(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165017
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】アダプタ装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241121BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20241121BHJP
H01M 50/256 20210101ALI20241121BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M50/244 A
H01M50/256 101
H02J7/00 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080822
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】海藤 稜馬
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 雅隆
(72)【発明者】
【氏名】谷田 正人
(72)【発明者】
【氏名】永井 隆之
(72)【発明者】
【氏名】蕭 宇宣
【テーマコード(参考)】
5G503
5H040
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB02
5G503FA03
5G503GB06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5H040AA07
5H040AA12
5H040AS25
5H040AY04
5H040AY14
5H040CC13
5H040CC26
5H040CC32
5H040CC42
5H040CC53
5H040DD06
5H040DD14
5H040DD22
5H040DD28
5H040GG22
(57)【要約】
【課題】バッテリの転倒を抑制するとともに、バッテリを安定的に装着可能なアダプタ装置等を提供する。
【解決手段】アダプタ装置1は、バッテリ2が装着されるアダプタ装置1であって、基部50と、基部50に形成され、少なくとも上方が開口し、バッテリ2が差し込まれる凹部51と、凹部51に設けられ、バッテリ2のバッテリ端子28と電気的に接続される接続端子52と、基部50から上方に沿って突出している突出部54と、突出部54に設けられ、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2を保持する保持機構60と、バッテリ2の電力を外部機器に供給可能な電源変換回路53とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリが装着されるアダプタ装置であって、
基部と、
前記基部に形成され、少なくとも上方が開口し、前記バッテリが差し込まれる凹部と、
前記凹部に設けられ、前記バッテリのバッテリ端子と電気的に接続される接続端子と、
前記基部から上方に沿って突出している突出部と、
前記突出部に設けられ、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリを保持する保持部と、
前記バッテリの電力を外部機器に供給可能な電源変換回路とを備える
アダプタ装置。
【請求項2】
前記突出部は、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリと対向するように配置された壁部を有し、
前記壁部には、前記保持部が設けられている
請求項1に記載のアダプタ装置。
【請求項3】
前記バッテリが前記保持部で保持されたときに、前記保持部による前記バッテリの保持状態を維持するロック機構を備える
請求項1または2に記載のアダプタ装置。
【請求項4】
前記突出部は、前記外部機器の接続部が挿入される接続ポートを有し、
前記電源変換回路は、前記接続ポートに前記バッテリの電力を変換して供給することができる
請求項1または2に記載のアダプタ装置。
【請求項5】
前記突出部に設けられ、前記バッテリの状態を表示する表示部をさらに備える
請求項1または2に記載のアダプタ装置。
【請求項6】
前記バッテリには、使用者が把持する把持部が設けられる
請求項1または2に記載のアダプタ装置。
【請求項7】
前記バッテリには、使用者が把持する把持部が設けられ、
前記突出部の高さは、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリにおける前記把持部の高さよりも低い
請求項1または2に記載のアダプタ装置。
【請求項8】
前記凹部には、係合部が形成され、
前記バッテリには、前記係合部と係合する被係合部が形成され、
前記係合部と前記被係合部とが係合して、前記凹部に前記バッテリが差し込まれると、前記バッテリ端子と前記接続端子とが電気的に接続される
請求項1または2に記載のアダプタ装置。
【請求項9】
前記バッテリは、長尺状をなし、
前記保持部は、前記バッテリの一端側に対応するように位置し、
前記係合部は、前記バッテリの他端側に対応するように位置する
請求項8に記載のアダプタ装置。
【請求項10】
請求項1または2に記載のアダプタ装置と、
前記アダプタ装置に装着されるバッテリとを備える
システム。
【請求項11】
前記バッテリは、蓄電池であり、
請求項1または2に記載のアダプタ装置と、
前記バッテリを充電する充電回路とを備える
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アダプタ装置およびシステムに関し、より詳細には、バッテリを装着可能なアダプタ装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、バッテリに装着することで、バッテリの電力をスマートフォン、タブレット端末等の電気機器に供給するアダプタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、アダプタをバッテリに装着するため、アダプタの重みがバッテリに加えられることで、バッテリに負荷が加えられる。そこで、バッテリを自立させることで、アダプタの重みによるバッテリへの負荷を抑制することが考えられるが、バッテリが倒れてしまい、バッテリが破損してしまうという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、バッテリの転倒を抑制するとともに、バッテリを安定的に装着可能なアダプタ装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るアダプタ装置は、バッテリが装着されるアダプタ装置であって、基部と、前記基部に形成され、少なくとも上方が開口し、前記バッテリが差し込まれる凹部と、前記凹部に設けられ、前記バッテリのバッテリ端子と電気的に接続される接続端子と、前記基部から上方に沿って突出している突出部と、前記突出部に設けられ、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリを保持する保持部と、前記バッテリの電力を外部機器に供給可能な電源変換回路とを備える。
