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特開2024-164921印刷システムおよび印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164921
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】印刷システムおよび印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241121BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20241121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 319
B41J2/175 133
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080648
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】土岐 正▲寛▼
(72)【発明者】
【氏名】中野 修一
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056KB37
2C056KC02
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061HK05
2C061HK19
2C061HN05
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】特定の印刷装置のために供給されたインクの使用をサーバーが管理することで、印刷装置を使用するユーザーの利便性を向上させる印刷システムの技術の提供。
【解決手段】インク供給部の供給部端末と、印刷装置と、印刷装置の識別情報を含む契約情報を記憶するサーバーと、契約情報を取得し端末装置と対応づけられた印刷装置の識別情報を保持する端末装置とを備え、供給部端末は端末装置から、端末装置と対応づけられた印刷装置の識別情報を受け取って、印刷装置の識別情報と予定供給量とを含む供給情報をサーバーに送信し、サーバーは受信した印刷装置の識別情報に基づいて契約情報を参照してインク使用許可情報を端末装置に送信し、端末装置はインク使用許可情報を受信した場合に印刷装置にインクの使用を許可する情報を送信し、印刷装置はインクの使用を許可する情報を受信することで予定供給量のインクを使用した印刷を行うことが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
インクを供給するインク供給部の供給部端末と、
前記インクを使用して印刷を行う印刷装置と、
前記印刷装置の識別情報を含む契約情報を記憶するサーバーであって、前記供給部端末と無線通信が可能なサーバーと、
前記供給部端末と前記印刷装置と前記サーバーと、のそれぞれと無線通信が可能な端末装置であって、前記サーバーを介して前記契約情報を取得し、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を保持する端末装置と、
を備え、
前記供給部端末は、前記端末装置から、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を、無線通信で受け取って、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置に対して供給する予定の前記インクの量である予定供給量と、を含む供給情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーは、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記契約情報を参照して、前記予定供給量の前記インクの使用を前記印刷装置に許可する情報であるインク使用許可情報を、受信した前記印刷装置の識別情報と対応づけられた前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記インク使用許可情報を受信した場合に、前記印刷装置に、前記インクの使用を許可する情報を送信し、
前記印刷装置は、前記インクの使用を許可する情報を受信することで、前記予定供給量の前記インクを使用した印刷を行うことが可能となる、印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記契約情報は、さらに、予め定められた期間において前記印刷装置と対応づけられて供給可能な前記インクの量であるインク供給可能量と、前記予め定められた期間において前記印刷装置に対応づけられて供給された前記インクの量である供給済インク量と、を含み、
前記サーバーは、
記憶する前記契約情報の前記供給済インク量に前記予定供給量を加算した後の前記供給済インク量が、前記インク供給可能量以下である場合に、
記憶する前記契約情報の前記供給済インク量に前記予定供給量を加算し、前記供給部端末に対し、前記予定供給量の前記インクの供給を許可する情報である供給許可情報を送信し、
記憶する前記契約情報の前記供給済インク量に前記予定供給量を加算した後の前記供給済インク量が、前記インク供給可能量を上回った場合に、
前記端末装置に対し、前記インク使用許可情報を送信せず、前記供給部端末に対し、前記インクの供給を許可しない情報である供給不許可情報を送信し、
前記インク供給部は、前記供給部端末が前記供給許可情報を受信した場合に、前記予定供給量の前記インクを供給する、印刷システム。
【請求項3】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記印刷装置は、複数の色の前記インクを使用して印刷を行い、
前記契約情報は、前記複数の色の前記インクのそれぞれについての、前記予め定められた期間において、前記印刷装置と対応づけられて供給可能な前記インクの量である、複数のインク供給可能量の情報を含んでおり、
前記供給部端末は、
前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記複数の色の前記インクのそれぞれに対応する、一つ以上の前記予定供給量の情報と、を含む供給情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーは、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、
前記一つ以上の前記予定供給量の前記インクのそれぞれについての前記インク使用許可情報を、前記端末装置に送信する、印刷システム。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷システムであって、
