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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165072
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】半導体回路の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241121BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20241121BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20241121BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L29/78 658L
H01L29/78 653A
H01L29/78 652J
H01L29/78 657D
H01L29/78 652T
H01L29/78 655A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080913
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽山 優介
(57)【要約】
【課題】内蔵ダイオードへのストレスが掛った場合の電気特性変動を抑制できるSiC半導体装置を用いた半導体回路の製造方法を提供する。
【解決手段】SiC基板11を用いて形成されたスイッチング素子を有する複数のSiC半導体装置10が組み込まれる半導体回路の製造方法において、内蔵ダイオードBDへの通電に基づいて生じる電気特性変動の変動加速性を表すパラメータに基づいて、半導体回路に組み込むSiC半導体装置10を選択する。そして、選択されたSiC半導体装置10を組み込んで半導体回路の製造を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素基板(11)を用いて形成された内蔵ダイオード(BD)が含まれるスイッチング素子を有する複数の炭化珪素半導体装置(10)が組み込まれる半導体回路の製造方法であって、
前記内蔵ダイオードへの通電に基づいて生じる電気特性変動の変動加速性を表すパラメータに基づいて、前記半導体回路に組み込む前記炭化珪素半導体装置を選択することと、
選択された前記炭化珪素半導体装置を組み込んで前記半導体回路の製造を行うことと、を含む、半導体回路の製造方法。
【請求項2】
前記変動加速性を表すパラメータは、基底面転位密度と前記内蔵ダイオードへの通電時のホール密度の少なくとも一方が含まれている、請求項1に記載の半導体回路の製造方法。
【請求項3】
前記炭化珪素半導体装置を選択することでは、
前記変動加速性を表すパラメータに基づいて、前記変動加速性を数値化することと、
前記変動加速性の数値の大小に基づいて前記炭化珪素半導体装置をグループ分けすることと、
前記半導体回路が前記複数の炭化珪素半導体装置を並列接続する接続形態とされる場合に、前記グループ分けされた前記炭化珪素半導体装置のグループの中から、少なくとも1つは前記変動加速性の数値が他のグループよりも小さいグループに含まれる前記炭化珪素半導体装置を選択する、請求項1または2に記載の半導体回路の製造方法。
【請求項4】
前記炭化珪素半導体装置を選択することでは、
前記変動加速性を表すパラメータに基づいて、前記変動加速性を数値化することと、
前記変動加速性の数値の大小に基づいて前記炭化珪素半導体装置をグループ分けすることと、
前記半導体回路が前記複数の炭化珪素半導体装置を直列接続する接続形態とされる場合に、前記グループ分けされた前記炭化珪素半導体装置の同じグループもしくは前記変動加速性の数値の大小が1つ異なるグループの範囲内で、前記炭化珪素半導体装置を選択する、請求項1または2に記載の半導体回路の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭化珪素(以下「SiC」ともいう)半導体装置を用いた半導体回路の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体回路に備えられるスイッチング素子としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略称)が形成されたSiC半導体装置がある。このSiC半導体装置は、例えば、n型のSiC基板を用いて形成されている。SiC基板上には、SiC基板よりも低不純物濃度とされたn型のバッファ層が形成され、バッファ層上に、バッファ層よりも低不純物濃度とされたn型のドリフト層が形成されている。また、ドリフト層上には、p型のベース層が配置され、ベース層の表層部には、n型のソース領域が形成されている。そして、ソース領域およびベース層を貫通してドリフト層に達するように複数のトレンチが形成されており、各トレンチには、ゲート絶縁膜およびゲート電極が順に形成されている。
