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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164956
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/86 20130101AFI20241121BHJP
【FI】
G06F21/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080706
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 伸也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 淳朗
(57)【要約】
【課題】秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板と、ICカードが取り付けられるコネクタが実装されるコネクタ用基板とを備える情報処理装置において、制御基板を保護するための保護領域を形成する保護基板にICカード着脱用の開口部が形成されていても、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを防止することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】この情報処理装置では、第2破壊検知回路がコネクタ用基板8のX1方向側の面または内層に形成されている。コネクタ用基板8のX2方向側に配置される第1保護基板19aには、第1保護基板19aのX2方向側からコネクタ7にICカード6を着脱するための開口部19eが形成されているが、第2破壊検知回路は、制御基板5の厚さ方向から見たときに、コネクタ用基板8の、少なくとも開口部19eと重なる領域に形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板と、ICカードが取り付けられるコネクタが実装されるとともに前記制御基板に電気的に接続されるコネクタ用基板と、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための破壊検知回路が形成されるプリント基板である保護基板とを備え、
前記コネクタ用基板には、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための第2破壊検知回路が形成され、
前記制御基板から前記コネクタ用基板に送信される秘密情報を含むデータの信号は、暗号化され、
前記制御基板と前記コネクタ用基板とは、前記制御基板の厚さ方向で重なり、
前記制御基板の、少なくとも前記データ信号回路が形成されている部分、および、前記コネクタ用基板の、少なくとも前記コネクタが実装された部分は、前記保護基板によって囲まれた領域である保護領域の中に配置され、
前記制御基板の厚さ方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、
前記コネクタ用基板は、前記制御基板の第1方向側に配置され、
前記コネクタは、前記コネクタ用基板の第1方向側の面に実装され、
前記保護基板は、前記コネクタ用基板の第1方向側に配置される第1保護基板を備え、
前記第1保護基板には、前記第1保護基板の第1方向側から前記コネクタに前記ICカードを着脱するための開口部が形成され、
前記第2破壊検知回路は、前記コネクタ用基板の第2方向側の面および前記コネクタ用基板の内層の少なくともいずれか一方に形成されるとともに、前記制御基板の厚さ方向から見たときに、前記コネクタ用基板の、少なくとも前記開口部と重なる領域に形成されていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ICカードは、SAMカードまたはSIMカードであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記保護領域の中には、前記コネクタ用基板の全体が配置され、
前記第2破壊検知回路は、前記コネクタ用基板の全域に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御基板の厚さ方向における前記制御基板と前記コネクタ用基板との距離が変わったことを検知するための検知機構を備えることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御基板、前記コネクタ用基板および前記保護基板が収容される筐体を備え、
前記筐体は、前記第1保護基板の第1方向側に配置される第1筐体部と、前記第1筐体部に着脱可能に取り付けられるカバーとを備え、
前記第1筐体部には、前記第1筐体部の第1方向側から前記コネクタに前記ICカードを着脱するための第2開口部が形成され、
