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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164978
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】リニア搬送処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 54/02 20060101AFI20241121BHJP
   B65B 43/30 20060101ALI20241121BHJP
   B65B 43/54 20060101ALI20241121BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65G54/02
B65B43/30
B65B43/54 V
B65G47/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080747
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】松尾 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】飯田 裕康
(72)【発明者】
【氏名】船石 遼介
(72)【発明者】
【氏名】宮田 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 勲
(72)【発明者】
【氏名】市川 治久
【テーマコード(参考)】
3E030
3F021
3F072
【Fターム(参考)】
3E030AA03
3E030AA04
3E030BC03
3E030CA02
3E030CA07
3E030CB01
3E030DA01
3E030DA06
3E030EA01
3E030EB01
3E030EB03
3E030GA01
3F021AA01
3F021BA02
3F021DA05
3F072AA30
3F072GG10
3F072GG11
3F072KA06
(57)【要約】
【課題】種類が異なる複数の物品を処理可能なリニア搬送処理装置を提供する。
【解決手段】周回搬送路14を走行するリニアシャトルは、包装袋を保持可能なチャックおよびカートンを保持可能な保持部材を備え、走行方向に隣り合うリニアシャトルのチャックまたは保持部材によって包装袋またはカートンを保持する。周回搬送路14は、包装袋を搬送処理する袋処理搬送路12と、カートンを搬送処理するカートン処理搬送路13とを備える。袋処理搬送路12に沿って、包装袋の処理手段28,30,31,32,33,34が配置されると共に、カートン処理搬送路13に沿って、カートンの処理手段36,37,38が配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシャトルが走行可能な周回搬送路を備えたリニア搬送処理装置であって、
前記周回搬送路は、種類が異なる物品を搬送処理するための複数の処理搬送路を備え、
各処理搬送路に沿って、対応する種類の物品に所定の処理を行う複数の処理手段が配置され、
前記シャトルは、少なくとも1種類の物品を保持可能な保持手段を備え、
各処理搬送路において、シャトルで保持して搬送される対応する種類の物品を処理手段で処理するよう構成した
ことを特徴とするリニア搬送処理装置。
【請求項2】
前記周回搬送路は、物品として包装袋を処理する第1の処理搬送路と、物品としてカートンを処理する第2の処理搬送路と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のリニア搬送処理装置。
【請求項3】
前記シャトルは、前記包装袋を保持可能な第1の保持手段と、前記カートンを保持可能な第2の保持手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載のリニア搬送処理装置。
【請求項4】
前記シャトルとして、走行方向の前側に前記第1の保持手段を備えると共に後側に前記第2の保持手段を備える第1のシャトルと、走行方向の前側に前記第2の保持手段を備えると共に後側に前記第1の保持手段を備える第2のシャトルと、を有し、
前記第1の処理搬送路では、前記第1のシャトルと第2のシャトルの走行方向に対向する第1の保持手段で包装袋を保持し、前記第2の処理搬送路では、前記第1のシャトルと第2のシャトルの走行方向に対向する第2の保持手段でカートンを保持するよう構成したことを特徴とする請求項3記載のリニア搬送処理装置。
【請求項5】
前記周回搬送路は、互いに平行に離間して配置された二つの直線部と、両直線部の一方端同士および他方端同士を接続する二つの弧状部と、から構成され、
前記複数の処理搬送路は、前記二つの直線部の一方を含むよう構成したことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のリニア搬送処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールに沿ってリニアモータ駆動により走行するシャトルによって物品を搬送して所定の処理を行うリニア搬送処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の搬送処理装置として、搬送動作の自由度や、搬送する物品の種類・サイズの兼用性などの理由から、物品を保持可能なシャトルを、レールに沿ってリニアモータ駆動により走行するよう構成したリニアモータ駆動式のリニア搬送処理装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1、2に開示のリニア搬送処理装置は、電磁コイルが配設されたレールに、永久磁石が配設されたシャトルが磁力の吸引作用によって走行可能に支持され、電磁コイルを通電制御することで、物品を保持したシャトルがレールに沿って移動するよう構成される。
