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  • 特開-ダニ捕獲具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164962
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ダニ捕獲具
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/14 20060101AFI20241121BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A01M1/14 S
A01M1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080715
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000149181
【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】得野 克成
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121BA03
2B121CA02
2B121CA13
2B121CA15
2B121CA21
2B121CA31
2B121CA53
2B121CA54
2B121CA59
2B121CA64
2B121CA75
2B121CA81
2B121CC11
2B121EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】粘着シートの粘着力が経時的に低下したとしても内部に進入したダニを外部に逃げ出さないように捕獲することができるダニ捕獲具を提供。
【解決手段】ダニ誘引剤11が混錬された粘着層を有する粘着シート1と、粘着シートを挟持し、目付が80~220g/mである一対のコットンシート2と、粘着シート1及びコットンシート2を包摂し、目付が5~25g/mでダニが通過可能である覆設シートを備えたダニ捕獲具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダニ誘引剤が混錬された粘着層を有する粘着シートと、
前記粘着シートを挟持し、目付が80~220g/m2である一対のコットンシートと、
前記粘着シート及び前記コットンシートを包摂し、目付が5~25g/m2でダニが通過可能である覆設シートを備えることを特徴とするダニ捕獲具。
【請求項2】
前記コットンシートの厚みが、1.5~8mmであることを特徴とする請求項1に記載のダニ捕獲具。
【請求項3】
前記ダニ誘引剤は、炭素数6~18の脂肪酸であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダニ捕獲具。
【請求項4】
前記覆設シートの厚みが、0.1~5mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダニ捕獲具。
【請求項5】
前記覆設シートが暗色であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダニ捕獲具。
【請求項6】
前記覆設シートが黒色であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダニ捕獲具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適度な湿度及び温度が保たれている屋内に置かれている絨毯、カーペット、畳などの敷物や、布団、毛布、枕などの寝具や、セーター、コートなどの衣服や、ぬいぐるみなどの玩具など居住環境内に生息するダニを捕獲するためのダニ捕獲具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チリダニ、コナダニ、コナヒョウヒダニ、ササラダニ、ツメダニ、ホコリダニ、ニクダニ、イエダニなどのダニは、適度な湿度及び温度が保たれている屋内に置かれている絨毯、カーペット、畳などの敷物や、布団、毛布、枕などの寝具、或いはセーター、コートなどの衣服や、ぬいぐるみなどの玩具などの居住環境内において広く生息している。ダニの死骸などが粉砕されて生じた微粒子がアレルゲンとなり、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎などの種々のアレルギー反応を示すようになると言われている。
【0003】
このようなダニに起因しアレルギー反応を引き起こすアレルゲンを発生させないなどのために、そのような居住環境内のダニを捕獲することが好ましく、種々のダニ捕獲具が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1において、片面又は両面に粘着剤層を設けた芯材シートと、粘着剤層表面に散布されたダニ用食餌と、芯材シートの全体に多孔質通気性カバーを被せて一体のマット状とするように構成されてなるダニ捕獲マットが開示されており、多孔質通気性カバーの内側へ進入したダニ類を粘着剤層の粘着力で絡め取って捕獲することも記載されている。
【0005】