【0003】
このようにしてトレンチゲート構造のMOSFETが構成されている。そして、このような構造のMOSFETが形成されたSiC半導体装置では、ベース層等とドリフト層とのpn接合によって内蔵ダイオードが構成される。
【0004】
この種のSiC半導体装置では、SiC基板に基底面転位(以下「BPD」という)が存在し、このBPDが電気特性変動の要因になっている。具体的には、内蔵ダイオードの駆動によりBPDを起点としてエピタキシャル層に欠陥が拡張し、通電時の電流量が低下する。これにより、SiC半導体装置の電気特性変動が生じる。
【0005】
この電気特性変動を抑制するために、特許文献1では、SiC半導体装置が備えられる回路構成を工夫し、MOSFETに並列接続された還流ダイオードのオン電圧を調整することで大電流がMOSFETの内蔵ダイオードに流れないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-069221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では回路構成を工夫して内蔵ダイオードへのストレス、つまり通電量や温度の印加を減らすというものであり、ストレスが掛った場合に電気特性変動を抑制することは困難である。
【0008】
本開示は、内蔵ダイオードへのストレスが掛った場合の電気特性変動を抑制できるSiC半導体装置を用いた半導体回路の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の1つの観点は、
SiC基板(11)を用いて形成された内蔵ダイオード(BD)が含まれるスイッチング素子を有する複数のSiC半導体装置(10)が組み込まれる半導体回路の製造方法であって、
内蔵ダイオードへの通電に基づいて生じる電気特性変動の変動加速性を表すパラメータに基づいて、半導体回路に組み込むSiC半導体装置を選択することと、
選択されたSiC半導体装置を組み込んで半導体回路の製造を行うことと、を含んでいる。
【0010】
このように、変動加速性を表すパラメータに基づいて半導体回路に組み込むSiC半導体装置を選択している。これにより、ランダムにSiC半導体装置を選択する場合と比較して、SiC半導体装置の内蔵ダイオードへのストレスが掛った場合のSiC半導体装置の電気特性変動を抑制することが可能となる。
【0011】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態にかかる半導体回路に用いられるSiC半導体装置に形成されたMOSFETの断面図である。
図2】SiC半導体装置における電流経路の説明図である。
図3】内蔵ダイオード近傍におけるBPDに起因する欠陥成長の説明図である。
図4】BPD密度とオン抵抗の変化量ΔVonとの関係を示した図である。
図5】内蔵ダイオードへのストレスと変動加速性の関係を示した図である。
図6A】SiC半導体装置の変動加速性に対応する数値化を行ったリストを示す図表である。
図6B図6Aに示すリストを変動加速性に対応する数値の大小に応じてソートしたリストの図表である。
図7】MOSFETを並列接続する半導体回路の一例を示した回路図である。
図8】MOSFETを直列接続する半導体回路の一例を示した回路図である。
図9】BPD密度の面内分布を示すマップをウェハごとに示した図表である。
図10】SiC半導体装置の各チップのBPD密度のヒストグラムである。
図11】ランダムに2つのSiC半導体装置を選択した場合のBPD密度の関係をプロットした図である。
図12図11中において、電気特性変動のアンバランスの度合と電気特性変動の大小について区画した図である。
図13】MOSFETを並列接続する場合の2つのSiC半導体装置のBPD密度として好ましい関係を示した図である。
図14】MOSFETを直列接続する場合の2つのSiC半導体装置のBPD密度として好ましい関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、例えば図1に示すように、スイッチング素子として、トレンチゲート構造の反転型のMOSFETが形成されたSiC半導体装置10を用いて半導体回路を構成する場合を代表例として説明する。なお、SiC半導体装置10は、図1に示すMOSFETが形成された領域をセル領域として、図示しないがセル領域を囲むようにガードリングなどの外周耐圧構造が形成された外周領域が備えられた構成とされる。そして、これらセル領域および外周領域が備えられたSiC半導体装置10が半導体チップとされ、半導体回路に組み込まれている。
【0015】
