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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164979
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】サンドイッチの包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/36 20060101AFI20241121BHJP
   B65D 75/30 20060101ALI20241121BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65D85/36 100
B65D75/30 Z
B65D85/50 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080748
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(71)【出願人】
【識別番号】520495906
【氏名又は名称】株式会社カナオカホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】595155439
【氏名又は名称】伊藤忠プラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】青木 康哲
(72)【発明者】
【氏名】長屋 真司
(72)【発明者】
【氏名】家田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 孝行
(72)【発明者】
【氏名】片向 良至
【テーマコード(参考)】
3E035
3E067
3E096
【Fターム(参考)】
3E035AA20
3E035BA08
3E035CA07
3E067AA25
3E067AB13
3E067AC01
3E067BA13A
3E067BB14A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB09
3E067EB23
3E067FC01
3E096AA01
3E096BA28
3E096BB07
3E096CA11
3E096DA02
3E096DA13
3E096EA04X
3E096EA04Y
3E096FA27
3E096GA10
(57)【要約】
【課題】開封性の機能改善を図ったサンドイッチの包装体を提供する。
【解決手段】三角形状のサンドイッチ12を包囲するフィルム11に、両第1矩形面12Aに沿って延在する背シール部13が施される。サンドイッチ12の第1辺12dから外方に延出する先に第1矩形面12Aに沿わせたフィルム11と側方延出部14,15の折重なり部に、背シール部13を横断してトップシール部17が施され、トップシール部17より外側にフィルム延出部18が形成される。フィルム延出部18の側方延出部14,15の折重なり部において、側方延出部14,15の内側に重なる背シール部13の始端となるフィルム端縁部24における背シール部13の左右両側に、切込み20が形成される。フィルム11に、フィルム延出部18において重なる両側方延出部14,15および切込み20の開封方法を案内する案内表示21,22,23が付される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面が長辺と2つの短辺からなる三角形状のサンドイッチの厚み方向に包囲的に巻き付けられて筒状に成形されたフィルムにおいて、前記短辺に対応するサンドイッチの2つの第1矩形面に亘り前記サンドイッチの厚みの中央部において延在する合掌状の重なり部に背シール部が施され、サンドイッチの各第1矩形面において、2つの第1矩形面が接する辺を基準としてフィルムを第1矩形面に沿わせて折り込んで形成されたフィルムの側方延出部が、先に折り込まれたフィルムに折り重なるように第1矩形面に沿って折り曲げられ、また、サンドイッチの長辺に対応する第2矩形面と各第1矩形面とが接する辺から外方に延出する先に折り込まれたフィルムと前記側方延出部との折重なり部に、前記背シール部を横断して横シールが施されてトップシール部とボトムシール部が形成されると共に、トップシール部より外側にフィルム延出部が形成されたサンドイッチの包装体であって、
前記フィルム延出部における側方延出部の折重なり部において、前記背シール部の始端となるフィルム端縁部が側方延出部の内側に重なって臨み、
該フィルム端縁部における背シール部の左右両側に、開封用引き裂き始端部が形成され、
前記フィルム延出部におけるトップシール部の中央部には、開封用引き裂き始端部からの引き裂き延長上の領域が弱シール処理され、
