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特開2024-165077液滴分注装置、センサプレート及び液滴検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165077
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】液滴分注装置、センサプレート及び液滴検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G01N35/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080918
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】田邊 英樹
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058EA11
2G058EA14
2G058GB02
2G058GB10
2G058GD05
2G058GE09
2G058GE10
(57)【要約】
【課題】液滴を精度良く分注することができる液滴分注装置を提供する。
【解決手段】液滴分注装置2は、液滴を吐出するヘッド部26と、ヘッド部26とウェルプレート10との間に配置されたセンサプレート12であって、複数のウェル24にそれぞれ対応して複数の開口部42が形成され、複数の開口部42の各々の周縁部にそれぞれ複数の静電容量センサ46が配置されたセンサプレート12とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面に複数のウェルが形成されたウェルプレートに液滴を分注するための液滴分注装置であって、
前記複数のウェルのうち1以上のウェルに向けて液滴を吐出する吐出部と、
前記吐出部と前記ウェルプレートとの間に配置されたセンサプレートであって、前記複数のウェルにそれぞれ対応して複数の開口部が形成され、前記複数の開口部の各々の周縁部にそれぞれ複数の静電容量センサが配置されたセンサプレートと、を備える
液滴分注装置。
【請求項2】
前記複数の静電容量センサの各々は、前記吐出部からの液滴が前記複数の開口部のうち当該静電容量センサに対応する開口部を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部を通過した液滴を検出する
請求項1に記載の液滴分注装置。
【請求項3】
前記複数の静電容量センサの各々は、前記静電容量の変化に応じて変化する電気信号を出力し、
前記液滴分注装置は、さらに、
前記複数の静電容量センサのうち特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、所定量の液滴が前記複数の開口部のうち前記特定の静電容量センサに対応する特定の開口部を通過したか否かを判定する判定部を備える
請求項2に記載の液滴分注装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記吐出部が液滴を吐出する前の状態における前記特定の静電容量センサからの電気信号の値と、前記吐出部が液滴を吐出中の状態における前記特定の静電容量センサからの電気信号の値との差分を算出し、前記差分を時間に対して積分した積分値と第1の閾値とを比較することにより、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過したか否かを判定する
請求項3に記載の液滴分注装置。
【請求項5】
前記液滴分注装置は、さらに、
前記複数の静電容量センサの各々からの電気信号をアナログ-デジタル変換するコンバータを備え、
前記判定部は、前記コンバータによりアナログ-デジタル変換された前記特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過したか否かを判定する
請求項3に記載の液滴分注装置。
【請求項6】
前記液滴分注装置は、さらに、
前記複数の静電容量センサの各々からの電気信号をアナログ電気信号として累積するコンバータを備え、
前記判定部は、前記コンバータにより累積された前記特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過したか否かを判定する
請求項3に記載の液滴分注装置。
【請求項7】
前記判定部は、さらに、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過しなかったと判定した場合に、不足分の量の液滴を前記特定の開口部を通して吐出するように前記吐出部を制御する
請求項3に記載の液滴分注装置。
【請求項8】
前記液滴分注装置は、さらに、
前記吐出部が液滴を吐出する前の状態における前記特定の静電容量センサからの電気信号の値が第2の閾値を超える場合には、ユーザに対して前記センサプレートのメンテナンスを促すための通知を行う通知部を備える
請求項3に記載の液滴分注装置。
【請求項9】
前記液滴分注装置は、さらに、
前記吐出部からの液滴が前記複数のウェルのうち特定のウェルに吐出される場合に、前記複数の静電容量センサのうち当該特定のウェルに対応する特定の静電容量センサを選択的に駆動する駆動回路を備える
請求項1に記載の液滴分注装置。
【請求項10】
前記センサプレートは、前記ウェルプレートの前記上面に一体的に形成されている
請求項1に記載の液滴分注装置。
【請求項11】
前記吐出部は、所定の方向に沿って並んで配置された複数のノズルを含み、
前記複数の開口部の各々は、前記所定の方向に略平行に延在し且つ互いに対向する第1の辺及び第2の辺と、前記所定の方向に略垂直に延在し且つ互いに対向する第3の辺及び第4の辺と、を有する矩形状に形成され、
前記複数の静電容量センサの各々は、
当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部のうち、前記第1の辺に対応する領域に配置された第1の電極と、
当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部のうち、前記第2の辺に対応する領域に配置された第2の電極と、を含む
請求項1~10のいずれか1項に記載の液滴分注装置。
【請求項12】
前記複数の開口部の各々は円形状に形成され、
前記複数の静電容量センサの各々は、
当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に沿って円弧状に配置された第1の電極と、
当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に沿って円弧状に配置され、且つ、前記開口部の径中心に対して略対称な位置に配置された第2の電極と、を含む
請求項1~10のいずれか1項に記載の液滴分注装置。
【請求項13】
前記複数の開口部の各々は円形状又は矩形状に形成され、
前記複数の静電容量センサの各々は、
前記センサプレートの第1の主面において、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に配置された第1の電極と、
前記センサプレートの前記第1の主面と反対側の第2の主面において、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に配置された第2の電極と、を含む
請求項1~10のいずれか1項に記載の液滴分注装置。
【請求項14】
主面に複数のウェルが形成されたウェルプレートに向けて液滴を吐出する吐出部を有する液滴分注装置に用いられるセンサプレートであって、
前記吐出部と前記ウェルプレートとの間に配置され、前記複数のウェルにそれぞれ対応して複数の開口部が形成されたプレート本体と、
前記複数の開口部の各々の周縁部にそれぞれ配置された複数の静電容量センサと、を備える