さらに、前記インクを収容し、前記印刷装置に対して収容した前記インクを注入することが可能なインク収容器を備え、
前記インク収容器は、収容された前記インクを前記印刷装置に注入した後に、前記インク供給部が供給する前記インクを収容可能に構成されている、印刷システム。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記契約情報は、さらに、予め定められた期間において前記印刷装置と対応づけられて供給可能な前記インクの量であるインク供給可能量と、前記予め定められた期間において前記印刷装置に対応づけられて供給された前記インクの量である供給済インク量と、を含み、
前記サーバーは、前記インク供給可能量と前記供給済インク量との差である残供給可能量が予め定められた量以下である場合に、前記端末装置に対して前記残供給可能量の情報である残供給可能量情報を送信し、
前記端末装置は、前記残供給可能量情報を受信したときに、前記残供給可能量が予め定められた量以下であることを示す情報を出力させる出力部を備える、印刷システム。
【請求項6】
印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法であって、
端末装置が、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を、無線通信でインク供給部の供給部端末に送信し、
前記供給部端末が、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置に対して供給する予定のインクの量である予定供給量と、を含む供給情報をサーバーに送信し、
前記サーバーが、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記印刷装置の識別情報を含む契約情報を参照して、前記予定供給量の前記インクの使用を前記印刷装置に許可する情報であるインク使用許可情報を、受信した前記印刷装置の識別情報と対応づけられた前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記インク使用許可情報を受信した場合に、前記印刷装置に、前記インクの使用を許可する情報を送信する、
印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システムおよび印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、作成したデータを無線接続によってプリンターに送信する携帯端末が開示されている。携帯端末がプリンターに対し印刷要求を送信し、印刷要求を受信したプリンターが認証キーを作成する。認証キーは、プリンターから携帯端末に送信される。携帯端末は認証キーを受信することにより、プリンターを使用した印刷の権限を取得する。データが携帯端末からプリンターに送信されることで、データがプリンターによって印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-147384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、インク収容器に収容されたインクが、ユーザーによって、直接、インクタンクに注入されるタイプの印刷装置が知られている。このタイプの印刷装置においては、ユーザーは購入したい分量のインクを購入することができる。本願の発明者らは、ユーザーによるインクの購入の自由度に加えて、特定の印刷装置のために供給されたインクの使用をサーバーが管理することで、印刷装置を使用するユーザーの利便性を向上させる印刷システムを検討した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、インクを供給するインク供給部の供給部端末と、前記インクを使用して印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置の識別情報を含む契約情報を記憶するサーバーであって、前記供給部端末と無線通信が可能なサーバーと、前記供給部端末と前記印刷装置と前記サーバーと、のそれぞれと無線通信が可能な端末装置であって、前記サーバーを介して前記契約情報を取得し、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を保持する端末装置と、を備え、前記供給部端末は、前記端末装置から、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を、無線通信で受け取って、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置に対して供給する予定の前記インクの量である予定供給量と、を含む供給情報を前記サーバーに送信し、前記サーバーは、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記契約情報を参照して、前記予定供給量の前記インクの使用を前記印刷装置に許可する情報であるインク使用許可情報を、受信した前記印刷装置の識別情報と対応づけられた前記端末装置に送信し、前記端末装置は、前記インク使用許可情報を受信した場合に、前記印刷装置に、前記インクの使用を許可する情報を送信し、前記印刷装置は、前記インクの使用を許可する情報を受信することで、前記予定供給量の前記インクを使用した印刷を行うことが可能となる。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法が提供される。この印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法は、端末装置が、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を、無線通信でインク供給部の供給部端末に送信し、前記供給部端末が、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置に対して供給する予定のインクの量である予定供給量と、を含む供給情報をサーバーに送信し、前記サーバーが、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記印刷装置の識別情報を含む契約情報を参照して、前記予定供給量の前記インクの使用を前記印刷装置に許可する情報であるインク使用許可情報を、受信した前記印刷装置の識別情報と対応づけられた前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記インク使用許可情報を受信した場合に、前記印刷装置に、前記インクの使用を許可する情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の印刷システムの概略構成を示す説明図。
