の一種である。リーダD2は、コードを読み取るカメラ等、カードCdにおける情報の記録方式に応じて適宜に構成され得るが、一例として近距離無線通信を利用し、カードCdに記録された各種の情報を非接触状態で読み取る装置として構成される。カードCdには磁気ストライプ等の適宜の不揮発性記憶媒体を介して情報が記録され得るが、近距離無線通信にて情報の送受信が実行される場合、近距離無線通信の送受信装置が設けられ、ICチップを介して情報が記録される。カードCdには各種の情報が適宜に記録されてよく、例えば電子マネーの残高の情報が記録され、対価の支払いに使用されてもよいが、一例として各ユーザを識別するためのユーザIDの情報が記録され、IDカードの一種として使用される。リーダD2は、制御ユニット31Bに接続され、カードCdから読み取ったユーザIDの情報を制御ユニット31Bに入力(出力)する。
【0037】
(プレイ環境のデフォルト設定)
次に、
図3を参照して、第2麻雀ゲームに用意されるプレイ環境のデフォルト設定について説明する。
図3は、プレイ環境のデフォルト設定を説明するための説明図である。
図3に示すように、第2麻雀ゲームのプレイ環境は通常環境、及び実績環境を含んでいる。通常環境は、通常時にデフォルト設定として使用されるプレイ環境である。通常環境として適宜のプレイ環境が採用され得るが、例えば使用が推奨される一般的なプレイ環境が採用される。通常環境は、例えば初回にプレイするユーザUを含む、多くのユーザUに一般的に使用される。一方、実績環境は、通常環境とは異なるプレイ環境である。実績環境は、第1麻雀ゲームのプレイ実績のあるユーザUに通常環境の代わりにデフォルト設定として使用される。つまり、第2ゲームをプレイするユーザUが第1麻雀ゲームのプレイ実績があるか否かに応じて、通常環境、及び実績環境がデフォルト設定されるプレイ環境として使い分けられる。
【0038】
具体的には、ユーザUは、第1麻雀ゲーム(第1ゲーム機3Aが提供する第1ゲーム)のプレイしたことのあるユーザUとしての第1ユーザU1と、第1麻雀ゲームをプレイしたことのないユーザUとしての第2ユーザU2とに分類される。そして、第2ユーザU2が第2ゲーム機3Bにおいて第2麻雀ゲームをプレイする場合には、プレイ環境が通常環境にデフォルト設定される。一方、第1ユーザU1が第2ゲーム機3Bにおいて第2麻雀ゲームをプレイする場合には、プレイ環境が実績環境にデフォルト設定される。この例において第1ユーザU1が本発明の関連ユーザとして機能する。また、実績環境が本発明の特別環境として機能する。
【0039】
第1ユーザU1と第2ユーザU2とは適宜に分類されてよく、例えば第2麻雀ゲームのプレイ時に第1麻雀ゲームのプレイ実績がユーザUに問いかけられ、そこでプレイ実績有りと回答したユーザUが第1ユーザU1と、プレイ実績なしと回答したユーザUが第2ユーザU2とそれぞれ分類されてもよいが、一例としてプレイデータPDに基づいて分類される。つまり、プレイデータPDに第1麻雀ゲームの実績があるか否かに応じて各ユーザUは第1ユーザと第2ユーザU2とに分類される。そして、例えば次のような流れでプレイ環境のデフォルト設定が通常環境と実績環境との間で調整される。
【0040】
具体的には、第2ゲーム機3Bは、まず第2麻雀ゲームのプレイを希望するユーザUが第1麻雀ゲームの実績を有しているか否かセンターサーバ2に問合せる。第2ゲーム機3BのプレイデータPDは第1麻雀ゲームの実績を含むように提供されてもよく、その場合第2ゲーム機3Bが直接的に実績の有無を判別してもよいが、一例として実績の有無はセンターサーバ2にて実行される。センターサーバ2への問合せはユーザIDを利用して実行される。ユーザIDは適宜に取得されてよく、例えばユーザUによる手入力に基づいて取得されてもよいが、一例としてカードCdの使用に伴いカードCdから取得される。第2ゲーム機3Bは、取得したユーザIDをセンターサーバ2に送信する。
【0041】
センターサーバ2は、第1麻雀ゲームのプレイデータPDを参照して、取得したユーザIDに関連付けられる実績の有無を第2ゲーム機3Bに送信する。第2ゲーム機3Bは、第1麻雀ゲームの実績の有無を取得すると、実績有りのユーザUを第1ユーザU1に、実績無しのユーザUを第2ユーザU2に、それぞれ分類する。そして、第2ゲーム機3Bは、実績の有る第1ユーザU1には実績環境を、実績の無い第2ユーザU2には通常環境を、プレイ環境にそれぞれデフォルト設定する。換言すれば、第2ゲーム機3Bは、センターサーバ2を介して第1麻雀ゲームのプレイデータPDを第2麻雀ゲームのプレイ環境に反映する。この例において第1麻雀ゲームの実績の有無に関するセンターサーバ2からの回答(あるいはプレイデータPD)が、本発明の実績情報として機能する。
