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特開2024-164934エレベーターの据付構造及び据付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164934
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】エレベーターの据付構造及び据付方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20241121BHJP
   B66B 7/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B66B11/02 A
B66B7/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080673
(22)【出願日】2023-05-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】澤木 泰司
【テーマコード(参考)】
3F305
3F306
【Fターム(参考)】
3F305DA07
3F305DA21
3F306AA01
3F306CA07
3F306CA11
3F306CA24
3F306CA37
(57)【要約】
【課題】エレベーターのかご室を据え付ける際、かご床の壁設置面に載せたかご壁がかご床の外側に外れて落ちることを防ぐ。
【解決手段】据付治具は、乗りかごの上部においてかご天井の外縁部に沿って取り付けられる上部梁に取り付けられる複数の上部取付具、乗りかごの下部においてかご床の外縁部に取り付けられる複数の下部取付具、及び複数の上部取付具と複数の下部部取付部材とを繋ぐ複数の縦部材と、複数の縦部材を繋ぐ横部材とを有する網状部材、を備え、据付治具は、かご枠及びかご床を据え付けた後且つかご壁を据え付ける前に乗りかごに取り付けられ、かご壁及びかご天井を据え付けた後で乗りかごから撤去される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、
前記かご室は、前記かご枠に支えられるかご床、前記かご床の上方に据え付けられるかご天井、及び前記かご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ前記壁設置面と前記かご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し、
前記乗りかごは、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部梁に着脱可能に取り付けられ得り、
前記下部取付具は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に取り付けられ得り、
前記網状部材は、前記上部取付具と前記下部取付具とを繋ぐ複数の縦部材、及び前記複数の縦部材を繋ぐ横部材を有する、
エレベーターの据付構造。
【請求項2】
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され得り、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得り、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得る、
請求項1に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項3】
前記かご床は、前記かご床の前記外縁部を成す巾木台を有し、
前記巾木台は、前記壁設置面を有し、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記巾木台における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得る、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項4】
前記かご枠は、前記乗りかごの上部に据え付けられる上枠を有し、
前記上枠は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸び、
前記上枠は、前記上部梁を兼ねる、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項5】
前記乗りかごの上部に据え付けられる手摺装置を有し、
前記手摺装置は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる梁を有し、
前記梁は、前記上部梁を兼ねる、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項6】
前記下部取付具は、前記かご床の前記壁設置面よりも上方に突出するように前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に取り付けられ得る、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項7】
前記下部取付具は、取付位置を上下方向に調整可能に前記かご床の前記外縁部に接合される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項8】
前記網状部材は、前記縦部材の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項9】
前記横部材は、前記かご壁の据付位置における重心位置と前記かご壁の据付位置における上端との間に設けられる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項10】
前記網状部材は、前記縦部材及び前記横部材の一方の部材に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材及び前記横部材の他方の部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付治具。
【請求項11】
前記据付治具は、前記上部取付具又は前記下部取付具に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付治具。
【請求項12】
請求項1に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご床を据え付けるかご床据付工程と、
前記上部梁を前記乗りかごの上部に取り付ける上部梁取付工程と、
前記網状部材を前記上部梁と前記かご床の前記外縁部との間に設置する網状部材設置工程と、
前記かご床据付工程、前記上部梁取付工程、及び前記網状部材設置工程よりも後に行われ、前記かご壁を前記かご床の前記壁設置面に載せて据え付けるかご壁据付工程と、
前記かご壁据付工程よりも後に行われ、前記かご天井を前記かご壁に載せて据え付けるかご天井据付工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する下部取付具分離工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する上部取付具分離工程と、
前記下部取付具分離工程及び前記上部取付具分離工程よりも後に行われ、前記据付治具を前記乗りかごから撤去する据付治具撤去工程と、を含む、
エレベーターの据付方法。
【請求項13】
請求項2に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご室の中で各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する前記下部取付具分離工程と、
前記かご天井の上で各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する前記上部取付具分離工程と、を含む、
請求項12に記載のエレベーターの据付方法。
【請求項14】
前記下部取付具分離工程よりも後且つ前記据付治具撤去工程よりも前に行われ、前記複数の下部取付具及び前記網状部材を前記かご天井の上で引っ張り上げて前記かご天井の上に集める据付治具収集工程と、を含む、
請求項12又は請求項13に記載のエレベーターの据付方法。
【請求項15】
前記かご床据付工程よりも後且つ前記かご壁据付工程よりも前に行われ、前記かご天井を前記かご天井における据付位置と前記上部梁の取付位置との間に吊るすかご天井吊り工程と、を含む、
請求項12又は請求項13に記載のエレベーターの据付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はエレベーターの据付構造及び据付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータのかご壁パネル(例えば特許文献1を参照)は、床パネルの巾木パネルに載せられてボルト結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62-096290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベータのかご室を据え付ける際、巾木パネルの上面に載せたかご壁パネルがかご床の外側に外れて落ちる恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエレベーターの据付構造は、据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、かご室は、かご枠に支えられるかご床、かご床の上方に据え付けられるかご天井、及びかご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ壁設置面とかご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し、乗りかごは、かご天井の外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、上部取付具は、上部梁に着脱可能に取り付けられ得り、下部取付具は、かご床の外縁部におけるかご室の外側に着脱可能に取り付けられ得り、網状部材は、上部取付具と下部取付具とを繋ぐ複数の縦部材、及び複数の縦部材を繋ぐ横部材を有する。
【0007】
本発明に係るエレベーターの据付方法は、上述のエレベーターの据付構造を用いてかご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、かご床を据え付けるかご床据付工程と、上部梁を乗りかごの上部に取り付ける上部梁取付工程と、網状部材を上部梁とかご床の外縁部との間に設置する網状部材設置工程と、かご床据付工程、上部梁取付工程、及び網状部材設置工程よりも後に行われ、かご壁をかご床の壁設置面に載せて据え付けるかご壁据付工程と、かご壁据付工程よりも後に行われ、かご天井をかご壁に載せて据え付けるかご天井据付工程と、かご天井据付工程よりも後に行われ、各下部取付具とかご床の外縁部とを分離する下部取付具分離工程と、かご天井据付工程よりも後に行われ、各上部取付具と上部梁とを分離する上部取付具分離工程と、下部取付具分離工程及び上部取付具分離工程よりも後に行われ、据付治具を乗りかごから撤去する据付治具撤去工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るエレベーターの据付構造及び据付方法によれば、かご室を据え付ける際、かご床の壁設置面に載せたかご壁がかご床の外側に外れて落ちることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1におけるエレベーター装置の全体を示す図面である。