なお、説明の便宜上、図1に示すように、後述するSiC基板11の面方向における一方向を「X軸方向」と称し、当該面方向においてX軸方向と直交する方向を「Y軸方向」と称し、当該面方向、すなわちXY平面と直交する方向を「Z軸方向」と称する。
【0016】
〔SiC半導体装置10の構成〕
SiC半導体装置10は、例えばn型のSiC基板11を用いて形成されている。SiC基板11として、例えば、(0001)Si面に対して0~8°のオフ角を有し、窒素やリン等のn型不純物濃度が1.0×1019/cmとされ、厚さが300μm程度とされた基板が用いられる。本実施形態の場合、SiC基板11は、ドレイン領域を構成する。
【0017】
SiC基板11の表面上には、SiCからなるn型のバッファ層12が形成されている。バッファ層12は、必要に応じて形成されるものであり、形成しないこともできる。バッファ層12は、SiC基板11の表面にエピタキシャル成長を行うことによって構成される。バッファ層12は、SiC基板11よりも低不純物濃度とされ、例えばn型不純物濃度がSiC基板11と後述する低濃度層13との間の濃度とされ、厚さが1μm程度とされている。
【0018】
バッファ層12の表面上には、例えばn型不純物濃度が5.0~10.0×1015/cmとされ、厚さが10~15μm程度とされたSiCからなるn型の低濃度層13が形成されている。低濃度層13は、例えば、不純物濃度がZ軸方向において一定とされていてもよいが、濃度分布に傾斜が付けられ、低濃度層13のうちのSiC基板11側の方がSiC基板11から離れる側よりも高濃度となるようにされると好ましい。この低濃度層13も、エピタキシャル成長によるエピタキシャル層で構成される。
【0019】
セル領域における低濃度層13上には、電流分散層14およびディープ層15が形成されている。
【0020】
電流分散層14は、例えばn型不純物層で構成され、厚さが0.5~2μmとされている。電流分散層14のn型不純物濃度は、例えば、1.0×1016~5.0×1017/cmとされている。電流分散層14は、低濃度層13と繋がっている。このため、低濃度層13および電流分散層14によってドリフト層が構成されている。
【0021】
ディープ層15は、セル領域に形成されており、例えばp型不純物濃度が2.0×1017~2.0×1018/cmとされ、厚さが電流分散層14と等しくされている。
【0022】
電流分散層14およびディープ層15は、Y軸方向を長手方向として延設されると共に、X軸方向において交互に複数本並べたレイアウトとされている。なお、電流分散層14およびディープ層15の形成ピッチは、例えば後述するトレンチゲート構造の形成ピッチに合わせてあり、ディープ層15は、後述するトレンチ19を挟むように形成されている。
【0023】
電流分散層14、ディープ層15上には、p型のベース層16が形成されている。そして、セル領域におけるベース層16の表層部には、n型のソース領域17およびp型のコンタクト領域18が形成されている。ソース領域17は、後述するトレンチ19の側面に接するように形成され、コンタクト領域18は、ソース領域17を挟んでトレンチ19と反対側に形成されている。なお、ソース領域17は、不純物領域に相当している。
【0024】
ベース層16は、例えばp型不純物濃度が3.0×1017/cm以下とされている。ソース領域17は、表層部におけるn型不純物濃度、すなわち表面濃度が例えば1.0×1021/cmとされている。コンタクト領域18は、ベース層16の表層部の高濃度領域を構成するものであり、表層部におけるp型不純物濃度、すなわち表面濃度が例えば1.0×1021/cmとされている。
【0025】
このように、SiC半導体装置10のうちの半導体部分は、SiC基板11、バッファ層12、低濃度層13、電流分散層14、ディープ層15、ベース層16、ソース領域17、コンタクト領域18等が積層された構成となっている。以下、SiC半導体装置10のうちの半導体部分におけるソース領域17およびコンタクト領域18側の面をSiC半導体装置10の「一面10a」と称し、SiC基板11側の面をSiC半導体装置10の「他面10b」と称する。
【0026】
SiC半導体装置10には、セル領域に、例えば一面10aからベース層16等を貫通して電流分散層14に達すると共に、底面が電流分散層14内に位置するように、幅が1.4~2.0μmとされた複数のトレンチ19が形成されている。
【0027】
トレンチ19は、例えば、Y軸方向に沿って延びるように複数本が延設されていると共に、X軸方向に等間隔で並べられてストライプ状に形成されている。トレンチ19は、SiC基板11の法線方向から見て、ディープ層15に挟まれるように形成されている。そして、トレンチ19は、例えば、隣接するトレンチ19の中心間の距離、すなわちトレンチピッチが3.0μm以下となるように形成されている。
【0028】
