(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001649
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】鍵管理システム、鍵管理装置、及び鍵管理方法
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20231227BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231227BHJP
【FI】
E05B19/00 E
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100444
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】谷村 康典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両の鍵を管理する鍵管理装置において、鍵を利用する際に常にアルコールチェックを行うことによる利便性の低下を抑制する。
【解決手段】車両の鍵を保持するホルダを収納可能な複数のホルダ収納部と、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部と、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、を備える、鍵管理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の鍵を保持するホルダを収納可能な複数のホルダ収納部と、
前記鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、
人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部と、
前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、
を備える、鍵管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的が所定の目的である場合に、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理を行うように制御する、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記鍵の利用が要求された際に、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理を行うように制御し、当該アルコールチェック処理の結果に応じて、当該鍵の利用を許可するか否かを決定する、請求項2に記載の鍵管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記鍵の返却が要求された際に、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理を行うように制御する、請求項3に記載の鍵管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記アルコールチェック処理の結果に関わらず、前記鍵の返却を許可する、請求項4に記載の鍵管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記アルコールチェック処理の結果を外部に報知する、請求項5に記載の鍵管理システム。
【請求項7】
前記車両に乗車する乗車者に関する乗車者情報を受け付ける情報受付部を更に備え、
前記制御部は、前記情報受付部が複数の乗車者に関する前記乗車者情報を受け付けた場合に、前記アルコールチェック部が当該複数の乗車者の全員の前記アルコールチェック処理を行うように制御する、請求項2に記載の鍵管理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理で前記複数の乗車者の全員についてアルコール成分を検知しなかった場合に、前記鍵の利用を許可する、請求項7に記載の鍵管理システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理で前記複数の乗車者の少なくとも1人についてアルコール成分を検知しなかった場合に、前記鍵の利用を許可する、請求項7に記載の鍵管理システム。
【請求項10】
前記車両に乗車する乗車者に関する乗車者情報を受け付ける情報受付部を更に備え、
前記制御部は、前記情報受付部が特定の乗車者が運転者である旨の情報を含む前記乗車者情報を受け付けた場合に、前記アルコールチェック部が当該特定の乗車者の前記アルコールチェック処理を行うように制御する、請求項2に記載の鍵管理システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記鍵の利用が要求された際に、前記情報受付部が第1の乗車者が運転者である旨の情報を含む前記乗車者情報を受け付ければ、前記アルコールチェック部が当該第1の乗車者の前記アルコールチェック処理を行うように制御し、
前記鍵の返却が要求された際に、前記情報受付部が第2の乗車者が運転者である旨の情報を含む前記乗車者情報を受け付ければ、前記アルコールチェック部が当該第2の乗車者の前記アルコールチェック処理を行うように制御する、請求項10に記載の鍵管理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、当該鍵を利用可能な時間の長さを切り替える、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項13】
前記複数のホルダ収納部は、前記車両の鍵とは異なる種別の鍵を保持するホルダも収納可能であり、
前記制御部は、前記ホルダが保持する鍵の種別に応じて、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理を行うか否かを制御する、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項14】
運転免許証の有効性を確認するための免許証チェック処理を行う免許証チェック部を更に備え、
前記制御部は、前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、前記免許証チェック部が前記免許証チェック処理を行うか否かを制御する、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項15】
前記車両に関する車両情報を受け付ける情報受付部を更に備え、
前記制御部は、前記情報受付部が受け付けた前記車両情報が所定の条件を満たす場合に、前記アルコールチェック部を動作可能な状態に制御する、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項16】
前記車両情報は、前記車両の台数と、各車両の乗車定員数と、各車両が自家用であるか事業用であるかの用途とを含み、
前記所定の条件は、前記乗車定員数が11以上の自家用の車両の台数が1以上である、又は、自家用の車両の台数が5以上である、という条件である、請求項15に記載の鍵管理システム。
【請求項17】
車両の鍵を収納可能な複数の鍵収納部と、
前記鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、
人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部と、
前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、前記アルコールチェック部が前記アルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、
を備える、鍵管理システム。
【請求項18】
車両の鍵を保持するホルダを収納可能な複数のホルダ収納部と、
前記鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、
前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部が当該アルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、
