(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165056
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】画像読取装置および画像読取方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241121BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20241121BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04L67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080884
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩崇
(72)【発明者】
【氏名】ホワン ティズン
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】ブラウザーでスキャンするシステムにおいて、スキャンまでの手順を少なくする。
【解決手段】ネットワークを介して情報処理装置400から接続可能な画像読取装置100であって、情報処理装置400のWebブラウザーからのリクエストに対しレスポンスを返すWebサーバーと、WebブラウザーでWebサーバーにアクセスするためのURLを生成するURL生成部とを備え、Webブラウザーから生成されたURLへのアクセスがあると、画像読取を開始し、読み取った画像データを、生成されたURLに紐づいて設定された送信先に送信することを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して情報処理装置から接続可能な画像読取装置であって、
前記情報処理装置のWebブラウザーからのリクエストに対しレスポンスを返すWebサーバーと、
前記Webブラウザーで前記WebサーバーにアクセスするためのURLを生成するURL生成部と
を備え、
前記Webブラウザーから前記URLへのアクセスがあると、画像読取を開始し、読み取った画像データを、前記URLに紐づいて設定された送信先に送信することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記Webサーバーは、前記画像読取装置における画像読取の読取設定が可能な画面情報を前記レスポンスとして前記Webブラウザーに返し、
前記画面情報には、前記Webブラウザーのお気に入り機能として登録することが可能なお気に入り登録ボタンが含まれ、
前記お気に入り登録ボタンが選択されたことに基づき、前記読取設定と紐づけられたお気に入りURLを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記お気に入りURLに対する前記Webブラウザーからのアクセスがあったと判断すると、画像読取を開始し、読み取った画像データを、前記URLに紐づいて設定された送信先に送信することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記URLに対するアクセスが、該URLを生成してから2回目以降のアクセスである場合には、前記お気に入り機能として登録された前記URLに対する前記Webブラウザーからのアクセスがあったと判断することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記お気に入りURLへの初回のアクセスである場合には、お気に入り登録される読取設定に関する情報を表示した画面をレスポンスとして前記Webブラウザーに返すことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
ネットワークを介して情報処理装置と画像読取装置とを接続する接続工程と、
前記情報処理装置のWebブラウザーからのリクエストに対し前記画像読取装置のWebサーバーからレスポンスを返すレスポンス工程と、
前記Webブラウザーから前記WebサーバーにアクセスするためのURLを生成するURL生成工程と、
前記URLに対する前記Webブラウザーからのアクセスに応じて画像読取を開始する読取工程と、
前記読取工程で読み取った画像を前記URLに紐づいて設定された送信先に送信する送信工程とを有することを特徴とする画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置における画像読取制御、画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿台に置かれた原稿を搬送して画像を読み取る画像読取装置において、画像読取装置内でWebサーバーが起動しており、そのWebサーバーに情報処理装置のブラウザーでアクセスできるものが開示されている。ブラウザー上の画面には、ユーザー名とパスワード入力部を備えたログイン画面が表示され、ユーザーがログインを行うことで、そのユーザインタフェース画面を通じて画像を入出力できる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ユーザーはスキャンをするために、ブラウザーを開き、ログイン処理を行った後、スキャンボタンを押す手順を行わなければならず手間である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を鑑み、本発明に係る画像読取装置は、
