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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165089
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】光測定装置及び光測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/32 20060101AFI20241121BHJP
   G01J 1/44 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01J3/32
G01J1/44 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080940
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】平野 知幸
【テーマコード(参考)】
2G020
2G065
【Fターム(参考)】
2G020CB14
2G020CB23
2G020CC02
2G020CD04
2G020CD14
2G020CD24
2G020CD34
2G020CD59
2G065AA13
2G065AB09
2G065BA09
2G065BB28
2G065BC10
2G065BC28
2G065DA05
2G065DA13
(57)【要約】
【課題】サイドモード抑圧比の測定時間を低減する。
【解決手段】本開示に係る光測定装置10は、被測定光を分光する分光器11と、演算増幅器13と、フォトダイオード12と、演算増幅器13の反転入力端子と演算増幅器13の出力端子との間に直列に接続されている複数の帰還抵抗Rf及びスイッチ14と、複数の帰還抵抗Rfのうちのいずれの帰還抵抗Rfを出力端子に接続させるかを、光強度に応じてスイッチ14を制御することによって切り換える制御部20と、を備える。制御部20は、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を、サイドモード抑圧比測定モードのときに通常測定モードのときよりも減らす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定光を分光する分光器と、
演算増幅器と、
前記演算増幅器の反転入力端子に接続され、前記分光器から受光した光の光強度に応じた電流を出力するフォトダイオードと、
前記反転入力端子と前記演算増幅器の出力端子との間に直列に接続されている複数の帰還抵抗及びスイッチと、
前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を前記出力端子に接続させるかを、前記光強度に応じて前記スイッチを制御することによって切り換える制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を、サイドモード抑圧比測定モードのときに通常測定モードのときよりも減らす、光測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光測定装置において、
前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードのときは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を2つにする、光測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光測定装置において、
前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードのときは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を3つにする、光測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光測定装置において、
ユーザからの操作を受け付け可能な入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードを開始させる操作を前記入力部が受け付けると、前記サイドモード抑圧比測定モードに移行する、光測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光測定装置において、
前記制御部は、
帰還抵抗設定モードを実行可能であり、
前記帰還抵抗設定モードにおいては、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を前記通常測定モードのときと同じ数としてサイドモード抑圧比を測定し、
測定した前記サイドモード抑圧比に基づいて、前記サイドモード抑圧比測定モードのときに、前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を使用するかを決定する、光測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光測定装置において、