を備える、鍵管理装置。
【請求項19】
車両の鍵を収納可能な複数の鍵収納部と、
前記鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、
前記目的受付部が受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部が当該アルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、
を備える、鍵管理装置。
【請求項20】
コンピュータが、複数のホルダ収納部に収納可能なホルダが保持する車両の鍵の利用目的を受け付ける目的受付ステップと、
コンピュータが、前記目的受付ステップで受け付けた前記鍵の利用目的に応じて、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部が当該アルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御ステップと、
を含む、鍵管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵管理システム、鍵管理装置、及び鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本社事務所と営業所とが、Webサーバを介して通信可能に接続された鍵管理システムが記載されている。本社事務所には、制御装置、入力部、表示部、Webカメラ、記憶部、およびルータが設けられている。営業所には、制御装置、入力部、表示部、Webカメラ、記憶部、ルータが設けられ、これらに加えて、アルコール検知器、鍵管理装置、入退室コントローラ、電気錠、入退室扉、カードリーダ、録画装置、およびカメラがさらに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の鍵を管理する鍵管理装置において、鍵を利用する際にアルコールチェックを行うことがある。しかしながら、常にアルコールチェックを行うようにしたのでは、例えば、車両の清掃や車両内の忘れ物を取りに行く等の車両の運転以外の目的で鍵を利用する際にもアルコールチェックを行う必要が生じ、利便性が低下する。
【0005】
本発明の目的は、車両の鍵を管理する鍵管理装置において、鍵を利用する際に常にアルコールチェックを行うことによる利便性の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、車両の鍵を保持するホルダを収納可能な複数のホルダ収納部と、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部と、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、を備える、鍵管理システムを提供する。
制御部は、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的が所定の目的である場合に、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行う、ものであってよい。
その場合、制御部は、鍵の利用が要求された際に、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うように制御し、アルコールチェック処理の結果に応じて、鍵の利用を許可するか否かを決定する、ものであってよい。また、その場合、制御部は、鍵の返却が要求された際に、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うように制御する、ものであってよい。更に、その場合、制御部は、アルコールチェック処理の結果に関わらず、鍵の返却を許可する、ものであってよい。更にまた、その場合、制御部は、アルコールチェック処理の結果を外部に報知する、ものであってよい。
その場合、鍵管理システムは、車両に乗車する乗車者に関する乗車者情報を受け付ける情報受付部を更に備え、制御部は、情報受付部が複数の乗車者に関する乗車者情報を受け付けた場合に、アルコールチェック部が複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように制御する、ものであってよい。また、その場合、制御部は、アルコールチェック部がアルコールチェック処理で複数の乗車者の全員についてアルコール成分を検知しなかった場合に、鍵の利用を許可する、ものであってよい。制御部は、アルコールチェック部がアルコールチェック処理で複数の乗車者の少なくとも1人についてアルコール成分を検知しなかった場合に、鍵の利用を許可する、ものであってもよい。
その場合、鍵管理システムは、車両に乗車する乗車者に関する乗車者情報を受け付ける情報受付部を更に備え、制御部は、情報受付部が特定の乗車者が運転者である旨の情報を含む乗車者情報を受け付けた場合に、アルコールチェック部が特定の乗車者のアルコールチェック処理を行うように制御する、ものであってよい。また、その場合、制御部は、鍵の利用が要求された際に、情報受付部が第1の乗車者が運転者である旨の情報を含む乗車者情報を受け付ければ、アルコールチェック部が第1の乗車者のアルコールチェック処理を行うように制御し、鍵の返却が要求された際に、情報受付部が第2の乗車者が運転者である旨の情報を含む乗車者情報を受け付ければ、アルコールチェック部が第2の乗車者のアルコールチェック処理を行うように制御する、ものであってよい。
制御部は、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、鍵を利用可能な時間の長さを切り替える、ものであってよい。
複数のホルダ収納部は、車両の鍵とは異なる種別の鍵を保持するホルダも収納可能であり、制御部は、ホルダが保持する鍵の種別に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する、ものであってよい。
鍵管理システムは、運転免許証の有効性を確認するための免許証チェック処理を行う免許証チェック部を更に備え、制御部は、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、免許証チェック部が免許証チェック処理を行うか否かを制御する、ものであってよい。
鍵管理システムは、車両に関する車両情報を受け付ける情報受付部を更に備え、制御部は、情報受付部が受け付けた車両情報が所定の条件を満たす場合に、アルコールチェック部を動作可能な状態に制御する、ものであってよい。その場合、車両情報は、車両の台数と、各車両の乗車定員数と、各車両が自家用であるか事業用であるかの用途とを含み、所定の条件は、乗車定員数が11以上の自家用の車両の台数が1以上である、又は、自家用の車両の台数が5以上である、という条件であってよい。
【0007】
本発明は、車両の鍵を収納可能な複数の鍵収納部と、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部と、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、を備える、鍵管理システムも提供する。
【0008】
また、本発明は、車両の鍵を保持するホルダを収納可能な複数のホルダ収納部と、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、を備える、鍵管理装置も提供する。
【0009】
また、本発明は、車両の鍵を収納可能な複数の鍵収納部と、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部と、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部と、を備える、鍵管理装置も提供する。
【0010】