ネットワークを介して情報処理装置から接続可能な画像読取装置であって、
前記情報処理装置のWebブラウザーからのリクエストに対しレスポンスを返すWebサーバーと、
前記Webブラウザーで前記WebサーバーにアクセスするためのURLを生成するURL生成部と
を備え、
前記Webブラウザーから前記URLへのアクセスがあると、画像読取を開始し、読み取った画像データを、前記URLに紐づいて設定された送信先に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
スキャン画像取得までの手順を削減でき、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図10】お気に入り用URLを受信したときのWebサーバー203の動作フロー
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態は例示であり、本発明を各実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0009】
図1は、第一実施形態に係る画像読取装置100の概略的な構成図である。原稿台102は、読取対象の原稿101を積載収納する。
【0010】
原稿台102上の原稿は、原稿台原稿検知センサ110によって検出され、給紙ローラ106により一枚ずつ分離されて搬送路108に送り出され、搬送ローラ107によって搬送路108に沿って搬送されながら画像を読み取られたのち、排出部103に排出される。
【0011】
排出部103は画像読取処理を終えた原稿101を積載収納し、排出部原稿検知センサ111にて排紙原稿の有無を検出する。
【0012】
レジストセンサ109は、搬送路108を搬送される原稿101を検出する。レジストセンサ109が原稿101を検出すると、画像読取ユニット104は、原稿上に形成された画像の読み取りを開始する。
【0013】
本実施形態において、画像読取ユニット104は、搬送路108の両側に2つ設けられており、一方が原稿101の表面を、他方が原稿101の裏面を読み取る。なお、画像読取ユニット104を1つのみとする構成であっても良い。各画像読取ユニット104の対向位置には、背景板105がそれぞれ設けられている。背景板105は、例えば、黒色の部材である。排紙口センサ112は、原稿101が搬送路108に残っているか、排出部103に排出されたかを検出する。
【0014】
画像読取ユニット104の内部には、ラインイメージセンサ1043(
図2参照)と、発光部1044a(
図2参照)が設けられている。ラインイメージセンサ1043は原稿101の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に延設され、主走査方向の1ライン分の画像を一度に読み取る。ラインイメージセンサ1043は、例えば、CCDラインセンサやコンタクトイメージセンサである。発光部1044aは、ラインイメージセンサ1043と略平行に延設されており、例えば、複数のLEDからなるLEDアレイにより構成される。発光部1044aが照射し、原稿101で反射した反射光をラインイメージセンサ1043により受光・検出して原稿101上の画像を読み取る。
【0015】
図2は、本実施形態に係る画像読取装置100の制御構成を示す図である。画像読取装置100の制御部10は、CPU11を備え、CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムを実行し、画像読取装置100全体の制御を行う。ROM12には、CPU11が実行するプログラムや固定的なデータが記憶される。RAM13には、ラインイメージセンサ1043が読み取った画像データや、CPU11の演算結果といった可変データが記憶される。ROM12及びRAM13は他の記憶デバイスであっても良い。
【0016】
制御部10の入出力I/F14には、発光部1044aを駆動する駆動回路24や、ラインイメージセンサ1043が読み取った画像に対してシェーディング補正等の画像処理を行う画像処理回路26が接続される。なお、ADC25は、ラインイメージセンサ1043が出力するアナログ画像信号をデジタル画像データに変換するアナログ・デジタル変換器である。CPU11は、画像処理回路26から出力される画像データを取得する。
【0017】