トレンチ19は、例えば、内壁面に形成されたゲート絶縁膜20と、ゲート絶縁膜20の表面に形成されたドープドPoly-Siによって構成されるゲート電極21によって埋め込まれている。これにより、トレンチゲート構造が構成されている。特に限定されるものではないが、ゲート絶縁膜20は、例えば、トレンチ19の内壁面を熱酸化またはCVDで形成される。CVDとは、chemical vapor depositionの略称である。ゲート絶縁膜20は、例えば、厚さがトレンチ19の側面側および底面側で共に100nm程度とされている。
【0029】
ゲート絶縁膜20は、トレンチ19の内壁面以外の表面にも形成されている。具体的には、ゲート絶縁膜20は、例えば、SiC半導体装置10の一面10aのうちソース領域17の表面の一部も覆うように形成されている。言い換えると、ゲート絶縁膜20は、ゲート電極21が配置される部分と異なる部分において、コンタクト領域18およびソース領域17の残部を露出させるコンタクトホール20aが形成されている。
【0030】
ゲート絶縁膜20は、図示しない外周部におけるベース層16の表面にも形成されている。ゲート電極21についても、ゲート絶縁膜20と同様に、図示しない外周部におけるゲート絶縁膜20の表面上まで延設されている。以上のようにして、本実施形態のトレンチゲート構造が構成されている。
【0031】
SiC半導体装置10の一面10a上には、ゲート電極21やゲート絶縁膜20等を覆うように、層間絶縁膜22が形成されている。層間絶縁膜22は、例えば、BPSG等で構成されている。BPSGとは、Borophosphosilicate Glassの略称である。
【0032】
層間絶縁膜22は、コンタクトホール20aと連通してソース領域17およびコンタクト領域18を露出させるコンタクトホール22aが形成されている。コンタクトホール22aのパターンは任意であるが、例えばトレンチ19の長手方向に沿ったライン状とされる。
【0033】
層間絶縁膜22上には、コンタクトホール20a、22aを通じてソース領域17およびコンタクト領域18と電気的に接続されるソース電極23が形成されている。ソース電極23は、図示しない外周部のベース層16の表層部に形成されたコンタクト領域18とも接続されている。
【0034】
SiC半導体装置10の他面10b側には、SiC基板11と電気的に接続されるドレイン電極24が形成されている。このようにして、nチャネルタイプの反転型であるトレンチゲート構造のMOSFETが構成されている。また、MOSFET内には、低濃度層13とベース層16等とのpn接合によって内蔵ダイオードBDが構成される。
【0035】
以上がSiC半導体装置10の基本的な構成例である。SiC半導体装置10は、後述するように、例えば、MOSFETをスイッチング素子として利用する三相モータ駆動用のインバータ回路や、直流負荷の駆動用回路などの半導体回路として用いられる。勿論、これらの用途に限定されるものではなく、他の用途にも適用され得る。
【0036】
〔BPDに起因する欠陥成長〕
上記したように、SiC半導体装置10は、セル領域にトレンチゲート構造のMOSFETおよびpn接合で構成される内蔵ダイオードBDが備えられた構造とされる。そして、SiC基板11、バッファ層12やドリフト層内等にはBPDが存在しており、SiC半導体装置10には、このBPDに起因する欠陥が生じ得る。
【0037】
SiC半導体装置10の等価回路は、図2に示すように、MOSFETおよび内蔵ダイオードBDを有する回路構成として示され、MOSFETがオン時にはドレイン電極24からソース電極23へのオン電流IONが生じる。なお、図2における「S」、「D」、「G」は、それぞれ、ソース電極23、ドレイン電極24、ゲート電極21に対応している。具体的には、ゲート電極21に例えば20Vなどの所定の電圧が印加されると、ベース層16のうちのトレンチ19に接している表面にチャネルが形成され、ソース電極23とドレイン電極24との間にオン電流IONが流れる。
【0038】
その後、SiC半導体装置10は、オフ状態になると、逆バイアスが印加されて逆導通状態となるため、内蔵ダイオードBDが還流ダイオードとして機能し、内蔵ダイオードBDを通じて還流電流IOFFが流れる。このとき、図3の左図に示すように、内蔵ダイオードBDを構成するpn接合のp型層側からn型層側に拡散したホールとn型層中の電子とが再結合する。このホールと電子との再結合エネルギーが大きいため、図3の右図に示すように、BPDが拡張して積層欠陥Dが生じてしまう。そして、この積層欠陥Dは内蔵ダイオードBDへのストレスが積み重なるほど拡張する。以下、このような積層欠陥Dを単に「欠陥D」と称する。この欠陥Dは、オン電流IONおよび還流電流IOFFの妨げとなる。そして、内蔵ダイオードBDへのストレスに応じて欠陥Dが拡張するため、製造された直後、すなわち欠陥Dが生じる前の段階における電気特性に対して、駆動後の電気特性が低下してしまう。