図2】印刷制御部と、端末制御部と、供給部端末と、サーバーを説明するブロック図。
図3A】本実施形態における印刷装置へのインクの供給の工程の一例を説明するフローチャート。
図3B】本実施形態における印刷装置へのインクの供給の工程の一例を説明するフローチャート。
図4】インク供給部によるインクの供給が許可された場合の表示部による表示を説明する図。
図5】残供給可能量情報が出力部に出力された状態を説明する図。
図6】インク供給部がインクを供給しないことを表示部が表示している状態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.本実施形態:
A1.本実施形態の構成:
図1は、本実施形態の印刷システム1の概略構成を示す説明図である。印刷システム1は、印刷装置10に対して紐づけられた契約情報に基づいて、インクの供給の管理を行う。印刷システム1は、印刷装置10と、インク収容器20と、端末装置30と、インク供給部40と、サーバー50と、を備える。
【0009】
印刷装置10は、インクを使用して印刷を行う。本実施形態においては、印刷装置10は、複数の種類の色のインクを使用して印刷を行うことが可能である。具体的には、印刷装置10は、三色のインクを使用して印刷を行う。印刷装置10は、端末装置30と無線通信によって接続可能に構成されている。図1および図2において、無線通信が可能であることを、破線矢印によって表している。本実施形態において、印刷装置10は、端末装置30を介して、サーバー50からインクの使用を許可されることで、インクを使用した印刷を行うことが可能となる。印刷装置10は、サーバー50によって、予め定められた契約情報と対応づけられている。印刷装置10と端末装置30とのやりとりと、契約情報については後に説明する。本実施形態において、印刷装置10は、印刷本体110と、三つのカートリッジ120と、三つのインクタンク130と、印刷制御部140と、を備える。
【0010】
印刷本体110は、印刷媒体に文字や画像等の印刷を行う。カートリッジ120は、印刷本体110に供給するインクを収容する。三つのカートリッジ120は、それぞれ異なる色のインクを収容する。カートリッジ120は、図示しないチューブを介して、印刷本体110の図示しないキャリッジにインクを供給する。カートリッジ120は、印刷本体110の内部に収容されている。インクタンク130は、図示しないチューブを通してカートリッジ120にインクを補充する。なお、カートリッジ120に補充するインクを流通するチューブと、キャリッジに供給するインクを流通するチューブは異なる。三つのインクタンク130のそれぞれは、三つのカートリッジ120のうち一つのカートリッジ120に収容されている色のインクと同色のインクを収容しており、同色のインクを収容するカートリッジ120にインクを補充する。インクタンク130は、印刷本体110の外部に取り付けられている。
【0011】
図2は、印刷制御部140と、端末制御部320と、供給部端末410と、サーバー50を説明するブロック図である。端末制御部320と、供給部端末410については後に説明する。印刷制御部140は、印刷装置10の動作を制御する。印刷制御部140は、メモリー141と、ROM142とRAM143とCPU144とを備える。メモリー141は、過去の印刷のデータや、印刷装置10の識別情報等を記憶する。ROM142は、印刷装置10の動作の制御のためのプログラムを含むデータを予め記憶している。RAM143は、プログラムが展開されるメモリーエリアを有する。
【0012】
CPU144は、ROM142に記憶されたプログラムをRAM143に展開して実行することにより、印刷装置10の各部の制御を行う。また、CPU144は、印刷装置10に異常が発生した場合に、端末装置30に異常が発生したことを示す信号と、異常の情報を送信する。本実施形態において、CPU144は、印刷部144aとして機能する。印刷部144aは、端末装置30から印刷の許可の情報や、インクの使用を許可する情報を受信し、印刷本体110に印刷を行わせる。
【0013】
図1に示すインク収容器20は、インクを収容し、印刷装置10に対して収容したインクを注入することが可能である。本実施形態においては、インク収容器20はインクタンク130にインクを注入することが可能である。インク収容器20は、インクタンク130に対して着脱可能に構成されている。本実施形態において、インク収容器20は、インクが出入りする部分がインクタンク130に形成された穴に対して嵌り、また抜けることが可能に構成されている。インク収容器20は、ユーザーによってインクタンク130に装着されることで、インクをインクタンク130に注入する。インク収容器20は、収容されたインクをインクタンク130に注入した後に、新たなインクを収容可能に構成されている。これにより、インク収容器20の再利用が可能である。本実施形態において新たなインクとは、インク供給部40が供給するインクである。図1において、インク収容器20の、インク供給部40と印刷装置10との関係性を実線の矢印で表している。
【0014】
端末装置30は、サーバー50から受信する情報に基づいて、印刷装置10に対して、印刷の許可や、インクの使用の許可を行う。サーバー50から受信する情報については後に説明する。また、本実施形態において、端末装置30は、インク供給部40の供給部端末410に対して、印刷装置10の識別情報と、予定供給量の情報と、を送信する。予定供給量については後に説明する。また、端末装置30は、サーバー50から契約情報を取得する。端末装置30は、供給部端末410と、印刷装置10と、サーバー50と、のそれぞれと無線通信が可能である。本実施形態において、端末装置30はスマートフォンである。なお、端末装置30として、タプレットや、パソコン等が選択可能である。端末装置30は、出力部310と、端末制御部320と、を備える。
【0015】
出力部310は、印刷装置10に関する情報を出力することが可能である。本実施形態において、出力部310は、契約情報に含まれる情報や、インクタンク130内やカートリッジ120のインクの残存量や、印刷装置10から受信した印刷装置10の異常の内容等を出力する。契約情報に含まれる情報については後に説明する。本実施形態において、出力部310はタッチパネルであり、画像や文字を表示させることで情報を出力する。
【0016】