そして、特許文献2において、ダニを捕獲する捕獲器を綿やメリヤス地、布地で座布団状、マット状、シート状、棒状の捕獲袋や捕獲マットに形成し、上記捕獲器にダニ誘引剤を配設してダニを捕獲するようにしたことを特徴とするダニ捕獲器が開示されており、捕獲袋や捕獲マットにてダニ類を捕獲することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-333846号公報
【特許文献2】特開2001-86917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のダニ捕獲マットは、多孔質通気性カバーの内側へ進入したダニ類を粘着剤層の粘着力で絡め取って捕獲するものであるが、粘着剤層が空気との接触による粘着成分の揮発や硬化、変質、劣化などにより経時的にはダニの捕獲能力が低下するおそれがあった。そして、特許文献2のダニ捕獲器は、綿やメリヤス地、布地で座布団状、マット状、シート状、棒状の捕獲袋や捕獲マットにて捕獲機が形成されているため、特許文献1のダニ捕獲マットとは異なり経時的にダニの捕獲能力が低下するおそれがおおよそないものの、ダニ類が捕獲袋や捕獲マットにて死滅しなければ捕獲袋や捕獲マットから抜け出してしまい捕獲できずそもそものダニの捕獲能力が低いという課題があった。
【0008】
そこで、本発明では、粘着シートの粘着力が経時的に低下したとしても内部に進入したダニを外部に逃げ出さないように捕獲することができるダニの捕獲能力が向上したダニ捕獲具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔1〕すなわち、本発明は、ダニ誘引剤が混錬された粘着層を有する粘着シートと、前記粘着シートを挟持し、目付が80~220g/m2である一対のコットンシートと、前記粘着シート及び前記コットンシートを包摂し、目付が5~25g/m2でダニが通過可能である暗色の覆設シートを備えることを特徴とするダニ捕獲具ことを特徴とするダニ捕獲具である。
【0010】
〔2〕そして、前記コットンシートの厚みが、1.5~8mmであることを特徴とする前記〔1〕に記載のダニ捕獲具である。
【0011】
〔3〕そして、前記ダニ誘引剤は、炭素数6~18の脂肪酸であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のダニ捕獲具である。
【0012】
〔4〕そして、前記覆設シートの厚みが、0.1~5mmであることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のダニ捕獲具である。
【0013】
〔5〕そして、前記覆設シートが暗色であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のダニ捕獲具である。
【0014】
〔6〕そして、前記覆設シートが黒色であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のダニ捕獲具である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、粘着シートの粘着力が経時的に低下したとしても内部に進入したダニを外部に逃げ出さないように捕獲し、ダニの捕獲能力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のダニ捕獲具を示す斜視図である。
図2】本発明のダニ捕獲具における図1のA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のダニ捕獲具に関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記のある場合は、上限と下限を含有するものである。
【0018】
本発明のダニ捕獲具は、粘着シート1、コットンシート2、覆設シート3などから構成されている。
【0019】
本発明のダニ捕獲具に用いられる粘着シート1は、ダニ誘引剤11が混錬された粘着層12を有するシート状の部材である。粘着シート1により、ダニ誘引剤11などの作用によってダニ捕獲具の内部に進入したダニを、粘着層12に付着させて捕獲することができる。本実施形態において、図1及び図2に示すように、粘着シート1は一層から形成されているが、他の実施形態において、シート状の芯材の片面又は両面に粘着剤が塗布されている2層や3層に積層されて構成されていてもよく、そのときダニ誘引剤11は粘着剤に混錬されたり粘着剤により形成される層の外表面に塗布又は付着されるように含有されたりしていてもよい。
【0020】
そして、ダニ誘引剤11は、炭素数6~18の脂肪酸などが好ましい。具体的に、炭素数6~18の脂肪酸としては、このうち直鎖の脂肪酸、分岐鎖を有する脂肪酸や、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を用いることができる。具体的には、直鎖の飽和脂肪酸としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸(「オクタン酸」ともいう)、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸が好ましい。そして、分岐鎖を有する飽和脂肪酸としては、オクチル酸、イソステアリン酸などが好ましい。そして、直鎖の不飽和脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが好ましい。