【0007】
また、本開示の一態様に係るシステムは、アダプタ装置と、前記アダプタ装置に装着されるバッテリとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のアダプタ装置等によれば、バッテリの転倒を抑制するとともに、バッテリを安定的に装着可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るアダプタ装置およびバッテリを前方側から見た場合を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るアダプタ装置およびバッテリを示すブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態に係るアダプタ装置の凹部を示す部分拡大斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、
図1のA-A線におけるアダプタ装置およびバッテリを示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るアダプタ装置の突出部およびバッテリを示す側面図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5のB-B線におけるアダプタ装置の突出部、保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部がバッテリにおける連結部の係合突部に係合された場合を示す断面図である。
【
図6B】
図6Bは、アダプタ装置の突出部、保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部とバッテリにおける連結部の係合突部との係合が解除された場合を示す断面図である。
【
図7A】
図7Aは、
図5のC-C線におけるアダプタ装置の突出部、保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部がバッテリにおける連結部の係合突部に係合された場合を示す断面図である。
【
図7B】
図7Bは、アダプタ装置の突出部、保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部とバッテリにおける連結部の係合突部との係合が解除された場合を示す断面図である。
【
図8A】
図8Aは、
図1のD-D線における保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部がバッテリにおける連結部の係合突部に係合された場合を示す断面図である。
【
図8B】
図8Bは、保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部とバッテリにおける連結部の係合突部との係合が解除された場合を示す断面図である。
【
図8C】
図8Cは、
図5のE-E線における保持機構およびバッテリにおいて、保持機構におけるスライド部の第2係合爪部がバッテリにおける連結部の係合突部に係合された場合を示す断面図である。
【
図9】
図9は、その他変形例に係るアダプタ装置を後方側から見た場合を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、その他変形例に係るバッテリおよびアダプタ装置の基部を示す側面図である。
【
図11】
図11は、その他変形例に係るシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0012】
また、以下の実施の形態において、長尺状およびX軸方向等の表現を用いている。例えば、長尺状およびX軸方向は、完全に長尺およびX軸方向であることを意味するだけでなく、実質的に長尺およびX軸方向である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、長尺状およびX軸方向は、本開示による効果を奏し得る範囲において長尺状およびX軸方向という意味である。他の「状」、「方向」を用いた表現がある場合についても同様である。
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
(実施の形態)
まず、
図1~
図8Cを参照し、本実施の形態のアダプタ装置1およびバッテリ2について説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係るアダプタ装置1およびバッテリ2を前方側から見た場合を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係るアダプタ装置1およびバッテリ2を示すブロック図である。
図3は、バッテリ2を示す斜視図である。
図4Aは、実施の形態に係るアダプタ装置1の凹部51を示す部分拡大斜視図である。
図4Bは、
図1のA-A線におけるアダプタ装置1およびバッテリ2を示す断面図である。
図5は、実施の形態に係るアダプタ装置1の突出部54およびバッテリ2を示す側面図である。
図6Aは、
図5のB-B線におけるアダプタ装置1の突出部54、保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72がバッテリ2における連結部40の係合突部44に係合された場合を示す断面図である。
図6Bは、
図5のB-B線におけるアダプタ装置1の突出部54、保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72とバッテリ2における連結部40の係合突部44との係合が解除された場合を示す断面図である。
図7Aは、
図5のC-C線におけるアダプタ装置1の突出部54、保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72がバッテリ2における連結部40の係合突部44に係合された場合を示す断面図である。
図7Bは、
図5のC-C線におけるアダプタ装置1の突出部54、保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72とバッテリ2における連結部40の係合突部44との係合が解除された場合を示す断面図である。
図8Aは、
図1のD-D線における保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72がバッテリ2における連結部40の係合突部44に係合された場合を示す断面図である。
図8Bは、保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72とバッテリ2における連結部40の係合突部44との係合が解除された場合を示す断面図である。
図8Cは、
図5のE-E線における保持機構60およびバッテリ2において、保持機構60におけるスライド部70の第2係合爪部72がバッテリ2における連結部40の係合突部44に係合された場合を示す断面図である。
【0016】
