(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164920
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20241121BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20241121BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241121BHJP
D06B 11/00 20060101ALI20241121BHJP
D06C 23/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B41J2/165 207
B41J2/17 207
B41J2/01 123
D06B11/00 A
D06C23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080647
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優和
(72)【発明者】
【氏名】小林 悟
【テーマコード(参考)】
2C056
3B154
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC23
2C056EC24
2C056EC54
2C056FA10
2C056FB03
2C056JC13
2C056JC23
3B154AB19
3B154AB27
3B154BA08
3B154BB33
3B154BB47
3B154BC08
3B154BC16
3B154BC22
3B154BD07
3B154DA13
(57)【要約】
【課題】グルーベルトの粘着性の低下を抑制できる液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】布帛21を搬送する搬送面17cに粘着剤が塗布されたグルーベルト17と、グルーベルト17が搬送する布帛21に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニット16と、第1方向D1及び第1方向D1とは反対の第2方向D2に液体吐出ユニット16を往復移動させる移動機構15と、往復移動する液体吐出ユニット16から、廃液として排出される第2液体を受容する柔軟剤受容部と、グルーベルト17の少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニット22と、を有し、第1液体は、第2液体と異なる液体であって、第2液体は、柔軟剤を含む液体であって、第1ノズル群は、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちし、第2ノズル群は、柔軟剤受容部に対して第2液体を捨て打ちする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布帛を搬送する搬送面に粘着剤が塗布されたグルーベルトと、
前記グルーベルトが搬送する布帛に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニットと、
第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に前記液体吐出ユニットを往復移動させる移動機構と、
前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第2液体を受容する柔軟剤受容部と、
前記グルーベルトの少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニットと、
を有し、
前記第1液体は、前記第2液体と異なる液体であって、
前記第2液体は、柔軟剤を含む液体であって、
前記第1ノズル群は、前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちし、
前記第2ノズル群は、前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちすることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記液体吐出ユニットは、第3液体を吐出可能な第3ノズル群を更に有し、
前記第3液体は、前記第1液体を凝集させる成分を有する凝集剤を含む液体であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第3液体を受容する凝集剤受容部を更に有し、
前記第3ノズル群は、前記凝集剤受容部に対して前記第3液体を捨て打ちすることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第2ノズル群は、前記グルーベルトによって搬送される布帛の搬送方向において前記第1ノズル群と前記第3ノズル群より下流に設けられることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記凝集剤受容部は、前記グルーベルトに対して前記第1方向に位置し、
前記第3ノズル群は、前記第2ノズル群に対して前記第1方向に位置し、
前記柔軟剤受容部は、前記第1方向において、前記グルーベルトと前記凝集剤受容部との間に配置されることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
メンテナンス領域に設けられた第1メンテナンス受容部と第2メンテナンス受容部とを更に有し、
前記グルーベルトが布帛を搬送している際、
前記第1ノズル群は、前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちし、
前記第2ノズル群は、前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちし、
前記グルーベルトが布帛の搬送を停止している際、
前記第1ノズル群は、前記第1メンテナンス受容部に対して前記第1液体を捨て打ちし、
前記第2ノズル群は、前記第1メンテナンス受容部に対して前記第2液体を捨て打ちし、
前記第3ノズル群は、前記第2メンテナンス受容部に対して前記第3液体を捨て打ちすることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