【0042】
(通常環境)
次に
図4を参照して、第2麻雀ゲームの通常環境について説明する。プレイ環境はプレイに関する各種の環境を適宜に含んでいてよく、例えば音楽ゲーム(タイミングゲーム)の場合にはプレイ行為を実行すべき時期を案内するノーツ(オブジェクト)のスピード、ノーツが移動するレーン(経路)の角度、遅延調整、或いはプレイ用の楽曲(例えばおすすめ楽曲等)といった要素に影響を与える環境を含んでいてよいが、一例としてアシスト機能環境、及び感覚系環境を含んでいる。アシスト機能環境は、ON/OFFを含む各種アシスト機能に関連するプレイ環境である。感覚系環境は、プレイ感覚に影響を与える要素に関するプレイ環境である。通常環境は、アシスト機能環境、及び感覚系環境といったプレイ環境を一般的なプレイ環境に対応する通常設定とすることにより実現される。
【0043】
図4は、通常対局画面100の一例を模式的に示す図である。通常対局画面100は、通常環境において表示される対局画面の一例である。対局画面は、一局の対戦中において、対局の状況を第2ゲーム機3BのユーザU(以下、ゲームをプレイするユーザUをプレイヤと呼ぶ場合がある)に認識させるべく表示装置D3に表示されるゲーム画面である。感覚系環境は、BGMや効果音等の各種音声を含むプレイ感覚に影響を与える各種の要素を適宜に含み得るが、例えばゲーム画面の表示態様に影響を与える表示系環境を含んでいる。
図4の例は、表示系環境に対する通常設定により通常環境が実現される場合の対局画面を示している。なお、以下の説明において、第2麻雀ゲームは、物理的な麻雀牌を利用して4名でプレイされる一般的な麻雀と同様のルール及び手順でプレイされるものとし、対戦する4名を対局者と称する。対局者のうち、第2ゲーム機3Bを操作する主体である1名の対局者をプレイヤと、プレイヤと対戦する他の3名を対戦相手と称して相互に区別することがある。対戦相手は、他の第2ゲーム機3Bにおいてプレイヤとなるべき実在の対戦相手であってもよいし、コンピュータが生成してその行為を制御する仮想的な対戦相手であってもよい。
【0044】
図4に示すように、通常対局画面100には、対局表示部101と、情報表示部102とが設けられる。対局表示部101には、対局者と1対1で対応付けられた仮想的な打ち手、あるいは分身としてのキャラクタ103が雀卓104を囲んで麻雀をプレイする様子が表示される。第2ゲーム機3Bのプレイヤに関しても、対戦相手と同様に1体のキャラクタが仮想的な打ち手として設定される。ただし、対局表示部101は、第2ゲーム機3Bのプレイヤが盤面(仮想三次元空間に配置された雀卓)を観察する主観的視点(仮想カメラ)からの画像として生成される。そのため、
図4の例では四人の対局者にそれぞれ対応するべき四つのキャラクタ103のうち、三人の対局者にそれぞれ対応する三つのキャラクタ103のみが対局表示部101に表示されており、プレイヤに対応するキャラクタは表示されていない。ただし、対局表示部101への表示に代えて、情報表示部102にプレイヤのキャラクタ103が表示されている。
【0045】
対局表示部101にはプレイヤの13枚の牌からなる手牌105がその内容を確認できるように各牌を左右に並べて表示される。プレイヤが牌を自模った場合には、自模牌106が手牌105の右隣に表示される。雀卓104は仮想三次元空間における雀卓(現実の麻雀における雀卓)に対応する画像であり、王牌領域141、四つの河領域142、及び牌列143を含んでいる。王牌領域141は王牌144が表示される領域であり、四人の対局者に共通に使用される。四つの河領域142は四人の対局者にそれぞれ対応し、各河領域142には各対局者の捨て牌が表示される。また、各対局者の現在の持ち点108は、
図4の例ではプレイヤの主観的視点を表現するために河領域142に表示されているように見えるものもあるが、王牌領域141の各河領域142の近くの位置に表示される。牌列143は、仮想三次元空間における麻雀牌(現実の麻雀における麻雀牌)に相当する画像であり、各対戦相手の手牌に該当する。牌列143は各キャラクタ103の前(各キャラクタ103と各河領域142との間)に配置される。なお、
図4の例では山牌の表示は省略されているが、対局表示部101中に表示されてもよい。
【0046】
対局表示部101には、背景画像120も表示される。背景画像120として各種の画像が適宜に使用され得るが、
図4の例では観客の存在を演出するような画像が使用されている。背景画像120は、観客の動作等を通じて対局の盛り上がり演出するように表現されてもよい。この例において、雀卓104、及び牌列143が、本発明の雀卓画像、及び麻雀牌画像としてそれぞれ機能する。
【0047】
(実績環境)
次に、
