(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165015
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】表示装置及び光学フィルム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1335 20060101AFI20241121BHJP
G02F 1/13363 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02F1/1335 510
G02F1/13363
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080818
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 寿史
(72)【発明者】
【氏名】安永 博敏
【テーマコード(参考)】
2H291
【Fターム(参考)】
2H291FA17X
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA30X
2H291FA32X
2H291FA71Z
2H291FA81Z
2H291FA94X
2H291FA95X
2H291FD09
2H291FD12
2H291GA02
2H291HA11
2H291HA15
2H291LA21
2H291PA44
2H291PA64
(57)【要約】
【課題】輝度を低下させることなく、鮮やかな反射表示を行うことができる表示装置及び光学フィルムを提供する。
【解決手段】光学フィルムと、上記光学フィルムの背面側に配置された表示パネルとを備え、上記光学フィルムは、有色の半透過部材と、上記有色の半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ上記背面側と反対側の観察者側から入射された光の一部を反射する表示装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムと、前記光学フィルムの背面側に配置された表示パネルとを備え、
前記光学フィルムは、有色の半透過部材と、前記有色の半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、
前記半透過部材は、前記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ前記背面側と反対側の観察者側から入射された光の一部を反射する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、前記観察者側に第二の直線偏光子を含み、
前記第一の直線偏光子の透過軸と前記第二の直線偏光子の透過軸とは平行であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一の直線偏光子は、吸収型の直線偏光子であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ルーバーフィルムは、平面視において前記光吸収部と前記光透過部とが交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記半透過部材は、前記背面側から入射された光の透過率が50%以上である請求項1に記載の表示装置
【請求項6】
前記半透過部材は、光を反射する顔料を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光学フィルムは、前記第一の直線偏光子の前記背面側に、更に第一のλ/4波長板を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第一の直線偏光子の透過軸と前記第一のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成すことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルは、観察者側から順に第二のλ/4波長板と第二の直線偏光子とを含み、
前記第二の直線偏光子の透過軸と前記第二のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成し、かつ前記第一のλ/4波長板の遅相軸と前記第二のλ/4波長板の遅相軸とは直交することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む塗布型偏光層であり、
前記二色性分子を含む塗布型偏光層は、前記半透過部材上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む偏光フィルムと、前記二色性分子を含む偏光フィルムを挟持する一対の保護フィルムとを含む直線偏光子であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記光学フィルムは、前記第一の直線偏光子が配置された面と反対側の面に、更に透明フィルムを備え、
前記透明フィルムの線膨張係数と一つの前記保護フィルムの線膨張係数との差は、30×10-6/K以下であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光学フィルムは、前記半透過部材と、前記ルーバーフィルムと、直線偏光子とをこの順に備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記光学フィルムは、前記第一の直線偏光子又は前記ルーバーフィルムの背面側に、更に反射防止層を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示パネルは、平面視において、表示領域と、前記表示領域の周囲に配置された額縁領域とを有し、
平面視において、前記額縁領域と重畳する領域に配置された遮光部材を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
有色の半透過部材と、前記半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、
前記半透過部材は、前記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ観察者側から入射された光の一部を反射することを特徴とする光学フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置は、点灯時には表示画面に所望の画像を表示し、非点灯時には表示画面が黒くなることが一般的であった。近年、非点灯に表示画面が周囲の部材や筐体等と調和し、表示画面を目立たなくすることで、デザイン性を高めることが検討されている。
【0003】
非点灯時に表示画面を目立たなくさせる方法としては、例えば、表示パネルの前面側に光の一部を透過するスクリーンや加飾フィルム等の半透過部材を配置する方法が検討されている(例えば特許文献1、2等)。
【0004】
特許文献1には、被取付部に嵌め込まれ、点灯時に外部に表示光を放つディスプレイを有した表示装置において、前記ディスプレイの前面が、前記表示光を透過し得る多数の微細孔を有したスクリーンで覆われており、該スクリーンの表面が、前記ディスプレイの周囲の被取付部と同一の色・模様に設定されていることを特徴とする表示装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、表示面を有する表示装置と、前記表示面に対面して設けられた加飾シートと、を有する加飾シート付き表示装置であって、前記加飾シートは、絵柄部と前記絵柄部の非形成部である複数の透過部とを有し、開口率が5%以上、50%以下であり、前記透過部は、隣り合う前記透過部の間の距離が40μm以上、140μm以下となるように形成されていることを特徴とする加飾シートであり、前記表示装置は、ドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであり、前記透過部のピッチが前記表示面の画素のピッチよりも大きいことを特徴とする加飾シート付き表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-331132号公報
【特許文献2】特許第6696014号公報
【特許文献3】特開2010-250025号公報
【特許文献4】特許第4622434号公報
【特許文献5】特許第2568882号公報
【特許文献6】特許第3492693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
観察者は、表示装置を非点灯とした状態において、表示パネルの観察者側に配置された半透過部材が外光の一部を反射することにより半透過部材の色や模様を視認する。本発明者らの検討によると、過部材と表示パネルとの間に空気層が介在する場合、半透過部材を透過した外光の一部は、空気界面で界面反射する。界面反射光は、入射光の色がほぼそのままの反射されるため、半透過部材の色の補色や模様の色の補色も含まれる。そのため、半透過部材で反射した光と上記界面反射光とが混ざると、半透過部材の色が白っぽくなり鮮やかな色に見えないことがあった。
【0008】
従来は、例えば特許文献1では、スクリーン20の背面側にスモーク板23を配置することで(
図2参照)、コントラストを向上させている。しかしながら、スモーク板は、表示パネル側から観察者側に向けて出射される透過光も吸収してしまうため、透過表示時の輝度が低下することがあった。透過表示の輝度を高くするためには、バックライト等の輝度を高める必要があり、消費電力の上昇や、発熱等の課題があった。
【0009】
また、本発明者らの検討によると、上記の反射表示が白っぽく見えるという現象は、反射光の波長が可視光領域でほぼ一定であるシルバー調の反射面を有する半透過部材では特に問題とならないが、特定の波長の光を反射する有色の半透過部材を用いた場合には改善の余地があり、有色の半透過部材を備えた表示装置や光学フィルムにおいて、鮮やかな反射表示と輝度の高い透過表示とを両立させるためには、更なる検討の余地があった。