布帛を搬送する搬送面に粘着剤が塗布されたグルーベルトと、
前記グルーベルトが搬送する布帛に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニットと、
第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に、前記液体吐出ユニットを往復移動させる移動機構と、
前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第2液体を受容する柔軟剤受容部と、
前記グルーベルトの少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニットと、
を有し、
前記第1液体は、前記第2液体と異なる液体であって、
前記第2液体は、柔軟剤を含む液体である液体吐出装置の制御方法であって、
前記第1ノズル群が前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちすることと、
前記第2ノズル群が前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちすることと、
を含むことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、インクジェットヘッドから液体の一例であるインクを吐出して印刷する液体吐出装置の一例である印刷装置がある。インクジェットヘッドは、グルーベルトの一例である搬送ベルトにより搬送される布帛の一例である記録媒体にノズルからインクを吐出して印刷を行う。
【0003】
印刷装置は、ノズルの目詰まりを防止するために行うインクの捨て打ちを搬送ベルト上のフラッシング領域に向けて行う。印刷装置は、洗浄ユニットの一例であるベルト洗浄ユニットによって搬送ベルトに付着したインクを洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷に柔軟剤を用いると、印刷の発色性を高めることができる。しかし、グルーベルトに付着した柔軟剤は、洗浄によって取り除くことが難しい。グルーベルトから柔軟剤を取り除く場合、柔軟剤と共にグルーベルトの粘着成分が取れてしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置は、布帛を搬送する搬送面に粘着剤が塗布されたグルーベルトと、前記グルーベルトが搬送する布帛に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニットと、第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に前記液体吐出ユニットを往復移動させる移動機構と、前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第2液体を受容する柔軟剤受容部と、前記グルーベルトの少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニットと、を有し、前記第1液体は、前記第2液体と異なる液体であって、前記第2液体は、柔軟剤を含む液体であって、前記第1ノズル群は、前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちし、前記第2ノズル群は、前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちする。
【0007】
上記課題を解決する液体吐出装置の制御方法は、布帛を搬送する搬送面に粘着剤が塗布されたグルーベルトと、前記グルーベルトが搬送する布帛に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニットと、第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に、前記液体吐出ユニットを往復移動させる移動機構と、前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第2液体を受容する柔軟剤受容部と、前記グルーベルトの少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニットと、を有し、前記第1液体は、前記第2液体と異なる液体であって、前記第2液体は、柔軟剤を含む液体である液体吐出装置の制御方法であって、前記第1ノズル群が前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちすることと、前記第2ノズル群が前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちすることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、液体吐出装置の一実施形態の模式図である。
【
図3】
図3は、液体吐出ユニットとメンテナンス部の模式図である。
【
図4】
図4は、液体吐出ユニットとメンテナンス部の模式図である。
【
図5】
図5は、液体吐出ユニットとメンテナンス部の模式図である。
【
図6】
図6は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図7】
図7は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図8】
図8は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図9】
図9は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図10】
図10は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図11】
図11は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図12】
図12は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図13】
図13は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図14】
図14は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図15】