図5を参照して、第2麻雀ゲームの実績環境について説明する。
図5は、俯瞰対局画面200の一例を模式的に示す図である。俯瞰対局画面200は、実績環境において表示される対局画面の一例である。実績環境は、アシスト機能環境、及び感覚系環境といったプレイ環境を通常環境と異なる設定にすることにより適宜に実現され得るが、俯瞰対局画面200は表示系環境(感覚系環境)が通常環境と異なるように設定されて実現される実績環境の一例に対応する。なお、
図5において
図4の通常対局画面100と共通する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図5に示すように、俯瞰対局画面200では、対局表示部101の表示態様が雀卓104を俯瞰した様子に対応するように通常対局画面100と比べて雀卓104のレイアウト(配置)が変化する。具体的には、
図4の例でも
図5の例でも、固定的位置に配置される手牌105を除き、対局表示部101は仮想三次元空間に配置された雀卓104を仮想カメラで撮影した状況に対応する(仮想三次元空間を演出する)ように表示される。ただし、俯瞰対局画面200では通常対局画面100と比べて異なる撮影条件の仮想カメラ(別の位置の仮想カメラを含む)で撮影した状況に対応するように表示される。また、仮想カメラの撮影条件は撮影方向(位置)、撮影角度、或いは画角といった各種の条件を含み得るが、一例として実績環境では仮想カメラの撮影方向、及び角度が通常対局画面100と比べて雀卓104を上から俯瞰する様子に対応するように設定される。このため、俯瞰対局画面200では、通常対局画面100と比べて仮想カメラがより上の位置から見下ろす位置及び角度で撮影した状況に対応するレイアウト(視覚的に仮想カメラの撮影位置等が変化したと認識できるように表現されていれば実際に仮想カメラの撮影結果に対応していなくてもよい)で雀卓104が表示される。
【0049】
雀卓104の撮影条件の変化に伴い、そこに含まれる牌列143のレイアウトにも変化が生じる。また、雀卓104にのみ変化が生じてもよいが、
図5の例では対局表示部101の各キャラクタ103、及び背景画像120の表示にも変化が生じてる。例えば、俯瞰対局画面200では、通常対局画面100において背景画像120が表示されていた範囲まで雀卓104の表示範囲が拡大され、背景画像120の表示が省略される。また、表示範囲の拡大は、通常対局画面100における各キャラクタ103の表示範囲にもおよび、俯瞰対局画面200では各キャラクタ103は縮小表示される。具体的には、各キャラクタ103は、通常対局画面100ではほぼ全身が含まれるように表示されているが、俯瞰対局画面200では主に頭部のみの表示に代わり、表示範囲が縮小される。表示範囲の変化はプレイヤに対応するキャラクタ103に適用されてもよいが、
図5の例ではプレイヤのキャラクタ103には適用されていない。つまり、プレイヤ以外のキャラクタ103の表示が縮小表示に変化している。
【0050】
また、実績環境で変化する表示系環境の要素は、雀卓104、並びにそれに関連する背景画像120やキャラクタ103といった対局表示部101のレイアウトだけであってもよいが、
図5の例では麻雀牌のデザインを含んでいる。このため、俯瞰対局画面200では、通常対局画面100に比べて、例えば手牌105のデザインが変化している。具体的には、手牌105のデザインが通常対局画面100のカジュアルなデザインから俯瞰対局画面200では伝統的(普遍的、或いは厳格的)なデザインに変化している。つまり、表示系環境はゲーム画面に含まれる各種画像に影響を与える要素を適宜に含み得るが、
図5の例では雀卓104、麻雀牌(手牌105等)、及び各キャラクタ103の表示を含んでいる。そして、実績環境では、これらの表示系環境の表示態様が通常環境とは異なる表示態様になるように設定されている。
【0051】
第1ゲームが第2ゲームと同様の麻雀ゲームである場合、第1ユーザU1は麻雀ゲームの経験者である。この場合、第1ユーザU1は、上級者であったり、キャラクタ103よりも麻雀自体に興味が高いユーザUであったりする可能性がある。経験者等にはキャラクタ103や背景画像120等の付加的要素よりも麻雀自体に注意が向く表示の方が好ましい可能性がある。このため、
図5の例では通常環境に比べて河領域142等を含む雀卓104の全体が見やすく、各キャラクタ103の表示も比較的小さい表示系環境が実績環境として利用されている。
【0052】
(ネットワークシステムの処理)
次に、
図6を参照して、環境設定処理の手順について説明する。環境設定処理は、第1麻雀ゲームのプレイに関する実績に基づいて第2麻雀ゲームにおけるプレイ環境のデフォルト設定を調整(変更)するための処理である。
