(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164929
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】燃料交換方法及び燃料交換装置
(51)【国際特許分類】
G21C 5/00 20060101AFI20241121BHJP
G21C 19/18 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G21C5/00 B
G21C19/18 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080662
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】村田 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】光安 岳
(72)【発明者】
【氏名】新間 大輔
(57)【要約】
【課題】定期検査における燃料交換作業期間を従来に比べて短縮することができる燃料交換方法及び燃料交換装置を提供する。
【解決手段】原子炉60の炉心63の燃料交換方法は、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4を使用済み燃料プール70へ移動するステップと、炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料集合体4を使用済みの燃料集合体4の移動後の空きスペースに仮置きするステップと、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰水型原子炉の炉心の燃料交換方法であって、
所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料を使用済み燃料プールへ移動するステップと、
炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料を前記使用済みの燃料の移動後の空きスペースに仮置きするステップと、を有する
燃料交換方法。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料交換方法において、
前記所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料を前記炉心の最外周に装荷された燃料とする
燃料交換方法。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料交換方法において、
Nを自然数とし、前記燃料を炉内移動する場合において、前記所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料はN+2サイクル燃料であって、N+1サイクル燃料を前記移動により空きスペースとなったN+2サイクル燃料の位置に移動し、Nサイクル燃料を、前記移動により空きスペースとなったN+1サイクル燃料の位置に移動するステップを更に有する
燃料交換方法。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料交換方法において、
前記所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料は前記炉心の最外周に装荷された燃料であって、
前記燃料を移動させることで生成された空きスペースに前記炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料を仮置きするステップを更に有する
燃料交換方法。
【請求項5】
請求項1に記載の燃料交換方法であって、
前記燃料を炉内移動する場合において、前記燃料を炉内滞在時間が同等以上となるサイクル燃料の空きスペースに仮置きするステップを更に有する
燃料交換方法。
【請求項6】
請求項1に記載の燃料交換方法において、
前記燃料の移動パターン、及び次のステップでの燃料移動情報を表示装置に表示するステップを更に有する
燃料交換方法。
【請求項7】
沸騰水型原子炉の炉心の燃料交換装置であって、
燃料を前記炉心内、及び前記炉心と使用済み燃料プールとの間で移動させる燃料交換機と、
燃料移動パターンを生成する燃料配置管理装置と、を備え、
前記燃料配置管理装置は、
所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料を前記使用済み燃料プールへ移動させ、その後に炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料を前記使用済みの燃料の移動後の空きスペースに移動させる
燃料交換装置。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料交換装置において、
前記燃料配置管理装置は、前記所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料を前記炉心の最外周に装荷された燃料とする
燃料交換装置。
【請求項9】
請求項7に記載の燃料交換装置において、