センサプレート。
【請求項15】
主面に複数のウェルが形成されたウェルプレートに液滴を分注するための液滴分注装置における液滴検出方法であって、
前記液滴分注装置は、
前記複数のウェルのうち1以上のウェルに向けて液滴を吐出する吐出部と、
前記吐出部と前記ウェルプレートとの間に配置されたセンサプレートであって、前記複数のウェルにそれぞれ対応して複数の開口部が形成され、前記複数の開口部の各々の周縁部にそれぞれ複数の静電容量センサが配置されたセンサプレートと、を備え、
前記液滴検出方法では、
前記複数の静電容量センサの各々を用いて、前記吐出部からの液滴が前記複数の開口部のうち当該静電容量センサに対応する開口部を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部を通過した液滴を検出する
液滴検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェルプレートに液滴を分注する液滴分注装置、センサプレート及び液滴検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェルプレートに試料又は検体等の液滴を分注する液滴分注装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この液滴分注装置では、ウェルプレートの上面に形成された複数のウェルの各々に向けて、インクジェットヘッドから所定量の液滴が吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-283150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の液滴分注装置では、インクジェットヘッドのノズルの詰まりが発生した場合には、複数のウェルの各々に所定量の液滴を精度良く分注することができないという課題が生じる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、液滴を精度良く分注することができる液滴分注装置、センサプレート及び液滴検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る液滴分注装置は、主面に複数のウェルが形成されたウェルプレートに液滴を分注するための液滴分注装置であって、前記複数のウェルのうち1以上のウェルに向けて液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部と前記ウェルプレートとの間に配置されたセンサプレートであって、前記複数のウェルにそれぞれ対応して複数の開口部が形成され、前記複数の開口部の各々の周縁部にそれぞれ複数の静電容量センサが配置されたセンサプレートと、を備える。
【0007】
本態様によれば、センサプレートの複数の開口部の各々の周縁部にはそれぞれ、複数の静電容量センサが配置されている。これにより、複数の静電容量センサの各々は、吐出部からの液滴が当該静電容量センサに対応する開口部を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部を通過した液滴を検出することができる。これにより、例えば、静電容量センサの検出結果に基づいて、所定量の液滴が開口部を通過したか否かを判定することができ、吐出部の詰まり等により液滴の吐出量が所定量に達していない場合には、不足分の量の液滴を吐出部から吐出させるなどの処理を実行することができる。その結果、ウェルプレートに液滴を精度良く分注することができる。
【0008】
例えば、本発明の第2の態様に係る液滴分注装置では、第1の態様において、前記複数の静電容量センサの各々は、前記吐出部からの液滴が前記複数の開口部のうち当該静電容量センサに対応する開口部を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部を通過した液滴を検出するように構成してもよい。
【0009】
本態様によれば、複数の静電容量センサの各々は、当該静電容量センサに対応する開口部を通過した液滴を精度良く検出することができる。
【0010】
例えば、本発明の第3の態様に係る液滴分注装置では、第2の態様において、前記複数の静電容量センサの各々は、前記静電容量の変化に応じて変化する電気信号を出力し、前記液滴分注装置は、さらに、前記複数の静電容量センサのうち特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、所定量の液滴が前記複数の開口部のうち前記特定の静電容量センサに対応する特定の開口部を通過したか否かを判定する判定部を備えるように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、判定部は、特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、所定量の液滴が特定の静電容量センサに対応する特定の開口部を通過したか否かを容易に判定することができる。
【0012】
例えば、本発明の第4の態様に係る液滴分注装置では、第3の態様において、前記判定部は、前記吐出部が液滴を吐出する前の状態における前記特定の静電容量センサからの電気信号の値と、前記吐出部が液滴を吐出中の状態における前記特定の静電容量センサからの電気信号の値との差分を算出し、前記差分を時間に対して積分した積分値と第1の閾値とを比較することにより、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過したか否かを判定するように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、判定部は、積分値と第1の閾値とを比較することにより、所定量の液滴が特定の開口部を通過したか否かを容易に判定することができる。
【0014】
例えば、本発明の第5の態様に係る液滴分注装置では、第3の態様又は第4の態様において、前記液滴分注装置は、さらに、前記複数の静電容量センサの各々からの電気信号をアナログ-デジタル変換するコンバータを備え、前記判定部は、前記コンバータによりアナログ-デジタル変換された前記特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過したか否かを判定するように構成してもよい。
【0015】
本態様によれば、判定部は、コンバータによりアナログ-デジタル変換された特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、所定量の液滴が特定の開口部を通過したか否かを判定するための演算処理を容易に行うことができる。
【0016】
例えば、本発明の第6の態様に係る液滴分注装置では、第3の態様又は第4の態様において、前記液滴分注装置は、さらに、前記複数の静電容量センサの各々からの電気信号をアナログ電気信号として累積するコンバータを備え、前記判定部は、前記コンバータにより累積された前記特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過したか否かを判定するように構成してもよい。
【0017】
本態様によれば、判定部は、コンバータにより累積された特定の静電容量センサからの電気信号に基づいて、所定量の液滴が特定の開口部を通過したか否かを高感度で判定することができる。
【0018】
例えば、本発明の第7の態様に係る液滴分注装置では、第3の態様~第6の態様のいずれか一態様において、前記判定部は、さらに、前記所定量の液滴が前記特定の開口部を通過しなかったと判定した場合に、不足分の量の液滴を前記特定の開口部を通して吐出するように前記吐出部を制御するように構成してもよい。
【0019】