端末制御部320は、端末装置30を制御する。図2に示すように、端末制御部320は、メモリー321と、ROM322と、RAM323と、CPU324と、を備える。メモリー321は、アプリケーションプログラム321aと、管理プログラム321bと、を記憶している。また、メモリー321は、写真や文書を加工するソフトウェアを記憶している。本実施形態において、アプリケーションプログラム321aは、契約情報を管理するためのソフトウェアである。契約情報の管理とは、契約情報と対応づけられた印刷装置10の識別情報の保持や、サーバー50を介した、サーバー50が記憶する契約情報の取得や、供給部端末410とサーバー50との間における情報の送受信や、印刷装置10に対する印刷の許可やインクの使用の許可等を含む。
【0017】
アプリケーションプログラム321aは、ユーザーの操作によって契約情報の修正や変更が可能である。アプリケーションプログラム321aは、無線通信によってサーバー50からダウンロード可能である。例えばユーザーが端末装置30を変更する場合に、印刷装置10の識別情報や、ユーザーの登録情報をもとに、新たな端末装置にアプリケーションプログラム321aをダウンロードすることができる。管理プログラム321bは、端末装置30を管理するためのプログラムである。
【0018】
ROM322は、端末装置30の動作の制御のプログラムを含むデータを記憶する。RAM323は、ROM322に記憶されたデータが展開されるメモリーエリアを備える。CPU324は、ROM322に記憶されたプログラムをRAM323に展開して実行することにより、端末装置30の制御を行う。また、CPU324は、メモリー321に記憶されているアプリケーションプログラム321aを実行する。本実施形態において、CPU324は、出力部310に、インクタンク130内やカートリッジ120のインクの残存量や、印刷装置10から受信した印刷装置10の異常の内容等を出力させる。
【0019】
図1に示すインク供給部40は、印刷装置10に対してインクを供給する。本実施形態においては、インク供給部40は、インク収容器20に対してインクを注入することで、印刷装置10に対してインクを供給する。本実施形態において、インク供給部40は、ユーザーが出入り可能な建物内に設置されている。インク供給部40は、供給部端末410と、表示部420と、を備える。
【0020】
供給部端末410は、インク供給部40によるインクの供給を制御する。供給部端末410によるインクの供給の詳細については後に説明する。供給部端末410は、サーバー50と無線通信が可能である。図2に示すように、供給部端末410は、ROM411と、RAM412と、CPU413と、を備える。ROM411は、インク供給部40の各部の制御のためのプログラムを含むデータを予め記憶している。RAM412は、ROM411に記憶されたデータが展開されるメモリーエリアを備える。CPU413は、ROM411に記憶されたプログラムをRAM412に展開して実行することにより、インク供給部40の各部の制御を行う。本実施形態においては、CPU413は、対端末情報送受信部413aと、対サーバー情報送受信部413bとして機能する。
【0021】
対端末情報送受信部413aは、端末装置30から情報を受信する。具体的には、対端末情報送受信部413aは、端末装置30から、端末装置30と対応づけられた印刷装置10の識別情報と、予定供給量と、を含む情報を受信する。予定供給量は、端末装置30と対応づけられた印刷装置10に対して供給する予定のインクの量である。予定供給量は、ユーザーによって、端末装置30のアプリケーションプログラム321aを介して出力部310に出力される入力欄に予め入力される。対端末情報送受信部413aは、複数の色のインクのそれぞれに対応する一つ以上の予定供給量を、端末装置30から受信することが可能である。本実施形態において、対端末情報送受信部413aは、三色のインクのそれぞれに対応する予定供給量のそれぞれを、端末装置30から受信することが可能である。
【0022】
対端末情報送受信部413aは、端末装置30に対して、インク使用許可情報を送信する。インク使用許可情報は、予定供給量のインクの使用を印刷装置10に許可する情報である。本実施形態において、対端末情報送受信部413aは、端末装置30に対して、一つ以上の予定供給量のそれぞれのインクについての、インク使用許可情報を送信する。本実施形態において、対端末情報送受信部413aは、三色のインクのそれぞれについて、インク使用許可情報またはインク不使用許可情報を送信する。
【0023】
対サーバー情報送受信部413bは、サーバー50に対して、端末装置30と対応づけられた印刷装置10の識別情報と、三色のインクのそれぞれに対応する、一つ以上の予定供給量と、を含む情報である供給情報を送信する。対サーバー情報送受信部413bは、サーバー50から、供給許可情報や、供給不許可情報や、インク使用許可情報を受信する。供給許可情報は、予定供給量のインクの供給を許可する情報である。本実施形態において、対サーバー情報送受信部413bは、サーバー50から、三色のインクのそれぞれに対応する予定供給量のそれぞれに対しての、供給許可情報を受信する。供給不許可情報は、インクの供給を許可しない情報である。本実施形態において、対サーバー情報送受信部413bは、サーバー50から、三色のインクのそれぞれに対応する予定供給量のそれぞれに対しての、供給不許可情報を受信する。
【0024】
サーバー50は、契約情報を記憶し、インク供給部40や端末装置30との間で、契約情報に含まれる情報を送受信する。サーバー50は、記憶媒体510と、ROM520と、RAM530と、CPU540と、を備える。記憶媒体510は、契約情報を記憶する。ROM520は、サーバー50を制御するためのプログラムを含むデータを予め記憶している。RAM530は、ROM520に記憶されたデータが展開されるメモリーエリアを有する。CPU540は、ROM520に記憶されたプログラムをRAM530に展開して実行することにより、サーバー50の制御を行う。本実施形態においては、CPU540は、契約情報管理部541と、第1情報送受信部542と、第2情報送受信部543として機能する。
【0025】
契約情報管理部541は、記憶媒体510からの契約情報の読み出しや、契約情報の更新や、更新された契約情報や端末装置30から受信した契約情報の変更内容等を、記憶媒体510へ書き込む。契約情報管理部541は、第1情報送受信部542と第2情報送受信部543のそれぞれと、通知の送受信を行う。
【0026】