更に、本発明は、コンピュータが、複数のホルダ収納部に収納可能なホルダが保持する車両の鍵の利用目的を受け付ける目的受付ステップと、コンピュータが、目的受付ステップで受け付けた鍵の利用目的に応じて、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御ステップと、を含む、鍵管理方法も提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両の鍵を管理する鍵管理装置において、鍵を利用する際に常にアルコールチェックを行うことによる利便性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態における鍵貸出システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の外観構成例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態で用いるホルダ及び鍵の外観構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の鍵の利用が要求された際の動作例を示したフローチャートである。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の鍵の返却が要求された際の動作例を示したフローチャートである。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置のアルコールチェック部の有効及び無効を切り替える際の動作例を示したフローチャートである。
【
図8】本発明の第2の実施の形態における鍵管理装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
[鍵貸出システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における鍵貸出システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、鍵貸出システム1は、鍵管理装置10と、サーバ装置40と、端末装置50と、端末装置55と、アルコールチェック部60と、免許証チェック部65とを備えている。そして、鍵管理装置10、サーバ装置40、端末装置50、及び端末装置55は、ネットワーク80を介して接続され、鍵管理装置10、アルコールチェック部60、及び免許証チェック部65は、通信回線85を介して接続される。
【0015】
鍵管理装置10は、鍵を保持するホルダを着脱可能に収納する装置である。この鍵管理装置10は、管理者又は利用者によって操作される。管理者は、鍵を管理するユーザであり、翌日予約されている鍵を鍵管理装置10に装填したり、翌日予約されていない鍵を鍵管理装置10から回収したりする操作を行う。また、利用者は、鍵を借用して利用するユーザであり、自身が当日予約している鍵を鍵管理装置10から借用したり、利用が終わった鍵を鍵管理装置10に返却したりする操作を行う。本実施の形態では、鍵管理装置10として、特に、車両の鍵を保持するホルダを収納するものを想定する。
【0016】
サーバ装置40は、鍵やホルダに関する情報を管理する装置である。サーバ装置40は、鍵の予約を受け付け、その予約状況を示す予約情報を管理する処理も行う。また、サーバ装置40は、予約情報を鍵管理装置10、端末装置50、及び端末装置55へ送信する。
端末装置50は、利用者が使用する端末装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置50は、サーバ装置40から鍵の予約状況を示す予約情報を受信し、予約情報を例えばQRコード(登録商標)により表示画面に表示する。
端末装置55は、管理者が使用する端末装置であり、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置55は、サーバ装置40から全ての利用者に関する予約情報を受信したり、鍵管理装置10からの報知情報を受信したりする。
【0017】
アルコールチェック部60は、鍵の利用を要求する利用者の呼気にアルコール成分が含まれていないかをチェックするアルコールチェック処理を行う。アルコールチェック部60は、例えば、アルコール検知器である。本実施の形態では、人の呼気に含まれるアルコール成分を検知するためのアルコールチェック処理を行うアルコールチェック部の一例として、アルコールチェック部60を設けている。
免許証チェック部65は、鍵の利用を要求する利用者の運転免許証が有効であるかをチェックする免許証チェック処理を行う。ここで、運転免許証が有効であるかのチェックには、運転免許証の有効期限が切れていないかのチェックや、運転免許証の種別が使用する車両の種別と対応しているかのチェックが含まれる。免許証チェック部65は、例えば、スキャナと、OCR(optical character recognition)と、チェックプログラムとを含む。そして、免許証チェック部65では、スキャナが運転免許証を読み取り、OCRが運転免許証の文字認識を行い、チェックプログラムが文字認識の結果に基づいて上記のチェックを行う。本実施の形態では、運転免許証の有効性を確認するための免許証チェック処理を行う免許証チェック部の一例として、免許証チェック部65を設けている。
尚、ここでは、アルコールチェック部60と免許証チェック部65とを別体としたが、これらは一体化して1つの装置としてもよい。
【0018】
ネットワーク80は、鍵管理装置10、サーバ装置40、端末装置50、及び端末装置55の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、公衆回線、LAN(Local Area Network)等である。
通信回線85は、鍵管理装置10、アルコールチェック部60、及び免許証チェック部65の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)等である。
【0019】
[第1の実施の形態]
(鍵管理装置の外観構成)
図2は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の外観構成例を示す図である。
図2に示すように、鍵管理装置10には、装置の前面に、第1の扉21及び第2の扉22がそれぞれ開閉可能に設けられ、第1の扉21にて開閉される鍵収納庫23と、第2の扉22によって開閉されるプリンタ25及び鍵交換部26が設けられている。また、鍵管理装置10は、装置の前面に、表示操作部27と、カードリーダ28とを有する。
【0020】
鍵収納庫23には、複数の収納部24が設けられている。収納部24は、鍵を保持するホルダ31を着脱可能に収納する。収納部24は、上述したように車両の鍵を保持するホルダ31を収納するが、車両の鍵とは異なる種別の鍵を保持するホルダ31も収納してよい。
各収納部24には、ホルダ31の取り出しを許可又は禁止できるように錠機構241が設けられている。鍵管理装置10は、各収納部24に対する錠機構241を制御することによって、各ホルダ31の抜き取りの許可又は禁止を制御する。
また、各収納部24には、ホルダ31のIC(Integrated Circuit)タグ34(後述)から情報を読み取る読取部242が設けられている。読取部242は、収納部24に近接して又は収納部24内に設けられる。読取部242は、例えばRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダである。尚、ある収納部24の読取部242で、隣接する収納部24に挿入されるホルダ31のICタグ34からの電波を誤って取得するのを防止するために、互いに隣接する収納部24の間に電波を遮蔽する遮蔽板等を設けてもよい。
本実施の形態では、車両の鍵を保持するホルダを収納可能な複数のホルダ収納部の一例として、複数の収納部24を設けている。本実施の形態では、車両の鍵とは異なる種別の鍵を保持するホルダも収納可能な複数のホルダ収納部の一例としても、複数の収納部24を設けている。
【0021】
プリンタ25は、鍵の交換、挿入、抜き取り等を含む鍵管理装置10の履歴をロール紙等の用紙に印字する。プリンタ25で印字された用紙は、例えば、装置の前面に排出される。
鍵交換部26は、ホルダ31と鍵との連結を解除するもので、鍵交換の権限を有する権限者である例えば管理者のみが利用できる。鍵交換部26は、ホルダ31が挿入される挿入口261と、この挿入口261を開閉するカバー262とを有する。また、鍵交換部26は、挿入口261内の所定の係止解除位置まで挿入されたホルダ31に対してホルダ31本体とリング係止体の係止を解除してリング32(後述)を外せる状態とする解除部材と、管理者によるホルダ31に対しての係止解除を許可すると共に管理者以外によるホルダ31に対しての係止解除を不可とする鍵交換規制部とを有する。鍵交換規制部としては、例えば、ソレノイド等の電気的駆動部でストッパを挿入口261に進退させるストッパ機構を用いるとよい。この場合、鍵交換規制部は、通常はストッパが挿入口261内に進出し、ホルダ31が挿入口261の所定の係止解除位置まで挿入されるのを規制する。一方、鍵交換規制部は、管理者が操作する場合にのみストッパが挿入口261内から退避し、ホルダ31が挿入口261の所定の係止解除位置まで挿入されるのを可能とする。
