(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165027
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20241121BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241121BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F1/20 D
G06F1/20 B
H05K7/20 J
H04L67/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080835
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 勇太
(72)【発明者】
【氏名】白神 梨絵
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322BB03
5E322BB05
5E322BC03
(57)【要約】
【課題】ファンを適切に制御することができる。
【解決手段】ファン11は、回転することによってハードウェアを冷却する。位置取得部12は、現在位置を取得する。処理部13は、予定の時間と予定の場所とが登録された予定情報1を参照する。処理部13は、現在位置と場所とが一致するか否かおよび現在時刻が時間に含まれるか否かに基づいて、ファン11の回転を抑制するか否かを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することによってハードウェアを冷却するファンと、
現在位置を取得する位置取得部と、
予定の時間と前記予定の場所とが登録された予定情報を参照し、前記現在位置と前記場所とが一致するか否かおよび現在時刻が前記時間に含まれるか否かに基づいて、前記ファンの回転を抑制するか否かを決定する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記ファンは、前記処理部を冷却し、
前記処理部は、前記ファンの回転を抑制すると決定した場合に、パフォーマンスを下げて作動する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記現在位置と前記場所とが一致し、前記現在時刻が前記時間に含まれる場合、前記ファンの回転を抑制すると決定し、前記時間に前記現在位置が前記場所と一致しなくなった場合、前記ファンの回転を抑制しないと決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、サーバにアクセスし、前記サーバに記憶された前記予定情報を参照する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、マイクを有し、
前記処理部は、前記マイクが取得した音の大きさに基づいて、前記ファンの回転を抑制するか否かを決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記マイクが取得した音から人の声を除去した音の大きさに基づいて、前記ファンの回転を抑制するか否かを決定する、
請求項5記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータでは、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアをファンの回転によって冷却している。例えば、コンピュータは、CPUの負荷が大きい場合、CPU温度が上がるため、ファンの回転数を上げてCPUを冷却する。
【0003】
コンピュータのファンに関する技術としては、例えば、冷却のための消費電力を低減する電子装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ファンの回転数が上がるほどファンの回転音が大きくなる。会議中や講義中等、大きい音を出さないことが好ましい状況でコンピュータを使用する場合、CPUのパフォーマンスを下げてファンの回転を抑えるモードに手動設定することが考えられる。しかし、ユーザが会議や講義の前に当該モードに切り替え忘れてしまうと、会議中や講義中にファンの回転音が発生してしまう。
【0006】
1つの側面では、本件は、ファンを適切に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、ファンと、位置取得部と、処理部とを有する情報処理装置が提供される。ファンは、回転することによってハードウェアを冷却する。位置取得部は、現在位置を取得する。処理部は、予定の時間と予定の場所とが登録された予定情報を参照し、現在位置と場所とが一致するか否かおよび現在時刻が時間に含まれるか否かに基づいて、ファンの回転を抑制するか否かを決定する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、ファンを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図3】PCのハードウェアの一構成例を示す図である。
【
図4】ファンを制御するモードの一例を示す図である。
【
図5】PCおよびDBサーバの機能例を示すブロック図である。
【
図7】ファンを制御するモードの決定処理の一例を示す図である。
【
図8】PCが移動した場合のファンの制御処理の一例を示す図である。
【
図9】起動時設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】環境判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】静音モード時監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】通常モード時監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、情報処理装置10のファン11を制御するものである。
【0011】
情報処理装置10は、ユーザが操作する、持ち運び可能なコンピュータである。例えば、情報処理装置10は、ノートPCである。情報処理装置10は、ファン11、位置取得部12および処理部13を有する。ファン11は、回転することによってハードウェアを冷却する装置である。ファン11は、羽を回転させることで、冷却対象のハードウェアに送風することで冷却する。ここでは、ファン11は、処理部13を冷却する。