【0010】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、輝度を低下させることなく、鮮やかな反射表示を行うことができる表示装置及び光学フィルムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の一実施形態は、光学フィルムと、上記光学フィルムの背面側に配置された表示パネルとを備え、上記光学フィルムは、有色の半透過部材と、上記有色の半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ上記背面側と反対側の観察者側から入射された光の一部を反射する表示装置。
【0012】
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、上記表示パネルは、上記観察者側に第二の直線偏光子を含み、上記第一の直線偏光子の透過軸と上記第二の直線偏光子の透過軸とは平行である表示装置。
【0013】
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(1)又は(2)の構成に加え、上記第一の直線偏光子は、吸収型の直線偏光子である表示装置。
【0014】
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、上記ルーバーフィルムは、平面視において上記光吸収部と上記光透過部とが交互に配置される表示装置。
【0015】
(5)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(4)のいずれかの構成に加え、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の透過率が50%以上である表示装置。
【0016】
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(5)のいずれかの構成に加え、上記半透過部材は、光を反射する顔料を含む表示装置。
【0017】
(7)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(6)のいずれかの構成に加え、上記光学フィルムは、上記第一の直線偏光子の上記背面側に、更に第一のλ/4波長板を備える表示装置。
【0018】
(8)また、本発明のある実施形態は、上記(7)の構成に加え、上記第一の直線偏光子の透過軸と上記第一のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成す表示装置。
【0019】
(9)また、本発明のある実施形態は、上記(7)又は(8)の構成に加え、上記表示パネルは、観察者側から順に、第二のλ/4波長板と第二の直線偏光子とを含み、上記第二の直線偏光子の透過軸と上記第二のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成し、かつ上記第一のλ/4波長板の遅相軸と上記第二のλ/4波長板の遅相軸とは直交する表示装置。
【0020】
(10)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(9)のいずれかの構成に加え、上記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む塗布型偏光層であり、上記二色性分子を含む塗布型偏光層は、上記半透過部材上に形成される表示装置。
【0021】
(11)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(9)のいずれかの構成に加え、上記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む偏光フィルムと、上記二色性分子を含む偏光フィルムを挟持する一対の保護フィルムとを含む直線偏光子である表示装置。
【0022】
(12)また、本発明のある実施形態は、上記(11)の構成に加え、上記光学フィルムは、上記第一の直線偏光子が配置された面と反対側の面に、更に透明フィルムを備え、上記透明フィルムの線膨張係数と一つの上記保護フィルムの線膨張係数との差は、30×10-6/K以下である表示装置。
【0023】
(13)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(9)のいずれかの構成に加え、上記光学フィルムは、上記半透過部材と、上記ルーバーフィルムと、直線偏光子とをこの順に備える表示装置。
【0024】
(14)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(13)のいずれかの構成に加え、上記光学フィルムは、上記第一の直線偏光子又は上記ルーバーフィルムの背面側に、更に反射防止層を備える表示装置。
【0025】
(15)また、本発明のある実施形態は、上記(1)~(14)のいずれかの構成に加え、上記表示パネルは、平面視において、表示領域と、上記表示領域の周囲に配置された額縁領域とを有し、平面視において、上記額縁領域と重畳する領域に配置された遮光部材を有する表示装置。
【0026】
(16)本発明の他の実施形態は、有色の半透過部材と、上記半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ観察者側から入射された光の一部を反射する光学フィルム。
【0027】
(17)また、本発明のある実施形態は、上記(16)の構成に加え、上記第一の直線偏光子は、吸収型の直線偏光子である光学フィルム。
【0028】
(18)また、本発明のある実施形態は、上記(16)の構成に加え、上記ルーバーフィルムは、平面視において上記光吸収部と上記光透過部とが交互に配置される光学フィルム。
【0029】
(19)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(18)のいずれかの構成に加え、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の透過率が50%以上である光学フィルム。
【0030】
(20)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(19)のいずれかの構成に加え、上記半透過部材は、光を反射する顔料を含む光学フィルム。
【0031】
(21)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(20)のいずれかの構成に加え、上記第一の直線偏光子の上記背面側に、更に第一のλ/4波長板を備える光学フィルム。
【0032】
(22)また、本発明のある実施形態は、上記(21)の構成に加え、上記第一の直線偏光子の透過軸と上記第一のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成す光学フィルム。
【0033】
(23)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(22)のいずれかの構成に加え、上記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む塗布型偏光層であり、上記二色性分子を含む塗布型偏光層は、上記半透過部材上に形成される光学フィルム。
【0034】
(24)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(22)のいずれかの構成に加え、上記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む偏光フィルムと、上記二色性分子を含む偏光フィルムを挟持する一対の保護フィルムとを含む直線偏光子である光学フィルム。
【0035】
(25)また、本発明のある実施形態は、上記(24)の構成に加え、上記第一の直線偏光子が配置された面と反対側の面に、更に透明フィルムを備え、上記透明フィルムの線膨張係数と一つの上記保護フィルムの線膨張係数との差は、30×10-6/K以下である光学フィルム。
【0036】
(26)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(22)のいずれかの構成に加え、上記半透過部材と、上記ルーバーフィルムと、直線偏光子とをこの順に備える光学フィルム。
【0037】
(27)また、本発明のある実施形態は、上記(16)~(26)のいずれかの構成に加え、上記第一の直線偏光子の上記背面側に、更に反射防止層を備える光学フィルム。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、輝度を低下させることなく、鮮やかな反射表示を行うことができる表示装置及び光学フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】実施形態1に係る表示装置の一例を示した平面模式図である。
【
図2】
図1のX1-X2線における断面模式図である。
【
図3A】実施形態1に係る表示装置の透過表示の説明図である。
【
図3B】実施形態1に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【
図4A】比較形態1に係る表示装置の透過表示の説明図である。
【
図4B】比較形態1に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【
図5A】比較形態2に係る表示装置の透過表示の説明図である。
【
図5B】比較形態2に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【
図6】実施形態2に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図7A】実施形態2に係る表示装置の透過表示の説明図である。
【
図7B】実施形態2に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【
図8】実施形態3に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図9A】実施形態3に係る表示装置の透過表示の説明図である。
【
図9B】実施形態3に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【