また、鍵交換部26は、ホルダ31のICタグ34から情報を読み取る読取部263が設けられている。読取部263は、鍵交換部26に近接して又は鍵交換部26内に設けられる。読取部263は、例えばRFIDリーダである。
【0022】
表示操作部27は、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザによる操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
カードリーダ28は、ユーザが携帯するカードから情報を読み取る読取装置である。カードとしては、例えば、磁気カード、ICカード等が例示される。ユーザがカードリーダ28にカードを通すと、カードリーダ28は、カードからユーザIDを読み取る。
【0023】
(ホルダ及び鍵の構成)
図3は、第1の実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例を示す図である。
図3に示すように、ホルダ31にはリング32で鍵33が連結されている。
ホルダ31には、ICタグ34が設けられている。ICタグ34は、例えばRFIDタグである。ICタグ34は、ホルダ31を識別する識別情報を有している。ホルダ31にICタグ34を設けるには、例えば、シールタイプのICタグ34をホルダ31に貼り付けてもよいし、ホルダ31内にICタグ34を埋め込んでもよい。
【0024】
(概要)
第1の実施の形態では、アルコールチェック部60と連携した、車両の鍵33を管理する鍵管理装置10が、鍵33の利用目的に応じて、アルコールチェック部60によるアルコールチェック処理の有無を切り替える。
また、第1の実施の形態では、アルコールチェック部60と連携した、車両の鍵33を管理する鍵管理装置10が、事業所が保有する車両の情報に応じて、アルコールチェック部60の有効及び無効を切り替える。
【0025】
(鍵管理装置の機能構成)
図4は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、扉施錠機構14と、錠機構241と、読取部242と、プリンタ25と、読取部263と、表示操作部27と、カードリーダ28とを含む。
【0026】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、扉施錠機構14、錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、カードリーダ28等)を制御する。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、サーバ装置40との間で通信回線を通じた情報通信を行う。
扉施錠機構14は、第1の扉21及び第2の扉22を施錠する機構である。扉施錠機構14は、第1の扉21の施錠及び解錠と、第2の扉22の施錠及び解錠とを、異なる条件を用いて行ってもよい。
錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、及びカードリーダ28については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0027】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、目的判定部111と、免許証チェック指示部112と、乗車者判定部113と、アルコールチェック指示部114と、収納制御部115と、時間設定部116と、報知部117と、車両判定部118と、アルコールチェック有効化部119とを備える。
【0028】
目的判定部111は、鍵33の利用目的を取得する。鍵33の利用が要求された場合、目的判定部111は、例えば、カードリーダ28から利用者IDが読み取られる際に表示操作部27から入力された利用目的を取得すればよい。或いは、鍵33が予約され、利用者IDと利用目的とを紐付けた予約情報が鍵管理装置10で管理されていれば、目的判定部111は、カードリーダ28から読み取られた利用者IDに予約情報で紐付けられた利用目的を取得してもよい。或いは、鍵33が予約され、利用者IDと利用目的とを含む予約情報が端末装置50に表示可能になっていれば、目的判定部111は、端末装置50に表示された予約情報を読み取ることにより利用者IDと共に利用目的を取得してもよい。そして、目的判定部111は、利用者IDと利用目的とを紐付けて記憶部12に記憶しておく。鍵33の返却が要求された場合、目的判定部111は、カードリーダ28から読み取られた利用者IDに記憶部12で紐付けられた利用目的を取得する。本実施の形態では、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部の一例として、目的判定部111のこの機能を設けている。
また、目的判定部111は、取得した鍵33の利用目的が、所定の目的であるか、所定の目的以外であるかを判定する。所定の目的には、例えば、車両の運転がある。所定の目的以外には、例えば、車両の清掃、車両内の忘れ物を取りに行くこと等、車両の運転以外がある。所定の目的に車両の運転以外の何れかを含めてもよいが、以下では、所定の目的に車両の運転以外を含めない場合、つまり、所定の目的が車両の運転のみである場合を例にとって説明する。
【0029】
免許証チェック指示部112は、鍵33の利用が要求された場合、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的に応じて、免許証チェック部65が免許証チェック処理を行うか否かを判定する。例えば、免許証チェック指示部112は、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的が車両の運転であれば、免許証チェック部65が免許証チェック処理を行うことを決定する。一方、免許証チェック指示部112は、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的が車両の運転以外であれば、免許証チェック部65が免許証チェック処理を行わないことを決定する。本実施の形態では、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、免許証チェック部が免許証チェック処理を行うか否かを制御する制御部の一例として、免許証チェック指示部112のこの機能を設けている。
また、免許証チェック指示部112は、免許証チェック部65が免許証チェック処理を行うことを決定すれば、免許証チェック部65に免許証チェック処理を行うように指示する。
更に、免許証チェック指示部112は、免許証チェック部65から免許証チェック処理の結果を取得し、この結果に基づいて、運転免許証が有効であるか否かを判定する。
【0030】
乗車者判定部113は、車両に乗車する乗車者に関する乗車者情報を取得する。乗車者情報は、乗車者の人数を示す情報であってもよいし、各乗車者の個人を特定する情報であってもよい。ここで、個人を特定する情報は、氏名でもよいし、乗車者として同じ組織に属する者のみが想定される場合は、その組織内で割り振られた番号(例えば社員番号)等でもよい。乗車者判定部113は、例えば、表示操作部27から入力された乗車者情報を取得すればよい。或いは、鍵33が予約され、利用者IDと乗車者情報とを紐付けた予約情報が鍵管理装置10で管理されていれば、乗車者判定部113は、カードリーダ28から読み取られた利用者IDに予約情報で紐付けられた乗車者情報を取得してもよい。或いは、鍵33が予約され、利用者IDと乗車者情報とを含む予約情報が端末装置50に表示可能になっていれば、乗車者判定部113は、端末装置50に表示された予約情報を読み取ることにより利用者IDと共に乗車者情報を取得してもよい。本実施の形態では、車両に乗車する乗車者に関する乗車者情報を受け付ける情報受付部の一例として、乗車者判定部113のこの機能を設けている。