図15は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図16】
図16は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図17】
図17は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図18】
図18は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図19】
図19は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図20】
図20は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【
図21】
図21は、液体吐出ユニットとグルーベルトの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法の一実施形態について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、布帛に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0010】
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0011】
<液体吐出装置>
図1に示すように、液体吐出装置11は、制御部12と、搬送機構13と、洗浄機構14と、移動機構15と、液体吐出ユニット16と、を備える。
【0012】
制御部12は、液体吐出装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する。
制御部12は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0013】
搬送機構13は、グルーベルト17を備える。搬送機構13は、2以上の搬送ローラー18と、駆動源19と、押付部20と、を備えてもよい。搬送機構13は、例えば、2つの搬送ローラー18を備える。駆動源19は、少なくとも1つの搬送ローラー18を回転させる。
【0014】
グルーベルト17は、2以上の搬送ローラー18に巻き掛けられる。グルーベルト17は、内周面17iと、搬送面17cと、を有する。内周面17iは、2以上の搬送ローラー18に接触する面である。搬送面17cは、外側の面である。搬送面17cは、布帛21を搬送する面である。搬送面17cには、粘着剤が塗布されている。グルーベルト17は、布帛21を搬送面17cに接着することで支持する。
【0015】
グルーベルト17は、駆動源19が搬送ローラー18を回転させるのに伴って周回する。グルーベルト17は、
図1において、反時計回り方向に周回することで、布帛21を搬送方向Dcに搬送する。グルーベルト17は、布帛21を接着させた状態で搬送するため、布帛21を安定した姿勢で搬送することができる。
【0016】
布帛21は、搬送機構13によって搬送された後、例えば別の装置に引っ張られることによって、搬送面17cから引き剥がされる。搬送機構13は、搬送面17cから布帛21を引き剥がす引き剥がし部を備えてもよい。引き剥がし部は、例えば、布帛21が巻き掛けられるローラーである。
【0017】
押付部20は、布帛21をグルーベルト17に押し付けるように構成される。押付部20は、例えば、ローラーである。押付部20が布帛21をグルーベルト17に押し付けることによって、布帛21が搬送面17cに接着される。
【0018】
<洗浄機構>
図1に示すように、洗浄機構14は、洗浄ユニット22と、乾燥部23と、を備えてもよい。
【0019】
洗浄ユニット22は、グルーベルト17の少なくとも一部を洗浄するように構成される。洗浄ユニット22は、ブラシ24と、貯留槽25と、を備えてもよい。
ブラシ24は、搬送面17cに接触することによって、搬送面17cを洗浄する。これにより、搬送面17cから異物が取り除かれる。その結果、布帛21に汚れが転写するおそれ、布帛21に対する接着力を損なうおそれなどが低減される。ブラシ24は、グルーベルト17に接触することによって従動するように回転してもよいし、図示しないモーターの駆動によって回転してもよい。
【0020】
貯留槽25は、洗浄液を貯留するように構成される。洗浄液は、グルーベルト17を洗浄するための液体である。洗浄液は、例えば、水である。貯留槽25に貯留される洗浄液は、所定時間ごとに所定量の新しい洗浄液と入れ替わるように、供給及び排出されてもよい。
【0021】
貯留槽25は、貯留する洗浄液にブラシ24の一部が浸かるように位置する。換言すると、ブラシ24は、一部が洗浄液に浸かる。ブラシ24は、洗浄液で濡れた状態で搬送面17cに接触する。その結果、搬送面17cから異物を取り除きやすくなる。
【0022】
乾燥部23は、洗浄ユニット22によって洗浄された後の搬送面17cを乾燥させるように構成される。洗浄液で濡れたブラシ24によってグルーベルト17を洗浄すると、搬送面17cは洗浄液で濡れる。そのため、乾燥部23は、洗浄液で濡れた搬送面17cを乾燥させる。乾燥部23は、例えば、搬送面17cを加熱することによって搬送面17cを乾燥させてもよいし、搬送面17cに空気を吹き付けることによって搬送面17cを乾燥させてもよい。
【0023】
<移動機構>
移動機構15は、第1方向D1及び第2方向D2に液体吐出ユニット16を往復移動させる。第2方向D2は、第1方向D1とは反対の方向である。本実施形態の第1方向D1と第2方向D2は、X軸に平行な方向である。
【0024】
<液体吐出ユニット>
液体吐出ユニット16は、搬送される布帛21に対して液体を吐出可能である。液体吐出ユニット16は、キャリッジ26と、1以上のヘッド27と、を備えてもよい。ヘッド27は、キャリッジ26に搭載される。
【0025】
ヘッド27は、液体を吐出するように構成される。ヘッド27は、布帛21に対して走査する。ヘッド27は、第1方向D1もしくは第2方向D2に移動しながら液体を吐出することで、グルーベルト17に支持される布帛21に印刷する。ヘッド27は、搬送が停止された状態の布帛21に液体を吐出する。本実施形態の液体吐出装置11は、シリアルプリンターである。
【0026】