本態様によれば、所定量の液滴が特定の開口部を通過しなかった場合であっても、不足分の量の液滴を特定の開口部を通して吐出することにより、ウェルプレートに液滴を精度良く分注することができる。
【0020】
例えば、本発明の第8の態様に係る液滴分注装置では、第3の態様~第7の態様のいずれか一態様において、前記液滴分注装置は、さらに、前記吐出部が液滴を吐出する前の状態における前記特定の静電容量センサからの電気信号の値が第2の閾値を超える場合には、ユーザに対して前記センサプレートのメンテナンスを促すための通知を行う通知部を備えるように構成してもよい。
【0021】
本態様によれば、吐出部が液滴を吐出する前の状態における特定の静電容量センサからの電気信号の値が第2の閾値を超える場合には、センサプレートに液滴が付着している可能性がある。このような場合に、通知部がユーザに通知を行うことにより、ユーザに対してセンサプレートのメンテナンスを促すことができる。
【0022】
例えば、本発明の第9の態様に係る液滴分注装置では、第1の態様~第8の態様のいずれか一態様において、前記液滴分注装置は、さらに、前記吐出部からの液滴が前記複数のウェルのうち特定のウェルに吐出される場合に、前記複数の静電容量センサのうち当該特定のウェルに対応する特定の静電容量センサを選択的に駆動する駆動回路を備えるように構成してもよい。
【0023】
本態様によれば、駆動回路の省電力化を図ることができる。
【0024】
例えば、本発明の第10の態様に係る液滴分注装置では、第1の態様~第9の態様のいずれか一態様において、前記センサプレートは、前記ウェルプレートの前記上面に一体的に形成されているように構成してもよい。
【0025】
本態様によれば、ウェルプレート及びセンサプレートをトレイ等に対して容易に着脱することができる。
【0026】
例えば、本発明の第11の態様に係る液滴分注装置では、第1の態様~第10の態様のいずれか一態様において、前記吐出部は、所定の方向に沿って並んで配置された複数のノズルを含み、前記複数の開口部の各々は、前記所定の方向に略平行に延在し且つ互いに対向する第1の辺及び第2の辺と、前記所定の方向に略垂直に延在し且つ互いに対向する第3の辺及び第4の辺と、を有する矩形状に形成され、前記複数の静電容量センサの各々は、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部のうち、前記第1の辺に対応する領域に配置された第1の電極と、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部のうち、前記第2の辺に対応する領域に配置された第2の電極と、を含むように構成してもよい。
【0027】
本態様によれば、各静電容量センサの感度を高めることができる。
【0028】
例えば、本発明の第12の態様に係る液滴分注装置では、第1の態様~第10の態様のいずれか一態様において、前記複数の開口部の各々は円形状に形成され、前記複数の静電容量センサの各々は、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に沿って円弧状に配置された第1の電極と、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に沿って円弧状に配置され、且つ、前記開口部の径中心に対して略対称な位置に配置された第2の電極と、を含むように構成してもよい。
【0029】
本態様によれば、各静電容量センサの感度を高めることができる。
【0030】
例えば、本発明の第13の態様に係る液滴分注装置では、第1の態様~第10の態様のいずれか一態様において、前記複数の開口部の各々は円形状又は矩形状に形成され、前記複数の静電容量センサの各々は、前記センサプレートの第1の主面において、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に配置された第1の電極と、前記センサプレートの前記第1の主面と反対側の第2の主面において、当該静電容量センサに対応する前記開口部の前記周縁部に配置された第2の電極と、を含むように構成してもよい。
【0031】
本態様によれば、センサプレートを容易に作製することができる。
【0032】
また、本発明の第14の態様に係るセンサプレートは、主面に複数のウェルが形成されたウェルプレートに向けて液滴を吐出する吐出部を有する液滴分注装置に用いられるセンサプレートであって、前記吐出部と前記ウェルプレートとの間に配置され、前記複数のウェルにそれぞれ対応して複数の開口部が形成されたプレート本体と、前記複数の開口部の各々の周縁部にそれぞれ配置された複数の静電容量センサと、を備える。
【0033】
本態様によれば、上述と同様に、ウェルプレートに液滴を精度良く分注することができる。
【0034】
また、本発明の第15の態様に係る液滴検出方法は、主面に複数のウェルが形成されたウェルプレートに液滴を分注するための液滴分注装置における液滴検出方法であって、前記液滴分注装置は、前記複数のウェルのうち1以上のウェルに向けて液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部と前記ウェルプレートとの間に配置されたセンサプレートであって、前記複数のウェルにそれぞれ対応して複数の開口部が形成され、前記複数の開口部の各々の周縁部にそれぞれ複数の静電容量センサが配置されたセンサプレートと、を備え、前記液滴検出方法では、前記複数の静電容量センサの各々を用いて、前記吐出部からの液滴が前記複数の開口部のうち当該静電容量センサに対応する開口部を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部を通過した液滴を検出する。
【0035】
本態様によれば、複数の静電容量センサの各々を用いて、吐出部からの液滴が当該静電容量センサに対応する開口部を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部を通過した液滴を検出する。これにより、例えば、静電容量センサの検出結果に基づいて、所定量の液滴が開口部を通過したか否かを判定することができ、吐出部の詰まり等により液滴の吐出量が所定量に達していない場合には、不足分の量の液滴を吐出部から吐出させるなどの処理を実行することができる。その結果、ウェルプレートに液滴を精度良く分注することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の一態様に係る液滴分注装置等によれば、液滴を精度良く分注することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】実施の形態1に係る液滴分注装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る液滴分注装置の内部構造を示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る液滴分注装置のウェルプレート及びセンサプレートを示す分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係る液滴分注装置のウェルプレートを示す平面図である。
図5】実施の形態1に係る液滴分注装置のセンサプレートの上面側を示す平面図である。
図6】実施の形態1に係る液滴分注装置のセンサプレートの下面側を示す平面図である。
図7図5のVII-VII線による、実施の形態1に係るセンサプレートの要部断面図である。
図8】実施の形態1に係る液滴分注装置の機能構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態1に係る電気信号の時間変化の一例を示すグラフである。
図10】実施の形態1に係る液滴分注装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図11】実施の形態2に係るセンサプレートを示す図である。