第1情報送受信部542は、対サーバー情報送受信部413bから、供給情報を受信する。第1情報送受信部542は、受信した印刷装置10の識別情報に基づいて、契約情報を参照して、インクの供給の管理を行う。本実施形態においては、第1情報送受信部542は、供給情報と、記憶する契約情報に基づいて、供給許可情報や供給不許可情報や、インク使用許可情報を、対サーバー情報送受信部413bに送信する。
【0027】
第2情報送受信部543は、端末装置30との間で、情報の送受信を行う。具体的には、第2情報送受信部543は、端末装置30に対して、記憶媒体510が記憶する契約情報を送信する。第2情報送受信部543は、契約情報管理部541によって契約情報が更新された場合に、更新された契約情報を端末装置30に送信する。また、第2情報送受信部543は、端末装置30から、ユーザーによってアプリケーションプログラム321aを介して変更や修正された、契約情報の内容を受信して、契約情報管理部541に情報を受信したことを通知する。本実施形態において、第2情報送受信部543は、残供給可能情報を端末装置30に送信する。残供給可能情報については後に説明する。
【0028】
図1に示す表示部420は、インク供給部40が供給可能な色のインクの情報や、供給可能なインクの量の情報等、ユーザーにとってインクの供給時に必要な情報を表示する。本実施形態において、表示部420は、ユーザーの接触によって種々の操作が可能なタッチパネルである。
【0029】
A2.契約情報の詳細:
契約情報について説明する。契約情報は、印刷装置10に対するインクの供給についての、特定の契約内容を規定する。契約情報は、印刷装置10ごとに規定され、サーバー50の記憶媒体510に記憶されている。具体的には、契約情報は、印刷装置10に割り当てられた、印刷装置10の識別情報と、複数のインク供給可能量と、複数のインク供給済インク量と、複数の残供給可能量と、契約に対する料金の情報と、契約情報に基づく、インク供給部40を利用したインクの供給の状況等を含む。本実施形態においては、契約情報は、三色のインクのそれぞれに対応する、三つのインク供給可能量と三つの供給済インク量と三つの残供給可能量と、を含む。
【0030】
インク供給可能量は、三色のインクのそれぞれについての、予め定められた期間において印刷装置10と対応づけられて供給可能なインクの量である。供給済インク量は、予め定められた期間において印刷装置10に対応づけられて供給されたインクの量である。残供給可能量は、インク供給可能量と供給済インク量との差である。本実施形態において、予め定められた期間は一か月であり、月末に供給済インク量と、残供給可能量と、の情報がリセットされる。
【0031】
上述したように、契約情報は、アプリケーションプログラム321aを介して、ユーザーによって変更可能である。契約情報の変更とは、例えば、ユーザーが予め定められた期間におけるインク供給可能量を変更したい場合に、料金プランを変更する場合や、契約期間の更新等が挙げられる。
【0032】
A3.印刷システム1によるインクの供給の管理方法の説明:
図3A図3Bは、本実施形態における印刷装置10へのインクの供給の工程の一例を説明するフローチャートである。図3AのステップS10において、端末装置30が、端末装置30と対応づけられた印刷装置10の識別情報と、予定供給量と、を含む情報を、供給部端末410に送信する。端末装置30と対応づけられた印刷装置10の識別情報とは、端末装置30のアプリケーションプログラム321aが管理する契約情報に紐づいたものである。なお、ユーザーによって、希望の色のインクと、そのインクの、希望する量の情報が、端末装置30のアプリケーションプログラム321aを介して出力部310に出力される入力欄に予め入力されることで、予定供給量の情報がアプリケーションプログラム321aによって生成される。本実施形態においては、三色のインクのうち、二色のインクのそれぞれについて、予定供給量の情報が生成される。
【0033】
ステップS20において、供給部端末410の対端末情報送受信部413aが、端末装置30と対応づけられた印刷装置10の識別情報と、二つの予定供給量とを含む情報と、を受信する。そして、対サーバー情報送受信部413bが、受信した情報を、供給情報として、サーバー50に送信する。ステップS30において、サーバー50の第1情報送受信部542が、供給情報を受信して、契約情報管理部541に供給情報を受信したことを通知する。そして、契約情報管理部541が、供給情報と、記憶媒体510が記憶する契約情報と、に基づいて、インクの供給の判断や契約情報の更新等を行う。
【0034】
具体的には、契約情報管理部541が、供給情報に含まれる印刷装置10の識別情報と、記憶媒体510が記憶する契約情報に含まれる印刷装置10の識別情報と、を照合して、契約情報が有効であるか否かを判定する。契約情報が有効でない場合とは、例えば料金の不払いや、契約情報に基づく契約が終了している場合等をいう。契約情報が有効である場合、処理はステップS40に移行する。契約情報が有効でない場合、処理はステップS60に移行する。ステップS60については後に説明する。
【0035】
処理がステップS40に移行した場合、供給情報に含まれる二つの予定供給量のそれぞれについて、ステップS40から図3BのステップS100の処理が並行されて実行される。以下において、一つの予定供給量について実行される処理を説明する。図3AのステップS40において、契約情報管理部541が、記憶媒体510が記憶する契約情報の供給済インク量に予定供給量を加算した後の、供給済インク量が、インク供給可能量以下であるか否かを判定する。予定供給量を加算した後の供給済インク量が、インク供給可能量以下である場合は、ステップS50に移行する。記憶媒体510が記憶する契約情報の供給済インク量に予定供給量を加算した後の、供給済インク量が、インク供給可能量を上回った場合は、ステップS60に移行する。
【0036】
ステップS50において、契約情報管理部541が、記憶する契約情報の供給済インク量に、予定供給量を加算して、記憶媒体510が記憶する契約情報を更新する。そして、第1情報送受信部542が、供給部端末410に対し、予定供給量のインクの供給を許可する情報である供給許可情報と、インク使用許可情報と、を送信する。また、第2情報送受信部543が、更新された契約情報を端末装置30に送信する。なお、第2情報送受信部543による端末装置30への契約情報の送信は、ステップS50以外のタイミングで行われてもよい。
【0037】