図6の例は、プレイ時にカードCdを介してユーザIDの情報が提供される場合の環境設定処理を示している。デフォルト設定の調整は第1麻雀ゲームのプレイに関する各種の実績に基づいて適宜に実行されてよく、例えば第1麻雀ゲームに同種のプレイ環境が設定可能に用意されている場合、第1麻雀ゲームに設定されたプレイ環境を反映するように実行されてもよいが、
図6の例は第1麻雀ゲームに関する実績の有無、つまり第1麻雀ゲームのプレイ経験があるか否かに基づいて実行される場合を示している。また、デフォルト設定の調整はユーザUへの確認なく実行されてもよいが、
図6の例は調整の可否をユーザUに確認する機会が付与される場合を示している。さらに、デフォルト設定はユーザUによるカスタマイズ(変更)不可であってもよいが、
図6の例はデフォルト設定をカスタマイズするための機会が付与される(カスタマイズ機能が設けられる)場合を示している。
【0053】
アシスト制御部35は、カードCdの読み取りが実行される(適宜にユーザ認証等が介在していてもよい)毎に
図6の環境設定処理を開始し、まずカードCdを所有するユーザUの第1麻雀ゲームに関する実績をセンターサーバ2に問い合わせる(ステップS101)。この問合せには、カードCdから取得したユーザIDの情報が含まれる。
【0054】
センターサーバ2から第1麻雀ゲームの実績ありの回答を取得した場合(ステップS102:Yes)、つまりセンターサーバ2のプレイデータPDにカードCdを所有するユーザUのユーザIDに関連付けられる第1麻雀ゲームの実績(プレイレコードPDR)が存在している場合、アシスト制御部35は、プレイ環境のデフォルト設定を調整するか否か選択する選択機会をユーザUに付与する(ステップS103)。
【0055】
デフォルト設定の調整が許可される場合、つまり選択機会において調整するが選択された場合(ステップS104:Yes)、アシスト制御部35はデフォルト設定としてプレイ環境を実績環境に設定し(ステップS105)、その設定結果をユーザUに通知する(ステップS106)。
【0056】
一方、センターサーバ2から第1麻雀ゲームの実績なしの回答を取得した場合(ステップS102:No)、つまりセンターサーバ2のプレイデータPDにカードCdを所有するユーザUのユーザIDに対応する第1麻雀ゲームの実績が存在していない場合、又はステップS103で提供された選択機会において調整しないが選択された(デフォルト設定の調整が許可されなかった)場合(ステップS104:No)、アシスト制御部35はデフォルト設定としてプレイ環境を通常環境に設定する(ステップS107)。
【0057】
また、アシスト制御部35は、通常環境に設定の後、或いは実績環境への設定をユーザUに通知した後に、プレイ環境のデフォルト設定をカスタム(変更)するためのカスタム機会を付与し(ステップS108)、カスタム機会におけるカスタム結果をプレイ環境に反映する(ステップS109)。そして、カスタム結果の反映の後にアシスト制御部35は今回の環境設定処理を終了する。
【0058】
図6の手順により、第1麻雀ゲームの実績がある場合、つまり第2麻雀ゲームのユーザUが第1ユーザU1である場合に、プレイ環境のデフォルト設定を調整するか否か確認する機会が付与され、そこで調整が許可(希望)された場合にプレイ環境にデフォルト設定として実績環境が設定される。一方、第1麻雀ゲームの実績がない場合、つまり第2麻雀ゲームのユーザUが第2ユーザU2である場合にはデフォルト設定としてプレイ環境に通常環境が設定される。つまり、第2麻雀ゲームにおけるプレイ環境のデフォルト設定が、第1麻雀ゲームの実績の有無に応じて通常環境と実績環境との間で切り替えられるように変化する。また、プレイ環境のデフォルト設定は、カスタム機会にてユーザUによって適宜に変更される。つまり、プレイ環境にカスタム機能(変更機能)が設けられ、カスタム機能を通じて、通常環境、或いは実績環境といったデフォルト設定はユーザUの好みに応じて適宜に変更可能に提供される。なお、
図6の手順は第2麻雀ゲームをプレイする毎に実行されてもよいが、ユーザの手間暇低減のために、初回に実績環境がデフォルト設定された場合に次回以降も同様のデフォルト設定を行うか否か選択する機会がユーザに提供されてもよい。この場合、カスタム機能(カスタム機会)における変更は、以降のプレイ時にデフォルト設定として反映されても反映されなくてもよい。
【0059】
以上に説明したように、この形態によれば、第1麻雀ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2麻雀ゲームのユーザUが第1ユーザU1(第1麻雀ゲームをプレイした実績のあるユーザU)に該当する場合に、第2麻雀ゲームのプレイ環境が通常環境とは異なる実績環境に設定される。このため、実績環境を利用して、第2麻雀ゲームとは独立的に提供される第1麻雀ゲームの実績を第2麻雀ゲームのプレイ環境の設定に反映することができる。