通信I/F15は、使用者が操作する情報処理装置である端末400と接続するためのインタフェースであり、例えば、USBインタフェースやSCSIインタフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインタフェースの他、通信I/F15は無線通信のインタフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインタフェースを備えていてもよい。画像読取装置100が読み取った画像データは、通信I/F15経由で端末400に出力される。
【0018】
制御部10には、原稿台原稿検知センサ110と排出部原稿検知センサ111発光部121を構成する、発光部121を駆動する駆動回路123や、受光部122が受光したアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換器124が接続されている。
【0019】
操作部125は画像読取装置100のステータスや設定を表示や変更を行うように表示機と入力機とで構成され、制御部10はその表示内容や入力の制御を行う。本実施形態では、表示機に液晶パネル、入力機にタッチパネルといった汎用な構成を例に説明するが、グラフィカルなユーザインタフェースであればどのような機器でもかまわない。
【0020】
次に、画像読取装置100が実行する処理について説明する。画像読取装置100は、例えば、操作部125の操作により、または、端末400を介して、ユーザーが読み取り開始を指示した場合に原稿101の読み取りを開始する。CPU11はまず給紙ローラ106を駆動して原稿101の搬送を開始する。レジストセンサ109によって原稿101が画像読取ユニット104の読取位置に到達したことが検出されると、CPU11は、発光部1044aの発光を制御し、ラインイメージセンサ1043を駆動して原稿101の画像を読み取る。
【0021】
図3は、ネットワーク上に接続されている装置の構成図である。端末400には、Webブラウザー(以下、ブラウザー)がインストールされており、ユーザーは、ウブラウザーを介して画像読取装置100を操作する。ユーザーがブラウザーで画像読取装置100にアクセスすると、
図6(a)の画面が表示される。
【0022】
図4は、画像読取装置100の中のソフトウェア構成である。画像読取装置100が起動すると、まず内部のOSが起動し、その後、Webサーバー203が起動し、常駐する。常駐中は、外部からのリクエストを待っている。Webサーバー203は、端末400のブラウザーからのリクエストにレスポンスを返す。Webサーバー203が起動した後で、UI表示アプリケーション205が起動し、画像読取装置100に設けられた操作部125に操作画面を表示する(
図5参照)。スキャンアプリケーション201は、Webサーバー203がユーザー操作によりスキャン開始命令を受け付けると実行される。ジョブアプリケーション200はUI表示アプリケーション205がユーザー操作によりスキャン開始命令を受け付けると実行される。スキャンアプリケーション201とジョブアプリケーション200は、スキャナードライバー202を介して、画像読取装置100を制御する。
【0023】
次に、
図5を用いて操作部125について説明する。操作部125は液晶画面である。UI表示アプリケーション205が、Startボタン401、ジョブ選択ボタン上おくり402、ジョブ選択ボタン下おくり403、ジョブ番号表示部404を表示する。これらのボタンを利用してユーザーはジョブ番号を選択し、Startボタン401を押すと、後述するジョブ設定に応じて、ジョブアプリケーション200がジョブを開始する。
【0024】
図6(a)は、ブラウザー300でWebサーバー203にアクセスしたときの初期画面であり、ログイン画面である。この画面上部には、タイトル表示部301とURL表示部302が設けられている。また、ログイン名入力用エディットボックス303とパスワード入力用エディットボックス304とログインボタン305が配置されている。画面右上の×ボタンで示した終了ボタン306を押すとブラウザーが終了する。
【0025】
ユーザーは、ログイン名入力用エディットボックス303とパスワード入力用エディットボックス304のそれぞれに、ログイン名とパスワードを入力し、ログインボタン305を押すと、Webサーバー203は、ログイン名とパスワードをチェックする。これらが正しければ
図6(b)に示す、スキャン設定が可能な画面情報であるスキャン設定画面をレスポンスとして返す。ログイン名とパスワードが違う場合、「ユーザー名またはパスワードが違います」エラーダイアログ(不図示)が表示され、ログイン画面のままとなる。
【0026】
図6(b)のスキャン設定画面では、スキャン設定(画像読取設定)を各項目から選択できる。スキャン設定として選択可能な項目は、カラーモード選択メニュー307(選択肢:カラー・グレー・白黒)、解像度選択メニュー308(選択肢:100DPI、300DPI)、用紙サイズ選択メニュー309(選択肢:A4、レター)、片面・両面選択メニュー310(選択肢:片面、両面)、ファイル形式選択メニュー311(選択肢:PDF、JPEG)がある。選択肢は、すべてプルダウンメニューなどのコンボボックスなどで表示される。