【0021】
ダニ誘引剤11は、粘着層12のうち1~10重量%の量が混錬されていることが好ましく、3~7重量%の量を混錬されていることがより好ましい。ダニ誘引剤11の粘着層12における含有割合がこの範囲だと、ダニ誘引剤11による臭気を低減することができるとともに、粘着シート1からダニ誘引剤11が徐々に揮散される徐放性を有するためダニの誘引効果を長続きすることができる。なお、本実施形態において、ダニ誘引剤11が粘着層12に混錬されているが、他の実施形態において、ダニ誘引剤11を粘着層12の表面に塗布、付着させるようにするなどダニ誘引剤11を粘着層12に含有させるようにすることもできる。
【0022】
そして、粘着層12は、アクリルポリマーからなるアクリル系粘着剤、シロキサン結合を主骨格に有するポリマーからなるシリコーン系粘着剤、イソシアネート基とヒドロキシ基を有する化合物同士を縮合して得られるポリウレタンからなるウレタン系粘着剤、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムなどを有するゴム系粘着剤などの粘着剤を単一で又は組み合わせにより形成される。粘着層12としては、混錬されたダニ誘引剤11の徐放性などの効果を奏するためにアクリル系粘着剤が含有されることが好ましい。
【0023】
さらに、粘着層12の粘着力は3~20N/20mmであることが好ましく、5~10N/20mmであることがより好ましい。そして、粘着層12の厚みは、50~300μmであることが好ましく、70~250μmであることがより好ましい。
【0024】
本発明のダニ捕獲具に用いられるコットンシート2は、粘着シート1を挟持し、目付が80~220g/m2である一対の部材である。コットンシート2は、多年草であるワタの種子毛から採れる繊維から作られたシート状部材であり、5~25mmの毛足の短い短繊維種のコットンから形成されることが好ましい。コットンシート2により、本発明のダニ捕獲具の内部にダニを進入することができるが、その内部から退出しにくくすることで、粘着シート1だけでなくコットンシート2でもダニを捕獲することができ、さらに、コットンシート2内に進入したダニを内部に保持しアレルゲンが外部に漏洩することを防止することができる。仮に経時的に粘着シート1の粘着力が低下したとしても、コットンシート2にてダニを捕獲し、その内部に保持することができる。なお、コットンシート2は、コットンのみから形成されてもよいし、コットンに他の繊維を混合して形成されていてもよい。
【0025】
コットンシート2の目付は、80~220g/m2であることが好ましく、100~200g/m2であることがより好ましい。コットンシート2の目付がこの範囲であれば、上述したように、本発明のダニ捕獲具の内部にダニを進入することができるが、その内部から退出しにくくすることで、粘着シート1だけでなくコットンシート2でもダニを捕獲し保持することができる。
【0026】
コットンシート2の厚みは、1.5~8mmあることが好ましく、2~7.5mmであることがより好ましい。コットンシート2の厚みがこの範囲であれば、コットンシート2の目付とも相俟って、よりダニを捕獲し保持することができる。
【0027】
また、コットンシート2は、漂白されたものであってもよいし、漂白されてないものであってもよい。さらに、コットンシート2は、有機溶剤により脱脂されたものであってもよいし、脱脂されていないものであってもよい。
【0028】
参考のために、コットンシートの種類によって、ダニの捕獲力とダニの保持力についてそれぞれ測定した。具体的には、参考例1として、目付が50g/m2で厚みが1.05mmのコットンシートを用い、参考例2として、目付が100g/m2で厚みが2.02mmのコットンシートを用い、参考例3として、目付が160g/m2で厚みが4.47mmのコットンシートを用い、参考例4として、目付が200g/m2で厚みが7.46mmのコットンシートを用い、参考例5として、目付が240g/m2で厚みが9.12mmのコットンシートを用い、以下の試験を行った。
【0029】
〔捕獲力試験〕
オクタン酸を50mg含浸した1cm四方の参考例1のコットンシートを、29800~30200匹のコナヒョウヒダニを入れたシャーレ内に載置し、1週間静置した。その後、コットンシートに捕獲されたコナヒョウヒダニ数を計測したところ、798匹捕獲していた。なお、これらの試験は少なくとも3回以上行われ、上記結果は各試験結果の相加平均として示されている。参考例2~5のコットンシートについても同様に試験を行った。参考例2のコットンシートでは2212匹捕獲しており、参考例3のコットンシートでは3891匹捕獲しており、参考例4のコットンシートでは4209匹捕獲しており、参考例5のコットンシートでは1276匹捕獲していた。
【0030】
そして、コナヒョウヒダニの捕獲数が、2000匹以上であるコットンシートを良好として○、2000匹未満であるコットンシートを不良として×と評価した。
【0031】
〔保持力試験〕