図2】実施の形態1におけるかご室の内側を示す斜視図である。
図3】実施の形態1における乗りかごの外側を示す図面である。
図4】実施の形態1における乗りかごの外側を示す図面である。
図5】実施の形態1における乗りかごの鉛直断面を示す図面である。
図6】実施の形態1における乗りかごの鉛直断面を示す図面である。
図7】実施の形態1における据付治具の取付状態を示す図面である。
図8】実施の形態1における据付治具の取付状態を示す図面である。
図9】実施の形態1における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図10】実施の形態1における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図11】実施の形態1におけるエレベーターの据付方法を示すフローチャートである。
図12】実施の形態1の第1変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図13】実施の形態1の第1変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図14】実施の形態1の第2変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図15】実施の形態1の第2変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図16】実施の形態1の第2変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。
図17】実施の形態1の第2変形例における据付治具の止め具を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るエレベーターの据付構造及び据付方法の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。各図面を通じて同一符号は、同一もしくは相当部分を示すものとする。
【0011】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造及び据付方法について図面を用いて説明する。
【0012】
初めに、図1から図6を用いてエレベーター装置の構成について説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1におけるエレベーター装置の全体を示す図面である。図1は、実施の形態1におけるエレベーター装置が据え付けられた建物の鉛直断面図である。図2は、実施の形態1におけるかご室の内側を示す斜視図である。図2は、かご室の内部を図1の前側から見た図面である。図3は、実施の形態1における乗りかごの外側を示す図面である。図3は、乗りかごを図1の右側から見た図面である。図4は、実施の形態1における乗りかごの外側を示す図面である。図4は、乗りかごを図1の後側から見た図面である。図5は、実施の形態1における乗りかごの鉛直断面を示す図面である。図5は、図4におけるA-A矢視の図面である。図6は、実施の形態1における乗りかごの鉛直断面を示す図面である。図6は、図3におけるB-B矢視の図面である。
【0014】
なお、図3から図6において、要部を分かりやすくするため、後述するかご用吊り車7及び後述するかご用ガイド装置11を省略する。
【0015】
ここで、後述する乗りかご3及び後述するつり合いおもり4の前後方向、左右方向及び上下方向は、図1における前後方向、左右方向及び上下方向である。乗りかご3及びつり合いおもり4の左右方向は、乗りかご3及びつり合いおもり4の幅方向である。乗りかご3及びつり合いおもり4の前後方向は、乗りかご3及びつり合いおもり4の奥行方向である。乗りかご3及びつり合いおもり4の上下方向は、乗りかご3及びつり合いおもり4の高さ方向である。
【0016】
昇降路1は、上下方向に伸びている。昇降路1は、建物の複数の階2を通っている。
【0017】
乗りかご3及びつり合おもり4は、昇降路1の内部に配置されている。
【0018】
巻上機5は、昇降路1の内部に設置されている。巻上機5は、綱車5aを有している。綱車5aは、駆動されて回転する。巻上機5は、綱車5aを駆動及び制動する。
【0019】
主索6は、巻上機5の綱車5aに巻き掛けられている。主索6は、両端を昇降路1に固定されている。主索6は、綱車5aよりも一端側を乗りかご3に設けられたかご用吊り車7に巻き掛けられている。主索6は、綱車5aよりも他端側をつり合おもり4に設けられたおもり用吊り車8に巻き掛けられている。主索6は、乗りかご3及びつり合おもり4を保持している。
【0020】
一対のかご用ガイドレール9及び一対のおもり用ガイドレール10は、昇降路1の底部から頂部まで上下方向に伸びている。各かご用ガイドレール9は、乗りかご3の昇降方向に伸びている。各おもり用ガイドレール10は、つり合おもり4の昇降方向に伸びている。かご用ガイドレール9は、乗りかご3の左方及び右方に配置されている。おもり用ガイドレール10は、つり合おもり4の左方及び右方に配置されている。
【0021】
かご用ガイド装置11は、乗りかご3の上部及び下部における左側及び右側に取り付けられている。乗りかご3の右側のかご用ガイド装置11は、乗りかご3の右方のかご用ガイドレール9と嵌合している。乗りかご3の左側のかご用ガイド装置11は、乗りかご3の左方のかご用ガイドレール9と嵌合している。かご用ガイド装置11がかご用ガイドレール9に沿って移動することにより、乗りかご3は昇降方向に案内される。
【0022】
おもり用ガイド装置12は、つり合いおもり4の上部及び下部における左側及び右側に取り付けられている。つり合いおもり4の左側のおもり用ガイド装置12は、つり合いおもり4の左方のおもり用ガイドレール10と嵌合している。つり合いおもり4の右側のおもり用ガイド装置12は、つり合いおもり4の右方のおもり用ガイドレール10と嵌合している。おもり用ガイド装置12がおもり用ガイドレール10に沿って移動することにより、つり合いおもり4は昇降方向に案内される。
【0023】
エレベーター装置は、上記の通りに設けられている。エレベーター装置は、巻上機5の滑車5aを回転させて主索6を移動させることにより、複数の階2に昇降路1に隣接して設けられた図示しない各乗場の間で乗りかご3を上下方向に昇降させる。利用者は、乗場から乗りかご3に乗り、乗りかご3が昇降した後、別の乗場で降りる。
【0024】
次に、乗りかご3の構成について説明する。
【0025】
乗りかご3は、かご枠13、かご室14、及び手摺装置15を有している。
【0026】
かご枠13は、上枠16、下枠17及び一対の縦枠18を有している。
【0027】
上枠16は、乗りかご3の上部に設けられている。上枠16は、かご室14の上方に配置されている。上枠16は、後述するかご天井20の真上に配置されている。上枠16は、一対のかご用ガイドレール9の間に配置されている。上枠16は、左方及び右方にかご室14よりも長く伸びている。例えば、かご用ガイド装置11は、上枠16における左部及び右部に取り付けられている。
【0028】
上枠16は、前梁16a、後梁16b、及び一対の側梁16cを有している。前梁16aは、乗りかご3の前部に設けられている。後梁16bは、乗りかご3の後部に設けられている。側梁16cは、乗りかご3の左部及び右部に設けられている。前梁16a及び後梁16bは、左右方向に伸びている。各側梁16cは、前後方向に伸びている。前梁16a、後梁16b、及び各側梁16cは、後述するかご天井20の水平方向の外縁部に沿って水平方向に伸びている。各側梁16cは、前梁16aと後梁16bとを繋いでいる。前梁16a、後梁16b、及び一対の側梁16cは、環状に繋がっている。
【0029】
下枠17は、乗りかご3の下部に設けられている。下枠17は、かご室14の下方に配置されている。下枠17は、一対のかご用ガイドレール9の間に配置されている。下枠17は、左方及び右方にかご室14よりも長く伸びている。下枠17は、かご室14を支えている。例えば、かご用ガイド装置11は、下枠17における左部及び右部にそれぞれ取り付けられている。下枠17は、図示しないかご用非常止め装置を取り付けられている。かご用非常止め装置は、一対のかご用ガイドレール9の近傍に配置される。かご用非常止め装置は、主索6が切れた場合等の非常時に作動し、一対のかご用ガイドレール9を掴んで乗りかご3を停止させる。
【0030】
一対の縦枠18は、乗りかご3の側部に設けられている。縦枠18は、かご室14の左方及び右方に配置されている。各縦枠18は、上方及び下方にかご室14よりも長く伸びている。各縦枠18は、上枠16と下枠17とを繋いでいる。各縦枠18は、上枠16と下枠17とに接合されている。
【0031】
上枠16、下枠17及び一対の縦枠18は、環状に繋がっている。かご枠13は、かご室14の上方、下方、左方、及び右方の四方を囲んでいる。
【0032】
かご室14は、上下方向に上枠16と下枠17との間に配置されている。かご室14は、下枠17に載っている。かご室14は、水平方向に一対の縦枠18の間に配置されている。かご室14は、かご床19、かご天井20、かご壁21、及びかご扉22を有している。
【0033】
かご床19は、かご室14の下部を成している。かご床19は、床板19a、床支持梁19b、床敷物19c、巾木台19d、及び巾木19eを有している。
【0034】
床板19aは、水平方向に広がっている。床板19aは、床支持梁19bに載っている。
【0035】
床支持梁19bは、床板19aを支えている。床支持梁19bは、床板19aに沿って伸びている。床支持梁19bは、床板19aに接合されている。床支持梁19bは、下枠17に載っている。床支持梁19bは、下枠17に接合されている。
【0036】
床敷物19cは、床板19aに載っている。床敷物19cは、床板19aに沿って広がっている。床敷物19cは、床板19aに貼り付けられている。床敷物19cは、例えばゴムタイル、石材等である。
【0037】
巾木台19dは、床板19aに載っている。巾木台19dは、床板19aの水平方向の外縁部に配置されている。巾木台19dは、床板19aの水平方向の外縁部に沿って水平方向に伸びている。巾木台19dは、かご床19の水平方向の外縁部を成している。巾木台19dは、床板19aに接合されている。
【0038】
巾木台19dは、壁設置面19fを有している。壁設置面19fは、巾木台19dの頂部に設けられている。壁設置面19fは、上を向いている。壁設置面19fは、床板17aの水平方向の外縁部に沿って伸びている。壁設置面19fは、かご床19の外縁部に位置している。
【0039】