図1では、アダプタ装置1の前方をX軸プラス方向と規定し、その反対方向をX軸マイナス方向と規定し、アダプタ装置1の凹部51に対して突出部54の方向をY軸プラス方向と規定し、その反対方向をY軸マイナス方向と規定し、アダプタ装置1の上方向をZ軸プラス方向と規定し、その反対方向をZ軸マイナス方向と規定する。
図1の対応関係は、他の図においても適用されることがある。
【0017】
<構成>
まず、
図1に示すように、本実施の形態におけるアダプタ装置1およびバッテリ2を備えるシステム1aの構成について説明する。
【0018】
アダプタ装置1は、バッテリ2が装着される装置である。具体的には、アダプタ装置1は、長尺状のバッテリ2をZ軸方向に沿って直立するように支持することができる装置である。
【0019】
バッテリ2は、例えば、電動自転車等に搭載される電力供給用の蓄電池である。バッテリ2は、例えば、電動自転車の電動モータ、前照灯、操作装置、サイクルコンピュータ等に電力を供給したり、これらに電力を供給するための電気的エネルギーを蓄えたりする。
【0020】
バッテリ2は、
図1および
図2に示すように、複数の電池セル21と、電圧検出部22と、電流検出部23と、保護回路24と、処理部25と、第1表示部26と、第1通信部27と、バッテリ端子28と、筐体30とを有している。
【0021】
複数の電池セル21は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池である。複数の電池セル21は、直列に接続されている。また、複数の電池セル21では、2以上の電池セル21が並列接続されることで構成された1つのブロックが複数並べられ、複数のブロックが直列に接続されていてもよい。
【0022】
電圧検出部22は、複数の電池セル21と電気的に接続され、複数の電池セル21の電圧を検出することができる。電圧検出部22は、検出した複数の電池セル21のそれぞれの電圧を処理部25に出力する。
【0023】
電流検出部23は、複数の電池セル21と電気的に接続され、複数の電池セル21の電流を検出することができる。電流検出部23は、検出した複数の電池セル21の電流を処理部25に出力する。
【0024】
処理部25は、電圧検出部22から取得した複数の電池セル21のそれぞれの電圧、および、電流検出部23から取得した複数の電池セル21のそれぞれの電流に基づいて、保護回路24を制御することができる。
【0025】
保護回路24は、処理部25に制御されることで、例えば充電時の上限電圧を設定し、複数の電池セル21のそれぞれの電圧が異常な過充電および過大電流が生じたときに、バッテリ2の充電を停止することができる。また、保護回路24は、過充電および過大電流が生じていないときに、バッテリ2の充電を行うことができる。
【0026】
処理部25は、第1表示部26を制御することができる。第1表示部26は、バッテリ2の筐体30に設けられ、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を表示することができる。また、第1表示部26は、バッテリ2が充電時であることを表示したり、バッテリ2が放電時であることを表示したりすることもできる。
【0027】
処理部25は、第1通信部27を制御することができる。第1通信部27は、アダプタ装置1と通信することが可能な有線通信部である。第1通信部27は、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を示す情報をアダプタ装置1へ出力することができる。
【0028】
なお、第1通信部27は、使用者が使用する端末装置と通信可能な無線通信部または有線通信部であってもよい。端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の通信機能を有する装置である。この場合、第1通信部27は、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を示す情報を端末装置に送信してもよい。これにより、端末装置は、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を示す情報を表示することができる。
【0029】
バッテリ端子28は、バッテリ2がアダプタ装置1の凹部51に差し込まれた状態の場合、アダプタ装置1の接続端子52と電気的に接続されるように、筐体30の下端に配置されている。バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態では、バッテリ2がアダプタ装置1に装着され、バッテリ2が直立した姿勢でアダプタ装置1に支持された状態となっている。
【0030】
筐体30は、バッテリ2の外郭を構成している。筐体30は、長尺状をなした本体ケース31と、使用者が把持することでバッテリ2を持ち上げることが可能な把持部32とを有している。
【0031】
本体ケース31は、複数の電池セル21、電圧検出部22、電流検出部23、保護回路24、処理部25、第1表示部26、第1通信部27およびバッテリ端子28等を搭載している。
【0032】
本体ケース31の長手方向における一方側(Z軸プラス方向側)の端部には、把持部32が設けられている。バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合、把持部32は、アダプタ装置1よりも高い位置に配置される。
【0033】
また、本体ケース31には、第1表示部26が配置されている。本実施の形態では、第1表示部26が本体ケース31の上方に配置されるため、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合、第1表示部26が使用者に見えやすくなる。
【0034】
本体ケース31の長手方向における他方側(Z軸マイナス方向側)の端部には、バッテリ端子28が配置されている。
【0035】
また、
図1および
図3に示すように、本体ケース31は、アダプタ装置1に装着するための被係合部33を有している。被係合部33は、本体ケース31の下方側に形成されている。本実施の形態では、被係合部33は、Z軸マイナス方向側の端部に形成され、本体ケース31におけるY軸プラス方向側の側面とY軸マイナス方向側の側面とから突出した突部である。バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合、被係合部33は、凹部51の係合部152に係合する。
【0036】
また、本体ケース31の一方側(Y軸プラス方向側)の側面には、アダプタ装置1の保持機構60に連結されることで、アダプタ装置1に保持される連結部40が形成されている。連結部40は、バッテリ2を凹部51に差し込んだ状態の場合に、アダプタ装置1の突出部54に向かって延びた凸状の部分である。
【0037】
連結部40は、保持機構60に連結される平板状の頂板部41と、頂板部41を支持するように本体ケース31の一方側の側面から立ち上がった周壁部42と、連結部40の内側に配置された内壁部43と、保持機構60に係合する係合突部44とを有している。
【0038】