前記燃料を炉内移動する場合において、前記所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料はN+2サイクル燃料であって、N+1サイクル燃料を前記移動により空きスペースとなったN+2サイクル燃料の位置に移動させ、Nサイクル燃料を、前記移動により空きスペースとなったN+1サイクル燃料の位置に移動させる
燃料交換装置。
【請求項10】
請求項7に記載の燃料交換装置において、
前記燃料配置管理装置は、前記所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料を前記使用済み燃料プールへ移動させ、生成された空きスペースに前記炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料を移動させる
燃料交換装置。
【請求項11】
請求項7に記載の燃料交換装置において、
前記燃料配置管理装置は、目的の位置に装荷されている前記燃料を炉内滞在時間が同等以上となるサイクル燃料の空きスペースに移動させる
燃料交換装置。
【請求項12】
請求項7に記載の燃料交換装置において、
前記燃料移動パターン、及び次の燃料移動情報を表示する表示装置を更に備える
燃料交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉での燃料交換方法及び燃料交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、炉心からSFP(Spent Fuel Pool:使用済み燃料プール)へ燃料を同時に複数体ずつ移送した後、SFP内で炉心の燃料配置を考慮した燃料シャフリング、及び新燃料との入れ替えを行い、SFPから炉心へ燃料を同時に複数体ずつ移送し、装荷する、ことが記載されている。
【0003】
特許文献2には、燃料配置情報、単位作業期間毎の作業工程及び制約条件等に基づき、炉心関連作業実行時の単位作業期間毎の取出し目標燃料配置が決定され、また、この取出し目標燃料配置、単位作業期間で可能な燃料移動数上限値、燃料配置情報及び制約条件等に基づき、単位作業期間毎の燃料移動作業手順が作成される、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-167977号公報
【特許文献2】特開平3-248093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
原子力発電プラントでは、原子炉内の核燃料管理の一環で、核燃料の燃焼度の均一化と有効利用を図るために定期的に燃料交換(燃料シャフリング)を行う。燃料は炉内滞在サイクルによって分類されており、燃料交換では次のサイクル数の燃料が入るべき位置に移動させる。
【0006】
炉内に滞在する燃料のサイクル数は1サイクルから5サイクルまであり、滞在期間の長い5サイクル目燃料は炉外に取り出される。また、1サイクルから4サイクルまでの燃料は、それぞれ次のサイクル(2サイクルから5サイクル)に相当する位置に移動されている。
【0007】
この移動は、一旦別の場所、例えば使用済み燃料プールを経由して、最終装荷位置に装荷されるか、もしくは移動元から直接移動先へと移動されるかの手段がとられる。
【0008】
従来は、一旦使用済み燃料プールに炉内燃料を全数移動し、点検作業を行った後、炉内のシャフリング後の燃料配置情報に基づいて、使用済み燃料プールから炉内所定位置に燃料を移動する手段を採用していたことから、使用済み燃料プールと炉内の移動に時間を要し、それに伴って燃料移動工程及び定期検査作業全体工程の長期化の要因となっていた。
【0009】
また、上記の燃料交換作業手順は作業者が作成しており、各燃料の移動元及び移動先を間違いなく設定しなければならない上に、原子炉の未臨界度を確認する必要があり、燃料交換作業手順作成者の負担が大きい、との課題があった。
【0010】
特に、定期検査工程の短縮要求もあり、上記の燃料移動工程と点検作業とを並行作業することを考慮しながら計画を作成しなければならないが、作成された工程は経験や作成者の技量にも依存する傾向があった。
【0011】
上述したように、従来の燃料交換手順作成方法では作成者への依存が大きい。したがって、手順の作成を自動化する際の燃料交換作業手順作成指針の提示が困難であった。
【0012】
特許文献1には、炉心からSFPへ燃料を移動し、SFP内で燃料シャフリング後の炉心内配置を考慮した燃料入れ替えを行い、その後SFPから炉心へ複数燃料体を同時に移動及び炉内装荷を行うことで、燃料交換作業時間を短縮できることが示されている。この方法により、炉内での制約を課した燃料移動回数を低減でき、システマティックな方法で燃料移動工程を短縮化することが期待される。しかしながら、SFPと炉内との間の燃料移動には時間がかかるため、更なる時間短縮対策が求められる。
【0013】
特許文献2には、炉心の初期燃料配置、最終目標燃料配置及び対象燃料のデータを有する燃料データベースと、対象となる原子炉の炉心構造及び燃料プール構造のデータを有する作業環境データベースと、原子炉の定期検査作業のうち燃料移動または制御棒の操作を必要とする炉心関連作業の対象、期間、作業工程案のデータを有する定期検査工程データベースを用いた効率的な燃料シャフリング計画を作成できることが示されている。しかしながら、SFPと炉内との燃料移動は従来どおり発生しており、さらなる工程短縮対策が求められる。
