(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164928
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】容器整列装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/91 20060101AFI20241121BHJP
B65G 47/24 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65G47/91 B
B65G47/24 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080661
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】村浜 政貴
(72)【発明者】
【氏名】浦 正樹
【テーマコード(参考)】
3F072
3F081
【Fターム(参考)】
3F072AA07
3F072GA10
3F072GE04
3F072GE09
3F072KA01
3F072KD03
3F072KD12
3F072KD17
3F072KD19
3F081AA19
3F081BE02
3F081BE08
3F081CA48
3F081CC08
3F081CE04
3F081EA09
3F081EA10
3F081EA15
(57)【要約】
【課題】供給コンベヤ3で容器2が連続して供給されない場合であっても、排出コンベヤ4で空きの無いように移載する。
【解決手段】 横転状態の容器2を搬送する供給コンベヤ3と、正立状態の容器2を搬送する排出コンベヤ4と、横転状態の容器2を供給コンベヤ3から排出コンベヤ4に移載するロボット6とを備える。
上記供給コンベヤ3によって搬送される容器2が上記ロボット6によって保持可能な保持領域Fに位置しているか否かを判定する搬送状態検出手段5を備え、上記ロボット6は複数の保持部31A、31Bを備えている。
複数の保持部が容器2を保持し、かつ上記搬送状態検出手段5が上記保持領域F内に容器2が位置していないと判定した場合には、上記複数の保持部が保持している容器2をそれぞれ上記排出コンベヤ4に移載させる第2移載処理(J~O)を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部が側方を向いた横転状態で容器を搬送する供給コンベヤと、口部が上方を向いた正立状態の容器を搬送する排出コンベヤと、保持部によって上記供給コンベヤ上に設定された保持領域内に位置する横転状態の容器を保持して、上記排出コンベヤにおいて容器を解放して当該排出コンベヤ上に移載する移載処理を実行するロボットと、上記ロボットを制御する制御手段とを備えた容器整列装置において、
上記供給コンベヤ上の容器搬送状態を検出する搬送状態検出手段を備え、
上記ロボットは、上記横転状態の容器を保持する少なくとも第1保持部および第2保持部を備え、
上記制御手段は、
上記第1保持部および第2保持部が共に容器を保持した状態で、上記搬送状態検出手段の検出結果に基づき、上記保持領域内に移載処理を実行可能な処理対象容器が存在すると判定した場合には、上記ロボットを制御して、第1保持部または第2保持部のいずれか一方が保持した容器を上記排出コンベヤに移載させ、その後、いずれか他方の保持部が容器を保持したまま、上記容器を移載した一方の保持部によって上記処理対象容器を保持させる第1移載処理を実行し、
上記第1保持部および第2保持部が共に容器を保持した状態で、上記搬送状態検出手段の検出結果に基づき、上記保持領域内に上記処理対象容器が存在しないと判定した場合には、上記ロボットを制御して、上記第1保持部および第2保持部が保持した容器をそれぞれ上記排出コンベヤに移載させ、その後、上記保持領域内に上記処理対象容器が新たに存在すると判定した場合に、当該上記第1保持部または第2保持部のいずれか一方によって、上記処理対象容器を保持させる第2移載処理を実行することを特徴とする容器整列装置。
【請求項2】
上記供給コンベヤは、口部が一方の側方を向いた第1横転状態の容器、または口部が他方の側方を向いた第2横転状態の容器を搬送し、
上記ロボットの上記第1保持部は上記第1横転状態の容器を保持するとともに、上記第2保持部は上記第2横転状態の容器を保持し、
さらに上記搬送状態検出手段によって、上記処理対象容器容器が第1または第2横転状態のいずれであるかを検出可能であり、
上記制御手段は、
上記処理対象容器が第1横転状態であることを検出した場合に上記第1移載処理を実行する際には、
上記第1保持部が保持する容器を上記排出コンベヤに移載させ、その後上記第1保持部によって上記供給コンベヤから上記第1横転状態の処理対象容器を保持させ、
上記処理対象容器が第2横転状態であることを検出した場合に上記第1移載処理を実行する際には、