ヘッド27は、ノズル面28を有する。ノズル面28には、複数のノズル29が開口する。複数のノズル29のうち、同じ種類の液体を吐出するノズル29のまとまりをノズル群30ともいう。液体吐出ユニット16は、複数のノズル群30を有する。複数のノズル群30は、それぞれ異なる液体を吐出してもよい。複数のノズル群30は、少なくとも2つが同じ液体を吐出してもよい。液体吐出ユニット16は、グルーベルト17が搬送する布帛21に対し、複数のノズル群30から液体を吐出して印刷を行う。
【0027】
図2に示すように、本実施形態の液体吐出ユニット16は、13個のヘッド27を備える。複数のヘッド27を区別する場合には、第1ヘッド27a~第13ヘッド27mともいう。第1ヘッド27a~第9ヘッド27iは、第1方向D1に並んで設けられてもよい。第10ヘッド27j~第13ヘッド27mは、第1方向D1に並んで設けられてもよい。第10ヘッド27j~第13ヘッド27mは、第1ヘッド27a~第9ヘッド27iより搬送方向Dcの下流に設けられてもよい。
【0028】
第1ヘッド27aと第10ヘッド27jは、搬送方向Dcに並んで設けられてもよい。第4ヘッド27dと第11ヘッド27kは、搬送方向Dcに並んで設けられてもよい。第6ヘッド27fと第12ヘッド27lは、搬送方向Dcに並んで設けられてもよい。第9ヘッド27iと第13ヘッド27mは、搬送方向Dcに並んで設けられてもよい。
【0029】
本実施形態では、液体吐出ユニット16が備える複数のノズル群30を、第1ノズル群30f、第2ノズル群30s、及び第3ノズル群30tともいう。すなわち、液体吐出ユニット16は、第1ノズル群30fと、第2ノズル群30sと、を有する。液体吐出ユニット16は、第3ノズル群30tを有してもよい。液体吐出ユニット16は、複数の第1ノズル群30fと、複数の第2ノズル群30sと、複数の第3ノズル群30tと、を有してもよい。本実施形態の1つのヘッド27は、複数の第1ノズル群30f、複数の第2ノズル群30s、及び複数の第3ノズル群30tのうち2つを有してもよい。
【0030】
ノズル群30は、1以上のノズル列32を有してもよい。ノズル列32は、搬送方向Dcに並ぶ複数のノズル29により構成される。本実施形態では、4つのノズル列32によってノズル群30が構成される。1つのノズル群30を構成する4つのノズル列32は、第1方向D1及び搬送方向Dcにおいてそれぞれずれるように位置する。
【0031】
例えば第1ヘッド27a~第4ヘッド27d、第6ヘッド27f~第10ヘッド27j、及び第13ヘッド27mは、それぞれ2つの第1ノズル群30fを有する。例えば第5ヘッド27eは、2つの第3ノズル群30tを有する。例えば第11ヘッド27kと第12ヘッド27lは、それぞれ2つの第2ノズル群30sを有する。
【0032】
第1ノズル群30fは、第1液体を吐出可能である。第1液体は、第2液体とは異なる液体である。第1液体は、例えば水性インクである。第1液体は、例えば、布帛21に印刷される画像の色を構成するインクである。第1液体は、例えば、顔料インクである。第1液体は、例えば透明なオーバーコートインクを含んでもよい。複数の第1ノズル群30fは、それぞれ異なる色のインクを吐出可能であってもよい。
【0033】
第2ノズル群30sは、第2液体を吐出可能である。第2液体は柔軟剤を含む液体である。柔軟剤としては、布帛21に柔軟性かつ撥水性を付与できるものであれば特に限定されないが、シリコーン化合物が好ましい。シリコーン化合物の例としては、ジメチルシリコーンオイルが挙げられる。第2ノズル群30sは、布帛21に第2液体を吐出する柔軟処理を実行可能である。柔軟処理を行うことにより、印刷される画像の発色性を高めることができる。
【0034】
第3ノズル群30tは、第3液体を吐出可能である。第3液体は、第1液体を凝集させる成分を有する凝集剤を含む液体である。第3液体は、布帛21に付着した第1液体を定着させる。
【0035】
第2ノズル群30sは、搬送方向Dcにおいて第1ノズル群30fと第3ノズル群30tより下流に設けられてもよい。例えば第2ノズル群30sを有する第11ヘッド27kと第12ヘッド27lは、第1ノズル群30fと第3ノズル群30tを有する第1ヘッド27a~第9ヘッド27iより搬送方向Dcの下流に設けられてもよい。
【0036】
第5ヘッド27eは、第11ヘッド27kより第1方向D1に位置する。すなわち、第5ヘッド27eに設けられる第3ノズル群30tは、第11ヘッド27kに設けられる第2ノズル群30sに対して第1方向D1に位置する。
【0037】
第5ヘッド27eは、第12ヘッド27lより第2方向D2に位置する。すなわち、第5ヘッド27eに設けられる第3ノズル群30tは、第12ヘッド27lに設けられる第2ノズル群30sに対して第2方向D2に位置する。
【0038】
<メンテナンス部>
図3に示すように、液体吐出装置11は、メンテナンス部34を備えてもよい。メンテナンス部34は、キャップ35と、第1メンテナンス受容部36と、第2メンテナンス受容部37と、を有してもよい。キャップ35、第1メンテナンス受容部36、及び第2メンテナンス受容部37は、メンテナンス領域MAに設けられてもよい。キャップ35、第1メンテナンス受容部36、及び第2メンテナンス受容部37は、この順に第2方向D2に並んで設けられてもよい。
【0039】
液体吐出ユニット16は、印刷を行わない待機時に、ホーム位置HPに位置してもよい。キャップ35は、ホーム位置HPに位置する液体吐出ユニット16に接触して、液体吐出ユニット16をキャッピングする。
【0040】
液体吐出ユニット16は、印刷を行う前、ヘッド27から液体を強制的に排出させるクリーニングの後などに、ノズル29から液体を廃液として吐出させる捨て打ちを行ってもよい。液体の捨て打ちは、フラッシングともいわれる。
【0041】
<液体吐出装置の制御方法>
グルーベルト17が布帛21の搬送を停止している際、液体吐出ユニット16は、第1メンテナンス受容部36と第2メンテナンス受容部37に対して液体を捨て打ちする。液体吐出ユニット16は、ホーム位置HPから第2方向D2に移動して液体の捨て打ちを行う。
【0042】
図4に示すように、液体吐出ユニット16は、第1メンテナンス位置に移動する。第1メンテナンス位置は、第1ヘッド27a~第4ヘッド27d、第10ヘッド27j、及び第11ヘッド27kが第1メンテナンス受容部36と対向する位置である。液体吐出ユニット16は、第1メンテナンス位置において、第1ヘッド27a~第4ヘッド27d、第10ヘッド27j、及び第11ヘッド27kに捨て打ちさせる。