【0014】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、定期検査における燃料交換作業期間を従来に比べて短縮することができる燃料交換方法及び燃料交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、沸騰水型原子炉の炉心の燃料交換方法であって、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料を使用済み燃料プールへ移動するステップと、炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料を前記使用済みの燃料の移動後の空きスペースに仮置きするステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、定期検査における燃料交換作業期間を従来に比べて短縮することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る燃料交換装置及び周辺設備を備えた原子力発電プラントの平面図である。
【
図2】第1実施形態に係る燃料交換装置及び周辺設備を備えた原子力発電プラントの上面図である。
【
図3】燃料移動に係る移動制約を説明する図である。
【
図4】第1実施形態に係る燃料交換装置の機能ブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る燃料交換装置の他の形態の機能ブロック図である。
【
図6】第1実施形態に係る燃料交換方法での燃料移動の概念図である。
【
図7】第1実施形態に係る燃料交換方法での作業の流れの概略を示すフロー図である。
【
図8】第1実施形態の燃料交換装置及び燃料交換方法による燃料移動の効果を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る燃料交換方法での炉心最外周への燃料仮置きに関する原子炉の未臨界性を確認する炉停止余裕評価結果を示す図である。
【
図10】第3実施形態の燃料交換方法での燃料移動の概略を示す図である。
【
図11】第4実施形態に係る燃料交換装置での燃料移動情報の出力例を示すである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の燃料交換方法及び燃料交換装置の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0019】
<第1実施形態>
本発明の燃料交換方法及び燃料交換装置の第1実施形態について
図1乃至
図8を用いて説明する。
【0020】
最初に、燃料交換装置及び周辺設備を備えた原子力発電プラントの構成について
図1乃至
図3を用いて説明する。
図1は第1実施形態に係る燃料交換装置及び周辺設備を備えた原子力発電プラントの平面図、
図2はその上面図、
図3は燃料移動に係る移動制約を説明する図である。
【0021】
図1及び
図2では、定期検査時における原子力発電プラント1を示しているが、原子力発電プラント1は、原子炉60、使用済み燃料プール70、燃料交換機80、燃料配置管理装置120、表示部110、入力装置112等を備えている。
【0022】
このうち、原子炉60の炉心63の燃料交換装置は、燃料交換機80及び燃料配置管理装置120により構成される。
【0023】
原子炉60は、原子炉圧力容器61と、その上部に設けられた原子炉ウエル68と、を有している。原子炉圧力容器61は、原子炉格納容器(図示の都合で省略)に取り囲まれており、原子炉建屋(図示省略)内に設置されている。原子炉60は、ゲート部72を介して使用済み燃料プール70に接続されている。また、原子炉圧力容器61の炉心63及び使用済み燃料プール70には、それぞれ複数の燃料集合体4が配置されている。更に、原子炉60、使用済み燃料プール70及びゲート部72には、ドットで示す水Wが充填されている。
【0024】
原子炉60の炉心63は、燃料集合体4、制御棒5、中性子計装管(図示省略)などから構成されている。燃料集合体4は、燃料棒やウォータロッドが束ねられたものをチャンネルボックスの中に入れて構成される。燃料棒には、燃料ペレットが充填されている。チャンネルボックスは、冷却材の流路を構成し、燃料棒によって加熱され、沸騰した蒸気の浮遊を防止する役割をしている。また、チャンネルボックスの外側、すなわち、燃料集合体と燃料集合体の間には、沸騰しない水の領域があり、中性子の減速を促進する役割を持つとともに、制御棒の挿入のための空間、更に中性子計装管の設置場所の役割を果たしている。
【0025】
原子炉60は、最大反応度価値を持つ制御棒5が挿入されなくても、他の制御棒5によって炉を停止できるように設計されている。炉停止余裕は、原子炉60を停止する能力の余裕を示す指標であり、制御棒5を全て挿入された状態で原子炉60が臨界に対してどのくらい余裕があるかを示すものである。この炉停止余裕が所定の値以上であれば未臨界状態を維持できると判断する。
【0026】
図3は原子炉60の炉心63の1区画を抜き出した概念図である。原子炉60の炉心63は、平面視において正方形である複数の区画に区切られており、区切られた区画を「セル62」と呼ぶ。
【0027】