図12】実施の形態3に係るセンサプレートを示す図である。
図13】実施の形態4に係るセンサプレートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0039】
(実施の形態1)
[1.液滴分注装置の全体構成]
まず、図1図4を参照しながら、実施の形態1に係る液滴分注装置2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る液滴分注装置2の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る液滴分注装置2の内部構造を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係る液滴分注装置2のウェルプレート10及びセンサプレート12を示す分解斜視図である。図4は、実施の形態1に係る液滴分注装置2のウェルプレート10を示す平面図である。
【0040】
なお、図1図4において、液滴分注装置2の左右方向をX軸方向、液滴分注装置2の前後方向をY軸方向、液滴分注装置2の上下方向をZ軸方向として説明する。また、X軸方向のプラス側を「右」、X軸方向のマイナス側を「左」Y軸方向のプラス側を「後」、Y軸方向のマイナス側を「前」、Z軸方向のプラス側を「上」、Z軸方向のマイナス側を「下」として説明する。
【0041】
図1図3に示すように、液滴分注装置2は、筐体4と、トレイユニット6と、吐出ユニット8と、ウェルプレート10と、センサプレート12とを備えている。本実施の形態では、液滴分注装置2は、液滴をウェルプレート10に分注するための装置である。液滴は、例えば医療分野や理化学分野における試験等で用いられる、液体の試薬、検体又は試料等である。
【0042】
図1に示すように、筐体4は、中空状の箱形に形成されている。筐体4の前面には、ウェルプレート10及びセンサプレート12を出し入れするための開口部14が形成されている。また、図2に示すように、筐体4の内部には、液滴分注装置2の各部品を支持するためのベースプレート16が配置されている。
【0043】
トレイユニット6は、トレイ18と、トレイモータ20(後述する図8参照)とを有している。なお、説明の都合上、図2では、トレイモータ20の図示を省略してある。
【0044】
トレイ18は、ウェルプレート10を着脱可能に載置するためのものである。トレイ18は、筐体4の内部に配置されたガイドプレート22に、前後方向(Y軸方向)に移動可能に支持されている。これにより、トレイ18は、ガイドプレート22に沿って前後方向に、筐体4の内部に収納される収納位置(図1に示すトレイ18の位置)と、少なくとも一部が筐体4の開口部14を通して手前側(Y軸方向のマイナス側)に引き出される引き出し位置(図2に示すトレイ18の位置)との間を移動可能である。
【0045】
トレイモータ20は、例えばサーボモータで構成され、筐体4の内部のベースプレート16に支持されている。トレイモータ20は、ヘッド部26(後述する)に対して、トレイ18を前後方向に相対的に移動させる。具体的には、トレイモータ20の駆動力がラック・ピニオン機構(図示せず)を介してトレイ18に伝達されることにより、トレイ18が収納位置と引き出し位置との間を移動する。トレイ18が引き出し位置にある状態で、ウェルプレート10をトレイ18に対して着脱することができる。トレイモータ20の駆動は、筐体4の内部に配置された制御基板64(図8参照)により制御される。なお、説明の都合上、図2では、制御基板64の図示を省略してある。
【0046】
ウェルプレート10は、例えばXY平面視で略矩形状の平板状に形成されており、トレイ18の上面に着脱可能に載置される。図4に示すように、ウェルプレート10の上面(主面の一例)には、複数のウェル24が行列状に配置されている。複数のウェル24の各々は、ヘッド部26から吐出された液滴を溜めるための凹部であり、例えばXY平面視で矩形状に形成されている。トレイ18が収納位置にある状態で、ウェルプレート10の複数のウェル24は、ヘッド部26の下方に配置される。1つのウェルプレート10に形成されているウェル24の数は、例えば1536個(=32×48)である。また、XY平面視において、各ウェル24の横(X軸方向)の長さD1は例えば1.7mmであり、各ウェル24の縦(Y軸方向)の長さD2は例えば1.7mmである。
【0047】
センサプレート12は、例えばXY平面視で略矩形状の平板状に形成されており、ウェルプレート10の上面に着脱可能に載置される。すなわち、センサプレート12は、ヘッド部26とウェルプレート10との間に配置される。なお、説明の都合上、図2では、センサプレート12の複数の開口部42(後述する)等の図示を省略してある。センサプレート12の具体的な構成については、後述する。
【0048】
吐出ユニット8は、ウェルプレート10の複数のウェル24のうち1以上のウェル24に向けて液滴を吐出するためのユニットであり、筐体4の内部に配置されている。吐出ユニット8による液滴の吐出方式は、ミスト状の液滴を吐出する、いわゆるインクジェット方式である。図2に示すように、吐出ユニット8は、ヘッド部26(吐出部の一例)と、ヘッド部26を駆動するための駆動機構28とを有している。吐出ユニット8の駆動は、筐体4の内部に配置された制御基板64により制御される。
【0049】
ヘッド部26は、キャリッジ30と、キャリッジ30に着脱可能に取り付けられたカートリッジ32とを有している。カートリッジ32の内部には、液滴が充填されている。後述する図6に示すように、カートリッジ32の下面には、微細な複数のノズル34が配置されている。複数のノズル34は、カートリッジ32の前後方向(所定の方向の一例)に沿って並んで配置されている。カートリッジ32がキャリッジ30に取り付けられた状態では、複数のノズル34は、キャリッジ30の下端部から露出される。ヘッド部26は、カートリッジ32の複数のノズル34から供給された液滴を、収納位置にあるトレイ18に載置されたウェルプレート10に向けて下方に吐出する。
【0050】
駆動機構28は、ヘッド部26を所定の走査方向(X軸方向)に往復移動させるための機構である。図2に示すように、駆動機構28は、ガイドシャフト36と、キャリアモータ38と、タイミングベルト40とを有している。
【0051】
ガイドシャフト36は、筐体4の内部のベースプレート16に支持されており、所定の走査方向に沿って長尺状に延びている。ガイドシャフト36には、ヘッド部26のキャリッジ30が移動可能に支持されている。キャリアモータ38は、例えばサーボモータで構成され、筐体4の内部のベースプレート16に支持されている。キャリアモータ38の駆動力は、タイミングベルト40を介してヘッド部26に伝達される。これにより、ヘッド部26は、収納位置にあるトレイ18に載置されたウェルプレート10に対して、ガイドシャフト36に沿って所定の走査方向に往復移動する。すなわち、キャリアモータ38は、トレイ18に対して、ヘッド部26を左右方向に相対的に移動させる。
【0052】
上述した液滴分注装置2では、ウェルプレート10がトレイ18の上面に載置され、且つ、センサプレート12がウェルプレート10の上面に載置された状態で、トレイ18が収納位置から引き出し位置に向けて移動しながら、ヘッド部26が所定の走査方向に往復移動して、ヘッド部26からウェルプレート10に向けて液滴が吐出される。これにより、ウェルプレート10の複数のウェル24の各々に液滴が所定量(例えば、ピコリットルオーダーの量)ずつ溜められ、ウェルプレート10に液滴が分注される。なお、ヘッド部26からの1回の液滴の吐出で、例えば数個~十数個のウェル24の各々にまとめて分注されてもよいし、単一のウェル24にのみ分注されてもよい。
【0053】
[2.センサプレートの構成]