また、乗車者判定部113は、取得した乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示すか否かを判定する。乗車者判定部113は、取得した乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示す場合には、更に、取得した乗車者情報が運転者を特定する情報を含むか否かを判定する。ここで、乗車者情報は、鍵33の利用を要求する際と、鍵33の返却を要求する際とで、異なっていてもよい。例えば、行きと帰りとで、乗車者の人数が異なっていてもよいし、乗車者の人数は同じであるが乗車する人が入れ替わっていてもよい。また、行きと帰りとで、乗車する人は同じであるが運転者が異なっていてもよい。
【0031】
アルコールチェック指示部114は、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的に応じて、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行うか否かを判定する。例えば、アルコールチェック指示部114は、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的が車両の運転であれば、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行うことを決定する。一方、アルコールチェック指示部114は、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的が車両の運転以外であれば、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行わないことを決定する。本実施の形態では、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部の一例として、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。本実施の形態では、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的が所定の目的である場合に、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うように制御する制御部の一例としても、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。
アルコールチェック指示部114は、鍵33の利用が要求された場合、このような動作を行う。そして、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行うことを決定すれば、アルコールチェック部60にアルコールチェック処理を行うように指示する。本実施の形態では、鍵の利用が要求された際に、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うように制御する制御部の一例として、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。
アルコールチェック指示部114は、鍵33の返却が要求された場合にも、このような動作を行ってよい。そして、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行うことを決定すれば、アルコールチェック部60にアルコールチェック処理を行うように指示する。本実施の形態では、鍵の返却が要求された際に、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うように制御する制御部の一例として、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。
その際、アルコールチェック指示部114は、乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示すと乗車者判定部113が判定すれば、アルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示する。本実施の形態では、情報受付部が複数の乗車者に関する乗車者情報を受け付けた場合に、アルコールチェック部が複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように制御する制御部の一例として、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。
アルコールチェック指示部114は、乗車者情報が運転者を特定する情報を含むと乗車者判定部113が判定すれば、アルコールチェック部60に運転者のアルコールチェック処理を行うように指示する。ここで、上述したように、鍵33の利用を要求する場合と鍵33の返却を要求する場合とで、運転者は異なっていてもよい。本実施の形態では、情報受付部が特定の乗車者が運転者である旨の情報を含む乗車者情報を受け付けた場合に、アルコールチェック部がこの特定の乗車者のアルコールチェック処理を行うように制御する制御部の一例として、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。本実施の形態では、鍵の利用が要求された際に、情報受付部が第1の乗車者が運転者である旨の情報を含む乗車者情報を受け付ければ、アルコールチェック部が第1の乗車者のアルコールチェック処理を行うように制御し、鍵の返却が要求された際に、情報受付部が第2の乗車者が運転者である旨の情報を含む乗車者情報を受け付ければ、アルコールチェック部が第2の乗車者のアルコールチェック処理を行うように制御する制御部の一例としても、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。
更に、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60からアルコールチェック処理の結果を取得し、この結果に基づいて、アルコールが検知されたか否かを判定する。
尚、アルコールチェック指示部114は、ホルダ31が保持する鍵33の種別に応じて、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行うか否かを決定してもよい。例えば、アルコールチェック指示部114は、ホルダ31が保持する鍵33が車両の鍵33であれば、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行うことを決定するとよい。一方、アルコールチェック指示部114は、ホルダ31が保持する鍵33が車両の鍵33以外の鍵(例えば部屋の鍵33)であれば、アルコールチェック部60がアルコールチェック処理を行わないことを決定するとよい。本実施の形態では、ホルダが保持する鍵の種別に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部の一例として、アルコールチェック指示部114のこの機能を設けている。
【0032】
収納制御部115は、鍵33の利用が要求された場合に、アルコールチェック指示部114によるアルコールが検知されたか否かの判定結果に応じて、収納部24の錠機構241がホルダ31の抜き取りを許可又は禁止するように制御する。本実施の形態では、鍵の利用が要求された際に、アルコールチェック処理の結果に応じて、鍵の利用を許可するか否かを決定する制御部の一例として、収納制御部115のこの機能を設けている。
例えば、アルコールチェック指示部114がアルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示したとする。
その場合、収納制御部115は、全ての乗車者からアルコールが検知されなければ、ホルダ31の抜き取りを許可するように制御し、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されれば、ホルダ31の抜き取りを禁止するように制御するとよい。本実施の形態では、アルコールチェック部がアルコールチェック処理で複数の乗車者の全員についてアルコール成分を検知しなかった場合に、鍵の利用を許可する制御部の一例として、収納制御部115のこの機能を設けている。