前記フィルム延出部において重なる両側方延出部および開封用引き裂き始端部からの開封方法についての案内表示を、前記トップシール部が形成される両側方延出部と該側方延出部が重なる第1矩形面に先に折り込まれたフィルムとに付した
ことを特徴とするサンドイッチの包装体。
【請求項2】
前記開封用引き裂き始端部は、前記フィルム延出部の折重なり部において左右の側方延出部で覆われた位置に形成したことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチの包装体。
【請求項3】
前記開封用引き裂き始端部からの引き裂き方向と開封順とを判別可能な案内表示を、前記背シール部を挟む左右両側に付したことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチの包装体。
【請求項4】
前記案内表示は、前記開封順を示す番号表示を含むことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチの包装体。
【請求項5】
前記弱シール処理は、パートコート処理であることを特徴とする請求項1記載のサンドイッチの包装体。
【請求項6】
前記側方延出部の夫々に、延出端縁から前記第2矩形面と第1矩形面とが接する辺に向けて延在して前記トップシール部とボトムシール部とが横断するサイドシール部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチの包装体。
【請求項7】
前記フィルムは、前記開封用引き裂き始端部から背シール部に沿って引き裂き開封可能な引き裂き方向性を有することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載のサンドイッチの包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角形状のサンドイッチを包装した包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、三角形状のサンドイッチの形態として、例えば特許文献1に開示される如く、三角形状のサンドイッチの厚み方向に包囲的に巻き付けられて筒状に成形されたフィルムの長手方向に1個所のシールが施され、前記サンドイッチの短辺が位置する各傾斜面同士が接する辺を基準としてフィルムを傾斜面に沿わせて折り込むと共に、サンドイッチの各短辺に接するフィルムの側方延出部が、該短辺を基準として傾斜面に沿って折り曲げられている包装体において、前記サンドイッチの長辺が位置する面と前記一方の傾斜面とが接する辺から外方に延出するフィルムの延出部が、該辺の近傍でシール切断され、前記サンドイッチの長辺が位置する面と前記他方の傾斜面とが接する辺から延出するフィルムの延出部におけるサンドイッチの各短辺に接するフィルムの延出部との重合部に、前記辺に近接してサンドイッチの厚み方向へ点状シールが施されると共に、この点状シールとは別のシールが施され、更に、前記フィルムの延出部における点状シールの形成位置より外側で前記シールが施されていない部位に、所要形状の開封用切込みが形成される形態の包装体が提案されている。
【0003】
また、特許文献1と同様に、傾斜面に沿ってフィルムを折り曲げるようにした基本的包装形態において、開封が容易である包装サンドイッチを提供することを目的として特許文献2の包装形態が提案されている。特許文献2の包装形態による包装サンドイッチによれば、第1長方形面と第2長方形面の共通の辺に沿って開封補助部を設けて、開封時には三角サンドイッチの中心に沿ってフィルムを切り開くことで包装シートが2分割されて、中のサンドイッチを簡単に取り出せるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-291348号公報
【特許文献2】特開2022-175254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の包装形態では、開封時に開封用切込みからの開封において、途中で開封案内が途絶えて良好に開封できないことがある。また、特許文献2の包装形態では、第1長方形面と第2長方形面の共通の辺に沿って設けられた開封補助部を設けることで、傾斜面と交差する三角平面を横断するように三角サンドイッチの頂部から中央で分断されるようにフィルムが切り裂かれることで、開封後のサンドイッチは半身が露出してしまい、複数組のサンドイッチの内の一部を取り出して食する場合に、残りのサンドイッチのカット面(四角を対角線で半分に切ったカット面)において、サンドされている具材が露出して他に付着してしまったり、衛生面で問題があったりする。また、開封時にはサンドイッチを捻る方向に力が加わって、サンドイッチが型崩れしたり、潰れを生じたりするなどの恐れも指摘される。このように、これまでに提案されているサインドイッチの包装形態では、開封機能に改善の余地がある。