前記制御部は、前記帰還抵抗設定モードを実行した後に前記サイドモード抑圧比測定モードに移行した場合、前記帰還抵抗設定モードで決定した前記帰還抵抗を使用して、前記サイドモード抑圧比測定モードを実行する、光測定装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光測定装置において、
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードに移行する際に、前記光強度の測定精度が低下する領域があることを通知するメッセージを前記表示部に表示させる、光測定装置。
【請求項8】
被測定光を分光する分光器と、演算増幅器と、前記演算増幅器の反転入力端子に接続され前記分光器から受光した光の光強度に応じた電流を出力するフォトダイオードと、前記反転入力端子と前記演算増幅器の出力端子との間に直列に接続されている複数の帰還抵抗及びスイッチと、を備える光測定装置における光測定方法であって、
前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を前記出力端子に接続させるかを、前記光強度に応じて前記スイッチを制御することによって切り換える帰還抵抗切り換えステップを含み、
前記帰還抵抗切り換えステップは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を、サイドモード抑圧比測定モードのときに通常測定モードのときよりも減らして実行する、光測定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の光測定方法において、
前記帰還抵抗切り換えステップは、前記サイドモード抑圧比測定モードのときは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を2つにして実行する、光測定方法。
【請求項10】
請求項8に記載の光測定方法において、
前記帰還抵抗切り換えステップは、前記サイドモード抑圧比測定モードのときは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を3つにして実行する、光測定方法。
【請求項11】
請求項8に記載の光測定方法において、
前記サイドモード抑圧比測定モードを開始させる操作を受け付けると、前記サイドモード抑圧比測定モードに移行するステップをさらに含む、光測定方法。
【請求項12】
請求項8に記載の光測定方法において、
前記光測定方法は、帰還抵抗設定モードを実行可能であり、
前記帰還抵抗設定モードは、
前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を前記通常測定モードのときと同じ数としてサイドモード抑圧比を測定するステップと、
測定した前記サイドモード抑圧比に基づいて、前記サイドモード抑圧比測定モードのときに、前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を使用するかを決定するステップと、を含む、光測定方法。
【請求項13】
請求項12に記載の光測定方法において、
前記光測定方法は、前記帰還抵抗設定モードを実行した後に前記サイドモード抑圧比測定モードに移行した場合、前記帰還抵抗設定モードで決定した前記帰還抵抗を使用して、前記サイドモード抑圧比測定モードを実行する、光測定方法。
【請求項14】
請求項8に記載の光測定方法において、
前記サイドモード抑圧比測定モードに移行する際に、前記光強度の測定精度が低下する領域があることを通知するメッセージを表示させるステップをさらに含む、光測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光測定装置及び光測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被測定光の光スペクトルを測定することができる光スペクトルアナライザなどの光測定装置がある。図8に、光スペクトルアナライザが測定する光スペクトルの一例を示す。図8に示すように、光スペクトルアナライザは、横軸を波長、縦軸を光強度とする光スペクトルを測定することができる。
【0003】
光スペクトルアナライザは、リニア増幅器を備える構成であるものが多い。リニア増幅器は、帰還抵抗をフィードバックに用い、帰還抵抗の抵抗値の大きさを切り換えることで、広い測定範囲で光強度を測定することができる。例えば特許文献1は、抵抗値が各々異なる複数のフィードバック抵抗を切り換える構成のリニア増幅器(光検出器)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-85306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リニア増幅器は、光強度が小さいときは高抵抗の帰還抵抗を用い、光強度が大きいときは低抵抗の帰還抵抗を用いる。例えば、n個の帰還抵抗Rf1~Rfnを切り換えて用いることができる場合、リニア増幅器は、検出した光強度の大きさに応じて、n個の帰還抵抗Rf1~Rfnのうちの何れかを選択し、選択した帰還抵抗を用いて光強度を測定する。
【0006】