【0027】
ユーザーは、スキャン設定を選択後、スキャンボタン312を押すと、スキャンアプリケーション201が、スキャンを開始する。スキャンした画像はブラウザー300に表示されるスキャン画像ダウンロード用画面(不図示)に表示され、ブラウザー300を通して端末400にダウンロードされる。もしくは、ダウンロード用画面や他の画面で指定した送信先に送信される。
【0028】
一方、
図6(b)のスキャン設定画面でユーザーがジョブボタン314を押すと、
図6(c)のジョブ登録画面に移動する。ジョブ登録画面では、ジョブ番号入力エディットボックス315と、送信先設定としてスキャン画像を画像読取装置100から送信する送信先入力エディットボックス316と送信先にアクセスするためのユーザー名とパスワードの入力エディットボックス318が設けられている。ジョブ番号は任意の数(例えば、1から99まで)を入力できる。ユーザーが登録ボタン319を押すと、画像読取装置100は、
図6(b)のスキャン設定画面で設定されていた各設定項目と
図6(c)の送信先設定をまとめてジョブ番号と関連づけて記憶する。削除ボタン330を押すと、対象のジョブ番号として登録されたジョブが削除される。
【0029】
なお、このジョブ登録は、画像読取装置100とUSBやネットワークで接続された他の情報処理装置からも実行可能となっている。このとき、いずれの登録方法によって登録されたかに関わらず、
図6(c)のジョブ登録画面において、ジョブ番号を指定すると、対象のジョブ番号に関連づけて記憶されたジョブの設定情報が表示されるように構成しても良い。この場合、スキャン設定項目を確認するためのボタンを設けても良い。
【0030】
ユーザーが
図6(b)の「お気に入りに登録する」ボタン313を押すと、お気に入り登録用の画面(
図8)が表示される。お気に入り登録用画面については後述する。
【0031】
次に、
図7のフローチャートを用いてスキャン動作について説明する。スキャンアプリケーション201は、Webサーバー203から起動され、待機している(S1031)。スキャン命令を受信すると、次いであるいは同時にスキャン設定を受信する(S1032)。
【0032】
次にスキャン開始の準備動作を行う。ここではシェーディングデータや背景データなど画像を作るための情報を取得する(S1033)。準備動作が終わると、スキャンを開始する(S1034)。スキャンが開始すると、まず原稿台102に原稿があるかを確認する(S1035)。原稿がある場合(S1035でYes)、スキャンを行う(S1036)。スキャン中は、重送などのエラーが発生していないか確認し(S1037)、エラーが発生していた場合(S1037でYes)、エラーを通知し(S1038)、終了する(S1039)。S1037でエラーが発生しなかった場合(S1037でNo)、画像を送信する(S1040)。なお、画像を送信するとは、例えば読み取った画像を表示してダウンロードすることが可能なダウンロード画面を表示させることを含む。原稿台102から原稿がなくなると(S1035でNo)、原稿なしを示すエラーを通知し(S1038)、終了する(S1039)。
【0033】
次に、ジョブアプリケーション200の動作について説明する。
図5に示した操作部125において、ユーザーがジョブ番号を選択し、Startボタン401を押すと、UI表示アプリケーション205がスキャンアプリケーション201を起動し、スキャンアプリケーション201から画像を取得する。次に、UI表示アプリケーション205は、取得した画像を引数にジョブアプリケーション200を起動する。ジョブアプリケーション200は、画像を送信設定に応じて送信する。本実施形態では画像をSMBプロトコルでネットワーク上のPCの共有フォルダへ送信している。しかし、これに限らずFTP、SMTPプロトコル、またはこれらに相当する送信を行ってもよい。また、UI表示アプリケーション205が他のアプリケーションを起動することは一例に過ぎず、各アプリケーションは、いずれのアプリケーションやプロセスによって起動されてもよい。
【0034】
図8は
図6(b)の「お気に入りに登録する」ボタン313が押された後に表示されるお気に入りスキャン画面である。この画面には、スキャン設定の一覧320が表示されている。なお、この一覧320にはスキャン設定のすべてが含まれておらず、一部のみが表示されていてもよい。また、画面下部に「この画面をブラウザーのお気に入りに登録してください。お気に入りを選択すると、スキャンが開始し画像が取得できるようになります。」というお気に入り登録することで直接スキャンが実行可能であることの説明事項321を表示し、ユーザーに、この画面をブラウザーのお気に入りリストに登録するように促している。戻るボタン322を押下すると
図6(b)のスキャン設定画面に戻る。
【0035】
図8におけるブラウザーのタイトル表示部301には、「カラー/100dpi/A4/両面/PDF」が表示されている。これは、HTMLの<title>タグの内容である。ユーザーがブラウザーのお気に入りに、