【0039】
〔BPDに起因する電気特性変動が及ぼす影響〕
内蔵ダイオードBDへの通電による電気特性変動は、SiC基板11中に含まれるBPDから生じていることを確認している。そして、素子に含まれるBPD密度に応じて内蔵ダイオードBDへの通電による電気特性の変動量(以下、通電変動量という)が変わる。
【0040】
SiC基板11中のBPD密度の面内分布は、SiC基板11となるウェハ毎に異なっている。このため、半導体回路に組み込むSiC半導体装置10のチップをランダムに選択すると、個々のSiC半導体装置10の通電変動量がまちまちになる。つまり、同一ストレスに対して通電変動量の増大の度合(以下、変動加速性という)にばらつきが生じるため、同じ半導体回路であっても、選択されたSiC半導体装置10の通電変動量がまちまちになり、半導体回路の信頼性のばらつきが大きくなって、信頼性設計上問題になり得る。これに基づき、本発明者らは、SiC半導体装置10を用いた半導体回路の信頼性を確保するためには、SiC半導体装置10の変動加速性に応じて半導体回路に組み込むSiC半導体装置10を選択することが必要であることを見出した。
【0041】
〔半導体回路の製造方法〕
以下、半導体回路の製造方法について、半導体回路に組み込むSiC半導体装置10の製造方法と共に説明する。ただし、トレンチゲート構造のMOSFETの形成等については、公知のSiC半導体製造工程により可能であるため、本明細書ではこれらの詳細を省略する。
【0042】
まず、SiC半導体装置10の変動加速性に応じて半導体回路に組み込むSiC半導体装置10を選択するために、SiC半導体装置10の変動加速性を数値化する。
【0043】
変動加速性については、SiC半導体装置10の構成や使用状況によって変わり、これらを表すパラメータに基づいて変動加速性を数値化できる。具体的には、変動加速性は、BPD密度と内蔵ダイオードBDへの通電時のホール密度を主要因として決まるため、これらを変動加速性に関連するパラメータとして変動加速性を数値化する。
【0044】
特に、BPD密度と電気特性変動とが強い相関があることを確認している。BPD密度が異なるSiC半導体装置10に備えられたMOSFETについて、所定の条件で通電を行った後でMOSFETのオン抵抗Vonの変化量ΔVonを調べると、図4に示す結果となった。
【0045】
BPD密度は拡張して欠陥Dが形成されるもとになる。BPD密度については、SiCインゴットからSiC基板11を構成する複数のウェハの切り出したのち、切り出した複数のウェハに対してKOH(水酸化カリウム)エッチングによってエッチピットを形成し、エッチピットをカウントすることで導出可能である。また、ウェハ状のSiC基板11に対してX線トポロジーやPL(フォトルミネッセンス)イメージング等で画像認識し、定量化することによってもBPD密度を導出可能である。KOHエッチングの場合、ウェハ状のSiC基板11に対して直接KOHエッチングを行う破壊検査になるため、結晶成長させたSiCインゴットの成長方向の両端において切り出したウェハに対して実施する。そして、検査対象となった成長方向の両端よりも内側で切り出されるウェハについては、両端のウェハの検査結果に基づく内挿によりBPD密度を推定している。X線トポロジーやPLイメージング等の場合、非破壊検査となるため、SiCインゴットから切り出したウェハ状のSiC基板11の全てに対して検査することも可能であり、精度良くBPD密度を定量化できる。
【0046】
ホール密度は、大きな値になると欠陥Dの拡張の要因になる。具体的には、ホール密度が所定の閾値を超えると欠陥Dの拡張が開始され、閾値を超えた後はホール密度の大きさに応じて変動加速性が変わる。ホール密度に影響を与える主な因子は、バッファ層12の不純物濃度や膜厚、SiC基板11の不純物濃度、電流分散層14の不純物濃度等のプロセス要因がある。イオン注入によるホールトラップ欠陥の導入などもホール密度の大きさを決める要因となる。また、ホール密度は、SiC基板11を構成するウェハを取り出すSiCインゴットの成長方法が昇華再結晶法であるかガス成長法であるかにも依るし、SiCインゴットもしくはウェハの製造メーカにも依る。製造メーカについては、BPD密度にも決まった傾向を有している。
【0047】
ホール密度については、TCADシミュレーションで導出することができる。あるいは、ホール密度自体を直接測定することはできないが、Simで得られるホール密度とQrrには相関があることが知られており、Qrrについては測定可能であるため、Qrrを測定することでホール密度を定量化できる。ホール密度については、予めSiC半導体装置10と同様の製造プロセスを適用した試料を製造して測定おけば、まだウェハ状のSiC基板11に対してMOSFETなどを作り込む前でも、その試料の測定値を用いることができる。
【0048】
