(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165016
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】マッチング支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20241121BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q30/0601 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080820
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】521059457
【氏名又は名称】株式会社ドクターカバップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】高井 宗也
(72)【発明者】
【氏名】野田 宜成
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信幸
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L030BB53
5L049AA20
5L049BB53
(57)【要約】 (修正有)
【課題】金銭的に余裕のない相談者であっても安心して気軽に専門家に相談でき相談者を含む被雇用者のパフォーマンスを向上させ専門家を十分に活用するマッチング支援システムを提供する。
【解決手段】相談者がメンタルヘルスについて専門家に相談するために、通信ネットワークを介して、夫々接続されている相談者と専門家とをマッチングするマッチング支援システムであって、サーバ装置は、複数人の専門家の情報を登録している専門家登録部、相談者の条件を基に、登録部に登録されている複数人の専門家の情報の中から相談者の条件を満たす一人以上の専門家の情報を相談者に提示する相談者閲覧部、相談者が入力した相談者の専門家に対する評価を記憶する相談者評価部、専門家から入力された相談者との相談内容を記憶する相談記憶部及び相談者を雇用している雇用主に対して、相談記憶部に記憶されている相談者との相談内容を提示する相談内容提示部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相談者がメンタルヘルスについて専門家に相談するために、前記相談者と前記専門家とをマッチングするマッチング支援システムであって、
複数人の専門家の情報を登録している専門家登録部と、
前記相談者の条件を基に、前記登録部に登録されている前記複数人の専門家の情報の中から前記相談者の条件を満たす一人以上の専門家の情報を前記相談者に提示する相談者閲覧部と、
前記相談者が前記専門家に相談した後、前記相談者から入力された前記相談者の前記専門家に対する評価を記憶する相談者評価部と、
前記専門家が前記相談者から相談された後、前記専門家から入力された前記相談者との相談内容を記憶する相談記憶部と、
前記相談者を雇用している雇用主に対して、前記相談記憶部に記憶されている前記相談者との相談内容を提示する相談内容提示部と
を備える、マッチング支援システム。
【請求項2】
前記相談者が前記専門家に相談して発生した相談者利用料を前記雇用主に請求する料金請求部をさらに備える、請求項1に記載のマッチング支援システム。
【請求項3】
前記相談者が前記専門家に相談して発生した相談者利用料について、前記雇用主から入金される雇用主側決済部をさらに備える、請求項1に記載のマッチング支援システム。
【請求項4】
前記専門家が前記相談者から相談されて発生した相談料を前記専門家に送金する専門家側決済部をさらに備える、請求項1に記載のマッチング支援システム。
【請求項5】
互いに異なる場所に存在する前記相談者が音声または映像によって前記専門家に相談できるマッチング部をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のマッチング支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチング支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
雇用主に雇用されている被雇用者のなかには、メンタル疾患により休職している被雇用者や、メンタルヘルスケアを必要としている又は希望する非休職中の被雇用者など、メンタルヘルスについて相談する必要のある被雇用者が存在する。近年では、このような相談の必要な被雇用者が増加傾向にある。被雇用者である相談者は、何らかの手段で被相談者に相談し、メンタルヘルスケアを行っている。
【0003】
また、学校生活における相談形態として、特許文献1は、生徒である相談者が教師やカウンセラーのような被相談者に直接対面することなく相談することができるアドバイスシステムを記載している。特許文献1のアドバイスシステムでは、相談者は対面相談に比べて心理的な苦痛が少なく気楽に被相談者に相談できる。また、被相談者は、電子メールの形態で相談内容が送られてくるため、そのまま相談票としてファイリングが可能となるうえに、この相談票をいじめや悩みなどの相談に使用すれば、これらの実情を容易に知ることができる。
【0004】