図3の(a)に示すように、各々のセル62は、各々4個の燃料集合体4を収納することができる。そして、各々の燃料集合体4の上面には、燃料集合体4毎にユニークなID(識別番号)を刻印または印刷した長方形のIDが設けられている。
【0028】
ここで、
図3の(a)に示すような状態から更に燃料集合体4b,4cを引き抜いた状態とし、更に燃料集合体4aを引き抜こうとすると、燃料集合体4aや制御棒5が転倒する虞があることから、燃料の移動制約を満足するために、燃料集合体4b,4cの位置への燃料集合体の装荷もしくは仮置き、もしくは
図3の(b)に示すようにダミー燃料に相当するダブルブレードガイド6が入っていなければ、更なる燃料集合体4aの引き抜き及び燃料集合体4aの位置への装荷はできない。
【0029】
図3に示すように、制御棒5は、十字型をしており、4体の燃料集合体4、すなわち各々のセル62に1体の割合で配置されている。沸騰水型原子炉の制御棒5は、炉心の下部から挿入される。中性子計装管は16体の燃料集合体4に1体の割合で設置されている。
【0030】
図1及び
図2に戻り、燃料交換機80は、燃料集合体4を炉心63内、及び炉心63と使用済み燃料プール70との間で移動させるための装置であり、燃料交換台車81、伸縮管82、ケーブル87、燃料交換制御装置88等を備えている。
【0031】
燃料交換台車81は、原子炉60及び使用済み燃料プール70の上方において水平方向に移動自在に設置されている。伸縮管82は燃料交換台車81に装着され、燃料集合体4を把持して伸縮することにより、燃料集合体4を上下方向に移動させる。これにより、燃料交換機80は、原子炉60及び使用済み燃料プール70において、燃料集合体4を所望の位置に移動させることができる。
【0032】
燃料交換台車81及び伸縮管82は、ケーブル87を介して燃料交換制御装置88に接続されている。燃料交換制御装置88は、燃料交換作業等の内容を指令する作業信号を燃料配置管理装置120から受信し、該作業信号に基づいて燃料集合体4を移動させる。また、燃料交換制御装置88は、作業者によるマニュアル操作によっても、燃料交換作業等を実行することが可能である。また、燃料交換制御装置88は、燃料交換作業後の燃料集合体4の配置情報を燃料配置管理装置120に対して出力する。
【0033】
燃料交換機80は、
図2に示した要素に加えて、一対のレール83と、一対の他のレール84と、横行台車86と、を備えている。レール83は、原子炉60及び使用済み燃料プール70の上方に、図中左右方向に沿って延設されている。燃料交換台車81は、レール83の上面に沿って、左右方向に移動する。また、レール84は、燃料交換台車81の上面に、レール83と直交する方向(前後方向と呼ぶ)に沿って敷設され、横行台車86とともにレール83に沿って左右方向に移動する。
【0034】
また、横行台車86は、レール84に沿って前後方向に移動する。これにより、上述したように、燃料交換台車81は、原子炉60及び使用済み燃料プール70の上方において、平面上を自在に移動することができる。
【0035】
燃料配置管理装置120は、燃料移動パターンを生成し、燃料交換制御装置88に燃料交換作業等の内容を指令する作業信号を出力する装置である。本実施形態では、燃料配置管理装置120は、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4を使用済み燃料プール70へ移動させ、その後に炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料集合体4を使用済みの燃料集合体4の移動後の空きスペースに仮置きさせる。その詳細は後述する。
【0036】
また、燃料配置管理装置120は、使用済みの燃料集合体4を炉心63の最外周に装荷された使用済みの燃料集合体4とすることが望ましい。その詳細についても後述する。
【0037】
この燃料配置管理装置120は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等、一般的なコンピュータとしてのハードウェアを備えており、SSDには、OS(Operating System)、管理プログラム、各種データ等が格納されている。OS及び管理プログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。
【0038】
入力装置112は、マウス、キーボード等(図示省略)を備え、作業者によって操作される。
【0039】
図4に第1実施形態に係る燃料交換装置の機能ブロック図を、
図5にバリエーションを示す。
【0040】
図4では、燃料配置管理装置120の内部は、管理プログラム等によって実現される機能をブロックとして示している。燃料配置管理装置120は、入力部122、燃料移動計画データベース126、燃料移動パターン生成部124、遠隔制御部144、燃料移動実績データベース127、燃料移動計画表示部145、出力部142等を備えている。
【0041】
入力部122は、入力装置112から作業者の操作情報もしくは事前にプログラムした制御情報を受信し、燃料移動計画データベース126から燃料移動元及び移動先情報を基に燃料移動パターン生成部124で燃料移動工程を生成する。生成された燃料移動工程に従って、遠隔制御部144に燃料移動情報が送られ、この情報を燃料移動実績データベース127に格納して、燃料移動状態を記録する。また、燃料移動計画表示部145で逐次燃料移動計画を出力し、出力部142での出力結果を表示部110で作業者に提示する。