次に、図5図7を参照しながら、センサプレート12の構成について説明する。図5は、実施の形態1に係る液滴分注装置2のセンサプレート12の上面側を示す平面図である。図6は、実施の形態1に係る液滴分注装置2のセンサプレート12の下面側を示す平面図である。図7は、図5のVII-VII線による、実施の形態1に係るセンサプレート12の要部断面図である。
【0054】
図5及び図6に示すように、センサプレート12は、プレート本体41を有している。プレート本体41は、例えばXY平面視で略矩形状の平板状に形成され、樹脂等で形成されている。プレート本体41には、ウェルプレート10の複数のウェル24にそれぞれ対応して、複数の開口部42が行列状(例えば、32列×48行)に形成されている。すなわち、複数の開口部42はそれぞれ、複数のウェル24に1対1で対応しており、1つのセンサプレート12に形成されている開口部42の数は、ウェル24の数と同じ例えば1536個(=32×48)である。複数の開口部42の各々は、例えばXY平面視で矩形状に形成された、プレート本体41の厚み方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔である。
【0055】
複数の開口部42はそれぞれ、複数のウェル24の各直上に配置されている。具体的には、センサプレート12をXY平面視した場合に、複数の開口部42の各々の大きさ(面積)はそれぞれ、複数のウェル24の各々の大きさ(面積)よりも小さく、且つ、複数の開口部42の各々の輪郭はそれぞれ、複数のウェル24の各々の輪郭よりも内側に配置されている。XY平面視において、各開口部42の横(X軸方向)の長さD3は例えば1.0mm(<D1)であり、各開口部42の縦(Y軸方向)の長さD4は例えば1.0mm(<D2)である。図7に示すように、開口部42の外周部は、ウェル24の全周に亘って、ウェル24の内側に環状且つ庇状に突出している。これにより、ヘッド部26からの液滴は、センサプレート12の開口部42を通過して、当該開口部42の直下のウェル24に向けて吐出されるようになる。なお、説明の都合上、上述した図2では、複数の開口部42等の図示を省略してある。
【0056】
センサプレート12は、さらに、複数の静電容量センサ46がアレイ状に配置された静電容量センサアレイ44を有している。複数の静電容量センサ46の各々は、第1の電極48及び第2の電極52を含んでいる。
【0057】
図5及び図7に示すように、複数の第1の電極48はそれぞれ、プレート本体41の上面(すなわちウェルプレート10と反対側の面であって、第1の主面の一例)において、複数の開口部42の各周縁部に配置されている。複数の第1の電極48の各々は、例えば銅箔等で形成され、開口部42の全周を取り囲むように、例えばXY平面視で矩形状の環状に形成されている。
【0058】
複数の第1の電極48は、複数の開口部42にそれぞれ対応して行列状(例えば、32列×48行)に配置されている。すなわち、複数の第1の電極48は、互いに直交する方向に、複数のカラム(列)Ci(i=0,1,・・・,32)、及び、複数のロウ(行)Rj(j=0,1,・・・,48)を形成している。図5に示すように、同じカラムCiに属する複数の第1の電極48は、銅箔等で形成された導電パターン50で互いに電気的に接続されている。
【0059】
また、図6及び図7に示すように、複数の第2の電極52はそれぞれ、プレート本体41の下面(すなわちウェルプレート10に対向する側の面であって、第2の主面の一例)において、複数の開口部42の各周縁部に配置されている。複数の第2の電極52の各々は、例えば銅箔等で形成され、開口部42の全周を取り囲むように、例えばXY平面視で矩形状の環状に形成されている。
【0060】
複数の第2の電極52は、複数の開口部42にそれぞれ対応して行列状(例えば、32列×48行)に配置されている。すなわち、複数の第2の電極52は、互いに直交する方向に、複数のカラムCi(i=0,1,・・・,32)、及び、複数のロウRj(j=0,1,・・・,48)を形成している。図6に示すように、同じロウRjに属する複数の第2の電極52は、銅箔等で形成された導電パターン50で互いに電気的に接続されている。
【0061】
1つの同じ開口部42に対して配置された第1の電極48及び第2の電極52は、プレート本体41の厚み方向に互いに対向して配置されている。なお、これら一対の第1の電極48及び第2の電極52は、電気的に絶縁されている。
【0062】
図5に示すように、センサプレート12は、さらに、センサコントローラ56(駆動回路の一例)と、電源供給部58とを有している。センサコントローラ56は、静電容量センサアレイ44を駆動する。電源供給部58は、センサコントローラ56に駆動電力を供給する。
【0063】
[3.液滴分注装置の機能構成]
次に、図8及び図9を参照しながら、実施の形態1に係る液滴分注装置2の機能構成について説明する。図8は、実施の形態1に係る液滴分注装置2の機能構成を示すブロック図である。図9は、実施の形態1に係る電気信号の時間変化の一例を示すグラフである。
【0064】
図8に示すように、センサプレート12は、機能構成として、静電容量センサアレイ44と、センサコントローラ56と、電源供給部58と、コンバータ60とを有している。
【0065】
センサコントローラ56は、電源供給部58からの駆動電力に基づいて、静電容量センサアレイ44の複数の静電容量センサ46の各々を駆動する。具体的には、センサコントローラ56は、複数の静電容量センサ46の各々の第1の電極48に、電源供給部58からの駆動電力に基づく駆動電圧を印加する。
【0066】
なお、センサコントローラ56は、ヘッド部26からの液滴が1又は複数のウェル24に吐出される場合に、当該1又は複数のウェル24に対応する1又は複数の静電容量センサ46を選択的に駆動してもよい。また、本実施の形態では、センサコントローラ56は、複数の静電容量センサ46の各々の第1の電極48に駆動電圧を印加したが、これに限定されず、複数の静電容量センサ46の各々の第2の電極52に駆動電圧を印加してもよい。
【0067】
また、センサコントローラ56は、除電用スイッチ62のオン・オフを制御する。除電用スイッチ62は、静電容量センサアレイ44と接地との間に配置されている。センサコントローラ56が除電用スイッチ62をオンすることにより、静電容量センサアレイ44が除電用スイッチ62を介して接地される。これにより、静電容量センサアレイ44に帯電している電荷を、除電用スイッチ62を介して接地に流すことができる。
【0068】
複数の静電容量センサ46の各々は、ヘッド部26からの液滴が当該静電容量センサ46に対応する開口部42を通過したことに伴う静電容量の変化に応じて変化する電気信号を出力する。すなわち、複数の静電容量センサ46の各々は、ヘッド部26からの液滴が当該静電容量センサ46に対応する開口部14を通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、当該開口部42を通過した液滴の量の変化を検出する。
【0069】
コンバータ60は、複数の静電容量センサ46の各々からの電気信号をアナログ-デジタル変換する。コンバータ60は、アナログ-デジタル変換した電気信号を、制御基板64に出力する。
【0070】
コンバータ60は、例えば図9の(a)及び(b)に示すような電気信号を出力する。図9の(a)及び(b)において、横軸は時間を表し、縦軸は電気信号の値(以下、「センサ出力値」ともいう)を表している。図9の(a)に示すグラフは、液滴の吐出中にノズル34の詰まりが発生した場合における、電気信号の時間変化の一例である。図9の(b)に示すグラフは、液滴の吐出中にノズル34の詰まりが発生しない場合における、電気信号の時間変化の一例である。
【0071】