特許文献1に記載されている学校生活でのアドバイスシステムを雇用主および被雇用者の社会生活に適用すると、雇用主と被雇用者とが直接対面せずに、被雇用者である相談者が自ら相談料を支払って専門家に相談する。しかしながら、休職中など、相談者に金銭的な余裕がない場合には、専門家に相談する頻度が少なくなり、場合によっては専門家に相談すること自体が困難になる。その結果、メンタルヘルス不調の被雇用者が増え、場合によっては休職する被雇用者が増える。
【0005】
また、雇用主としては、メンタルヘルス不調の被雇用者である相談者が増えると、社内の人的資源が減るため好ましくない。また、相談者に対して、相談者の上司や会社内の専門部署の人などが被相談者に選ばれることがある。しかしながら、このような被相談者は、社内で相談者と近い関係にある又は相談者の雇用者などであるため、相談者は、被相談者に相談することが容易ではなく、被相談者と信頼関係を築くことは難しい。また、被相談者は、社内の人的資源であり、相談者との相談時間を割く必要があることから、上記と同様に社内の人的資源が減る。
【0006】
また、メンタルヘルスについて専門的な知識を有する専門家は社会に存在するものの、上記のような相談者との出会いの場は多くない。相談者が専門家に相談に至った場合でも、上記のように相談者に金銭的な余裕がない場合には、専門家に相談する頻度が少なくなり、場合によっては専門家に相談すること自体が困難になる。このように、現状では、専門家を十分に活用できているわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、金銭的に余裕のない相談者であっても安心して気軽に専門家に相談し、相談者を含む被雇用者のパフォーマンスを向上し、専門家を十分に活用することができる、マッチング支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1] 相談者がメンタルヘルスについて専門家に相談するために、前記相談者と前記専門家とをマッチングするマッチング支援システムであって、複数人の専門家の情報を登録している専門家登録部と、前記相談者の条件を基に、前記登録部に登録されている前記複数人の専門家の情報の中から前記相談者の条件を満たす一人以上の専門家の情報を前記相談者に提示する相談者閲覧部と、前記相談者が前記専門家に相談した後、前記相談者から入力された前記相談者の前記専門家に対する評価を記憶する相談者評価部と、前記専門家が前記相談者から相談された後、前記専門家から入力された前記相談者との相談内容を記憶する相談記憶部と、前記相談者を雇用している雇用主に対して、前記相談記憶部に記憶されている前記相談者との相談内容を提示する相談内容提示部とを備える、マッチング支援システム。
[2] 前記相談者が前記専門家に相談して発生した相談者利用料を前記雇用主に請求する料金請求部をさらに備える、上記[1]に記載のマッチング支援システム。
[3] 前記相談者が前記専門家に相談して発生した相談者利用料について、前記雇用主から入金される雇用主側決済部をさらに備える、上記[1]または[2]に記載のマッチング支援システム。
[4] 前記専門家が前記相談者から相談されて発生した相談料を前記専門家に送金する専門家側決済部をさらに備える、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のマッチング支援システム。
[5] 互いに異なる場所に存在する前記相談者が音声または映像によって前記専門家に相談できるマッチング部をさらに備える、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のマッチング支援システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金銭的に余裕のない相談者であっても安心して気軽に専門家に相談し、相談者を含む被雇用者のパフォーマンスを向上し、専門家を十分に活用することができる、マッチング支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態のマッチング支援システムを含むネットワーク構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態のマッチング支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態のマッチング支援システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に基づき詳細に説明する。
【0013】
本発明のマッチング支援システムは、相談者がメンタルヘルスについて専門家に相談するために、相談者と専門家とをマッチングするマッチング支援システムであって、複数人の専門家の情報を登録している専門家登録部と、相談者の条件を基に、登録部に登録されている複数人の専門家の情報の中から相談者の条件を満たす一人以上の専門家の情報を相談者に提示する相談者閲覧部と、相談者が専門家に相談した後、相談者から入力された相談者の専門家に対する評価を記憶する相談者評価部と、専門家が相談者から相談された後、専門家から入力された相談者との相談内容を記憶する相談記憶部と、相談者を雇用している雇用主に対して、相談記憶部に記憶されている相談者との相談内容を提示する相談内容提示部とを備える。
【0014】