【0043】
すなわち、第1ヘッド27a~第4ヘッド27d及び第10ヘッド27jの第1ノズル群30fは、第1メンテナンス受容部36に対して第1液体を捨て打ちする。第11ヘッド27kの第2ノズル群30sは、第1メンテナンス受容部36に対して第2液体を捨て打ちする。
【0044】
図5に示すように、液体吐出ユニット16は、第2メンテナンス位置に移動する。第2メンテナンス位置は、第5ヘッド27eが第2メンテナンス受容部37と対向し、第6ヘッド27f~第9ヘッド27i、第12ヘッド27l、及び第13ヘッド27mが第1メンテナンス受容部36と対向する位置である。液体吐出ユニット16は、第2メンテナンス位置において、第5ヘッド27e~第9ヘッド27i、第12ヘッド27l、及び第13ヘッド27mに捨て打ちさせる。
【0045】
すなわち、第5ヘッド27eの第3ノズル群30tは、第2メンテナンス受容部37に対して第3液体を捨て打ちする。第6ヘッド27f~第9ヘッド27i及び第13ヘッド27mの第1ノズル群30fは、第1メンテナンス受容部36に対して第1液体を捨て打ちする。第12ヘッド27lの第2ノズル群30sは、第1メンテナンス受容部36に対して第2液体を捨て打ちする。
【0046】
<柔軟剤受容部と凝集剤受容部>
図6に示すように、液体吐出装置11は、柔軟剤受容部39を備える。液体吐出装置11は、凝集剤受容部40を備えてもよい。液体吐出装置11は、複数の柔軟剤受容部39と、複数の凝集剤受容部40と、を備えてもよい。本実施形態の液体吐出装置11は、第1柔軟剤受容部39fと、第2柔軟剤受容部39sと、第1凝集剤受容部40fと、第2凝集剤受容部40sと、を備える。
【0047】
グルーベルト17、第1柔軟剤受容部39f、第2柔軟剤受容部39s、第1凝集剤受容部40f、及び第2凝集剤受容部40sは、印刷領域PAに設けられてもよい。印刷領域PAは、布帛21に印刷を行う領域である。印刷領域PAは、布帛21に印刷を行っている際にヘッド27と対向する領域であってもよい。ヘッド27は、印刷領域PAにおいて、布帛21に印刷を行う。第1柔軟剤受容部39f、第2柔軟剤受容部39s、第1凝集剤受容部40f、及び第2凝集剤受容部40sのそれぞれとグルーベルト17との距離は、メンテナンス部34とグルーベルト17との距離より短い。
【0048】
第1柔軟剤受容部39fと第2柔軟剤受容部39sは、第1方向D1にグルーベルト17を挟んで設けられる。第1凝集剤受容部40fと第2凝集剤受容部40sは、第1方向D1にグルーベルト17、第1柔軟剤受容部39f、及び第2柔軟剤受容部39sを挟んで設けられる。
【0049】
第1柔軟剤受容部39fと第1凝集剤受容部40fは、グルーベルト17に対して第1方向D1に位置してもよい。第1柔軟剤受容部39fは、第1方向D1において、グルーベルト17と第1凝集剤受容部40fとの間に配置される。
【0050】
第2柔軟剤受容部39sと第2凝集剤受容部40sは、グルーベルト17に対して第2方向D2に位置してもよい。第2柔軟剤受容部39sは、第2方向D2において、グルーベルト17と第2凝集剤受容部40sとの間に配置される。
【0051】
<液体吐出装置の制御方法>
グルーベルト17が布帛21の搬送をしている際、液体吐出ユニット16は、グルーベルト17と、柔軟剤受容部39と、凝集剤受容部40と、に対して液体を捨て打ちする。すなわち、液体吐出ユニット16は、印刷の途中に行う捨て打ちを、グルーベルト17と、柔軟剤受容部39と、凝集剤受容部40と、に対して行う。布帛21に印刷を行う際、制御部12は、グルーベルト17の回転と、液体吐出ユニット16の移動と、を交互に実行する。グルーベルト17が回転すると、洗浄機構14がグルーベルト17を洗浄する。洗浄機構14がグルーベルト17の洗浄をする場合、液体吐出ユニット16は、グルーベルト17に液体を捨て打ちする。
【0052】
布帛21に印刷を行う場合、液体吐出ユニット16は、
図6に示す第1端位置と、
図14に示す第2端位置と、の間を往復移動する。液体吐出ユニット16は、布帛21に向けて液体を吐出して印刷を行う。液体吐出ユニット16は、布帛21とは異なるものに向けて液体を吐出することで、液体を廃液として排出する。
【0053】
図6に示す液体吐出ユニット16は、第1端位置に位置する。第1ヘッド27a及び第10ヘッド27jは、グルーベルト17と対向する。第4ヘッド27dと第11ヘッド27kは、第1柔軟剤受容部39fと対向する。第5ヘッド27eは、第1凝集剤受容部40fと対向する。
【0054】
第1ヘッド27a及び第10ヘッド27jの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。第4ヘッド27dは、捨て打ちを行わない。第11ヘッド27kの第2ノズル群30sは、第1柔軟剤受容部39fに対して第2液体を捨て打ちする。第5ヘッド27eの第3ノズル群30tは、第1凝集剤受容部40fに対して第3液体を捨て打ちする。
【0055】
移動機構15は、液体吐出ユニット16を第2方向D2に移動させる。液体吐出ユニット16は、1つのヘッド27の大きさの分だけ移動する度に、一部のヘッド27に液体を捨て打ちさせる。
図6~
図21では、捨て打ちを行うヘッド27を網掛けで示す。
【0056】
図7に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第2ヘッド27bがグルーベルト17と対向するタイミングで第2ヘッド27bから液体を吐出する。第2ヘッド27bの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0057】
図8に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第3ヘッド27cがグルーベルト17と対向するタイミングで第3ヘッド27cから液体を吐出する。第3ヘッド27cの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。このとき、第12ヘッド27lは、第1柔軟剤受容部39fと対向する。第12ヘッド27lの第2ノズル群30sは、第1柔軟剤受容部39fに対して第2液体を捨て打ちする。
【0058】