図10】実施形態4に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図11】実施形態5に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図12】実施形態6に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図13】実施形態7に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図14】ルーバーフィルムの一例を示した斜視図である。
【
図15】実施形態8に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
【
図16】実施形態9に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。
【
図17】実施形態9に係る光学フィルムの他の一例を示した断面模式図である。
【
図18】実施形態10に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。
【
図19】実施形態11に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。
【
図20】実施形態12に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。
【
図21】実施形態13に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。
【
図22】実施形態14に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。以下の説明において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して適宜用い、その繰り返しの説明は適宜省略する。本発明の各態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
【0041】
本明細書中、2つの方向が直交するとは、2つの方向のなす角度が、好ましくは90°±3°の範囲内であり、より好ましくは90°±1°の範囲内であり、更に好ましくは90°±0.5°の範囲内である。また、2つの方向が平行であるとは、2つの方向のなす角度が、好ましくは0°±3°の範囲内であり、より好ましくは0°±1°の範囲内であり、更に好ましくは0°±0.5°の範囲内である。
【0042】
本明細書中、「観察者側」とは、観察者が表示装置を観察する面をいい「前面側」ともいう。「背面側」とは、観察者側と反対側の面をいう。
【0043】
<<表示装置>>
本発明の一実施形態は、光学フィルムと、上記光学フィルムの背面側に配置された表示パネルとを備え、上記光学フィルムは、有色の半透過部材と、上記有色の半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ上記背面側と反対側の観察者側から入射された光の一部を反射する表示装置である。
【0044】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置の一例を示した平面模式図である。
図2は、
図1のX1-X2線における断面模式図である。
図2に示したように、実施形態1に係る表示装置1-Aは、光学フィルム110Aと、光学フィルム110Aの背面側に配置された表示パネルとを備える。光学フィルム110Aは、有色の半透過部材111と、は、有色の半透過部材111の背面側に配置された第一の直線偏光子112とが一体化されたものである。
【0045】
従来は界面反射を抑制するために、光学フィルムの背面側にスモーク層が配置されていた。スモーク層は、例えば、透明基板の表面にベタ印刷等により形成された透過率の低い層であり、一例として透過率が50%以下のものが用いられる。スモーク層は、入射された光の一部を吸収するものであり、その吸収率は入射光の偏光状態や入射光の入射角に依らず一定であるものが一般的である。本実施形態では、スモーク層の代わりに、有色の半透過部材の背面側に第一の直線偏光子を配置することで、鮮やかな反射表示を行うことができる。本実施形態に係る表示装置は、光学フィルム110Aの表示パネル100の表示領域と重畳する領域に、スモーク層が配置されていないことが好ましい。
【0046】
また、本実施形態に係る表示装置では、表示パネル100は、観察者側に第二の直線偏光子51を含むことが好ましく、第一の直線偏光子112の透過軸と第二の直線偏光子51の透過軸とは平行であることが好ましい。このような構成とすることで、より輝度を低下させずに明るい透過表示を行うことができる。
【0047】
本実施形態は、
図2に示したように、光学フィルムと表示パネルとが厚み方向において離間して配置されている表示装置、すなわち、光学フィルムと表示パネルとの間に空気層を有する表示装置に適用することで、効果的に鮮やかな反射表示を行うことができる。例えば、光学フィルムと表示パネルとの間に透明接着剤等が充填され空気層を有さない表示装置では、光学フィルムと表示パネルとの間での界面反射が起こり難いため、反射表示が白っぽくなるという課題自体が発生し難い。
【0048】
<光学フィルム>
図2に示したように、光学フィルム110Aは、有色の半透過部材111と第一の直線偏光子112とが一体化されたものである。上記一体化とは、半透過部材111と第一の直線偏光子112との間に空気層を有さなければよく、半透過部材111と第一の直線偏光子112とが接着層等により貼り合されていてもよいし、半透過部材111と第一の直線偏光子112との間に透明基材等の他の部材を有してもよい。
【0049】
(半透過部材)
上記半透過部材は、背面側から入射された光の一部を透過し、かつ上記背面側と反対側の前面側(観察者側)から入射された光の一部を反射する部材である。また、上記半透過部材は、有色の半透過部材である。有色とは、有彩色であることをいい、白、黒等の無彩色、シルバーは含まない。上記有彩色は、例えば、可視光領域(400~700nm)における透過率が一定でなく、例えば、400~700nm間で透過率に30%以上の差がある色である。
【0050】
上述のように、半透過部材が無彩色やシルバーではなく、有色の半透過部材である場合に、光学フィルムと表示パネルとの間で起こる界面反射の影響を受けやすい。そのため、有色の半透過部材を有する表示装置に対して本実施形態の構成を適用することで、効果的に反射表示が白っぽく見えることを抑制し、鮮やかな反射表示を実現できる。なお白っぽく見えるということは、無彩色に近づくことを意味する。
【0051】
上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の透過率が50%以上であってもよい。上記半透過部材の透過率が50%未満であると、表示装置の輝度が低下し、明るい環境下での表示画像が見難くなることがある。上記半透過部材の透過率は、70%以上であることがより好ましい。上記半透過部材の透過率の上限は、例えば90%である。なお、上記半透過部材は、表示パネル100の表示領域と重畳する領域の透過率が50%以上であればよい。
【0052】
本明細書中、透過率とは全光線透過率を指し、JIS K 7361-1に準拠した方法で測定される。上記全光線透過率は、例えば、日本電色工業社製の濁度計「HazeMeter NDH2000」等を用いて測定できる。
【0053】
上記半透過部材は、観察者側から入射された光の反射率の範囲は3%~50%程度である。反射率が3%未満であると色や模様がほとんど視認できないため効果がない。また50%以上であることは、透過率が50%未満であることを意味しており、明るい環境下での表示画像が見難くなることがあるため好ましくない。なお、上記透過率は可視光透過率であり、上記反射率は可視光反射率である。
【0054】
上記半透過部材は、平面視において、光学フィルム全体に配置されてもよいし、特定の模様等が表現できるように部分的に配置されてもよい。上記特定の模様としては、特に限定されないが、例えばデザイン性のある幾何学模様、木目模様、特定の文字列、企業ロゴ等が挙げられる。反射表示時には、上記特定の模様が観察者に視認される。上記半透過部材は少なくとも一部が有彩色であればよく、上記半透過部材全体が有色であってもよいし、一部に無彩色の領域を含んでもよい。
【0055】
上記半透過部材としては、例えば、金属薄膜、誘電体多層膜、光を反射する顔料を含むフィルム、光を反射する顔料により印刷された印刷層等が挙げられる。
【0056】
上記金属薄膜としては、アルミニウム、銀、チタン、タングステン等の金属を、金属蒸着、スパッタリング等により形成したもの等が挙げられる。一般的には金属薄膜は無彩色のものが多いが、カラー顔料と積層することにより有色化することが可能である。金属薄膜にカラー顔料と積層したものとしては、カラーアルマイト等が挙げられる。上記金属薄膜の厚さは、例えば30nm~100nmである。カラーアルマイトは、例えば、アルミニウムの表面を電解処理して酸化被膜を形成し、上記酸化被膜に着色剤を浸透させて着色したものである。
【0057】
具体的には、
図1に示した「SHAPR」の文字部分に、例えばアルミニウムの薄膜を厚さ100nmで形成し、開口率が50%となるように微細な孔を設けたハーフミラーを作製し、上記文字の周辺部分には上記ハーフミラーを形成しない方法が挙げられる。なお、上記ハーフミラーが半透過部材である。上記アルミニウムとして、上記カラーアルマイトを用いることで、有色の半透過部材が得られる。
【0058】
光を反射する顔料(以下、反射型の顔料ともいう)を含むフィルムは、例えば、バインター樹脂中に反射型の顔料を混錬したフィルムであってもよい。上記反射型の顔料により印刷された印刷層は、例えば、透明基材113の表面にグラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷法によって印刷されてもよい。反射表示で
図1に示した「SHAPR」の文字を観察者に視認させる場合、上記文字部分と周辺部分とを色が異なる反射型の顔料を用いて印刷してもよい。また、上記文字部分と周辺部分とは、いずれか一方が反射型の顔料で印刷され、他方は反射型の顔料ではない通常の顔料で印刷されてもよいし、印刷を行わずに顔料を含まない樹脂層であってもよい。
【0059】