上記第2保持部が保持する容器を上記排出コンベヤに移載させ、その後、上記第2保持部によって上記供給コンベヤから上記第2横転状態の処理対象容器を保持させることを特徴とする請求項1に記載の容器整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器整列装置に関し、詳しくは横転状態の容器をロボットで保持し、当該容器を排出コンベヤにおいて正立状態となるように移載する容器整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、供給コンベヤから横転状態の容器をロボットによって取出し、当該容器を排出コンベヤにおいて正立状態となるように移載する容器整列装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1の容器整列装置は、上記供給コンベヤによって搬送される容器の向きを検出する向き検出手段を備え、上記ロボットは上記向き検出手段の検出結果に基づいて供給コンベヤから容器を保持し、その後上記容器が正立状態となるように排出コンベヤで容器を移載するようになっている。
また上記特許文献1のロボットは、容器を保持する保持部を2つ備えており、この2つの保持部が供給コンベヤにおいて2つの容器を保持すると、その後、排出コンベヤにおいて2つの保持部が2つの容器を移載する動作を行うようになっており、また上記保持部は供給コンベヤを搬送される横転状態の容器の向きに応じて揺動可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、このような容器整列装置において、上記供給コンベヤへの容器の供給が滞ってしまうと、容器の搬送されない状態が連続して発生してしまうこととなる。
その場合、ロボットは供給コンベヤの容器を排出コンベヤへと移載する動作ができなくなってしまい、結果として排出コンベヤにおいても空きを発生させてしまうこととなる。
このような排出コンベヤにおける空きは、容器整列装置の下流側に設けられたフィラやキャッパといった、容器への内容物充填システムにも悪影響を及ぼし、システム全体の処理能力が低下することなる。
このような問題に鑑み、本発明は供給コンベヤにおいて容器が連続して搬送されないような場合であっても、排出コンベヤで空きの無いように移載することが可能な容器整列装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる容器整列装置は、口部が側方を向いた横転状態で容器を搬送する供給コンベヤと、口部が上方を向いた正立状態の容器を搬送する排出コンベヤと、保持部によって上記供給コンベヤ上に設定された保持領域内に位置する横転状態の容器を保持して、上記排出コンベヤにおいて容器を解放して当該排出コンベヤ上に移載する移載処理を実行するロボットと、上記ロボットを制御する制御手段とを備えた容器整列装置において、
上記供給コンベヤ上の容器搬送状態を検出する搬送状態検出手段を備え、
上記ロボットは、上記横転状態の容器を保持する少なくとも第1保持部および第2保持部を備え、
上記制御手段は、
上記第1保持部および第2保持部が共に容器を保持した状態で、上記搬送状態検出手段の検出結果に基づき、上記保持領域内に移載処理を実行可能な処理対象容器が存在すると判定した場合には、上記ロボットを制御して、第1保持部または第2保持部のいずれか一方が保持した容器を上記排出コンベヤに移載させ、その後、いずれか他方の保持部が容器を保持したまま、上記容器を移載した一方の保持部によって上記処理対象容器を保持させる第1移載処理を実行し、
上記第1保持部および第2保持部が共に容器を保持した状態で、上記搬送状態検出手段の検出結果に基づき、上記保持領域内に上記処理対象容器が存在しないと判定した場合には、上記ロボットを制御して、上記第1保持部および第2保持部が保持した容器をそれぞれ上記排出コンベヤに移載させ、その後、上記保持領域内に上記処理対象容器が新たに存在すると判定した場合に、当該上記第1保持部または第2保持部のいずれか一方によって、上記処理対象容器を保持させる第2移載処理を実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、上記第1、第2保持部がそれぞれ容器を保持し、かつ供給コンベヤの保持領域内に処理対象容器が位置している場合には、一方の保持部だけを用いて容器を排出コンベヤに移載する第1移載処理を行うようになっている。
この第1移載処理では、例えば第1保持部によって移載を行う場合、第2保持部は容器をバッファとして保持し続けるため、その後供給コンベヤに設定した保持領域内に処理対象容器が位置しなくなった場合には、第2移載処理として第2保持部が保持している容器を排出コンベヤに移載することができる。
これにより、供給コンベヤの保持領域に処理対象容器が位置するまでの時間を稼ぐことが可能となり、排出コンベヤでの空きを可及的に発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】供給コンベヤの保持領域およびデータ記憶部のデータを説明する図
【
図6】供給コンベヤの保持領域およびデータ記憶部のデータを説明する図
【
図7】容器整列装置の動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施形態について説明すると、