【0012】
位置取得部12は、現在位置を取得する装置である。例えば、位置取得部12は、基地局と通信する。そして、位置取得部12は、基地局との間で送受信される電波に基づいて特定される基地局との距離や基地局の方向と、基地局が設置された緯度経度とに基づいて、位置取得部12がある緯度経度を算出する。なお、位置取得部12は、GPS(Global Positioning System)受信機等であってもよい。また、位置取得部12は、GPS受信機を搭載したスマートフォン等の装置から近距離無線通信によって当該装置の位置を取得する通信装置であってもよい。
【0013】
処理部13は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部13は、例えば、情報処理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。処理部13は、以下のようにしてファン11の制御方法を決定し、決定した制御方法によってファン11を制御する。なお、処理部13が決定した制御方法によって、処理部13以外の装置がファン11を制御してもよい。
【0014】
まず、処理部13は、予定の時間と予定の場所とが登録された予定情報1を参照する。予定情報1は、情報処理装置10のユーザの予定の内容が登録された情報である。例えば、予定情報1には、予定の内容、予定の開始時刻と終了時刻および予定が行われる場所の緯度経度が対応付けて登録される。処理部13は、サーバにアクセスし、サーバに記憶された予定情報1を参照する。サーバは、例えば、予定を管理するクラウドサービスを提供するサーバコンピュータである。なお、予定情報1は、情報処理装置10に記憶されていてもよい。
【0015】
処理部13は、現在位置と予定の場所とが一致するか否かおよび現在時刻が予定の時間に含まれるか否かに基づいて、ファン11の回転を抑制するか否かを決定する。例えば、処理部13は、開始時刻と終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定を予定情報1から検索する。処理部13は、検索された予定に対応付けて予定情報1に登録された緯度経度と、位置取得部12が基地局との通信に基づいて算出した現在位置の緯度経度との距離を算出する。処理部13は、開始時刻と終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定が検索され、算出された距離が閾値以下である場合、現在位置と予定の場所とが一致し、現在時刻が予定の時間に含まれると判定する。
【0016】
処理部13は、現在位置と予定の場所とが一致し、現在時刻が予定の時間に含まれる場合、ファン11の回転を抑制すると決定する。そして、処理部13は、ファン11の回転を抑制すると決定した場合に、パフォーマンスを下げて作動する。また、処理部13は、現在位置と予定の場所とが一致しない場合または現在時刻が予定の時間に含まれない場合、ファン11の回転を抑制しないと決定する。
【0017】
例えば、処理部13は、現在位置と予定の場所とが一致しない場合または現在時刻が予定の時間に含まれない場合、処理部13の近傍の温度に応じてファン回転数を上げるモード(通常モード)で、ファン11を制御すると決定する。また、処理部13は、現在位置と予定の場所とが一致し、現在時刻が予定の時間に含まれる場合、処理部13のパフォーマンスを下げ、通常モードよりもファン11の回転数を抑えるモード(静音モード)でファン11を制御すると決定する。
【0018】
処理部13は、予定の時間に現在位置が予定の場所と一致しなくなった場合、ファン11の回転を抑制しないと決定する。例えば、処理部13は、予定の時間に現在位置が予定の場所と一致しなくなった場合、静音モードで制御しているファン11を、通常モードで制御すると決定する。
【0019】
第1の実施の形態によれば、情報処理装置10のファン11は、回転することによってハードウェアを冷却する。情報処理装置10の位置取得部12は、現在位置を取得する。情報処理装置10の処理部13は、予定の時間と予定の場所とが登録された予定情報1を参照し、現在位置と予定の場所とが一致するか否かおよび現在時刻が予定の時間に含まれるか否かに基づいて、ファン11の回転を抑制するか否かを決定する。
【0020】
これにより、情報処理装置10は、大きい音を出さないことが好ましい状況になると、自動でファン11の回転を抑制し、ファン11の回転によって発生する音を小さくすることができる。よって、情報処理装置10は、ファン11を適切に制御することができる。
【0021】
また、ファン11は、処理部13を冷却し、処理部13は、ファン11の回転を抑制すると決定した場合に、パフォーマンスを下げて作動する。これにより、情報処理装置10は、抑制されたファン11の回転によって処理部13を冷却できる。
【0022】
また、処理部13は、現在位置と予定の場所とが一致し、現在時刻が予定の時間に含まれる場合、ファン11の回転を抑制すると決定し、予定の時間に現在位置が予定の場所と一致しなくなった場合、ファン11の回転を抑制しないと決定する。これにより、情報処理装置10は、大きい音を出さないことが好ましい予定のときにファン11を制限し、大きい音を出してもよい状況になると、ファン11の制限を解除することができる。
【0023】
また、処理部13は、サーバにアクセスし、サーバに記憶された予定情報1を参照する。これにより、情報処理装置10は、他の装置と共有可能な予定に基づいて、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを判定できる。
【0024】
なお、情報処理装置10は、マイクを有していてもよく、処理部13は、マイクが取得した音の大きさに基づいて、ファン11の回転を抑制するか否かを決定してもよい。これにより、情報処理装置10は、周囲の音の大きさに基づいて、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを判定できる。
【0025】