巾木19eは、巾木台19dにおけるかご室14の内側に設けられている。巾木19eは、巾木台19dと水平方向に対向している。巾木19eは、巾木台19dに沿って水平方向に伸びている。巾木19eは、巾木台19dに支えられている。巾木19eは、巾木台19dに接合されている。巾木19eは、かご室14の中で巾木台19dに着脱され得る。
【0040】
かご天井20は、かご室14の上部を成している。かご天井20は、天井板20a及び照明器具20bを有している。天井板20aは、水平方向に広がっている。天井板20aの水平方向の外縁部は、かご天井20の水平方向の外縁部を成している。天井板20aは、床板19aの真上に配置されている。かご天井20の水平方向の外縁部は、かご床19の水平方向の外縁部の真上に配置されている。照明器具20bは、天井板20aに取り付けられている。照明器具20bは、かご床19の上面に光を照射する。
【0041】
ここで、明細書を簡潔に記載するために、下記において、かご床19の水平方向の外縁部をかご床19の外縁部と略して記載し、かご天井20の水平方向の外縁部をかご天井20の外縁部と略して記載する。
【0042】
かご壁21は、かご室14の前側、後側、左側、及び右側の各側部を成している。かご壁21は、上下方向にかご床19の外縁部とかご天井20の外縁部との間に配置されている。かご壁21は、かご床19の外縁部及びかご天井20の外縁部に沿って水平方向に伸びている。かご壁21は、巾木台19dの壁設置面19fに載っている。かご壁21は、巾木台19dの壁設置面19fと接合されている。かご天井20の天井板20aは、かご壁21に載っている。かご天井20の天井板20aは、かご壁21に接合されている。
【0043】
かご室14は、かご室14の前側の側部を成すかご壁21にかご出入口14aを設けられている。かご出入口14aは、かご室14の前側の側部を成すかご壁21を前後方向に貫いている。
【0044】
かご出入口14aは出入口枠23で形成されている。出入口枠23は、出入口柱23a及び出入口上板23bを有している。出入口柱23aは、かご出入口14aは左側及び右側に配置されている。出入口上板23bは、かご出入口14aの上側に配置されている。
【0045】
かご壁21は、かご壁21の幅方向に互いに着脱可能に分割されている。例えば、かご壁21は、出入口枠23、袖壁24a、袖壁24b、正面壁25、側面壁26a、及び側面壁26bに分割されている。
【0046】
袖壁24は、かご室14の前側の側部を成すかご壁21である。袖壁24aは、かご出入口14aの左側に設けられる袖壁24である。袖壁24bは、かご出入口14aの右側に設けられる袖壁24である。正面壁25は、かご室14の後側の側部を成すかご壁21である。側面壁26は、かご室14の左側及び右側の側部を成すかご壁21である。側面壁26aは、かご室14の左側の側部を成す側面壁26である。側面壁26bは、かご室14の右側の側部を成す側面壁26である。
【0047】
例えば、正面壁25は、正面壁25の幅方向に3つに互いに着脱可能に分割されている。例えば、側面壁26aは、側面壁26aの幅方向に2つに互いに着脱可能に分割されている。例えば、側面壁26bは、側面壁26bの幅方向に2つに互いに着脱可能に分割されている。
【0048】
出入口枠23、袖壁24a、袖壁24b、正面壁25、側面壁26a、及び側面壁26bは、かご床19の外縁部及びかご天井20の外縁部に沿って水平方向に連なっている。
【0049】
かご扉22は、かご室14の外側からかご出入口14aに対向している。かご扉22は、かご出入口14aの幅方向に移動する。乗場に乗りかご3が到着しているとき、かご扉22はかご出入口14aを開閉する。かご扉22がかご出入口14aを開いているとき、利用者はかご室14に出入りできる。乗場に乗りかご3が到着していないとき、かご扉22はかご出入口14aを閉じている。かご扉22がかご出入口14aを閉じているとき、利用者はかご室14に出入りできない。
【0050】
手摺装置15は、かご室14の上方に設けられている。手摺装置15は、かご天井20の真上に配置されている。手摺装置15は、複数の支持柱15a、複数の手摺15b、及び複数の中桟15cを有している。
【0051】
支持柱15aは、かご天井20の水平方向の各隅の上方に設けられている。例えば、支持柱15aは、上枠16の水平方向の各隅の上部から上方に伸びている。
【0052】
複数の手摺15bは、各支持柱15aの上部を繋いでいる。各手摺15bは、かご天井20の外縁部に沿って水平方向に伸びている。
【0053】
複数の中桟15cは、各支持柱15aを繋いでいる。各中桟15cは、かご天井20の外縁部に沿って伸びている。各中桟15cは、手摺15bの真下に配置されている。
【0054】
乗りかご3は、上記の通りに設けられている。
【0055】
次に、図7から図10を用いて据付治具31について説明する。
【0056】
図7は、実施の形態1における据付治具の取付状態を示す図面である。図7は、据付中の乗りかごに取り付けられた据付治具を示す図面である。図7は、図5におけるかご天井20、かご壁21、かご扉22、床敷物19c、及び巾木19eを据え付ける前の状態を示している。図7の二点鎖線は、作業員27及び作業員27が据え付けている正面壁25を示している。図8は、実施の形態1に据付治具の取付状態を示す図面である。図8は、据付中の乗りかごに取り付けられた据付治具を示す図面である。図8は、図4におけるかご天井20、かご壁21、かご扉22、床敷物19c、及び巾木19eを据え付ける前の状態を示している。図8の二点鎖線は、作業員27が据え付けている正面壁25を示している。図9は、実施の形態1における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。図9は、図7におけるC部の詳細を示す図面である。図10は、実施の形態1における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。図10は、図7におけるD部の詳細を示す図面である。
【0057】
なお、図7及び図8において、要部を分かりやすくするため、かご用吊り車7、かご用ガイド装置11、並びに乗りかご3の前側、右側、及び左側に取り付けられる据付治具31を省略する。
【0058】
また、図7及び図8において、かご天井20は図示しない支持部材によりかご天井20の据付位置よりも上方に保持されている。かご天井20はかご天井20の据付位置の真上に位置している。かご天井20は上枠16の真下に位置している。かご天井20は上下方向にかご天井20の据付位置と上枠16との間に位置している。
【0059】
据付治具31は、かご室14を据え付ける際に使用するものである。据付治具31は、複数の上部取付具32、複数の下部取付具33、及び網状部材34を有している。
【0060】
各上部取付具32は、上部梁35に着脱可能に取り付けられている。上部梁35は、乗りかご3の上部に取り付けられている。上部梁35は、かご天井20の外縁部に沿って伸びている。上枠16は、上部梁35を兼ねている。複数の上部取付具32は、かご天井20の外縁部に沿って互いに間隔をあけて並んでいる。各上部取付具32は、かご室14の据付位置よりも外側に配置されている。各上部取付具32は、かご壁21の据付位置よりも水平方向にかご室14の外側に伸びている。
【0061】
例えば、各上部取付具32は、上部接合部材36により上枠16に接合されている。例えば、上部接合部材36が有する雄ねじ部は、上部取付具32に設けられた孔に通されて上枠16に設けられた雌ねじ部にねじ込まれている。例えば、上部接合部材36は、六角ボルトである。例えば、上枠16は、雌ねじ穴をあけられている。例えば、かご天井20の上で上部接合部材36と上枠16とを分離し得る。
【0062】
各下部取付具33は、巾木台19dにおけるかご室14の外側に着脱可能に取り付けられている。複数の下部取付具33は、かご床19の外縁部に沿って互いに間隔をあけて並んでいる。各下部取付具33は、かご室14の据付位置よりも外側に配置されている。各下取付具33は、かご壁21の据付位置よりも水平方向にかご室14の外側に伸びている。各下部取付具33は、巾木台19dの壁設置面19fよりも上に突出している。各下部取付具33と壁設置面19fとの間の隙間の幅は、かご壁21の厚さより小さい。
【0063】
例えば、各下部取付具33は、下部接合部材37により巾木台19dに接合されている。例えば、下部接合部材37が有する雄ねじ部は、かご室14の内側から巾木台19dに設けられた孔に通されて下部取付具33に設けられた雌ねじ部にねじ込まれている。例えば、下部接合部材37は、六角ボルトである。例えば、下部取付具33は、ナットを接合されている。例えば、かご室14の中で下部接合部材37と巾木台19dとを分離し得る。
【0064】
網状部材34は、かご壁21の据付位置よりもかご室14の外側に位置している。網状部材34は、かご壁21の据付位置よりも水平方向にかご室14の外側に配置されている。
【0065】
網状部材34は、複数の縦部材38及び複数の横部材39を有している。
【0066】
各縦部材38は、上下方向に伸びている。各縦部材38は、上部取付具32と下部取付具33とを繋いでいる。各縦部材38は、かご壁21の据付位置におけるかご室14の外側に沿って伸びている。複数の縦部材38は、かご床19の外縁部及びかご天井20の据付位置における外縁部に沿って互いに間隔をあけて並んでいる。かご壁21の据付位置よりもかご室14の外側、且つ分割されたかご壁21の各部分の据付位置における幅方向の両側に縦部材38が配置されている。例えば、縦部材38は、ロープである。例えば、縦部材38は、鎖である。例えば、網状部材34は、縦部材38の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る。
【0067】
各横部材39は、複数の縦部材38を繋いでいる。各横部材39は、水平方向に伸びている。各横部材39は、かご壁21の据付位置におけるかご室14の外側に沿って伸びている。隣り合う2つの縦部材38の間において、横部材39は、かご壁21の据付位置における重心位置とかご壁21の据付位置における上端との間に配置されている。例えば、横部材39は、ロープである。例えば、横部材39は、鎖である。例えば、網状部材34は、横部材39の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る。
【0068】
据付治具31は、上記の通りに設けられる。据付治具31は、かご室14の後側に取り付けられるだけでなく、かご室14の前側、右側、及び左側にも同様に取り付けられ得る。
【0069】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造は、据付治具31を使用して乗りかご3のかご枠13にかご室14を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、かご室14は、かご枠13に支えられるかご床19、かご床19の上方に据え付けられるかご天井20、及びかご床19の外縁部に位置する壁設置面19fに載せられ且つ壁設置面19fとかご天井20の外縁部との間に据え付けられるかご壁21を有し、乗りかご3は、かご天井20の外縁部に沿って伸びる上部梁35を上部に取り付けられ、据付治具31は、複数の上部取付具32、複数の下部取付具33、及び網状部材34を有し、上部取付具32は、上部梁35に着脱可能に取り付けられ得り、下部取付具33は、かご床19の外縁部におけるかご室14の外側に着脱可能に取り付けられ得り、網状部材34は、上部取付具32と下部取付具33とを繋ぐ複数の縦部材38、及び複数の縦部材38を繋ぐ横部材39を有する。