図1は容器整列装置1の平面図を示し、横転状態の容器2を搬送する供給コンベヤ3と、正立状態の容器2を搬送する排出コンベヤ4と、上記供給コンベヤ3が搬送する容器2の状態を検出する搬送状態検出手段5と、供給コンベヤ3と排出コンベヤ4との間で容器2を移載するロボット6と、上記ロボット6を制御する制御装置7とを備えている。
上記容器2は円筒状を有したプラスチック容器となっており、上端には口部2aが設けられている。本実施形態において、上記容器2は口部2aが側方を向いた横転状態で上記供給コンベヤ3に供給され、上記ロボット6が当該容器2を上記排出コンベヤ4に移載すると、口部2aが上方を向いた正立状態とされるようになっている。
【0009】
上記供給コンベヤ3は、サーボモータやステッピングモータ等の図示しない駆動手段によって駆動される図示しないベルトコンベヤと、当該ベルトコンベヤに沿って等間隔に設けられた収容部3aとから構成され、各収容部3aには上記横転状態の容器2が一つずつ収容されるようになっている。
上記収容部3aは断面略V字形を有しており、当該収容部3aの谷底部(図示破線で示す)は上記ベルトコンベヤの搬送方向に対して直交する向きに設けられている。
これにより、上記収容部3aに横転状態の容器2が収容されると、当該容器2の長手方向(軸心)が供給コンベヤ3の搬送方向と直交するようになっている。
【0010】
上記供給コンベヤ3の上流側には、多数の容器2を収容したホッパ8が設けられており、当該ホッパ8と供給コンベヤ3との間には傾斜フィーダ8aが設けられている。
上記ホッパ8は上記容器2を横転状態で傾斜フィーダ8a上に排出し、また容器2の長手方向を上記供給コンベヤ3の搬送方向に対して直交させた状態で排出するようになっている。
これにより、供給コンベヤ3に供給された容器2は、
図1において口部2aを図示上方に向けた第1横転状態か、口部2aを図示下方に向けた第2横転状態で搬送され、また供給コンベヤ3は、上記第1横転状態の容器2Aまたは第2横転状態の容器2Bをランダムな順番で搬送するようになっている。
【0011】
上記排出コンベヤ4は、供給コンベヤ3と平行に配置されたベルトコンベヤ11と、当該ベルトコンベヤ11に隣接した位置に設けられるともに、起立状態の容器2を一つずつ収容可能なバケットBを移動させるバケットコンベヤ12と、横転状態の容器2を起立状態にする起立手段13とから構成されている。
上記ベルトコンベヤ11は上記バケットコンベヤ12の設けられた範囲よりも下流側まで設けられており、当該延長部分の下流端には図示しない処理装置が設けられている。上記容器2は当該ベルトコンベヤ11によって正立状態を維持したまま処理装置へと搬送されるようになっている。
【0012】
上記バケットコンベヤ12は、無端状に設けられたコンベヤ12aによって上記バケットBを循環搬送させるように構成され、上記コンベヤ12aはサーボモータやステッピングモータ等によって駆動されるようになっている。
そして容器2は、上記ベルトコンベヤ11とバケットコンベヤ12とが重複して設けられた範囲において、バケットBの内部に収容された状態で搬送されるようになっている。
上記バケットBは、上記コンベヤ12aに設けられたステー21と、当該ステー21に固定されたガイド部材22と、搬送される容器2の搬送方向上流側および下流側に設けられたプレート23とを備えている。
またベルトコンベヤ11を挟んでバケットコンベヤ12に対向する位置には、上記ガイド部材22と対称に設けられた固定ガイド部材24が設けられており、当該固定ガイド部材24は上記ベルトコンベヤ11とバケットコンベヤ12との重複部分に渡って設けられている。
上記ガイド部材22および固定ガイド部材24は、下方に設けられて上記容器2の胴部と略同じ間隔で設けられた正立部22a、24aと、当該正立部22a、24aの上方に設けられて上方に向けて拡大するガイド部22b、24bとを備えている。
【0013】
上記バケットBを構成するプレート23とプレート23とは、上記容器2の胴部と略同じ間隔で設けられており、図示しない連結手段を介して上記ステー21に連結されている。
また上記プレート23は上記コンベヤ12aの搬送経路に対して常時直交するように設けられており、
図1に示すように上記バケットBがベルトコンベヤ11との重複部分の下流側まで到達すると、上記プレート23がコンベヤ12aのスプロケットの外周縁に対して直交するように開きながら移動するようになっている。これにより、バケットBに収容されていた容器2が上記ベルトコンベヤ11上に残り、その後ベルトコンベヤ11によって搬送されるようになっている。
【0014】
上記起立手段13は、排出コンベヤ4の搬送方向に沿って水平に配置された一対の第1係合バー13Aおよび第2係合バー13Bから構成され、上記バケットコンベヤ12のバケットBが上記ベルトコンベヤ11上を移動する範囲に設けられている。
図3に示すように、第1、第2係合バー13A、13Bは上記バケットBの上方に設けられ、その間隔は容器2の高さ(軸方向長さ)よりも少し短い幅に設定されている。
後述するように、上記ロボット6は第1横転状態の容器2Aを保持する第1保持部31Aと、第2横転状態の容器2Bを保持する第2保持部31Bとを備えている。
