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特開2024-16509部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法
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  • 特開-部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016509
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240131BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118684
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】花園 博行
(72)【発明者】
【氏名】藤村 仁人
(72)【発明者】
【氏名】東 誉人
【テーマコード(参考)】
5E336
5E338
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336AA14
5E336BB02
5E336BB16
5E336BC15
5E336BC28
5E336CC31
5E336CC55
5E336GG10
5E338AA02
5E338AA16
5E338BB13
5E338BB75
5E338CC01
5E338EE32
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】電子素子の姿勢を確実に制御できる部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法を提供する。
【解決手段】部品および素子付配線回路基板10は、配線回路基板1と電子部品2と電子素子3とを備える。配線回路基板1は、導体層23とカバー絶縁層24とを備える。導体層23は、信号端子部231とグランド端子部232とを備える。信号端子部231は、カバー絶縁層24から露出する上面231Sを有する。グランド端子部232は、ベース絶縁層22から露出する下面2321Sを有する。配線回路基板1は、電子部品2に接触する第1台座部31と第2台座部32とを備える。グランド端子部232は、第2台座部32に対して第1台座部31の反対側に隣接して配置される。グランド端子部232を被覆するカバー絶縁層24は、第2台座部32におけるカバー絶縁層24よりも薄い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上面に配置される導体層と、前記導体層を被覆するように前記ベース絶縁層の上面に配置されるカバー絶縁層とを備える配線回路基板と、
前記導体層と電気的に接続される電子部品および電子素子とを備え、
前記導体層は、
前記カバー絶縁層から露出する上面を有し、前記電子部品と電気的に接続される第1端子部と、
前記ベース絶縁層から露出する下面を有し、前記電子素子と電気的に接続され、前記第1端子部と独立する第2端子部とを備え、
前記配線回路基板は、
前記ベース絶縁層、前記導体層および前記カバー絶縁層を含み、前記電子部品の下面に接触する第1台座部と、
前記ベース絶縁層、前記導体層および前記カバー絶縁層を含み、前記電子部品の下面に接触する第2台座部であって、厚み方向に直交する第1方向において前記第1台座部と間隔が隔てられる第2台座部と、をさらに備え、
前記第2端子部は、前記第1方向において前記第2台座部に対して前記第1台座部の反対側に隣接して配置され、
前記第2端子部を被覆する前記カバー絶縁層は、前記第2台座部における前記カバー絶縁層よりも薄い、部品および素子付配線回路基板。
【請求項2】
前記第2端子部は、
前記ベース絶縁層から露出する下面を有する端子本体部と、
前記端子本体部の周端縁に連続し、前記ベース絶縁層の上面に配置される端子周部とを有し、
前記端子周部を被覆する前記カバー絶縁層は、前記第2台座部における前記カバー絶縁層よりも薄い、請求項1に記載の部品および素子付配線回路基板。
【請求項3】
前記端子周部を被覆する前記カバー絶縁層は、下側に向かって凹む凹部であって、前記第1方向において、前記端子本体部および前記第2台座部の間に配置される凹部を有する、請求項2に記載の部品および素子付配線回路基板。
【請求項4】
前記電子素子は、前記第1方向に延びる形状を有する、請求項1または請求項2に記載の部品および素子付配線回路基板。
【請求項5】
前記第2端子部は、グランド端子部であり、
前記第2台座部における前記ベース絶縁層は、開口部を有し、
前記第2台座部における前記導体層は、前記開口部に充填され、前記グランド端子部と電気的に接続されている、請求項1または請求項2に記載の部品および素子付配線回路基板。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の部品および素子付配線回路基板の製造方法であって、