図1は、実施形態のマッチング支援システムを含むネットワーク構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、マッチング支援システム1は、後述する専門家登録部21などの各種構成要素を備えるサーバ装置10を備え、通信ネットワークを介して、相談者2の端末、専門家3の端末、雇用主4の端末とそれぞれ通信可能に接続されている。例えば、相談者2、専門家3および雇用主4の各々について、携帯電話やインターネット通信が可能なパソコンなどのインターネット端末とマッチング支援システム1とがインターネットを介して通信接続されている。
【0015】
相談者2、専門家3および雇用主4の端末には、マッチング支援システム1が提供するサービスを利用できるアプリケーションプログラムが記憶されている。アプリケーションプログラムを起動することで、相談者2、専門家3および雇用主4は、マッチング支援システム1に対して、情報を送受信できる。
【0016】
相談者2は、雇用主4に雇用されている被雇用者のうち、メンタル疾患により休職している被雇用者や、メンタルヘルスケアを必要としている又は希望する非休職中の被雇用者など、メンタルヘルスについて専門家3に相談する必要のある被雇用者である。専門家3は、メンタルヘルスについての専門的な知識を有する者であり、好ましくは公認心理士や臨床心理士である。雇用主4は、相談者2を雇用している者である。マッチング支援システム1は、相談者2がメンタルヘルスについて専門家3に相談するために、一人の相談者2と一人の専門家3とをマッチングする支援システムである。
【0017】
マッチング支援システム1のサーバ装置10としては、CPU(Central Processing Unit)のような演算装置、RAM(Random Access Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリのような補助記憶装置、通信ネットワークへの接続手段を含む種々の入出力装置などを備えたサーバ装置である。好ましくは、サーバ装置10はクラウドコンピューティング用のサーバ装置である。
【0018】
図2は、実施形態のマッチング支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ装置10は、相談部20を備える。相談部20は、専門家登録部21、相談者閲覧部22、相談者評価部23、相談記憶部24、相談内容提示部25を備え、相談者2、専門家3および雇用主4に対して、専門家3の情報の登録から雇用主4への相談内容の提示までの情報を送受信する。また、サーバ装置10は、決済部30をさらに備えてもよい。決済部30は、料金請求部31、雇用主側決済部32、専門家側決済部33を備え、専門家3および雇用主4に対して、雇用主4への相談者利用料の請求から専門家3および雇用主4の各々への決済までの情報を送受信する。
【0019】
相談部20の専門家登録部21は、複数人の専門家3から入力された複数人の専門家3の情報を登録している。専門家登録部21に登録されている専門家3の情報としては、氏名、経歴、性別、年齢などである。
【0020】
相談者閲覧部22は、相談者2の条件を基に、専門家登録部21に登録されている複数人の専門家3の情報の中から、相談者2の条件を満たす一人以上の専門家3の情報を相談者2に提示する。相談者2が相談者閲覧部22に希望条件を入力し、相談者閲覧部22が相談者2の希望条件を満たす専門家3を相談者2に提示することで、相談者2は自身の要望に沿った一人以上の専門家3の情報を閲覧できる。相談者2は、専門家3の情報を閲覧しながら、相談したい一人の専門家3を容易に選定できる。ただし、相談者2の希望条件を満足する専門家3が専門家登録部21に登録されていない場合には、相談者閲覧部22は専門家3の情報を表示せず、相談者2は専門家3の情報を閲覧できない。
【0021】
相談者評価部23は、相談者2から入力された相談時における相談者2の専門家3に対する相談評価を記憶する。相談者2の専門家3に対する相談評価とは、専門家3との相性や専門家3と次回以降の継続した相談が可能かなど、専門家3との信頼性を構築する判断材料になりうるものである。相談評価は、相談者2が相談者閲覧部22の提示内容から選定した専門家3に相談した後に行う。また、基本的には、専門家3は相談者評価部23にアクセスできないので、相談者評価部23に記憶されている相談評価を見ることはできない。
【0022】
相談記憶部24は、専門家3から入力された相談者2との相談内容を記憶する。相談内容とは、相談時の音声データや専門家3の相談結果(相談診断)など、相談者2の不調なメンタルヘルスを回復させるための材料になりうるものである。相談内容は、相談者2から選定された専門家3が相談者2から相談された後に行う。相談者2が専門家3を変更した場合には、後任の専門家3は前任の専門家3が作成した相談内容を見ることができる。また、基本的には、相談者2は相談記憶部24にアクセスできないので、相談記憶部24に記憶されている相談内容を見ることはできない。
【0023】
相談内容提示部25は、相談記憶部24に記憶されている相談者2との相談内容を雇用主4に提示する。相談者2が専門家3に相談した結果を基に、専門家3の作成した相談内容を雇用主4が見ることで、雇用主4は被雇用者である相談者2のメンタルヘルスの回復状況を把握できる。
【0024】
