(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165041
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】水中油型睫毛用化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20241121BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20241121BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241121BHJP
A61K 8/895 20060101ALI20241121BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20241121BHJP
A61Q 5/04 20060101ALI20241121BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/06
A61K8/37
A61K8/895
A61K8/891
A61Q5/04
A61Q5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080861
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】592106155
【氏名又は名称】ジェイオーコスメティックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】須藤 楓
(72)【発明者】
【氏名】渡邉(白幡) 展佳
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB132
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC442
4C083AC542
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD492
4C083AD662
4C083BB11
4C083BB12
4C083CC34
4C083DD33
4C083EE25
(57)【要約】
【課題】 高いカール効果、ボリューム効果を有しながらも、更にセパレート性に優れた水中油型睫毛用化粧料を提供する。
【解決手段】 (A)油溶性樹脂を1~12質量%と、(B)融点が50~120℃の固形油を3~10質量%と、(C1)融点が10~50℃未満の低融点シリコーンワックスと、(C2)融点が50~110℃の高融点シリコーンワックスと、を含有し、成分(C1)と成分(C2)の総量が1~10質量%であり、成分(C1)と成分(C2)の割合(質量比)(C1)/(C2)が1~5であり、成分(A)と成分(B)の総量と、成分(C1)と成分(C2)の総量の割合(質量比)[((A)+(B))/((C1)+(C2))]が2以上である、水中油型睫毛用化粧料を用いる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)油溶性樹脂を1~12質量%と、
(B)融点が50~120℃の固形油を3~10質量%と、
(C1)融点が10~50℃未満の低融点シリコーンワックスと、
(C2)融点が50~110℃の高融点シリコーンワックスと、を含有し、
成分(C1)と成分(C2)の総量が1~10質量%であり、
成分(C1)と成分(C2)の割合(質量比)(C1)/(C2)が1~5であり、
成分(A)と成分(B)の総量と、成分(C1)と成分(C2)の総量の割合(質量比)[((A)+(B))/((C1)+(C2))]が2以上である、水中油型睫毛用化粧料。
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の総量と、成分(C1)と成分(C2)の総量の割合(質量比)[((A)+(B))/((C1)+(C2)]]が2.5~4.5である、、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
成分(B)の融点が50~120℃の固形油が、カルナウバロウを含む、請求項1に記載の化粧料。
【請求項4】
カルナウバロウの配合量が、固形油全量の50質量%以上である請求項3に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型睫毛用化粧料に関し、さらに詳しくは、高いカール効果およびボリューム効果を有しながらも、セパレート性にも優れた水中油型睫毛化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラに代表される睫毛用化粧料は、睫毛を上にカールすることや、睫毛を太くみせることで目元をはっきりさせるといった化粧効果を有している。従来、これらの睫毛用化粧料として、油性タイプ、油中水型や水中油型の乳化タイプ、水性タイプなど、種々の剤型のものが知られているが、最近では、専用のリムーバーを用いずに温水で簡単に除去することができる皮膜形成性ポリマー配合の水中油型の乳化タイプのマスカラが人気を博している。
【0003】
マスカラは、睫毛を上にカールすること、睫毛を太く見せることで、目元をはっきりさせるといった化粧効果を基本的な性能として要求されている。これらの効果を高めるために、油溶性樹脂や高融点のワックスを配合するが、特に水中油型睫毛化粧料においては、これらの成分を高濃度で配合すると、睫毛が束付きしてセパレート性が損なわれ、ダマも発生しやすくなるため、高いカール効果およびボリューム効果と、セパレート性を両立することは難しい。
【0004】
例えば、特許文献1には、曳糸性を有する水溶性高分子と低融点の固形/ペースト状の長鎖(アルキル変性/アルコキシ変性)オルガノポリシロキサンを併用した水中油型睫用化粧料が開示されているが、カール力やセパレート性が必ずしも十分ではない。
【0005】
また、特許文献2には、高融点と低融点のシリコーンワックスを併用した化粧料が開示されているが、カール力やボリュームが十分ではない。
【0006】
さらに、特許文献3には、キャンデリラレジンと低融点の固形/ペースト状の長鎖(アルキル変性/アルコキシ変性)オルガノポリシロキサンを併用した水中油型睫用化粧料が開示されているが、セパレート性が十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-088112号公報
【特許文献2】特開2005-145886号公報
【特許文献3】特開2007-262034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