頂板部41には、保持機構60を嵌め込んで保持機構60と連結することができるように、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、X軸マイナス方向の後端からX軸プラス方向に向かって凹むように切り欠かれた第1切欠部45が形成されている。第1切欠部45は、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、X軸マイナス方向側が開口している。頂板部41は、このような構成のため、全体としてU字状またはC字状をなすように形成されている。
【0039】
周壁部42は、本体ケース31の一方側の側面と頂板部41とを一体的に連結しており、頂板部41を支持している。周壁部42は、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、頂板部41におけるX軸マイナス方向側の端部を除いて、頂板部41のZ軸プラス方向側の上端、頂板部41のZ軸マイナス方向側の下端、および、頂板部41のX軸プラス方向側の前端に配置されている。頂板部41におけるX軸マイナス方向側の端部には周壁部42が配置されていないため、連結部40におけるX軸マイナス方向側の端部は、保持機構60を挿入可能に開口している。
【0040】
内壁部43は、頂板部41を支持するように本体ケース31の一方側の側面から立ち上がっている。内壁部43は、頂板部41と当該側面との間に複数設けられている。複数の内壁部43のうちの2つの内壁部43は、第1切欠部45のZ軸プラス方向側およびZ軸マイナス方向側に配置されている。本実施の形態では、頂板部41と2つの内壁部43とで、保持機構60の一部を挿入可能な第1挿入穴46を形成している。
【0041】
係合突部44は、本体ケース31の一方側の側面に形成された突起状の部分である。係合突部44は、連結部40のX軸マイナス方向側の端部に位置し、頂板部41の第1切欠部45の開口と重なるように配置されている。つまり、係合突部44は、第1切欠部45から露出しており、外部から視認可能に配置されている。
【0042】
係合突部44には、保持機構60と引っ掛かることで、バッテリ2を固定する直立面44aが形成されている。直立面44aは、本体ケース31の一方側の側面から立ち上がった面である。また、係合突部44には、直立面44aから後方側に延びる三角リブ状の補強部が形成されている。補強部は、係合突部44の強度を確保している。
【0043】
また、連結部40は、係合突部44と対向する位置に配置された、突壁部47を有している。突壁部47は、周壁部42および係合突部44によって囲まれ、係合突部44よりもX軸プラス方向に配置されている。突壁部47は、係合突部44と別に構成された突起状の部分である。
【0044】
図1に示すように、バッテリ2は、保持機構60と連結されることで、アダプタ装置1に支持される。つまり、アダプタ装置1は、バッテリ2が凹部51に差し込まれたときに、保持機構60と連結部40とが連結されることで、バッテリ2を直立させた状態で、バッテリ2を支持することができる。
【0045】
図1および
図2に示すように、アダプタ装置1は、基部50と、凹部51と、接続端子52と、電源変換回路53と、突出部54と、保持機構60と、第2表示部81と、第2通信部82とを備えている。
【0046】
基部50は、例えば床面に載置され、バッテリ2を支持するための台である。基部50には、凹部51と、接続端子52と、突出部54とが設けられている。
【0047】
図1および
図4Aに示すように、基部50には、凹部51が形成されている。凹部51は、上方から前方、つまりZ軸プラス方向の端部からX軸プラス方向側の端部に亘って開口している。このため、凹部51には、バッテリ2を差し込むことができる。
【0048】
凹部51には、接続端子52が配置されている。接続端子52は、凹部51にバッテリ2が差し込まれた状態の場合、
図2のバッテリ端子28と電気的に接続される。本実施の形態では、接続端子52は、凹部51の底部に複数設けられている。このため、複数の接続端子52は、凹部51にバッテリ2が差し込まれた状態の場合、
図2のバッテリ2の複数のバッテリ端子28と一対一で対応するように、電気的に接続される。複数の接続端子52は、例えば、正極端子、負極端子、および、通信端子等を含んでいる。
【0049】
凹部51は、バッテリ2が差し込まれた状態の場合、バッテリ2の両側を挟むようにそれぞれ配置される一対の取付壁部151を有している。
【0050】
一対の取付壁部151は、凹部51の底部に対してZ軸プラス方向に立ち上がっている。一対の取付壁部151は、バッテリ2が差し込まれた状態の場合にバッテリ2の両側に配置され、バッテリ2が差し込まれていない場合に互いに対向している。
【0051】
一対の取付壁部151のそれぞれのX軸プラス方向の前方端には、係合部152が形成されている。本実施の形態では、一方(Y軸マイナス方向側)の係合部152は、一方の取付壁部151のX軸プラス方向側の前方端からX軸マイナス方向に向かって凹んでいる。また、他方(Y軸プラス方向側)の係合部152は、他方の取付壁部151のX軸プラス方向側の前方端からX軸マイナス方向に向かって凹んでいる。
【0052】
このため、
図4Bに示すように、二点鎖線で示したバッテリ2を凹部51に差し込む際に、被係合部33を係合部152に挿入して凹部51におけるバッテリ2の位置決めを行うことで、被係合部33と係合部152とが係合し、バッテリ2が凹部51に差し込まれる。凹部51にバッテリ2が差し込まれると、
図2のバッテリ端子28と接続端子52とが電気的に接続される。
【0053】
図1および
図4Aに示すように、一対の取付壁部151の内の他方の取付壁部151に隣接するように、突出部54が基部50に配置されている。突出部54は、基部50からZ軸プラス方向に沿って突出している。バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合、突出部54は、バッテリ2とY軸方向に沿って並ぶように配置される。
【0054】
また、
図5に示すように、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合、突出部54の高さは、バッテリ2における把持部32の高さよりも低い。つまり、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態において、使用者が把持部32を掴みやすいように、把持部32が突出部54よりも高い位置に配置される。
【0055】
図1および
図2に示すように、突出部54は、外部機器の接続部が挿入される接続ポート83を有している。本実施の形態では、接続ポート83は、突出部54におけるX軸プラス方向側の前方面に配置されている。なお、接続ポート83は、突出部54の前方面に限定されず、突出部54のどの位置に配置されていてもよい。
【0056】