カバー絶縁層を、導体層の上面に形成する工程を備え、
前記工程は、
感光性樹脂層を、前記導体層の上面に形成する工程と、
前記感光性樹脂層を階調露光する工程とを備える、部品および素子付配線回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線回路基板と、電子部品と、電子素子とを備える部品および素子付配線回路基板が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。特許文献1に記載の部品および素子付配線回路基板では、配線回路基板は、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層とを備える。導体層は、第1端子部と、第2端子部とを備える。第1端子部は、カバー絶縁層から露出する上面を有する。第1端子部は、電子部品と電気的に接続される。第2端子部は、ベース絶縁層から露出する下面を有する。第2端子部は、第1端子部と独立する。第2端子部は、電子素子と電気的に接続される。
【0003】
また、配線回路基板は、第1台座部と、第2台座部とをさらに備える。第1台座部および第2台座部のそれぞれは、ベース絶縁層と、導体層と、カバー絶縁層とを含む。第2台座部は、第2端子部と隣接する。第1台座部と、第2台座部と、第2端子部とは、厚み方向に直交する方向に並ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-099204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子素子は、その機能を確保する観点から、比較的大きい。そのため、かかる電子素子と接続される第2端子部は、比較的広い面積を有する。そうすると、製法上の理由から、かかる第2端子部を被覆するカバー絶縁層は、第2台座部に比べて厚くなる。そうすると、電子部品は、第2端子部を被覆するカバー絶縁層に接触する。すると、電子部品において、第2台座部に対する第1台座部の反対側の部分が上方に移動する。そうすると、電子部品の姿勢を確実に制御できない不具合がある。
【0006】
本発明は、電子素子の姿勢を確実に制御できる部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、ベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上面に配置される導体層と、前記導体層を被覆するように前記ベース絶縁層の上面に配置されるカバー絶縁層とを備える配線回路基板と、前記導体層と電気的に接続される電子部品および電子素子とを備え、前記導体層は、前記カバー絶縁層から露出する上面を有し、前記電子部品と電気的に接続される第1端子部と、前記ベース絶縁層から露出する下面を有し、前記電子素子と電気的に接続され、前記第1端子部と独立する第2端子部とを備え、前記配線回路基板は、前記ベース絶縁層、前記導体層および前記カバー絶縁層を含み、前記電子部品の下面に接触する第1台座部と、前記ベース絶縁層、前記導体層および前記カバー絶縁層を含み、前記電子部品の下面に接触する第2台座部であって、厚み方向に直交する第1方向において前記第1台座部と間隔が隔てられる第2台座部と、をさらに備え、前記第2端子部は、前記第1方向において前記第2台座部に対して前記第1台座部の反対側に隣接して配置され、前記第2端子部を被覆する前記カバー絶縁層は、前記第2台座部における前記カバー絶縁層よりも薄い、部品および素子付配線回路基板を含む。
【0008】
この部品および素子付配線回路基板では、第2端子部を被覆するカバー絶縁層は、第2台座部におけるカバー絶縁層よりも薄い。そのため、電子部品が、第2端子部を被覆するカバー絶縁層に接触することを抑制できる。その結果、第1台座部と第2台座部とによって、電子部品の姿勢を確実に制御できる。
【0009】
本発明[2]は、前記第2端子部は、前記ベース絶縁層から露出する下面を有する端子本体部と、前記端子本体部の周端縁に連続し、前記ベース絶縁層の上面に配置される端子周部とを有し、前記端子周部を被覆する前記カバー絶縁層は、前記第2台座部における前記カバー絶縁層よりも薄い、[1]に記載の部品および素子付配線回路基板を含む。
【0010】
本発明[3]は、前記端子周部を被覆する前記カバー絶縁層は、下側に向かって凹む凹部であって、前記第1方向において、前記端子本体部および前記第2台座部の間に配置される凹部を有する、[2]に記載の部品および素子付配線回路基板を含む。
【0011】
この部品および素子付配線回路基板によれば、凹部を視認することによって、第2台座部を被覆するカバー絶縁層が、第2台座部におけるカバー絶縁層よりも薄くなっていることを容易に確認できる。
【0012】