【0003】
特許文献1に開示のリニア搬送処理装置では、各シャトルに保持部材が配設され、隣り合う一対のシャトルの保持部材によって、処理対象となる箱状容器の前後を保持して搬送するよう構成される。また、特許文献2に開示のリニア搬送処理装置では、各シャトルにグリッパが配設され、隣り合う一対のシャトルのグリッパによって、処理対象となる包装袋の前後を挟持して搬送するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-160909号公報
【特許文献2】特開2021-054460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記リニア搬送処理装置は、搬送動作の自由度や、搬送する物品の種類、サイズの兼用性などに優れているが、例えば、箱状容器と包装袋のように処理対象となる物品の種類が異なる場合は、箱状容器を処理するラインと、包装袋を処理するラインとを別々に構成して工場に設置しているのが現状であって、装置の設置スペースや、導入費用が嵩むなどの問題が指摘される。
【0006】
本発明は、種類が異なる複数の物品を処理可能なリニア搬送処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明のリニア搬送処理装置は、
複数のシャトル(17A,17B)が走行可能な周回搬送路(14)を備えたリニア搬送処理装置であって、
前記周回搬送路(14)は、種類が異なる物品(10,11)を搬送処理するための複数の処理搬送路(12,13)を備え、
各処理搬送路(12,13)に沿って、対応する種類の物品(10,11)に所定の処理を行う複数の処理手段(28,30,31,32,33,34,36,37,38)が配置され、
前記シャトル(17A,17B)は、少なくとも1種類の物品(10,11)を保持可能な保持手段(15,16)を備え、
各処理搬送路(12,13)において、シャトル(17A,17B)で保持して搬送される対応する種類の物品(10,11)を処理手段(28,30,31,32,33,34,36,37,38)で処理するよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、種類が異なる物品を搬送処理可能な複数の処理搬送路から周回搬送路を構成することで、種類が異なる物品を搬送処理する複数のラインを設ける場合に比べて装置の設置スペースを抑制することができ、装置コストを削減できる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記周回搬送路(14)は、物品として包装袋(10)を処理する第1の処理搬送路(12)と、物品としてカートン(11)を処理する第2の処理搬送路(13)と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、処理する形態が異なる包装袋とカートンを、1つの周回搬送路で搬送処理することができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記シャトル(17A,17B)は、前記包装袋(10)を保持可能な第1の保持手段(15)と、前記カートン(11)を保持可能な第2の保持手段(16)とを備えたことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、包装袋およびカートンを保持するシャトルを共通化できるので、部品点数を削減することができる。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記シャトル(17A,17B)として、走行方向の前側に前記第1の保持手段(15)を備えると共に後側に前記第2の保持手段(16)を備える第1のシャトル(17A)と、走行方向の前側に前記第2の保持手段(16)を備えると共に後側に前記第1の保持手段(15)を備える第2のシャトル(17B)と、を有し、
前記第1の処理搬送路(12)では、前記第1のシャトル(17A)と第2のシャトル(17B)の走行方向に対向する第1の保持手段(15,15)で包装袋(10)を保持し、前記第2の処理搬送路(13)では、前記第1のシャトル(17A)と第2のシャトル(17B)の走行方向に対向する第2の保持手段(17B)でカートン(11)を保持するよう構成したことを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、第1の処理搬送路と第2の処理搬送路とで、対応する包装袋またはカートンを保持するシャトルの組み合わせを異ならせることで、第1の保持手段と第2の保持手段とを干渉させることなく対応する包装袋およびカートンを保持して搬送することができる。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記周回搬送路(14)は、互いに平行に離間して配置された二つの直線部(12,13)と、両直線部(12,13)の一方端同士および他方端同士を接続する二つの弧状部(19)と、から構成され、
前記複数の処理搬送路(12,13)は、前記二つの直線部(12,13)の一方を含むよう構成したことを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、周回搬送路の直線部を処理搬送路として構成したので、各種物品を直線的に搬送しつつ処理を行うことができ、各物品に対して精度のよい処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、包装袋やカートンのように種類が異なる複数の物品に対して夫々所定の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】リニア搬送処理装置の概略構成を示す説明平面図である。