【0006】
本発明は、開封性の機能改善を図ったサンドイッチの包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明のサンドイッチの包装体は、
側面が長辺(12a)と2つの短辺(12b)からなる三角形状のサンドイッチ(12)の厚み方向に包囲的に巻き付けられて筒状に成形されたフィルム(11)において、前記短辺(12b)に対応するサンドイッチ(12)の2つの第1矩形面(12A)に亘り前記サンドイッチ(12)の厚みの中央部において延在する合掌状の重なり部に背シール部(13)が施され、サンドイッチ(12)の各第1矩形面(12A)において、2つの第1矩形面(12A)が接する辺(12c)を基準としてフィルム(11)を第1矩形面(12A)に沿わせて折り込んで形成されたフィルム(11)の側方延出部(14,15)が、先に折り込まれたフィルム(11)に折り重なるように第1矩形面(12A)に沿って折り曲げられ、また、サンドイッチ(12)の長辺(12a)に対応する第2矩形面(12B)と各第1矩形面(12A)とが接する辺(12d,12e)から外方に延出する先に折り込まれたフィルム(11)と前記側方延出部(14,15)との折重なり部に、前記背シール部(13)を横断して横シールが施されてトップシール部(17)とボトムシール部(19)が形成されると共に、トップシール部(17)より外側にフィルム延出部(18)が形成されたサンドイッチの包装体であって、
前記フィルム延出部(18)における側方延出部(14,15)の折重なり部において、前記背シール部(13)の始端となるフィルム端縁部(24)が側方延出部(14,15)の内側に重なって臨み、
該フィルム端縁部(24)における背シール部(13)の左右両側に、開封用引き裂き始端部(20)が形成され、
前記フィルム延出部(18)におけるトップシール部(17)の中央部には、開封用引き裂き始端部(20)からの引き裂き延長上の領域が弱シール処理され、
前記フィルム延出部(18)において重なる両側方延出部(14,15)および開封用引き裂き始端部(20)からの開封方法についての案内表示(21,22,23)を、前記トップシール部(17)が形成される両側方延出部(14,15)と該側方延出部(14,15)が重なる第1矩形面(12A)に先に折り込まれたフィルム(11)とに付したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、背シール部の始端となるフィルム端縁部における背シール部の左右両側に開封用引き裂き始端部を形成したので、背シール部を案内として包装体を安定して良好に開封することができる。また、開封方法を案内する案内表示を付すことにより、消費者が開封するのに手間取ることはない。また、サンドイッチの2つの第1矩形面に亘って延在する背シール部に沿って開封することで広い開口を得ることができ、また、開封後の収容部は袋状になって残り、一部を食するために取り出して残ったサンドイッチは袋状のフィルム内部に収容された状態で保護され、衛生的である。特に、サンドイッチのカット面が開封口の反対側になっているので、衛生的にも良好で、中に残ったサンドイッチを付近に置いておく際に第2矩形面(カット面)に露出した粘着物などが他へ付着してしまうようなことが無い。また、開封用引き裂き始端部を設けたフィルム端縁部が、折り重ねた側方延出部の内側に重なっているので、販売までに背シール部の開封始端が他へ引っ掛かって誤って開封されてしまうのを防止することができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記開封用引き裂き始端部(20)は、前記フィルム延出部(18)の折重なり部において左右の側方延出部(14,15)で覆われた位置に形成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、開封用引き裂き始端部が側方延出部で隠れて露出しないので、不用意に開封されることが無く、いたずら防止機能を持たせることができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記開封用引き裂き始端部(20)からの引き裂き方向と開封順とを判別可能な案内表示(23)を、前記背シール部(13)を挟む左右両側に付したことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、開封用引き裂き始端部の引き裂き開封方法が解り易く表示されているので、開封に手間取ることなく簡単に開封することができる。