本発明[4]は、前記電子素子は、前記第1方向に延びる形状を有する、[1]から[3]のいずれか一項に記載の部品および素子付配線回路基板を含む。
【0013】
本発明[5]は、前記第2端子部は、グランド端子部であり、前記第2台座部における前記ベース絶縁層は、開口部を有し、前記第2台座部における前記導体層は、前記開口部に充填され、前記グランド端子部と電気的に接続されている、[1]から[4]のいずれか一項に記載の部品および素子付配線回路基板を含む。
【0014】
この部品および素子付配線回路基板では、第2台座部における導体層は、グランド端子部および金属支持層を電気的に接続するので、第2台座部における導体層は、第2台座部を構成しながら、上記したグランド端子部を金属支持層にグランド接続できる。つまり、第2台座部における導体層は、台座の機能と、グランド接続の機能とを併せ持つ。
【0015】
本発明[6]は、[1]から[5]のいずれか一項に記載の部品および素子付配線回路基板の製造方法であって、カバー絶縁層を、導体層の上面に形成する工程を備え、前記工程は、感光性樹脂層を、前記導体層の上面に形成する工程と、前記感光性樹脂層を階調露光する工程とを備える、部品および素子付配線回路基板の製造方法を含む。
【0016】
この製造方法であれば、感光性樹脂層を階調露光するので、第2端子部を被覆するカバー絶縁層を、第2台座部におけるカバー絶縁層よりも簡便に薄くできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の部品および素子付配線回路基板および部品、および、その製造方法によれば、電子素子の上下方向における姿勢を確実に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の部品および素子付配線回路基板の概略平面図である。
図2図1に示す部品および素子付配線回路基板における実装部の平面図である。
図3図2に示す実装部の拡大平面図である。
図4図3に示す実装部のA-A線に沿う断面図である。
図5図3に示すグランド端子部および第2台座部の拡大平面図である。
図6図4に示す部品および素子付配線回路基板の製造工程図である。図6Aは、ベース絶縁層を形成する工程を示す。図6Bは、導体層を形成する工程を示す。図6Cは、感光性樹脂層を階調露光する工程を示す。図6Dは、感光性樹脂層を現像して、カバー絶縁層を形成する工程を示す。図6Eは、金属支持層およびベース絶縁層を外形加工する工程を示す。
図7】変形例の部品および素子付配線回路基板における実装部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1. 部品および素子付配線回路基板の一実施形態
図1から図5を参照して、部品および素子付配線回路基板の一実施形態を説明する。
【0020】
図1および図2において、導体層23(後述)の配置および形状を明瞭に把握するために、カバー絶縁層24(後述)を省略する。
【0021】
図3において、導体層23(後述)の配置および形状を明瞭に把握するために、電子部品2(後述)、電子素子3(後述)およびカバー絶縁層24(後述)を省略する。
【0022】
図5において、台座カバー部241(後述)および薄肉カバー部242(後述)の配置および形状を明瞭に把握するために、台座カバー部241(後述)および薄肉カバー部242(後述)をグレーで描画している。
【0023】
1.1 部品および素子付配線回路基板10の全体構成
図1に示すように、部品および素子付配線回路基板10は、シート形状を有する。部品および素子付配線回路基板10は、第1方向に延びる。第1方向は、厚み方向に直交する。部品および素子付配線回路基板10は、配線回路基板1と、電子部品2と、電子素子3と、を備える。
【0024】
配線回路基板1は、シート形状を有する。配線回路基板1は、第1方向に延びる。配線回路基板1は、実装部1Aと、外部接続部1Bと、配線部1Cと、を備える。また、配線回路基板1は、金属支持層21と、金属支持層21の上に配置される導体層23と、を備える。導体層23は、複数の一方側の端子ユニット23A、複数の他方側の端子ユニット23B、および、複数の配線ユニット23Cと、を備える。
【0025】
実装部1Aは、第1方向における配線回路基板1の一端部に配置される。実装部1Aは、金属支持層21と、複数の一方側の端子ユニット23Aと、を含む。実装部1Aには、電子部品2と、電子素子3とが実装される。
【0026】
外部接続部1Bは、第1方向における配線回路基板1の他端部に配置される。外部接続部1Bは、金属支持層21と、複数の他方側の端子ユニット23Bと、を含む。外部接続部1Bには、図示しない外部基板および図示しない電源装置が接続される。
【0027】
配線部1Cは、第1方向における配線回路基板1の中間部に配置される。配線部1Cは、第1方向において、実装部1Aと、外部接続部1Bとを連結する。配線部1Cは、金属支持層21と、複数の配線ユニット23Cと、を含む。