光測定装置が光スペクトルを測定する際、測定対象の光の波長を掃引すると、光強度は波長によって変動する。光測定装置は、リニア増幅器の帰還抵抗を光強度の大きさに応じて切り換える。
【0007】
帰還抵抗を切り換えると、切換時間が待ち時間として発生する。切換時間の間、光測定装置は、光強度を測定することができない。切換時間は、帰還抵抗の切り換えに要する時間と、帰還抵抗を切り換えた後、安定するまでの時間とを含む。
【0008】
光スペクトルの測定の際に光強度が大きく変動すると、帰還抵抗を切り換える動作が何回も発生する。そうすると、帰還抵抗の切換時間が何回も発生するため測定時間が長くなる。
【0009】
図9に、帰還抵抗をRf1からRfnまで切り換えたときの測定時間の概念図を示す。光強度の変動に応じて帰還抵抗をRf1からRfnまで切り換えると、切換時間がn-1回発生する。そうすると、n-1回の切換時間の分だけ測定できない時間が発生するため、測定時間が長くなる。
【0010】
光スペクトルアナライザなどの光測定装置は、光スペクトルのピークの光強度とサイドピークの光強度との差分であるサイドモード抑圧比(SMSR:Side Mode Suppression Ratio)を測定できる機能を有するものが多い。
【0011】
サイドモード抑圧比の測定時間を低減できることが望まれている。
【0012】
そこで、本開示は、サイドモード抑圧比の測定時間を低減できることが可能な光測定装置及び光測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
幾つかの実施形態に係る光測定装置は、被測定光を分光する分光器と、演算増幅器と、前記演算増幅器の反転入力端子に接続され、前記分光器から受光した光の光強度に応じた電流を出力するフォトダイオードと、前記反転入力端子と前記演算増幅器の出力端子との間に直列に接続されている複数の帰還抵抗及びスイッチと、前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を前記出力端子に接続させるかを、前記光強度に応じて前記スイッチを制御することによって切り換える制御部と、を備え、前記制御部は、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を、サイドモード抑圧比測定モードのときに通常測定モードのときよりも減らす。このような光測定装置によれば、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することが可能である。
【0014】
一実施形態に係る光測定装置において、前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードのときは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を2つにしてもよい。これにより、光強度に応じて切り換える帰還抵抗の数が2つに減り、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することができる。
【0015】
一実施形態に係る光測定装置において、前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードのときは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を3つにしてもよい。これにより、光強度に応じて切り換える帰還抵抗の数が3つに減り、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することができる。
【0016】
一実施形態に係る光測定装置において、ユーザからの操作を受け付け可能な入力部をさらに備え、前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードを開始させる操作を前記入力部が受け付けると、前記サイドモード抑圧比測定モードに移行してもよい。これにより、ユーザの操作に応じてサイドモード抑圧比測定モードに移行することができる。
【0017】
一実施形態に係る光測定装置において、前記制御部は、帰還抵抗設定モードを実行可能であり、前記帰還抵抗設定モードにおいては、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を前記通常測定モードのときと同じ数としてサイドモード抑圧比を測定し、測定した前記サイドモード抑圧比に基づいて、前記サイドモード抑圧比測定モードのときに、前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を使用するかを決定してもよい。これにより、最適な帰還抵抗を用いて、サイドモード抑圧比を測定することができる。
【0018】
一実施形態に係る光測定装置において、前記制御部は、前記帰還抵抗設定モードを実行した後に前記サイドモード抑圧比測定モードに移行した場合、前記帰還抵抗設定モードで決定した前記帰還抵抗を使用して、前記サイドモード抑圧比測定モードを実行してもよい。これにより、一旦、最適な帰還抵抗を設定した後は、決定した帰還抵抗を使用してサイドモード抑圧比を測定することができる。