また、サーバ装置10は、互いに異なる場所に存在する相談者2が音声または映像によって専門家3に相談できるマッチング部26をさらに備えてもよい。映像には、音声が含まれる。マッチング部26は、相談者2の端末および専門家3の端末とそれぞれ通信ネットワークを介してデータを送受信する。互いに異なる場所に存在する相談者2および専門家3について、相談者2は自身の端末から遠方にいる専門家3の音声を聞くことができ、専門家3は自身の端末から遠方にいる相談者2の音声を聞くことができる。また、相談者2は自身の端末の画面を見ることで、遠方にいる専門家3の姿や表情を認識でき、専門家3は自身の端末の画面を見ることで、遠方にいる相談者2の姿や表情を認識できる。
【0025】
このように、マッチング部26は、異なる場所にいる相談者2と専門家3とをオンライン上で繋げることで、互いが同じ場所にいなくても、相談者2および専門家3が互いに都合の良い時間に、相談者2は専門家3に相談できる。また、専門家3への相談は、文字のみではなく、音声または映像で行うので、互いの声や表情の変化を容易に把握できる。そのため、相談者2と専門家3との信頼が構築されやすく、さらには専門家3が作成する相談者2との相談内容の精度が向上する。また、相談時には、音声や映像に加えて、文字を使用してもよい。
【0026】
このように、相談部20は、相談者2、専門家3および雇用主4に対して、専門家登録部21への専門家3の情報登録から、相談内容提示部25による雇用主4への相談内容の提示までの情報を送受信する。
【0027】
次に、決済部30の料金請求部31は、相談者2が専門家3に相談して発生した相談者利用料を雇用主4に請求する。相談者利用料には、相談者2が専門家3に相談した相談料、相談者2がマッチング支援システム1を使用した使用料などが含まれている。相談者利用料は相談者2によって発生した料金であるものの、料金請求部31は相談者利用料を相談者2に請求しない。マッチング支援システム1が料金請求部31を備えない場合には、相談者利用料を記した郵便物を雇用主4に送付するなどによって、相談者2の相談者利用料が雇用主4に請求される。
【0028】
雇用主側決済部32には、料金請求部31から請求された額の相談者利用料が雇用主4から入金される。例えば、雇用主4の端末はクレジットカードのカード情報や銀行の口座情報などを雇用主側決済部32に入力し、雇用主側決済部32は、雇用主4から入力された情報を照会し、その後に雇用主4から雇用主側決済部32に相談者利用料が入金されることで、雇用主側の費用が決済される。マッチング支援システム1が雇用主側決済部32を備えない場合には、雇用主4がマッチング支援システム1を運営している運営者に訪問して直接支払うなどによって、雇用主側の費用が決済される。このように、相談を行った人(相談者2)と、相談料を含む利用料を支払う者(雇用主4)は異なる。
【0029】
また、専門家側決済部33は、専門家3が相談者2から相談されて発生した相談料を専門家3に送金する。専門家3は、相談者2との相談の対価として、相談料を受け取る。専門家3に支払われる相談料は、雇用主4が支払う相談者利用料よりも安い。例えば、専門家側決済部33は、専門家3の端末に保存されているクレジットカードのカード情報や銀行の口座情報などの情報を照会し、その後に専門家側決済部33から専門家3に相談料が送金されることで、専門家側の費用が決済される。マッチング支援システム1が専門家側決済部33を備えない場合には、マッチング支援システム1を運営している運営者が専門家3に訪問して直接支払うなどによって、専門家側の費用が決済される。
【0030】
このように、決済部30は、専門家3および雇用主4に対して、料金請求部31による雇用主4への相談者利用料の請求から、雇用主側決済部32による専門家3への決済および専門家側決済部33による雇用主4への決済までの情報を送受信する。
【0031】
次に、マッチング支援システム1の処理の流れについて説明する。
図3は、実施形態のマッチング支援システム1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0032】
図3に示すように、まず、マッチング支援システム1で相談者2とマッチングを希望する専門家3は、自身の端末から専門家登録部21にアクセスし、マッチング支援システム1の登録に必要な情報を端末から専門家登録部21に入力して登録する(ステップS1)。専門家3の情報が専門家登録部21に登録されると、相談者閲覧部22にアクセスした人が専門家3の情報を見ることができる状態になる。例えば、専門家3は、専門家登録部21に登録した時点で、相談者評価部23にアクセスできなくなる。
【0033】
続いて、マッチング支援システム1で専門家3とマッチングを希望する相談者2は、自身の端末から相談者閲覧部22にアクセスし、希望する専門家3の各情報の条件を端末から相談者閲覧部22に入力すると、相談者閲覧部22は、相談者2の希望条件を基に、専門家登録部21に登録されている複数人の専門家3の情報の中から、相談者2の希望条件を満たす一人以上の専門家3の情報を相談者2に提示し、相談者2は一人以上の専門家3の情報を閲覧できる(ステップS2)。相談者2は、相談者閲覧部22で提示された専門家3の中から、相談したい専門家3を容易に選定できる。例えば、相談者2は、相談者閲覧部22で専門家を選定した時点で、相談記憶部24にアクセスできなくなる。
【0034】