前記カバーは、前記第2開口部を塞いでいることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、秘密情報を含む情報を処理するための情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記録されたデータの読取りやカードへのデータの記録を行う手動式のカードリーダが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカードリーダは、カードリーダ本体と、カードリーダ本体を覆う前面カバーおよびケース本体と、制御用のプリント基板である制御基板と、制御基板を保護するためのプリント基板である保護基板とを備えている。カードリーダ本体は、カードに記録された磁気データの読取り等を行うための磁気ヘッドと、カードに内蔵されるICチップとデータの通信を行うための複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックとを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のカードリーダでは、制御基板は、リジッド基板である。磁気ヘッドおよびIC接点バネは、フレキシブルプリント基板を介して制御基板に電気的に接続されている。制御基板には、磁気ヘッドで読み取った磁気データ等の、秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成されている。保護基板には、自身が断線したことおよび短絡したことを検知するための破壊検知回路が形成されている。保護基板は、フレキシブルプリント基板を所定の形状に折り曲げることで形成されている。保護基板は、上下方向の両側、左右方向の両側および後ろ側から制御基板を覆っている。
【0004】
特許文献1に記載のカードリーダでは、秘密情報を含むデータを制御基板から不正に取得しようとして、犯罪者が何らかの細工をカードリーダに行うと、破壊検知回路が断線したり短絡したりして、カードリーダに対して何らかの細工が行われていることが検知される。また、特許文献1に記載のカードリーダでは、破壊検知回路の断線や短絡が検知されたときに、制御基板に記憶されているデータを消去したり、制御基板を使用不可な状態にしたりする等の所定の処理が実行される。そのため、特許文献1に記載のカードリーダでは、制御基板からのデータの不正取得を防止することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-169832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者は、たとえば、カードに記録されたデータの読取り等を行うカードリーダのように、秘密情報を含む情報を処理するための情報処理装置を開発している。この情報処理装置は、秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板を備えている。また、本願発明者は、開発中の情報処理装置において、SAM(Secure Access Module)カードやSIM(Subscriber Identity Module)カードのような機器組込み型の着脱可能な小型のICカードが取り付けられるコネクタが実装されるコネクタ用基板を設けることを検討している。
【0007】
開発中の情報処理装置では、制御基板およびコネクタ用基板は、たとえば、平板状に形成されるリジッド基板である。コネクタ用基板は、フレキシブルプリント基板等の配線を介して制御基板に電気的に接続されている。制御基板からコネクタ用基板に送信される秘密情報を含むデータの信号は暗号化されている。コネクタ用基板では、SAMカードやSIMカードによって暗号化されたデータの暗号が解除される。本願発明者は、開発中の情報処理装置において、装置を小型化するため、制御基板の厚さ方向とコネクタ用基板の厚さ方向とがほぼ一致するように、制御基板およびコネクタ用基板を配置することにした。制御基板とコネクタ用基板とは、制御基板の厚さ方向において間隔をあけた状態で重なっている。
【0008】
また、本願発明者は、開発中の情報処理装置において、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを防止するために、特許文献1に記載のカードリーダと同様に、破壊検知回路が形成される保護基板を設けて、保護基板によって囲まれた領域である保護領域の中に制御基板を配置することを検討している。この情報処理装置では、コネクタ用基板が配線を介して制御基板に電気的に接続されているため、本願発明者は、制御基板と一緒にコネクタ用基板を保護領域の中に配置することにした。
【0009】
しかしながら、コネクタ用基板を保護領域の中に配置する場合には、SAMカードやSIMカード等のICカードをコネクタ用基板のコネクタに着脱するための開口部を保護基板に形成する必要が生じる。具体的には、保護基板の、制御基板の厚さ方向においてコネクタ用基板が配置される側の部分に開口部を設ける必要が生じる。保護基板に開口部が形成されると、たとえば、開口部から挿入されるドリル等によってコネクタ用基板に穴が開けられるおそれが生じる。また、コネクタ用基板に穴が開けられると、この穴を利用して、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるおそれが生じる。
【0010】