続いて、変動加速性を表すパラメータとしてBPD密度やホール密度の少なくとも1つを用いて、各SiC半導体装置10の変動加速性を数値化し、それをリスト化する。例えば、BPD密度やホール密度をパラメータとする関数式に代入することで変動加速性を数値化できる。例えば内蔵ダイオードBDへのストレス、つまり通電量や温度などに対する変動加速性は図5に示す関係を有する。そして、BPD密度が小さいほど、バッファ層12の不純物濃度や膜厚が大きいほど、電流分散層14やSiC基板11の不純物濃度が大きいほど、ストレスに対する変動加速性は図中矢印A1に示すように小さくなる。逆に、BPD密度が大きいほど、バッファ層12の不純物濃度や膜厚が小さいほど、電流分散層14やSiC基板11の不純物濃度が小さいほど、ストレスに対する変動加速性は図中矢印A2に示すように大きくなる。このような関係に基づいて、BPD密度やホール密度をパラメータとする関数式を設定すれば、変動加速性を数値化できる。
【0049】
そして、数値化を行ったのち、例えば図6Aに示すように各SiC半導体装置10のチップ番号と変動加速性を示す数値とを対応付けたリストを作成する。なお、チップ番号とは、SiC基板11を構成するウェハのどの位置のチップになるものかを示す番号である。
【0050】
その後、図6Bに示すように変動加速性を示す数値に基づいてリストのソートを行い、その上で、変動加速性の数値の大小に基づいてSiC半導体装置10をグループ分けする。例えば、変動加速性の数値の大小の順に4グループに分ける。第1グループは数値1000以下で変動加速性が極小、第2グループは数値3000以下で変動加速性が小、第3グループは数値が5000以下で変動加速性が中、第4グループは数値が5000超えで変動加速性が大というようにグループ分けする。勿論、このときソートすることは必須では無く、各SiC半導体装置10のチップ番号に対応してグループ番号が設定されるだけでも良い。
【0051】
なお、ここではグループ分けする数値の閾値を1000、3000、5000と複数段階設定しておいたが、この数値は任意に設定すれば良い。また、SiC半導体装置10の合計数に基づいて、数値が小さい順から所定割合は第1グループ、次の数値が小さい順から所定割合は第2グループ、さらに次に数値が小さい順から所定割合は第3グループ、残りを第4グループというようにグループ分けしても良い。このときの各グループの割合については一定としても良いし、異なる割合としても良い。また、グループ数についても、4グループではなく、3グループなど他の数としても良い。
【0052】
このようにしてグループ分けを行っておく。そして、ウェハ状態のSiC基板11に対して半導体製造プロセスを実施することでMOSFETなどを構成する各部を作り込み、ダイシングカットすることでチップ単位に個片化されたSiC半導体装置10を製造する。そして、グループ分けされたリストを基に、半導体回路を製造する際に用いるSiC半導体装置10を選択する。
【0053】
具体的には、半導体回路中におけるMOSFETの接続形態に応じてSiC半導体装置10を選択している。
【0054】
例えば、近年進められている大電流化の実現のために、図7に示す半導体回路のように、複数のSiC半導体装置10に備えられたMOSFET31a、32aを並列接続して負荷33の駆動回路などとする場合がある。なお、各MOSFET31a、32aに並列に接続されているのは内蔵ダイオード31b、32bである。
【0055】
このような場合には、変動加速性の大きなSiC半導体装置10のみで半導体回路が構成されないように、他のグループよりも変動加速性の数値が小さなグループから少なくとも1つを選択する。すなわち、変動加速性が小さなもの同士、もしくは小さなものと大きなものを組み合わせてSiC半導体装置10が選択されるようにし、変動加速性が大きなSiC半導体装置10のみが選択されないようにする。上記のように4グループにグループ分けしている場合であれば、すべてのSiC半導体装置10が変動加速性の数値が最も大きい第4グループのみから選択されるという状態にならないようにする。
【0056】
また、図8に示す三相モータ40の駆動などに用いるインバータ50を構成する半導体回路では、各相においてスイッチング素子が直列接続される。具体的には、UVW相それぞれの上アーム51、53、55と下アーム52、54、56のスイッチング素子として複数のSiC半導体装置10に備えられたMOSFET51a~56aが適用され、各相においてMOSFET51a~56aが直列接続される。なお、各MOSFET51a~56aに並列に接続されているのは内蔵ダイオード51b~56bである。
【0057】