上記反射型の顔料は、外光の特定波長の光を観察者側に反射する顔料であり、反射する波長に応じて特定の色を観察者に視認させることができる。なお、上記特定波長は、可視光領域(380nm~780nm)の光である。上記半透過部材は、複数色の反射型の顔料を含んでもよく、複数色の反射型の顔料の反射光を加法混色することで、所望の色を観察者に視認させることができる。なお、反射型の顔料で印刷を行った場合、顔料の隙間があるため、印刷基材に特許文献1、2に記載されたよう微細孔を設けなくても、表示パネルから入射される光の少なくとも一部を観察者側に透過することができる。
【0060】
上記反射型の顔料としては、金属顔料等が挙げられる。上記金属顔料は、特定波長の光を反射し、特定波長以外の波長の光を吸収してもよい。上記金属顔料としては、金属片が顔料で被覆されたものが挙げられ、更に上記顔料がアクリル系樹脂等のポリマーで被覆されていてもよい。上記金属顔料としては、東洋アルミニウム株式会社製の「フレンドカラー(登録商標)」等が挙げられる。また光干渉を利用したパール顔料なども使用することができ、代表例としてはメルク株式会社の「エフェクト顔料」が挙げられる。
【0061】
上記金属片としては、可視光を反射するものが好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス又はこれらの合金等が挙げられる。
【0062】
上記金属片を被覆する顔料としては、有機顔料であっても、無機顔料であってもよいが、有機顔料であることが好ましい。上記有機顔料としては、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、アゾメチン金属錯体、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、縮合アゾ、トリフェニルメタン、キノフタロン、アントラピリミジン等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、バナジウム酸ビスマス等が挙げられる。
【0063】
上記半透過部材の他の形態としては、例えば、上記特許文献1、2に記載されたように、複数の微細孔を有するスクリーンや、複数の透過部を有する加飾フィルムに特定の模様を形成してもよい。
【0064】
(第一の直線偏光子)
第一の直線偏光子112は、入射光を直線偏光に変換する直線偏光子であり、入射光の偏光状態及び/又は方向を変化させる部材である。第一の直線偏光子112は、界面反射をより効果的に抑制できることから、特定の偏光方向の光を吸収し、上記特定方向と直交する方向の光を透過する吸収型の直線偏光子であることが好ましい。
【0065】
上記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む偏光フィルムと、上記二色性分子を含む偏光フィルムを挟持する一対の保護フィルムとを含む直線偏光子であってもよい。上記第一の直線偏光子としては、例えば、日東電工の「TEG1465DU」等が挙げられる。
【0066】
上記二色性分子を含む偏光フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムにヨウ素による染色処理及び延伸処理(例えば一軸延伸)が施されたもの等が挙げられる。
【0067】
上記保護フィルムとしては、直線偏光子の分野で通常用いられるものを用いることができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂フィルム、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の樹脂フィルムが挙げられる。上記保護フィルムは、透明フィルムであることが好ましく、例えば、透過率が90%以上であってもよい。
【0068】
上記第一の直線偏光子は、二色性分子を含む塗布型偏光層であり、上記二色性分子を含む塗布型偏光層は、上記半透過部材と上に形成されてもよい。上記二色性分子を含む塗布型偏光層としては、例えば、リオトロピック液晶性を有する化合物と二色性色素分子とを含む組成物を塗工したもの等が挙げられる。上記二色性色素分子としては、アゾ基を有する二色性色素分子等が挙げられる。塗布型偏光層としては、特許文献3~6に開示されたものを用いてもよい。
【0069】
上記第一の直線偏光子として、上述の偏光フィルムが保護フィルムで挟持された偏光子を用いた場合、透明基材113に第一の直線偏光子を貼り合わせる際の押圧や、透明基材113と上記保護フィルムとの線膨張係数の差によっては、光学フィルム110Aが反ってしまう場合がある。上記第一の直線偏光子を塗布型偏光層とすることで、光学フィルム110Aの反りを抑制することができる。
【0070】
上記二色性分子を含む塗布型偏光層は、半透過部材の表面に直接塗布されてもよい。この場合、二色性分子を含む塗布型偏光層と半透過部材とは接する。また、半透過部材の表面に配向膜を形成し、上記配向膜の表面に塗布型偏光層を形成してもよい。上記配向膜としては、液晶パネルの分野で通常用いられるものを用いることができる。
【0071】
(他の部材)
図2に示したように、光学フィルム110Aは、半透過部材111の観察者側に透明基材113を有してもよい。また、図示しないが、光学フィルム110Aは、半透過部材111の背面側に透明基材113を有してもよい。
【0072】
透明基材113は、光を透過する部材が好適に用いられ、半透過部材111の基材として用いられてもよい。透明基材113は、表示装置の輝度を高く保つ観点からは、透過率が高いことが好ましく、例えば、透過率が90%以上であることが好ましい。また、表示画像がぼやけることを抑制できる観点からは、透明基材113は、ヘイズが10%以下であることが好ましい。上記ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定され、例えば、日本電色工業社製の濁度計「HazeMeter NDH2000」等を用いて測定できる。
【0073】
透明基材113としては、例えば、ガラス板、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂板等を用いることができる。透明基材113は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
【0074】
図2に示したように、半透過部材111の観察者側に透明基材113が配置される場合、半透過部材111に傷が付くことを防ぐことができる。透明基材113が半透過部材111の観察者側に配置されることで、奥行き感やツヤ感が出るが、半透過部材111の模様によっては、奥行き感やツヤ感により質感が劣ると感じる場合もある。半透過部材111の質感をより精彩に表現できるという観点からは、半透過部材111の背面側に透明基材113が配置されることが好ましい。一方で、半透過部材111が透明基材113よりも観察者側に配置されると、半透過部材111に傷が付きやすいことから、半透過部材111の観察者側に更に、ハードコート層(図示せず)を設けてもよい。
【0075】
上記ハードコート層としては、透明性及び耐擦傷性の高いものが好ましく、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等のコーティング層が挙げられる。上記ハードコート層は、例えば、透過率が90%以上であることが好ましい。
【0076】
(表示パネル)
図1に示したように、表示パネル100は、平面視において、表示領域と、上記表示領域の周囲に配置された額縁領域とを有してもよい。
図1中、点線は、表示パネルの表示領域と額縁領域との境界を示し、
図2に示したブラックマトリクス23の表示パネル内側の外縁が、上記表示領域と上記額縁領域との境界となる。表示領域は、複数の画素を含む領域であり、透過表示時に所望の画像等が表示される領域である。額縁領域は、筐体やベゼルと重畳する領域であり、透過表示には関与しない。
【0077】
表示パネル100は、観察者側に第二の直線偏光子51を含むことが好ましい。第二の直線偏光子51としては、第一の直線偏光子112と同様のものを用いることができる。第二の直線偏光子51は、二色性分子を含む偏光フィルムと、上記二色性分子を含む偏光フィルムを挟持する一対の保護フィルムとを含む直線偏光子であってもよい。
【0078】
表示パネル100は、観察者側の表示光を出射して透過表示を行うものであればよく、液晶パネルであっても、発光ダイオード(LED)を有するLEDパネル等の自発光パネルであってもよい。
【0079】
以下に、表示パネル100として、液晶パネルを用いる場合について説明する。
図2に示したように、液晶パネルは、観察者側に第二の直線偏光子51を有し、背面側に第三の直線偏光子52を有してもよい。第二及び第三の直線偏光子51、52は、特定の偏光方向の光のみを透過する偏光子である。上記直線偏光子は、特定の偏光方向の光のみを透過する透過軸と、上記透過軸と直交する吸収軸を有する吸収型の直線偏光子であってもよい。第二及び第三の直線偏光子51、52は、互いに透過軸が直交するように配置されることが好ましい。
【0080】
第三の直線偏光子52としては、第一の直線偏光子112と同様のものを用いることができる。第二及び第三の直線偏光子51、52としては、公知の偏光子を用いることができ、例えば、日東電工の「TEG1465DU」等が挙げられる。
【0081】
図示しないが、第二の直線偏光子51は、透明な接着剤により、TFT基板10の液晶層30と反対側の面に貼り付けられ、第三の直線偏光子52は、透明な接着剤により、CF基板20の液晶層30と反対側の面に貼り付けられてもよい。
【0082】
液晶パネルとしては、第一基板と第二基板と、上記第一及び第二基板に挟持された液晶層とを備えるものが挙げられる。上記第一基板は、複数の薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子を有するTFT基板10であってもよいし、上記第二基板は、カラーフィルタを有するカラーフィルタ(CF)基板20であってもよい。TFT基板10とCF基板20とはシール材40により貼り合わされ、両基板間に液晶層30が封入される。
【0083】
TFT基板10としては、図示しないが、支持基板上にゲート配線と上記ゲート配線と交差するソース配線とを有し、ゲート配線とソース配線の交点近傍にTFTが配置され、TFTと電気的に接続された画素電極が配置される構成が挙げられる。ゲート配線とソース配線で囲まれた領域が画素である。