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記案内表示(21,22,23)は、前記開封順を示す番号表示(21a,22a,23a)を含むことを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、開封順が番号により表示されているので、開封順に戸惑うことなく簡単に開封することができる。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記弱シール処理は、パートコート処理であることを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、トップシール部と背シール部との交差部を、パートコート処理により弱シール化したので、密封性を損ねることなく背シール部のトップシール部との交差部を開封始端部からの引き裂き案内部が通過して開封を良好に行うことができる。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記側方延出部(14,15)の夫々に、延出端縁(14a,15a)から前記第2矩形面(12B)と第1矩形面(12A)とが接する辺(12d,12e)に向けて延在して前記トップシール部(17)とボトムシール部(19)とが横断するサイドシール部(16)が形成されたことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、各側方延出部に、トップシール部またはボトムシール部を横断するように延在するサイドシール部を形成したので、サンドイッチの収容部を密封することができ、サンドイッチのパンの乾燥を抑制すると共にサンドされる具材(食品)の鮮度保持期限を従来の包装形態より長くすることができる。
【0013】
請求項7に係る発明では、前記フィルム(11)は、前記開封用引き裂き始端部(20)から背シール部(13)に沿って引き裂き開封可能な引き裂き方向性を有することを特徴とする。
請求項7に係る発明によれば、フィルムは、開封用引き裂き始端部から背シール部を挟む両側位置をフィルムが直線的に引き裂かれるように引き裂き案内されるので、開封が簡単で良好に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サンドイッチの2つの第1矩形面に亘って延在する背シール部が引き裂き案内帯となってサンドイッチの包装体を広い開口部として良好に開封することができると共に、消費者が開封するのに手間取ることのない、開封性が改善されたサンドイッチの包装体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】サンドイッチの包装体を示す概略斜視図であって、(a)はサンドイッチの一方の第1矩形面側から見た図であり、(b)は、サンドイッチの他方の第1矩形面側から見た図である。
図2】包装体を陳列する状態での背面図である。
図3】包装体の背面図であって、(a)は一方の側方延出部を開封した状態を示し、(b)は両方の側方延出部を開封した状態を示している。
図4】サンドイッチを筒状に形成したフィルムで包囲した状態を示す説明図である。
図5】包装体を第2矩形面側から見た概略斜視図である。
図6】包装体を開封した状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係るサンドイッチの包装体につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0017】
図1は、実施例に係る包装体10を示すものであって、該包装体10は、透明なフィルム11で三角形状のサンドイッチ12を密着的に包装して形成される。フィルム11としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる熱溶着性で厚みが30~40μの透明フィルムが用いられる。包装体10に包装されるサンドイッチ12は、図4に示す如く、側面において1つの長辺12aと2つの短辺12b,12bとで構成される二等辺三角形状を呈している。またサンドイッチ12は、一組のサンドイッチを複数枚重ね合わせたものであって、所要の厚み寸法を有している。包装体10は、図5に示す如く、サンドイッチ12における一方の短辺12bに対応する第1矩形面12Aを底面とし、内容物が最も視認可能なカット面である長辺12aに対応する第2矩形面12Bを前方に向けた姿勢で店頭に陳列される。
【0018】