このように複数のSiC半導体装置10のMOSFETを直列接続する場合には、変動加速性が近いSiC半導体装置10同士が選択されるようにする。例えば、グループ分けされた各グループの中で同じグループ同士、もしくは隣のグループまでが選択範囲となるようにし、離れたグループのSiC半導体装置10が選択されないようにする。上記のように4グループにグループ分けしている場合であれば、すべてのSiC半導体装置10が第4グループのみから選択されるか、第1グループと第2グループのように隣り合うグループから選択されるようにする。そして、第1グループと第4グループのように離れたグループから選択されないようにする。
【0058】
ここで、SiC半導体装置10におけるBPD密度の分布や、BPD密度を考慮に入れずにランダムに2つのSiC半導体装置10を選択して半導体回路に組み込んだ場合の影響について説明する。
【0059】
結晶成長させたSiCインゴットをスライスしてSiC基板11を構成する6インチウェハを作成し、その中から9枚を抽出してBPD密度の面内分布を調べ、その面内分布を示すマップを作成した。図9は、その結果を示している。この図では、BPD密度が濃淡で示されており、BPD密度が高いほど濃いハッチング表示になっている。この図に示されるように、同じインゴットから切り出したウェハであってもBPD密度の面内分布が異なっている。そして、概ねウェハ中心位置ではBPD密度が低くなっているが、ウェハ外縁位置ではBPD密度が高くなっているものと、それほど高くなっていないものがあり、まちまちになっている。
【0060】
また、抽出した9枚のウェハを9mm□にダイシングしてチップ化すると2016チップ得られる。その各チップのBPD密度を調べてヒストグラムにしたところ、図10の結果が得られた。この図に示されるように、BPD密度が0に近いものの度数が高く、BPD密度が高くなるほど度数が低くなっている。つまり、BPD密度が低いものが多数を占めているが、BPD密度が高いものも含まれていることを示している。
【0061】
したがって、変動加速性を考慮に入れることなくランダムに2つのSiC半導体装置10を選択した場合、変動加速性に規則性がないSiC半導体装置10が選択されることになる。具体的には、2つのSiC半導体装置10それぞれにおけるSiC基板11のBPD密度を調べ、横軸をそのうちの一方のBPD密度BPD1とし、縦軸をもう一方のBPD密度BPD2としてプロットすると、図11に示すようにランダムなプロットになる。
【0062】
図11に示されるようにランダムに2つのSiC半導体装置10が選択された場合、それが組み込まれた半導体回路は以下のような影響を及ぼし得る。
【0063】
例えば、図7に示した半導体回路のように、2つのSiC半導体装置10が並列接続される接続形態の場合を考えてみる。このような接続形態において、両方のSiC半導体装置10が共にBPD密度の高いものであったとする。この場合、一方のSiC半導体装置10で電気特性変動が生じると、他方のSiC半導体装置10に電流集中が生じる。これにより、今度は他方のSiC半導体装置10が電気特性変動を来すことになり、一方のSiC半導体装置10に電流集中が生じるということが繰り返され、場合によっては素子破壊が生じてしまう。
【0064】
これに対して、2つのSiC半導体装置10が共にBPD密度の低いものであれば、いずれのSiC半導体装置10も電気特性変動が生じにくいため、上記の問題は発生し難い。また、2つのSiC半導体装置10のいずれか一方について、BPD密度が高くて電気特性変動が生じたとしても、もう一方についてBPD密度が低くて電気特性変動が生じないため、この場合にも2つのSiC半導体装置10で電気特性変動を繰り返すことはない。
【0065】
これらを纏めると、図11に示した2つのSiC半導体装置10のBPD密度のプロットについて、図12のように概略4つに区画される。図12の左下の区画R1のように2つのSiC半導体装置10のBPD密度が共に低い場合には、半導体回路の電気特性変動が小さく、2つのSiC半導体装置10の間での電気特性変動の仕方のアンバランス度合も小さい。図12の左上の区画R2や右下の区画R3のように2つのSiC半導体装置10の一方はBPD密度が低く、他方はBPD密度が高い場合には、電気特性変動のアンバランス度合はやや大きいものの、電気特性変動が繰り返されないため、半導体回路としての電気特性変動は小さい。図12の右上の区画R4のように2つのSiC半導体装置10の両方ともBPD密度が高い場合には、電気特性変動のアンバランス度合が大きいし、電気特性変動が繰り返されるため、半導体回路としての電気特性変動が大きくなる。
【0066】
したがって、2つのSiC半導体装置10を並列接続する接続形態の場合には、図13に示すように、両方のBPD密度が小さいか、一方のBPD密度が小さいという組み合わせでSiC半導体装置10が選択されるようにすることで電気特性変動を抑制できる。このことから、上記したように、複数のSiC半導体装置10を並列接続する場合には、リスト化したグループの中から変動加速性が小さなもの同士、もしくは小さなものと大きなものを組み合わせてSiC半導体装置10が選択されるようにする。これにより、半導体回路を構成するSiC半導体装置10の電気特性変動を抑制できる。