図9に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第4ヘッド27dと第11ヘッド27kがグルーベルト17と対向するタイミングで第4ヘッド27dから液体を吐出する。第4ヘッド27dの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0059】
液体吐出ユニット16は、第5ヘッド27eがグルーベルト17と対向するタイミングでは液体の捨て打ちを行わないため、図示を省略する。
図10に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第6ヘッド27fと第12ヘッド27lがグルーベルト17と対向するタイミングで第6ヘッド27fから液体を吐出する。第6ヘッド27fの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0060】
図11に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第7ヘッド27gがグルーベルト17と対向するタイミングで第7ヘッド27gから液体を吐出する。第7ヘッド27gの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0061】
図12に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第8ヘッド27hがグルーベルト17と対向するタイミングで第8ヘッド27hから液体を吐出する。第8ヘッド27hの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0062】
図13に示すように、第2方向D2に移動する液体吐出ユニット16は、第9ヘッド27iと第13ヘッド27mがグルーベルト17と対向するタイミングで第9ヘッド27iと第13ヘッド27mから液体を吐出する。第9ヘッド27iと第13ヘッド27mの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。液体吐出ユニット16は、
図14に示す第2端位置まで第2方向D2に移動する。
【0063】
図14に示す液体吐出ユニット16は、第2端位置に位置する。第9ヘッド27i及び第13ヘッド27mは、グルーベルト17と対向する。第6ヘッド27fと第12ヘッド27lは、第2柔軟剤受容部39sと対向する。第5ヘッド27eは、第2凝集剤受容部40sと対向する。
【0064】
第9ヘッド27i及び第13ヘッド27mの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。第6ヘッド27fは、捨て打ちを行わない。第12ヘッド27lの第2ノズル群30sは、第2柔軟剤受容部39sに対して第2液体を捨て打ちする。第5ヘッド27eの第3ノズル群30tは、第2凝集剤受容部40sに対して第3液体を捨て打ちする。移動機構15は、液体吐出ユニット16を第1方向D1に移動させる。
【0065】
図15に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第8ヘッド27hがグルーベルト17と対向するタイミングで第8ヘッド27hから液体を吐出する。第8ヘッド27hの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0066】
図16に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第7ヘッド27gがグルーベルト17と対向するタイミングで第7ヘッド27gから液体を吐出する。第7ヘッド27gの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。このとき、第11ヘッド27kは、第2柔軟剤受容部39sと対向する。第11ヘッド27kの第2ノズル群30sは、第2柔軟剤受容部39sに対して第2液体を捨て打ちする。
【0067】
図17に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第6ヘッド27fと第12ヘッド27lがグルーベルト17と対向するタイミングで第6ヘッド27fから液体を吐出する。第6ヘッド27fの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0068】
液体吐出ユニット16は、第5ヘッド27eがグルーベルト17と対向するタイミングでは液体の捨て打ちを行わないため、図示を省略する。
図18に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第4ヘッド27dと第11ヘッド27kがグルーベルト17と対向するタイミングで第4ヘッド27dから液体を吐出する。第4ヘッド27dの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0069】
図19に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第3ヘッド27cがグルーベルト17と対向するタイミングで第3ヘッド27cから液体を吐出する。第3ヘッド27cの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0070】
図20に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第2ヘッド27bがグルーベルト17と対向するタイミングで第2ヘッド27bから液体を吐出する。第2ヘッド27bの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。
【0071】
図21に示すように、第1方向D1に移動する液体吐出ユニット16は、第1ヘッド27aと第10ヘッド27jがグルーベルト17と対向するタイミングで第1ヘッド27aと第10ヘッド27jから液体を吐出する。第1ヘッド27aと第10ヘッド27jの第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちする。液体吐出ユニット16は、第1端位置まで第1方向D1に移動する。
【0072】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
グルーベルト17は、布帛21を支持すると共に、廃液として排出される第1液体を受容する。グルーベルト17に受容された第1液体は、洗浄ユニット22により洗浄される。