また、処理部13は、マイクが取得した音から人の声を除去した音の大きさに基づいて、ファン11の回転を抑制するか否かを決定してもよい。これにより、情報処理装置10は、環境音の大きさに基づいて、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを判定できる。
【0026】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、ノートPCのファンを制御するものである。
【0027】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、PC100およびデータベース(DB)サーバ200を有する。PC100およびDBサーバ200は、ネットワーク30に接続されている。ネットワーク30は、例えば、インターネット等の広域ネットワークである。PC100は、ユーザが操作するノートPCである。
【0028】
PC100は、基地局21との通信に基づいて特定した現在地と、現在時刻と、ユーザの予定とに基づいて、CPUを冷却するファンを制御する。基地局21は、PC100が通信可能な位置に設置された基地局である。例えば、基地局21は、PC100に最も近い基地局である。基地局21は、PC100に基地局21が設置された緯度経度を通知する。なお、PC100は、基地局21を介してネットワーク30に接続してもよい。
【0029】
PC100は、基地局21と通信し、基地局21から受信した電波の方向および強度と、基地局21から通知された基地局21の緯度経度とからPC100の現在位置の緯度経度を算出する。PC100は、DBサーバ200から現在時刻を含むユーザの予定を検索する。PC100は、検索された予定に対応する緯度経度と、PC100の現在位置の緯度経度との距離が閾値以下の場合、ファンの回転数を抑制する静音モードでファンを制御する。また、PC100は、予定が検索されなかった場合または検索された予定に対応する緯度経度と、PC100の現在位置の緯度経度との距離が閾値より大きい場合、ファンの回転数を抑制しない通常モードでファンを制御する。
【0030】
DBサーバ200は、予定を管理するクラウドサービスを提供するサーバコンピュータである。DBサーバ200は、ユーザの予定の内容と、予定の時間と、予定の場所の緯度経度とを対応付けて管理する。
【0031】
図3は、PCのハードウェアの一構成例を示す図である。PC100は、CPU101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス112を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0032】
CPU101は、プログラムの命令を実行するプロセッサである。なお、CPU101は複数のプロセッサコアを含んでもよい。また、CPU101は、複数のプロセッサであってもよく、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)等であってもよい。また、CPU101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0033】
RAM102は、PC100の主記憶装置である。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に利用する各種データが格納される。なお、PC100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
【0034】
バス112に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106および機器接続インタフェース107がある。また、バス112に接続されている周辺機器としては、ファン108、無線通信インタフェース109、音声インタフェース110およびネットワークインタフェース111がある。
【0035】
HDD103は、PC100の補助記憶装置である。HDD103は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、PC100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
【0036】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0037】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0038】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0039】
機器接続インタフェース107は、PC100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0040】
ファン108は、CPU101を冷却するためのファンである。ファン108は、CPU101からの命令に従って羽を回転させることで、CPU101に送風する。
無線通信インタフェース109は、基地局21と通信する。無線通信インタフェース109は、基地局21から基地局21の設置位置の緯度経度を受信する。無線通信インタフェース109は、基地局21から受信した電波の方向および強度と、基地局21の設置位置の緯度経度とに基づいて、PC100の現在位置の緯度経度を算出する。
【0041】
音声インタフェース110には、マイク38が接続されている。音声インタフェース110は、マイク38から入力された音声信号をディジタル信号に変換して、CPU101に送信する。
【0042】
ネットワークインタフェース111は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース111は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0043】
PC100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。DBサーバ200および第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、