水中油型睫毛用化粧料の効果を高めるために、油溶性樹脂や高融点のワックスを配合するが、高濃度で配合すると、睫毛が束付きしてセパレート性が損なわれ、ダマも発生しやすくなるため、高いカール効果およびボリューム効果と、セパレート性を両立することは難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、油溶性樹脂、高融点のワックス、低融点シリコーンワックス、および高融点シリコーンワックスを特定の比率に調整し配合することにより、上記課題を解決するものである。
【0010】
すなわち、本発明は、以下に示すものである。
[1] (A)油溶性樹脂を1~12質量%と、
(B)融点が50~120℃の固形油を3~10質量%と、
(C1)融点が10~50℃未満の低融点シリコーンワックスと、
(C2)融点が50~110℃の高融点シリコーンワックスと、を含有し、
成分(C1)と成分(C2)の総量が1~10質量%であり、
成分(C1)と成分(C2)の割合(質量比)(C1)/(C2)が1~5であり、
成分(A)と成分(B)の総量と、成分(C1)と成分(C2)の総量の割合(質量比)[((A)+(B))/((C1)+(C2))]が2以上である、水中油型睫毛用化粧料。
[2] 成分(A)と成分(B)の総量と、成分(C1)と成分(C2)の総量の割合(質量比)[((A)+(B))/((C1)+(C2)]]が2.5~4.5である、[1]に記載の化粧料。
[3] 成分(B)の融点が50~120℃の固形油が、カルナウバロウを含む、[1]に記載の化粧料。
[4] カルナウバロウの配合量が、固形油全量の50質量%以上である[3]に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、水中油型睫毛用化粧料に求められる、高いカール効果、ボリューム効果を有しながらも、更にセパレート性に優れた水中油型睫毛用化粧料を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に用いられる成分(A)の油溶性樹脂としては、油成分に溶解するものであれば特に制限はないが、例えば、水添ロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリット等のロジン酸系樹脂;キャンデリラ樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン等を挙げることできる。好ましくは、水添ロジン酸グリセリル、キャンデリラ樹脂を挙げることができる。なお、本発明における油溶性樹脂には、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン系樹脂は含まないものとする。これらの成分(A)は、単独で用いても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
本発明の水中油型睫毛用化粧料における成分(A)の割合としては、1~12質量%、好ましくは3~7質量%、より好ましくは4~6質量%を挙げることができる。成分(A)が1質量%以上となることによって、良好なカール効果およびボリューム効果が得られ、12質量%以下とすることにより適度のセパレート性を有する。
【0014】
本発明に用いられる成分(B)の融点が50~120℃の固形油としては、特に制限はないが、例えば、カルナウバロウ、サラシミツロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、コメヌカロウ、ラノリン、モクロウ、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、水添ホホバ油、硬質ラノリン、セラックロウ、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、硬化油、硬化ヒマシ油、ホホバエステル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げることできる。好ましくは、カルナウバロウ、サラシミツロウを挙げることができる。これらの成分(B)としては、単独で用いても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明の水中油型睫毛用化粧料における成分(B)の割合としては、3~15質量%、好ましくは5~12質量%、より好ましくは3~10質量%を挙げることができる。成分(B)を3質量%以上とすることにより、適度なカール効果、ボリューム効果が得られ、15質量%以下とすることにより、良好なセパレート性を有することとなる。
【0016】
成分(B)の融点が50~120℃の固形油の中でも特にカルナウバロウは、カール効果を効果的に向上させることができるため、特に好ましい。カルナウバロウの成分(B)における割合は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
【0017】
本発明に用いられる成分(C1)の融点が10~50℃未満のシリコーンワックスとしては、25℃において固形またはペースト状のものであれば特に制限はないが、例えば、長鎖アルキル変性アクリル-シリコーングラフト共重合体、アルキル変性ジメチルポリシロキサン、アルキル変性ジメチコンコポリオール等を挙げることができ、例えば、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、ステアリルジメチコン、ビスステアリルジメチコンを挙げることができる。好ましくは、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーを挙げることができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(C2)の融点が50~110℃のシリコーンワックスとしては、25℃において固形のものであって、融点が規定する範囲内のものであれば特に制限はないが、例えば、アルキル(C30~45)メチコン、アルキル(C30~45)ジメチコンを挙げることができる。好ましくは、アルキル(C30~45)メチコンを挙げることができる。
【0019】
本発明の水中油型睫毛用化粧料における成分(C1)と成分(C2)の化粧品に配合される総量としては、1~10質量%、好ましくは2~8質量%、より好ましくは3~6質量%を挙げることができる。
【0020】
成分(C1)と成分(C2)の割合[(C1)/(C2)(質量比)]は好ましくは1~5、より好ましくは1~3を挙げることができる。[(C1)/(C2)(質量比)]の値が質量比を5以下とすることにより、適度なセパレート性を有するものとなる。質量比を1以上とすることによりボリューム効果が良好となる。
【0021】
本発明において、成分(A)と成分(B)の総量と、成分(C1)と成分(C2)の総量の割合(質量比)[((A)+(B))/((C1)+(C2))]は2以上を挙げることができる。好ましくは2.5~4.5、より好ましくは2.9~3.5を挙げることができる。[((A)+(B))/((C1)+(C2))]の値が2以上となることにより、ボリューム効果が良好となり、5以下とすることによりセパレート性が良好となる。