そこで、本発明の課題は、秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板と、ICカードが取り付けられるコネクタが実装されるとともに制御基板に電気的に接続されるコネクタ用基板とを備える情報処理装置において、制御基板を保護するための保護領域を形成する保護基板にICカード着脱用の開口部が形成されていても、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを防止することが可能な情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様の情報処理装置は、秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板と、ICカードが取り付けられるコネクタが実装されるとともに制御基板に電気的に接続されるコネクタ用基板と、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための破壊検知回路が形成されるプリント基板である保護基板とを備え、コネクタ用基板には、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための第2破壊検知回路が形成され、制御基板からコネクタ用基板に送信される秘密情報を含むデータの信号は、暗号化され、制御基板とコネクタ用基板とは、制御基板の厚さ方向で重なり、制御基板の、少なくともデータ信号回路が形成されている部分、および、コネクタ用基板の、少なくともコネクタが実装された部分は、保護基板によって囲まれた領域である保護領域の中に配置され、制御基板の厚さ方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、コネクタ用基板は、制御基板の第1方向側に配置され、コネクタは、コネクタ用基板の第1方向側の面に実装され、保護基板は、コネクタ用基板の第1方向側に配置される第1保護基板を備え、第1保護基板には、第1保護基板の第1方向側からコネクタにICカードを着脱するための開口部が形成され、第2破壊検知回路は、コネクタ用基板の第2方向側の面およびコネクタ用基板の内層の少なくともいずれか一方に形成されるとともに、制御基板の厚さ方向から見たときに、コネクタ用基板の、少なくとも開口部と重なる領域に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本態様の情報処理装置では、コネクタ用基板に第2破壊検知回路が形成されており、第2破壊検知回路は、コネクタ用基板の第2方向側の面およびコネクタ用基板の内層の少なくともいずれか一方に形成されている。また、本態様では、コネクタ用基板の第1方向側に配置される第1保護基板に、第1保護基板の第1方向側からコネクタにICカードを着脱するための開口部が形成されているが、第2破壊検知回路は、制御基板の厚さ方向から見たときに、コネクタ用基板の、少なくとも開口部と重なる領域に形成されている。
【0013】
そのため、本態様では、たとえば、第1保護基板の開口部から挿入されるドリル等によってコネクタ用基板に穴が開けられたときに、第2破壊検知回路の断線や短絡を検知することが可能になる。したがって、本態様では、第2破壊検知回路の断線や短絡が検知されたときに、制御基板に記憶されているデータを消去する等の所定の処理を実行することで、第1保護基板の開口部から挿入されるドリル等によってコネクタ用基板に穴が開けられても、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを防止することが可能になる。
【0014】
すなわち、本態様では、制御基板を保護するための保護領域を形成する保護基板にICカード着脱用の開口部が形成されていても、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを防止することが可能になる。また、本態様では、コネクタ用基板に第2破壊検知回路が形成されているため、たとえば、第2破壊検知回路が形成される第2の保護基板がコネクタ用基板と制御基板との間に別途設けられている場合と比較して、情報処理装置の構成を簡素化することが可能になる。
【0015】
本態様において、たとえば、ICカードは、SAMカードまたはSIMカードである。
【0016】
本態様において、たとえば、保護領域の中には、コネクタ用基板の全体が配置され、第2破壊検知回路は、コネクタ用基板の全域に形成されている。この場合には、保護領域の中にコネクタ用基板の一部分のみが配置されている場合と比較して、保護領域を形成する保護基板の形状を簡素化することが可能になる。また、この場合には、コネクタ用基板の全域に第2破壊検知回路が形成されているため、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを効果的に防止することが可能になる。
【0017】
本態様において、情報処理装置は、制御基板の厚さ方向における制御基板とコネクタ用基板との距離が変わったことを検知するための検知機構を備えることが好ましい。このように構成すると、検知機構の検知結果に基づいてコネクタ用基板が不正に取り外されたことを検知することが可能になる。したがって、コネクタ用基板が取り外されたことが検知されたときに、制御基板に記憶されているデータを消去する等の所定の処理を実行することで、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを効果的に防止することが可能になる。
【0018】
本態様において、情報処理装置は、たとえば、制御基板、コネクタ用基板および保護基板が収容される筐体を備え、筐体は、第1保護基板の第1方向側に配置される第1筐体部と、第1筐体部に着脱可能に取り付けられるカバーとを備え、第1筐体部には、第1筐体部の第1方向側からコネクタにICカードを着脱するための第2開口部が形成され、カバーは、第2開口部を塞いでいる。この場合には、制御基板、コネクタ用基板および保護基板が筐体に収容されている状態でもカバーを取り外せば、コネクタにICカードを着脱することが可能になる。したがって、コネクタにICカードを容易に着脱することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の態様では、秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板と、ICカードが取り付けられるコネクタが実装されるとともに制御基板に電気的に接続されるコネクタ用基板とを備える情報処理装置において、制御基板を保護するための保護領域を形成する保護基板にICカード着脱用の開口部が形成されていても、秘密情報を含むデータが制御基板から不正に取得されるのを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態にかかる情報処理装置を正面側から示す斜視図である。