図2】リニアシャトルを示す正面図であって、(a)は包装袋を保持している状態を示し、(b)はカートンを保持している状態を示している。
図3A】袋処理搬送路における各ステーションを示す概略正面図であって、(a)は袋受取りステーションを示し、(b)は袋開きステーションおよびエア吹込みステーションを示す。
図3B】袋処理搬送路における各ステーションを示す概略正面図であって、(a)は製品充填ステーションを示し、(b)はジッパー圧着ステーション、シールステーションおよび排出ステーションを示す。
図4A】カートン処理搬送路における各ステーションを示す概略正面図であって、(a)はカートン受取りステーションを示し、(b)は製品投入ステーションを示す。
図4B】カートン処理搬送路における各ステーションを示す概略正面図であって、(a)はフラップ折曲げステーションを示し、(b)は排出ステーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係るリニア搬送処理装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0015】
図1図2に示す如く、リニア搬送処理装置は、種類が異なる物品10,11を搬送処理するための複数の処理搬送路12,13を備える周回搬送路14と、該周回搬送路14をリニアモータ駆動によって走行可能で、物品10,11を保持可能な保持手段15,16を備える複数のリニアシャトル(シャトル)17A,17Bと、各処理搬送路12,13に沿って配置され、当該処理搬送路12,13を走行するリニアシャトル17A,17Bに保持して搬送される対応する種類の物品10,11に対して所定の処理を行う複数の処理手段28,30,31,32,33,34,36,37,38と、を備える。周回搬送路14は、該搬送路14に沿って延在してリニアシャトル17A,17Bが走行可能なガイドレール18で構成されており、該ガイドレール18は、互いに平行な二つの直線部12,13と、両直線部12,13を接続する二つの弧状のリターン部(弧状部)19,19とから周回するループ状に形成される。
【0016】
実施例のリニア搬送処理装置は、図2に示す如く、物品として、包装袋10とカートン11を処理可能に構成され、一方の直線部12を、包装袋10を処理するための袋処理搬送路(第1の処理搬送路)12として構成すると共に、他方の直線部13を、カートン11を処理するためのカートン処理搬送路(第2の処理搬送路)13として構成してある。各リニアシャトル17A,17Bは、包装袋10を保持可能な第1の保持手段としてのチャック15およびカートン11を保持可能な第2の保持手段としての保持部材16を備え、後述するように、走行方向に隣り合う2つのリニアシャトル17A,17Bのチャック15,15または保持部材16,16を用いて包装袋10またはカートン11を保持してガイドレール18に沿って搬送する。
【0017】
図2に示す如く、前記ガイドレール18は、搬送軌道全長に亘ってコイルが内装されたリニアガイド20と、該リニアガイド20の上方と下方に近接して配設された溝付きレール21と、平面レール22とで構成される。溝付きレール21には、V溝(溝)21aが周回する側面に周回方向(リニアシャトルの走行路)に延在するように形成され、平面レール22は、周回する側面がフラットな平面により形成されている。リニアシャトル17A,17Bのシャトル本体23に永久磁石が設けられ、該永久磁石の磁力によってシャトル本体23がリニアガイド20の表面に引き寄せられ、後述する第1のガイドローラ25が溝付きレール21のV溝21aに嵌り込んで密着すると共に、第2のガイドローラ27が平面レール22の表面に当接した状態で、コイルへの通電が制御されてリニアシャトル17A,17Bがガイドレール18に沿って走行するリニアモータ駆動により動作制御される。なお、リニアガイド20は、磁石を吸着する鉄等の金属からなる強磁性体や前記コイルの鉄心に対してシャトル本体23の永久磁石を引き寄せるように磁力が作用するよう構成されて、コイルへ通電されていない場合においても、リニアシャトル17A,17Bは、磁力によってガイドレール18に対して保持状態となるよう構成されている。
【0018】
図2に示す如く、リニアシャトル17A,17Bには、シャトル本体23から上方に延びるホルダ24が設けられ、該ホルダ24には、2つの第1のガイドローラ25が自由回転可能に軸支される。第1のガイドローラ25は、ガイドレール18におけるV溝21aに嵌り込んでリニアシャトル17A,17Bの走行を案内する。また、シャトル本体23から下方に突出するサブホルダ26には、2つの第2のガイドローラ27が自由回転可能に支持されている。第2のガイドローラ27は、ガイドレール18に設けた平面レール22の表面に外周面を当接して回転するよう構成される。そして、リニアシャトル17A,17Bが、磁力によってガイドレール18に引き寄せられることで、第1のガイドローラ25が溝付きレール21のV溝21aに嵌り込むと共に、第2のガイドローラ27の外周面が平面レール22の表面に当接された状態で、ガイドレール18に設けた前記リニアガイド20とシャトル本体23との対向面間に隙間を設けて、リニアシャトル17A,17Bがガイドレール18に沿って自由に走行するよう構成される。
【0019】