図9の(a)に示す例では、ヘッド部26が液滴の吐出を開始する時刻Tよりも前の状態において、センサ出力値はE(>0)となっている。時刻Tでヘッド部26が液滴の吐出を開始すると、センサ出力値はEからEまで上昇する。その後、時刻Tで液滴の吐出中にヘッド部26においてノズル34の詰まりが発生することにより、センサ出力値がEからEまで例えば5%程度低下する。その後、時刻Tでヘッド部26が液滴の吐出を終了することにより、センサ出力値はEからEまで低下する。
【0072】
また、図9の(b)に示す例では、ヘッド部26が液滴の吐出を開始する時刻Tよりも前の状態において、センサ出力値はEとなっている。時刻Tでヘッド部26が液滴の吐出を開始すると、センサ出力値はEからEまで上昇する。その後、ヘッド部26においてノズル34の詰まりが発生することなく液滴の吐出が行われ、時刻Tでヘッド部26が液滴の吐出を終了することにより、センサ出力値はEからEまで低下する。
【0073】
なお、本実施の形態では、コンバータ60は、複数の静電容量センサ46の各々からの電気信号をアナログ-デジタル変換したが、これに限定されず、複数の静電容量センサ46の各々からの電気信号をアナログ電気信号のまま処理してもよい。具体的には、コンバータ60は、例えば一般的なローパスフィルタやサンプルホールド回路、チャージポンプ回路等(図示せず)を用いて、複数の静電容量センサ46の各々からの電気信号をアナログ電気信号として累積し、その累積量を電圧として出力してもよい。この場合、コンバータ60は、必要に応じてさらにアナログ-デジタル変換してもよい。このようにアナログ電気信号を用いることで、より高感度な検出系を構成することができる。
【0074】
図8に戻り、制御基板64は、機能構成として、判定部66と、吐出制御部68と、移動制御部70と、通知部72とを有している。
【0075】
判定部66は、複数の静電容量センサ46のうち特定の静電容量センサ46a(図7参照)からコンバータ60を介して出力された電気信号に基づいて、所定量の液滴が複数の開口部42のうち特定の静電容量センサ46aに対応する特定の開口部42a(図7参照)を通過したか否かを判定する。なお、特定の開口部42aは、複数のウェル24のうち特定のウェル24a(図7参照)に対応して配置されている。
【0076】
具体的には、図9の(a)に示す例では、判定部66は、時刻T~Tでは、ヘッド部26が液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値Eと、ヘッド部26が液滴を吐出中の状態におけるセンサ出力値Eとの差分(E-E)を算出する。また、判定部66は、時刻T~Tでは、センサ出力値Eと、ヘッド部26が液滴を吐出中の状態におけるセンサ出力値Eとの差分(E-E)を算出する。そして、判定部66は、当該差分を時間(T~T)に対して積分した積分値を算出する。この積分値は、図9の(a)においてハッチングを付した領域の面積に相当する。そして、判定部66は、算出した積分値と第1の閾値とを比較することにより、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過したか否かを判定する。
【0077】
ここで、第1の閾値は、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過したか否かを判定するための目標値である。第1の閾値は、例えば次式1により算出される。
【0078】
第1の閾値=[{(液滴を吐出中の状態における期待されるセンサ出力値)-α×(液滴を吐出する前の状態における平均化したセンサ出力値E)}×(時刻T-時刻T)] (式1)
【0079】
上式1において、液滴を吐出する前の状態における平均化したセンサ出力値Eには、ノイズ等の影響を考慮して一定の倍率α(例えば1.05倍)を乗じる。液滴を吐出する前の状態における平均化したセンサ出力値Eは、最初の分注動作前に取得した値でもよいし、分注動作時毎に更新した値でもよい。分注動作時毎に更新した値を用いた場合、液滴の付着等でセンサ出力値Eが変動した際に適切な値で更新されていくため、より精度良い結果が得られる。
【0080】
あるいは、液滴を吐出する前の状態における平均化したセンサ出力値Eの代わりに、センサのダイナミックレンジ又は回路の電気的特性から想定される、液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値Eの最大値に一定の倍率(例えば1.05倍)を乗じた値の固定値としてもよい。この場合、倍率の値は、得られるセンサ出力のダイナミックレンジ又は回路のノイズレベル等によって適宜変更できることが望ましく、予めデフォルト値として倍率を決めておく、又は、稼働させる際にパラメータとしてユーザが入力する等の設定方法が考えられる。
【0081】
図9の(a)に示す例では、判定部66は、算出した積分値が第1の閾値未満となるため、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過しなかったと判定する。この場合、判定部66は、不足分の量の液滴をヘッド部26から特定の開口部42aを通して吐出するように、吐出制御部68に指示する。
【0082】
また、図9の(b)に示す例では、判定部66は、時刻T~Tでは、ヘッド部26が液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値Eと、ヘッド部26が液滴を吐出中の状態におけるセンサ出力値Eとの差分(E-E)を算出する。そして、判定部66は、当該差分を時間(T~T)に対して積分した積分値を算出する。この積分値は、図9の(b)においてハッチングを付した領域の面積に相当する。そして、判定部66は、算出した積分値と第1の閾値とを比較することにより、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過したか否かを判定する。図9の(b)に示す例では、判定部66は、算出した積分値が第1の閾値と等しいため、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過したと判定する。
【0083】
上述したように、判定部66は、算出した積分値と第1の閾値とを比較することにより、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過したか否かを判定する。これは、特定の静電容量センサ46aからコンバータ60を介して出力された電気信号と、特定の開口部42aを通過する液滴の体積の投影との間に相関関係があることを利用したものである。以下、このことについて説明する。
【0084】
特定の開口部42aを通過する液滴の集合を、誘電率が均等に分布した等断面積の柱状立体(以下、「液柱」という)と見立てて、液柱の断面積の時間変化を考える。この時、断面積の変化率と誘電率の変化率とは比例するので、単位時間当たりのセンサ出力値の変化を観測することにより、等価的に特定の開口部42aを通過する液滴の量の変化を捉えることが可能である。
【0085】
ここで、特定の開口部42aの深さをDとした時、プレート本体41の上面からの距離d(0<d<D)における液柱の断面積は、ヘッド部26から液滴の吐出が開始されてからの時刻tと距離dとの関数としてS(t,d)と表される。この時、深さd、時刻tにおける微小時間Δtでの吐出液滴量は、S(t,d)×Δtで表され、特定の開口部42aに存在する液滴の体積V(t)は、次式2により得られる。
【0086】
【数1】
【0087】
また、特定の開口部42aのうち液柱の占める領域の静電容量Cの変化は、次式3で示すように、断面積S、すなわち液柱の体積の変化に応じた変動を示す。一方、特定の開口部42aのうち空気の占める領域の静電容量Cは、次式4で示すように、断面積S、すなわち液柱の体積の変化に応じた変動を示す。その結果、静電容量C及びCの合成容量Cは次式5で示され、特定の静電容量センサ46aからの電気信号に基づいて、断面積Sの変化、すなわち特定の開口部42aに存在する液滴の体積変化を推定することが可能となる。