或いは、収納制御部115は、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されなければ、ホルダ31の抜き取りを許可するように制御し、全ての乗車者からアルコールが検知されれば、ホルダ31の抜き取りを禁止するように制御してもよい。本実施の形態では、アルコールチェック部がアルコールチェック処理で複数の乗車者の少なくとも1人についてアルコール成分を検知しなかった場合に、鍵の利用を許可する制御部の一例として、収納制御部115のこの機能を設けている。
上記のホルダ31の抜き取りの許可又は禁止の制御のうち、前者は最も厳しい制御であり、後者は最も緩い制御である。本実施の形態では、何れの制御を行ってもよいが、以下では、前者の制御を行う場合を例にとって説明する。
また、アルコールチェック指示部114がアルコールチェック部60に運転者のアルコールチェック処理を行うように指示したとする。
その場合、収納制御部115は、運転者からアルコールが検知されなければ、ホルダ31の抜き取りを許可するように制御し、運転者からアルコールが検知されれば、ホルダ31の抜き取りを禁止するように制御するとよい。
収納制御部115は、鍵33の返却が要求された場合には、アルコールチェック指示部114によるアルコールが検知されたか否かの判定結果に関係なく、収納部24の錠機構241がホルダ31の収納を許可するように制御するとよい。本実施の形態では、鍵の返却が要求された際に、アルコールチェック処理の結果に関わらず、鍵の返却を許可する制御部の一例として、収納制御部115のこの機能を設けている。
【0033】
時間設定部116は、鍵33の利用が要求された場合、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的に応じて、鍵33を利用可能な時間の長さを切り替える。例えば、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的が車両の運転であれば、時間設定部116は、鍵33の予約期間の終了時までの時間を、鍵33を利用可能な時間とすればよい。一方、目的判定部111が取得した鍵33の利用目的が車両の運転以外であれば、時間設定部116は、車両の運転以外の各目的に適した時間として予め定められた時間を、鍵33を利用可能な時間とすればよい。本実施の形態では、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、鍵を利用可能な時間の長さを切り替える制御部の一例として、時間設定部116のこの機能を設けている。
また、時間設定部116は、設定した時間が経過する際、鍵33の利用者に対して、鍵33を利用可能な時間が終了する旨を、通知するとよい。
【0034】
報知部117は、鍵33の返却が要求された場合に、アルコールチェック指示部114によるアルコールが検知されたか否かの判定結果を、例えば端末装置55に報知する。
例えば、アルコールチェック指示部114がアルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示したとする。その場合、報知部117は、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されれば、その旨を端末装置55に報知するとよい。或いは、報知部117は、全ての乗車者からアルコールが検知されれば、その旨を端末装置55に報知してもよい。また、アルコールチェック指示部114がアルコールチェック部60に運転者のアルコールチェック処理を行うように指示したとする。その場合、報知部117は、運転者からアルコールが検知されれば、その旨を端末装置55に報知するとよい。本実施の形態では、鍵の返却が要求された際に、アルコールチェック処理の結果を外部に報知する制御部の一例として、報知部117を設けている。
【0035】
車両判定部118は、鍵管理装置10が設置された事業所が保有する車両に関する車両情報を取得する。車両情報は、事業者が保有する車両の台数と、各車両の乗車定員数と、各車両の用途とを含む情報であってよい。ここで、各車両の用途は、事業用であるか自家用であるかを区別する情報である。車両判定部118は、各車両の用途を、事業用及び自家用の何れが選択されたかを示す情報によって取得してもよいし、ナンバープレートの色情報(プレートの色及び文字の色)によって取得してもよい。本実施の形態では、車両に関する車両情報を受け付ける情報受付部の一例として、車両判定部118のこの機能を設けている。本実施の形態では、車両の台数と、各車両の乗車定員数と、各車両が自家用であるか事業用であるかの用途とを含む車両情報を受け付ける情報受付部の一例としても、車両判定部118のこの機能を設けている。
また、車両判定部118は、取得した車両情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。ここで、所定の条件とは、例えば、アルコール検知器を常時有効に保持し、アルコール検知器を用いて運転者に対してアルコールチェックを行う義務が生じる事業者の条件として道路交通法で定められた条件である。そのような条件としては、事業用の車両を有するという条件があるが、令和4年10月1日施行の道路交通法において、乗車定員数が11人以上の自家用の車両を1台以上又は乗車定員数に限らず自家用の車両を5台以上保有するという条件も追加される。
アルコールチェック有効化部119は、車両情報が上記所定の条件を満たすと車両判定部118が判定すれば、アルコールチェック部60を有効化する。例えば、アルコールチェック有効化部119は、事業所が事業用の車両を有するという条件を、車両情報が満たすと車両判定部118が判定すれば、アルコールチェック部60を有効化する。また、アルコールチェック有効化部119は、事業所が乗車定員数が11人以上の自家用の車両を1台以上又は乗車定員数に限らず自家用の車両を5台以上保有するという条件を、車両情報が満たすと車両判定部118が判定すれば、アルコールチェック部60を有効化する。尚、アルコールチェック有効化部119は、車両情報が上記所定の条件を満たさないと車両判定部118が判定した場合であっても、アルコールチェック部60を有効化してよい。本実施の形態では、情報受付部が受け付けた車両情報が所定の条件を満たす場合に、アルコールチェック部を動作可能な状態に制御する制御部の一例として、アルコールチェック有効化部119を設けている。本実施の形態では、情報受付部が受け付けた車両情報が、乗車定員数が11以上の自家用の車両の台数が1以上である、又は、自家用の車両の台数が5以上である、という条件を満たす場合に、アルコールチェック部を動作可能な状態に制御する制御部の一例としても、アルコールチェック有効化部119を設けている。
【0036】
(鍵管理装置の動作)
図5は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の鍵33の利用が要求された際の動作例を示したフローチャートである。
【0037】
鍵管理装置10では、まず、目的判定部111が、鍵33の利用目的を取得する(ステップ131)。
そして、目的判定部111は、鍵33の利用目的が車両の運転か否かを判定する(ステップ132)。
【0038】
まず、ステップ132で鍵33の利用目的が車両の運転であると判定された場合について説明する。
この場合、まず、免許証チェック指示部112が、免許証チェック部65に、車両に乗車する乗車者の運転免許証をチェックする免許証チェック処理を行うように指示する(ステップ133)。
その後、免許証チェック指示部112は、免許証チェック部65から返された免許証チェック処理の結果に基づいて、乗車者の運転免許証が有効であるか否かを判定する(ステップ134)。
【0039】
ステップ134で乗車者の運転免許証が有効であると判定されれば、乗車者判定部113が、乗車者に関する乗車者情報を取得する(ステップ135)。
そして、乗車者判定部113は、まず、乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示しているか否かを判定する(ステップ136)。
ステップ136で乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示していると判定すれば、乗車者判定部113は、次に、乗車者情報が運転者を特定する情報を含むか否かを判定する(ステップ137)。ステップ137で乗車者情報が運転者を特定する情報を含まないと判定されれば、アルコールチェック指示部114が、アルコールチェック部60に、複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示する(ステップ138)。