図4に示す如く、前記サンドイッチ12の第2矩形面12Bおよび両側面には、幅寸法(サンドイッチ12の長辺12aと平行な方向の寸法)mが、サンドイッチ12の長辺12aの寸法m1よりも長く設定された透明なフィルム11が包囲的に巻き付けられて筒状成形されると共に、その長手方向に延在する合掌状の重なり部において所定幅の背シール部13が形成されている。筒状フィルムの背シール部13は、サンドイッチ12の2つの第1矩形面12A,12Aに臨むサンドイッチ12の厚み方向の中央部の1個所に形成され、サンドイッチ12の第2矩形面12B側に背シール部13が露出して見栄えを悪くするのを防止するようになっている。また、背シール部13は、合掌状に重なるフィルムに井桁状のシール目が形成された所定幅の溶着部(図4のハッチング部分)と、該溶着部より外側縁でフィルムが溶着されていない未シール部(図4のハッチングが付されていない部分)とが形成されて、該背シール部13は、第1矩形面12A,12Aを覆っているフィルムに沿うように倒されている。
【0019】
図1図3に示す如く、前記サンドイッチ12に巻き付けられたフィルム11の各第1矩形面12Aと対向する部位は、両第1矩形面12A,12A同士が接する基準辺(辺)12cを基準として該第1矩形面12Aに沿うよう折り込まれると共に、サンドイッチ12の各第1矩形面12Aにおける左右の短辺12b,12bから外方に延出するフィルム11が第1矩形面12Aと対向するフィルム11の折り込みによって折り返されて重なるように形成された左右の側方延出部14,15は、当該の短辺12b,12bを基準として第1矩形面12Aに沿って折り曲げられている。サンドイッチ12の各第1矩形面12Aに対応する左右の側方延出部14,15の夫々に、サンドイッチ12の短辺12bから離間する位置を、当該側方延出部14,15の折返し縁(延出端縁)14a,15aからサンドイッチ12における一方の第1矩形面12Aと第2矩形面12Bとが接する第1辺12dまたは他方の第1矩形面12Aと第2矩形面12Bとが接する第2辺12eに向けて、連続して直線状に延びて、後述する対応する横シール部となるトップシール部17とボトムシール部19が横断するサイドシール部16が形成されている。サイドシール部16は、少なくともサンドイッチ12における基準辺12cの角部に至ることなく、角部近傍となる、側方延出部14,15における基準辺12c側の折返し縁14a,15aから対応する前記第1辺12dまたは第2辺12eを越える位置までに亘り、重なり領域の終端まで連続して形成される。なお、実施例では、トップシール部17、ボトムシール部19およびサイドシール部16は、シール目が形成されないベタシール部とされている。
【0020】
図1に示す如く、包装体10は、サンドイッチ12の各第1矩形面12Aに対応する前記左右の側方延出部14,15が、サンドイッチ12の対応する第1矩形面12Aに沿うよう交互に折り曲げられて、第1矩形面12Aに沿うように先に折り込まれているフィルム11に重なると共に、両側方延出部14,15も背シール部13が形成された中央部付近における所定領域で相互に重なるように折り曲げられる。また、第1矩形面12Aに沿うよう先に折り込まれたフィルム11の開放端部は、所定長さで前記第1辺12dまたは第2辺12eより外方に延出する。そして、サンドイッチ12の一方の第1矩形面12Aに沿って折り込まれたフィルム11における第1辺12dから外方に延出している延出部と側方延出部14,15との折重なり部に、サンドイッチ12の厚み方向の全長に亘ってトップシール部17が、背シール部13および両側方延出部14,15のサイドシール部16,16を横断するよう連続して形成されて、該トップシール部17より外側に所定長さで延出するフィルム延出部18が形成されている。なお、フィルム延出部18は、図1では便宜上、第1矩形面12Aに沿って上方に延在するよう図示しているが、該フィルム延出部18は、図5に示す陳列状態では第2矩形面12Bに沿って斜め上方に延在する。また、サンドイッチ12の他方の第1矩形面12Aに沿って折り込まれたフィルム11における第2辺12eから外方に延出している延出部と側方延出部14,15との折重なり部に、サンドイッチ12の厚み方向の全長に亘ってボトムシール部19が背シール部13および両側方延出部14,15のサイドシール部16,16を横断するように形成されると共に、該ボトムシール部19の外側位置で延出したフィルムが切断され、切り取られている。なお、フィルム11として、前記折重なり部においてフィルム11の内面同士が面する部位に対して外面同士が面する部位が、トップシール部17およびボトムシール部19の形成時に比較的弱いシールとなって溶着するように、フィルム11の外面と内面とに融着温度が異なる層が積層されているポリプロピレンフィルムが採用されている。
【0021】