【0060】
第1麻雀ゲームと第2麻雀ゲームとは、登場するキャラクタは相違するとしても、基本的には同じルール(ルールの全てが共通であっても、例えば中張牌のみで成立する役としてのいわゆるタンヤオにおいて鳴きOKか否かといった適宜のローカルルールが適用され、ルールの一部が相違していてもよい)で提供される同じジャンルのゲームである。この場合、雀卓104のレイアウトや麻雀牌のデザインが第1麻雀ゲームと同じであるか、一部に共通性がある方が、プレイ感覚を共通化できるため、第1ユーザU1のプレイに馴染む可能性がある。表示系環境に実績環境が適用される場合、第2麻雀ゲームのプレイ感覚に第1麻雀ゲームの実績を反映することができ、少なくとも一部の共通化を図ることができる。結果として、第1麻雀ゲームと第2麻雀ゲームとの間でプレイ感覚の共通化(馴染み)を図ることができる。
【0061】
第2麻雀ゲームにおいてプレイ環境の任意の設定が許容される場合、その設定を通じてプレイ感覚の共通化を実現できるかもしれない。ただし、手間暇がかかってしまうし、そもそもそのような設定が可能と認識されず、活用されない可能性もある。一方で、実績環境を自動的にプレイ環境にデフォルト設定することにより、ユーザUの手間暇等を低減することができる。また、実績環境が第1麻雀ゲームの実績(プレイ経験)の有無のみで設定される場合、第1麻雀ゲームがプレイ環境を設定可能か否か等の第1麻雀ゲームの実績の内容(例えば第1麻雀ゲームのプレイ環境に関する情報を含んでいるか否か等)に関わらず、プレイ環境に実績環境を適用することができる。この場合、第1麻雀ゲーム(ひいては第1ゲーム)の対象を拡大することができるだけでなく、実績環境を適用可能なユーザUを拡大することができる。また、第1麻雀ゲームの実績をその実績とは無関係の第2麻雀ゲームのプレイ環境(同様にデータで管理されているか否かは問わない)に反映することもできる。これらにより、同様のデフォルト設定が実行されない場合に比べて、プレイ感覚の共通化を促進することができ、ひいてはプレイの快適性の向上を図ることができる。
【0062】
以上の形態において、第2ゲーム機3Bのアシスト制御部35が、
図6の手順を実行することにより本発明の関連判別手段、環境設定手段、設定通知手段、及び機会付与手段として機能する。具体的には、アシスト制御部35が、
図6のステップS102を実行することにより関連判別手段として、ステップS105、或いはS107を実行することにより環境設定手段として、ステップS106を実行することにより設定通知手段として、ステップS103を実行することにより機会付与手段として、それぞれ機能する。
【0063】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。上述の形態では、実績環境の適用可否を判断するための情報(実績情報)として、実績の有無に関するセンターサーバ2からの回答、或いはプレイデータPDが利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、プレイデータPDの代わりに、単に第1麻雀ゲームのプレイ経験の有無(例えばフラグ)をユーザU毎に管理するデータが実績情報として機能してもよい。あるいは、上述のとおり第1麻雀ゲームの実績はユーザUによって申告されてもよく、その申告結果が実績情報として機能してもよい。この場合、第1麻雀ゲームの実績が別途データ等で管理されていなくても実績環境を適用することができる。つまり、第1麻雀ゲームの実績がデータで管理されているか否かに関わらず、その実績を第2麻雀ゲームのプレイ環境(同様にデータで管理されているか否かは問わない)に反映することができる。
【0064】
上述の形態では、実績環境は、第1麻雀ゲームの実績の有無に基づいて適用さている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、第1ゲーム及び第2ゲームがいずれも音楽ゲーム(ノーツの形態や出現位置、或いはレーンといった案内方法等が両ゲーム間で相違していてもよい)であり、第1ゲームにて好きな楽曲が指定されている場合に、第2ゲームにプレイ環境として用意される推奨楽曲に第1ゲームの好きな楽曲に関連する楽曲(例えばアーティストが同じ、テンポが同じ、或いはジャンルが同じ等)がデフォルト設定で表示されてもよい。つまり、実績環境は、実績の内容に応じた複数の環境を含んでいてよい。そして、実績に応じて複数の環境のいずれかが実績環境として実際のプレイ環境に適用されてよい。