【0042】
図5の燃料配置管理装置120Aは、
図4に示した燃料配置管理装置120に、燃料装荷が正しく実施されているかを監視する燃料装荷状態監視部134を追加した機能ブロック図である。上述あるいは後述の「燃料配置管理装置120」は適宜「燃料配置管理装置120A」に置き換え可能である。
【0043】
燃料状態の監視については、カメラ画像を用いた、燃料IDの自動読み取り及び燃料移動計画情報との照合によって、燃料装荷状態が常に正しいかを監視するシステムなどがある。燃料装荷状態の監視については、カメラ画像によらない手法も含まれる。
【0044】
図6は、
図2に示した原子炉60の炉心63を簡素化した概略平面図の1/4である。
【0045】
図6に示すように、炉心63に装荷された燃料集合体4がセル62に配置されている。セル62の中心に記している数字はセル62内の燃料集合体4の炉内滞在期間ごとに区分されたサイクル数を表しており、新しく装荷された燃料のサイクル数を「1」とし、炉内に装荷されて一定期間が経過して炉心から取り出すタイミングの燃料をサイクル数を「5」とした、「1」乃至「5」までの数字で示される。燃料交換作業においては、1サイクル燃料が2サイクル燃料が装荷されていた位置に移動され、同様に2サイクル燃料が3サイクル燃料位置に、3サイクル燃料が4サイクル燃料位置にそれぞれ移動される。
【0046】
従来の燃料移動手法では、まず点検位置(点でハッチングされている領域)に装荷されている燃料(
図6に示す燃料は1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクルの各燃料が1体ずつ装荷されている)を使用済み燃料プール70に取り出す。この時点で点検位置の燃料装荷位置が空となるため、点検を開始することができる。
【0047】
点検開始後、所定の炉内滞在サイクルを経過した燃料(本実施形態の例では最外周に装荷された燃料)を使用済み燃料プール70に取り出す。ここで移動する燃料はすべて使用済み燃料プール70への移動となっており、炉心63から使用済み燃料プール70までの移動時間が炉内移動に比べて長いために工程が長期化する要因となっている。
【0048】
燃料移動では、燃料移動元と移動先とが対になって燃料移動が可能となる。従って、燃料移動先の空きスペースがない場合には、当該場所に装荷されている燃料を別の場所に移動して空きスペースを作ることで燃料移動が可能となる。これらの知見から、最外周にかかわらず炉内に別の空きスペースがある場合、その位置に移動先の候補となる位置に装荷されている燃料を当該空きスペースに移動することで移動先の空きスペースを確保し、燃料移動することで、燃料移動の距離を低減できる。
【0049】
更に、炉内60の空きスペースを作るために、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料(5サイクルの燃料)を使用済み燃料プール70に取り出すことで、余計な使用済み燃料プール70への燃料移動を行うことなく、移動先の空きスペースを作り出すことができる。
【0050】
第1実施形態では、まず、
図6に示す所定の炉内滞在サイクルを経過した燃料として、最外周に装荷された5サイクル目の使用済みの燃料を使用済み燃料プール70に移動する。その後、取り出して空いたスペースに点検位置に装荷されている燃料(
図6に示す点検位置には1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクルの各燃料が1体ずつ装荷されている)を移動する。
【0051】
この移動において、最外周の空きスペースは、4サイクル目燃料と5サイクル目燃料が装荷されるべきスペースとなっているため、点検位置に装荷されている1サイクルと2サイクル目燃料が本来装荷されるべきスペースは最外周には存在しない。そこで、これらの燃料を最外周に仮置きする。
【0052】
ただし、仮置きする場合、そのスペースに本来装荷されるべきサイクル燃料ではない燃料が装荷されることによる未臨界性確保ができるかを確認することが強く望まれる。
【0053】
以上の燃料移動の流れを
図7を用いてフローを用いて説明する。
図7は第1実施形態に係る燃料交換方法での作業の流れの概略を示すフロー図である。
【0054】
まず、
図7に示すように、最外周、及び炉内60に存在する所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4を使用済み燃料プール70へ移動する(S11)。
【0055】
その後、点検(炉心関連作業)を行う位置に装荷されている燃料集合体4を先のステップS11により最外周に作られた空きスペースに仮置きする(S12)。
【0056】
次いで、点検位置に燃料集合体4がまだ存在するか否かを判定し(S13)、存在ずると判定された場合は処理をステップS14に進めて、ステップS11で作られた炉内60の空きスペースにも仮置きを行い(S14)、点検位置の燃料集合体4を全て仮置き用の空きスペースに仮置きする。なお、炉内60に空きスペースが全く無くなった場合は、使用済み燃料プール70に最小数の燃料集合体4を移動させる。
【0057】