図8の画面を登録すると、お気に入りリストのタイトルが、「カラー/100dpi/A4/両面/PDF」となる。また、URLは画像読取装置100のIPアドレス部分以降、favoriteを先頭に、一意の文字列となるように、生成される。ユーザーは2回目以降このURLにアクセスすると、
図8の画面が表示される代わりに、ブラウザーを通して、読み取った画像を取得するためのダウンロード画面が表示される。換言すると、画像読取装置100は、
図6(b)の「お気に入りに登録する」ボタン313が選択されると、
図8に示したURLを生成し、ブラウザーからの初回のアクセス時にはこの画面を返すとともに、以後のこのURLへのアクセス時には、このURLに含まれるスキャン設定に従って画像の読取動作を実行しつつ、
図8の画面をブラウザーに対して返さずに、この時に読み取った画像のダウンロード画面のURLをブラウザーに返す。なお、2回目以降の
図8に示すURLへのアクセス時、読み取り動作が完了するまでの間はブラウザーに対し、スキャン中画面(例えば、「スキャン中」の表記とスキャン完了枚数が都度更新されながら表示される)を返してもよい。その後は
図7のS1035に進み、以後の処理を実行すればよい。
【0036】
なお、
図8の画面のURLが一意の文字列を含むようにしている理由は、第3者にこのURLを推測できないようにするためである。また、本実施形態においてはこのとき、画像読取装置100、特にWebサーバー203がURL生成部として機能するが、これに限られず、他の構成によってURLを生成してもよい。
【0037】
次に、一意の文字列を含んだURLを生成するルールの一例について説明する。URLの生成処理はWebサーバー203が行う。まず、Webサーバー203は、スキャン設定を羅列した文字列を作成する。例えば、
図8の場合、「color/100dpi/A4/duplex/PDF」となる。さらにログイン名とパスワードを並べて、ハッシュ化した文字列を「color/100dpi/A4/duplex/PDF」の後ろに足す。そして、全体をbase64エンコードする。そして、favorite以降につなげて、http://192.168.0.10/favorite/....の文字列が完成する。
【0038】
また、URLからスキャン設定を取り出すには、前述した手順の逆の手順を行う。そして、ハッシュ化されたログイン名とパスワードを取り出す。認証チェックでは、画像読取装置100内で保存されているログイン名とパスワードをハッシュ化し、これらと、URLから取り出したハッシュ化されたログイン名とパスワードを使って認証チェックを行う。認証チェックでエラーがなければ、URLからスキャン設定を取り出す。認証チェックでエラーが発生した場合、ユーザーに操作部125を介して、エラーを通知する(不図示)。
【0039】
なお、以上説明したURLの生成ルールは一例であり、これに限られない。例えばURL生成時にログイン名やパスワードを使用せずに生成してもよいし、時刻やいずれかのデバイス情報などを用いてもよい。また、URLには一意の識別情報のみが含まれており、その識別情報を画像読取装置100内に記憶されたスキャン設定と紐づけておくことで、URLへのアクセス時に対応するスキャン設定によるスキャンが実行されるように構成してもよい。
【0040】
次に、ユーザーが「お気に入りに登録する」ボタン313を押したときに、
図8の画面が表示されるまでの流れを説明する。ユーザーが「お気に入りに登録する」ボタン313を押すと、Webサーバー203は、スキャン設定とログイン名とパスワードから、一意の文字列を含んだURL(
図8の例: http://192.168.0.10/fovorite/nY2OabYnb=)を作成する。Webサーバー203は、HTTPレスポンスコード「301」と、ヘッダーにLocationをつけてレスポンスを返す。Locationには、今回作成したURLを入れる。レスポンスを受け取ったブラウザーはHTTPレスポンスコード「301」を確認したことでリダイレクトする。リダイレクト先は、ヘッダーのLocationに書かれたURLである。その後、
図8の画面が表示される。
【0041】
次に
図9を用いて、Webサーバー203が、生成したURLへのリクエストを受信したときの動作について説明する。Webサーバー203がリクエストを受信する(S2000)と、このURLへのリクエストの受信が1回目かどうかを確認する(S2001)。1回目の場合、
図8のお気に入りスキャン画面をレスポンスとして返し(S2002)、終了する。
【0042】
このURLへのリクエスト受信が2回目以降は、スキャンアプリケーション201を起動しスキャンを行う(S2003)。スキャンが正常に終了した場合(S2004:no)、読み取った画像をブラウザーに送り(S2005)、終了する。スキャン中にエラーが起きていた場合(S2004:yes)、エラーの内容を表示し、再スキャンができるようにスキャンボタンを配置した画面をブラウザーに返し(S2006)、。終了する。
【0043】