【0088】
【数2】
【0089】
また、液滴の吐出の開始から終了までの時間Tdispにおける、液滴の全吐出量Vamountは、次式6で得られる。
【0090】
【数3】
【0091】
図8に戻り、吐出制御部68は、判定部66からの指示に基づいて、吐出ユニット8のヘッド部26からの液滴の吐出を制御する。
【0092】
移動制御部70は、判定部66からの指示に基づいて、吐出ユニット8のキャリアモータ38の駆動、及び、トレイモータ20の駆動を制御する。
【0093】
通知部72は、ヘッド部26が液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値Eが第2の閾値を超える場合に、判定部66からの指示に基づいて、ユーザに対してセンサプレート12のメンテナンス(例えば、クリーニング又は交換等)を促すための通知を行う。
【0094】
第2の閾値は、センサプレート12のプレート本体41の下面に液滴が付着してしまうことにより、所定量の液滴の算出精度が低下することを判定するための閾値である。第2の閾値は、例えば以下のようにして決定される。液滴を吐出する前の状態における平均化したセンサ出力値をEとし、このEに一定の倍率(例えば1.05倍)を乗じたものを第2の閾値とすることができる。あるいは、第2の閾値は、センサ特性のダイナミックレンジ又は回路の電気的特性から想定される、液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値Eの最大値に一定の倍率(例えば1.05倍)を乗じた値の固定値としてもよい。この場合、倍率の値は、得られるセンサ出力のダイナミックレンジ又は回路のノイズレベル等によって適宜変更できることが望ましく、予めデフォルト値として倍率を決めておく、又は、稼働させる際にパラメータとしてユーザが入力する等の設定方法が考えられる。また、第2の閾値の決定には、センサ出力値Eに一定の倍率を乗じるだけでなく、オフセットを加える又は減じてもよい。オフセットを加える又は減じることによって、回路のDC成分をキャンセルすることができ、精度良く判定できるようになる。
【0095】
ここで、センサ出力値Eが第2の閾値を超える場合には、センサプレート12のプレート本体41の下面に、ウェル24の底部で跳ね返った液滴が付着している可能性があるため、判定部66の判定精度が低下するおそれがある。そのため、このような場合に通知部72が上記通知を行うことにより、ユーザに対してセンサプレート12のメンテナンスを促すことができる。なお、通知部72は、例えば、筐体4に配置されたディスプレイ(図示せず)に通知内容を表示してもよいし、ユーザが使用するスマートフォン又はパーソナルコンピュータ等の端末装置に通知内容を送信してもよい。
【0096】
[4.液滴分注装置の動作]
次に、図10を参照しながら、実施の形態1に係る液滴分注装置2の動作について説明する。図10は、実施の形態1に係る液滴分注装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
【0097】
以下、ヘッド部26からの所定量(以下、「目標吐出量」という)の液滴を、特定の開口部42aを通して特定のウェル24aに吐出する場合について説明する。
【0098】
図10に示すように、まず、センサコントローラ56は、判定部66からの指示に基づいて、除電用スイッチ62をオンする(S101)。これにより、静電容量センサアレイ44に帯電している電荷が除電用スイッチ62を介して接地に流れ、静電容量センサアレイ44が除電される。
【0099】
次いで、判定部66は、ヘッド部26が液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値が第2の閾値を超えているか否かを判定する(S102)。当該センサ出力値が第2の閾値を超えている場合には(S102でYES)、判定部66は、通知部72に指示を出力する。これにより、通知部72は、判定部66からの指示に基づいて、ユーザに対してセンサプレート12のメンテナンスを促すための通知を行う(S103)。その後、図10のフローチャートの処理を終了する。
【0100】
ステップS102に戻り、センサ出力値が第2の閾値以下である場合には(S102でNO)、判定部66は、液滴を吐出すべき特定のウェル24aを指定し(S104)、移動制御部70に指示を出力する。これにより、移動制御部70は、判定部66からの指示に基づいて、ヘッド部26が特定のウェル24aの直上に位置するように、キャリアモータ38及びトレイモータ20を駆動する(S105)。
【0101】
次いで、判定部66は、目標吐出量に応じた吐出時間Tdispを設定し(S106)、吐出制御部68に指示を出力する。次いで、吐出制御部68は、判定部66からの指示に基づいて、液滴の吐出を開始するようにヘッド部26を制御する(S107)。これにより、ヘッド部26からの液滴が、吐出時間Tdispに亘って特定の開口部42aを通して特定のウェル24aに吐出される。この時、液滴が特定の開口部42aを通過するのに伴い、静電容量が変化する。特定の静電容量センサ46aは、吐出時間Tdispの間、静電容量の変化に応じて変化する電気信号を出力する。
【0102】
吐出時間Tdispが経過して液滴の吐出が終了したタイミングで、判定部66は、ヘッド部26が液滴を吐出する前の状態におけるセンサ出力値と、ヘッド部26が液滴を吐出中の状態におけるセンサ出力値との差分を算出し、当該差分を時間に対して積分した積分値を算出する(S108)。次いで、判定部66は、算出した積分値が第1の閾値と等しいか否かを判定する(S109)。
【0103】
積分値が第1の閾値と等しい場合には(S109でYES)、判定部66は、目標吐出量の液滴が特定の開口部42aを通過した、すなわち、ヘッド部26からの液滴の吐出量が目標吐出量に達したと判定する(S110)。その後、図10のフローチャートの処理を終了する。
【0104】
ステップS109に戻り、積分値が第1の閾値未満である場合には(S109でNO)、判定部66は、目標吐出量の液滴が特定の開口部42aを通過していない、すなわち、ヘッド部26からの液滴の吐出量が目標吐出量に達していないと判定する(S111)。この場合、判定部66は、不足分の量の液滴に応じた吐出時間T’disp(<Tdisp)を設定して(S112)、吐出制御部68に指示を出力し、上述したステップS107に戻る。
【0105】
次いで、吐出制御部68は、判定部66からの指示に基づいて、液滴の吐出を開始するようにヘッド部26を制御する(S107)。これにより、ヘッド部26からの不足分の量の液滴が、吐出時間T’dispに亘って特定の開口部42aを通して特定のウェル24aに吐出される。その後、ヘッド部26からの液滴の吐出量が目標吐出量に達するまで、上述したステップS107~S112が繰り返し実行される。
【0106】
[5.効果]
特定の静電容量センサ46aは、ヘッド部26からの液滴が特定の静電容量センサ46aに対応する特定の開口部42aを通過したことに伴う静電容量の変化に基づいて、特定の開口部42aを通過した液滴の量の変化を検出する。
【0107】
これにより、例えば、特定の静電容量センサ46aの検出結果に基づいて、所定量の液滴が特定の開口部42aを通過したか否かを判定することができ、ヘッド部26におけるノズル34の詰まり等により液滴の吐出量が所定量に達していない場合には、不足分の量の液滴をヘッド部26から吐出させるなどの処理を実行することができる。その結果、ウェルプレート10に液滴を精度良く分注することができる。
【0108】
(実施の形態2)