続いて、マッチング支援システム1がマッチング部26を備える場合には、互いに異なる場所にいる相談者2および専門家3は、それぞれ自身の端末からマッチング部26にアクセスし、各々の端末を用いて、音声または映像によって、相談者2が専門家3に相談する(ステップS3)。両者が異なる場所にいても、相談者2および専門家3が互いに都合の良い時間に、相談者2が専門家3に容易に相談でき、さらには互いの振る舞いを把握できるので、相談者2と専門家3との信頼を容易に構築できる。マッチング支援システム1がマッチング部26を備えない場合には、両者が同じ場所に集まり、対面形式で相談者2が専門家3に相談する。
【0035】
相談者2が専門家3に相談した後、相談者2は、自身の端末から相談者評価部23にアクセスし、相談時における専門家3に対する相談評価を入力して記憶させる(ステップS4)。相談者2は、自身で評価した過去から現在までの相談評価を相談者評価部23で確認でき、これまでの専門家3との相性や自身の相談内容などの状況を把握できる。専門家3は、相談者評価部23にアクセスできないので、相談者2が作成した相談評価を確認することができない。
【0036】
また、専門家3が相談者2から相談された後、専門家3は、自身の端末から相談記憶部24にアクセスし、相談者2との相談内容を入力して記憶させる(ステップS5)。専門家3は、過去から現在までの相談内容を相談記憶部24で確認でき、これまでの相談者2のメンタルヘルスの回復状況を把握できる。相談者2は、相談記憶部24にアクセスできないので、専門家3が作成した相談内容を確認することができない。
【0037】
上記のステップS4およびステップS5について、どちらが先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。例えば、
図3と異なり、ステップS4よりもステップS5を先に行ってもよい。
【0038】
ステップS5の後、相談者2を雇用している雇用主4は、相談内容提示部25で相談内容を自身の端末から確認する(ステップS6)。雇用主4が自身の端末から相談内容提示部25にアクセスして相談内容を確認してもよいし、相談内容提示部25が雇用主4の端末に相談内容を送信してもよい。雇用主4は、専門家3の作成した相談内容を確認することで、被雇用者である相談者2のメンタルヘルスの回復状況を把握できる。
【0039】
続いて、マッチング支援システム1が決済部30を備える場合には、料金請求部31は雇用主4に対して相談者2の相談者利用料を請求する(ステップS7)。料金請求部31が雇用主4の端末に相談者利用料の情報を送信してもよいし、雇用主4が自身の端末から料金請求部31にアクセスし、請求されている相談者利用料を確認してもよい。
【0040】
ステップS7の後、雇用主4は、自身の端末から雇用主側決済部32にアクセスし、料金請求部31で請求されている額の相談者利用料を雇用主側決済部32に入金する(ステップS8)。こうして、相談者2を含む雇用主4側の費用が決済される。
【0041】
また、専門家側決済部33は、専門家3に対して相談料を送金する(ステップS9)。相談料が専門家3に支払われると、専門家3側の費用が決済される。
図3では、ステップS9がステップS8の後に実施される例を示しているが、ステップS9は、ステップS7の前に実施されてもよいし、ステップS8の前に実施されてもよい。
【0042】
以上説明したマッチング支援システム1によれば、雇用主4が相談者2の利用料を支払う。すなわち、メンタルケアを受ける人と料金を支払う人が異なる。そのため、休職中など金銭的余裕のない相談者2であっても、金銭的な懸念を解消できる。また、相談者2は、複数人の専門家3から、要望に沿った専門家3を自ら選定できる。そのため、相談者2は、専門家3に対して安心して気軽に相談できる。
【0043】
また、従来では、専門家3は、メンタルヘルスの専門的な知識が十分にあるものの、メンタルヘルスが不調な相談者との出会いの場が多くはなく、社会的に十分に活用されていなかった。一方で、マッチング支援システム1では、専門家3は、webで好きな時間に相談者2からの相談を受けられ、その結果として相談件数が増えて収入も増える。このように、マッチング支援システム1によって、専門家3を十分に活用することができる。
【0044】
また、従来では、雇用主4は、相談者2の相談相手として、相談者2の上司など社内の人的資源を用い、さらには、相談者2は社内の相談相手と相談上の信頼関係を築くことは容易ではなかった。一方で、マッチング支援システム1では、社内の人的資源を用いないので、社内の負担を抑制できる。さらには、相談者2は専門家3に相談できるので、相談者2のメンタルヘルスの回復速度が向上する。そのため、雇用主4は、相談者2を含む被雇用者のパフォーマンスを向上することができる。
【0045】
このように、マッチング支援システム1は、相談者2と専門家3と雇用主4が従来から抱えていたニーズを解決することができる。
【0046】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本開示の範囲内で種々に改変することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 マッチング支援システム
2 相談者
3 専門家
4 雇用主
10 サーバ装置
20 相談部
21 専門家登録部
22 相談者閲覧部
23 相談者評価部
24 相談記憶部
25 相談内容提示部
26 マッチング部
30 決済部
31 料金請求部
32 雇用主側決済部
33 専門家側決済部