図4は、インク供給部40によるインクの供給が許可された場合の表示部420による表示を説明する図である。図3BのステップS70において、対サーバー情報送受信部413bが、供給許可情報と、インク使用許可情報と、を受信する。供給許可情報を受信することによって、供給部端末410が、インク供給部40による予定供給量のインクの供給を可能とする。本実施形態において、インク供給部40からインク収容器20に対して、インクの注入が可能となる。この際に、図4に示すように、表示部420によって、インクの供給が可能となったこと、およびインク収容器20をインク供給部40に配置すべきことが表示される。なお、インク収容器20の配置は、ユーザーによって、図示しないインク供給部40の、予め定められた箇所に対して行われる。図示はしていないが、予め定められた箇所の情報は、表示部420によって表示される。そして、ユーザーによって配置されたインク収容器20に対し、インクが注入される。二色のインクの両方が供給される場合、一色ずつ順番に、それぞれの色のインクに対応するインク収容器20に収容される。また、対端末情報送受信部413aが、第1情報送受信部542から受信したインク使用許可情報を、端末装置30に対して、送信する。
【0038】
図3BのステップS80において、契約情報管理部541が、残供給可能量が、予め定められた量以下であるか否かを判定する。残供給可能量が予め定められた量以下である場合、処理はステップS90に移行する。残供給可能量が予め定められた量よりも多い場合、処理はステップ100に移行する。
【0039】
図5は、残供給可能量情報が出力部310に出力された状態を説明する図である。図3BのステップS90において、第2情報送受信部543が、端末装置30に対して残供給可能量の情報である残供給可能量情報を送信する。そして、残供給可能量情報を受信した端末装置30が、残存供給可能量が予め定められた量以下であることを示す情報を、出力部310に出力させる。本実施形態においては、図5に示すように、出力部310によって、残存供給可能量が予め定められた量以下となったことが表示される。また、本実施形態においては、さらに、ユーザーが、追加の料金を、アプリケーションプログラム321aを介して支払うことで、予め定められた期間内において、インク供給可能量よりも多い量のインクを、印刷装置10が使用可能となることが、出力部310によって、表示される。その後、図3Bに示すステップS100に移行する。なお、ステップS80とステップS90の処理は、ステップS70の前に行われてもよく、ステップS100の後に行われてもよい。
【0040】
ステップS100において、ユーザーによって、印刷装置10にインクが供給される。また、インク使用許可情報を受信した端末装置30が、印刷装置10に、インクの使用を許可する情報を送信する。本実施形態においては、ユーザーがアプリケーションプログラム321aを介して、インクの使用を許可する情報の送信を行う。そして、インクの使用を許可する情報を受信した印刷部144aによって、印刷装置10が予定供給量のインクを使用した印刷を行うことが可能となる。その後、処理は終了する。
【0041】
図6は、インク供給部40がインクを供給しないことを表示部420が表示している状態を説明する図である。図3AのステップS60において、第1情報送受信部542が、供給部端末410に、インクの供給を許可しない情報である供給不許可情報を送信する。第1情報送受信部542が供給不可情報を送信する場合は、第2情報送受信部543は、端末装置30にインク使用許可情報を送信しない。本実施形態においては、第2情報送受信部543から供給部端末410にインク使用許可情報が送信されないことにより、供給部端末410を介して端末装置30にインク使用許可情報が送信されない。ステップS61において、表示部420が、図6に示すように、インクを供給しないという情報を表示する。図6には、一例として、記憶媒体510が記憶する契約情報の供給済インク量に予定供給量を加算した後の、供給済インク量が、インク供給可能量を上回った場合の表示を表している。なお、図3AのステップS61において、契約情報に基づく契約が終了している場合の表示がされる場合もある。その後、処理が終了する。
【0042】
本実施形態の印刷システム1によれば、サーバー50によって、特定の印刷装置10のためにインクを供給し、供給されたインクがその特定の印刷装置10に使用されることを、管理することができる。供給したインクの想定していない装置での使用や、印刷装置10による、想定していないインクでの印刷をサーバー50が管理することができる。その結果、印刷装置10による、供給したインクを使用して行われる印刷の品質を、高く保つことができる。
【0043】
また、本実施形態の印刷システム1によれば、記憶媒体510が記憶する契約情報の供給済インク量に、予定供給量を加算した後の供給済インク量が、インク供給可能量を上回った場合は、インク供給部40からインクが供給されない。そのため、印刷装置10に対して供給可能なインクの量よりも多いインクを、インク供給部40が供給することを防止することができる。これにより、契約情報に基づいたインクの供給の信頼性が向上する。
【0044】
本実施形態の印刷システム1は、契約情報が、複数の色のインクのそれぞれについてのインク供給可能量の情報を含んでいる。そのため、サーバー50が、複数の色のインクのそれぞれの供給について、管理をすることができる。
【0045】
さらに、本実施形態の印刷システム1は、端末装置30からユーザーに対し、残供給可能量が予め定められた量以下となったことを通知することが可能である。残供給可能量の管理がサーバー50によって行われるため、ユーザーが自身で残供給可能量の管理を行う負担を減らすことができる。
【0046】
B.他の実施形態:
B1.他の実施形態1:
(1)上記実施形態において、サーバー50から、供給部端末410を介して端末装置30にインク使用許可情報が送信される。しかし、例えば供給部端末を介さずに、サーバーから、端末装置にインク使用許可情報が送信されてもよく、供給部端末以外を経由して送信されてもよい。
【0047】
(2)上記実施形態において、契約情報は、契約に対する料金の情報と、契約情報に基づく、インク供給部40を利用したインクの供給の状況等を含む。なお、例えば紙媒体によって契約に対する料金の情報と、契約情報に基づくインクの供給の状況等が、ユーザーに通知される態様において、契約情報は、それらを含んでいなくてもよい。
【0048】
(3)上記実施形態において、予め定められた期間は一か月であり、月末に供給済インク量と、残供給可能量の情報がリセットされる。なお、例えば予め定められた期間は半年であってもよく、最終月の月末に供給済インク量と、残供給可能量と、の情報がリセットされてもよい。
【0049】
(4)上記実施形態において、端末装置30が、端末装置30と対応づけられた印刷装置10の識別情報と、予定供給量とを含む情報を、供給部端末410に送信する。なお、例えば予定供給量は、ユーザーによって、供給部端末に直接、入力されてもよい。
【0050】