【0070】
これにより、かご室14を据え付ける際、かご床19の壁設置面19fに載せたかご壁21がかご床19の外側に外れて落ちることを防ぐことができる。
【0071】
また、かご室14を据え付けた後、据付治具31を取り外すので、乗りかご3が昇降するために必要な空間を大きくすることなく据付治具31を使用することができる。
【0072】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造において、上部梁35は、かご天井20の据付位置よりも上に取り付けられ、据付治具31は、複数の上部接合部材36及び複数の下部接合部材37を有し、上部取付具32は、上部接合部材36により上部梁35に着脱可能に接合され得り、上部接合部材36は、据え付けられたかご天井20の上で接合を解かれ得り、下部取付具33は、下部接合部材37によりかご床19の外縁部におけるかご室14の外側に着脱可能に接合され得り、下部接合部材37は、かご床19の外縁部におけるかご室14の内側に突出し且つ据え付けられたかご室14の中で接合を解かれ得る。
【0073】
これにより、かご室14を据え付けた後、かご室14の中及びかご天井20の上で据付治具31と乗りかご3とを容易に分離することができる。
【0074】
また、かご室14を据え付けた後、かご天井20を足場とし、据付治具31を乗りかご3から容易に撤去することができる。
【0075】
また、かご壁21を据え付ける際、かご天井20をかご天井20の据付位置と上部梁35との間に吊るすことにより、かご天井20を容易に据え付けることができるとともに、吊るされたかご天井20の水平方向の揺れを据付治具31により抑制することができる。
【0076】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造において、かご床19は、かご床19の外縁部を成す巾木台19dを有し、巾木台19dは、壁設置面19fを有し、下部取付具33は、下部接合部材37により巾木台19dにおけるかご室14の外側に着脱可能に接合され得る。
【0077】
これにより、下部取付具33をかご床19の外縁部に沿わせて容易に取り付けることができる。特に、既設のエレベーターのかご壁を交換する場合、かご壁21、巾木台19d、及び巾木19eを設けることにより下部取付具33をかご床19の外縁部に容易に取り付けることができる。
【0078】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造において、下部取付具33は、かご床19の壁設置面19fよりも上方に突出するようにかご床19の外縁部におけるかご室14の外側に取り付けられ得る。
【0079】
これにより、かご室14を据え付ける際、かご床19の壁設置面19fに載せたかご壁21がかご床19の外側に外れてかご壁21が落ちることをより確実に防ぐことができる。
【0080】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造において、かご枠13は、乗りかご3の上部に据え付けられる上枠16を有し、上枠16は、かご天井20の外縁部に沿って伸び、上枠16は、上部梁35を兼ねる。
【0081】
これにより、上部取付具32をかご天井20の外縁部に沿わせて容易に取り付けることができる。特に、上枠16とかご天井20との間に上部梁を設けなくてもよいので、乗りかご3の高さを高くすることなく据付治具31を使用することができる。
【0082】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造において、網状部材34は、縦部材38の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る。
【0083】
これにより、網状部材34を巻き取れば、網状部材34の運搬、設置、及び撤去を容易に行うことができる。特に、据付治具31を使用してかご室14を据え付けた後、網状部材34をかご天井20の上で引っ張り上げながら巻き取ることにより、網状部材34をかご天井20の上に容易に集めることができる。
【0084】
実施の形態1におけるエレベーターの据付構造において、横部材39は、かご壁21の据付位置における重心位置とかご壁21の据付位置における上端との間に設けられる。
【0085】
これにより、かご壁21が網状部材34にもたれた際、かご壁21が横部材39を乗り越えてかご床19の外側に落ちることを防ぐことができる。
【0086】
次に、図11を用いてかご室14の据付方法について説明する。
【0087】
図11は、実施の形態1におけるエレベーターの据付方法を示すフローチャートである。
【0088】
実施の形態1におけるエレベーターの据付方法は、図11にS1からS10で示される第1工程から第10工程を含んでいる。
【0089】
第1工程(かご床据付工程)では、かご床19を据え付ける。第1工程は、次のように行われる。
【0090】
かご枠13の下枠17を据え付け、下枠17の上にかご床19を載せ、かご床19と下枠17とを接合し、かご床19を据え付ける。
【0091】
例えば、一対のかご用ガイドレール9を昇降路1に据え付け、一対のかご用ガイドレール9の間に下枠17を据え付け、下枠17に取り付けられた図示しないかご用非常止め装置を作動させることにより、下枠17を一対のかご用ガイドレール9に固定し、下枠17にかご床19を据え付ける。
【0092】
第2工程(上部梁取付工程)では、上部梁35を乗りかご3の上部に取り付ける。第2工程は、次のように行われる。
【0093】
上部梁35を兼ねる上枠16を据え付けることにより、上部梁35を乗りかご3の上部に取り付ける。
【0094】
例えば、左側の縦枠18を下枠17の左側の端部から上方に向けて立てて下枠17と接合し、右側の縦枠18を下枠17の右側の端部から上方に向けて立てて下枠17と接合し、上枠16を一対の縦枠18の上部の間に配置して一対の縦枠18と接合し、上枠16を据え付ける。
【0095】
なお、第2工程は下枠17を据え付けた後で行われる。
【0096】
第3工程(網状部材設置工程)では、網状部材34を上部梁35とかご床19の外縁部との間に設置する。第3工程は、次のように行われる。
【0097】
上枠16に複数の上部取付具32を取り付ける。例えば、上部取付具32を上部接合部材36により上枠16に接合する。
【0098】
かご床19の外縁部を成す巾木台19dにおけるかご室14の外側に複数の下部取付具33を取り付ける。例えば、下部取付具33を下部接合部材37により巾木台19dにおけるかご室14の外側に接合する。
【0099】
網状部材34は、上枠16と巾木台19dとの間に設置される。網状部材34は、据付後のかご壁21よりもかご室14の外側に設置される。
【0100】
例えば、複数の上部取付具32と網状部材34とが脱着可能である場合、第3工程よりも前に上部取付具32と網状部材34とを分離して上部取付具32を上枠16に取り付け、第3工程で網状部材34を上部取付具32に取り付けてもよい。
【0101】
例えば、複数の下部取付具33と網状部材34とが脱着可能である場合、第3工程よりも前に下部取付具33と網状部材34とを分離して下部取付具33を巾木台19dに取り付け、第3工程で網状部材34を下部取付具33に取り付けてもよい。
【0102】
第4工程(かご天井吊り工程)では、かご天井20をかご天井20の据付位置と上部梁35の取付位置との間に吊るす。第4工程は、次のように行われる。
【0103】
例えば、乗りかご3よりも上方に設けた吊りビームとかご天井20とをワイヤロープで連結することによりかご天井20を吊るす。例えば、上枠16とかご天井20とを金具で連結することによりかご天井20を吊るす。
【0104】
なお、第1工程よりも後でかご天井20をかご床19の上に搬入し、第4工程でかご天井20を吊るしてもよい。
【0105】
なお、第4工程は、第1工程よりも後且つ第6工程よりも前に行われる。第4工程を第5工程よりも前に行うことにより、かご壁21に妨げられることなく、かご天井20を容易に吊るすことができる。
【0106】
第5工程(かご壁据付工程)では、かご壁21をかご床19の壁設置面19fに載せて据え付ける。第5工程は、次のように行われる。
【0107】
分割されたかご壁21の各部分をかご床19の上に搬入する。分割されたかご壁21の各部分を巾木台17dの壁設置面19fに載せ、壁設置面19fの上に立てて巾木台19dと接合する。
【0108】
なお、第5工程は、第1工程、第2工程、及び第3工程よりも後に行われる。
【0109】
第6工程(かご天井据付工程)では、かご天井20をかご壁21に載せて据え付ける。第6工程は、次のように行われる。
【0110】
かご天井20をかご壁21の上方から下ろす。かご天井20の外縁部をかご壁21に載せる。かご天井20の外縁部とかご壁21とを接合する。
【0111】
なお、第6工程は、第5工程よりも後に行われる。
【0112】
第7工程(下部取付具分離工程)では、各下部取付具33とかご床19の外縁部とを分離する。第7工程は、次のように行われる。
【0113】
かご室14の中で各下部接合部材37を下部取付具33から取り外す。例えば、かご室14の中で下部接合部材37の雄ねじ部と下部取付具33の雌ねじ部とを緩めて外すことにより、下部取付具33と巾木台19dとを分離する。例えば、下部取付具33から外した下部接合部材37をの巾木台19dの孔からかご室14の中に移す。
【0114】
なお、第7工程は、第6工程よりも後に行われる。
【0115】
第8工程(据付治具収集工程)では、複数の下部取付具33及び網状部材34をかご天井20の上に集める。第8工程は、次のように行われる。
【0116】
複数の下部取付具33及び網状部材34をかご天井20の上で引っ張り上げる。複数の下部取付具33及び網状部材34をかご天井20の上に載せる。
【0117】
なお、第8工程は、第7工程よりも後に行われる。
【0118】
第9工程(上部取付具分離工程)では、各上部取付具32と上部梁35とを分離する。第9工程は、次のように行われる。
【0119】
かご天井20の上で各上部接合部材36を上部取付具32から取り外す。例えば、かご天井20の上で上部接合部材36の雄ねじ部と上枠16の雌ねじ部とを緩めて外すことにより、上部取付具32と上枠16とを分離する。例えば、上枠16から外した上部接合部材36をかご天井20の上に移す。
【0120】
なお、第9工程は、第6工程よりも後に行われる。
【0121】
第10工程(据付治具撤去工程)では、据付治具31を乗りかご3から撤去する。第10工程は、次のように行われる。
【0122】
複数の上部取付具32、複数の下部取付具33、及び網状部材34をかご天井20の上にまとめる。例えば、複数の上部取付具32、複数の下部取付具33、及び網状部材34をかご天井20の上から昇降路1に隣接する図示しない乗場に移す。
【0123】
なお、第10工程は、第8工程及び第9工程よりも後に行われる。
【0124】
上記の通り、第1工程から第10工程により、かご室14を据え付ける。
【0125】