図2図1に示す情報処理装置を背面側から示す斜視図である。
図3図1に示す情報処理装置から筐体を取り外した状態の斜視図である。
図4図2に示す情報処理装置から筐体を取り外した状態の斜視図である。
図5図4に示す保護基板を取り外した状態の制御基板およびコネクタ用基板等の斜視図である。
図6図1に示す情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
図7図5に示すコネクタ用基板の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
(情報処理装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる情報処理装置1を正面側から示す斜視図である。図2は、図1に示す情報処理装置1を背面側から示す斜視図である。図3は、図1に示す情報処理装置1から筐体2を取り外した状態の斜視図である。図4は、図2に示す情報処理装置1から筐体2を取り外した状態の斜視図である。図5は、図4に示す保護基板10を取り外した状態の制御基板5およびコネクタ用基板8等の斜視図である。図6は、図1に示す情報処理装置1の構成を説明するためのブロック図である。図7は、図5に示すコネクタ用基板8の背面図である。
【0023】
以下の説明では、説明の便宜上、図1等のZ方向を上下方向とし、上下方向に直交する図1等のX方向を前後方向とし、上下方向と前後方向とに直交する図1等のY方向を左右方向とする。また、上下方向の一方側である図1等のZ1方向側を「上」側とし、上側の反対側である図1等のZ2方向側を「下」側とし、前後方向の一方側である図1等のX1方向側を「前」側とし、前側の反対側である図1等のX2方向側を「後ろ」側とし、左右方向の一方側である図1等のY1方向側を「右」側とし、右側の反対側である図1等のY2方向側を「左」側とする。
【0024】
本形態の情報処理装置1は、秘密情報を含む情報を処理するための装置である。情報処理装置1は、たとえば、クレジットカード等の決済時に使用される決済端末機である。あるいは、情報処理装置1は、たとえば、ATMや自動発券機等の上位装置に搭載されて使用される。情報処理装置1は、接触式のICカードや非接触式のICカードとの間でデータの通信を行うカードリーダとしての機能を備えている。また、情報処理装置1は、ユーザの指先を用いた情報の入力が行われる入力装置としての機能を備えている。たとえば、情報処理装置1では、PIN番号(PINナンバー)が入力される。
【0025】
情報処理装置1は、接触式のICカードに形成されるICチップの外部接続端子に接触する複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックと、非接触式のICカードに内蔵されるカード側の通信用アンテナと非接触で情報の通信を行うための装置側の通信用アンテナと、IC接点ブロックおよび装置側の通信用アンテナが収容される筐体2と、PIN番号を入力するためのタッチパネル3を備えている。タッチパネル3は、情報処理装置1の前面側に配置されている。なお、情報処理装置1は、磁気カードに記録される磁気データの読取りや磁気カードへの磁気データの記録を行う磁気ヘッドを備えていても良い。
【0026】
情報処理装置1において、接触式のICカードとの間でデータの通信が行われるときには、筐体2の前面側かつ下面側に形成されるカード挿入口4(図1参照)から情報処理装置1の内部にICカードが手動で挿入される。情報処理装置1において、非接触式のICカードとの間でデータの通信が行われるときには、情報処理装置1の、通信用アンテナに設置された箇所にICカードが翳される。情報処理装置1において、PIN番号が入力されるときには、たとえば、「0」から「9」までの数字のキーがタッチパネル3に表示される。ユーザは、タッチパネル3に触れてPIN番号を入力する。
【0027】
また、情報処理装置1は、IC接点バネ、装置側の通信用アンテナおよびタッチパネル3が電気的に接続される制御基板5を備えている。情報処理装置1が磁気ヘッドを備えている場合には、磁気ヘッドも制御基板5に電気的に接続されている。本形態の情報処理装置1は、2枚の制御基板5を備えている。また、情報処理装置1は、SAMカードまたはSIMカードであるICカード6が取り付けられるコネクタ(ソケット)7が実装されるコネクタ用基板8と、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための破壊検知回路9(図6参照)が形成される保護基板10とを備えている。2枚の制御基板5、コネクタ用基板8および保護基板10は、筐体2に収容されている。
【0028】