【0022】
本発明の水中油型睫毛用化粧料には、成分(A)~(C)の他に、水溶性成分、油溶性成分、界面活性剤、賦形剤、被膜形成ポリマー等を本発明の効果を奏する範囲で配合することができる。
【0023】
水溶性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば特に制限はないが、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1 , 3 - ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等及び水が挙げられる。
【0024】
油溶性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び半固形油、揮発性油等の性状を問わず、成分(A)~(C)以外の、炭化水素類、油脂類、エステル油類、高級アルコール類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ( コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 等のエステル類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の25℃で液状である高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、トリメチルシロキシケイ酸、部分架橋オルガノポリシロキサン、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリプロピルシルセスキオキサン、フッ素変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、シリコーンデンドリマー変性樹脂化合物等のシリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0025】
界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩α-スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-メチル-N-アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、ο-アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N-ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N-トリアルキル-N-スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N-ジアルキル- N,N-ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2-アルキル-1-ヒドロキシエチル-1-カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
【0026】
賦形剤としては、特に制限はないが、例えば、板状、紡錘状、針状、繊維状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N - アシルリジン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
【0027】
被膜形成ポリマーとしては、特に制限はないが、水溶性高分子、水不溶性高分子の水分散物であるポリマーエマルション等が挙げられる。水溶性高分子の例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0028】
ポリマーエマルションの具体例としては、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、スチレン・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、酢酸ビニル重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキルジメチコン共重合体エマルション等が挙げられる。
【0029】
本発明の水中油型睫毛用化粧料の製造方法としては、通常行われる手順に従い行われる。例えば、(A)、(B)、(C1)、(C2)の各成分の他、任意の化粧料成分を融点以上の温度で混合、撹拌し、容器に充填することにより、製造される。
【実施例0030】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
表1に示す成分を用いて、水中油型睫毛用化粧料を製造した。製造した水中油型睫毛用化粧料を10名の専門パネルにより、「カール効果」、「ボリューム効果」、「セパレート性」について、評価を行った。
評価方法は、以下のとおりである。
(評価方法a~c)
下記評価項目a~cについて、評価者10名が自身の睫毛に各試料を塗布し、下記(1)に示す評価基準に基づき0~6の7段階で評点を付けた。評価者10名の評点の合計を算出し、下記(2)に示す4段階判定基準により水中油型睫毛用化粧料としての性能を判定した。
結果を表2に示す。
【0031】
(評価項目)
a.カール効果
b.ボリューム効果
c.セパレート性
【0032】
(1)評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
【0033】
(2)4段階判定基準
(判定):(評点の合計点)
◎:合計点が46~60点
○:合計点が31~45点
△:合計点が16~30点
×:合計点が0~15点
【0034】
【0035】
【0036】
表1、表2の結果から明らかなように、実施例1~8の水中油型睫毛用化粧料(マスカラ)は、比較例1~5の水中油型睫毛用化粧料に比べてカール効果、ボリューム効果、セパレート性に優れることが確認された。一方、成分(C1)と成分(C2)の割合(質量比)(C1)/(C2)が1未満である比較例1および比較例4の水中油型睫毛用化粧料は、ボリューム効果が十分ではなく、また成分(C2)を含有しない比較例2は、セパレート性において満足する物ではなかった。また、成分(C1)と成分(C2)を共に含有しない比較例3の水中油型睫毛用化粧料は、セパレート性において満足するものではなかった。また成分(A)を含有しない比較例6の水中油型睫毛用化粧料は、セパレート性において満足するものではなく、成分(A)に代わりトリメチルシロキシケイ酸を配合した比較例5の水中油型睫毛用化粧料は、ボリューム効果、およびセパレート性において満足する物ではなかった。成分(B)の配合量が少ない比較例7の水中油型睫毛用化粧料には、ボリューム効果が劣る結果であった。