【0019】
一実施形態に係る光測定装置において、表示部をさらに備え、前記制御部は、前記サイドモード抑圧比測定モードに移行する際に、前記光強度の測定精度が低下する領域があることを通知するメッセージを前記表示部に表示させてもよい。これにより、サイドモード抑圧比測定モードで測定すると光強度の測定精度が低下する領域があることをユーザに把握させることができる。
【0020】
幾つかの実施形態に係る光測定方法は、被測定光を分光する分光器と、演算増幅器と、前記演算増幅器の反転入力端子に接続され前記分光器から受光した光の光強度に応じた電流を出力するフォトダイオードと、前記反転入力端子と前記演算増幅器の出力端子との間に直列に接続されている複数の帰還抵抗及びスイッチと、を備える光測定装置における光測定方法であって、前記複数の帰還抵抗のうちのいずれの帰還抵抗を前記出力端子に接続させるかを、前記光強度に応じて前記スイッチを制御することによって切り換える帰還抵抗切り換えステップを含み、前記帰還抵抗切り換えステップは、前記光強度に応じて切り換える前記帰還抵抗の数を、サイドモード抑圧比測定モードのときに通常測定モードのときよりも減らして実行する。このような光測定方法によれば、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することが可能である。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、サイドモード抑圧比の測定時間を低減できることが可能な光測定装置及び光測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態に係る光測定装置の概略構成を示す図である。
図2】サイドモード抑圧比について説明するための図である。
図3】複数の帰還抵抗の抵抗値の一例を示す図である。
図4】通常測定モードにおける帰還抵抗の切り換えの一例を示す図である。
図5】サイドモード抑圧比測定モードにおいて切り換える帰還抵抗の数を2つにする場合の一例を示す図である。
図6】サイドモード抑圧比測定モードにおける帰還抵抗の切り換えの一例を示す図である。
図7A】通常測定モードにおける測定時間の一例を示す概念図である。
図7B】サイドモード抑圧比測定モードにおける測定時間の一例を示す概念図である。
図8】従来の光測定装置が測定する光スペクトルの一例を示す図である。
図9】従来の光スペクトル測定における測定時間の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、一実施形態に係る光測定装置10の概略構成を示す図である。光測定装置10は、被測定光の光スペクトルを測定する機能を有する装置である。
【0025】
光測定装置10は、分光器11と、フォトダイオード12と、演算増幅器13と、複数の帰還抵抗Rf1~Rfnと、スイッチ14と、ADコンバータ15と、DAコンバータ16と、抵抗Ra1と、抵抗Ra2と、入力部17と、表示部18と、記憶部19と、制御部20とを備える。
【0026】
分光器11は、被測定光を分光する。分光器11は、光を分光することが可能な任意の分光器であってよい。分光器11は、例えば、回折格子を用いたモノクロメータなどであってよい。
【0027】
分光器11は、被測定光から特定の波長の光を取り出し、フォトダイオード12に出力する。分光器11がフォトダイオード12に出力する光の波長を掃引し、それぞれの波長において光強度を測定することによって、光測定装置10は、光スペクトルを測定することができる。
【0028】
フォトダイオード12は、演算増幅器13の反転入力端子に接続されている。フォトダイオード12は、分光器11が出力する光を受光すると、分光器11から受光した光の光強度に応じた電流Ipを出力する。フォトダイオード12が受光する光の光強度と、フォトダイオード12が出力する電流との関係は、フォトダイオード12の受光感度によって決定される。
【0029】
演算増幅器13は、反転入力端子、非反転入力端子及び出力端子を有する任意の演算増幅器であってよい。
【0030】
複数の帰還抵抗Rf1~Rfnは、演算増幅器13の反転入力端子とスイッチ14との間に並列に接続されている。図1においては、n個の帰還抵抗Rf1~Rfnを示しているが、帰還抵抗Rf1~Rfnの個数は、3個以上の任意の個数であってよい。なお、帰還抵抗Rf1~Rfnについて特に区別する必要がない場合、単に「帰還抵抗Rf」と称して説明する場合がある。
【0031】
複数の帰還抵抗Rf1~Rfnは、それぞれ異なる抵抗値を有する。本実施形態においては、Rf1が一番大きい抵抗値であり、Rf2、Rf3と数字が大きくなるにつれて抵抗値が小さくなるものとして説明する。Rfnが一番小さい抵抗値である。
【0032】
複数の帰還抵抗Rf1~Rfnには、それぞれ帰還容量Cf1~Cfnが並列に接続されていてもよい。本実施形態においては、帰還容量Cf1~Cfnは省略して説明する。
【0033】
スイッチ14は、複数の帰還抵抗Rf1~Rfnと演算増幅器13の出力端子との間に接続されている。換言すれば、演算増幅器13の反転入力端子と演算増幅器13の出力端子との間に、複数の帰還抵抗Rf1~Rfn及びスイッチ14が直列に接続されているともいえる。