(5)上記実施形態において、インク供給部40は、ユーザーが出入り可能な建物内に設置されている。なお、例えばインク供給部は、ユーザーを訪問する業者によって持ち歩きされる態様としてもよい。
【0051】
(6)上記実施形態において、印刷装置10はインクタンク130を備えている。なお、例えばカートリッジに対してインク収容器から直接インクが注入される態様において、印刷装置がインクタンクを備えていなくてもよい。
【0052】
B2.他の実施形態2:
(1)上記実施形態において、サーバー50が、記憶する契約情報の供給済インク量に予定供給量を加算した後の供給済インク量が、インク供給可能量を上回った場合に、供給部端末410に、インクの供給を許可しない情報である供給不許可情報を送信する。なお、例えば予め定められた時間内に、供給部端末が供給許可情報を受信しなかった場合はインク供給部がインクを供給しない態様において、記憶する契約情報の供給済インク量に予定供給量を加算した後の供給済インク量が、インク供給可能量を上回った場合に、サーバーが、供給不許可情報を送信しなくてもよい。
【0053】
(2)上記実施形態において、端末装置30は、インク使用許可情報を受信した場合に、印刷装置10に、インクの使用を許可する情報を送信する。なお、例えばインク使用許可情報がQRコード(登録商標)や二次元バーコードである態様において、端末装置は、受信したインク使用許可情報を、インクの使用を許可する情報として、印刷装置に送信してもよい。
【0054】
B3.他の実施形態3:
(1)上記実施形態において、印刷装置10は、三色のインクを使用して印刷を行う。なお、印刷装置は、一色のインクを使用して印刷を行ってもよい。この態様において、契約情報は、一色のインクに対応するインク供給可能量の情報を含んでいる。また、印刷装置は、例えば五色や七色等、三色以上の色のインクを使用して印刷を行ってもよい。印刷装置は、使用するインクの数に応じた数のカートリッジと、インクタンクと、を備えている。
【0055】
(2)上記実施形態において、供給情報に含まれる二つの予定供給量に対応して、それぞれステップS40からステップS100の処理が実行される。なお、例えばいずれのステップS40の処理においても予定供給量を加算した後の供給済インク量が、インク供給可能量以下である場合は、ステップS50において、それぞれの処理が統合され、サーバーから二つのインク使用許可情報を有する情報が供給部端末に送信され、ステップS70において、供給部端末から二つのインク使用許可情報を有する情報が端末装置に送信されてもよい。そして、ステップS100において、端末装置が、印刷装置に、二色のインクの両方についての、使用を許可する情報を送信してもよい。
【0056】
B4.他の実施形態4:
(1)上記実施形態において、印刷システム1は、インク収容器20を備えていた。なお、例えば業者が持ち運ぶ収容器からインクタンクに直接、インクが注入される態様において、印刷システムがインク収容器を備えていなくてもよい。
【0057】
例えば、使い捨ての容器に対し、インク供給部によってインクが注入されてもよい。インクの情報がサーバーによって管理されているため、インクが注入される容器が限定されない。そのため、ユーザーの利便性が向上する。
【0058】
B5.他の実施形態5:
(1)上記実施形態において、残供給可能量が予め定められた量以下である場合に、サーバー50が端末装置30に対して残供給可能量の情報である残供給可能量情報を送信し、端末装置30は、残供給可能量情報を受信したときに、残供給可能量が予め定められた量以下であることを示す情報を出力部310に出力させる。なお、例えば紙媒体によって残供給可能量情報がユーザーに通知される態様において、サーバーは、端末装置に対して残供給可能量情報を送信しなくてもよい。
【0059】
(2)上記実施形態において、出力部310は画像や文字を表示させることで情報を出力する。なお、例えば出力部は、音声によって情報を出力する構成を有していてもよい。出力部はタッチパネル以外であってもよく、例えばモニターであってもよい。
【0060】
B6.他の実施形態6:
上記実施形態において、図3BのステップS100において、ユーザーによって、印刷装置10にインクが供給され、また、インク使用許可情報を受信した端末装置30が、印刷装置10に、インクの使用を許可する情報を送信する。なお、ユーザーによる印刷装置へのインクの供給と、端末装置によるインクの使用を許可する情報の送信は、異なるタイミングで行われてもよい。例えば、端末装置によるインクの使用を許可する情報の送信が行われた後、一定期間経過後に、ユーザーによって印刷装置へのインクの供給が行われてもよい。この場合、一定期間経過内に、インクタンク内のインクの残量が少なくなった場合は、印刷装置の印刷部から端末装置に対してインクタンク内のインクの残量が少なくなったという情報が送信され、端末装置の出力部がその情報を出力してもよい。また、インクの使用を許可する情報の送信は、図3BのステップS70の直後に、端末装置から印刷装置に対して自動で行われてもよい。
【0061】
C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0062】
(1)本開示の一形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、インクを供給するインク供給部の供給部端末と、前記インクを使用して印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置の識別情報を含む契約情報を記憶するサーバーであって、前記供給部端末と無線通信が可能なサーバーと、前記供給部端末と前記印刷装置と前記サーバーと、のそれぞれと無線通信が可能な端末装置であって、前記サーバーを介して前記契約情報を取得し、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を保持する端末装置と、を備え、前記供給部端末は、前記端末装置から、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を、無線通信で受け取って、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置に対して供給する予定の前記インクの量である予定供給量と、を含む供給情報を前記サーバーに送信し、前記サーバーは、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記契約情報を参照して、前記予定供給量の前記インクの使用を前記印刷装置に許可する情報であるインク使用許可情報を、受信した前記印刷装置の識別情報と対応づけられた前記端末装置に送信し、前記端末装置は、前記インク使用許可情報を受信した場合に、前記印刷装置に、前記インクの使用を許可する情報を送信し、前記印刷装置は、前記インクの使用を許可する情報を受信することで、前記予定供給量の前記インクを使用した印刷を行うことが可能となる。