図2に示す如く、リニアシャトル17A,17Bは、走行方向前後の一方に、前記包装袋10を保持可能な前記チャック15が配設されると共に、他方に、前記カートン11を保持可能な前記保持部材16が配設されている。実施例では、リニアシャトル17A,17Bとして、走行方向の前側にチャック15を備えると共に後側に保持部材16を備える第1のリニアシャトル(第1のシャトル)17Aと、走行方向の前側に保持部材16を備えると共に後側にチャック15を備える第2のリニアシャトル(第2のシャトル)17Bと、を有し、前記周回搬送路14には、第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとが走行方向に交互に並ぶように走行するよう構成される。チャック15は、走行方向と交差する前後方向に対向して開閉可能な挟持片15a,15a(一方のみ図示)を備え、両挟持片15a,15aはばねによって常には閉成方向に付勢されており、後述する袋受取りステーションS1においてチャック15,15が対向するように走行方向に隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bの間に供給された包装袋10の左右端部を、両チャック15,15で挟んで保持するよう構成される(図2(a)参照)。また、保持部材16は、板状の部材であって、後述するカートン受取りステーションK1において、保持部材16,16が対向するように走行方向に隣り合う第2のリニアシャトル17Bと第1のリニアシャトル17Aの間に供給されたカートン11を、両リニアシャトル17A,17Bの間隔を狭めることで保持部材16,16によって左右両側から挟んで保持するよう構成される(図2(b)参照)。
【0020】
図1図3A図3Bに示す如く、前記袋処理搬送路12には、当該袋処理搬送路12を走行するリニアシャトル17A,17Bの走行方向との関係で、袋受取りステーションS1、袋開きステーションS2、エア吹込みステーションS3、製品充填ステーションS4、ジッパー圧着ステーションS5、シールステーションS6および排出ステーションS7からなる処理ステーションが上流側から下流側に向けて順に配置される。そして、袋処理搬送路12には、各ステーションS1~S7に、リニアシャトル17A,17Bによって保持されている包装袋10に対して所定の処理を行う処理手段28,30,32,33,34が配置される。
【0021】
図3A(a)に示す如く、前記袋受取りステーションS1には、当該袋受取りステーションS1に位置付けられる複数(実施例では4つ)のリニアシャトル17A,17Bにおける前記チャック15の挟持片15a,15aを開放する処理手段としてのチャック開放手段28が配置されている。袋受取りステーションS1に対応して、チャック15,15が走行方向に対向するように位置付けられた隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bの間におけるチャック開放手段28で開放されている挟持片15a,15aの間に、袋口を上向きとした姿勢で包装袋10を供給する袋供給手段29が、袋処理搬送路12の外側に配置されている。実施例では、袋受取りステーションS1に位置付けられた4つのリニアシャトル17A,17B(対をなす第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組が2組)に対して、袋供給手段29では2つの包装袋10を供給するよう構成される。チャック開放手段28は、包装袋10が供給されると挟持片15a,15aの開放を解除し、前記ばねによって挟持片15a,15aが閉成することで包装袋10の左右の端部が挟持片15a,15aで挟持される。
【0022】
図3A(b)に示す如く、前記袋開きステーションS2には、一対のチャック15,15によって保持されている包装袋10の袋口を開口する処理手段としての袋開口手段30が配置されている。袋開口手段30は、包装袋10を挟む前後に位置して対向する2つの吸着部30a,30a(一方のみ図示)と、該吸着部30a,30aを相互に接近離間移動するエアシリンダ等の作動手段(図示せず)とを備える。袋開口手段30は、2つの吸着部30a,30aを相互に接近して包装袋10の前面と後面とを吸着した状態で、両吸着部30a,30aを相互に離間することで袋口を開口するよう構成される。なお、袋口を開口する際には、包装袋10を保持している対のリニアシャトル17A,17Bを、その間隔を狭めるように移動し、チャック15による保持を維持しつつ袋口の開口を許容するよう構成される。
【0023】
図3A(b)に示す如く、前記エア吹込みステーションS3には、前記袋開きステーションS2において袋開口手段30によって袋口が開口された包装袋10に、袋口からエアを吹き込んで該袋口を更に開口する処理手段としてのエア吹込み手段31が配置されている。エア吹込み手段31は、エアノズル31aを備え、該エアノズル31aを袋口に臨ませた状態で、該エアノズル31aから袋内にエアを吹き込むよう構成される。
【0024】
図3B(a)に示す如く、前記製品充填ステーションS4には、前記エア吹込みステーションS3で袋口が開口された包装袋10に製品を充填する処理手段としての製品充填手段32が配置される。実施例では、製品充填ステーションS4に位置付けられた4つのリニアシャトル17A,17Bで保持されている2枚の包装袋10に対して製品を充填する2基の製品充填手段32が走行方向に並んで配置され、当該製品充填ステーションS4では、4枚の包装袋10に製品を充填し得るよう構成されている。各製品充填手段32は、図示しない供給源から供給される製品を包装袋10に充填する2つの充填ホッパ32aを備え、該充填ホッパ32aを袋口に臨ませた状態で、該充填ホッパ32aから所定量の製品を袋内に充填するよう構成される。
【0025】
実施例では、前記包装袋10として、雄型噛合部と雌型噛合部とからなる公知の開閉可能なジッパーを、幅方向(走行方向)に延在するよう装着したジッパー付き袋が用いられている。そして、図3B(b)に示す如く、前記ジッパー圧着ステーションS5には、前記包装袋10に予め装着されているジッパーの雄型噛合部と雌型噛合部とを噛合するように圧着して袋口を閉成するための処理手段としてのジッパー圧着手段33が配置されている。また、前記シールステーションS6には、ジッパー圧着ステーションS5で圧着されたジッパーより上側において、包装袋10を幅方向(走行方向)の全長に亘ってシールする処理手段としてのシール手段34が配置されている。
【0026】