そしてロボット6が第1保持部31AをバケットBの上方に位置させると、上記第1横転状態の容器2Aの口部2a近傍が上記第1係合バー13Aの上方に位置するようになっている。
その状態で第1保持部31Aが容器2Aを解放すると、落下した容器2Aの上部が第1係合バー13Aに当接し、この当接部分を支点として容器2Aの底部が下方に向けて旋回し、底部がガイド部材22および固定ガイド部材24のガイド部22b、24bに当接しながら正立部22a、24aの間に入り込み、容器2が正立状態とされるようになっている。
これと同様、ロボット6が第2横転状態の容器2Bを保持した第2保持部31BをバケットBの上方に位置させ、当該容器2Bの口部2aの近傍を上記第2係合バー13Bの上方に位置させた状態で解放すれば、当該容器2Bの上部が第2係合バー13Bに当接し、バケットBにおいて正立状態で収容されるようになっている。
【0015】
上記供給コンベヤ3における上記ホッパ8とロボット6との間には、供給コンベヤ3の上方に、本発明にかかる搬送状態検出手段5が設けられている。
当該搬送状態検出手段5としては従来公知のCCDカメラを用いることができ、上記供給コンベヤ3を搬送される容器2を撮影するとともに、撮像した画像を上記制御装置7に入力されるようになっている。
【0016】
上記ロボット6は、
図1に示すように上記供給コンベヤ3の下流側に隣接した位置に設けられており、アーム6Aの先端には、保持部材6aを介して第1横転状態の容器2Aを保持する第1保持部31Aと、第2横転状態の容器2Bを保持する第2保持部31Bとが設けられている。
本実施形態のロボット6はいわゆる水平多関節ロボット(スカラロボット)となっており、上記保持部材6aの軸線は常に鉛直方向を向くように構成され、水平面内において回転するようになっている。
上記第1、第2保持部31A、31Bは、それぞれ上記保持部材6aに固定されるとともに、当該保持部材6aの鉛直方向を向いた軸心に対して斜め下方に向けて設けられたロッド31aと、当該ロッド31aの先端に揺動可能に設けられた吸着ヘッド31bとを備えている。
具体的には、第1保持部31Aのロッド31aは、
図3に示すように図示右下に向けて傾斜して設けられており、これにより上記第1保持部31Aによって保持された第1横転状態の容器2Aは、図示右方の口部2aが上方に位置した状態で傾斜するようになっている。
これに対し、第2保持部31Bのロッド31aは図示左下に向けて傾斜して設けられており、上記第2保持部31Bによって保持された第2横転状態の容器2Bは、図示左方の口部2aが上方に位置した状態で傾斜するようになっている。
【0017】
上記第1、第2保持部31A、31Bの吸着ヘッド31bは、図示しない負圧供給手段に接続されており、負圧が供給されると容器2を保持し、負圧の供給が停止すると容器2を解放するようになっている。
また吸着ヘッド31bは蛇腹状を有しており、負圧の供給がされていない状態では伸長状態となっている。このような構成により、供給コンベヤ3において容器2を保持する際に吸着ヘッド31bが上方から容器2に当接すると、容器2の外周に倣って変形して密着するようになっている。
その後、吸着ヘッド31bに負圧を供給すると、容器2が吸着保持されるとともに、上記負圧の供給に伴って吸着ヘッド31bの蛇腹が縮み、上記ロッド31aの傾斜方向に従って容器2が傾斜した状態で保持されるようになっている。
【0018】
そして本実施形態のロボット6は、
図3に示すように、第1、第2保持部31A、31Bを排出コンベヤ4の上方に位置させると、上記保持部材6aが上記起立手段13の第1係合バー13Aと第2係合バー13Bとの略中間に位置するようになっている。
第1、第2保持部31A、31Bによる容器2A、2Bの吸着位置は、容器2の長手方向中央部よりも底部側に少しずれた位置となっているため、第1横転状態の容器2Aの下方には第1係合バー13Aが位置し、第2横転状態の容器2Bの下方には第2係合バー13Bが位置するようになっている。
これにより、例えば第1保持部31Aが上記排出コンベヤ4のバケットBの上方で容器2Aを解放すれば、落下した容器2Aが第1係合バー13Aと当接し、正立状態に起立された状態でバケットBに収容されることとなる。
【0019】
図4に示すように、上記制御装置7は、ロボット6の動作を制御する指令部41と、上記搬送状態検出手段5が撮影した映像を画像処理する画像演算部42と、ロボット6の動作に関する処理指令を上記指令部41に出力する演算制御部43と、上記供給コンベヤ3に保持領域Fを設定する保持領域設定部44と、上記供給コンベヤ3によって搬送される容器2に関するデータを一時的に記憶するデータ記憶部45とを備えている。
また
図5、
図6は、上記供給コンベヤ3によって搬送される容器2を上記制御装置7によって認識する際の動作を説明する図となっており、(a)は供給コンベヤにおける搬送状態を、(b)はこれに対応して上記データ記憶部45に記憶されるデータを説明する図となっている。