実施の形態1におけるエレベーターの据付方法は、かご床19を据え付けるかご床据付工程S1と、上部梁35を乗りかご3の上部に取り付ける上部梁取付工程S2と、網状部材34を上部梁35とかご床19の外縁部との間に設置する網状部材設置工程S3と、かご床据付工程S1、上部梁取付工程S2、及び網状部材設置工程S3よりも後に行われ、かご壁21をかご床19の壁設置面19fに載せて据え付けるかご壁据付工程S5と、かご壁据付工程S5よりも後に行われ、かご天井20をかご壁21に載せて据え付けるかご天井据付工程S6と、かご天井据付工程S6よりも後に行われ、各下部取付具33とかご床19の外縁部とを分離する下部取付具分離工程S7と、かご天井据付工程S6よりも後に行われ、各上部取付具32と上部梁35とを分離する上部取付具分離工程S9と、下部取付具分離工程S7及び上部取付具分離工程S9よりも後に行われ、据付治具31を乗りかご3から撤去する据付治具撤去工程S10と、を含む。
【0126】
これにより、かご壁21を据え付ける際、かご床19の壁設置面19fに載せたかご壁21がかご床19の外側に外れて落ちることを防ぐことができる。
【0127】
また、かご室14を据え付けた後、据付治具31を取り外すので、乗りかご3が昇降するために必要な空間を大きくすることなく据付治具31を使用することができる。
【0128】
実施の形態1におけるエレベーターの据付方法は、かご室14の中で各下部取付具33とかご床19の外縁部とを分離する下部取付具分離工程S7と、かご天井20の上で各上部取付具32と上部梁35とを分離する上部取付具分離工程S9と、を含む。
【0129】
これにより、かご室14を据え付けた後、かご室14の中及びかご天井20の上で据付治具31と乗りかご3とを容易に分離することができる。
【0130】
実施の形態1におけるエレベーターの据付方法は、下部取付具分離工程S7よりも後且つ据付治具撤去工程S10よりも前に行われ、複数の下部取付具33及び網状部材34をかご天井20の上で引っ張り上げてかご天井20の上に集める据付治具収集工程S8と、を含む。
【0131】
これにより、かご室14を据え付けた後、かご天井20を足場とし、据付部材31を乗りかご3から容易に撤去することができる。
【0132】
実施の形態1におけるエレベーターの据付方法は、かご床据付工程S1よりも後且つかご壁据付工程S5よりも前に行われ、かご天井20をかご天井20の据付位置と上部梁35の取付位置との間に吊るすかご天井吊り工程S4と、を含む。
【0133】
これにより、かご天井20を容易に据え付けることができるとともに、吊るされたかご天井20が水平方向に揺れることを据付治具31により抑制することができる。
【0134】
なお、実施の形態1において、手摺装置15の手摺15b又は中桟15cは上部梁35を兼ねてもよい。
【0135】
この場合、上部取付具32は手摺15b又は中桟15cに取り付けられ、手摺装置15とは別に上部梁を設ける必要がない。
【0136】
なお、実施の形態1において、上枠16並びに手摺装置15の手摺15b及び中桟15cとは別に上部梁を設けてもよい。
【0137】
この場合、上部取付具32をかご天井20の外縁部に沿わせて容易に取り付けることができる。特に、上枠16とかご天井20との間に上部梁を設けなくてもよいので、乗りかご3の高さを高くすることなく据付治具31を使用することができる。
【0138】
なお、実施の形態1において、袖壁24、正面壁25、側面壁26a、及び側面壁26bの幅方向の両側だけに縦部材38を配置してもよい。
【0139】
この場合、上部取付具32及び下部取付具33の数が減り、乗りかご3に据付治具31を容易に着脱することができる。
【0140】
なお、実施の形態1において、各上部取付具32はかご壁21の据付位置よりも水平方向にかご室14の外側に伸びていなくてもよく、且つ網状部材34はかご壁21の据付位置よりもかご室14の内側に位置していてもよい。
【0141】
この場合、網状部材34は撓むことによりかご壁21の据付位置よりもかご室14の外側に変位するものであればよい。
【0142】
なお、実施の形態1において、かご壁21を据え付ける際、かご壁21を壁設置面19fに載せ、仮固定して据付治具31に立て掛け、かご壁21とかご天井20とを仮固定した後、かご壁21と壁設置面19fとを固定してもよい。
【0143】
この場合、かご壁21の位置とかご天井20の位置とを容易に合わせることができる。
【0144】
次に、図12及び図13を用いて実施の形態1の第1変形例について説明する。
【0145】
図12は、実施の形態1の第1変形例における末杖治具の要部の取付状態を示す図面である。図12は、図8のE部に相当する図面である。図13は、実施の形態1の第1変形例における末杖治具の要部の取付状態を示す図面である。図13は、図12におけるF-F矢視の図面である。
【0146】
実施の形態1の第1変形例では、かご床19は実施の形態1の巾木台19dの代わりに巾木台41を有しており、据付治具31は複数の下部取付具33及び複数の下部接合部材37の代わりに複数の下部取付具42及び複数の下部接合部材43を有している。
【0147】
巾木台41は、だるま孔41aを有している点で実施の形態1の巾木台19dと異なる。だるま孔41aの小径部の径は後述する角根丸頭ボルト43aの雄ねじ部の径よりも大きく、後述するちょうナット43bの座面の径よりも小さい。だるま孔41aの大径部の径は角根丸頭ボルト43aの丸頭部の座面の径よりも大きい。なお、巾木台41の壁設置面41bは、実施の形態1の巾木台19dの壁設置面19fに相当するものである。
【0148】
下部取付具42はスリット42aを有している点で実施の形態1の下部取付具33と異なる。スリット42aは長さ方向を上下方向に向けられている。スリット42aは下部取付具42の下端まで至っている。スリット42aの幅は角根丸頭ボルト43aの角根部分の二面幅よりも大きく、角根丸頭ボルト43aの角根部分の対角距離よりも小さい。
【0149】
下部接合部材43は角根丸頭ボルト43a及びちょうナット43bを有している。角根丸頭ボルト43aは、角根部分を下部取付具42のスリット42aに嵌められることにより、ちょうナット43bをねじ込まれる際、ちょうナット43bとともに回転することを妨げられる。角根丸頭ボルト43aの角根部分は、スリット42aに嵌められた状態を維持してスリット42aの長さ方向に移動し得る。
【0150】
角根丸頭ボルト43aの雄ねじ部は、かご室14の外からかご室14の中に通されている。角根丸頭ボルト43aの雄ねじ部は、だるま孔41aの小径部に通されている。ちょうナット43bはかご室14の中で角根丸頭ボルト43aの雄ねじ部にねじ込まれている。かご室14の中でちょうナット43bを緩めて下部取付具42を引っ張り上げることにより下部取付具42と巾木台41とを分離し得る。かご室14の中で角根丸頭ボルト43aの丸頭部をだるま孔41aの大径部に通すことにより角根丸頭ボルト43aをかご室14の中に移し得る。
【0151】
実施の形態1の第1変形例におけるエレベーターの据付構造において、下部取付具42は、取付位置を上下方向に調整可能にかご床19の外縁部に接合される。
【0152】
これにより、かご床19の外縁部から上部梁35までの高さが異なるエレベーターに同じ据付治具31を使用することができ、且つ上部取付具32と下部取付具33との間の縦部材38の張り具合を調整することができる。
【0153】
なお、実施の形態1の第1実施例において、だるま孔41aは、互いに繋がる第1孔部と第2孔部とを有したものであればよい。
【0154】
この場合、第1孔部は、角根丸頭ボルト43aの雄ねじ部の断面よりも大きく、ちょうナット43bの座面よりも小さい。第2孔部は、角根丸頭ボルト43aの丸頭部の座面よりも大きい。角根丸頭ボルト43aの雄ねじ部は、第1孔部又は第2孔部に通された状態で第1孔部及び第2孔部の一方から他方に移され得る。
【0155】
なお、実施の形態1の第1実施例において、角根丸頭ボルト43aは、六角ボルトであってもよい。
【0156】
この場合、例えば、下部取付具は、第1スリット及び第2スリットを設けられる。第1スリットは、六角ボルトの雄ねじ部を通される。第2スリットは、六角ボルトの頭部を嵌められる。第1スリット及び第2スリットは、長さ方向を上下方向に向けられ、下部取付具42の下端まで至る。第1スリットの幅は、六角ボルトの軸部の径よりも大きく、六角ボルトの頭部の二面幅よりも小さい。第2スリットの幅は、六角ボルトの頭部の二面幅よりも大きく、六角ボルトの頭部の対角距離よりも小さい。
【0157】
なお、実施の形態1の第1実施例において、ちょうナット43bは、六角ナットであってもよい。
【0158】
次に、図14から図17を用いて実施の形態1の第2変形例について説明する。
【0159】
図14は、実施の形態1の第2変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。図14は、図8のG部に相当する図面である。図15は、実施の形態1の第2変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。図15は、図8のH部に相当する図面である。図16は、実施の形態1の第2変形例における据付治具の要部の取付状態を示す図面である。図16は、図8のE部に相当する図面である。図17は、実施の形態1の第2変形例における据付治具の止め具を示す図面である。(a)は止め具を閉じた状態を示す。(b)は止め具を開いた状態を示す。
【0160】
なお、図15において、要部を分かりやすくするため、手摺装置15及びかご天井20を省略する。
【0161】
実施の形態1の第2変形例では、据付治具31は実施の形態1の網状部材34の代わりに網状部材51を有している。実施の形態1の第2変形例では、網状部材51は実施の形態1の複数の縦部材38及び複数の横部材39の代わりに複数の縦部材52及び複数の横部材53を有している。実施の形態1の第2変形例では網状部材51は止め具54、55、56、57、及び58を有している。
【0162】
縦部材52は、複数の環部52aを有している点で縦部材38と異なる。複数の環部52aは縦部材52の長さ方向に並んでいる。例えば、縦部材52は鎖である。
【0163】
横部材53は、複数の環部53aを有している点で縦部材39と異なる。複数の環部53aは横部材53の長さ方向に並んでいる。例えば、横部材53は鎖である。
【0164】
縦部材52と横部材53とは、着脱可能に繋がれている。縦部材52と横部材53とは、止め具54によって繋がれている。止め具54は、縦部材52の環部52a及び横部材53の環部53aを掛けられている。
【0165】
網状部材51は、着脱可能に上部取付具32に繋がれている。上部取付具32と縦部材52とは、止め具55によって繋がれている。上部取付具32は、止め具56を取り付けられている。止め具55は、縦部材52の環部52a及び上部取付具32の止め具56を掛けられている。
【0166】
網状部材51は、着脱可能に下部取付具33に繋がれている。下部取付具33と縦部材52とは、止め具57によって繋がれている。下部取付具33は、止め具58を取り付けられている。止め具57は、縦部材52の環部52a及び下部取付具33の止め具58を掛けられている。
【0167】
例えば、止め具54、55、及び57は、フック、リングキャッチ、又はスプリングスナップである。例えば、止め具56及び58は、フックボルト、Uボルト、又はアイボルトである。