ステップS13において存在しないと判定された場合、あるいはステップS14の完了後は、点検位置の燃料がすべて引き抜かれたタイミングで点検作業を開始可能となることから、点検作業を実行する(S15)。
【0058】
点検作業では、燃料移動に用いる燃料交換台車81を利用した作業も含まれるが、必ずしも必要とはならず、不要である場合には燃料交換台車81が作業待ち状態となる。
【0059】
ここで、点検作業点検位置以外の炉内移動を並行して実施することで、全体の工期短縮を図ることができることから、作業状況に応じて、ステップ15の完了を待たずに点検位置以外の炉内燃料移動を行う(S16)。ここで、このS16における炉内移動に関しては、後述する第3実施形態で示した燃料の玉突き移動を行うことで、継続した燃料移動を実現できる。
【0060】
点検作業が完了した後、点検位置に適切なサイクル数の燃料を移動し(S17)、1サイクル目燃料の位置に新燃料を装荷して(S18)、燃料移動(シャフリング)を完了する。
【0061】
図8は、第1実施形態の燃料交換装置及び燃料交換方法による燃料移動の効果を示す図であり、沸騰水型原子炉における点検作業の工程を示している。
図8では、燃料移動数は872体を仮定した。
【0062】
図8に示すように、従来手法においては、燃料集合体4を使用済み燃料プール70に全数移動し、点検作業完了後に適切な装荷先に燃料を移動するのに対し、本発明では極力炉内移動を用いて燃料移動を行うことで、使用済み燃料プール70と炉内60との移動時間を約2/3に短縮し、全体工程として約1日の短縮効果を上げられる見込みである。本効果は点検数及び燃料移動体数によっても変わり、また燃料移動作業と点検作業を並行化することでも効果をあげることができる。
【0063】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0064】
上述した本発明の第1実施形態の原子炉60の炉心63の燃料交換装置であって、燃料集合体4を炉心63内、及び炉心63と使用済み燃料プール70との間で移動させる燃料交換機80と、燃料移動パターンを生成する燃料配置管理装置120と、を備え、燃料配置管理装置120は、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4を使用済み燃料プール70へ移動させ、その後に炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料集合体4を使用済みの燃料集合体4の移動後の空きスペースに仮置きさせる。また、本発明の第1実施形態の原子炉60の炉心63の燃料交換方法は、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4を使用済み燃料プール70へ移動するステップと、炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料集合体4を使用済みの燃料集合体4の移動後の空きスペースに仮置きするステップと、を有する。
【0065】
これによって、使用済み燃料プール70への燃料移動を最小限に抑制するため、燃料シャフリングでの燃料移動時間を短くすることができ、従って、定期検査における工程を従来の方法に比べて短縮することができる。
【0066】
また、使用済みの燃料集合体4を炉心63の最外周に装荷された燃料集合体4とするため、燃焼度の高い燃料を最外周に仮置きすることができるようになり、未臨界性を容易に確保することができ、様々な燃焼度の燃料集合体4に対して未臨界性を確保した仮置きが可能である。
【0067】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置について
図9を用いて説明する。
図9は炉心最外周への燃料仮置きに関する原子炉の未臨界性を確認する炉停止余裕評価方法を示す図である。
【0068】
第2実施形態では、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4に加えて、最外周に位置する使用済みの燃料集合体4(5サイクルの燃料集合体4)以外の燃料集合体4(主に4サイクルの燃料集合体4)も仮置き場を生成するための取り出しの対象とすることで、仮置き時に燃料の未臨界性を別途確認することなく燃料移動先の空きスペースを生成する。
【0069】
図6の本実施形態に示す、格子内の点でハッチングされている部分は炉心から燃料を取り出す部分であることを示している。
【0070】
まず第1ステップとして、最外周に存在する5サイクル燃料に加えて、4サイクル燃料を炉心63外に取り出す。第2ステップでは、点検位置の1サイクル燃料及び2サイクル燃料を最外周に仮置きする。第3ステップでは、3サイクル燃料を最外周の4サイクル燃料位置に、4サイクル燃料を最外周の5サイクル燃料位置にそれぞれ移動する。
【0071】
上記ステップにより点検位置の燃料がすべて取り除かれるので、点検位置での点検作業を開始することができる。なお、第3ステップと第4ステップについては、いずれを先に実施してもその後の状態は同じであるため、その順序は問わない。
【0072】
図9は最外周に燃焼度の高い1サイクル目燃料が装荷された状態において、制御棒5が1本落下した場合に炉停止余裕の数値を用いて未臨界性を評価した結果である。炉停止余裕が1%dk以上であれば未臨界を確保できると評価することができる。