上記指令部41は従来公知のコントローラとなっており、上記演算制御部43からの処理指令に基づいて、上記ロボット6のアーム6Aを動作させたり、上記第1、第2保持部31A、31Bの吸着動作や解放動作を行わせるようになっている。
上記画像演算部42は、上記搬送状態検出手段5が撮影した映像信号を従来公知の方法で画像処理し、当該画像を座標データに変換して演算制御部43に入力するものとなっている。
【0020】
上記演算制御部43は、画像演算部42が変換した画像から供給コンベヤ3の各収容部3aに収容された容器2を認識し、当該容器2が第1横転状態であるか第2横転状態であるかを認識し、さらにこれらの容器2の吸着位置を認識し、認識結果を上記データ記憶部45に入力する。
具体的には、容器2の口部2aの位置に基づいて、当該容器2が第1横転状態の容器2Aであるか、第2横転状態の容器2Bであるかを認識し、そのうえで、当該容器2の胴部における長手方向(高さ方向)の中央よりも底部に近い位置を吸着位置として認識する。
ここで、各容器2は上記収容部3aにおいて供給コンベヤ3の搬送方向に対して直交する方向にランダムな位置に収容されるため、上記吸着位置は上記収容部3aに収容された容器2ごとにランダムな位置として認識されることとなる。
また演算制御部43には、上記供給コンベヤ3に設けられたエンコーダ3bからのパルス信号が入力され、さらに当該パルス信号は上記データ記憶部45にも入力されるようになっている。
【0021】
上記保持領域設定部44には、供給コンベヤ3によって搬送される容器2が上記ロボット6によって保持可能な保持領域Fが記憶され、当該保持領域Fは、
図5(a)、
図6(a)に示すように供給コンベヤ3の搬送方向下流側の所要の区間に設定された領域となっている。
具体的には、供給コンベヤ3によって容器2を搬送する領域と、上記ロボット6のアーム6Aによって上記第1、第2保持部31Bを移動させることが可能な領域とが重複した領域となっている。
そして上記供給コンベヤ3によって搬送されて上記保持領域Fに進入した容器2は、上記第1、第2保持部31A、31Bによって保持可能な処理対象容器2となる。
図5(a)では、供給コンベヤ3によって容器2-W1~W11が搬送されており、このうち容器2-W1~W4が上記保持領域Fに進入した処理対象容器2となっている。
一方
図6(a)では、供給コンベヤ3によって容器2-W1~W8が搬送されているものの、いずれの容器2も上記保持領域Fに進入しておらず、処理対象容器2は存在していないこととなる。
そして保持領域設定部44には、上記保持領域Fに対応するパルスデータが登録されている。
【0022】
図5(b)、
図6(b)は、上記データ記憶部45に記憶される各容器2のデータ管理枠D1・・・を示している。
データ管理枠Dは、供給コンベヤ3によって搬送される容器2のうち、最も下流側に位置する容器2をデータ管理枠D1とし、その上流側に隣接する容器2から順に、データ管理枠D2、D3・・・のように管理されるようになっている。
図5(a)において、容器2-W7とW8との間に位置する収容部3aは、容器2の収容されていない空の収容部3aとなるが、本実施形態においては、当該空の収容部3aに対してはデータ管理枠Dを作成しないようになっている。
したがって、
図5(b)や
図6(b)においても、最も下流側に位置する容器2よりも下流側に位置する収容部3aは空であるため、これらの収容部3aに対してのデータ管理枠Dも作成されないようになっている。
そして各データ管理枠Dには、上記演算制御部43が認識した、各容器2の吸着位置(R1・・・)、上記供給コンベヤ3のエンコーダ3bからのパルス数(P1・・・)、当該容器2が第1横転状態であるか第2横転状態であるか(AorB)が登録されている。
各容器2の吸着位置については、上記収容部3aに収容されている容器2が供給コンベヤ3の搬送方向に対して直交する方向にランダムな位置に収容されているため、R1やR2といったデータには、それぞれ吸着位置に関する座標値が登録されている。
上記パルス数Pは、上記供給コンベヤ3における搬送方向における容器2の位置を示しており、容器2が下流側に移動すると、上記エンコーダ3bからのパルス信号に従って増大するようになっている。
なお、本実施形態においては供給コンベヤ3を搬送される容器2についてそれぞれデータ管理枠Dを作製しているが、容器2に代えて収容部3aについてデータ管理枠Dを作製してもよい。この場合例えばデータ管理枠Dには、容器2の有無についてのデータが登録されるようになる。
【0023】
そして上記演算制御部43は、各データ管理枠Dのパルス数Pを監視しており、当該パルス数Pが上記保持領域設定部44に記憶されている保持領域Fのパルスデータに達すると、当該容器2が上記保持領域Fに進入したものと認識する。
例えば
図5(a)(b)において、容器2-W1に対応するデータ管理枠D1のパルス数P1が上記保持領域Fのパルスデータに達している場合、演算制御部43は当該容器容器2-W1が処理対象容器に該当するものとして認識する。
すると、演算制御部43はデータ管理枠D1を参照して、当該容器2が第1横転状態であること(A)を認識し、これにより上記第1保持部31Aを用いて当該容器2を吸着保持することを判断する。