【0168】
実施の形態1の第2変形例におけるエレベーターの据付構造において、網状部材51は、縦部材52に取り付けられる止め具54を有し、横部材53は、止め具54に着脱可能に掛けられ得る複数の環部53aを有する。
【0169】
これにより、止め具54に掛ける横部材53の環部53aを変え、横部材53を挟んで配置される2つの縦部材52の間隔を調整することができる。特に、かご壁21の幅方向の寸法が異なるエレベーターに同じ据付治具31を取り付けることができ、且つ2つの縦部材52の間に配置される横部材53の張り具合を調整することができる。
【0170】
実施の形態1の第2変形例におけるエレベーターの据付構造において、網状部材51は、横部材53に取り付けられる止め具54を有し、縦部材52は、止め具54に着脱可能に掛けられ得る複数の環部52aを有する。
【0171】
これにより、止め具54に掛ける縦部材52の環部52a変え、横部材53の取付位置を上下方向に調整することができる。特に、横部材53をかご壁21の据付位置における重心位置とかご壁21の据付位置における上端との間に設けることにより、かご壁21が網状部材51にもたれた際、かご壁21が横部材53を乗り越えてかご床19の外側に落ちることを防ぐことができる。
【0172】
実施の形態1の第2変形例におけるエレベーターの据付構造において、据付治具31は、上部取付具32に取り付けられる止め具55を有し、縦部材52は、止め具55に着脱可能に掛けられ得る複数の環部52aを有する。
【0173】
これにより、止め具55に掛ける縦部材52の環部52aを変え、かご床19の外縁部から上部梁35までの高さが異なるエレベーターに同じ据付治具31を使用することができ、且つ上部取付具32と下部取付具33との間の縦部材52の張り具合を調整することができる。
【0174】
また、上部梁35を乗りかご3の上部に取り付けるよりも前に、上部取付具32を網状部材51と分離して上部梁35に取り付けることにより、据付治具31を容易に取り付けることができる。
【0175】
実施の形態1の第2変形例におけるエレベーターの据付構造において、据付治具31は、下部取付具33に取り付けられる止め具57を有し、縦部材52は、止め具57に着脱可能に掛けられ得る複数の環部52aを有する。
【0176】
これにより、止め具57に掛ける縦部材52の環部52aを変え、かご床19の外縁部から上部梁35までの高さが異なるエレベーターに同じ据付治具31を使用することができ、且つ上部取付具32と下部取付具33との間の縦部材52の張り具合を調整することができる。
【0177】
なお、実施の形態1の第2変形例において、縦部材52、縦部材53、環部52aを有しない縦部材、及び環部53aを有しない横部材のうち、所望の縦部材と横部材とを組み合わせてもよい。
【0178】
なお、実施の形態1の第1変形例と実施の形態1の第2変形例とを組み合わせることができる。
【0179】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0180】
(付記1)
据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、
前記かご室は、前記かご枠に支えられるかご床、前記かご床の上方に据え付けられるかご天井、及び前記かご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ前記壁設置面と前記かご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し、
前記乗りかごは、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部梁に着脱可能に取り付けられ得り、
前記下部取付具は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に取り付けられ得り、
前記網状部材は、前記上部取付具と前記下部取付具とを繋ぐ複数の縦部材、及び前記複数の縦部材を繋ぐ横部材を有する、
エレベーターの据付構造。
(付記2)
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され得り、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得り、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得る、
付記1に記載のエレベーターの据付構造。
(付記3)
前記かご床は、前記かご床の前記外縁部を成す巾木台を有し、
前記巾木台は、前記壁設置面を有し、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記巾木台における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得る、
付記2に記載のエレベーターの据付構造。
(付記4)
前記かご枠は、前記乗りかごの上部に据え付けられる上枠を有し、
前記上枠は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸び、
前記上枠は、前記上部梁を兼ねる、
付記2又は付記3に記載のエレベーターの据付構造。
(付記5)
前記乗りかごの上部に据え付けられる手摺装置を有し、
前記手摺装置は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる梁を有し、
前記梁は、前記上部梁を兼ねる
付記2又は付記3に記載のエレベーターの据付構造。
(付記6)
前記下部取付具は、前記かご床の前記壁設置面よりも上方に突出するように前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に取り付けられ得る、
付記1から付記5のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記7)
前記下部取付具は、取付位置を上下方向に調整可能に前記かご床の前記外縁部に接合される、
付記1から付記6のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記8)
前記網状部材は、前記縦部材の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る、
付記1から付記7のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記9)
前記横部材は、前記かご壁の据付位置における重心位置と前記かご壁の据付位置における上端との間に設けられる、
付記1から付記8のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記10)
前記網状部材は、前記縦部材及び前記横部材の一方の部材に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材又は前記横部材の他方の部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
付記1から付記9のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付治具。
(付記11)
前記据付治具は、前記上部取付具又は前記下部取付具に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
付記1から付記10のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付治具。
(付記12)
付記1に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご床を据え付けるかご床据付工程と、
前記上部梁を前記乗りかごの上部に取り付ける上部梁取付工程と、
前記網状部材を前記上部梁と前記かご床の前記外縁部との間に設置する網状部材設置工程と、
前記かご床据付工程、前記上部梁取付工程、及び前記網状部材設置工程よりも後に行われ、前記かご壁を前記かご床の前記壁設置面に載せて据え付けるかご壁据付工程と、
前記かご壁据付工程よりも後に行われ、前記かご天井を前記かご壁に載せて据え付けるかご天井据付工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する下部取付具分離工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する上部取付具分離工程と、
前記下部取付具分離工程及び前記上部取付具分離工程よりも後に行われ、前記据付治具を前記乗りかごから撤去する据付治具撤去工程と、を含む、
エレベーターの据付方法。
(付記13)
付記2に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご室の中で各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する前記下部取付具分離工程と、
前記かご天井の上で各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する前記上部取付具分離工程と、を含む、
付記12に記載のエレベーターの据付方法。
(付記14)
前記下部取付具分離工程よりも後且つ前記据付治具撤去工程よりも前に行われ、前記複数の下部取付具及び前記網状部材を前記かご天井の上で引っ張り上げて前記かご天井の上に集める据付治具収集工程と、を含む、
付記12又は付記13に記載のエレベーターの据付方法。
(付記15)
前記かご床据付工程よりも後且つ前記かご壁据付工程よりも前に行われ、前記かご天井を前記かご天井における据付位置と前記上部梁の取付位置との間に吊るすかご天井吊り工程と、を含む、
付記12から付記14のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付方法。
【符号の説明】
【0181】
1 昇降路、2 階、3 乗りかご、4 つり合いおもり、5 巻上機、5a 綱車、6 主索、7 かご用吊り車、8 おもり用吊り車、9 かご用ガイドレール、10 おもり用ガイドレール、11 かご用ガイド装置、12 おもり用ガイド装置、13 かご枠、14 かご室、14a かご出入口、15 手摺装置、15a 支持柱、15b 手摺、15c 中桟、16 上枠、16a 前梁、16b 後梁、16c 側梁、17 下枠、18 縦枠、19 かご床、19a 床板、19b 床支持梁、19c 床敷物、19d 巾木台、19e 巾木、19f 壁設置面、20 かご天井、20a 天井板、20b 照明器具、21 かご壁、22 かご扉、23 出入口枠、23a 出入口柱、23b 出入口上板、24 袖壁、24a 袖壁、24b 袖壁、25 正面壁、26 側面壁、26a 側面壁、26b 側面壁、27 作業員、31 据付治具、32 上部取付具、33 下部取付具、34 網状部材、35 上部梁、36 上部接合部材、37 下部接合部材、38 縦部材、39 横部材、41 巾木台、41a だるま孔、41b 壁設置面、42 下部取付具、42a スリット、43 下部接合部材、43a 角根丸頭ボルト、43b ちょうナット、51 網状部材、52 縦部材、52a 環部、53 横部材、53a 環部、54 止め具、54a 雄ねじ部、54b ナット部、55 止め具、55a 雄ねじ部、55b ナット部、56 止め具、57 止め具、57a 雄ねじ部、57b ナット部、58 止め具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、