【0073】
図9中、内側かつ制御棒5が周囲にある燃料集合体4d、最外周かつ周囲に制御棒5がない燃料集合体4e、反応度の高い仮置き燃料集合体4fとしたときに、
図9に示す通り、制御棒5が1本落下した場合に、炉停止余裕は、ケース1では4.7%、ケース2では3.4%、ケース3では2.7%と、いずれのケースでもその数値を確保できていることを確認した。場所によっては制御棒が周囲に存在しない領域があるが、そのケースにおいても未臨界を担保できている。以上より、あらゆるサイクル数の燃料に対して最外周の空きスペースを仮置きスペースとして利用した炉内燃料移動が可能である。
【0074】
また、点検位置の数が多い場合には点検位置から取り出す燃料の数も多くなり、最外周の燃料を取り出して作られた空きスペースだけでは燃料をすべて装荷できない場合がある。その場合には、点検位置以外の炉内4サイクル燃料のうち、所定の炉内滞在サイクルを経過した燃料を使用済み燃料プール70に取り出すことで最外周以外の空きスペースを作り、点検位置に装荷されている4サイクル燃料を仮置きすることで点検位置の燃料を取り出すことができる。
【0075】
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0076】
本発明の第2実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置においても、前述した第1実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置とほぼ同様な効果が得られる。
【0077】
また、炉心63の最外周に装荷された燃料集合体4を使用済み燃料プール70へ仮移動するステップと、仮移動させることで生成された空きスペースに炉心関連作業を行う座標に装荷されている燃料集合体4を仮置きするステップと、を更に有することにより、未臨界性を確実に確保した炉内移動を実現することができる。
【0078】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置について
図10を用いて説明する。
図10は第3実施形態の燃料交換方法での燃料移動の概略を示す図である。
【0079】
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、取り出すことになっている燃料集合体4を使用済み燃料プール70に取り出すが、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料集合体4はN+2サイクル燃料であって、N+1サイクル燃料を移動により空きスペースとなったN+2サイクル燃料の位置に移動し、Nサイクル燃料を、移動により空きスペースとなったN+1サイクル燃料の位置に移動させる。
【0080】
より具体的には、取り出されるべき燃料すべてを取り出さずに、点検位置のセル62に装荷された燃料集合体4と同数の燃料集合体4を取り出す。これにより、点検位置のセル62以外のセル62には燃料集合体4が装荷されており、点検位置のセル62の燃料集合体4は取り除かれている状態を作り、点検作業を開始可能とする。
【0081】
点検作業開始後、点検位置以外の燃料移動を行うが、燃料移動に用いる燃料交換機80は設置台数が限られているため、その台数に相当する燃料装荷先スペースがあれば燃料移動を行ことができる。
【0082】
そこで、燃料配置管理装置120は、燃料集合体4を炉内でその後に装荷される位置に移動させることで、必要最小限の数の燃料集合体4を使用済み燃料プール70に移動させるのみでの燃料移動を実現することができる。
【0083】
また、燃料配置管理装置120は、燃料集合体4の移動の移動先を作るために、目的の位置のセル62に装荷されている燃料集合体4を炉内滞在時間が同等以上の燃料集合体4が装荷されているセル62の位置へ移動させることが望ましい。
【0084】
より具体的には、
図10に示すように、3サイクル燃料が4サイクル燃料位置に移動し、2サイクル燃料が先の移動で空いた3サイクル燃料位置に移動し、1サイクル燃料が先の移動で空いた2サイクル燃料位置に移動を行うこと(以下、玉突き移動と記す)で、燃料移動を継続して実施可能となる。
【0085】
図10中、○つき数字は燃料装荷先の位置を示しており、(a)は3サイクル燃料が4サイクル燃料位置に移動、(b)は2サイクル燃料が3サイクル燃料位置に移動、(c)は1サイクル燃料が2サイクル燃料位置に移動、(d)は1サイクル燃料位置が空きスペースとなる。
【0086】
上記のような玉突き移動で生成される1サイクル燃料位置の空きスペースは、最終的には新燃料が炉外から装荷されることになるが、この玉突き移動においては、次の玉突き移動を可能とするように、4サイクル燃料を先の移動で空いた1サイクル燃料位置に仮置きする。これにより、3サイクル燃料が4サイクル燃料位置に移動することが可能となり、次の玉突き移動を行うことができる。
【0087】
玉突き移動を継続するために発生する1サイクル位置への仮置き燃料については、燃料移動が完了以降に使用済み燃料プール70もしくは炉内の最終装荷位置に移動し、新燃料が1サイクル燃料位置に装荷されて燃料移動が完了する。
【0088】