【0034】
スイッチ14は、制御部20の指令に応じて、複数の帰還抵抗Rf1~Rfnのうちのいずれの帰還抵抗Rfを演算増幅器13の出力端子に接続させるかを切り換える。スイッチ14は、複数の帰還抵抗Rf1~Rfnのうちのいずれか1つの帰還抵抗Rfを演算増幅器13の出力端子に接続させる。
【0035】
スイッチ14は、複数の帰還抵抗Rf1~Rfnのそれぞれと、演算増幅器13の出力端子との間の電気的な接続をオン/オフすることが可能な任意の構成のスイッチであってよい。
【0036】
スイッチ14が複数の帰還抵抗Rf1~Rfnのうち帰還抵抗Rfiを選択している場合、演算増幅器13の出力端子の電圧、すなわち演算増幅器13の出力電圧Voは、以下の式で表される。
Vo=-Rfi×Ip
【0037】
ADコンバータ15は、演算増幅器13の出力電圧Voを、アナログ値からデジタル値に変換する。ADコンバータ15は、デジタル値に変換した出力電圧Voを制御部20に出力する。ADコンバータ15は、任意の構成のADコンバータであってよい。
【0038】
DAコンバータ16は、制御部20によって設定されたデジタル値の電圧をアナログ値の電圧に変換して出力する。DAコンバータ16は、任意の構成のDAコンバータであってよい。
【0039】
抵抗Ra1及び抵抗Ra2は、DAコンバータ16が出力する電圧を分圧するための抵抗である。抵抗Ra1と抵抗Ra2とを接続するノードは、演算増幅器13の非反転入力端子に接続されている。DAコンバータ16が出力する電圧は、抵抗Ra1及び抵抗Ra2によって分圧され、演算増幅器13の非反転入力端子に入力される。
【0040】
DAコンバータ16、抵抗Ra1及び抵抗Ra2は、演算増幅器13のオフセット電圧をキャンセルするための回路である。演算増幅器13のオフセット電圧は、通常数mV程度である。このオフセット電圧をキャンセルするため、抵抗Ra1は、通常数オーム程度の抵抗値であり、抵抗Ra2は、抵抗Ra1よりも十分大きい抵抗値である。
【0041】
入力部17は、ユーザからの操作を受け付け可能なインタフェースを含む。入力部17は、例えば、ボタン、ロータリーノブなどを含んでいてよい。
【0042】
表示部18は、各種のデータを表示することができる。表示部18は、例えば、光測定装置10が測定した光スペクトルを表示することができる。表示部18は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイなどを含んでいてよい。
【0043】
記憶部19は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部19は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部19は、光測定装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部19は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、各種データなどを記憶していてよい。
【0044】
制御部20は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
【0045】
制御部20は、記憶部19に記憶されているプログラム、データなどを読み込み、各種機能を実行する。
【0046】
続いて、光測定装置10の動作について説明する。
【0047】
光測定装置10は、被測定光が分光器11に入力されている状態で、分光器11がフォトダイオード12に出力する光の波長を掃引する。この際、各波長の光強度を測定することによって、図8に示したような光スペクトルを測定することができる。
【0048】
光測定装置10は、光スペクトルを測定すると、サイドモード抑圧比を測定することができる。なお、本実施形態においては、「サイドモード抑圧比」について、「SMSR(Side Mode Suppression Ratio)」と称して説明する場合もある。
【0049】
図2を参照して、サイドモード抑圧比について説明する。
【0050】
図2に示す光スペクトルにおいて、ピーク101は、光強度が最も大きいピークである。サイドピーク102は、ピーク101の波長より小さい波長において、ピーク101の次に大きいピークである。サイドピーク103は、ピーク101の波長より大きい波長において、ピーク101の次に大きいピークである。
【0051】
サイドモード抑圧比は、図2において、符号104及び符号105で表される。符号104は、ピーク101の光強度とサイドピーク102の光強度との差分である。符号104は、サイドピーク102のサイドモード抑圧比と称してもよい。符号105は、ピーク101の光強度とサイドピーク103の光強度との差分である。符号105は、サイドピーク103のサイドモード抑圧比と称してもよい。サイドモード抑圧比は、通常、[dB]という単位で表される。
【0052】
再び図1を参照して、帰還抵抗Rf1~Rfnの切り換えにについて説明する。制御部20は、ADコンバータ15から取得した光強度に応じてスイッチ14を制御し、複数の帰還抵抗Rf1~Rfnのうちのいずれの帰還抵抗Rfを、演算増幅器13の出力端子に接続させるかを切り換える。