図3B(b)に示す如く、前記排出ステーションS7には、前記袋受取りステーションS1に設けられたものと同じチャック開放手段28が配置されており、当該排出ステーションS7に位置付けられたリニアシャトル17A,17Bのチャック15,15をチャック開放手段28によって開放することで、包装袋10が落下するよう構成される。なお、落下した包装袋10は、シュートなどを介して次工程の搬出コンベヤ等に供給される。
【0027】
図1図4A図4Bに示す如く、前記カートン処理搬送路13には、当該カートン処理搬送路13を走行するリニアシャトル17A,17Bの走行方向との関係で、カートン受取りステーションK1、製品投入ステーションK2、フラップ折曲げステーションK3および排出ステーションK4からなる処理ステーションが上流側から下流側に向けて順に配置される。そして、各ステーションK1~K4に、リニアシャトル17A,17Bによって保持されているカートン11に対して所定の処理を行う処理手段36,37,38が配置される。
【0028】
図1に示す如く、前記カートン受取りステーションK1に対応して、カートン供給手段35が、カートン処理搬送路13の外側に配置されている。カートン供給手段35は、図示しない製函部において箱形に成形された天面が開口されたカートン11を、カートン受取りステーションK1において前記保持部材16,16が走行方向に対向するように位置付けられた第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bの対向する保持部材16,16の間に供給する。実施例のカートン供給手段35は、図4A(a)に示す如く、カートン受取りステーションK1に位置付けられた8つのリニアシャトル17A,17B(対をなす第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組が4組)に対して4つのカートン11を一度に供給するよう構成される。保持部材16,16が対向する隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの間にカートン11が供給されると、両リニアシャトル17A,17Bは間隔が狭くなるよう移動して、対向する保持部材16,16によってカートン11の胴部11aを挟んで保持するよう構成される。また、カートン受取りステーションK1には、カートン供給手段35によって隣り合うリニアシャトル17A,17Bの間に供給されたカートン11の底面を支持する支持部材36aと、胴部11aを構成する後側(ガイドレール側)のパネルから上方に延出する後フラップ11bを後方(外側)に押し拡げて癖を付ける癖付け部材36bと、を備える処理手段としてのカートン支持手段36が配置されている。カートン支持手段36は、支持部材36aを下方の退避位置とカートン底面を支持する支持位置との間を昇降動すると共に、癖付け部材36bを上方の退避位置と後フラップ11bに癖を付ける癖付け位置との間を昇降動する。
【0029】
図4A(b)に示す如く、前記製品投入ステーションK2には、前記リニアシャトル17,17で保持されたカートン11に製品を投入する処理手段としての製品投入手段37が配置される。実施例の製品投入手段37は、製品投入ステーションK2に位置付けられた8つのリニアシャトル17A,17Bで保持されている4個のカートン11に対して製品を投入する4つの投入シュート37aを走行方向に並んで備え、当該製品投入ステーションK2では、4個のカートン11に製品を投入し得るよう構成されている。
【0030】
図4B(a)に示す如く、前記フラップ折曲げステーションK3には、カートン11における胴部11aを構成する左右の側面パネルから上方に延出する側フラップ11c,11cを内側に折り曲げると共に、前記後フラップ11bを内側に折り曲げる処理手段としてのフラップ折曲げ手段38が配置されている。フラップ折曲げ手段38は、上流側の側フラップ11cを折り曲げる可動式の折曲げ部材38aと、下流側の側フラップ11cおよび後フラップ11bを折り曲げる複数の固定式の折曲げガイド38bを備え、フラップ折曲げ手段38は、折曲げガイド38bによって後フラップ11bの先端に設けられている差込み部を、胴部11aの開口に差し込むよう構成される。
【0031】
前記排出ステーションK4には、隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの間隔を拡げることで保持が解除されたカートン11を、次工程の搬送コンベヤ等に供給するシュート(図示せず)が配置されている。また、排出ステーションK4には、フラップ折曲げステーションK3で折り曲げられた後フラップ11bを、折曲げ状態を維持するガイド部材39がリニアシャトル17A,17Bの走行方向に沿って所定長さで配置されている。
【0032】
次に、実施例に係るリニア搬送処理装置の作用について、先に包装袋10の処理に関して説明し、次にカートン11の処理に関して説明する。
【0033】
図3A(a)に示す如く、前記袋受取りステーションS1に、対をなす第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが2組で合計4つのリニアシャトル17A,17Bが、チャック15,15が走行方向に対向するように位置付けられると、該チャック15,15の挟持片15a,15aが、前記チャック開放手段28によってばねの付勢力に抗して開放される。前記袋供給手段29によって、開放している挟持片15a,15aの間に包装袋10の左右端部が臨むように該包装袋10を供給する。チャック開放手段28による挟持片15a,15aの開放を解除すると、ばねの付勢力によって挟持片15a,15aが閉成して包装袋10の左右端部が挟持され、走行方向に隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bの間に袋口が上向きの姿勢で包装袋10が保持される。
【0034】