さらに演算制御部43はデータ管理枠D1を参照して、当該容器2の吸着位置(R1)を認識し、これらの認識結果に伴って必要な演算処理を行い、指令部41を介してロボット6に対して処理指令を出力するようになっている。
この処理指令には、上記第1保持部31Aまたは第2保持部31Bを使用することや、各容器2の吸着位置の他、排出コンベヤ4における容器2の収容されていない空のバケットBに追従させて第1、第2保持部31A、31Bを移動させて容器2を収容するための動作が含まれている。
換言すると、上記指令部41は、上記供給コンベヤ3に設定された保持領域Fに位置する横転状態の容器2を保持して、上記排出コンベヤ4において容器2を解放して当該排出コンベヤ3に移載する移載処理を実行させるものとなっている。
そして演算制御部43は、データ管理枠D1にかかる容器2の移載処理が完了すると、データ記憶部45からデータ管理枠D1を消去し、2番目以降のデータ管理枠D2、D3・・・をそれぞれ1つずつ繰り上げるようになっている。
【0024】
ここで、上記構成を有する容器整列装置1では、上記ホッパ8から容器2を排出して、これを上記供給コンベヤ3に供給するようになっているが、ホッパ8内において容器2が摩擦等によって凝集してしまい、一定の間隔で容器2が排出されない場合がある。
その結果、全ての収容部3aに容器2が収容されず、
図6(a)に示すように、空の収容部3aが連続して発生すると、上記供給コンベヤ3の保持領域Fに容器2が存在しない状態が連続して発生するおそれがある。
すると、ロボット6は供給コンベヤ3から容器2を取り出して排出コンベヤ4のバケットBに容器2を移載できなくなるため、排出コンベヤ4において空のバケットBを生じさせてしまうこととなる。
このように排出コンベヤ4において空のバケットBが発生してしまうと、容器整列装置1の下流側においても容器2が欠品した状態が維持されてしまうことから、下流側の装置の生産効率が低下することになる。
そこで本実施形態の容器整列装置1は、以下のような制御を行うことにより、供給コンベヤ3において容器2が連続して保持領域Fに供給されない場合であっても、排出コンベヤ4において空のバケットBが発生しないようにするものである。
【0025】
図7は容器整列装置1の動作を説明するフローチャートを示している。
生産が開始されると(A)、上記ホッパ8から容器2が傾斜フィーダ8aに供給され、このとき容器2の口部2aは傾斜フィーダ8aの搬送方向上流側または下流側を向いた状態で搬送される。
これにより、容器2は傾斜フィーダ8aによって上記供給コンベヤ3の側方から供給され、上記収容部3aに容器2が一つずつ収容されることで、供給コンベヤ3は第1横転状態または第2横転状態の容器2Bを搬送することとなる。
なお、ここでは生産開始直後であるため、上記ロボット6の第1、第2保持部31A、31Bは容器2を保持していない。
【0026】
続いて、供給コンベヤ3が収容部3aに収容された容器2を搬送すると、上記収容部3aが上記搬送状態検出手段5を通過し、その後当該容器2は供給コンベヤ3によって上記保持領域Fまで搬送される。
収容部3aに収容された容器2が搬送状態検出手段5を通過すると、搬送状態検出手段5が撮影した画像に基づいて制御手段が容器2の向きや吸着位置の検出を行うとともに、これらのデータを上記データ記憶部45にデータ管理枠Dとして登録する。
その後、演算制御部43は各データ管理枠Dのパルス数と、保持領域設定部44に登録された保持領域Fのパルスデータとを比較し、最も下流側に位置するデータ管理枠D1の容器2が上記保持領域Fに進入するか否かを認識する(B)。
そして、データ管理枠D1の容器2が保持領域Fに進入すると、制御装置7は当該容器2を処理対象容器として認識するとともに、当該容器2が第1横転状態であった場合には、第1保持部31Aが所要の吸着位置に移動するようロボット6を制御して、上記第1保持部31Aによって当該第1横転状態の容器2Aを保持させる(D1)。
なお、本来であればデータ管理枠D1の容器2がロボット6によって保持されると、データ記憶部45においてデータ管理枠D2だった容器2はデータ管理枠D1に繰り上げられるが、説明のため、ここではデータ管理枠D2の数字を繰り上げず、そのまま説明する。
【0027】
次に制御装置7では、上記データ記憶部45に記憶されているデータ管理枠D2の容器2が保持領域Fに進入したことを認識すると、当該容器2の向きや吸着位置を確認する(E1)。
この保持領域Fに進入したデータ管理枠D2の容器2が第1横転状態である場合、上記第1保持部31Aがすでに容器2を保持していることから、制御装置7はロボット6を制御して、第1保持部31Aを上記排出コンベヤ4に移動させて、保持した容器2Aを上記バケットBに移載する(F1)。
これにより、ロボット6では第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持していない状態となるため、(B)にかかる供給コンベヤ3を搬送される容器2が保持領域Fに進入したか否かの検出を行う動作に戻る。
【0028】