制御基板5およびコネクタ用基板8は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、長方形の平板状に形成されている。2枚の制御基板5は、制御基板5の厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。すなわち、前後方向(X方向)は、制御基板5の厚さ方向である。コネクタ用基板8は、コネクタ用基板8の厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。すなわち、制御基板5の厚さ方向とコネクタ用基板8の厚さ方向とが一致している。本形態の後ろ側(X2方向側)は、制御基板5の厚さ方向の一方側である第1方向側となっており、その反対側である前側(X1方向側)は、第1方向側の反対側である第2方向側となっている。
【0029】
2枚の制御基板5は、前後方向において間隔をあけた状態で配置されており、前後方向で重なっている。また、コネクタ用基板8と制御基板5とは、前後方向において間隔をあけた状態で配置されており、前後方向で重なっている。本形態では、コネクタ用基板8は、2枚の制御基板5の後ろ側に配置されている。情報処理装置1は、前後方向における制御基板5とコネクタ用基板8との距離が変わったことを検知するための検知機構11(図6参照)を備えている。検知機構11は、2枚の制御基板5のうちの後ろ側に配置される制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が変わったことを検知するために設けられている。
【0030】
長方形の平板状に形成される制御基板5は、制御基板5の長辺の方向と左右方向とが一致するように配置されている。2枚の制御基板5の大きさは異なっている。本形態では、前側に配置される制御基板5は、後ろ側に配置される制御基板5よりも大きくなっている。具体的には、前側に配置される制御基板5の左右方向の幅は、後ろ側に配置される制御基板5の左右方向の幅よりも広くなっている。また、前側に配置される制御基板5の上下方向の幅は、後ろ側に配置される制御基板5の上下方向の幅よりも若干広くなっている。
【0031】
上述のように、制御基板5には、IC接点バネ、装置側の通信用アンテナおよびタッチパネル3が電気的に接続されている。制御基板5には、秘密情報を含むデータの信号が入力される。制御基板5には、秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路14(図6参照)が形成されている。制御基板5では、秘密情報を含むデータが暗号化されていない状態で取り扱われる。2枚の制御基板5は、電気的に接続されている。具体的には、2枚の制御基板5は、フレキシブルプリント基板またはフレキシブルフラットケーブルからなる配線15によって電気的に接続されている。
【0032】
長方形の平板状に形成されるコネクタ用基板8は、コネクタ用基板8の長辺の方向と左右方向とが一致するように配置されている。コネクタ用基板8の大きさは、後ろ側に配置される制御基板5の大きさよりも若干小さくなっている。コネクタ用基板8は、制御基板5に電気的に接続されている。具体的には、コネクタ用基板8は、フレキシブルプリント基板またはフレキシブルフラットケーブルからなる配線16によって制御基板5に電気的に接続されている。本形態では、制御基板5からコネクタ用基板8に送信される秘密情報を含むデータの信号は、暗号化されている。コネクタ用基板8では、暗号化されていないデータは取り扱われていない。
【0033】
上述のように、ICカード6は、SAMカードまたはSIMカードであり、機器組込み型の小型のICカードである。ICカード6には、制御基板5から送信される暗号化されたデータが入力される。ICカード6は、コネクタ7に着脱可能となっている。コネクタ7は、コネクタ用基板8の後ろ側の面(後面)に実装されている。本形態では、1個のコネクタ7がコネクタ用基板8の後面に実装されている。
【0034】
コネクタ用基板8には、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための破壊検知回路17(図6参照)が形成されている。破壊検知回路17は、コネクタ用基板8の前側の面(前面)またはコネクタ用基板8の内層に形成されている。また、破壊検知回路17は、コネクタ用基板8の全域に形成されている。破壊検知回路17は、たとえば、1本のパターン配線によって構成されている。本形態の破壊検知回路17は、第2破壊検知回路である。
【0035】
保護基板10は、所定形状に折り曲げられた2枚のフレキシブルプリント基板18、19によって構成されている。すなわち、保護基板10は、フレキシブルプリント基板である。破壊検知回路9は、フレキシブルプリント基板18、19の全域に形成されている。破壊検知回路9は、たとえば、1本のパターン配線によって構成されている。フレキシブルプリント基板18は、前側に配置される制御基板5の一部を前側から覆うプリント基板部18aと、前側に配置される制御基板5の一部を上側から覆うプリント基板部18bと、前側に配置される制御基板5の全体を右側から覆うプリント基板部18cとを備えている。
【0036】
プリント基板部18aは、前後方向を厚さ方向とする平らなフィルム状に形成されている。プリント基板部18aは、長方形状に形成されている。プリント基板部18aは、前側に配置される制御基板5の、左端部を除いた部分を前側から覆っている。プリント基板部18bは、上下方向を厚さ方向とする平らなフィルム状に形成されている。プリント基板部18bは、長方形状に形成されている。プリント基板部18bは、プリント基板部18aの上端に繋がっている。プリント基板部18bは、前側に配置される制御基板5の、左端部を除いた部分を上側から覆っている。プリント基板部18cは、左右方向を厚さ方向とする平らなフィルム状に形成されている。プリント基板部18cは、長方形状に形成されている。プリント基板部18cは、プリント基板部18aの右端に繋がっている。