【0084】
上記画素電極及び後述する対向電極は、透明電極であってもよく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透明導電材料、又は、それらの合金で形成することができる。
【0085】
カラーフィルタ基板20としては、例えば、支持基板21上に配置されたカラーフィルタ層22とブラックマトリクス23を有してもよい。カラーフィルタ層22は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタを含んでもよい。各カラーフィルタは、TFT基板の画素と重畳するように配置され、各色のカラーフィルタを透過する光の量を制御しつつ混色させることで所望の色を表現できる。
【0086】
ブラックマトリクス23は、平面視において各カラーフィルタを区切るように配置されてもよい。上記カラーフィルタ及び上記ブラックマトリクスは、特に限定されず、液晶パネルの分野で公知のものを用いることができる。
【0087】
TFT基板10及びCF基板20に用いられる支持基板は、透明基板であることが好ましく、例えば、ガラス基板、プラスチック基板等が挙げられる。
【0088】
液晶パネルの表示モードは、縦電界方式であっても、横電界方式であってもよい。上記縦電界方式としては、電圧無印加時に液晶層中の液晶分子が基板面に対して略垂直に配向する、垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが挙げられる。上記横電界方式としては、電圧無印加時に液晶層中の液晶分子が基板面に対して略水平に配向する、FFS(Fringe Field Switching)モードやIPS(In-Plane-Switching)モードが挙げられる。上記電圧無印加時は、液晶層に液晶分子の閾値未満の電圧が印加される場合も含む。
【0089】
略水平とは、チルト角が0°以上、10°以下であることを意味し、好ましくは0°以上、5°以下、より好ましくは0°以上、2°以下であることを意味する。略垂直とは、チルト角が83°以上、90°以下であることを意味し、好ましくは85°以上、90°以下、より好ましくは87.5°以上、88.0°以下であることを意味する。
【0090】
液晶層30は、画素電極と対向電極との間に印加された電圧により液晶層30内に発生する電界に応じて液晶分子の配向が変化することにより、光の透過量を制御するものである。上記縦電界方式では、TFT基板側に対向電極が配置され、上記横電界方式ではCF基板側に対向電極が配置される。
【0091】
上記液晶分子は、下記式(L)で定義される誘電率異方性(Δε)が正の値を有するものであってもよく、負の値を有するものであってもよい。
Δε=(長軸方向の誘電率)-(短軸方向の誘電率) (L)
【0092】
図示しないが、TFT基板10と液晶層30との間、及び、CF基板20の液晶層30との間には、電圧無印加時の液晶分子の配向方位を制御する配向膜が配置されてもよい。上記配向膜としては、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリシロキサン等を主鎖に有するポリマー等の液晶パネルの分野で一般的な材料を用いることができる。
(バックライト)
実施形態に係る表示装置は、更に、表示パネル100の背面側にバックライトを備えてもよい。バックライト200としては公知のものを用いることができ、例えば、導光板の端面に光源を配置するエッジライト型でもよいし、光源を面内に多数配置して拡散板等で均整度を高めた直下型であってもよい。
【0093】
(筐体)
実施形態に係る表示装置は、更に、表示パネル100と光学フィルム110Aとを格納する筐体300を備えてもよい。額縁領域と重畳する光学フィルム110Aの背面側に両面テープ301を配置し、筐体300と固定してもよい。筐体300内部には、表示パネル100やバックライト200を駆動する駆動回路が形成された回路基板(図示せず)等が格納されてもよい。筐体300は、表示パネル100と光学フィルム110Aとを格納できるものであれば特に限定されず、金属製であっても、樹脂製であってもよい。また、筐体300の形状は、
図2に示した形状に限定されない。
【0094】
(表示装置の表示方法の説明)
以下に
図3A及び
図3Bを用いて、実施形態1に係る表示装置の表示方法について説明する。
図3Aは、実施形態1に係る表示装置の透過表示の説明図である。
図3Bは、実施形態1に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【0095】
図3A及び
図3B、後述する
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図9A、
図9B中、一方向の両矢印及び直交する両矢印は、ともに光の偏光状態を表し、上記一方向の両矢印は光の振動方向が一方向である直線偏光を表し、上記直交する両矢印は無偏光光を表す。上記説明図中、表示装置の断面図におけるX2方向を0°方向とする。
【0096】
実施形態1に係る表示装置1-Aは、反射表示と透過表示を行うことができる。本明細書中、反射表示とは、表示装置に観察者側から入射された光(外光)の反射により、有色の半透過部材の色や模様を観察者に視認させる表示方法をいう。本明細書中、透過表示とは、表示パネル側から出射された光(表示光)が、前面板を透過して観察者側に出射され、観察者に表示パネルに表示された任意の画像等を視認させる表示方法をいう。
【0097】
図3Aに示したように、透過表示では、表示パネル100の観察者側から出射される光(表示光)L1は、表示パネル100の観察者側に配置された第二の直線偏光子51を透過して直線偏光L2となる。上記直線偏光は、第一の直線偏光子112、半透過部材111及び透明基材113を透過し、観察者側に出射される。第一の直線偏光子112の透過軸と第二の直線偏光子51の透過軸とが平行であるため、第二の直線偏光子51を透過した光は第一の直線偏光子112でほとんど吸収されず、観察者側に出射される光L3は、ほぼL2×100%となる。なお、半透過部材111の透過率は考慮せず、第一の直線偏光子112と第二の直線偏光子51との間に光の偏光状態を変える位相差を持った光学素子は無いものとする。透過表示でも後述する外光反射は起こっているが、表示パネル100側から出射される光が外光よりも充分に多い場合には、観察者は半透過部材111の色や模様等が視認し難くなり、表示パネル100に表示される任意の画像等を視認することができる。
【0098】
次に、反射表示について説明する。
図3Bに示したように、観察者側から表示装置に入射される光を外光L4とすると、L4の一部は、透明基材113を透過し、半透過部材111で反射され、観察者側に出射される(L5)。L4の他の一部は、半透過部材111及び第一の直線偏光子112を透過し、表示パネル100(第二の直線偏光子51も含む)に入射され、表示パネル100の内部のカラーフィルタ等で吸収される(L6)。また、光学フィルム110A(透明基材113、半透過部材111及び第一の直線偏光子112)を透過した光の一部は、光学フィルム110Aと表示パネル100の間に存在する空気層で界面反射され、観察者側に出射される(L7)。光学フィルム110Aと空気層との界面での界面反射率をα%とすると、界面反射光のうち観察者側に出射される光L7の割合は、第一の直線偏光子112を透過するため、およそα%×50%となる。透明基材113の表面での反射光や、表示パネル100を構成する配線、電極等の部材により内部反射されて、再度、観察者側に出射される内部反射光も存在するが、ここでは説明を省略する。
【0099】
なお、上記半透過部材111の透過率は、半透過部材111に形成される模様によって変わるが、例えば60~80%程度である。半透過部材111の透過率は、例えば、コニカミノルタ製の分光測色計CM-5等を用いて測定することができる。
【0100】
上記のように、表示装置1-Aは、スモーク層を有さず、半透過部材111の背面側に第一の直線偏光子112が一体化されている。第一の直線偏光子112の透過軸と、表示パネル100側の第二の直線偏光子51の透過軸とが平行である場合に、より効果的に透過表示において高い輝度を得ることができる。また、外光のうち光学フィルム110Aと空気層との界面で反射された界面反射光は、第一の直線偏光子112でおよそ50%が吸収される。このようにして、表示装置1-Aは、明るい透過表示と鮮やかな反射表示を両立させることができる。
【0101】
(比較形態1)
以下に
図4A及び
図4Bを用いて、比較形態1に係る表示装置1001の表示方法について説明する。
図4Aは、比較形態1に係る表示装置の透過表示の説明図である。
図4Bは、比較形態1に係る表示装置の反射表示の説明図である。比較形態1に係る表示装置1001は、光学フィルム1110Aが偏光子(第一の直線偏光子112)を有さない点以外は表示装置1-Aと同様の構成を有する。
【0102】
図4Aに示したように、透過表示では、表示パネル100の観察者側から出射される光(表示光)L1は、第二の直線偏光子51を透過して直線偏光L2となり、半透過部材111及び透明基材113を透過し、観察者側に出射される。半透過部材111の透過率は考慮せず、光学フィルム1110Aが光の偏光状態を変える位相差を持った光学素子を有さないものとすると、観察者側に出射される光L3は、ほぼL2×100%となる。
【0103】
次に、反射表示について説明する。半透過部材111で反射される光L5については、表示装置1-Aと同様であるため説明は省略する。外光L4のうち、表示パネル100の内部の部材で吸収される光L6についても説明は省略する。
図4Bに示したように、外光L4のうち、光学フィルム1110A(透明基材113及び半透過部材111)を透過した光の一部は、光学フィルム1110Aと表示パネル100の間に存在する空気層で界面反射され、観察者側に出射される(L7)。比較形態1に係る表示装置1001では、光学フィルム1110Aが偏光子を有さないため、界面反射光は吸収されず、界面反射光のうち観察者側に出射される光L7の割合は、およそ界面反射率α%×100%となる。
【0104】
実施形態1に係る表示装置1-Aと、比較形態1に係る表示装置1001の透過表示の輝度と、界面反射光のうち観察者側に出射される光の割合とを下記表1に示す。
【0105】