一方、(E1)の動作において、データ管理枠D2の容器2が第2横転状態である場合、制御装置7は続けてロボット6の処理能力(時間的余裕)についての判定を行う(G1)。
具体的には、上記排出コンベヤ4のバケットBのうち、最も下流側に位置する空のバケットBがロボット6による動作範囲のどこにあるかによって、ロボット6がバケットBに容器2を投入できる物理的な範囲が定まり、時間的余裕の判定を行うようになっている。
例えば、上記(D1)の処理において第1保持部31Aが容器2Aを保持した状態で、第2保持部31Bを用いて容器2Bの移載処理を行うのに要する時間と、上記空のバケットBがロボット6の動作範囲から外れるまでの時間とを比較して、移載処理に要する時間が長くなるような場合には、時間的余裕がないと判定する。
時間的余裕がないと判断した場合、制御手段は上記ロボット6を制御して、第1保持部31Aが保持している容器2Aを上記排出コンベヤ4に移載させ(H1)、これにより第1、第2保持部31A、31Bがともに容器2を保持していない状態となり、(B)の処理に戻る。
その後、上記データ管理枠D2の容器2Bがそのまま保持領域Fを通過してしまう場合には、当該容器2は供給コンベヤ3の下流側に設けられた図示しないリターンコンベヤに排出され、当該リターンコンベヤによって上記ホッパ8へ還流される。
【0029】
逆に、(G1)の処理において時間的余裕があると判断した場合には、制御装置7は上記ロボット6を制御して、第2保持部31Bによって供給コンベヤ3を搬送されている第2横転状態の容器2Bを保持させる(I1)。
その結果、上記ロボット6では第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持した状態となり、以下に説明する(J)にかかる処理へと進む。
【0030】
次に、上記(C)の状態、すなわち第1、第2保持部31A、31Bが共に容器2を保持しておらず、データ管理枠D1の容器2が第2横転状態である場合の動作について説明する。
基本的には上述したC~I1の処理に準じるため、詳細な説明については省略するが、データ管理枠D1の容器2が第2横転状態である場合、上記第2保持部31Bが当該第2横転状態の容器2Bを保持する(D2)。
第2保持部31Bが容器2を保持した状態で、後続するデータ管理枠D2の容器2が第2横転状態である場合には、上記第2保持部31Bがすでに容器2Bを保持していることから、第2保持部31Bの容器2Bを上記排出コンベヤ4のバケットBに移載(F2)して、(B)にかかる処理に戻る。
逆に、(E2)にかかる処理において、後続するデータ管理枠D2の容器2が第1横転状態である場合には、時間的余裕の有無を認識し(G2)、時間的余裕がない場合には第2保持部31Bの容器2Bを上記排出コンベヤ4に移載(H2)して、(B)にかかる処理に戻る。
一方、(G2)にかかる処理において時間的余裕があると判断した場合には、第1保持部31Aによって第1横転状態の容器2Aを保持させ(I2)、これにより上記ロボット6の第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持した状態となる。
【0031】
このように、上記C~I1にかかる処理、またはC~I2にかかる処理を行うことで、上記ロボット6の第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持すると、続いて後続するデータ管理枠D3の容器2が保持領域Fに進入しているか否かを判定する(J)。
データ管理枠D3の容器2が保持領域Fに進入している場合、制御装置7は本発明にかかる第1移載処理を行う。
演算制御部43はデータ記憶部45のデータ管理枠D3から当該容器2の向きを認識し(K)、当該容器2が第1横転状態である場合には、すでに第1保持部31Aが容器2Aを保持していることから、制御装置7は上記ロボット6を制御して、第1保持部31Aを上記排出コンベヤ4に移動させて、上記バケットBに容器2を移載する(L1)。
その結果、第1保持部31Aは容器2を保持していない状態となるため、上記第1保持部31Aによって当該データ管理枠D3に対応する第1横転状態の容器2Aを保持させる(M1)。
これにより、再び第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持した状態となり、上記(J)にかかる動作に戻る。
【0032】
一方、上記第1移載処理として、データ管理枠D3の容器2が保持領域Fに進入しており、かつ(K)にかかる処理においてデータ管理枠D3の容器2が第2横転状態である場合には、すでに第2保持部31Bが容器2Bを保持しているため、制御装置7は上記ロボット6を制御して、第2保持部31Bを上記排出コンベヤ4に移動させて、上記バケットBに容器2Bを移載する(L2)。
その結果、第2保持部31Bは容器2を保持していない状態となるため、上記第2保持部31Bによってデータ管理枠D3にかかる第2横転状態の容器2Bを保持させる(M2)。
これにより、再び第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持した状態となるため、上記(J)にかかる動作に戻る。