接続ポート83は、例えば、USB(Universal Serial Bus)接続ポート、電源用のコンセント、シガーソケット、LANポート等である。本実施の形態では、USB接続ポート、コンセント、および、シガーソケットが突出部54の前方面に設けられている。なお、USB接続ポートまたはLANポートと使用者が使用する端末装置とが通信可能に接続されることで、アダプタ装置1は、端末装置へバッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を示す情報を出力してもよい。また、コンセントと外部機器とが接続されることで、アダプタ装置1は、外部機器に電力を供給してもよい。外部機器の接続部は、通信用コネクタまたは電源用コネクタである。外部機器の接続部は、例えば、USBコネクタ、電源プラグ、シガーチャージャ、LANコネクタ等である。
【0057】
接続ポート83は、電源変換回路53と電気的に接続されている。電源変換回路53は、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、バッテリ2と電気的に接続される。
【0058】
電源変換回路53は、接続ポート83にバッテリ2の電力を変換して供給することができる。例えば、USB接続ポートに外部機器を接続した場合、電源変換回路53は、バッテリ2からの電力をAC/DC変換することで、USB接続ポートから外部機器へ電力を供給可能である。また、例えば、コンセントに外部機器を接続した場合、電源変換回路53は、バッテリ2からの電力をDC/AC変換することで、コンセントから外部機器へ電力を供給可能である。また、例えば、電源変換回路53は、バッテリ2からの電力をシガーソケットに供給することで、シガーソケットの内部を赤熱させることができる。
【0059】
突出部54は、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2と対向するように配置された壁部54aを有している。壁部54aは、基部50に対して立ち上がり、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、バッテリ2と対向している。壁部54aには、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、バッテリ2と対向する位置に保持機構60が設けられている。
【0060】
保持機構60は、突出部54の壁部54aに設けられ、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2を保持する。具体的には、
図6Aおよび
図6Bに示すように、保持機構60は、ロックケース61と、スライド部70と、弾性体69とを有している。
【0061】
ロックケース61は、突出部54の壁部54aに設けられた、Y軸方向に沿って長尺な筒状のケースである。ロックケース61では、Y軸マイナス方向側の端部が開口し、Y軸プラス方向側の端部が閉口している。
【0062】
ロックケース61には、弾性体69が収容され、ロックケース61のY軸プラス方向側の端部で弾性体69を挟むようにスライド部70が挿入されている。ロックケース61は、挿入されたスライド部70をY軸方向に沿って案内可能である。
【0063】
図7Aおよび
図7Bに示すように、ロックケース61のZ軸プラス方向側の天板部62には、第2切欠部63が形成されている。第2切欠部63は、Y軸マイナス方向側の端部からY軸プラス方向に向かって凹むように切り欠かれている。第2切欠部63には、スライド部70のピン73が挿入されている。第2切欠部63は、ピン73をY軸方向に沿って案内可能である。
【0064】
また、
図7A~
図8Bに示すように、ロックケース61のY軸マイナス方向側の端部には、バッテリ2における本体ケース31の連結部40と係合可能な第1係合爪部66が形成されている。第1係合爪部66は、ロックケース61のY軸マイナス方向側の端部からX軸プラス方向に沿って延びている。本実施の形態では、第1係合爪部66は、Z軸方向に並ぶように、ロックケース61のY軸マイナス方向側の端部に2つ配置されている。バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合、一対の第1係合爪部66は、バッテリ2における連結部40の第1挿入穴46に挿入されることで、連結部40に引っ掛けられる。このとき、一対の第1係合爪部66は、スライド部70の第2係合爪部72をZ軸プラス方向側とZ軸マイナス方向側の両側から挟むように配置される。
【0065】
また、
図8A~
図8Cに示すように、一対の第1係合爪部66のうちの少なくとも一方の第1係合爪部66の先端には、突出片66aが形成されている。突出片66aは、第2係合爪部72のX軸プラス方向側の面に回り込むように、Z軸方向に延びている。このため、第2係合爪部72と係合突部44とが係合すると、突出片66aが第2係合爪部72に引っ掛かるため、ロックケース61が第1挿入穴46から抜け難くなる。このように、突出片66aは、ロックケース61が第2係合爪部72から外れないように、補助的に第2係合爪部72に引っ掛けている。この場合、ロックケース61およびスライド部70が本開示のロック機構に相当してもよい。
【0066】
スライド部70は、ロックケース61内で、Y軸方向に沿ってスライド移動可能にロックケース61に挿入されている。スライド部70は、Y軸方向に沿って長尺な柱状のスライダ71と、スライダ71の一方側であるY軸マイナス方向側の端部に設けられた第2係合爪部72と、スライダ71に連結され、スライダ71からZ軸プラス方向に沿って突出したピン73とを有している。スライド部70は、本開示の保持部に相当する。
【0067】
スライダ71および第2係合爪部72は、Y軸方向に沿ってスライド移動可能にロックケース61に挿入されている。
図6Aおよび
図6Bに示すように、スライダ71および第2係合爪部72は、弾性体69によってY軸マイナス方向へ付勢されている。
【0068】
図7Aおよび
図7Bに示すように、第2係合爪部72には、Y軸マイナス方向側の端部に、バッテリ2の係合突部44を挿入するための第2挿入穴72aが形成されている。第2挿入穴72aは、Y軸マイナス方向側の端面からY軸プラス方向に凹んだ穴である。この構成のため、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、スライド部70がY軸マイナス方向に沿ってスライド移動すると、第2挿入穴72aに係合突部44が挿入される。こうして、第2係合爪部72と係合突部44とが係合する。
【0069】
ピン73は、ロックケース61の第2切欠部63に挿入され、第2切欠部63から突出するように配置されている。このため、使用者がピン73を摘まんでスライド部70をY軸方向に移動させることができる。
【0070】
図6Aおよび
図6Bに示すように、弾性体69は、例えば、コイルバネ等である。弾性体69は、スライド部70に対して、Y軸マイナス方向へ付勢力を付与することができるように、ロックケース61に収容されている。具体的には、弾性体69は、Y軸マイナス方向側の一端がスライダ71の他方側であるY軸プラス方向側の端部の支持孔74に支持され、Y軸プラス方向側の他端がロックケース61内のバネ支持部65に支持されている。このため、弾性体69は、スライド部70に対して、Y軸マイナス方向へ付勢力を付与することができる。
【0071】
図6A~