前記かご室は、前記かご枠に支えられるかご床、前記かご床の上方に据え付けられるかご天井、及び前記かご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ前記壁設置面と前記かご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し、
前記乗りかごは、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部梁に着脱可能に取り付けられ得り、
前記下部取付具は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に取り付けられ得り、
前記網状部材は、前記上部取付具と前記下部取付具とを繋ぐ複数の縦部材、及び前記複数の縦部材を繋ぐ横部材を有する、
エレベーターの据付構造。
【請求項2】
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され得り、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得り、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得る、
請求項1に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項3】
前記かご床は、前記かご床の前記外縁部を成す巾木台を有し、
前記巾木台は、前記壁設置面を有し、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記巾木台における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得る、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項4】
前記かご枠は、前記乗りかごの上部に据え付けられる上枠を有し、
前記上枠は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸び、
前記上枠は、前記上部梁を兼ねる、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項5】
前記乗りかごの上部に据え付けられる手摺装置を有し、
前記手摺装置は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる梁を有し、
前記梁は、前記上部梁を兼ねる、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項6】
前記下部取付具は、前記かご床の前記壁設置面よりも上方に突出するように前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に取り付けられ得る、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項7】
前記下部取付具は、取付位置を上下方向に調整可能に前記かご床の前記外縁部に接合される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項8】
前記網状部材は、前記縦部材の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項9】
前記横部材は、前記かご壁の据付位置における重心位置と前記かご壁の据付位置における上端との間に設けられる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項10】
前記網状部材は、前記縦部材及び前記横部材の一方の部材に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材及び前記横部材の他方の部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造
【請求項11】
前記据付治具は、前記上部取付具又は前記下部取付具に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造
【請求項12】
請求項1に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご床を据え付けるかご床据付工程と、
前記上部梁を前記乗りかごの上部に取り付ける上部梁取付工程と、
前記網状部材を前記上部梁と前記かご床の前記外縁部との間に設置する網状部材設置工程と、
前記かご床据付工程、前記上部梁取付工程、及び前記網状部材設置工程よりも後に行われ、前記かご壁を前記かご床の前記壁設置面に載せて据え付けるかご壁据付工程と、
前記かご壁据付工程よりも後に行われ、前記かご天井を前記かご壁に載せて据え付けるかご天井据付工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する下部取付具分離工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する上部取付具分離工程と、
前記下部取付具分離工程及び前記上部取付具分離工程よりも後に行われ、前記据付治具を前記乗りかごから撤去する据付治具撤去工程と、を含む、
エレベーターの据付方法。
【請求項13】
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され得り、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得り、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得り、
前記据付方法は、
前記かご室の中で各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する前記下部取付具分離工程と、
前記かご天井の上で各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する前記上部取付具分離工程と、を含む、
請求項12に記載のエレベーターの据付方法。
【請求項14】
前記下部取付具分離工程よりも後且つ前記据付治具撤去工程よりも前に行われ、前記複数の下部取付具及び前記網状部材を前記かご天井の上で引っ張り上げて前記かご天井の上に集める据付治具収集工程と、を含む、
請求項12又は請求項13に記載のエレベーターの据付方法。
【請求項15】
前記かご床据付工程よりも後且つ前記かご壁据付工程よりも前に行われ、前記かご天井を前記かご天井における据付位置と前記上部梁の取付位置との間に吊るすかご天井吊り工程と、を含む、
請求項12又は請求項13に記載のエレベーターの据付方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0180
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0180】
(付記1)
据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、
前記かご室は、前記かご枠に支えられるかご床、前記かご床の上方に据え付けられるかご天井、及び前記かご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ前記壁設置面と前記かご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し、
前記乗りかごは、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部梁に着脱可能に取り付けられ得り、
前記下部取付具は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に取り付けられ得り、
前記網状部材は、前記上部取付具と前記下部取付具とを繋ぐ複数の縦部材、及び前記複数の縦部材を繋ぐ横部材を有する、
エレベーターの据付構造。
(付記2)
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され得り、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得り、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得る、
付記1に記載のエレベーターの据付構造。
(付記3)
前記かご床は、前記かご床の前記外縁部を成す巾木台を有し、
前記巾木台は、前記壁設置面を有し、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記巾木台における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得る、
付記2に記載のエレベーターの据付構造。
(付記4)
前記かご枠は、前記乗りかごの上部に据え付けられる上枠を有し、
前記上枠は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸び、
前記上枠は、前記上部梁を兼ねる、
付記2又は付記3に記載のエレベーターの据付構造。
(付記5)
前記乗りかごの上部に据え付けられる手摺装置を有し、
前記手摺装置は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる梁を有し、
前記梁は、前記上部梁を兼ねる
付記2又は付記3に記載のエレベーターの据付構造。
(付記6)
前記下部取付具は、前記かご床の前記壁設置面よりも上方に突出するように前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に取り付けられ得る、
付記1から付記5のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記7)
前記下部取付具は、取付位置を上下方向に調整可能に前記かご床の前記外縁部に接合される、
付記1から付記6のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記8)
前記網状部材は、前記縦部材の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る、
付記1から付記7のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記9)
前記横部材は、前記かご壁の据付位置における重心位置と前記かご壁の据付位置における上端との間に設けられる、
付記1から付記8のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造。
(付記10)