図3に示したPC100と同様のハードウェアにより実現することができる。なお、DBサーバ200は、無線通信インタフェース109のような無線通信インタフェースおよび音声インタフェース110のような音声インタフェースを有していなくてもよい。また、CPU101は、第1の実施の形態に示した処理部13の一例である。また、無線通信インタフェース109は、第1の実施の形態に示した位置取得部12の一例である。
【0044】
PC100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。PC100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、PC100に実行させるプログラムをHDD103に格納しておくことができる。CPU101は、HDD103内のプログラムの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。また、PC100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばCPU101からの制御により、HDD103にインストールされた後、実行可能となる。また、CPU101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、CPU101がファン108を制御するモードについて説明する。
【0045】
図4は、ファンを制御するモードの一例を示す図である。CPU101は、通常モードまたは通常モードよりも回転を抑制した静音モードで、ファン108を制御する。通常モードでは、CPU101は、グラフ41に従ってファン108を制御する。
【0046】
グラフ41は、通常モードにおけるCPU101の温度とファン108の回転数との関係を示す。グラフ41の横軸は、CPU101の温度(CPU温度)を示す。グラフ41の縦軸は、ファン108の回転数(ファン回転数)を示す。なお、グラフ41の実線は、CPU温度下降時のCPU温度とファン回転数との関係を示す。また、グラフ41の点線は、CPU温度上昇時のCPU温度とファン回転数との関係を示す。
【0047】
グラフ41は、CPU温度が高いほどファン回転数が大きくなることを示す。例えば、グラフ41は、CPU温度上昇時に、CPU温度が60℃の場合、ファン回転数が約3000rpm(rotations per minute)であり、CPU温度が70℃の場合、ファン回転数が約5000rpmであることを示す。
【0048】
CPU101は、通常モードから静音モードへ移行すると、CPU101のパフォーマンスを下げ、グラフ42に従ってファン108を制御する。グラフ42は、静音モードにおけるCPU101の温度とファン108の回転数との関係を示す。グラフ42の横軸は、CPU温度を示す。グラフ42の縦軸は、ファン回転数を示す。なお、グラフ42の実線は、CPU温度下降時のCPU温度とファン回転数との関係を示す。また、グラフ42の点線は、CPU温度上昇時のCPU温度とファン回転数との関係を示す。
【0049】
グラフ42は、CPU温度が高いほどファン回転数が大きくなり、ファン回転数が通常モードよりも抑制されていることを示す。例えば、グラフ42は、CPU温度上昇時に、CPU温度が60℃の場合、ファン回転数が約3000rpmであり、CPU温度が70℃の場合、ファン回転数が約4000rpmであることを示す。また、CPU101は、静音モードから通常モードへ移行すると、グラフ41に従ってファン108を制御する。
【0050】
このように、CPU101は、CPU温度が高いほどファン回転数を大きくするようファン108を制御する。また、静音モードでは、CPU101がパフォーマンスを下げて作動することで、ファン108の回転数が小さくてもCPU101を冷却することができる。
【0051】
ここで、ユーザは、PC100を会議や講義等の大きい音を出さないことが好ましい状況で使用する場合、PC100を静音モードに手動設定することが考えられる。しかし、ユーザが会議や講義の前にPC100を静音モードに切り替え忘れてしまうと、会議中や講義中にファン108の回転音が発生してしまう。また、ユーザが会議や講義の後にPC100を静音モードから通常モードに切り替え忘れてしまうと、CPU101は、パフォーマンスを下げたまま動作してしまう。
【0052】
そこで、第2の実施の形態では、PC100は、DBサーバ200に記憶されたユーザの予定を参照し、予定の時間に予定の位置で使用されており、周囲の音が小さい場合、静音モードに自動設定する。次に、PC100およびDBサーバ200の機能について詳細に説明する。
【0053】
図5は、PCおよびDBサーバの機能例を示すブロック図である。DBサーバ200は、記憶部210を有する。記憶部210は、DBサーバ200が有するRAMまたはHDDの記憶領域を用いて実現される。記憶部210は、予定情報211を記憶する。予定情報211は、ユーザの予定の内容と、予定の時間と、予定の場所の緯度経度とが登録された情報である。
【0054】
PC100は、収集部130、ファン制御部140および判定部150を有する。収集部130、ファン制御部140および判定部150は、RAM102に記憶されたプログラムをCPU101が実行することで実現される。
【0055】
収集部130は、ファン108を制御するモードを判定部150が決定するための情報である現在時刻、現在位置および周囲の音を収集する。例えば、収集部130は、OSの時計から現在時刻を取得する。また、収集部130は、無線通信インタフェース109に基地局21と通信させ、基地局21から受信した電波の方向および強度と、基地局21の設置位置の緯度経度とに基づいて、PC100の現在位置の緯度経度を算出させる。また、収集部130は、マイク38に入力された音を周囲の音として取得する。
【0056】
ファン制御部140は、判定部150が決定したモードでファン108を制御する。例えば、ファン制御部140は、通常モードに決定された場合、CPU温度からグラフ41に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。また、例えば、ファン制御部140は、静音モードに決定された場合、CPU101のパフォーマンスを下げ、CPU温度からグラフ42に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。
【0057】