【0037】
フレキシブルプリント基板19は、後ろ側に配置される制御基板5およびコネクタ用基板8を後ろ側から覆うプリント基板部19aと、後ろ側に配置される制御基板5およびコネクタ用基板8を上下方向の両側から覆う2枚のプリント基板部19bと、後ろ側に配置される制御基板5およびコネクタ用基板8を左右方向の両側から覆う2枚のプリント基板部19cとを備えている。本形態のフレキシブルプリント基板19は、プリント基板部19a~19cによって構成されている。本形態のプリント基板部19aは、コネクタ用基板8の後ろ側に配置される第1保護基板となっている。
【0038】
プリント基板部19aは、前後方向を厚さ方向とする平らなフィルム状に形成されている。プリント基板部19aは、長方形状に形成されている。プリント基板部19bは、上下方向を厚さ方向とする平らなフィルム状に形成されている。プリント基板部19bは、長方形状に形成されている。プリント基板部19bは、プリント基板部19aの上端および下端に繋がっている。プリント基板部19cは、左右方向を厚さ方向とする平らなフィルム状に形成されている。プリント基板部19cは、長方形状に形成されている。プリント基板部19cは、プリント基板部19aの右端および左端に繋がっている。フレキシブルプリント基板19は、前側に配置される制御基板5の後ろ側に配置されており、前側に配置される制御基板5の、左端部を除いた部分を後ろ側から覆っている。
【0039】
プリント基板部18bは、プリント基板部19bよりも上側に配置されている。プリント基板部18bの後端部とプリント基板部19bの前端部とは上下方向で重なっている。プリント基板部18cは、右側に配置されるプリント基板部19cよりも右側に配置されている。プリント基板部18cの後端部とプリント基板部19cの前端部とは左右方向で重なっている。2枚のフレキシブルプリント基板18、19に囲まれた領域は、前側に配置される制御基板5の、左端部を除いた部分と、後ろ側に配置される制御基板5の全体と、コネクタ用基板8の全体とが配置される領域である保護領域PAとなっている。
【0040】
本形態では、前側に配置される制御基板5の、左端部を除いた部分(すなわち、前側に配置される制御基板5の、保護領域PAの中に配置される部分)にはデータ信号回路14が形成されているが、前側に配置される制御基板5の左端部(すなわち、前側に配置される制御基板5の、保護領域PAの外に配置される部分)には、データ信号回路14が形成されていない。すなわち、本形態では、制御基板5の、少なくともデータ信号回路14が形成されている部分、および、コネクタ用基板8の、少なくともコネクタ7が実装された部分は、保護基板10によって囲まれた領域である保護領域PAの中に配置されている。保護領域PAは、破壊検知回路9に囲まれた領域であり、セキュリティ性が確保された領域である。
【0041】
プリント基板部19aには、プリント基板部19aの後ろ側からコネクタ7にICカード6を着脱するための開口部19eが形成されている。開口部19eは、前後方向でプリント基板部19aを貫通する長方形状の貫通穴である。前後方向から見たときに、開口部19eの外形は、コネクタ7にICカード6が取り付けられた状態のICカード6およびコネクタ7の外形よりも大きくなっている。筐体2が取り外された状態の情報処理装置1を後ろ側から見ると、コネクタ7にICカード6が取り付けられた状態のICカード6およびコネクタ7は、開口部19eの中に配置されている(図7参照)。上述のように、破壊検知回路17は、コネクタ用基板8の全域に形成されており、破壊検知回路17は、前後方向から見たときに、コネクタ用基板8の、少なくとも開口部19eと重なる領域に形成されている。
【0042】
検知機構11は、たとえば、接点スイッチを有する機械式のセンサである。検知機構11は、後ろ側に配置される制御基板5とコネクタ用基板8との間に配置されている。たとえば、後ろ側に配置される制御基板5およびコネクタ用基板8が正規の位置に配置されていて、後ろ側に配置される制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が正規の距離となっているときは、検知機構11はオン状態になっている。一方、たとえば、コネクタ用基板8が取り外されて、後ろ側に配置される制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が離れると、検知機構11はオフ状態となる。そのため、検知機構11によって、後ろ側に配置される制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が変わったことを検知することが可能になっている。
【0043】
上述のように、2枚の制御基板5、コネクタ用基板8および保護基板10は、筐体2に収容されている。筐体2は、プリント基板部19aの後ろ側に配置される第1筐体部22と、第1筐体部22に着脱可能に取り付けられるカバー23とを備えている。第1筐体部22は、前後方向に直交する平板状に形成されている。第1筐体部22には、第1筐体部22の後ろ側からコネクタ7にICカード6を着脱するための開口部22aが形成されている。本形態の開口部22aは、第2開口部である。
【0044】