【0065】
上述の形態では、第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bはいずれもアーケードゲーム機として構成されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、第1ゲーム機3A、及び第2ゲーム機3Bの少なくともいずれか一方として、ユーザ端末装置4が機能してもよい。つまり、第1ゲーム、及び第2ゲームは、互いに異なるプラットフォーム(OS等の制御用のソフトウエア等が相違し、異なる種類と判別されるゲーム装置)によって提供されてもよい。
【0066】
また、上述の形態では、ネットワークシステム1は、センターサーバ2を含んでいる。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、センターサーバ2は省略され、第2ゲーム機3Bが単体で本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、反対に第2ゲーム機3Bの役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2等の他のコンピュータ装置が実行してもよい。この場合、第2ゲーム機3B及びセンターサーバ2等の組み合わせ、或いはセンターサーバ2単体(複数のサーバ装置によって構成される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。また、ネットワークシステム1の全体が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0067】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0068】
本発明のゲームシステムは、入力装置(D1)、及び出力装置(D3)を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステム(3B)であって、前記第2ゲームをプレイする各ユーザ(U)が前記第1ゲームをプレイした実績のあるユーザとしての関連ユーザ(U1)に該当するか否か、前記第1ゲームのプレイに関する実績情報に基づいて判別する関連判別手段(35)と、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当しない場合に前記第2ゲームをプレイするためのプレイ環境を通常環境に設定する一方で、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に当該関連ユーザの前記実績情報に基づく環境として前記通常環境とは異なる特別環境に前記プレイ環境を設定する環境設定手段(35)と、を備える、ものである。
【0069】
本発明によれば、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームのユーザが関連ユーザ(第1ゲームをプレイした実績のあるユーザ)に該当する場合に、第2ゲームのプレイ環境が通常環境とは異なる特別環境に設定される。このため、特別環境を利用して、第2ゲームとは独立的に提供される第1ゲームの実績を第2ゲームのプレイ環境の設定に反映することができる。
【0070】
プレイ環境は、第2ゲームのプレイに関する各種の要素を適宜に含んでいてよい。例えば、プレイ環境は、ゲームに用意される各種の補助的機能(アシスト機能)に関する要素(例えば補助的機能のON/OFF等)、ゲーム画面の背景等の各種演出に関する要素、或いはゲームのプレイ時にユーザのプレイ感覚に影響を与える要素等を適宜に含んでいてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記プレイ環境は、各ユーザのプレイ感覚に影響を与える感覚系環境を含み、前記環境設定手段は、前記感覚系環境に前記特別環境を設定してもよい。この場合、第2ゲームのプレイ感覚に第1ゲームの実績を反映することができる。
【0071】
同様に、感覚系環境はプレイ感覚に影響を与える各種の要素を含んでいてよく、例えば音楽ゲームにおける効果音等の各種音声、プレイ行為の時期を案内する間隔や速度といった要素を含んでいてもよい。また、感覚系環境は、ゲーム画面における各種オブジェクトのレイアウト(位置、範囲、大きさ等)、キャラクタの表示態様(位置、表示部位、表示角度、或いは大きさ等)、及びその他の各種オブジェクトの見やすさ等、ゲーム画面の各種表示態様に影響を与える要素を含んでいてもよい。具体的には、例えば、プレイ環境が感覚系環境を含む態様において、前記出力装置は、前記第2ゲームをプレイするためのゲーム画面を表示する表示装置(D3)を含み、前記感覚系環境は、前記ゲーム画面の表示態様に影響を与える表示系環境を含み、前記環境設定手段は、前記表示系環境に前記特別環境を設定してもよい。