【0106】
表1に示したように、光学フィルムが偏光子を有さない比較形態1の表示装置1001は、透過表示では実施形態1に係る表示装置1-Aと同等の明るさを得ることができる。一方で、反射表示では、比較形態1の表示装置1001は、表示装置1-Aよりも観察者側に出射される界面反射光の割合が高いため、半透過部材111の色や模様が白っぽくなり鮮明に見えない。
【0107】
(比較形態2)
以下に
図5A及び
図5Bを用いて、比較形態2に係る表示装置1002の表示方法について説明する。
図5Aは、比較形態2に係る表示装置の透過表示の説明図である。
図5Bは、比較形態2に係る表示装置の反射表示の説明図である。比較形態2に係る表示装置1002は、光学フィルム1110Bが半透過部材111の背面側に偏光子の代わりにスモーク層400を有する点以外は、実施形態1に係る表示装置1-Aと同様の構成を有する。
【0108】
スモーク層400は、透明樹脂に黒色顔料を混合した樹脂組成物を用い、前面板の背面側に塗工する等により形成できる。スモーク層400の透過率βは、黒色顔料の添加量によって調整でき、例えば70%以下である。
【0109】
図5Aに示したように、透過表示では、表示パネル100の観察者側から出射される光(表示光)L1は、スモーク層400、半透過部材111及び透明基材113を透過し、観察者側に出射される。半透過部材111の透過率は考慮せず、光学フィルム1110Bが光の偏光状態を変える位相差を持った光学素子を有さないものとし、スモーク層400の透過率をβ%とすると、観察者側に出射される光L3の輝度は、およそL2×β%となる。
【0110】
次に、反射表示について説明する。半透過部材111で反射される光L5については、表示装置1-Aと同様であるため説明は省略する。外光L4のうち、表示パネル100の内部の部材で吸収される光L6についても説明は省略する。
図5Bに示したように、外光L4のうち、光学フィルム1110B(透明基材113、半透過部材111及びスモーク層400)を透過した光の一部は、光学フィルム1110Bと表示パネル100の間に存在する空気層で界面反射され、観察者側に出射される(L7)。比較形態2に係る表示装置1002では、界面反射光の一部がスモーク層400で吸収されるため、界面反射光のうち観察者側に出射されるL7の割合は、およそ界面反射率α%×β%となる。
【0111】
実施形態1に係る表示装置1-Aと、比較形態1に係る表示装置1001の透過表示と、比較形態2に係る表示装置1002の透過表示の輝度と、界面反射光のうち観察者側に出射される光の割合とを下記表2に示す。
【0112】
【0113】
表2に示したように、光学フィルムが偏光子の代わりにスモーク層を有する比較形態2の表示装置1002は、透過表示では表示装置1-Aよりも輝度が低くなる。一方で、反射表示では、比較形態2の表示装置1002は、比較形態1の表示装置1001よりも観察者側に出射される界面反射光の割合が低く、比較形態1よりは鮮明な反射表示が得られる。
【0114】
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図6に示したように、実施形態2に係る表示装置1-Bでは、光学フィルム110Bは、第一の直線偏光子112の上記半透過部材111が配置された面と反対側の面(背面側)に、更に第一のλ/4波長板114を備える。表示装置1-Bでは、第一の直線偏光子112と第一のλ/4波長板114を積層することで、円偏光子として機能させることができ、入射された光を円偏光に変換させることができる。光学フィルムが第一のλ/4波長板を備えること以外は実施形態1と同様の構成を有するため、重複する構成については説明を省略する。
【0115】
第一のλ/4波長板は、波長λの入射光に対して1/4の位相差を与えるものであれば特に限定されない。第一のλ/4波長板は、例えば波長550nmの光に対して1/4波長(厳密には、137.5nm)の面内位相差を付与する位相差板をいい、120nm以上、150nm以下の面内位相差を付与するものが好ましい。
【0116】
第一のλ/4波長板は進相軸と、上記進相軸と直交する遅相軸を有してもよい。上記第一の直線偏光子の透過軸と上記第一のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成してもよい。
本明細書中、実質的に45°とは、好ましくは45°±3°の範囲内であり、より好ましくは45°±1°の範囲内であり、更に好ましくは45°±0.5°の範囲内である。
【0117】
以下に
図7A及び
図7Bを用いて、実施形態2に係る表示装置1-Bの表示方法について説明する。
図7Aは、実施形態2に係る表示装置の透過表示の説明図である。
図7Bは、実施形態2に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【0118】
図7Aに示したように、透過表示では、表示パネル100の観察者側から出射される光(表示光)L1は、第二の直線偏光子51を透過して直線偏光L2となり、第一のλ/4波長板114を透過して円偏光となった後、第一の直線偏光子112を透過して直線偏光となり、半透過部材111及び透明基材113を透過し、観察者側に出射される(L3)。この際、第一のλ/4波長板114を透過した円偏光は、第一の直線偏光子112でおよそ50%が吸収される。半透過部材111の透過率は考慮せず、光学フィルム110Bが、第一の直線偏光子112及び第一のλ/4波長板114以外に光の偏光状態を変える位相差を持った光学素子を有さないものとすると、観察者側に出射される光L3は、およそL2×50%となる。
【0119】
次に、反射表示について説明する。半透過部材111で反射される光L5については、表示装置1-Aと同様であるため説明は省略する。外光L4のうち、表示パネル100の内部の部材で吸収される光L6についても説明は省略する。
図7Bに示したように、外光L4のうち、光学フィルム110B(透明基材113、半透過部材111、第一の直線偏光子112及び第一のλ/4波長板114)を透過した光の一部は、光学フィルム110Bと表示パネル100の間に存在する空気層で界面反射される。上記界面反射光は、再び第一のλ/4波長板114に入射し、偏光軸方向が90°回転した直線偏光となって第一の直線偏光子112に入射し、第一の直線偏光子112でほとんど吸収される。そのため、表示装置1-Bでは、観察者側に界面反射光L7は出射されない。
【0120】
実施形態1に係る表示装置1-Aと表示装置1-Bの透過表示の輝度と、界面反射光のうち観察者側に出射される光の割合とを下記表3に示す。
【0121】
【0122】
表3に示したように、光学フィルムが第一の直線偏光子の背面側に更にλ/4波長板を有する表示装置1-Bは、透過表示の輝度は表示装置1-Aよりも低くなるものの、反射表示時に界面反射光が観察者側に出射しないため、非常に鮮明な反射表示を実現することができる。
【0123】
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図8に示したように、実施形態3に係る表示装置1-Cでは、表示パネル100は、第二の直線偏光子51の観察者側から順に、第二のλ/4波長板53と第二の直線偏光子51とを含む。表示装置1-Cは、表示パネルが第二の直線偏光子を含むこと以外は実施形態2と同様の構成を有するため、重複する構成については説明を省略する。第二の直線偏光子51の透過軸と第二のλ/4波長板53の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成し、かつ第一のλ/4波長板114の遅相軸と第二のλ/4波長板53の遅相軸とは直交することが好ましい。
【0124】
以下に
図9A及び
図9Bを用いて、実施形態3に係る表示装置1-Cの表示方法について説明する。
図9Aは、実施形態3に係る表示装置の透過表示の説明図である。
図9Bは、実施形態3に係る表示装置の反射表示の説明図である。
【0125】
図9Aに示したように、透過表示では、表示パネル100の観察者側から出射される光(表示光)L1は、第二の直線偏光子51及び第一のλ/4波長板53を透過して円偏光L2となり、第一のλ/4波長板114を透過して直線偏光となった後、第一の直線偏光子112、半透過部材111及び透明基材113を透過し、観察者側に出射される(L3)。この際、第一のλ/4波長板114を透過した直線偏光は、第一の直線偏光子112をほぼ100%透過する。半透過部材111の透過率は考慮せず、光学フィルム110Bが、第一の直線偏光子112及び第一のλ/4波長板114以外に光の偏光状態を変える位相差を持った光学素子を有さないものとすると、観察者側に出射される光L3は、およそL2×100%となる。
【0126】
次に、反射表示について説明する。半透過部材111で反射される光L5については、表示装置1-Aと同様であるため説明は省略する。外光L4のうち、表示パネル100の内部の部材で吸収される光L6についても説明は省略する。
図9Bに示したように、実施形態3と同様に、外光L4のうち、光学フィルム110Bを透過し、光学フィルム110Bと表示パネル100の間の空気層で界面反射された界面反射光は、第一のλ/4波長板114で偏光軸方向が90°回転し、第一の直線偏光子112でほとんど吸収される。そのため、表示装置1-Cでは、観察者側に界面反射光L7は出射されない。
【0127】
実施形態1に係る表示装置1-Aと実施形態3に係る表示装置1-Cの透過表示の輝度と、界面反射光のうち観察者側に出射される光の割合とを下記表4に示す。
【0128】
【0129】
表4に示したように、光学フィルムが第一の直線偏光子の背面側に更にλ/4波長板を有し、表示パネルの観察者側にもλ/4波長板を有する表示装置1-Cは、透過表示の輝度は表示装置1-Aと同等に高く、かつ、反射表示時に界面反射光が観察者側に出射しないため、非常に鮮明な反射表示を実現することができる。
【0130】
上記表示パネルが観察者側に円偏光子(第一の直線偏光子112と第一のλ/4波長板114の組み合わせ)を有する場合、透過率変調を好適に行えることから、表示パネルが液晶パネルである場合の表示モードは、IPS等の横電界方式よりもVAモード等の縦電界方式の方が好ましい。
【0131】