判定部150は、収集部130が収集した現在時刻、現在位置および周囲の音と、DBサーバ200に記憶された予定情報211とに基づいて、ファン制御部140がファン108を制御するモードを決定する。判定部150は、DBサーバ200にアクセスし、現在時刻を含む予定を検索する。判定部150は、現在時刻を含む予定が検索されなかった場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。
【0058】
判定部150は、現在時刻を含む予定が検索された場合、検索された予定の場所と現在位置との距離を算出し、算出した距離が閾値以下であるか否かを判定する。また、判定部150は、人の声を除去した周囲の音が閾値以下であるか否かを判定する。判定部150は、算出した距離が閾値以下であるかつ周囲の音の大きさが閾値以下であると判定した場合、ファン108を制御するモードを静音モードに決定する。また、判定部150は、算出した距離が閾値より大きいまたは周囲の音の大きさが閾値より大きいと判定した場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。
【0059】
なお、
図5に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部210に記憶される予定情報211について詳細に説明する。
【0060】
図6は、予定情報の一例を示す図である。予定情報211は、ユーザの予定の内容と、予定の時間と、予定の場所の緯度経度とが登録された情報である。予定情報211は、予定、開始、終了、場所および位置(緯度、経度)の項目を有する。
【0061】
予定の項目には、予定の内容が設定される。開始の項目には、予定の開始時刻が設定される。終了の項目には、予定の終了時刻が設定される。場所の項目には、予定が行われる場所の名称が設定される。また、位置(緯度、経度)の項目には、予定が行われる場所の緯度経度が設定される。
【0062】
予定情報211のレコードは、PC100のユーザによってあらかじめ登録される。例えば、PC100やPC100のユーザが操作するPC100以外の端末は、ユーザの予定の内容、予定の開始時刻、予定の終了時刻、予定が行われる場所の名称および予定が行われる場所の緯度経度をDBサーバ200に通知する。すると、DBサーバ200は、通知された予定の情報を各項目に設定したレコードを、予定情報211に登録する。次に、PC100がファン108を制御するモードを決定する処理について説明する。
【0063】
図7は、ファンを制御するモードの決定処理の一例を示す図である。判定部150は、収集部130が収集した情報と、予定情報211とに基づいて、ファン108を制御するモードを決定し、ファン制御部140に決定したモードでファン108を制御させる。収集部130は、現在時刻、現在位置および周囲の音を収集する。収集部130は、例えば、OSの時計から現在時刻を取得する。また、収集部130は、無線通信インタフェース109が算出する現在位置の緯度経度を取得する。また、収集部130は、マイク38に入力された音を取得する。判定部150は、現在時刻、現在位置および周囲の音を収集部130から取得する。
【0064】
判定部150は、DBサーバ200にアクセスし、現在時刻の予定を検索する。判定部150は、DBサーバ200に記憶された予定情報211を参照し、開始の項目に設定された開始時刻と、終了の項目に設定された終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定のレコードを取得する。
【0065】
判定部150は、取得したレコードの位置(緯度、経度)の項目に設定された緯度経度と、現在位置の緯度経度との距離を算出する。判定部150は、算出した距離が閾値以下かつ周囲の音の大きさが閾値以下である場合、ファン108を制御するモードを静音モードに決定する。判定部150は、予定が検索されなかった場合、算出した距離が閾値より大きい場合または周囲の音の大きさが閾値より大きい場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。そして、ファン制御部140は、判定部150が決定したモードでファン108の回転数を制御する。
【0066】
このようにして、判定部150は、ファン108を制御するモードを決定する。判定部150は、現在時刻の予定について、予定の場所と現在位置とが一致するか否かを判定する。ここで、予定が変更されると、PC100は、予定の場所にないことがある。判定部150は、予定の時間に予定通りの場所にPC100があるか否かを判定することで、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを適切に判定できる。また、静かな場所では、PC100が大きい音を出さないことが好ましい。判定部150は、マイク38が取得した周囲の音が閾値以下であるか否かを判定することで、静かな場所にPC100があるか否かを判定する。
【0067】
そして、判定部150は、予定の場所と現在位置とが一致し、周囲の音の大きさが閾値以下であると判定した場合、ファン108を制御するモードを静音モードに決定する。これにより、判定部150は、大きい音を出さないことが好ましい状況である場合に、ファン108の回転音を抑えることができる。判定部150は、このようにしてファン108を制御するモードを自動決定することで、ファン108を適切に制御することができる。次に、予定の時間にPC100が移動した場合のファン108の制御処理について説明する。
【0068】
図8は、PCが移動した場合のファンの制御処理の一例を示す図である。判定部150は、予定の時間中にPC100が予定の場所から離れた場合、ファン108を制御するモードを静音モードから通常モードに切り替える決定をする。
【0069】
地
図51は、予定の時間における予定の場所とPC100との位置を示す地図である。地
図51の×印は、予定情報211に登録された予定の場所の位置を示す。地
図51のノートPCは、無線通信インタフェース109が算出したPC100の現在位置を示す。地
図51の円は、PC100の現在位置から閾値以下の距離の範囲を示す。判定部150は、地
図51に示すように円の範囲内に予定の場所がある場合、ファン108を制御するモードを静音モードに決定する。ここで、予定の時間中にPC100が移動したものとする。
【0070】
地
図52は、予定の場所と移動後のPC100との位置を示す地図である。地