図7Bに示すように、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態の場合に、スライド部70における第2係合爪部72の第2挿入穴72aに係合突部44が挿入されると、弾性体69がスライド部70に対して、Y軸マイナス方向へ付勢力を付与することができる。このため、スライド部70および弾性体69は、バッテリ2が保持機構60で保持されたときに、保持機構60によるバッテリ2の保持状態を維持することができる。スライド部70および弾性体69は、本開示のロック機構に相当する。
【0072】
図1および
図2に示すように、突出部54には、バッテリ2の状態を表示する第2表示部81が設けられている。第2表示部81は、突出部54における上方に配置されている。本実施の形態では、第2表示部81は、突出部54において、接続ポート83よりもZ軸プラス方向側に配置されている。
【0073】
第2表示部81は、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を表示することができる。第2表示部81は、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、LED等の表示灯等である。第2表示部81は、本開示における表示部の一例である。
【0074】
第2通信部82は、バッテリ2の第1通信部27と通信することが可能な有線通信部である。第2通信部82は、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を示す情報を取得する。第2通信部82が取得した当該情報は、第2表示部81に表示される。
【0075】
ここで、アダプタ装置1に対してバッテリ2を装着する場合について説明する。
【0076】
まず、バッテリ2をアダプタ装置1の凹部51に差し込む前に、
図6Bおよび
図7Bに示すように、使用者が保持機構60におけるスライド部70のピン73をY軸プラス方向側に押し、スライド部70をY軸プラス方向に移動させる。
【0077】
次に、
図2、
図4Aおよび
図4Bに示すように、使用者がバッテリ2を持ち上げ、バッテリ端子28とアダプタ装置1の接続端子52とが対応し、本体ケース31の被係合部33と凹部51における一対の取付壁部151の係合部152とが対応するように、
図4Bの二点鎖線で示すようにバッテリ2を傾かせながら、矢印の方向に本体ケース31の被係合部33を一対の取付壁部151の係合部152に挿入することで、被係合部33と係合部152とを係合させる。このとき、
図8Bに示すように、保持機構60におけるロックケース61の第1係合爪部66をX軸プラス方向に沿って連結部40の第1挿入穴46に挿入することで、第1係合爪部66を連結部40に引っ掛ける。
【0078】
次に、
図6A、
図7Aおよび
図8Aに示すように、使用者は、ピン73を離すと、弾性体69がスライド部70をY軸マイナス方向に押すことで、スライド部70がY軸マイナス方向に移動する。スライド部70の第2係合爪部72がバッテリ2における連結部40の第1切欠部45に挿入され、第2係合爪部72の第2挿入穴72aに本体ケース31の係合突部44が挿入される。これにより、第2係合爪部72と係合突部44とが係合する。弾性体69は、スライド部70をY軸マイナス方向へ付勢するため、第2係合爪部72と係合突部44との係合が解除され難くなる。この場合、係合突部44の直立面44aと第2係合爪部72の第2挿入穴72aとが当接するため、バッテリ2が前方(X軸プラス方向側)へ転倒することを抑制できる。また、ロックケース61における第1係合爪部66の突出片66aが第2係合爪部72に引っ掛かるため、ロックケース61が連結部40から抜け難くなる。
【0079】
こうして、バッテリ2が凹部51に差し込まれた状態となることで、バッテリ2がアダプタ装置1に連結される。バッテリ2がアダプタ装置1に連結されると、使用者がバッテリ2の把持部32を掴んで持ち上げることで、バッテリ2およびアダプタ装置1を一体的に運ぶことができる。また、使用者がバッテリ2の把持部32を掴んで持ち上げた場合、第1係合爪部66が連結部40に引っ掛けられることで、第1係合爪部66が連結部40の内壁部43と干渉する。これにより、使用者がバッテリ2の把持部32を掴んで持ち上げた場合に、被係合部33と係合部152とに加えられる応力を分散することができるため、使用者がバッテリ2を安定して持ち運ぶことができる。
【0080】
また、バッテリ2をアダプタ装置1から取り外す場合、使用者が保持機構60におけるスライド部70のピン73をY軸プラス方向側に押し、スライド部70をY軸プラス方向に移動させる。これにより、第2係合爪部72と係合突部44との係合が解除され、ロックケース61における第1係合爪部66の突出片66aと第2係合爪部72との引っ掛かりも解除される。そして、使用者は、バッテリ2をX軸方向側に向かって移動させることで、被係合部33と係合部152との係合が解除され、ロックケース61が連結部40から離間する。こうして、バッテリ2がアダプタ装置1から取り外される。
【0081】
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるアダプタ装置1およびシステム1aの作用効果について説明する。
【0082】
上述したように、本実施の形態に係るアダプタ装置1は、バッテリ2が装着されるアダプタ装置1であって、基部50と、基部50に形成され、少なくとも上方が開口し、バッテリ2が差し込まれる凹部51と、凹部51に設けられ、バッテリ2のバッテリ端子28と電気的に接続される接続端子52と、基部50から上方に沿って突出している突出部54と、突出部54に設けられ、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2を保持する保持部(スライド部70)と、バッテリ2の電力を外部機器に供給可能な電源変換回路53とを備える。
【0083】
これによれば、バッテリ2を凹部51に差し込むことで、バッテリ2を直立させることができる。このとき、突出部54とバッテリ2とが互いに並ぶように配置され、突出部54のスライド部70がバッテリ2を保持することができる。
【0084】
したがって、本実施の形態のアダプタ装置1によれば、バッテリ2の転倒を抑制するとともに、バッテリ2を安定的に装着可能である。特に、バッテリ2が傾いて転倒することで、使用者に対する負担を抑制することが期待できる。
【0085】
また、スライド部70がバッテリ2を保持することができるため、バッテリ2を掴むことでアダプタ装置1と一体的に持ち運ぶことができる。
【0086】
また、本実施の形態に係るシステム1aは、アダプタ装置1と、アダプタ装置1に装着されるバッテリ2とを備える。
【0087】
このシステム1aにおいても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0088】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1において、突出部54は、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2と対向するように配置された壁部54aを有している。そして、壁部54aには、保持部が設けられている。