【0053】
帰還抵抗Rfの抵抗値の大きさと各種特性との間には、一般的に以下のような関係がある。
・帰還抵抗Rfの抵抗値が大きいと雑音レベルが小さくなり、抵抗値が小さいと雑音レベルが大きくなる。
・帰還抵抗Rfの抵抗値が大きいと出力電圧Voが大きくなり、抵抗値が小さいと出力電圧Voが小さくなる。
・帰還抵抗Rfの抵抗値が大きいと帯域が狭くなり、抵抗値が小さいと帯域が広くなる。
【0054】
このような特性があることから、制御部20は、光強度が小さいときは抵抗値の大きい帰還抵抗Rfが選択されるようにスイッチ14を制御し、光強度が大きいときは抵抗値の小さい帰還抵抗Rfが選択されるようにスイッチ14を制御する。なお、ここで、帰還抵抗Rfを選択するという表現をしているが、これは、選択された帰還抵抗Rfが演算増幅器13の出力端子に接続されるようにスイッチ14を制御することを意味する。
【0055】
図3に、帰還抵抗Rf1~Rfnの数が8個である場合、すなわちn=8である場合の、帰還抵抗Rf1~Rf8の抵抗値の一例を示す。
【0056】
図3に示す例においては、帰還抵抗Rf1の抵抗値は1GΩである。帰還抵抗Rf2の抵抗値は100MΩであり、帰還抵抗Rf1の抵抗値より1桁小さい。このように順次1桁ずつ小さい抵抗値となっていき、帰還抵抗Rf8の抵抗値は100Ωである。
【0057】
図3は、それぞれの帰還抵抗Rfを選択したときの雑音レベルも示している。図3に示す例においては、帰還抵抗Rf1を選択したときの雑音レベルが-90dBmであり、一番雑音レベルが小さい。また、帰還抵抗Rf8を選択したときの雑音レベルが-20dBmであり、雑音レベルが一番大きい。
【0058】
以後、光測定装置10が、図3に示すような複数の帰還抵抗Rf1~Rf8を備えている場合を例に挙げて説明する。
【0059】
光測定装置10は、通常測定モード及びサイドモード抑圧比測定モードを有する。サイドモード抑圧比測定モードは、サイドモード抑圧比を高速で測定することが可能なモードである。光測定装置10は、通常測定モード及びサイドモード抑圧比測定モードのいずれの測定モードによっても、サイドモード抑圧比を測定可能である。
【0060】
<通常測定モード>
最初に、光測定装置10が通常測定モードでサイドモード抑圧比を測定する場合の動作を、図4を参照して説明する。
【0061】
通常測定モードにおいては、制御部20は、光強度に応じて、8個の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちから1つの帰還抵抗Rfを選択するように、スイッチ14を制御する。
【0062】
図4に示す例においては、制御部20は、光強度に応じて以下のように帰還抵抗Rf1~Rf8を選択する。
光強度がP1未満:帰還抵抗Rf1を選択
光強度がP1以上でP2未満:帰還抵抗Rf2を選択
光強度がP2以上でP3未満:帰還抵抗Rf3を選択
光強度がP3以上でP4未満:帰還抵抗Rf4を選択
光強度がP4以上でP5未満:帰還抵抗Rf5を選択
光強度がP5以上でP6未満:帰還抵抗Rf6を選択
光強度がP6以上でP7未満:帰還抵抗Rf7を選択
光強度がP7以上:帰還抵抗Rf8を選択
【0063】
このような設定で光スペクトルを測定する場合、分光器11がフォトダイオード12に出力する光の波長を小さい波長から大きい波長に掃引していくと、図4に白丸で示す波長において、帰還抵抗Rfの切換が発生する。
【0064】
例えばサイドピーク102の部分を参照すると、波長がサイドピーク102の波長に近づく直前に、制御部20は、帰還抵抗Rfを、帰還抵抗Rf2から帰還抵抗Rf3に切り換える。また、波長がサイドピーク102の波長を過ぎた直後に、制御部20は、帰還抵抗Rfを、帰還抵抗Rf3から帰還抵抗Rf2に切り換える。
【0065】
図4に示す例の場合、制御部20は、光スペクトルを測定する際に、帰還抵抗Rfを切り換える動作を14回実行する。帰還抵抗Rfを切り換える際は切換時間が待ち時間として発生するため、帰還抵抗Rfを切り換える回数が多いと光スペクトルを測定する時間が長くなる。
【0066】
制御部20は、光スペクトルを測定すると、ピーク101の光強度とサイドピーク102の光強度との差分、及び、ピーク101の光強度とサイドピーク103の光強度との差分を算出することによって、サイドモード抑圧比を算出することができる。
【0067】
<サイドモード抑圧比測定モード>
続いて、光測定装置10がサイドモード抑圧比測定モードでサイドモード抑圧比を測定する場合の動作を説明する。
【0068】
入力部17は、サイドモード抑圧比測定モードを開始させる操作をユーザから受け付け可能である。
【0069】
制御部20は、サイドモード抑圧比測定モードを開始させる操作を入力部17がユーザから受け付けると、サイドモード抑圧比測定モードに移行する。
【0070】
制御部20は、サイドモード抑圧比測定モードに移行すると、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を、通常測定モードのときよりも減らす。
【0071】