図52の×印は、予定情報211に登録された予定の場所の位置を示す。地
図52のノートPCは、無線通信インタフェース109が算出したPC100の現在位置を示す。地
図52の円は、PC100の現在位置から閾値以下の距離の範囲を示す。判定部150は、地
図52に示すように予定の場所が円の範囲外となるようにPC100が移動した場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。
【0071】
このように、PC100が予定の時間中に予定の場所から離れた場合、予定が早く終了した可能性が高い。判定部150は、PC100が予定の時間中に予定の場所から離れると通常モードに切り替える決定をすることで、予定が早く終了した場合にCPU101のパフォーマンスの制限を解除することができる。以下、PC100が実行する処理の手順について、詳細に説明する。
【0072】
図9は、起動時設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]収集部130は、現在時刻と現在位置とを取得する。例えば、収集部130は、OSの時計から現在時刻を取得する。また、収集部130は、無線通信インタフェース109に基地局21と通信させ、基地局21から受信した電波の方向および強度と、基地局21の設置位置の緯度経度とに基づいて、PC100の現在位置の緯度経度を算出させる。
【0073】
[ステップS12]判定部150は、現在時刻を含む予定を検索する。例えば、判定部150は、DBサーバ200にアクセスし、予定情報211を参照する。そして、判定部150は、開始の項目に設定された開始時刻と、終了の項目に設定された終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定のレコードを予定情報211から検索する。
【0074】
[ステップS13]判定部150は、現在時刻を含む予定があるか否かを判定する。例えば、判定部150は、ステップS12で予定情報211から現在時刻を含む予定のレコードが検索された場合、現在時刻を含む予定があると判定する。また、判定部150は、ステップS12で予定情報211から現在時刻を含む予定のレコードが検索されなかった場合、現在時刻を含む予定がないと判定する。判定部150は、現在時刻を含む予定があると判定した場合、処理をステップS14に進める。また、判定部150は、現在時刻を含む予定がないと判定した場合、処理をステップS15に進める。
【0075】
[ステップS14]収集部130および判定部150は、ステップS11で取得された現在位置と、ステップS12で予定情報211から検索されたレコードとを用いて、環境判定処理を実行する。環境判定処理の詳細については後述する(
図10参照)。そして、処理がステップS16に進む。
【0076】
[ステップS15]判定部150は、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。
[ステップS16]ファン制御部140は、ステップS14またはステップS15で決定したモードでファン108を制御する。例えば、ファン制御部140は、通常モードに決定された場合、CPU温度からグラフ41に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。また、例えば、ファン制御部140は、静音モードに決定された場合、CPU101のパフォーマンスを下げ、CPU温度からグラフ42に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。
【0077】
このように、判定部150は、PC100の起動時に予定情報211を参照し、現在時刻を含む予定がない場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。これにより、判定部150は、大きい音を出してもよい状況では、ファン108を回転を抑制させないことで、CPU101のパフォーマンスを制限しないよう自動で設定できる。
【0078】
図10は、環境判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]判定部150は、予定の場所と現在位置との距離を算出する。例えば、判定部150は、処理に用いる予定情報211のレコードの位置(緯度、経度)の項目に設定された緯度経度と、処理に用いる現在位置の緯度経度との距離を算出する。
【0079】
[ステップS22]判定部150は、ステップS21で算出した距離が閾値以下であるか否かを判定する。判定部150は、距離が閾値以下であると判定した場合、処理をステップS23に進める。また、判定部150は、距離が閾値より大きいと判定した場合、処理をステップS27に進める。
【0080】
[ステップS23]収集部130は、周囲の音を取得する。例えば、収集部130は、マイク38に入力された音を周囲の音として取得する。
[ステップS24]判定部150は、周囲の音から人の声を除去する。例えば、判定部150は、人の声の周波数帯の音声をステップS23で取得された音声から除去する。
【0081】
[ステップS25]判定部150は、周囲の音の大きさが閾値以下であるか否かを判定する。判定部150は、周囲の音の大きさが閾値以下であると判定した場合、処理をステップS26に進める。また、判定部150は、周囲の音の大きさが閾値より大きいと判定した場合、処理をステップS27に進める。
【0082】
[ステップS26]判定部150は、ファン108を制御するモードを静音モードに決定する。そして、処理が終了する。
[ステップS27]判定部150は、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。
【0083】
このように、判定部150は、予定の場所と現在位置との距離が閾値以下であるか否かおよび周囲の音の大きさが閾値以下であるか否かに基づいて、ファン108を制御するモードを決定する。判定部150は、予定の場所と現在位置との距離が閾値以下であるか否かおよび周囲の音の大きさが閾値以下であるか否かを判定することで、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを適切に判定できる。
【0084】