開口部22aは、前後方向で第1筐体部22を貫通する長方形状の貫通穴である。前後方向から見たときに、開口部22aの外形は、開口部19eの外形よりも若干小さくなっている。カバー23は、開口部22aを塞ぐように第1筐体部22に取り付けられている。すなわち、カバー23は、開口部22aを塞いでいる。カバー23は、たとえば、スナップフィット方式によって第1筐体部22に取り付けられている。カバー23を取り外した状態の情報処理装置1を後ろ側から見ると、コネクタ7にICカード6が取り付けられた状態のICカード6およびコネクタ7は、開口部22aの中に配置されている。
【0045】
本形態では、コネクタ用基板8の破壊検知回路17や保護基板10の破壊検知回路9の断線や短絡が検知されると、制御基板5に記憶されているデータを消去したり制御基板5を使用不可な状態にしたりする等の所定の処理が実行される。また、本形態では、検知機構11によって、後ろ側に配置される制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が変わったことが検知されると、制御基板5に記憶されているデータを消去したり制御基板5を使用不可な状態にしたりする等の所定の処理が実行される。
【0046】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、コネクタ用基板8に破壊検知回路17が形成されており、破壊検知回路17は、コネクタ用基板8の前面または内層に形成されている。また、本形態では、コネクタ用基板8の後ろ側に配置されるプリント基板部19aに、プリント基板部19aの後ろ側からコネクタ7にICカード6を着脱するための開口部19eが形成されているが、破壊検知回路17は、前後方向から見たときに、コネクタ用基板8の、少なくとも開口部19eと重なる領域に形成されている。
【0047】
そのため、本形態では、たとえば、開口部19eから挿入されるドリル等によってコネクタ用基板8に穴が開けられたときに、破壊検知回路17の断線や短絡を検知することが可能になる。また、本形態では、破壊検知回路17の断線や短絡が検知されると、制御基板5に記憶されているデータを消去する等の所定の処理を実行している。したがって、本形態では、開口部19eから挿入されるドリル等によってコネクタ用基板8に穴が開けられても、秘密情報を含むデータが制御基板5から不正に取得されるのを防止することが可能になる。
【0048】
すなわち、本形態では、制御基板5を保護するための保護領域PAを形成する保護基板10にICカード着脱用の開口部19eが形成されていても、秘密情報を含むデータが制御基板5から不正に取得されるのを防止することが可能になる。また、本形態では、コネクタ用基板8に破壊検知回路17が形成されているため、たとえば、破壊検知回路17が形成される第2の保護基板がコネクタ用基板8と制御基板5との間に別途設けられている場合と比較して、情報処理装置1の構成を簡素化することが可能になる。
【0049】
本形態では、保護領域PAの中にコネクタ用基板8の全体が配置されている。そのため、本形態では、保護領域PAの中にコネクタ用基板8の一部分のみが配置されている場合と比較して、保護領域PAを形成する保護基板10の形状を簡素化することが可能になる。また、本形態では、制御基板5の後ろ側に配置されるコネクタ用基板8の全域に破壊検知回路17が形成されているため、秘密情報を含むデータが制御基板5から不正に取得されるのを効果的に防止することが可能になる。
【0050】
本形態では、情報処理装置1は、制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が変わったことを検知するための検知機構11を備えている。そのため、本形態では、検知機構11の検知結果に基づいてコネクタ用基板8が不正に取り外されたことを検知することが可能になる。また、本形態では、検知機構11によって制御基板5とコネクタ用基板8との前後方向の距離が変わったことが検知されると、制御基板5に記憶されているデータを消去する等の所定の処理を実行している。したがって、本形態では、秘密情報を含むデータが制御基板5から不正に取得されるのを効果的に防止することが可能になる。
【0051】
本形態では、プリント基板部19aの後ろ側に配置される第1筐体部22に後ろ側からコネクタ7にICカード6を着脱するための開口部22aが形成されている。また、本形態では、第1筐体部22に、開口部22aを塞ぐカバー23が着脱可能に取り付けられている。そのため、本形態では、制御基板5、コネクタ用基板8および保護基板10が筐体2に収容されている状態でもカバー23を取り外せば、コネクタ7にICカード6を着脱することが可能になる。したがって、本形態では、コネクタ7にICカード6を容易に着脱することが可能になる。
【0052】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0053】
上述した形態において、破壊検知回路17は、コネクタ用基板8の前面およびコネクタ用基板8の内層の両方に形成されていても良い。また、上述した形態において、破壊検知回路17は、コネクタ用基板8の全域に形成されていなくても良い。ただし、この場合であっても、破壊検知回路17は、前後方向から見たときに、コネクタ用基板8の、少なくとも開口部19eと重なる領域に形成されている。
【0054】