【0089】
これによれば、突出部54の壁部54aにスライド部70を配置することができるため、バッテリ2を壁部54aと並んで配置することができる。このため、凹部51に差し込まれた状態のバッテリ2の姿勢を安定的に維持することが期待できる。
【0090】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1は、バッテリ2が保持部で保持されたときに、保持部によるバッテリ2の保持状態を維持するロック機構を備える。
【0091】
例えば、アダプタ装置が何らかの原因によって転倒してしまった場合、バッテリがアダプタ装置から離間してしまうことが考えられる。
【0092】
しかしながら、本実施の形態によれば、ロック機構によってスライド部70とバッテリ2との保持状態を維持しているため、アダプタ装置1が何らかの原因によって転倒しても、バッテリ2がアダプタ装置1から離間し難い。その結果、バッテリ2の離間によるバッテリ2の損傷、他の物品の損傷を抑制することが期待できる。
【0093】
また、ロック機構がスライド部70とバッテリ2との保持をより安定化させることができるため、バッテリ2を掴むことでアダプタ装置1と一体的に、より安定して持ち運ぶことができる。
【0094】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1において、突出部54は、外部機器の接続部が挿入される接続ポート83を有する。そして、電源変換回路53は、接続ポート83にバッテリ2の電力を変換して供給することができる。
【0095】
これによれば、バッテリ2の重みによってアダプタ装置1が移動し難くなるため、使用者が手でバッテリ2およびアダプタ装置1を支えずに、接続ポート83に外部機器の接続部を接続することができるようになる。
【0096】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1は、突出部54に設けられ、バッテリ2の状態を表示する表示部をさらに備える。
【0097】
これによれば、表示部がバッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を表示することができる。これにより、使用者は、バッテリ2の蓄電容量、バッテリ2の残量、消費電力、バッテリ2における異常の状態の有無、および、バッテリ2の状態等を把握することができる。
【0098】
また、表示部が突出部54に設けられているため、表示部が基部50に設けられる場合に比べて、使用者は、表示部に表示された内容を把握することができる。
【0099】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1において、バッテリ2には、使用者が把持する把持部32が設けられる。
【0100】
これによれば、使用者がバッテリ2の把持部32を把持することで、使用者は、バッテリ2を持ち運びしたり、持ち運んだバッテリ2を容易にアダプタ装置1に装着したりすることができる。
【0101】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1において、バッテリ2には、使用者が把持する把持部32が設けられる。そして、突出部54の高さは、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2における把持部32の高さよりも低い。
【0102】
これによれば、凹部51にバッテリ2を挿し込んだ状態の場合、把持部32が突出部54よりも高い位置に配置されるため、使用者は、把持部32を掴みやすくなる。その結果、使用者は、アダプタ装置1に対してバッテリ2を着脱しやすくなる。
【0103】
また、使用者は、把持部32を掴んでバッテリ2とアダプタとを持ち上げ、バッテリ2およびアダプタを運ぶことができる。
【0104】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1において、凹部51には、係合部152が形成される。また、バッテリ2には、係合部152と係合する被係合部33が形成される。そして、係合部152と被係合部33とが係合して、凹部51にバッテリ2が差し込まれると、バッテリ端子28と接続端子52とが電気的に接続される。
【0105】
これによれば、バッテリ2を凹部51に差し込む際に、係合部152と被係合部33とを係合させることで、アダプタ装置1に対するバッテリ2を位置合わせすることができる。このため、使用者は、バッテリ2をアダプタ装置1に装着し易くなる。
【0106】
また、スライド部70とバッテリ2との連結と、係合部152と被係合部33とによるアダプタ装置1とバッテリ2との連結とによって、バッテリ2をより安定的にアダプタ装置1に装着することができる。その結果、バッテリ2を掴むことでアダプタ装置1と一体的に、より安定して持ち運ぶことができる。
【0107】
また、本実施の形態に係るアダプタ装置1において、バッテリ2は、長尺状をなしている。また、保持部は、バッテリ2の一端側に対応するように位置している。そして、係合部152は、バッテリ2の他端側に対応するように位置する。
【0108】
これによれば、スライド部70によるバッテリ2の上端側の連結と、係合部152と被係合部33とによるバッテリ2の下端側の連結とによって、バッテリ2をより安定的にアダプタ装置1に装着することができる。その結果、バッテリ2を掴むことでアダプタ装置1と一体的に、より安定して持ち運ぶことができる。
【0109】
(その他の変形例)
以上、本開示に係るアダプタ装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0110】
例えば、上記実施の形態に係るアダプタ装置において、
図9に示す構成であってもよい。
図9は、その他変形例に係るアダプタ装置1を後方側から見た場合を示す斜視図である。
図9に示すように、アダプタ装置1の背面であるX軸マイナス方向側の背面部には、X軸プラス方向に凹んだ空洞部58が形成されている。このような空洞部58が形成されることで、例えば、使用者が凹部51にバッテリ2を差し込む際に、空洞部58に使用者が手または足を挿入してアダプタ装置1を支えながら、使用者が凹部51にバッテリ2を差し込むことができる。このため、使用者は、バッテリ2をアダプタ装置1に装着し易くなる。
【0111】
また、上記実施の形態に係るアダプタ装置において、
図10に示す構成であってもよい。
図10は、その他変形例に係るバッテリ2およびアダプタ装置1の基部50を示す側面図である。
図10に示すように、凹部51の前方側(X軸プラス方向側)の基部50は、X軸プラス方向に向かって次第に下り傾斜している傾斜部59を有している。このように、凹部51の前方であるX軸プラス方向が傾斜した傾斜部59が形成されているため、凹部51に差し込んだバッテリ2を容易に取り出すことができるため、使用者の負担の増加を抑制することができる。
【0112】