判定部150は、予定の場所と現在位置との距離が閾値以下かつ周囲の音の大きさが閾値以下であると判定した場合、ファン108を制御するモードを静音モードに決定する。これにより、判定部150は、大きい音を出さないことが好ましい状況である場合に、ファン108の回転音を抑えることができる。また、判定部150は、予定の場所と現在位置との距離が閾値より大きいまたは周囲の音の大きさが閾値より大きいと判定した場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。これにより、判定部150は、大きい音を出してもよい状況では、ファン108を回転を抑制させず、CPU101のパフォーマンスを制限しないよう設定できる。判定部150は、このようにしてファン108を制御するモードを自動決定することで、ファン108を適切に制御することができる。
【0085】
なお、周囲の音が大きい場合は大きい音を出してもよい状況であることが多いが、会議や講義等では、ファン108の回転音が人の発言の妨げになることがある。そこで、判定部150は、人の声を除去した周囲の音の大きさが閾値より大きい場合にファン108を制御するモードを通常モードに決定し、閾値以下の場合に静音モードに決定する。これにより、判定部150は、人の声以外の環境音が大きい場合、大きい音を出してもよい状況であると適切に判断し、ファン108を制御するモードを通常モードに決定できる。また、判定部150は、会議や講義等で人が発言している場合でも、大きい音を出さないことが好ましい状況であると適切に判断し、ファン108を制御するモードを静音モードに決定できる。次に、静音モードに設定された場合のPC100の処理について説明する。静音モードに設定されたPC100は、以下の静音モード時監視処理を一定時間おきに実行する。
【0086】
図11は、静音モード時監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]収集部130は、現在時刻と現在位置とを取得する。例えば、収集部130は、OSの時計から現在時刻を取得する。また、収集部130は、無線通信インタフェース109に基地局21と通信させ、基地局21から受信した電波の方向および強度と、基地局21の設置位置の緯度経度とに基づいて、PC100の現在位置の緯度経度を算出させる。
【0087】
[ステップS32]判定部150は、予定が終了したか否かを判定する。例えば、判定部150は、静音モードに設定されたときに参照した予定情報211のレコードの、終了の項目に設定された終了時刻がステップS31で取得した現在時刻より前である場合、予定が終了したと判定する。判定部150は、予定が終了したと判定した場合、処理をステップS33に進める。また、判定部150は、予定が終了していないと判定した場合、処理をステップS35に進める。
【0088】
[ステップS33]判定部150は、現在時刻を含む予定を検索する。例えば、判定部150は、DBサーバ200にアクセスし、予定情報211を参照する。そして、判定部150は、開始の項目に設定された開始時刻と、終了の項目に設定された終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定のレコードを予定情報211から検索する。
【0089】
[ステップS34]判定部150は、現在時刻を含む予定があるか否かを判定する。例えば、判定部150は、ステップS33で予定情報211から現在時刻を含む予定のレコードが検索された場合、現在時刻を含む予定があると判定する。また、判定部150は、ステップS33で予定情報211から現在時刻を含む予定のレコードが検索されなかった場合、現在時刻を含む予定がないと判定する。判定部150は、現在時刻を含む予定があると判定した場合、処理をステップS35に進める。また、判定部150は、現在時刻を含む予定がないと判定した場合、処理をステップS36に進める。
【0090】
[ステップS35]収集部130および判定部150は、ステップS31で取得された現在位置と、静音モードに設定されたときに参照した予定情報211のレコードまたはステップS33で予定情報211から検索されたレコードとを用いて、環境判定処理を実行する。そして、処理がステップS37に進む。
【0091】
[ステップS36]判定部150は、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。
[ステップS37]ファン制御部140は、ステップS35またはステップS36で決定したモードでファン108を制御する。例えば、ファン制御部140は、通常モードに決定された場合、CPU温度からグラフ41に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。また、例えば、ファン制御部140は、静音モードに決定された場合、CPU101のパフォーマンスを下げ、CPU温度からグラフ42に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。
【0092】
このように、判定部150は、静音モードに設定したときの予定が終了し、次の予定がない場合、ファン108を制御するモードを通常モードに決定する。これにより、判定部150は、大きい音を出してもよい状況になると、通常モードに自動で設定できる。
【0093】
また、判定部150は、静音モードに設定したときの予定が終了していない場合、環境判定処理によって、周りの音や現在位置に応じて通常モードまたは静音モードに決定する。環境判定処理では、判定部150は、PC100が予定の場所にない場合、通常モードに切り替える決定をする。これにより、判定部150は、予定が早く終了してPC100が予定の場所から離れた場合、通常モードに切り替え、CPU101のパフォーマンスの制限を解除することができる。
【0094】
また、環境判定処理では、判定部150は、周りの音が閾値より大きい場合、通常モードに切り替える決定をする。これにより、判定部150は、予定のときに周囲の音が大きくなった場合、通常モードに切り替え、CPU101のパフォーマンスの制限を解除することができる。このように、判定部150は、予定の時間中に、大きい音を出してもよい状況になると、通常モードに自動で設定できる。次に、通常モードに設定された場合のPC100の処理について説明する。通常モードに設定されたPC100は、以下の通常モード時監視処理を一定時間おきに実行する。