一方、ステップ136で乗車者情報が複数の乗車者が乗車しないことを示している、つまり1人の乗車者のみが乗車することを示していると判定されれば、その1人の乗車者が運転者であると推測される。従って、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60にその運転者のアルコールチェック処理を行うように指示する(ステップ139)。
また、ステップ137で乗車者情報が運転者を特定する情報を含むと判定すれば、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60に、その運転者のアルコールチェック処理を行うように指示する(ステップ139)。
【0040】
その後、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60から返されたアルコールチェック処理の結果に基づいて、乗車者からアルコールが検知されたか否かを判定する(ステップ140)。例えば、ステップ138でアルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示した場合、アルコールチェック指示部114は、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されたことをもって乗車者からアルコールが検知されたと判定するとよい。また、ステップ139でアルコールチェック部60に運転者のアルコールチェック処理を行うように指示した場合、アルコールチェック指示部114は、運転者からアルコールが検知されたことをもって乗車者からアルコールが検知されたと判定するとよい。
【0041】
ステップ140で乗車者からアルコールが検知されたと判定されれば、収納制御部115が、収納部24の錠機構241によってホルダ31の抜き取りが禁止されるように制御する(ステップ141)。
一方、ステップ140で乗車者からアルコールが検知されなかったと判定されれば、時間設定部116が、鍵33の予約期間の終了時までの時間Tmaxを、鍵33の利用可能時間Tにセットする(ステップ142)。その後、収納制御部115は、収納部24の錠機構241がホルダ31の抜き取りを許可するように制御する(ステップ143)。
【0042】
次に、ステップ132で鍵33の利用目的が車両の運転でないと判定された場合について説明する。
この場合、まず、時間設定部116は、車両の運転以外の各利用目的に応じた時間Tshortを、鍵33の利用可能時間Tにセットする(ステップ144)。その後、収納制御部115は、収納部24の錠機構241によってホルダ31の抜き取りが許可されるように制御する(ステップ143)。
【0043】
尚、上記動作例では、ステップ138でアルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示した場合、収納制御部115は、全ての乗車者からアルコールが検知されなければ、ホルダ31の抜き取りを許可するように制御したが、これには限らない。収納制御部115は、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されなければ、ホルダ31の抜き取りを許可するように制御してもよい。この場合は、アルコールが検知されなかった乗車者が車両を運転すると推測し、実際に誰が運転しているかを車内カメラで撮影することにより運転者の交代等の不正が行われないように牽制すればよい。
【0044】
また、上記動作例では、ステップ135で複数の乗車者が乗車することを示す乗車者情報を取得する機能や、ステップ135で運転者を特定する情報を含む乗車者情報を取得する機能を設けることとしたが、設定により、このような機能を設けないようにしてもよい。その場合、ステップ136では、複数の乗車者が乗車することを示す乗車者情報を取得する機能を設けない場合も、NOと判定されることになる。また、ステップ137では、運転者を特定する情報を含む乗車者情報を取得する機能を設けない場合も、NOと判定されることになる。
【0045】
図6は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の鍵33の返却が要求された際の動作例を示したフローチャートである。
【0046】
鍵管理装置10では、まず、目的判定部111が、鍵33の利用目的を取得する(ステップ151)。
そして、目的判定部111は、鍵33の利用目的が車両の運転か否かを判定する(ステップ152)。
【0047】
まず、ステップ152で鍵33の利用目的が車両の運転であると判定された場合について説明する。
この場合、乗車者判定部113が、乗車者に関する乗車者情報を取得する(ステップ153)。
そして、乗車者判定部113は、まず、乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示しているか否かを判定する(ステップ154)。
ステップ154で乗車者情報が複数の乗車者が乗車することを示していると判定すれば、乗車者判定部113は、次に、乗車者情報が運転者を特定する情報を含むか否かを判定する(ステップ155)。ステップ155で乗車者情報が運転者を特定する情報を含まないと判定されれば、アルコールチェック指示部114が、アルコールチェック部60に、複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示する(ステップ156)。
一方、ステップ154で乗車者情報が複数の乗車者が乗車しないことを示している、つまり1人の乗車者のみが乗車することを示していると判定されれば、その1人の乗車者が運転者であると推測される。従って、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60にその運転者のアルコールチェック処理を行うように指示する(ステップ157)。
また、ステップ155で乗車者情報が運転者を特定する情報を含むと判定すれば、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60に、その運転者のアルコールチェック処理を行うように指示する(ステップ157)。
【0048】
その後、アルコールチェック指示部114は、アルコールチェック部60から返されたアルコールチェック処理の結果に基づいて、乗車者からアルコールが検知されたか否かを判定する(ステップ158)。例えば、ステップ156でアルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示した場合、アルコールチェック指示部114は、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されたことをもって乗車者からアルコールが検知されたと判定するとよい。また、ステップ157でアルコールチェック部60に運転者のアルコールチェック処理を行うように指示した場合、アルコールチェック指示部114は、運転者からアルコールが検知されたことをもって乗車者からアルコールが検知されたと判定するとよい。
【0049】
ステップ158で乗車者からアルコールが検知されたと判定されれば、報知部117が、乗車者からアルコールが検知された旨を、端末装置55に報知する(ステップ159)。
一方、ステップ158で乗車者からアルコールが検知されなかったと判定されれば、報知部117は、乗車者からアルコールが検知された旨を、端末装置55に報知しない。
その後、収納制御部115が、収納部24の錠機構241によってホルダ31の収納が許可されるように制御する(ステップ160)。
【0050】
次に、ステップ152で鍵33の利用目的が車両の運転でないと判定された場合について説明する。
この場合、収納制御部115は、収納部24の錠機構241によってホルダ31の収納が許可されるように制御する(ステップ160)。
【0051】
尚、上記動作例では、ステップ156でアルコールチェック部60に複数の乗車者の全員のアルコールチェック処理を行うように指示した場合、報知部117は、全ての乗車者からアルコールが検知されなければ、乗車者からアルコールが検知された旨を報知しないようにしたが、これには限らない。報知部117は、少なくとも1人の乗車者からアルコールが検知されなければ、乗車者からアルコールが検知された旨を報知しないようにしてもよい。この場合は、アルコールが検知されなかった乗車者が車両を運転していたと推測し、実際に誰が運転していたかを車内カメラで撮影することにより運転者の交代等の不正が行われないように牽制すればよい。