【0067】
一方、2つのSiC半導体装置10を直列接続する接続形態の場合、同じ電流が流れることになるため、2つのSiC半導体装置10についてBPD密度が大小にかかわらず近い密度に揃っているのが好ましい。例えば、図8に示すインバータを構成する半導体回路の場合、上アームと下アームの電気特性がずれないようにする方が良い。
【0068】
したがって、2つのSiC半導体装置10を直列接続する接続形態の場合には、図14に示すように、両方のBPD密度が大小にかかわらず近似している組み合わせでSiC半導体装置10が選択されるようにする。これにより、2つのSiC半導体装置10の間の電気特性がずれることを抑制できる。このように、複数のSiC半導体装置10を直列接続する場合、リスト化したグループのうち変動加速性が近いグループからSiC半導体装置10が選択されるようにすれば、半導体回路を構成する複数のSiC半導体装置10の間での電気特性変動のずれを抑制できる。
【0069】
このようにして、製造する半導体回路の接続形態に対応したSiC半導体装置10が選択されると、選択されたチップ番号のSiC半導体装置10のチップをピックアップし、それを組み込むようにして半導体回路を形成する。例えば、図8に示すインバータを構成する半導体回路を備えたモジュールであれば、UVW各相の組み合わせとして直列接続される上アームと下アームについて、同じグループ同士のSiC半導体装置10が組み込まれた半導体回路とされる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態では、変動加速性を表すパラメータに基づいて半導体回路に組み込むSiC半導体装置10を選択している。これにより、ランダムにSiC半導体装置10を選択する場合と比較して、SiC半導体装置10の内蔵ダイオードBDへのストレスが掛った場合のSiC半導体装置10の電気特性変動を抑制することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態の半導体回路の製造方法によれば、以下の効果を奏することもできる。
【0072】
(1)複数のSiC半導体装置10を並列接続する接続形態の場合には、少なくとも1つについてBPD密度が小さいSiC半導体装置10が選択されるようにしている。これにより、電気特性変動を抑制できる。
【0073】
(2)複数のSiC半導体装置10を直列接続する接続形態の場合には、各SiC半導体装置10のBPD密度が大小にかかわらず近似している組み合わせでSiC半導体装置10が選択されるようにしている。これにより、複数のSiC半導体装置10の間の電気特性がずれることを抑制できる。
【0074】
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0075】
上記実施形態では、SiC半導体装置10の構成例の一例を示したが、異なる構成とされていても良い。例えば、SiC半導体装置10を低濃度層13の上にn型のJFET部やp型の電界抑制層が備えられたものとしても良い。JFET部および電界抑制層は、例えば、それぞれX軸方向に沿って延設されると共に、Y軸方向において交互に繰り返し並べて配置された線状部分を有した構造とされる。また、バッファ層12の有無については適宜選択できる。そして、半導体回路に組み込まれる複数のSiC半導体装置10を選択する際に、バッファ層12を備えたSiC半導体装置10とバッファ層12を備えていないSiC半導体装置10の両方から選択されるようにしても良い。
【0076】
さらに、上記実施形態では、スイッチング素子としてMOSFETが備えられたSiC半導体装置10を例に挙げて説明したが、MOSFET以外のスイッチング素子、例えばIGBTであっても良い。
【0077】
なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0078】
10…SiC半導体装置、10a…一面、10b…他面、11…SiC基板、12…バッファ層、13…低濃度層、14…電流分散層、15…ディープ層、16…ベース層、17…ソース領域、18…コンタクト領域、19…トレンチ、20…ゲート絶縁膜、21…ゲート電極、22…層間絶縁膜、23…ソース電極、23a、23b…コンタクトホール、24…ドレイン電極、25a…コンタクトホール、31a、32a、51a~56a…MOSFET、31b、32b、51b~56b、BD…内蔵ダイオード、33…負荷、40…三相モータ、50…インバータ、51、53、55…上アーム、52、54、56…下アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14