文部科学省の「学校環境衛生管理マニュアル」(平成30年度改訂版)に、「ダニの基準値は、1m2当たりのダニが100匹以下になるとぜん息の発作が治まったという報告があることなどから、100匹/m2以下であることとされている。アレルゲンを抽出し、酵素免疫測定法によりアレルゲンを測定した場合、「100匹/m2以下」と同等のアレルゲン量は、Der2(ダニの死骸由来アレルゲン)量10μgとなるため、ダニアレルゲンの基準値は、Der2量10μg以下であることとなる。」と記載されており、これに準拠したダニアレルゲンの検査器具が各社から種々販売されている。このうち、「学校環境衛生基準」準拠商品であるダニアレルゲン検査キット(住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社製、マイティチェッカー(登録商標))を用いて、ダニの保持力として参考例1~5の各コットンシートから落下したアレルゲンを確認した。なお、当該ダニアレルゲン検査キットの測定原理は、ダニアレルギーの臨床分野で主要アレルゲンの一つであるDer2(Derf2とDelp2の両方)と特異的に反応するモノクローナル抗体を用いた水平展開クロマト方式によってハウスダスト等の抽出液中に含まれるダニアレルゲンレベルを赤色の発色程度で表示するものであり、酵素免疫測定法との相関係数がr=0.83と非常に高いものである。当該ダニアレルゲン検査キットでは、発色程度により、〔判定:++、判定の目安:ハッキリとしたライン、ダニアレルゲンレベル:>35μg(>350匹)/m2〕、〔判定:+、判定の目安:ラインであることが確認できる、ダニアレルゲンレベル:10μg(100匹)/m2〕、〔判定:+-、判定の目安:うっすらと発色しているのがわかる、ダニアレルゲンレベル:5μg(50匹)/m2〕、〔判定:--、判定の目安:全く発色していない、ダニアレルゲンレベル:<1μg(<10匹)/m2〕と4段階の判断基準が設けられている。
【0032】
ダニの保持力に関して、参考例1~5のコットンシートから脱落したアレルゲンの確認について、具体的には、前記捕獲力試験と同様にして、オクタン酸を50mg含浸した1cm四方の参考例1~5のコットンシートを、それぞれ29800~30200匹のコナヒョウヒダニを入れたシャーレ内に載置し1週間静置した後に、それぞれのコットンシートに振動を与えて落下したダニやダニの死骸などのアレルゲンを回収して、上記ダニアレルゲン検査キットにてダニアレルゲンレベルを赤色の発色程度で確認した。そして、判定結果が-又は-と+-の間に相当するコットンシートをダニの保持力が顕著にあるとして◎、判定結果が+-又は+-と+の間に相当するコットンシートをダニの保持力が十分にあるとして○、判定結果が+であるコットンシートをダニの保持力が軽微であるとして△、判定結果が+と++の間に相当する又は++であるコットンシートをダニの保持力が不十分であるとして×と評価した。
【0033】
参考例1~5のコットンシート、そして、これらを用いて行ったダニの捕獲力試験及び保持力試験の結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
以上の結果より、目付が80~220g/m2であるコットンシートであれば、ダニを捕獲することができるとともに、一旦捕獲したダニを保持できることがわかり、ダニ捕獲具に用いるコットンシートとして適していることが明らかとなった。
【0036】
本発明の覆設シート3は、粘着シート1及びコットンシート2を包摂し、目付が5~25g/m2でダニが通過可能であるシート状の部材である。覆設シート3により、粘着シート1が他の物品に付着することを防止したり、コットンシート2を形成する繊維が外部に散らばることを防止したり、ダニを外部に逃げにくくすることができる。なお、本実施形態において、2枚の覆設シート3により、粘着シート1及びコットンシート2を包摂しているが、袋状に形成された1枚の覆設シート3に粘着シート1及びコットンシート2を入れてその口を閉じることで包摂するようにしてもよい。
【0037】
覆設シート3の目付が、5~25g/m2であることが好ましく、10~20g/m2であることがより好ましい。覆設シート3の目付がこの範囲であれば、ダニが内部に進入することができ、さらに、上述したように、粘着シート1が他の物品に付着することを防止したり、コットンシート2を形成する繊維が外部に散らばることを防止したりすることができる。
【0038】
覆設シート3としては、ダニが通過することができるように、所定の大きさの隙間を有しており、具体的には、0.01~2mm乃至は0.05~1mmの隙間を有している不織布や織物などが好ましい。
【0039】
覆設シート3の厚みが、0.05~5mmであることが好ましく、0.1~2mmであることがより好ましい。覆設シート3の厚みがこの範囲であれば、上述したように、ダニを内部に誘導しやすく、ダニが内部から外部へ退出することも多少なりとも防ぐことができる。
【0040】
覆設シート3の色は、ダニを誘引しやすい暗色であることが好ましく、黒色、灰色、茶褐色、赤褐色、暗赤色、暗黄色、暗緑色などの明るさが低く暗い暗色であることがより好ましく、黒色であることがもっとも好ましい。
【符号の説明】
【0041】
1・・・粘着シート
11・・・ダニ誘引剤
12・・・粘着層
2・・・コットンシート
3・・・覆設シート
図1
図2