【0073】
第1柔軟剤受容部39fと第2柔軟剤受容部39sは、移動機構15によって往復移動する液体吐出ユニット16から、廃液として排出される第2液体を受容する。第1凝集剤受容部40fと第2凝集剤受容部40sは、移動機構15によって往復移動する液体吐出ユニット16から、廃液として排出される第3液体を受容する。
【0074】
<第1実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)第2ノズル群30sは、柔軟剤を含む第2液体を柔軟剤受容部39に対して捨て打ちする。そのため、例えば第2液体をグルーベルト17に捨て打ちする場合に比べ、グルーベルト17の粘着性の低下を抑制できる。
【0075】
(2)第3ノズル群30tは、第3液体を吐出可能である。第3液体は、第1液体を凝集せるため、印刷の品質を高めることができる。
(3)第3液体をグルーベルト17に捨て打ちすると、グルーベルト17上で第1液体が凝集し、洗浄が難しくなる虞がある。その点、第3ノズル群30tは、第3液体を凝集剤受容部40に対して捨て打ちする。したがって、グルーベルト17上での第1液体の凝集を抑制できる。
【0076】
(4)第2ノズル群30sは、第1ノズル群30f及び第3ノズル群30tより搬送方向Dcの下流に設けられる。すなわち、第2ノズル群30sは、第1液体及び第3液体が付着した布帛21に対して第2液体を吐出するため、表面を滑らかにして発色性を高めることができる。
【0077】
(5)グルーベルト17、第1柔軟剤受容部39f、及び第1凝集剤受容部40fは、この順で第1方向D1に並ぶ。第3ノズル群30tは、第11ヘッド27kの第2ノズル群30sより第1方向D1に配置される。したがって、第11ヘッド27kの第2ノズル群30sを第3ノズル群30tより第1方向D1に配置させる場合に比べ、液体吐出ユニット16を往復移動させる距離を短くすることができる。
【0078】
(6)布帛21の搬送を停止している際、液体吐出ユニット16は、メンテナンス領域MAに位置する。第1メンテナンス受容部36と第2メンテナンス受容部37は、メンテナンス領域MAに設けられる。そのため、布帛21の搬送を停止している際、第1液体、第2液体、及び第3液体を第1メンテナンス受容部36と第2メンテナンス受容部37に対して捨て打つことで、捨て打ちにかかる時間を短縮することができる。
【0079】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0080】
・液体吐出ユニット16は、グルーベルト17が布帛21の搬送を停止している際、グルーベルト17、柔軟剤受容部39、及び凝集剤受容部40に捨て打ちしてもよい。すなわち、第1ノズル群30fは、グルーベルト17に対して第1液体を捨て打ちしてもよい。第2ノズル群30sは、第1柔軟剤受容部39fもしくは第2柔軟剤受容部39sに対して第2液体を捨て打ちしてもよい。第3ノズル群30tは、第1凝集剤受容部40fもしくは第2凝集剤受容部40sに第3液体を捨て打ちしてもよい。
【0081】
・第3ノズル群30tは、第1方向D1において第2ノズル群30sと同じ位置に位置してもよい。例えば、第4ヘッド27dと第6ヘッド27fの少なくとも一方は、第3ノズル群30tを有してもよい。
【0082】
・第1凝集剤受容部40fは、第1方向D1においてグルーベルト17と第1柔軟剤受容部39fとの間に配置されてもよい。
・第2凝集剤受容部40sは、第2方向D2においてグルーベルト17と第2柔軟剤受容部39sとの間に配置されてもよい。
【0083】
・第2ノズル群30sは、搬送方向Dcにおいて第1ノズル群30f及び第3ノズル群30tと同じ位置に設けられてもよい。第2ノズル群30sは、搬送方向Dcにおいて第1ノズル群30f及び第3ノズル群30tより上流に設けられてもよい。
【0084】
・メンテナンス領域MAと印刷領域PAは、第1方向D1に隣り合って設けられてもよい。例えば、第1柔軟剤受容部39f、第1凝集剤受容部40f、及びメンテナンス部34は、第1方向D1に並んで設けられてもよい。この場合、メンテナンス部34は、第2メンテナンス受容部37を備えてない構成としてもよい。液体吐出ユニット16が第2メンテナンス位置に位置するとき、第5ヘッド27eが第1凝集剤受容部40fと対向し、第6ヘッド27f~第9ヘッド27i、第12ヘッド27l、及び第13ヘッド27mが第1メンテナンス受容部36と対向してもよい。第5ヘッド27eの第3ノズル群30tは、第1凝集剤受容部40fに対して第3液体を捨て打ちしてもよい。
【0085】
・液体吐出装置11は、凝集剤受容部40を備えない構成としてもよい。第3ノズル群30tは、グルーベルト17もしくは柔軟剤受容部39に対して第3液体を捨て打ちしてもよい。
【0086】
・液体吐出装置11は、第3ノズル群30tを有さない構成であってもよい。
・複数のヘッド27のうち、第2ノズル群30sを設けるヘッド27は、任意に選択してもよい。
【0087】
・液体吐出ユニット16は、1つのヘッド27を有してもよい。液体吐出ユニット16は、1つのヘッド27に1以上の第1ノズル群30fと、1以上の第2ノズル群30sと、を設けてもよい。
【0088】
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0089】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0090】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0091】
(A)液体吐出装置は、布帛を搬送する搬送面に粘着剤が塗布されたグルーベルトと、前記グルーベルトが搬送する布帛に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニットと、第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に前記液体吐出ユニットを往復移動させる移動機構と、前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第2液体を受容する柔軟剤受容部と、前記グルーベルトの少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニットと、を有し、前記第1液体は、前記第2液体と異なる液体であって、前記第2液体は、柔軟剤を含む液体であって、前記第1ノズル群は、前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちし、前記第2ノズル群は、前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちする。