上述した形態において、コネクタ用基板8の全体が保護領域PAの中に配置されていなくても良い。ただし、この場合であっても、コネクタ用基板8の、少なくともコネクタ7が実装された部分は、保護領域PAの中に配置されている。また、上述した形態において、後ろ側に配置される制御基板5の全体が保護領域PAの中に配置されていなくても良い。ただし、この場合であっても、後ろ側に配置される制御基板5の、少なくともデータ信号回路14が形成されている部分は、保護領域PAの中に配置されている。さらに、上述した形態において、前側に配置される制御基板5の全体が保護領域PAの中に配置されていても良い。
【0055】
上述した形態では、プリント基板部18a~18cは一体で形成されているが、プリント基板部18a~18cの少なくとも1つが別体で形成されていても良い。また、上述した形態では、プリント基板部19a~19cは一体で形成されているが、プリント基板部19a~19cの少なくとも1つが別体で形成されていても良い。さらに、上述した形態において、保護基板10は、複数枚のリジッド基板によって構成されていても良い。また、上述した形態において、コネクタ用基板8は、フレキシブルプリント基板であっても良い。
【0056】
上述した形態において、ICカード6は、SAMカードおよびSIMカード以外の、機器組込み型の小型のICカードであっても良い。また、上述した形態において、コネクタ用基板8に2個以上のコネクタ7が実装されていても良い。さらに、上述した形態において、情報処理装置1が有する制御基板5の数は、3枚以上であっても良いし、1枚であっても良い。また、上述した形態において、情報処理装置1は、検知機構11を備えていなくても良い。
【0057】
上述した形態において、情報処理装置1は、カードリーダとしての機能を備えていなくても良いし、入力装置としての機能を備えていなくても良い。また、上述した形態において、情報処理装置1は、カードリーダおよび入力装置以外の機能を備えていても良い。たとえば、情報処理装置1は、QRコード(登録商標)等の二次元コードを読み取るための二次元コードリーダとしての機能を備えていても良いし、ユーザの顔認証を行うための顔認証装置としての機能を備えていても良い。
【0058】
(本技術の構成)
なお、本技術は以下のような構成を取ることが可能である。
(1)秘密情報を含むデータの信号を伝えるためのデータ信号回路が形成される制御基板と、ICカードが取り付けられるコネクタが実装されるとともに前記制御基板に電気的に接続されるコネクタ用基板と、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための破壊検知回路が形成されるプリント基板である保護基板とを備え、
前記コネクタ用基板には、自身が断線したことおよび短絡したことの少なくともいずれか一方を検知するための第2破壊検知回路が形成され、
前記制御基板から前記コネクタ用基板に送信される秘密情報を含むデータの信号は、暗号化され、
前記制御基板と前記コネクタ用基板とは、前記制御基板の厚さ方向で重なり、
前記制御基板の、少なくとも前記データ信号回路が形成されている部分、および、前記コネクタ用基板の、少なくとも前記コネクタが実装された部分は、前記保護基板によって囲まれた領域である保護領域の中に配置され、
前記制御基板の厚さ方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、
前記コネクタ用基板は、前記制御基板の第1方向側に配置され、
前記コネクタは、前記コネクタ用基板の第1方向側の面に実装され、
前記保護基板は、前記コネクタ用基板の第1方向側に配置される第1保護基板を備え、
前記第1保護基板には、前記第1保護基板の第1方向側から前記コネクタに前記ICカードを着脱するための開口部が形成され、
前記第2破壊検知回路は、前記コネクタ用基板の第2方向側の面および前記コネクタ用基板の内層の少なくともいずれか一方に形成されるとともに、前記制御基板の厚さ方向から見たときに、前記コネクタ用基板の、少なくとも前記開口部と重なる領域に形成されていることを特徴とする情報処理装置。
(2)前記ICカードは、SAMカードまたはSIMカードであることを特徴とする(1)記載の情報処理装置。
(3)前記保護領域の中には、前記コネクタ用基板の全体が配置され、
前記第2破壊検知回路は、前記コネクタ用基板の全域に形成されていることを特徴とする(1)または(2)記載の情報処理装置。
(4)前記制御基板の厚さ方向における前記制御基板と前記コネクタ用基板との距離が変わったことを検知するための検知機構を備えることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)前記制御基板、前記コネクタ用基板および前記保護基板が収容される筐体を備え、
前記筐体は、前記第1保護基板の第1方向側に配置される第1筐体部と、前記第1筐体部に着脱可能に取り付けられるカバーとを備え、
前記第1筐体部には、前記第1筐体部の第1方向側から前記コネクタに前記ICカードを着脱するための第2開口部が形成され、
前記カバーは、前記第2開口部を塞いでいることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0059】
1 情報処理装置
2 筺体
5 制御基板
6 ICカード
7 コネクタ
8 コネクタ用基板
9 破壊検知回路
10 保護基板
11 検知機構
14 データ信号回路
17 破壊検知回路(第2破壊検知回路)
19a プリント基板部(第1保護基板)
19e 開口部
22 第1筐体部
22a 開口部(第2開口部)
23 カバー
PA 保護領域
X 制御基板の厚さ方向
X1 第2方向側
X2 第1方向側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7