【0028】
電子部品2は、実装部1Aに配置される。電子部品2は、一方側の端子ユニット23Aの一部(後述する信号端子部231、図2参照)と電気的に接続される。電子部品2は、例えば、スライダを含む。図4に示すように、電子部品2は、上下方向に厚みを有する。電子部品2は、略平板形状を有する。電子部品2は、第1方向の一端部に配置される複数の電極(図示せず)を有する。
【0029】
図2に示すように、電子素子3は、実装部1Aに複数配置される。複数の電子素子3は、第2方向において間隔を隔てられる。第2方向は、第1方向および厚み方向に直交する。複数の電子素子3のそれぞれは、一方側の端子ユニット23Aの一部(後述するグランド端子部232および電源端子部233、図2参照)と電気的に接続される。本実施形態では、電子素子3は、例えば、ピエゾ素子を含む。複数の電子素子3のそれぞれは、第1方向に延びる形状を有する。ピエゾ素子は、第1方向に伸縮可能なアクチュエータである。具体的には、ピエゾ素子は、電気が供給され、その電圧が制御されることによって伸縮する。複数の電子素子3のそれぞれは、第1方向の両端部に配置される電極(図示せず)を有する。
【0030】
1.2 配線回路基板1の層構成
図4に示すように、配線回路基板1は、上記した金属支持層21と、ベース絶縁層22と、上記した導体層23と、カバー絶縁層24とを、厚み方向の一方側に向かって順に備える。
【0031】
1.2.1 金属支持層21
金属支持層21は、実装部1Aと、外部接続部1B(図1参照)と、配線部1C(図1参照)とのそれぞれに含まれる。金属支持層21の材料としては、金属材料が挙げられる。金属材料としては、例えば、ステンレスが挙げられる。金属支持層21の厚みは、例えば、10μm以上、また、35μm以下である。
【0032】
1.2.2 ベース絶縁層22
ベース絶縁層22は、実装部1Aと、外部接続部1B(図1参照)と、配線部1C(図1参照)とのそれぞれに含まれる。ベース絶縁層22は、金属支持層21の上面に配置される。また、実装部1Aにおいて、ベース絶縁層22の下面の一部は、金属支持層21から露出する。ベース絶縁層22の材料としては、可撓性の樹脂が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリイミドが挙げられる。ベース絶縁層22の厚みは、例えば、1μm以上、また、20μm以下である。
【0033】
1.2.3 導体層23
導体層23は、上記した複数の一方側の端子ユニット23Aと、上記した複数の他方側の端子ユニット23B(図1参照)と、上記した複数の配線ユニット23C(図1参照)とに含まれる。導体層23は、ベース絶縁層22の上面に配置される。導体層23の材料としては、例えば、導体が挙げられる。導体としては、例えば、銅が挙げられる。導体層23の厚みは、例えば、1μm以上、また、20μm以下である。
【0034】
1.2.4 カバー絶縁層24
カバー絶縁層24は、実装部1Aと、外部接続部1B(図1参照)と、配線部1C(図1参照)とに含まれる。カバー絶縁層24は、ベース絶縁層22の上面に配置される。カバー絶縁層24は、配線ユニット23Cと、一方側の端子ユニット23Aの一部(後述するグランド端子部232および電源端子部233、図3参照)と、を被覆する。カバー絶縁層24は、一方側の端子ユニット23Aの残部(後述する信号端子部231)と、他方側の端子ユニット23B(図1参照)とを露出する。カバー絶縁層24の材料としては、可撓性の樹脂が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリイミドが挙げられる。カバー絶縁層24の厚みは、例えば、1μm以上、また、20μm以下である。
【0035】
1.3 実装部1Aの詳細
実装部1Aの詳細を説明する。図2に示すように、実装部1Aは、アウトリガー部11と、搭載部12と、連結部13と、補助連結部14と、を備える。
【0036】
アウトリガー部11は、第2方向における実装部1Aの両端部にそれぞれ配置される。2つのアウトリガー部11のそれぞれは、第1方向に延びる。2つのアウトリガー部11は、配線部1C(図1参照)から第1方向に延びる。本実施形態では、アウトリガー部11は、例えば、金属支持層21を含む。
【0037】
搭載部12は、第2方向において、2つのアウトリガー部11の間に配置される。搭載部12には、電子部品2および電子素子3が搭載される。搭載部12は、基部121と、ステージ122と、第1突出部123と、第2突出部124と、架橋部125と、を備える。
【0038】
基部121は、第1方向における搭載部12の他端部に配置される。基部121は、第2方向に延びる。基部121は、上記した金属支持層21、ベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24(図4参照)を含む。