図1(a)に示す如く、前記一方の第1矩形面12Aに沿って先に折り込まれたフィルム11における前記背シール部13の始端となるフィルム端縁部24には、該背シール部13を挟む左右両側に、開封用引き裂き始端部として直線状の切込み20が形成されている。このような切込み20としては、V字形状や、その他、U字形、半円形、台形またはコ字形状等の切込みあるいは切欠きなどや短尺のミシン目などが採用可能である。包装体10のフィルム11には、前記トップシール部17の中央部に設けられた背シール部13との交差部、並びに該背シール部13を挟む両側に形成される前記切込み20,20の形成位置より所定範囲外側位置から切込み20,20による引き裂き延長上で前記トップシール部17を越える所定領域(図3(b)の点線のハッチング参照)に、切込み20からトップシール部17を横断するフィルム11の引き裂きを容易化する弱シール処理として、フィルム内面にはパートコート処理が施されている。また実施例のフィルム11は、切込み20からトップシール部17を越えてボトムシール部19まで至るまで、背シール部13に沿うよう、引き裂きが中断されることなく連続して前進可能に、引き裂き方向に向けた引き裂き方向性を有するフィルムが用いられることが好ましい。
【0022】
前記切込み20,20が形成されるフィルム端縁部24は、前記左右の側方延出部14,15との折重なり部において、該側方延出部14,15の内側に重なって臨んでいる。実施例では、切込み20,20は、左右の側方延出部14,15で覆われており、切込み20,20は、折重なった側方延出部14,15の下方に隠れて表面には露出することなく、外側から直接触れることができないよう構成されている。また包装体10には、図2図3に示す如く、前記フィルム延出部18において重なる両側方延出部14,15および切込み20,20の開封方法を案内する案内表示21,22,23が、印刷されてフィルム11に付されている。実施例では、案内表示21,22,23として、開封順を示す番号表示21a,22a,23aと、開封向きを示す矢印表示21b,22b,23bとが併記して構成される。実施例では、右側の側方延出部15、左側の側方延出部14、切込み20,20の順で包装体10を開封案内するための案内表示として、右側の側方延出部15に、手順番号表示21aとしての付番1と、開封向きを示す矢印表示21bとしての複数の右向き矢印が付されると共に、左側の側方延出部14に、手順番号表示22aとしての付番2と、開封向きを示す矢印表示22bとしての複数の左向き矢印が付される。また、切込み20からの引き裂き方法を示す案内表示23は、フィルム11における前記背シール部13の形成位置を挟む左右両側に相当する位置に付されており、該案内表示23は、手順番号表示23aとしての付番3と、開封向き(引き裂き方向)を示す矢印表示23bとしての複数の三角形による下向き矢印(第1辺12dから基準辺12cに向く矢印)が付されると共に、引き裂くことを示す案内文字表示であるPULLの表示とが付されている。実施例では、左右の側方延出部14,15の案内表示21,22は、左右の側方延出部14,15におけるフィルム延出部18での折重なり部の表面側に付され、切込み20の案内表示23は、第1矩形面12Aに沿って先に折り込まれた切込み20が形成されているフィルム11の表面側に付されている。
【0023】
実施例の包装体10は、サンドイッチ12の2つの第1矩形面12A,12Aに延在する背シール部13の始端となるフィルム端縁部24における背シール部13の左右両側に切込み20,20を形成したので、両切込み20,20の間の背シール部13の始端を摘まんで下方に引っ張ることで、該背シール部13が開封帯となってカットテープを設けることなく包装体10を安定して良好に引き裂き開封することができる。また、背シール部13とトップシール部17との交差部を含む切込み20,20からの引き裂き延長上の領域にパートコート処理を施してトップシール部17を弱シール処理したので、密封性を損ねることなく、切込み20,20からの引き裂き案内がトップシール部17を越えて良好に進行してフィルム11を容易に開封することができる。しかも、フィルム11は、切込み20,20から引き裂き方向に向けた引き裂き方向性を有するフィルムを用いることで、フィルム11が背シール部13に沿って直進して良好に引き裂き案内されて開封することができる。また、背シール部13は、サンドイッチ12の厚み方向と交差する方向に延在しているので、前記引き裂き開封するにあたって、サンドイッチ12を捻る方向に力が加わることがないので、サンドイッチ12が型崩れしたり、潰れを生じたりするのも抑制できる。
【0024】