前記網状部材は、前記縦部材及び前記横部材の一方の部材に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材又は前記横部材の他方の部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
付記1から付記9のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造
(付記11)
前記据付治具は、前記上部取付具又は前記下部取付具に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
付記1から付記10のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付構造
(付記12)
付記1に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご床を据え付けるかご床据付工程と、
前記上部梁を前記乗りかごの上部に取り付ける上部梁取付工程と、
前記網状部材を前記上部梁と前記かご床の前記外縁部との間に設置する網状部材設置工程と、
前記かご床据付工程、前記上部梁取付工程、及び前記網状部材設置工程よりも後に行われ、前記かご壁を前記かご床の前記壁設置面に載せて据え付けるかご壁据付工程と、
前記かご壁据付工程よりも後に行われ、前記かご天井を前記かご壁に載せて据え付けるかご天井据付工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部
とを分離する下部取付具分離工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する上部取付具分離工程と、
前記下部取付具分離工程及び前記上部取付具分離工程よりも後に行われ、前記据付治具を前記乗りかごから撤去する据付治具撤去工程と、を含む、
エレベーターの据付方法。
(付記13)
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され得り、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され得り、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得り、
前記据付方法は、
前記かご室の中で各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する前記下部取付具分離工程と、
前記かご天井の上で各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する前記上部取付具分離工程と、を含む、
付記12に記載のエレベーターの据付方法。
(付記14)
前記下部取付具分離工程よりも後且つ前記据付治具撤去工程よりも前に行われ、前記複数の下部取付具及び前記網状部材を前記かご天井の上で引っ張り上げて前記かご天井の上に集める据付治具収集工程と、を含む、
付記12又は付記13に記載のエレベーターの据付方法。
(付記15)
前記かご床据付工程よりも後且つ前記かご壁据付工程よりも前に行われ、前記かご天井を前記かご天井における据付位置と前記上部梁の取付位置との間に吊るすかご天井吊り工程と、を含む、
付記12から付記14のいずれか一つの付記に記載のエレベーターの据付方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、
前記かご室は、前記かご枠に支えられるかご床、前記かご床の上方に据え付けられるかご天井、及び前記かご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ前記壁設置面と前記かご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し
記据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、
前記網状部材は、複数の縦部材及び横部材を有し、
前記かご床が据え付けられた後、且つ前記かご壁及び前記かご天井が据え付けられる前の状態において、
前記乗りかごは、前記かご天井の据付位置における前記水平方向の外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、
前記上部取付具は、前記上部梁に着脱可能に取り付けられ、
前記下部取付具は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に取り付けられ、
前記複数の縦部材は、前記上部取付具と前記下部取付具とを繋ぎ、
前記横部材は、前記複数の縦部材を繋ぐ、
エレベーターの据付構造。
【請求項2】
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得る、
請求項1に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項3】
前記かご床は、前記かご床の前記外縁部を成す巾木台を有し、
前記巾木台は、前記壁設置面を有し、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記巾木台における前記かご室の外側に着脱可能に接合される
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項4】
前記かご枠は、前記乗りかごの上部に据え付けられる上枠を有し、
前記上枠は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸び、
前記上枠は、前記上部梁を兼ねる、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項5】
前記乗りかごの上部に据え付けられる手摺装置を有し、
前記手摺装置は、前記かご天井の前記外縁部に沿って伸びる梁を有し、
前記梁は、前記上部梁を兼ねる、
請求項2に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項6】
前記下部取付具は、前記かご床の前記壁設置面よりも上方に突出するように前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に取り付けられる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項7】
前記下部取付具は、取付位置を上下方向に調整可能に前記かご床の前記外縁部に接合される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項8】
前記網状部材は、前記縦部材の長さ方向に巻き取り及び伸長を繰り返され得る、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項9】
前記横部材は、前記かご壁の据付位置における重心位置と前記かご壁の据付位置における上端との間に設けられる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項10】
前記網状部材は、前記縦部材及び前記横部材の一方の部材に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材及び前記横部材の他方の部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項11】
前記据付治具は、前記上部取付具又は前記下部取付具に取り付けられる止め具を有し、
前記縦部材は、前記止め具に着脱可能に掛けられ得る複数の環部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの据付構造。
【請求項12】
請求項1に記載のエレベーターの据付構造を用いて前記かご室を据え付けるためのエレベーターの据付方法であって、
前記かご床を据え付けるかご床据付工程と、
前記上部梁を前記乗りかごの上部に取り付ける上部梁取付工程と、
前記網状部材を前記上部梁と前記かご床の前記外縁部との間に設置する網状部材設置工程と、
前記かご床据付工程、前記上部梁取付工程、及び前記網状部材設置工程よりも後に行われ、前記かご壁を前記かご床の前記壁設置面に載せて据え付けるかご壁据付工程と、
前記かご壁据付工程よりも後に行われ、前記かご天井を前記かご壁に載せて据え付けるかご天井据付工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する下部取付具分離工程と、
前記かご天井据付工程よりも後に行われ、各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する上部取付具分離工程と、
前記下部取付具分離工程及び前記上部取付具分離工程よりも後に行われ、前記据付治具を前記乗りかごから撤去する据付治具撤去工程と、を含む、
エレベーターの据付方法。
【請求項13】
前記上部梁は、前記かご天井の据付位置よりも上に取り付けられ、
前記据付治具は、複数の上部接合部材及び複数の下部接合部材を有し、
前記上部取付具は、前記上部接合部材により前記上部梁に着脱可能に接合され、
前記上部接合部材は、据え付けられた前記かご天井の上で接合を解かれ得り、
前記下部取付具は、前記下部接合部材により前記かご床の前記外縁部における前記かご室の外側に着脱可能に接合され、
前記下部接合部材は、前記かご床の前記外縁部における前記かご室の内側に突出し且つ据え付けられた前記かご室の中で接合を解かれ得り、
前記据付方法は、
前記かご室の中で各前記下部取付具と前記かご床の前記外縁部とを分離する前記下部取付具分離工程と、
前記かご天井の上で各前記上部取付具と前記上部梁とを分離する前記上部取付具分離工程と、を含む、
請求項12に記載のエレベーターの据付方法。
【請求項14】
前記下部取付具分離工程よりも後且つ前記据付治具撤去工程よりも前に行われ、前記複数の下部取付具及び前記網状部材を前記かご天井の上で引っ張り上げて前記かご天井の上に集める据付治具収集工程と、を含む、
請求項12又は請求項13に記載のエレベーターの据付方法。
【請求項15】
前記かご床据付工程よりも後且つ前記かご壁据付工程よりも前に行われ、前記かご天井を前記かご天井における据付位置と前記上部梁の取付位置との間に吊るすかご天井吊り工程と、を含む、
請求項12又は請求項13に記載のエレベーターの据付方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るエレベーターの据付構造は、据付治具を使用して乗りかごのかご枠にかご室を据え付けるためのエレベーターの据付構造であって、かご室は、かご枠に支えられるかご床、かご床の上方に据え付けられるかご天井、及びかご床の外縁部に位置する壁設置面に載せられ且つ壁設置面とかご天井の水平方向の外縁部との間に据え付けられるかご壁を有し、据付治具は、複数の上部取付具、複数の下部取付具、及び網状部材を有し、網状部材は、複数の縦部材及び横部材を有し、かご床が据え付けられた後、且つかご壁及びかご天井が据え付けられる前の状態において、乗りかごは、かご天井の据付位置における水平方向の外縁部に沿って伸びる上部梁を上部に取り付けられ、上部取付具は、上部梁に着脱可能に取り付けられ、下部取付具は、かご床の外縁部におけるかご室の外側に着脱可能に取り付けられ、複数の縦部材は、上部取付具と下部取付具とを繋ぎ、横部材は、複数の縦部材を繋ぐ