【0039】
ステージ122は、第1方向における搭載部12の一端部に配置される。ステージ122は、第1方向において、基部121と間隔が隔てられる。ステージ122は、第1方向に延びる。ステージ122は、平面視略矩形状を有する。ステージ122は、上記した金属支持層21、ベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24(図4参照)を含む。
【0040】
第1突出部123は、第1方向におけるステージ122の他端縁から、他方側に向かって延びる。詳しくは、第1突出部123は、第2方向におけるステージ122の両端部に対応して2つ設けられる。また、2つの第1突出部123のそれぞれは、第2方向にも延びる。本実施形態では、2つの第1突出部123のそれぞれは、例えば、平面視略矩形状を有する。図4に示すように、2つの第1突出部123のそれぞれは、上記したベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24を含む。2つの第1突出部123のそれぞれは、上記した金属支持層21を含まない。
【0041】
図2に示すように、第2突出部124は、第1方向における基部121の一端縁から、一方側に向かって延びる。詳しくは、第2突出部124は、第2方向における基部121の両端部に対応して2つ設けられる。また、2つの第2突出部124のそれぞれは、第2方向にも延びる。本実施形態では、2つの第2突出部124のそれぞれは、例えば、平面視略矩形状を有する。第2突出部124は、第1方向において第1突出部123と他方側に間隔を隔てて対向配置される。2つの第2突出部124のそれぞれは、上記したベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24(図4参照)を含む。2つの第2突出部124のそれぞれは、上記した金属支持層21を含まない。
【0042】
架橋部125は、第1方向における搭載部12の中間部に配置される。架橋部125は、第2方向において、2つの第1突出部123の間に配置される。架橋部125は、第2方向において、2つの第2突出部124の間に配置される。架橋部125は、第1方向に延びる。架橋部125は、第1方向において、基部121と、ステージ122と、を架橋する。架橋部125は上記した金属支持層21、ベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24(図4参照)を含む。
【0043】
連結部13は、第2方向において、2つのアウトリガー部11と、搭載部12とを連結する。詳しくは、連結部13は、2つの第1方向におけるアウトリガー部11の一端部のそれぞれと、第2方向における基部121の両端部のそれぞれとを連結する。連結部13は、例えば、金属支持層21を含む。
【0044】
補助連結部14は、2つのアウトリガー部11と、ステージ122と、を連結する。詳しくは、補助連結部14は、2つの第1方向におけるアウトリガー部11の一端部と、第2方向におけるステージ122の一端部とを、連結する。補助連結部14は、例えば、ベース絶縁層22および/またはカバー絶縁層24を含む。
【0045】
1.4 導体層23の詳細
導体層23の詳細を説明する。図1に示すように、導体層23は、上記した複数の一方側の端子ユニット23Aと、上記した複数の他方側の端子ユニット23Bと、上記した複数の配線ユニット23Cと、を含む。
【0046】
1.4.1 一方側の端子ユニット23A
図2に示すように、一方側の端子ユニット23Aは、第1端子部の一例としての信号端子部231と、第2端子部の一例としてのグランド端子部232と、電源端子部233と、を備える。つまり、導体層23は、信号端子部231と、グランド端子部232とを備える。
【0047】
信号端子部231は、第1方向におけるステージ122の一端部に配置される。信号端子部231は、第2方向において互いに間隔を隔てて複数配置される。図4に示すように、信号端子部231は、ベース絶縁層22の上面に接触している。信号端子部231は、カバー絶縁層24から露出する上面231Sを有する。第1方向における信号端子部231の長さ、および、第2方向における信号端子部231の長さのそれぞれは、例えば、10μm以上、また、500μm以下である。
【0048】
図3に示すように、グランド端子部232は、上記した第1突出部123内に配置される。グランド端子部232は、複数の電子素子3に対応して複数設けられる。本実施形態では、複数のグランド端子部232のそれぞれは、例えば、平面視略矩形状を有する。図4に示すように、複数のグランド端子部232のそれぞれは、端子本体部2321と、端子周部2322とを有する。
【0049】