実施例の包装体10は、図6に示す如く、背シール部13に沿って開封することで、サンドイッチ12の2つの第1矩形面12A,12Aに亘る広い開口を得ることができる。そして、開封後の収容部は袋状になって残り、一部を食している時の残りは袋内部に残された状態で保護され、衛生的である。特に、サンドイッチ12のカット面となる第2矩形面12Bが開封口の反対側になるので、衛生的にも良好で、包装材10の中に残っているサンドイッチ12を付近に置いておく時に第2矩形面12Bの粘着物などが表面に露出して誤って周りに付着してしまうようなことが無い。また、背シール部13の開封始端となるフィルム端縁部24が、折り重ねた側方延出部14,15の内側に重なっているので、販売までに背シール部13の開封始端が他へ引っ掛かって誤って開封されてしまうような恐れがない。特に、背シール部13を引っ張ってフィルム11を引き裂く起点となる開封始端が折り重なった側方延出部14,15の下側(内側)に重なって外側(表面)に露出することなく、隠れているので、いたずら防止包装として機能する。また、ボトムシール部19は弱シールされていないので、背シール部13が開封帯となってフィルム11が引き裂かれた場合に、ボトムシール部19により引き裂きが停止して、背シール部13はフィルム11から切り取られてしまうことが無く残る。従って、開封後の収容部から開封帯が分離したごみとなることが無く、使用済み包装材として一塊で廃棄することができ、廃棄処理時にわずらわしさがない。
【0025】
実施例の包装体10は、フィルム延出部18において重なる両側方延出部14,15および切込み20,20による引き裂きに係る各開封方法を案内する案内表示21,22,23がフィルム11に付されて表示されているので、包装体10を開封するのに手間取ることはない。また、案内表示21,22,23は、開封順を示す番号表示21a,22a,23aと、開封向きを示す矢印表示21b,22b,23b並びに、文字が合わせて付されているので、開封順や開封向きを直感的に判別できて、簡単に開封することができる。また、切込み20,20からの引き裂き向きを示す案内表示23を、前記背シール部13を挟む左右両側に強調的に付してあるので、切込み20,20による開封と、その開封に際して切込み20,20からの引き裂き方向を即座に知ることができ、誰もが開封に手間取るようなことがない。
【0026】
実施例の包装体10は、サンドイッチ12の各第1矩形面12Aに折り曲げられる左右の側方延出部14,15に、該側方延出部14,15の折返し縁14a,15aから対応するトップシート部17やボトムシール部19を横断して重なり領域の終端まで連続するサイドシール部16を形成しているので、サンドイッチ12の収容部を、サイドシール部16,16,16,16およびトップシール部17とボトムシール部19とによって密封することができるから、サンドイッチ12の食パンの乾燥を抑制できると共に、食材によっては、サンドされる具材(食品)の鮮度保持期限を長くすることもでき、袋詰めされた従来のサンドイッチの包装体に対して製造から販売終了までに至る消費期限を延長することもできる。
【0027】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 案内表示21,22,23は、少なくとも開封順と開封向きを示す表示がされていればよく、その表示態様については、各種各様の表示を付すことができる。
(2) 背シール部13の左右両側に、開封補助部としてフィルム11を貫通しないようにレーザー加工などで形成されたハーフカットの弱め線を設ける構成など、その他の開封補助処理を行うようにしても良い。
(3) トップシール部17に施す弱シール処理として、フィルム11へのパートコート処理に代えて、弱シール加工可能な加熱シール体のシール面形状(弱シール領域と通常シール領域とが分かれたシール目形状の組合せや、弱シール形成部に対応してシール面を凹み加工するなど)の弱シール部を形成するにあたりシール条件を変更するなどにより、トップシール部17に弱シール部を得るようにしても良い。
(4) ボトムシール部19は、溶断シールにより形成されたものであってもよい。
(5) 開封用引き裂き始端部20について、サンドイッチ12に包囲的に巻き付けられた筒状のフィルム11におけるサンドイッチ12の第1辺12dおよび第2辺12eからのフィルム11の延出長さ、その他のフィルム折込み条件などによって、当該開封用引き裂き始端部20の全部が左右の側方延出部14,15で覆われていない形態であってもよい。
【符号の説明】
【0028】
11 フィルム,12 サンドイッチ,12A 第1矩形面,12B 第2矩形面
12a 長辺,12b 短辺,12c 基準辺(2つの第1矩形面が接する辺)
12d 第1辺,12e 第2辺,13 背シール部,14 側方延出部
14a 折返し縁(延出端縁),15 側方延出部,15a 折返し縁(延出端縁)
16 サイドシール部(シール部),17 トップシール部
18 フィルム延出部,19 ボトムシール部,20 切込み(開封用引き裂き始端部)
21 案内表示,21a 番号表示,22 案内表示,22a 番号表示
23 案内表示,23a 番号表示,24 フィルム端縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6