また、上記表示パネルが観察者側に円偏光子(第一の直線偏光子112と第一のλ/4波長板114の組み合わせ)を有する場合、表示パネルの内部反射率を低減できることから、表示パネルとして、液晶パネルよりも内部反射率が高いOLEDパネル等の自発光パネルを用いた場合に、より効果的に反射表示を鮮やかに表示することができる。本実施形態は、特に屋外等の明るい環境で自発光パネルを用いる場合に好適である。
【0132】
上記自発光パネルは、パネル内部に発光素子を備えた自ら発光できるパネルであり、バックライト等の外部の光源を必要とせずに、観察者側に光を出射することができる。自発光パネルとしては、公知のものを用いることができ、有機発光ダイオード(OLED:Organic light Emitting Diode)を含むOLEDパネル等が挙げられる。
【0133】
発光ダイオードの構成は、特に限定されず、陰極、発光層、陽極をこの順で積層されたものが挙げられる。発光素子がOLEDである場合、上記発光層は、発光材料として蛍光材料、燐光材料等を含んでもよい。陰極と発光層の間に、電子輸送層が配置されてもよく、発光層と陽極との間に正孔輸送層が配置されてもよい。
【0134】
OLED等の発光素子は、例えば、TFT基板にマトリクス状に配置されてもよい。この場合、ゲート配線とソース配線の交点近傍に配置されたTFT毎(画素毎)に発光素子が配置されてもよい。複数の発光素子が配置された領域が表示領域となる。複数の発光素子は、赤色の発光素子、緑色の発光素子、青色の発光素子を含んでもよい。
【0135】
(実施形態4)
図10は、実施形態4に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図10に示したように、実施形態4に係る表示装置1-Dでは、光学フィルム110Cは、第一の直線偏光子112の半透過部材111が配置された面と反対側の面(背面側)に、更に反射防止層115を備える。光学フィルムが反射防止層を備えること以外は実施形態1と同様の構成を有するため、重複する構成については説明を省略する。光学フィルムが反射防止層を備えることで、光学フィルムと表示装置の間の空気層での界面反射光が観察者側に出射されることをより効果的に抑制し、より鮮やかな反射表示を行うことができる。
【0136】
上記反射防止層としては、例えば、低屈折率材料を含む樹脂層、モスアイフィルム等が挙げられる。上記モスアイフィルムは、入射光の反射率を連続的に変化させることで反射を抑制できるフィルムであり、例えば、透明フィルム等の表面に、ナノメートルオーダーの微細な凹凸を可視光の波長よりも短い間隔で規則的に配置したもの等が挙げられる。上記反射防止層としては、例えば、三菱ケミカル 社製のモスマイトを用いることができる。
【0137】
(実施形態5)
図11は、実施形態5に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図11に示したように、実施形態5に係る表示装置1-Eでは、表示パネル100は、平面視において、表示領域と、上記表示領域の周囲に配置された額縁領域とを有し、平面視において、上記額縁領域と重畳する領域に配置された遮光部材302を有する。表示パネルが遮光部材を備えること以外は実施形態1と同様の構成を有するため、重複する構成については説明を省略する。
【0138】
第二の直線偏光子51は、平面視において、少なくとも表示パネル100の表示領域と重なっていれば透過表示を行えるため、透過表示に関与しない額縁領域は、平面視において第二の直線偏光子51と重なっていない領域を含む場合がある。額縁領域において第二の直線偏光子51と重なっていない領域では、該領域が反射表示の際に透けて見えたり、該領域で外光が反射されることで迷光が発生したりすることがある。そのため、平面視において、上記額縁領域と重畳する領域に遮光部材302を配置することで、上記領域が透けて見えることを抑制し、かつ迷光を抑制して反射表示を鮮やかに見せることができる。なお、遮光部材302は平面視において表示領域と重なる領域に配置されないことが好ましい。
【0139】
遮光部材302の材料としては、ブラックマトリクス23と同様のものを用いてもよく、黒色の顔料等をスクリーン印刷等の印刷方法で形成してもよい。また、黒色のテープを用いてもよい。
【0140】
(実施形態6)
図12は、実施形態6に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図12に示したように、実施形態6に係る表示装置1-Fでは、第一の直線偏光子112は、二色性分子を含む偏光フィルム112aと、二色性分子を含む偏光フィルム112aを挟持する一対の保護フィルム112bとを含む直線偏光子である。更に、
図12に示したように、光学フィルム110Dは、第一の直線偏光子112が配置された面と反対側の面(観察者側)に、更に透明フィルム116を備える。
【0141】
上記第一の直線偏光子として、偏光フィルムが保護フィルムで挟持された偏光子を用いた場合、透明基材113に第一の直線偏光子112を貼り合わせる際の押圧や、透明基材113と保護フィルム112bとの線膨張係数の差によっては、光学フィルム110Dが反ってしまう場合がある。実施形態6では、光学フィルム110Dの観察者側に、保護フィルム112bと同程度の線膨張係数を有する透明フィルム116を貼り付けることで、光学フィルム110Dの反りを抑制することができる。
【0142】
表示装置1-Fでは、透明フィルム116の線膨張係数と、一つの保護フィルム112bの線膨張係数との差は、30×10-6/K以下である。このような構成とすることで、効果的に光学フィルム110Dの反りを抑制することができる。透明フィルム116の線膨張係数と、一つの保護フィルム112bの線膨張係数との差は、50×10-6/K以下であることがより好ましい。
【0143】
二色性分子を含む偏光フィルム112a、保護フィルム112bとしては、実施形態1と同様のものを用いてもよい。
【0144】
透明フィルム116としては、上記保護フィルムで例示した、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂フィルム、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムが挙げられる。透明フィルム116は、透過率が90%以上であることが好ましい。
【0145】
実施形態6において、透明フィルム116は、保護フィルム112bと線膨張係数の差が、30×10-6/K以下であればよく、同じ材料のフィルムを用いてもよいし、異なる材料のフィルムを用いてもよい。例えば、保護フィルム112bがTACフィルムである場合に、透明フィルム116はTACフィルムでもよいし、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等であってもよい。
【0146】
透明フィルム116と保護フィルム112bの厚さは、例えば、50μm~200μmであってもよい。光学フィルム110Dの反りを抑制する観点からは、透明フィルム116と保護フィルム112bの厚さは同等であることが好ましく、透明フィルム116の厚さと保護フィルム112bの厚さの差は、例えば50μm以下であることが好ましい。
【0147】
透明基材113と第一の直線偏光子112の保護フィルム112bとが粘着層により貼り合され、透明基材113と透明フィルム116とが他の粘着層により貼り合される場合、光学フィルム110Dの反りを抑制する観点からは、二つの粘着層の厚さは同等であることが好ましく、例えば5μm~50μmであってもよい。
【0148】
(実施形態7)
図13は、実施形態7に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。実施形態7に係る表示装置1-Gは、光学フィルム110Eと、光学フィルム110Eの背面側に配置された表示パネルとを備える。光学フィルム110Eは、有色の半透過部材111と、有色の半透過部材111の背面側に配置されたルーバーフィルム117とが一体化されたものである。第一の直線偏光子をルーバーフィルムに代えたこと以外は実施形態1と同様の構成を有するため、重複する構成については説明を省略する。
【0149】
上記ルーバーフィルムは、特定方向から入射する光を吸収する部材であり、よく自動車のフロントガラスへの画面の映り込みの防止に使用されている。典型的には上下方向の入射光を吸収し、それ以外の光は透過する特性を有する。上記ルーバーフィルムはバックライトに組み込まれることが多く、本実施形態のルーバーフィルムとしては、バックライトの分野で用いられているものを用いてもよい。第一の直線偏光子の代わりにルーバーフィルムを用いることでも、鮮やかな反射表示を両立させることができ、もともとバックライトにルーバーフィルムを使用している表示装置に適用するならば、透過表示の輝度も変わらない。ルーバーフィルムは直線偏光子よりも軸配置を厳密にしなくてもよいことから、表示装置の設計の自由度を高くすることができる。
【0150】
上記ルーバーフィルムは、パターン化された光吸収部と光透過部とを有する。
図14は、ルーバーフィルムの一例を示した斜視図である。
図14に示したように、パターン化された光吸収部と光透過部の例としては、平面視において光透過部117aと光吸収部117bとが交互に配置されてもよい。上記ルーバーフィルムとしては、信越ポリマー株式会社製のN-VCF、W-VCF等が挙げられる。
【0151】
平面視において、複数の光吸収部117bが平行に配置されてもよい。光吸収部117bの間隔を調整したり、光学フィルムの法線方向に対する、光吸収部117bの角度を調整したりすることで、視野角特性を調整することができる。
【0152】
光透過部117aとしては、透明樹脂を用いてもよく、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン樹脂、フッソ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0153】
光吸収部117bとしては、着色剤を含んだ樹脂であってもよい。上記着色剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、黄色酸化鉄、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルー等の一般的な有機顔料又は無機顔料が挙げられる。光吸収部117bに用いられる樹脂は、上記光透過部117aの透明樹脂と同じものを用いてもよい。