この形態の印刷システムによれば、本実施形態の印刷システムによれば、サーバーによって、特定の印刷装置のためにインクを供給し、供給されたインクがその特定の印刷装置に使用されることを、サーバーが管理することができる。供給したインクの想定していない装置での使用や、印刷装置による、想定していないインクでの印刷を管理することができる。その結果、印刷装置による、供給したインクを使用して行われる印刷の品質を、高く保つことができる。
【0063】
(2)上記形態の印刷システムにおいて、前記契約情報は、さらに、予め定められた期間において前記印刷装置と対応づけられて供給可能な前記インクの量であるインク供給可能量と、前記予め定められた期間において前記印刷装置に対応づけられて供給された前記インクの量である供給済インク量と、を含み、前記サーバーは、記憶する前記契約情報の前記供給済インク量に前記予定供給量を加算した後の前記供給済インク量が、前記インク供給可能量以下である場合に、記憶する前記契約情報の前記供給済インク量に前記予定供給量を加算し、前記供給部端末に対し、前記予定供給量の前記インクの供給を許可する情報である供給許可情報を送信し、記憶する前記契約情報の前記供給済インク量に前記予定供給量を加算した後の前記供給済インク量が、前記インク供給可能量を上回った場合に、前記端末装置に対し、前記インク使用許可情報を送信せず、前記供給部端末に対し、前記インクの供給を許可しない情報である供給不許可情報を送信し、前記インク供給部は、前記供給部端末が前記供給許可情報を受信した場合に、前記予定供給量の前記インクを供給してもよい。
この形態の印刷システムによれば、印刷装置に対して供給可能なインクの量よりも多いインクを、インク供給部が供給することを防止することができる。そのため、契約情報に基づいたインクの供給の信頼性が向上する。
【0064】
(3)上記形態の印刷システムにおいて、前記印刷装置は、複数の色の前記インクを使用して印刷を行い、前記契約情報は、前記複数の色の前記インクのそれぞれについての、前記予め定められた期間において、前記印刷装置と対応づけられて供給可能な前記インクの量である、複数のインク供給可能量の情報を含んでおり、前記供給部端末は、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記複数の色の前記インクのそれぞれに対応する、一つ以上の前記予定供給量の情報と、を含む供給情報を前記サーバーに送信し、前記サーバーは、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記一つ以上の前記予定供給量の前記インクのそれぞれについての前記インク使用許可情報を、前記端末装置に送信してもよい。
この形態の印刷システムによれば、印刷装置に供給される、複数の色のインクのそれぞれの供給について、サーバーが管理をすることができる。
【0065】
(4)上記形態の印刷システムにおいて、さらに、前記インクを収容し、前記印刷装置に対して収容した前記インクを注入することが可能なインク収容器を備え、前記インク収容器は、収容された前記インクを前記印刷装置に注入した後に、前記インク供給部が供給する前記インクを収容可能に構成されていてもよい。
この形態の印刷システムによれば、インク収容器の再利用が可能である。
【0066】
(5)上記形態の印刷システムにおいて、前記サーバーは、前記インク供給可能量と前記供給済インク量との差である残供給可能量が予め定められた量以下である場合に、前記端末装置に対して前記残供給可能量の情報である残供給可能量情報を送信し、前記端末装置は、前記残供給可能量情報を受信したときに、前記残供給可能量が予め定められた量以下であることを示す情報を出力させる出力部を備えていてもよい。
この形態の印刷システムによれば、端末装置からユーザーに対し、残供給可能量が予め定められた量以下となったことを通知することが可能である。残供給可能量の管理がサーバーによって行われるため、ユーザーが自身で残供給可能量の管理を行う負担を減らすことができる。
【0067】
(6)本開示の他の形態によれば、印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法が提供される。この印刷装置で使用されるインクの供給の管理方法は、端末装置が、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報を、無線通信でインク供給部の供給部端末に送信し、前記供給部端末が、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置の識別情報と、前記端末装置と対応づけられた前記印刷装置に対して供給する予定のインクの量である予定供給量と、を含む供給情報をサーバーに送信し、前記サーバーが、受信した前記印刷装置の識別情報に基づいて、前記印刷装置の識別情報を含む契約情報を参照して、前記予定供給量の前記インクの使用を前記印刷装置に許可する情報であるインク使用許可情報を、受信した前記印刷装置の識別情報と対応づけられた前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記インク使用許可情報を受信した場合に、前記印刷装置に、前記インクの使用を許可する情報を送信する。
【符号の説明】
【0068】
1…印刷システム、10…印刷装置、20…インク収容器、30…端末装置、40…インク供給部、50…サーバー、110…印刷本体、120…カートリッジ、130…インクタンク、140…印刷制御部、141…印刷制御部のメモリー、142…印刷制御部のROM、143…印刷制御部のRAM、144…印刷制御部のCPU、144a…印刷部、310…出力部、320…端末制御部、321…端末制御部のメモリー、321a…アプリケーションプログラム、321b…管理プログラム、322…端末制御部のROM、323…端末制御部のRAM、324…端末制御部のCPU、410…供給部端末、411…供給部端末のROM、412…供給部端末のRAM、413…供給部端末のCPU、413a…対端末情報送受信部、413b…対サーバー情報送受信部、420…表示部、510…記憶媒体、520…サーバーのROM、530…サーバーのRAM、540…サーバーのCPU、541…契約情報管理部、542…第1情報送受信部、543…第2情報送受信部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6