【0052】
また、上記動作例では、ステップ153で複数の乗車者が乗車することを示す乗車者情報を取得する機能や、ステップ153で運転者を特定する情報を含む乗車者情報を取得する機能を設けることとしたが、設定により、このような機能を設けないようにしてもよい。その場合、ステップ154では、複数の乗車者が乗車することを示す乗車者情報を取得する機能を設けない場合も、NOと判定されることになる。また、ステップ155では、運転者を特定する情報を含む乗車者情報を取得する機能を設けない場合も、NOと判定されることになる。
【0053】
図7は、第1の実施の形態における鍵管理装置10のアルコールチェック部60の有効及び無効を切り替える際の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例は、鍵管理装置10が定期的に実行するとよい。
【0054】
鍵管理装置10では、まず、車両判定部118が、事業所が保有する車両に関する車両情報を取得する(ステップ171)。
次に、車両判定部118は、事業所が保有する車両の台数をカウントするための変数iを1に設定する(ステップ172)。そして、車両判定部118は、変数iを1ずつ増加させながら、ステップ173以降の処理を行う。
【0055】
即ち、車両判定部118は、i番目の車両が自家用の車両であるか否かを判定する(ステップ173)。そして、i番目の車両が自家用の車両でない、つまり事業用の車両であると判定されれば、アルコールチェック有効化部119は、アルコールチェック部60を有効化する(ステップ180)。
また、ステップ173でi番目の車両が自家用の車両であると判定すれば、車両判定部118は、自家用の車両の台数を1カウントアップする(ステップ174)。次に、車両判定部118は、i番目の車両の乗車定員数が11人以上であるか否かを判定する(ステップ175)。そして、i番目の車両の乗車定員数が11人以上であると判定すれば、アルコールチェック有効化部119は、アルコールチェック部60を有効化する(ステップ180)。
また、ステップ175でi番目の車両の乗車定員数が11人未満であると判定すれば、車両判定部118は、ステップ174で1カウントアップされた後の自家用の車両の台数が5以上であるか否かを判定する(ステップ176)。そして、自家用の車両の台数が5以上であると判定されれば、アルコールチェック有効化部119は、アルコールチェック部60を有効化する(ステップ180)。
また、ステップ176で自家用の車両の台数が5未満であると判定すれば、車両判定部118は、変数iに1を加算し(ステップ177)、変数iが事業所が保有する車両の台数未満であるか否かを判定する(ステップ178)。
【0056】
ステップ178で変数iが事業所が保有する車両の台数未満であると判定すれば、車両判定部118は、処理をステップ173へ戻す。
一方、ステップ178で変数iが事業所が保有する車両の台数以上であると判定されれば、アルコールチェック有効化部119は、所定の条件を満たさなくてもアルコールチェック部60を有効化する指示が行われたか否かを判定する(ステップ179)。尚、このような指示は、事前設定により行われてもよいし、所定の条件を満たさないことが分かった時点で行われた問い合わせに対する応答により行われてもよい。そして、所定の条件を満たさなくてもアルコールチェック部60を有効化する指示が行われたと判定すれば、アルコールチェック有効化部119は、アルコールチェック部60を有効化する(ステップ180)。また、所定の条件を満たさなくてもアルコールチェック部60を有効化する指示が行われていないと判定すれば、アルコールチェック有効化部119は、アルコールチェック部60を無効化する(ステップ181)。
【0057】
(効果)
第1の実施の形態では、鍵33の利用目的に応じて、アルコールチェック部60によるアルコールチェック処理の有無を切り替えるようにした。これにより、車両の鍵33を管理する鍵管理装置10において、鍵33を利用する際に常にアルコールチェック処理を行うことによる利便性の低下を抑制することが可能となった。
【0058】
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態における鍵管理装置10の構成を示す図である。第2の実施の形態では、第1の実施の形態における鍵管理装置10を、少なくとも制御部11を含む部分と、少なくとも収納部24を含む部分と、少なくとも表示操作部27を含む部分とに分け、これらを通信可能に接続し、別個の装置として設置している。以下では、少なくとも制御部11を含む装置を制御装置110と称し、少なくとも収納部24を含む装置を鍵管理装置200と称し、少なくとも表示操作部27を含む装置を受付装置270と称する。また、制御装置110と鍵管理装置200とを接続する通信回線を通信回線801と称し、制御装置110と受付装置270とを接続する通信回線を通信回線802と称する。更に、制御装置110と鍵管理装置200と受付装置270と通信回線801,802とからなるシステムを鍵管理システム100と称する。この鍵管理システム100には、
図1のアルコールチェック部60及び免許証チェック部65の両方又は一方を含めてもよい。
【0059】
第2の実施の形態では、鍵管理装置200は、第1の扉21と、第2の扉22と、鍵収納庫23とを備え、鍵収納庫23内に収納部24を備える。そして、鍵管理装置200は、プリンタ25と、鍵交換部26と、カードリーダ28とを更に備える。制御装置110は、少なくとも制御部11を備えていれば、その他に記憶部12等を備えてもよい。受付装置270は、少なくとも表示操作部27を備え、鍵33の利用目的を受け付けるものであればよい。また、制御装置110は、鍵管理装置200及び受付装置270と通信を行うため、鍵管理装置200は、制御装置110と通信を行うため、受付装置270は、制御装置110と通信を行うため、それぞれ通信部を備える。尚、各構成要素については、
図2及び
図4を参照して説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0060】
本実施の形態では、車両の鍵を収納可能な複数の鍵収納部の一例として、鍵管理装置200を設けている。また、本実施の形態では、鍵の利用目的を受け付ける目的受付部の一例として、受付装置270を設けている。更に、本実施の形態では、目的受付部が受け付けた鍵の利用目的に応じて、アルコールチェック部がアルコールチェック処理を行うか否かを制御する制御部の一例として、制御装置110を設けている。
【0061】
第2の実施の形態では、制御部11と、収納部24と、表示操作部27とが別個の装置内にある場合であっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0062】
[変形例]
上記では、複数の収納部24を、ホルダ31を挿入することにより収納するタイプのものとして説明したが、これには限らない。複数の収納部24は、例えば特開2021-75852号公報に示されるような、ホルダ31を筐体内に収容することにより収納するタイプのものであってもよい。この場合、複数の収納部24は、車両の鍵を収納可能な複数の鍵収納部の一例である。
上記では、鍵33は、物理鍵を想定して説明したが、物理鍵に限らず、カードキーやデジタルキーであってもよい。
【0063】
上記では言及しなかったが、車両内に運転者を撮影する撮影装置を設け、この撮影装置による撮影データと、指名された運転者の情報を含む鍵33の利用履歴とを紐付けて記憶しておいてもよい。また、撮影データに基づいて顔認証処理を行って得られる実際の運転者の情報と、指名された運転者の情報とが一致しているか否かをチェックするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…鍵貸出システム、10…鍵管理装置、11…制御部、12…記憶部、13…通信部、14…扉施錠機構、24…収納部、25…プリンタ、26…鍵交換部、27…表示操作部、28…カードリーダ、40…サーバ装置、50,55…端末装置、60…アルコールチェック部、65…免許証チェック部、100…鍵管理システム、110…制御装置、200…鍵管理装置、270…受付装置