前記袋受取りステーションS1での包装袋10の受取り処理が完了すると、包装袋10を保持した4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記袋開きステーションS2に移動して位置付けられる。また、袋受取りステーションS1から包装袋10を保持したリニアシャトル17が下流側に移動すると、包装袋10を保持していない空のリニアシャトル17A,17Bが袋受取りステーションS1まで移動して位置付けられる。図3A(b)に示す如く、袋開きステーションS2に4つのリニアシャトル17A,17Bが位置付けられると、走行方向に隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとで保持されている包装袋10に対し、袋開口手段30の前後に離間している吸着部30a,30aが相互に接近して包装袋10の表面と裏面とを吸着する。そして、吸着部30a,30aを相互に離間すると共に、包装袋10をチャック15で挟持しているリニアシャトル17A,17Bの間隔を狭めることで、包装袋10の袋口は開口する。
【0035】
前記袋開きステーションS2での包装袋10における袋口の開口処理が完了すると、包装袋10を保持した4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記エア吹込みステーションS3に移動して位置付けられる。また、袋開きステーションS2から包装袋10を保持したリニアシャトル17A,17Bが下流側に移動すると、袋受取りステーションS1で包装袋10を受け取ったリニアシャトル17A,17Bが袋開きステーションS2まで移動して位置付けられる。エア吹込みステーションS3に4つのリニアシャトル17A,17Bが位置付けられると、図3A(b)に示す如く、第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとで保持されている包装袋10の開口した袋口から袋内にエア吹込み手段31のエアノズル31aによってエアが吹き込まれ、該包装袋10の袋口は更に広く開口する。
【0036】
前記エア吹込みステーションS3での包装袋10に対するエア吹込み処理が完了すると、包装袋10を保持した4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記製品充填ステーションS4に移動して位置付けられる。実施例では、図3B(a)に示す如く、製品充填ステーションS4に2基の製品充填手段32が配置されており、8つのリニアシャトル17A,17B(対をなす第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組が4組)が製品充填ステーションS4に位置付けられると、対応する製品充填手段32の充填ホッパ32aから第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとで保持されている包装袋10に対して製品が充填される。また、エア吹込みステーションS3から包装袋10を保持したリニアシャトル17A,17Bが下流側に移動すると、袋開きステーションS2で袋口が開口された包装袋10を保持するリニアシャトル17A,17Bがエア吹込みステーションS3まで移動して位置付けられる。
【0037】
前記製品充填ステーションS4での包装袋10に対する製品充填処理が完了すると、包装袋10を保持した8つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって下流側に移動し、下流側の4つのリニアシャトル17A,17Bが前記ジッパー圧着ステーションS5に移動して位置付けられると共に、上流側の4つのリニアシャトル17A,17Bはジッパー圧着ステーションS5の上流側で待機する。また、製品充填ステーションS4から包装袋10を保持した第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが下流側に移動すると、エア吹込みステーションS3で袋口が大きく開口されて包装袋10を保持する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが製品充填ステーションS4まで移動して位置付けられる。図3B(b)に示す如く、ジッパー圧着ステーションS5に4つのリニアシャトル17A,17Bが位置付けられると、前記ジッパー圧着手段33によって第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bで保持されている各包装袋10に装着してあるジッパーが圧着されて袋口が閉成される。そして、ジッパー圧着ステーションS5での包装袋10に対するジッパーの圧着処理が完了すると、包装袋10を保持している4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記シールステーションS6に移動して位置付けられる。また、上流側で待機していた4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によってジッパー圧着ステーションS5まで移動して位置付けられる。
【0038】
前記シールステーションS6に4つのリニアシャトル17A,17Bが位置付けられると、包装袋10におけるジッパーの装着位置より上側が、前記シール手段34によって幅方向の全長に亘ってシールされる。そして、シールステーションS6での包装袋10に対するシール処理が完了すると、包装袋10を保持している4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記排出ステーションS7に移動して位置付けられる。また、シールステーションS6から包装袋10を保持した第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが下流側に移動すると、ジッパー圧着ステーションS5でジッパーが圧着処理された包装袋10を保持する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17BがシールステーションS6まで移動して位置付けられる。