図11を参照しながら、実施の形態2に係るセンサプレート12Aの構成について説明する。図11は、実施の形態2に係るセンサプレート12Aを示す図である。具体的には、図11の(a)は、実施の形態2に係るセンサプレート12Aの一部を拡大して示す平面図であり、図11の(b)は、図11の(a)のXIB-XIB線によるセンサプレート12Aの要部断面図である。なお、以下に示す各実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0109】
実施の形態2に係るセンサプレート12Aでは、複数の開口部42Aの各形状が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、図11の(a)に示すように、複数の開口部42Aの各々は、XY平面視で円形状に形成されている。
【0110】
また、実施の形態2に係るセンサプレート12Aでは、静電容量センサアレイ44Aの複数の静電容量センサ46Aの各形状が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、図11の(a)及び(b)に示すように、複数の第1の電極48Aの各々は、開口部42Aの全周を取り囲むように、XY平面視で円形状の環状に形成されている。また、複数の第2の電極52Aの各々は、開口部42Aの全周を取り囲むように、XY平面視で円形状の環状に形成されている。
【0111】
実施の形態2に係るセンサプレート12Aのような構成であっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0112】
(実施の形態3)
図12を参照しながら、実施の形態3に係るセンサプレート12Bの構成について説明する。図12は、実施の形態3に係るセンサプレート12Bを示す図である。具体的には、図12の(a)は、実施の形態3に係るセンサプレート12Bの一部を拡大して示す平面図であり、図12の(b)は、図12の(a)のXIIB-XIIB線によるセンサプレート12Bの要部断面図である。
【0113】
実施の形態3に係るセンサプレート12Bでは、上記実施の形態1と同様に、複数の開口部42の各々は、XY平面視で矩形状に形成されている。すなわち、図12の(a)に示すように、複数の開口部42の各々は、ノズル34(図6参照)の配置方向である前後方向(Y軸方向)に略平行に延在し且つ互いに対向する第1の辺74a及び第2の辺74bと、前後方向に略垂直に延在し且つ互いに対向する第3の辺74c及び第4の辺74dと、を有している。
【0114】
また、実施の形態3に係るセンサプレート12Bでは、静電容量センサアレイ44Bの複数の静電容量センサ46Bの各構成が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、図12の(a)及び(b)に示すように、複数の静電容量センサ46Bの各々は、当該静電容量センサ46Bに対応する開口部42の周縁部のうち、第1の辺74aに対応する領域に配置された第1の電極48Bと、当該静電容量センサ46Bに対応する開口部42の周縁部のうち、第2の辺74bに対応する領域に配置された第2の電極52Bとを含んでいる。
【0115】
また、図12の(b)に示すように、第1の電極48B及び第2の電極52Bの各々は、プレート本体41の上面における開口部42の周縁部から、開口部42の内周面を介して、プレート本体41の下面における開口部42の周縁部まで延在している。
【0116】
実施の形態3に係るセンサプレート12Bのような構成であっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0117】
(実施の形態4)
図13を参照しながら、実施の形態4に係るセンサプレート12Cの構成について説明する。図13は、実施の形態4に係るセンサプレート12Cを示す図である。具体的には、図13の(a)は、実施の形態4に係るセンサプレート12Cの一部を拡大して示す平面図であり、図13の(b)は、図13の(a)のXIIIB-XIIIB線によるセンサプレート12Cの要部断面図である。
【0118】
実施の形態4に係るセンサプレート12Cでは、複数の開口部42Cの各形状が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、図13の(a)に示すように、複数の開口部42Cの各々は、XY平面視で円形状に形成されている。
【0119】
また、実施の形態4に係るセンサプレート12Cでは、静電容量センサアレイ44Cの複数の静電容量センサ46Cの各構成が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、図13の(a)及び(b)に示すように、複数の静電容量センサ46Cの各々は、当該静電容量センサ46Cに対応する開口部42Cの周縁部に沿って円弧状(略C字状)に配置された第1の電極48Cと、当該静電容量センサ46Cに対応する開口部42Cの周縁部に沿って円弧状(略C字状)に配置された第2の電極52Cとを含んでいる。XY平面視において、第1の電極48Cと第2の電極52Cとは、開口部42Cの径中心に対して略線対称な位置に配置されている。
【0120】
また、図13の(b)に示すように、第1の電極48C及び第2の電極52Cの各々は、プレート本体41の上面における開口部42Cの周縁部から、開口部42Cの内周面を介して、プレート本体41の下面における開口部42Cの周縁部まで延在している。
【0121】
実施の形態4に係るセンサプレート12Cのような構成であっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態に係る液滴分注装置及びセンサプレートについて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0123】
上記各実施の形態では、トレイ18が収納位置と引き出し位置との間を移動可能に構成したが、これに限定されず、トレイ18を筐体4に対して固定してもよい。この場合、駆動機構28は、ヘッド部26を、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸方向に移動させるようにしてもよい。
【0124】
また、上記各実施の形態では、ウェルプレート10とセンサプレート12(12A,12B,12C)とを別体に構成したが、これに限定されず、センサプレート12(12A,12B,12C)は、ウェルプレート10の上面に一体的に形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、例えばウェルプレートに試薬等の液滴を分注するための液滴分注装置等として適用することができる。
【符号の説明】
【0126】
2 液滴分注装置
4 筐体
6 トレイユニット
8 吐出ユニット
10 ウェルプレート
12,12A,12B,12C センサプレート
14,42,42A,42C 開口部
16 ベースプレート
18 トレイ
20 トレイモータ
22 ガイドプレート
24 ウェル
24a 特定のウェル
26 ヘッド部
28 駆動機構
30 キャリッジ
32 カートリッジ
34 ノズル
36 ガイドシャフト
38 キャリアモータ
40 タイミングベルト
41 プレート本体
42a 特定の開口部
44,44A,44B,44C 静電容量センサアレイ
46,46A,46B,46C 静電容量センサ
46a 特定の静電容量センサ
48,48A,48B,48C 第1の電極
50,54 導電パターン
52,52A,52B,52C 第2の電極
56 センサコントローラ
58 電源供給部
60 コンバータ
62 除電用スイッチ
64 制御基板
66 判定部
68 吐出制御部
70 移動制御部
72 通知部
74a 第1の辺74b 第2の辺
74c 第3の辺
74d 第4の辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13