図5に、サイドモード抑圧比測定モードにおいて、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を2つにする場合の一例を示す。
【0072】
図5に示す例においては、制御部20は、サイドモード抑圧比測定モードにおいては、帰還抵抗Rf3及び帰還抵抗Rf7だけを使用する。すなわち、制御部20は、光強度に応じて2つの帰還抵抗Rfのみを切り換える。
【0073】
サイドモード抑圧比測定モードのときに、複数の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちのいずれの帰還抵抗Rfを使用するかは予め設定されていて記憶部19に記憶されていてよい。
【0074】
光測定装置10がサイドモード抑圧比測定モードでサイドモード抑圧比を測定する場合の動作を、図6を参照して説明する。
【0075】
図6に示す例においては、制御部20は、光強度に応じて以下のように帰還抵抗Rf3及びRf7のいずれかを選択する。
光強度がP4未満:帰還抵抗Rf3を選択
光強度がP4以上:帰還抵抗Rf7を選択
【0076】
このような設定で光スペクトルを測定する場合、分光器11がフォトダイオード12に出力する光の波長を小さい波長から大きい波長に掃引していくと、図6に白丸で示す波長において、帰還抵抗Rfの切換が発生する。
【0077】
例えばサイドピーク102の部分を参照すると、通常測定モードで測定する場合は、図4に示したように、サイドピーク102の前後の波長で帰還抵抗Rfの切り換えが実行されたが、サイドモード抑圧比測定モードで測定する場合は、サイドピーク102の前後の波長では帰還抵抗Rfの切り換えは実行されない。
【0078】
図6に示す例の場合、制御部20は、光スペクトルを測定する際に、帰還抵抗Rfを切り換える動作を2回だけ実行する。このように、帰還抵抗Rfを切り換える動作が通常測定モードの場合よりも減るため、光測定装置10は、サイドモード抑圧比測定モードで測定することによって、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することができる。
【0079】
制御部20は、光スペクトルを測定すると、ピーク101の光強度とサイドピーク102の光強度との差分、及び、ピーク101の光強度とサイドピーク103の光強度との差分を算出することによって、サイドモード抑圧比を算出することができる。
【0080】
サイドモード抑圧比測定モードで測定すると通常測定モードで測定する場合に比べて測定時間を低減できることを、図7A及び図7Bを参照してさらに説明する。
【0081】
図7Aは、図4に示した測定において、波長f1から波長f2まで測定するまでの時間を模式的に示したものである。
【0082】
図4及び図7Aに示すように、波長f1から波長f2まで測定するまでの間に、帰還抵抗Rfを切り換える動作は7回発生する。帰還抵抗Rfを切り換える動作が7回発生すると、切換時間が7回発生するため、波長f1から波長f2まで測定するまでの時間は、図7Aに示すようにt1だけの時間がかかる。
【0083】
図7Bは、図6に示した測定において、波長f1から波長f2まで測定するまでの時間を模式的に示したものである。
【0084】
図6及び図7Bに示すように、波長f1から波長f2まで測定するまでの間に、帰還抵抗Rfを切り換える動作は1回しか発生しない。帰還抵抗Rfを切り換える動作が1回しか発生しないため、波長f1から波長f2まで測定するまでの時間t2は、図7Aに示す時間t1よりも短い時間である。
【0085】
サイドモード抑圧比測定モードで測定する場合に、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を、通常測定モードのときよりも減らせる理由について説明する。
【0086】
図4を参照すると、ピーク101を測定するには帰還抵抗Rf7を選択することが最適である。また、サイドピーク102及びサイドピーク103を測定するには帰還抵抗Rf3を選択することが最適である。
【0087】
通常、サイドモード抑圧比を測定する場合、ピーク101、サイドピーク102及びサイドピーク103の光強度は、大体どの程度のレベルであるかがわかっていることが多い。そのため、ピーク101、サイドピーク102及びサイドピーク103を精度良く測定できる帰還抵抗Rfだけを使用するようにしても、ピーク101、サイドピーク102及びサイドピーク103は精度良く測定できるため、サイドモード抑圧比は精度良く測定することができる。
【0088】
例えば、図4に示す例においては、帰還抵抗Rf3及び帰還抵抗Rf7だけを使用しても、通常測定モードで測定する場合と同じ測定精度で、サイドモード抑圧比を測定することができる。
【0089】
なお、サイドモード抑圧比測定モードで測定する場合、例えば、通常測定モードであれば帰還抵抗Rf4又は帰還抵抗Rf5などで測定することが最適な領域において、光強度の測定精度が若干低下する場合がある。このことをユーザに通知するため、制御部20は、サイドモード抑圧比測定モードに移行する際に、光強度の測定精度が低下する領域があることを通知するメッセージを表示部18に表示させてもよい。しかしながら、この場合も、帰還抵抗Rf4又は帰還抵抗Rf5などで測定する領域にサイドピーク102及びサイドピーク103はないため、サイドモード抑圧比の測定精度は低下しない。