また、上記実施の形態において、バッテリ2の係合突部44は、係合凹部であってもよい。この場合、第2係合爪部72におけるY軸マイナス方向側の端部には、第2挿入穴72aの代わりに、突部が形成されていてもよい。そして、当該係合凹部と当該突部とが係合することで、保持機構60は、凹部51に差し込まれたときのバッテリ2を保持してもよい。
【0113】
また、上記実施の形態は、
図11に示す構成であってもよい。
図11は、その他変形例に係るシステム1bを示すブロック図である。システム1bは、外部機器に対して給電する機能を有しているが、バッテリ2を充電可能な充電機能を有していてもよい。この場合、システム1bは、商用電源と接続可能な電源ケーブル(不図示)および電源プラグ(不図示)と、商用電源からの交流電力を直流電力へ変換可能なAC-DC変換回路(不図示)を有する充電回路84とを備えていてもよい。充電回路84は、さらに、AC-DC変換回路から出力された直流電力を、バッテリ2を充電可能な直流電力に変換するDC-DC変換回路(不図示)を有していてもよい。また、充電回路84は、AC-DC変換回路、および、DC-DC変換回路を制御することが可能な制御回路(不図示)を有していてもよい。制御回路は、AC-DC変換回路、および、DC-DC変換回路を制御することで、バッテリ2を適切に充電させることができる。
【0114】
電源ケーブルおよび電源プラグと、充電回路84とは、アダプタ装置100に搭載されていてもよい。また、電源ケーブルおよび電源プラグと、充電回路84とは、アダプタ装置100に搭載されていなくてもよい。アダプタ装置100に搭載されない場合、電源ケーブルおよび電源プラグおよび充電回路84で構成される機器をアダプタ装置100の接続ポート83と商用電源とに接続し、アダプタ装置100にバッテリ2を装着することで、アダプタ装置100が商用電源からの電力によってバッテリ2を充電してもよい。
【0115】
また、システム1bのアダプタ装置100がバッテリ2を充電している場合、アダプタ装置100は、外部機器に対して給電可能であってもよい。
【0116】
このような、上記実施の形態のシステム1bにおいて、バッテリ2は、蓄電池である。そして、システム1bは、アダプタ装置100と、バッテリ2を充電する充電回路84とを備える。これにより、バッテリ2を充電することができる。また、バッテリ2への充電と、バッテリ2から外部機器への給電とを同時に行うことができる。
【0117】
また、上記実施の形態において、第2係合爪部72と係合突部44とが係合した際に、閂のように、スライド部70のピン73がロックケース61に引っ掛かることで、保持機構60によるバッテリ2の保持状態が維持されてもよい。この場合、スライド部70とロックケース61とがロック機構となる。このとき、保持機構60は弾性体69を有していなくてもよく、弾性体69は保持機構60の必須の構成要素ではない。
【0118】
また、上記実施の形態において、処理部等を構成する各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0119】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0120】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0121】
また、本開示は、コンピュータが実行する方法として実現されてもよいし、このような方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本開示は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0122】
なお、上記の実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0123】
(付記)
以下に、上記実施の形態に基づいて説明したアダプタ装置およびシステムの特徴を示す。
【0124】
<技術1>
バッテリが装着されるアダプタ装置であって、
基部と、
前記基部に形成され、少なくとも上方が開口し、前記バッテリが差し込まれる凹部と、
前記凹部に設けられ、前記バッテリのバッテリ端子と電気的に接続される接続端子と、
前記基部から上方に沿って突出している突出部と、
前記突出部に設けられ、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリを保持する保持部と、
前記バッテリの電力を外部機器に供給可能な電源変換回路とを備える
アダプタ装置。
【0125】
<技術2>
前記突出部は、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリと対向するように配置された壁部を有し、
前記壁部には、前記保持部が設けられている
技術1に記載のアダプタ装置。
【0126】
<技術3>
前記バッテリが前記保持部で保持されたときに、前記保持部による前記バッテリの保持状態を維持するロック機構を備える
技術1または2に記載のアダプタ装置。
【0127】
<技術4>
前記突出部は、前記外部機器の接続部が挿入される接続ポートを有し、
前記電源変換回路は、前記接続ポートに前記バッテリの電力を変換して供給することができる
技術1から3のいずれか1つに記載のアダプタ装置。
【0128】
<技術5>
前記突出部に設けられ、前記バッテリの状態を表示する表示部をさらに備える
技術1から4のいずれか1つに記載のアダプタ装置。
【0129】
<技術6>
前記バッテリには、使用者が把持する把持部が設けられる
技術1から5のいずれか1つに記載のアダプタ装置。
【0130】
<技術7>
前記バッテリには、使用者が把持する把持部が設けられ、
前記突出部の高さは、前記凹部に差し込まれたときの前記バッテリにおける前記把持部の高さよりも低い
技術1から5のいずれか1つに記載のアダプタ装置。
【0131】
<技術8>
前記凹部には、係合部が形成され、
前記バッテリには、前記係合部と係合する被係合部が形成され、
前記係合部と前記被係合部とが係合して、前記凹部に前記バッテリが差し込まれると、前記バッテリ端子と前記接続端子とが電気的に接続される
技術1から7のいずれか1つに記載のアダプタ装置。
【0132】
<技術9>
前記バッテリは、長尺状をなし、
前記保持部は、前記バッテリの一端側に対応するように位置し、
前記係合部は、前記バッテリの他端側に対応するように位置する
技術8に記載のアダプタ装置。
【0133】
<技術10>
技術1から9のいずれか1つに記載のアダプタ装置と、
前記アダプタ装置に装着されるバッテリとを備える
システム。
【0134】
<技術11>
前記バッテリは、蓄電池であり、
技術1から10のいずれか1つに記載のアダプタ装置と、
前記バッテリを充電する充電回路とを備える
システム。
【符号の説明】
【0135】
1、100 アダプタ装置
1a、1b システム
2 バッテリ
28 バッテリ端子
32 把持部
33 被係合部
50 基部
51 凹部
52 接続端子
53 電源変換回路
54 突出部
54a 壁部
69 弾性体(ロック機構)
70 スライド部(保持部、ロック機構)
81 第2表示部(表示部)
83 接続ポート
84 充電回路
152 係合部