【0039】
前記排出ステーションS7に4つのリニアシャトル17A,17Bが位置付けられると、前記チャック開放手段28によって包装袋10を挟持しているチャック15,15の挟持片15a15aが開放され、包装袋10はリニアシャトル17A,17Bから落下し、シュートを介して次工程の搬送コンベヤに供給される。そして、排出ステーションS7での包装袋10の排出処理が完了すると、包装袋10を保持していない空の4つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記カートン処理搬送路13に向けて移動される。また、排出ステーションS7から包装袋10を放出したリニアシャトル17A,17Bが下流側に移動すると、シールステーションS6でシールが施された包装袋10を保持する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが排出ステーションS7まで移動して位置付けられる。
【0040】
前記袋処理搬送路12からリターン部19を経てカートン処理搬送路13にリニアモータ駆動によって移動するリニアシャトル17A,17Bは、図4A(a)に示す如く、前記カートン受取りステーションK1において、保持部材16,16が走行方向に対向する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組において、対向する保持部材16,16の間隔がカートン11の胴部11aの幅寸法より広い間隔となるように位置付けられる。そして、カートン受取りステーションK1に8つのリニアシャトル17A,17Bが位置付けられると、前記カートン供給手段35によって走行方向に対向する保持部材16,16の間にカートン11が、開口を上向きとした姿勢で供給される。このカートン11は、前記カートン支持手段36の支持部材36aによって底面が支持されると共に、後フラップ11bが癖付け部材36bによって外側に押し拡げられて癖が付けられる。また、カートン11を挟む両側のリニアシャトル17A,17Bが、間隔を狭めるように移動し、これにより保持部材16,16によってカートン11の胴部11aが挟持される。
【0041】
前記カートン受取りステーションK1でのカートン11の受取り処理が完了すると、カートン11を保持した8つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記製品投入ステーションK2に移動して位置付けられる。また、カートン受取りステーションK1からカートン11を保持した第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが下流側に移動すると、袋処理搬送路12からリターン部19を経て移動してくる空のリニアシャトル17A,17Bが、カートン11を保持可能な第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組となるようにカートン受取りステーションK1に位置付けられる。図4A(b)に示す如く、8つのリニアシャトル17A,17Bが製品投入ステーションK2に位置付けられると、製品投入手段37の投入シュート37aによって、第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bで保持されているカートン11に対して製品が投入される。
【0042】
前記製品投入ステーションK2でのカートン11に対する製品投入処理が完了すると、カートン11を保持した8つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって下流側に移動する。カートン11を保持した第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが、前記フラップ折曲げステーションK3を通過する際に、前記フラップ折曲げ手段38の可動式の折曲げ部材38aや固定式の折曲げガイド38bによって、左右の側フラップ11cおよび後フラップ11bが所定の順序で内側に折り曲げられると共に、最後に後フラップ11bの差込み部がカートン開口に差し込まれる。また、製品投入ステーションK2からカートン11を保持した第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが下流側に移動すると、カートン受取りステーションK1でカートン11を受け取った第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが製品投入ステーションK2まで移動して位置付けられる。
【0043】
前記フラップ折曲げステーションK3を通過した8つのリニアシャトル17A,17Bが排出ステーションK4まで移動して位置付けられると、保持部材16,16でカートン11を保持している走行方向に隣り合う第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bを、その間隔を拡げるように移動することで保持部材16,16による保持を解除されたカートン11はリニアシャトル17A,17Bから落下し、シュートを介して次工程の搬送コンベヤに供給される。そして、排出ステーションK4でのカートン11の排出処理が完了すると、カートン11を保持していない空の8つのリニアシャトル17A,17Bは、リニアモータ駆動によって前記袋処理搬送路12に向けて移動され、当該袋処理搬送路12において前述した袋搬送処理のために用いられる。また、排出ステーションK4からカートン11を放出したリニアシャトル17A,17Bが下流側に移動すると、フラップ折曲げステーションK3でフラップが折曲げられたカートン11を保持する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bが排出ステーションK4まで移動して位置付けられる。