【0072】
第2ゲームは、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化される限り、適宜のゲームであってよい。例えば、第2ゲームとして、各種のゲームが適宜に提供されてよい。例えば、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといったジャンルのゲームが第2ゲームとして提供されてよい。第1ゲームも同様である。また、第2ゲームの差別化は、適宜に実現されてよく、例えば時差的に提供される等の提供時期における差別化(例えばバージョンアップ前後のゲームは一般的に並列的な提供は予定されていない)によって実現されてもよい。あるいは、第2ゲームの差別化は、世界観の相違により実現されてもよい。世界観はゲームの種類、登場するキャラクタ、ゲームのルール、或いはタイトル(同一シリーズのゲームには、共通部分と“パート2”等のシリーズ化を示す部分とを含む場合が多い)といった各種の要素によって実現され得るが、世界観の相違はそれらの適宜の相違によって実現されてよい。
【0073】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記第2ゲームとして、各ゲームの種類を分類するジャンルにおいて前記第1ゲームと同じジャンルに属し、前記第1ゲームを進行させるためのルールの一部、又は全部を共通にするゲームが提供されてもよい。また、この態様において、前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームとして、いずれも麻雀ゲームが提供されてもよい。
【0074】
第2ゲームとして麻雀ゲームが提供される場合において、表示系環境は麻雀ゲーム用のゲーム画面に適宜に適用されてよい。そして、特別環境はゲーム画面における適宜の表示態様の相違により実現されてよい。例えば、ゲーム画面に雀卓、或いは麻雀牌等に対応するオブジェクト(画像)が含まれる場合、それらのオブジェクトが通常環境よりも拡大等により見やすくなる環境が、特別環境として採用されてもよい。また、ゲーム画面は、キャラクタを含んでいてもよい。そして、表示系環境は、キャラクタの表示態様に影響を与えるように構成されてもよい。同様に、表示系環境は、麻雀牌のデザインに影響を与えるように構成されてもよい。
【0075】
具体的には、例えば、第2ゲームとして麻雀ゲームが提供される態様において、前記ゲーム画面は、麻雀牌が配置された雀卓を表現するように、麻雀牌画像(143)が配置された雀卓画像(104)を含み、前記表示系環境は、前記ゲーム画面における前記雀卓画像、及び前記麻雀牌画像の少なくともいずれか一方の画像のレイアウトを含み、前記特別環境は、前記少なくともいずれか一方の画像が前記通常環境とは異なる所定のレイアウトに配置されるように構成されてもよい。この態様において、前記ゲーム画面は、麻雀牌が配置された雀卓を含む仮想三次元空間を仮想カメラで撮影した撮影結果に対応するように前記雀卓画像を表示し、前記所定のレイアウトは、少なくとも一部において前記仮想カメラの撮影条件が変化した状況を演出するように前記雀卓画像を表示することにより、前記少なくともいずれか一方の画像のレイアウトが前記通常環境とは異なっていてもよい。また、この態様において、前記ゲーム画面は、四人の対局者にそれぞれ対応する四つのキャラクタ(103)の少なくとも一部を含み、前記一部のキャラクタは、前記所定のレイアウトにおいて前記通常環境における表示態様と異なる表示態様で表示されてもよい。さらに、ゲーム画面が麻雀牌画像を含む態様において、前記表示系環境は、前記麻雀牌画像のデザインを含み、前記特別環境は、前記麻雀牌画像のデザインが前記通常環境とは異なるように構成されてもよい。
【0076】
特別環境は第1ゲームの実績情報に基づいて適宜に設定されてよい。このため、第1ゲームのプレイに関する各種の情報が実績情報として利用されてよい。例えば、第1ゲームにおいてプレイ環境の設定が許容される場合において、第1ゲームにおけるプレイ環境の設定結果が実績情報として利用されてもよい。この場合、第2ゲームには、第1ゲームに用意されたプレイ環境と同様のプレイ環境が用意されていてもよいし、異なるプレイ環境が用意されてもよい。このため、特別環境では、第1ゲームにおけるプレイ環境の設定結果と同様のプレイ環境が通常環境と相違するように設定されていても、異なるプレイ環境が通常環境と相違するように設定されていてもよい。あるいは、第1ゲームにプレイ環境の設定が用意されていなくてもよい。この場合、実績情報は単に第1ゲームのプレイ経験があるか否かを示す情報(第2ゲームのプレイ時にユーザが自己申告した情報を含む)であってもよい。