【0095】
図12は、通常モード時監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]収集部130は、現在時刻と現在位置とを取得する。例えば、収集部130は、OSの時計から現在時刻を取得する。また、収集部130は、無線通信インタフェース109に基地局21と通信させ、基地局21から受信した電波の方向および強度と、基地局21の設置位置の緯度経度とに基づいて、PC100の現在位置の緯度経度を算出させる。
【0096】
[ステップS42]判定部150は、次の予定を検索する。例えば、判定部150は、DBサーバ200にアクセスし、予定情報211を参照する。そして、判定部150は、開始の項目に設定された開始時刻が現在時刻から所定の時間以内であり、現在時刻に最も近いレコードを予定情報211から検索する。なお、判定部150は、開始の項目に設定された開始時刻と、終了の項目に設定された終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定のレコードが予定情報211に登録されている場合、当該レコードを検索する。
【0097】
[ステップS43]判定部150は、次の予定があるか否かを判定する。例えば、判定部150は、ステップS42で予定情報211から予定のレコードが検索された場合、次の予定があると判定する。判定部150は、次の予定があると判定した場合、処理をステップS45に進める。また、判定部150は、次の予定がないと判定した場合、処理をステップS44に進める。
【0098】
[ステップS44]判定部150は、通常モードを継続すると決定する。そして、処理が終了する。
[ステップS45]判定部150は、次の予定開始時刻まで待機する。例えば、判定部150は、ステップS42で検索されたレコードの開始の項目に設定された開始時刻まで待機する。なお、判定部150は、開始の項目に設定された開始時刻と、終了の項目に設定された終了時刻との間に現在時刻が含まれる予定のレコードが検索された場合、待機せずにステップS46に進む。
【0099】
[ステップS46]収集部130および判定部150は、ステップS41で取得された現在位置と、ステップS42で予定情報211から検索されたレコードとを用いて、環境判定処理を実行する。
【0100】
[ステップS47]ファン制御部140は、ステップS46で決定したモードでファン108を制御する。例えば、ファン制御部140は、通常モードに決定された場合、CPU温度からグラフ41に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。また、例えば、ファン制御部140は、静音モードに決定された場合、CPU101のパフォーマンスを下げ、CPU温度からグラフ42に基づいてファン回転数を特定し、特定した回転数でファン108を回転させる。
【0101】
このように、判定部150は、予定の時間外に通常モードに設定されている場合、次の予定の開始時刻になるまで待機し、次の予定の開始時刻になると環境判定処理を実行する。また、判定部150は、予定の時間中に通常モードに設定されている場合、一定時間おきに環境判定処理によって、周りの音や現在位置に応じて通常モードまたは静音モードに決定する。環境判定処理では、判定部150は、PC100が予定の場所にあるかつ周りの音が閾値以下である場合、静音モードに切り替える決定をする。
【0102】
これにより、判定部150は、予定に送れて到着する等、予定時間中にPC100が予定の場所に移動した場合、静音モードに自動で切り替えファン108の回転音を抑えることができる。また、判定部150は、予定のときに周囲の音が小さくなった場合、静音モードに切り替えファン108の回転音を抑えることができる。このように、判定部150は、予定の時間中に、大きい音を出さないことが好ましい状況になると、静音モードに自動で設定できる。
【0103】
第2の実施の形態によれば、ファン108は、回転することによってハードウェアを冷却する。無線通信インタフェース109は、現在位置を取得する。判定部150は、予定の時間と予定の場所とが登録された予定情報211を参照し、現在位置と予定の場所とが一致するか否かおよび現在時刻が予定の時間に含まれるか否かに基づいて、ファン108の回転を抑制するか否かを決定する。これにより、PC100は、ファン108を適切に制御することができる。
【0104】
また、ファン108、CPU101を冷却し、CPU101は、ファン108の回転を抑制すると決定した場合に、パフォーマンスを下げて作動する。これにより、PC100は、抑制されたファン108の回転によってCPU101を冷却できる。
【0105】
また、判定部150は、現在位置と予定の場所とが一致し、現在時刻が予定の時間に含まれる場合、ファン108の回転を抑制すると決定し、予定の時間に現在位置が予定の場所と一致しなくなった場合、ファン108の回転を抑制しないと決定する。これにより、PC100は、予定が行われるときにファン108を制限し、予定が早く終了した場合、ファン108の制限を解除することができる。
【0106】
また、判定部150は、DBサーバ200にアクセスし、DBサーバ200に記憶された予定情報211を参照する。これにより、PC100は、他の装置と共有可能な予定に基づいて、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを判定できる。
【0107】
また、判定部150は、マイク38が取得した音の大きさに基づいて、ファン108の回転を抑制するか否かを決定する。これにより、PC100は、周囲の音の大きさに基づいて、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを判定できる。
【0108】
また、判定部150は、マイク38が取得した音から人の声を除去した音の大きさに基づいて、ファン108の回転を抑制するか否かを決定する。これにより、PC100は、環境音の大きさに基づいて、大きい音を出さないことが好ましい状況であるか否かを判定できる。
【0109】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 予定情報
10 情報処理装置
11 ファン
12 位置取得部
13 処理部