【0044】
実施例のリニア搬送処理装置では、単一の周回搬送路14に、種類が異なる包装袋10とカートン11の処理搬送路12,13を設けたので、処理装置の設置スペースを小さくすることができると共に、設置コストを低減することができる。また、リニアシャトル17A,17Bは、包装袋10を保持可能なチャック15およびカートン11を保持可能な保持部材16を備えているので、包装袋10を搬送処理するリニアシャトル17A,17Bと、カートン11を搬送処理するリニアシャトル17A,17Bと、を共通化でき、包装袋10やカートン11を搬送処理するための専用のリニアシャトルを用いる場合に比べて部品点数を低減できると共に装置コストを低廉に抑えることができる。
【0045】
実施例のリニア搬送処理装置では、リニアシャトル17A,17Bとして、走行方向の前側にチャック15を備えると共に後側に保持部材16を備える第1のリニアシャトル17Aと、走行方向の前側に保持部材16を備えると共に後側にチャック15を備える第2のリニアシャトル17Bと、を設けると共に、周回搬送路14を第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとが交互に並ぶように走行するよう構成した。そして、袋処理搬送路12においては走行方向にチャック15,15が対向する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組み合わせで包装袋10を保持すると共に、袋処理搬送路12においては走行方向に保持部材16,16が対向する第1のリニアシャトル17Aと第2のリニアシャトル17Bとの組み合わせでカートン11を保持するよう構成した。これにより、チャック15と保持部材16とが干渉することなく、包装袋10およびカートン11を選択して保持することができる。
【0046】
実施例のリニア搬送処理装置では、周回搬送路14における直線部12,13を処理搬送路12,13として構成したので、包装袋10およびカートン11を直線的に搬送しつつ処理を行うことができ、包装袋10およびカートン11に対して精度のよい処理を行い得る。また、リニアシャトル17A,17Bは、直線的に走行する区間でのみ対応する包装袋10やカートン11を保持するので、リニアシャトル17A,17Bがリターン部19を走行する際に走行方向に隣り合うリニアシャトル17A,17Bのチャック15,15や保持部材16,16の間隔が変化するのを防ぐ手段を設ける必要はなく、リニアシャトル17A,17Bの構成を簡略化することができる。
【0047】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用することができる。
(1) リニアシャトル17A,17Bで保持する包装袋10は、既製の袋を集積した集積部から取り出して供給される袋や、搬送処理装置の上流側においてロールフィルムから引し出した帯状フィルムを製袋して供給される袋等であってもよい。
(2) 実施例では、種類が異なる物品として包装袋10とカートン11を挙げたが、搬送処理する物品は、包装袋10やカートン11に限らず、その他各種の物品に適用することができる。なお、保持対象となる包装袋
(3) 周回搬送路14は、水平方向へ周回するループ状に限られものでなく、リニアシャトル17A,17Bが直線状に移動する、上下方向へ周回するなど、の実施態様としてもよい。
(4) 周回搬送路14は、2つの直線部(処理搬送路)12,13をリターン部(弧状部)19で接続した長円形としたが、周回搬送路14は、3つ以上の直線部を弧状部で接続した三角形や四角形等の多角形状とし、各直線部において夫々異なる物品の搬送処理を行う構成を採用することができる。
(5) 実施例では、周回搬送路14の直線部12,13を、包装袋10またはカートン11を処理する処理搬送路12,13として構成したが、該処理搬送路12,13は、直線部12,13を含む構成であれば、リターン部19の一部を含むものであってもよい。
(6) 実施例では、走行方向に隣り合うリニアシャトル17A,17Bによって包装袋10またはカートン11を保持するよう構成したが、各リニアシャトルに、包装袋10およびカートン11を単独で保持可能な保持手段を設ける構成や、3つ以上のリニアシャトルで協同して包装袋10やカートン11を保持する構成を採用することができる。包装袋10またはカートン11を単独で保持可能な保持手段をリニアシャトルに備える構成では、リニアシャトルをリニアモータ駆動可能な迂回路を、各処理搬送路(直線部)に接続する構成を採用することで、各処理搬送路での効率的な搬送処理を行うことができる。
(7) 袋処理搬送路12やカートン処理搬送路13における各ステーションS1~S7、K1~K4で処理する包装袋10やカートン11の数は、実施例に示す数に限られるものではなく、処理能力等に応じた数に設定することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 包装袋(物品),11 カートン(物品)
12 袋処理搬送路(第1の処理搬送路、直線部)
13 カートン処理搬送路(第2の処理搬送路、直線部),14 周回搬送路
15 チャック(第1の保持手段),16 保持部材(第2の保持手段)
17A 第1のリニアシャトル(シャトル、第1のシャトル)
17B 第2のリニアシャトル(シャトル、第2のシャトル)
19 リターン部(弧状部),28 チャック開放手段(処理手段)
30 袋開口手段(処理手段),31 エア吹込み手段(処理手段)
32 製品充填手段(処理手段),33 ジッパー圧着手段(処理手段)
34 シール手段(処理手段),36 カートン支持手段(処理手段)
37 製品投入手段(処理手段),38 フラップ折曲げ手段(処理手段)
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B