第3実施形態における玉突き移動に際しては、点検位置以外には燃料移動先スペース以外に空きスペースがないため、燃料移動における制約が課せられず、燃料移動元の選定に自由度がある。
【0089】
また、
図3に示した燃料移動制約によって、ダブルブレードガイド6が必要となることがあるが、第3実施形態では移動先となる位置に空きスペースが存在するのみで他のセルは燃料が装荷されているため、ダブルブレードガイド6を用いることなく燃料の取り出し及び装荷が可能となる。ダブルブレードガイド6の移動が不要となるため、さらなる燃料移動工程の短縮効果を期待できる。
【0090】
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0091】
本発明の第3実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置においても、前述した第1実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置とほぼ同様な効果が得られる。
【0092】
また、燃料を炉内移動する場合において、所定の炉内滞在サイクルを経過した使用済みの燃料はN+2サイクル燃料であって、N+1サイクル燃料を移動により空きスペースとなったN+2サイクル燃料の位置に移動し、Nサイクル燃料を、移動により空きスペースとなったN+1サイクル燃料の位置に移動するステップを更に有することにより、点検作業中に点検作業位置以外の炉内燃料移動ができるようになることから、燃料移動作業と点検作業とを並行して実施することができるとともに炉内移動による燃料交換を多用して燃料移動の長期化要因となっている炉心63と使用済み燃料プール70との間の移動を最小限に抑制することができ、更なる工期短縮を図ることができる。更に、燃料集合体4を引き抜いたスペースに次の燃料集合体4が装荷されるため、同一のセル62内の隣り合う燃料集合体4を引き抜くことはできず、必ず引き抜かれる燃料集合体4は対角位置である必要がある、という炉内燃料の抜き出し及び装荷における制約条件を容易に満たすことができ、更なる工程短縮効果を期待できる。
【0093】
更に、目的の位置に装荷されている燃料集合体4を炉内滞在時間が同等以上の燃料集合体4が装荷されている位置へ仮置き移動するステップを更に有することによっても、未臨界性を確保した炉内移動を実現し、工程短縮を達成することができる。
【0094】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置について
図11を用いて説明する。
図11は第4実施形態に係る燃料交換装置での燃料移動情報の出力例を示すである。
【0095】
第4実施形態では、燃料移動パターン、及び次の燃料移動情報を表示部110に表示することで、計画した燃料移動が確実に遂行されていることを確認することができる。表示部110での表示画面50の例を
図11に示す。
【0096】
図11の表示画面50中、画面左側には、炉心63の内部が表示されており、Zoomボタンを用いて炉内状況をより詳細に確認することができる。画面内には、次のステップで移動すべき燃料の移動元及び移動先位置が四角枠で表示されており、移動計画が一目でわかる。画面右側には燃料の移動元及び移動先の座標と、当該燃料のIDが表示されている。別途設置されたカメラ画像(図示しない)と併設することで、その移動が正しく行われているかをリアルタイムに確認することが可能である。
【0097】
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0098】
本発明の第4実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置においても、前述した第1実施形態の燃料交換方法及び燃料交換装置とほぼ同様な効果が得られる。
【0099】
また、燃料集合体4の移動パターン、及び次のステップでの燃料移動情報を表示部110に表示するステップを更に有することにより、ユーザは作業の進捗状況や正しく移動作業が進んでいるか否かを容易に把握することができるようになる。
【0100】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0101】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0102】
例えば、上記した機能は、ハードウェアで実装してもよいし、ソフトウェアでプログラムされて実施されても構わない。
【符号の説明】
【0103】
1…原子力発電プラント
4,4a,4b,4c,4d,4e,4f…燃料集合体
5…制御棒
6…ダブルブレードガイド
50…表示画面
60…原子炉
61…原子炉圧力容器
62…セル(区画)
63…炉心
68…原子炉ウエル
70…使用済み燃料プール(SFP)
72…ゲート部
80…燃料交換機
81…燃料交換台車
82…伸縮管
83,84…レール
86…横行台車
87…ケーブル
88…燃料交換制御装置
110…表示部
112…入力装置
120,120A…燃料配置管理装置
122…入力部
124…燃料移動パターン生成部
126…燃料移動計画データベース
127…燃料移動実績データベース
134…燃料装荷状態監視部
142…出力部
144…遠隔制御部
145…燃料移動計画表示部
W…水