【0077】
具体的には、本発明のゲームシステムの一態様において、前記環境設定手段は、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に、前記実績情報が前記第1ゲームのプレイ環境に関する情報を含んでいるか否かに関わらず、前記関連ユーザの前記実績情報に基づいて前記プレイ環境を前記特別環境に設定してもよい。この場合、第1ゲームがプレイ環境を設定可能か否か等の第1ゲームの実績の内容に関わらず、プレイ環境に特別環境を適用することができる。この場合、第1ゲームの対象を拡大することができるだけでなく、特別環境を適用可能なユーザを拡大することができる。また、第1ゲームの実績をその実績とは無関係の第2ゲームのプレイ環境に反映することもできる。さらに、実績情報としてプレイ時にユーザから提供される申告(プレイ経験があるか否かの問いに対する回答)を利用することもできるので、第1ゲームの実績が別途データ等で管理されていなくても特別環境を適用することができる。つまり、第1ゲームの実績がデータで管理されているか否かに関わらず、その実績を第2ゲームのプレイ環境(同様にデータで管理されているか否かは問わない)に反映することができる。
【0078】
実績情報に基づいてプレイ環境に特別環境が設定される場合、特別環境の設定はユーザに通知されても通知されなくてもよい。また、設定の通知は、設定前に実行されても設定後に実行されてもよい。特別環境の設定が、設定前に通知される場合、特別環境の設定の可否(許容するか否か)を確認する(選択する)機会がユーザに付与されてもよい。そして、その機会において設定が許容される場合に、特別環境がプレイ環境に設定されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記プレイ環境に前記特別環境が設定された場合に当該特別環境の設定を通知する設定通知手段(35)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記関連ユーザに前記特別環境の設定の可否を選択する選択機会を付与する機会付与手段(35)を備え、前記環境設定手段は、前記選択機会の選択結果が設定可である場合に前記関連ユーザの前記プレイ環境に前記特別環境を設定する態様が採用されてもよい。
【0079】
特別環境の設定は、変更可能であっても変更不可であってもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記第2ゲームは、前記プレイ環境の設定を変更するための変更機能を含み、当該変更機能を通じて前記特別環境の設定が前記関連ユーザによって変更可能なように提供されてもよい。
【0080】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータ(31B)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0081】
また、本発明の制御方法は、入力装置(D1)、及び出力装置(D3)を利用して、第1ゲームとは関連性のないゲームとして位置づけられるように差別化された第2ゲームを提供するゲームシステム(3B)に組み込まれるコンピュータ(31B)に、前記第2ゲームをプレイする各ユーザ(U)が前記第1ゲームをプレイした実績のあるユーザとしての関連ユーザ(U1)に該当するか否か、前記第1ゲームのプレイに関する実績情報に基づいて判別する関連判別手順と、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当しない場合に前記第2ゲームをプレイするためのプレイ環境を通常環境に設定する一方で、前記第2ゲームの各ユーザが前記関連ユーザに該当する場合に当該関連ユーザの前記実績情報に基づく環境として前記通常環境とは異なる特別環境に前記プレイ環境を設定する環境設定手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0082】
35 アシスト制御部(関連判別手段、環境設定手段、設定通知手段、機会付与手段)
100 通常対局画面(ゲーム画面、通常環境)
104 雀卓(雀卓画像)
143 牌列(麻雀牌画像)
200 俯瞰対局画面(ゲーム画面、特別環境)
3B 第2ゲーム機(ゲームシステム)
31B 制御ユニット(コンピュータ)
U ユーザ
D1 操作装置(入力装置)
D3 表示装置(出力装置)
U1 第1ユーザ(関連ユーザ)
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)