【0154】
(実施形態8)
図15は、実施形態8に係る表示装置の一例を示した断面模式図である。
図15に示したように、実施形態8に係る表示装置1-Hでは、光学フィルム110Fは、半透過部材111、ルーバーフィルム117、直線偏光子とをこの順で備える。このような構成とすることで、実施形態7よりも更に鮮やかな反射表示を実現でき、もともとバックライトにルーバーフィルムを使用している表示装置に適用するならば、透過表示の輝度も変わらない。
【0155】
実施形態8では、上記直線偏光子としては、実施形態1で例示した第一の直線偏光子を用いることができ、二色性分子を含む偏光フィルムを含む直線偏光子、二色性分子を含む塗布型偏光層等を用いてもよい。上記ルーバーフィルムとしては、実施形態7で例示したものを用いることができる。
【0156】
上記ルーバーフィルムは、型的には、入射光の偏光状態を変化させず、出射方向を制御するものであるが、光透過部の樹脂等により多少の位相差を有する場合もあることから、第一の直線偏光子とルーバーフィルムとを積層する場合は、
図15に示したように、半透過部材111、ルーバーフィルム117、第一の直線偏光子112の順に積層されることが好ましい。ルーバーフィルム117の光の透過方向と第一の直線偏光子112の透過軸とは平行であることが好ましい。
【0157】
<<光学フィルム>>
本発明の他の実施形態は、有色の半透過部材と、上記半透過部材の背面側に配置された第一の直線偏光子又はパターン化された光吸収部と光透過部とを有するルーバーフィルムとが一体化され、上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ観察者側から入射された光の一部を反射する光学フィルムである。上記光学フィルムは、表示装置の一部材として用いることができる。表示装置の一部材として用いる場合、上記有色の半透過部材を上記第一の直線偏光子よりも観察者側となるように配置し、上記第一の直線偏光子の背面側に表示パネルを配置してもよい。
【0158】
(実施形態9)
図16は、実施形態9に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。実施形態9に係る光学フィルム110Aは、実施形態1に係る表示装置1-Aで説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
図16に示したように、光学フィルム110Aは、有色の半透過部材111と第一の直線偏光子112とが一体化される。
【0159】
本実施形態では、スモーク層の代わりに、光学フィルムの有色の半透過部材の背面側に第一の直線偏光子を配置することで、光学フィルムの第一の直線偏光子側に表示パネルを配置した場合に、鮮やかな反射表示と明るい透過表示を実現することができる。
【0160】
光学フィルム110Aは、
図16に示したように、半透過部材111の観察者側に透明基材113を有してもよい。
図17は、実施形態9に係る光学フィルムの他の一例を示した断面模式図である。光学フィルム110Aは、
図17に示したように、光学フィルム110Aは、半透過部材111の背面側に透明基材113を有してもよい。
【0161】
上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の一部を透過し、かつ上記背面と反対側の観察者側から入射された光の一部を反射する部材であり、有色の半透過部材である。上記半透過部材は、上記背面側から入射された光の透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。上記半透過部材の透過率の上限は、例えば90%である。
【0162】
上記半透過部材としては、例えば、金属薄膜、光を反射する顔料を含むフィルム、光を反射する顔料により印刷された印刷層等が挙げられる。
【0163】
上記第一の直線偏光子112は、吸収型の直線偏光子であることが好ましい。上記第一の直線偏光子は、上記で説明した二色性分子を含む偏光フィルムと、上記二色性分子を含む偏光フィルムを挟持する一対の保護フィルムとを含む直線偏光子であってもよいし、二色性分子を含む塗布型偏光層であってもよい。上記二色性分子を含む塗布型偏光層は、上記半透過部材上に形成されてもよい。
【0164】
(実施形態10)
図18は、実施形態10に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。実施形態10に係る光学フィルム110Bは、実施形態2に係る表示装置1-Bで説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
図18に示したように、光学フィルム110Bは、第一の直線偏光子112の半透過部材111が配置された面と反対側の面に、更に第一のλ/4波長板114を備える。
【0165】
第一の直線偏光子112と第一のλ/4波長板114を積層することで、円偏光子として機能させ、入射された光を円偏光に変換させることができる。そのため、光学フィルムの第一の直線偏光子側に表示パネルを配置した場合に、反射表示時に界面反射光が観察者側に出射しないため、非常に鮮明な反射表示を実現することができる。
【0166】
上記第一の直線偏光子の透過軸と上記第一のλ/4波長板の遅相軸とは、実質的に45°の角度を成すことが好ましい。
【0167】
(実施形態11)
図19は、実施形態11に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。実施形態11に係る光学フィルム110Cは、実施形態4に係る表示装置1-Dで説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
図19に示したように、光学フィルム110Cは、第一の直線偏光子112の半透過部材111が配置された面と反対側の面に、更に反射防止層115を備える。
【0168】
光学フィルムが反射防止層を備えることで、光学フィルムの第一の直線偏光子側に表示パネルを配置した場合に、光学フィルムと表示装置の間の空気層での界面反射光が観察者側に出射されることをより効果的に抑制することができる。
【0169】
(実施形態12)
図20は、実施形態12に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。実施形態12に係る光学フィルム110Dは、実施形態6に係る表示装置1-Fで説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
図20に示したように、光学フィルム110Dは、第一の直線偏光子112は、二色性分子を含む偏光フィルム112aと、二色性分子を含む偏光フィルム112aを挟持する一対の保護フィルム112bとを含む直線偏光子である。
【0170】
更に、光学フィルム110Dは、第一の直線偏光子112が配置された面と反対側の面に、更に透明フィルム116を備え、上記透明フィルム116の線膨張係数と一つの保護フィルム112bの線膨張係数との差は、30×10-6/K以下である。光学フィルム110Dの観察者側に、上記保護フィルムと同程度の線膨張係数を有する透明フィルム116を貼り付けることで、光学フィルム110Dの反りを抑制することができる。
【0171】
(実施形態13)
図21は、実施形態13に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。実施形態13に係る光学フィルム110Eは、実施形態7に係る表示装置1-Gで説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。光学フィルム110Eは、半透過部材の背面側にルーバーフィルム117を有する。
【0172】
第一の直線偏光子の代わりにルーバーフィルムを用いることでも、光学フィルムの背面側に表示パネルを配置した場合に、明るい透過表示と鮮やかな反射表示を両立させることができる。
【0173】
ルーバーフィルム117は、平面視において光透過部117aと光吸収部117bとが交互に配置されてもよい。
【0174】
(実施形態14)
図22は、実施形態14に係る光学フィルムの一例を示した断面模式図である。実施形態14に係る光学フィルム110Fは、実施形態8に係る表示装置1-Hで説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
図22に示したように、光学フィルム110Fは、半透過部材111と、ルーバーフィルム117と、直線偏光子とをこの順に備える。上記直線偏光子としては、上述の第一の直線偏光子112を用いてもよい。
【0175】
光学フィルム110Fが、半透過部材111と、ルーバーフィルム117と、第一の直線偏光子112とをこの順で備えことで、光学フィルムの第一の直線偏光子側に表示パネルを配置した場合に、明るい透過表示とさらに鮮やかな反射表示を両立させることができる。
【0176】
上記直線偏光子は、実施形態1で例示した第一の直線偏光子と同様のものを用いることができ、二色性分子を含む偏光フィルムを含む直線偏光子、二色性分子を含む塗布型偏光層等を用いてもよい。
【0177】
上記実施形態に係る表示装置及び光学フィルムは、例えば、自動車のインストルメントパネル(instrument panel)として用い、速度メーター等の計器類を表示してもよいし、家電の操作パネル等に用いてもよい。
【符号の説明】
【0178】
1-A、1-B、1-C、1-D、1-E、1-F、1-G、1-H、1001、1002:表示装置
10:第一基板(TFT基板)
20:第二基板(CF基板)
21:支持基板
22:カラーフィルタ層
23:ブラックマトリクス
30:液晶層
31:発光層
40:シール材
51:第二の直線偏光子
52:第三の直線偏光子
53:第二のλ/4波長板
100:表示パネル
110A、110B、110C、110D、110E、110F、1110A、1110B:光学フィルム
111:半透過部材
112:第一の直線偏光子
112a:二色性分子を含む偏光フィルム
112b:保護フィルム
113:透明部材
114:第一のλ/4波長板
115:反射防止層
116:透明フィルム
117:ルーバーフィルム
117a:光透過部
117b:光吸収部
200:バックライト
300:筐体
301:両面テープ
302:遮光部材
400:スモーク層