以上により、ユーザーはスキャン設定をブラウザーのお気に入りに登録できる。ユーザーはブラウザーに登録されたお気に入りを選択するだけで、スキャンを開始して画像を取得できるので、スキャン開始、画像取得までの手順が少なく、手間が削減できる。さらにURLに直接アクセスできるショートカットアイコンをデスクトップなどに配置すれば、そのアイコンをクリックするだけでスキャンが開始し画像を取得できるのでさらに手間を削減できる。
【0044】
また、
図6(b)に示す画面において、スキャンボタン312を押せばこの画面で設定されたスキャン設定でスキャンを開始することができるとともに、この画面において「お気に入りに登録する」ボタン313を押せば、お気に入りに登録することができる。すなわち、ブラウザーを介した通常のスキャン動作の中でそのままブラウザーのお気に入りにスキャン設定を登録できるので、利便性を向上することができる。さらに、スキャンボタン312と「お気に入りに登録する」ボタン313の機能を組み合わせたボタンを設け、この画面で設定したスキャン設定によってスキャンの実行とお気に入りの登録の両方が実行可能なように構成してもよい。
【0045】
なお、本実施形態においては、ブラウザーから画像読取装置100にアクセスする際に、ログインを要し、画像読取装置100内で保存されているログイン名とパスワードを用いて
図8の画面のURLを生成する態様について説明したが、これに限られない。すなわち、ブラウザーから画像読取装置100にアクセスする際にログインせずに接続可能に構成し、その後、
図8の画面のURLを生成する際に、ログイン情報を用いずに生成するようにしてもよい。この場合、デバイス情報や時刻情報などを用いて
URLを生成することが好ましい。
【0046】
また、本実施形態では、ユーザーがブラウザーのお気に入りを選択すると、
図6(c)を介して設定したジョブのスキャン設定に従ってスキャンが開始し、画像を取得できるが、これに限らない。予め画像読取装置100に保存されたジョブをお気に入りに登録するように構成してもよい。ジョブには、スキャン設定と画像の送信先が登録されている。この場合、ユーザーは、ブラウザーのお気に入りを選択すると、画像読取装置100がジョブ設定に従ってスキャンを開始し、スキャン画像をURLと紐づいて設定された送信先(例:共有フォルダ)へ送信する。この態様においては、
図8の画面のURLを生成するときは、URLにジョブ番号を含ませて生成する。
【0047】
また、ジョブが削除された場合、ユーザーはブラウザーのお気に入りでアクセスできなくなる。この場合は、ブラウザーは、
図6(c)のジョブ登録画面を表示し、ユーザーに再登録を促す。
【0048】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と共通の構成については同じ符号を用いるとともに説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0049】
図10は、本実施形態に係る画像読取装置500の操作部525である。操作部525は液晶画面である。本実施形態においては、UI表示アプリケーション205が、クイックスキャンを実行するためのURLを含んだ二次元コードを二次元コード表示部406に表示する。
図10は、ジョブ番号表示部404にジョブ番号:01のジョブが表示された状態であり、二次元コード表示部406に表示された二次元コードは、このジョブ番号:01のジョブ情報を含んでいる。この画面で、ジョブ選択ボタン上おくり402やジョブ選択ボタン下おくり403を押すと、ジョブ番号表示部404に表示されるジョブが切り替わり、同時に、二次元コード表示部406に表示する二次元コードも対応するジョブ情報を含んだものに切り替わる。また、操作部525には削除ボタン405も表示しており、押下することでジョブ番号表示部404に表示されたジョブ情報を削除できる。
【0050】
このように、二次元コード表示部406に表示された二次元コードを端末400のカメラなどを利用して撮影し、二次元コードをデコードして得られるURLにアクセスすることができる。このURLは、第一実施形態で説明した
図8の画面のURLに対応する。すなわち、操作部525に表示可能にするために画像読取装置100に対して保存された状態であれば、以後のアクセスを二回目以降のアクセスと判断して、第一実施形態で説明したとおりの動作を実行することが可能である。
【0051】
このとき、
図10に示した操作部525には、ジョブとして画像読取装置100に登録されているものに加えて、
図6(b)の「お気に入りに登録する」ボタン313を介して
図8の画面を表示したURLに対応する二次元コードとスキャン設定を紐づけて表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
15 通信I/F
100 画像読取装置
101 原稿
104 画像読取ユニット
200 ジョブアプリケーション
201 スキャンアプリケーション
202 スキャナードライバー
203 Webサーバー
205 UI表示アプリケーション
400 端末