【0092】
この構成によれば、第2ノズル群は、柔軟剤を含む第2液体を柔軟剤受容部に対して捨て打ちする。そのため、例えば第2液体をグルーベルトに捨て打ちする場合に比べ、グルーベルトの粘着性の低下を抑制できる。
【0093】
(B)液体吐出装置において、前記液体吐出ユニットは、第3液体を吐出可能な第3ノズル群を更に有し、前記第3液体は、前記第1液体を凝集させる成分を有する凝集剤を含む液体であってもよい。
【0094】
この構成によれば、第3ノズル群は、第3液体を吐出可能である。第3液体は、第1液体を凝集せるため、印刷の品質を高めることができる。
(C)液体吐出装置は、前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第3液体を受容する凝集剤受容部を更に有し、前記第3ノズル群は、前記凝集剤受容部に対して前記第3液体を捨て打ちしてもよい。
【0095】
第3液体をグルーベルトに捨て打ちすると、グルーベルト上で第1液体が凝集し、洗浄が難しくなる虞がある。その点、この構成によれば、第3ノズル群は、第3液体を凝集剤受容部に対して捨て打ちする。したがって、グルーベルト上での第1液体の凝集を抑制できる。
【0096】
(D)液体吐出装置において、前記第2ノズル群は、前記グルーベルトによって搬送される布帛の搬送方向において前記第1ノズル群と前記第3ノズル群より下流に設けられてもよい。
【0097】
この構成によれば、第2ノズル群は、第1ノズル群及び第3ノズル群より搬送方向の下流に設けられる。すなわち、第2ノズル群は、第1液体及び第3液体が付着した布帛に対して第2液体を吐出するため、表面を滑らかにして発色性を高めることができる。
【0098】
(E)液体吐出装置において、前記凝集剤受容部は、前記グルーベルトに対して前記第1方向に位置し、前記第3ノズル群は、前記第2ノズル群に対して前記第1方向に位置し、前記柔軟剤受容部は、前記第1方向において、前記グルーベルトと前記凝集剤受容部との間に配置されてもよい。
【0099】
この構成によれば、グルーベルト、柔軟剤受容部、及び凝集剤受容部は、この順で第1方向に並ぶ。第3ノズル群は、第2ノズル群より第1方向に配置される。したがって、第2ノズル群を第3ノズル群より第1方向に配置させる場合に比べ、液体吐出ユニットを往復移動させる距離を短くすることができる。
【0100】
(F)液体吐出装置は、メンテナンス領域に設けられた第1メンテナンス受容部と第2メンテナンス受容部とを更に有し、前記グルーベルトが布帛を搬送している際、前記第1ノズル群は、前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちし、前記第2ノズル群は、前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちし、前記グルーベルトが布帛の搬送を停止している際、前記第1ノズル群は、前記第1メンテナンス受容部に対して前記第1液体を捨て打ちし、前記第2ノズル群は、前記第1メンテナンス受容部に対して前記第2液体を捨て打ちし、前記第3ノズル群は、前記第2メンテナンス受容部に対して前記第3液体を捨て打ちしてもよい。
【0101】
布帛の搬送を停止している際、液体吐出ユニットは、メンテナンス領域に位置する。この構成によれば、第1メンテナンス受容部と第2メンテナンス受容部は、メンテナンス領域に設けられる。そのため、布帛の搬送を停止している際、第1液体、第2液体、及び第3液体を第1メンテナンス受容部と第2メンテナンス受容部に対して捨て打つことで、捨て打ちにかかる時間を短縮することができる。
【0102】
(G)液体吐出装置の制御方法は、布帛を搬送する搬送面に粘着剤が塗布されたグルーベルトと、前記グルーベルトが搬送する布帛に対し、第1液体を吐出可能な第1ノズル群と、第2液体を吐出可能な第2ノズル群と、を有する液体吐出ユニットと、第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に、前記液体吐出ユニットを往復移動させる移動機構と、前記移動機構によって往復移動する前記液体吐出ユニットから、廃液として排出される前記第2液体を受容する柔軟剤受容部と、前記グルーベルトの少なくとも一部を洗浄する洗浄ユニットと、を有し、前記第1液体は、前記第2液体と異なる液体であって、前記第2液体は、柔軟剤を含む液体である液体吐出装置の制御方法であって、前記第1ノズル群が前記グルーベルトに対して前記第1液体を捨て打ちすることと、前記第2ノズル群が前記柔軟剤受容部に対して前記第2液体を捨て打ちすることと、を含む。
【0103】
この方法によれば、上記液体吐出装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0104】
11…液体吐出装置、12…制御部、13…搬送機構、14…洗浄機構、15…移動機構、16…液体吐出ユニット、17…グルーベルト、17c…搬送面、17i…内周面、18…搬送ローラー、19…駆動源、20…押付部、21…布帛、22…洗浄ユニット、23…乾燥部、24…ブラシ、25…貯留槽、26…キャリッジ、27…ヘッド、27a…第1ヘッド、27b…第2ヘッド、27c…第3ヘッド、27d…第4ヘッド、27e…第5ヘッド、27f…第6ヘッド、27g…第7ヘッド、27h…第8ヘッド、27i…第9ヘッド、27j…第10ヘッド、27k…第11ヘッド、27l…第12ヘッド、27m…第13ヘッド、28…ノズル面、29…ノズル、30…ノズル群、30f…第1ノズル群、30s…第2ノズル群、30t…第3ノズル群、32…ノズル列、34…メンテナンス部、35…キャップ、36…第1メンテナンス受容部、37…第2メンテナンス受容部、39…柔軟剤受容部、39f…第1柔軟剤受容部、39s…第2柔軟剤受容部、40…凝集剤受容部、40f…第1凝集剤受容部、40s…第2凝集剤受容部、D1…第1方向、D2…第2方向、Dc…搬送方向、HP…ホーム位置、MA…メンテナンス領域、PA…印刷領域。