【0033】
次に、(J)にかかる動作において、第1保持部31A、第2保持部31Bがともに容器2を保持した状態であって、なおかつ後続するデータ管理枠D3の容器2が保持領域Fに進入していない場合、制御装置7は本発明にかかる第2移載処理を行う。
例えば
図6のように、最も下流側に位置するデータ管理枠D3の容器2(
図6では容器2-W1に相当)が保持領域Fに容器2が進入していない場合、制御装置7は当該データ管理枠D3の容器2が処理対象容器2に該当しないものと判定する。
その場合、制御装置7はロボット6を制御し、最初に第1保持部31Aによって排出コンベヤ4のバケットBに容器2を移載し(N)、その後、直ちに第2保持部31Bによって後続するバケットBに容器2Bを移載させる(O)。
この第2移載処理では、排出コンベヤ4の2つのバケットBに対して、第1保持部31Aの容器2および第2保持部31Bの容器2を移載することで、後続するデータ管理枠D3の容器2(
図6では容器2-W1)が保持領域Fに進入するまでの時間を稼ぐことができる。
この(N)、(O)にかかる第2移載処理を行うことにより、ロボット6の第1、第2保持部31A、31Bは共に容器2を保持していない状態となるため、再び(C)にかかる処理に戻って、第1、第2保持部31A、31Bにそれぞれ容器2を保持させる動作を行わせる。
【0034】
以上のように、本実施形態の容器整列装置1によれば、上記C~I1またはC~I2にかかる処理では、供給コンベヤ3から排出コンベヤ4への容器2の移載を行いつつ、第1、第2保持部31A、31Bの両方に容器2を保持させるようになっている。
その際、上記C~I1の処理において説明したように、例えば第1保持部31Aが容器2Aを保持している場合には、供給コンベヤ3において第2横転状態の容器2Bが検出されるまでの間、第1保持部31Aだけを用いて容器2の移載を行うようになっている。
その間、ロボット6は供給コンベヤ3における容器2の保持と、排出コンベヤ4における容器2の開放のみを行うため、ロボット6の処理能力的にロスが発生せず、容器整列装置1の処理能力を高い状態に維持することができる。
【0035】
そして、上記C~I1またはC~I2にかかる処理の結果、第1、第2保持部31A、31Bがともに容器2を保持すると、続くJ~M1またはJ~M2にかかる第1移載処理、またはJ~Oにかかる第2移載処理を行うようになっている。
第1移載処理では、上記ロボット6の保持領域Fに容器2が進入した場合であっても、第1、第2保持部31A、31Bが保持した両方の容器2を排出コンベヤ4に移載させずに、いずれか一方の保持部31が容器2を保持した状態を維持するため、当該保持した容器2をバッファとすることができる。
そして、上記ロボット6の保持領域Fに容器2が進入しない場合には、第2移載処理を行うことにより、第1、第2保持部31A、31Bが保持した両方の容器2を排出コンベヤ4に移載することから、バッファとして保持していた容器2が排出コンベヤ4に移載されて、排出コンベヤ4において空のバケットBが発生するのを防止することができる。
【0036】
なお上記実施形態においては、ロボット6に2つの第1、第2保持部31A、31Bを設けて、上記第1移載処理において第1保持部31Aを用いて移載動作を行う場合には、第2保持部31Bが容器2をバッファとして保持し続けるようになっている。
これに対し、ロボット6に第3、第4・・・の保持部を設けて、上記第2保持部31Bに加えて第3、第4の保持部が容器2を保持し続けるようにすれば、より多くの容器2をバッファとして保持することが可能となる。
【0037】
また、上記実施形態では第1保持部31Aが第1横転状態の容器2Aを、第2保持部31Bが第2横転状態の容器2Bを保持するようになっているが、特許文献1のように、保持した容器2の向きに応じて吸着ヘッド31bを揺動させるようにすれば、第1、第2保持部31A、31Bは第1横転状態または第2横転状態にかかわらず、供給コンベヤ3を搬送される下流側の容器2から順に保持することが可能となる。
その場合であっても、2つの保持部が容器2を保持した状態において、供給コンベヤの最も下流側に位置する容器2が保持領域Fに進入したか否かに応じて、ひとつの保持部だけを用いて移載処理を行う第1移載処理か、2つの保持部が保持した容器を排出コンベヤに移載する第2移載処理を行うことができる。
【0038】
さらに上記実施形態においては、第1、第2保持部31A、31Bを上記ロボット6に設けた保持部材6aに対して傾斜させた状態で固定しているが、これらを傾斜させずに下方を向けて固定してもよい。この場合、容器2の吸着位置を加味して、第1、第2保持部31A、31Bの取付位置を排出コンベヤ4の搬送方向に対して直交する方向にオフセットさせて設けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 容器整列装置 2 容器
3 供給コンベヤ 3a 収容部
4 排出コンベヤ 5 搬送状態検出手段
6 ロボット 11 ベルトコンベヤ
12 バケットコンベヤ 13 起立手段
31A 第1保持部 31B 第2保持部
B バケット F 保持領域