【0090】
<帰還抵抗設定モード>
上述の説明においては、サイドモード抑圧比測定モードで測定する場合に、複数の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちのいずれの帰還抵抗Rfを使用するかは予め設定されているものとして説明した。
【0091】
制御部20は、帰還抵抗設定モードを実行し、サイドモード抑圧比測定モードで測定する場合に、複数の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちのいずれの帰還抵抗Rfを使用するかを自動的に決定してもよい。
【0092】
制御部20は、帰還抵抗設定モードにおいては、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を通常測定モードのときと同じ数としてサイドモード抑圧比を測定する。すなわち、通常モードで切り換える帰還抵抗Rfの数が、帰還抵抗Rf1~Rf8の8個である場合、制御部20は、光強度に応じて8個の帰還抵抗Rf1~Rf8を切り換えてサイドモード抑圧比を測定する。
【0093】
制御部20は、切り換える帰還抵抗Rfの数を通常測定モードのときと同じ数としてサイドモード抑圧比を測定した後、測定したサイドモード抑圧比に基づいて、サイドモード抑圧比測定モードのときに複数の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちのいずれの帰還抵抗Rfを使用するかを決定してよい。
【0094】
制御部20は、例えば、サイドモード抑圧比を測定する際に測定した、ピーク101、サイドピーク102及びサイドピーク103の光強度に基づいて、サイドモード抑圧比測定モードのときに複数の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちのいずれの帰還抵抗Rfを使用するかを決定してよい。
【0095】
制御部20は、このように、帰還抵抗設定モードを実行して、サイドモード抑圧比測定モードのときに複数の帰還抵抗Rf1~Rf8のうちのいずれの帰還抵抗Rfを使用するかを自動的に決定することにより、サイドモード抑圧比を測定するために最適な帰還抵抗Rfを選択することができる。
【0096】
制御部20は、帰還抵抗設定モードを実行した後にサイドモード抑圧比測定モードに移行した場合、帰還抵抗設定モードで決定した帰還抵抗Rfを使用して、サイドモード抑圧比測定モードを実行する。
【0097】
制御部20は、毎回、帰還抵抗設定モードを実行するのではなく、サイドモード抑圧比測定モードで測定した結果、帰還抵抗設定モードを実行する必要があると判定した場合に、帰還抵抗設定モードに移行してもよい。例えば、制御部20は、サイドモード抑圧比測定モードで測定した結果、サイドピーク102及びサイドピーク103の光強度が、予め設定されている帰還抵抗Rfでは精度良く測定することができない光強度であると判定した場合に、帰還抵抗設定モードに移行してもよい。
【0098】
以上のような一実施形態に係る光測定装置10によれば、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することが可能となる。より具体的には、制御部20は、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を、サイドモード抑圧比測定モードのときに通常測定モードのときよりも減らす。これにより、サイドモード抑圧比を測定するために光スペクトルを測定する際、帰還抵抗Rfを切り換えるための切換時間が発生する回数を減らすことができる。このように、切換時間が発生する回数を減らすことができるため、光測定装置10は、サイドモード抑圧比の測定時間を低減することが可能となる。
【0099】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。従って、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含される。
【0100】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0101】
例えば、上述した実施形態において、サイドモード抑圧比測定モードにおいて、光強度に応じて切り換える帰還抵抗Rfの数を2つにする場合を例に挙げて説明したが、切り換える帰還抵抗Rfの数は3つでもよい。また、切り換える帰還抵抗Rfの数は、2つ又は3つに限らず、通常測定モードのときに切り換える帰還抵抗Rfの数より少ない数であればよい。
【符号の説明】
【0102】
10 光測定装置
11 分光器
12 フォトダイオード
13 演算増幅器
14 スイッチ
15 ADコンバータ
16 DAコンバータ
17 入力部
18 表示部
19 記憶部
20 制御部
Rf1~Rfn、Rf 帰還抵抗
Ra1 抵抗
Ra2 抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9