グランド端子部232に対応するベース絶縁層22は、第1開口部221を有する。第1開口部221は、厚み方向においてベース絶縁層22を貫通する。本実施形態では、第1開口部221は、例えば、平面視略矩形状を有する。上記した端子本体部2321は、第1開口部221内に充填される。端子本体部2321は、端子周部2322から下側に落ち込む。端子本体部2321は、第1開口部221の周囲のベース絶縁層22から露出する下面2321Sを有する。下面2321Sは、第1開口部221の周囲のベース絶縁層22の下面と面一である。端子本体部2321の上面は、カバー絶縁層24に被覆される。
【0050】
端子周部2322は、端子本体部2321の周端縁に連続する。本実施形態では、端子周部2322は、平面視略矩形枠形状を有する。端子周部2322は、第1開口部221の周囲のベース絶縁層22の上面に配置される。端子周部2322の上面および周側面は、カバー絶縁層24に接触する。端子周部2322は、上下方向においてベース絶縁層22およびカバー絶縁層24に挟まれる。これによって、端子周部2322は、アンカー効果を奏功する。グランド端子部232は、アンカー効果によって、ベース絶縁層22およびカバー絶縁層24に強固に支持される。
【0051】
第1方向における端子本体部2321の長さ、および、第2方向における端子本体部2321の長さのそれぞれは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上、より好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、300μm以下である。第1方向における端子本体部2321の長さ、および、第2方向における端子本体部2321の長さのそれぞれは、電子素子3の電極の大きさに対応して設定される。本実施形態では、第1方向における端子本体部2321の長さ、および、第2方向における端子本体部2321の長さのそれぞれは、第1方向における端子本体部2321の下面2321Sの長さ、および、第2方向における端子本体部2321の下面2321Sの長さのそれぞれと同義である。第1方向における端子本体部2321の長さ、および、第2方向における端子本体部2321の長さのそれぞれが上記した下限以上であれば、下面2321Sの面積を広くでき、そのため、電子素子3との接続信頼性を向上できる。
【0052】
第1方向における端子周部2322の外形長さ、および、第2方向における端子周部2322の外形長さのそれぞれは、例えば、20μm以上、好ましくは、50μm以上、より好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、400μm以下である。本実施形態では、第1方向における端子周部2322の外形長さ、および、第2方向における端子周部2322の外形長さのそれぞれは、第1方向におけるグランド端子部232の長さ、および、第2方向におけるグランド端子部232の長さのそれぞれと同義である。
【0053】
図2に示すように、電源端子部233は、上記した第2突出部124内に配置される。電源端子部233は、複数の電子素子3に対応して複数設けられる。図示しないが、複数の電源端子部233のそれぞれは、ベース絶縁層22から露出する下面を有する。
【0054】
1.4.2 他方側の端子ユニット23B
図1に示すように、他方側の端子ユニット23Bは、複数の外部側信号端子部234と、複数の外部側電源端子部235と、を備える。
【0055】
複数の外部側信号端子部234は、互いに間隔を隔てて配置される。外部側信号端子部234は、ベース絶縁層22の上面に配置される。外部側信号端子部234の上面は、カバー絶縁層24(図4参照)から露出する。
【0056】
複数の外部側電源端子部235は、互いに間隔を隔てて配置される。外部側電源端子部235は、ベース絶縁層22の上面に配置される。外部側電源端子部235の上面は、カバー絶縁層24(図4参照)から露出する。本実施形態では、複数の外部側信号端子部234と、複数の外部側電源端子部235とは、例えば、第1方向に並ぶ。
【0057】
1.4.3 複数の配線ユニット23C
複数の配線ユニット23Cは、複数の信号配線238と、複数の電源配線239と、を備える。
【0058】
図2に示すように、信号配線238は、信号端子部231と、外部側信号端子部234(図1参照)とを電気的に接続する。信号配線238は、ベース絶縁層22の上面に配置される。信号配線238は、カバー絶縁層24に被覆される。
【0059】
電源配線239は、電源端子部233と、外部側電源端子部235とを電気的に接続する。電源配線239は、ベース絶縁層22の上面に配置される。電源配線239は、カバー絶縁層24に被覆される。
【0060】
1.5 第1台座部31、第2台座部32、および、接続部4
図3に示すように、配線回路基板1は、第1台座部31と、第2台座部32と、接続部4と、をさらに備える。
【0061】
1.5.1 第1台座部31
第1台座部31は、第1方向におけるステージ122の中間部に配置される。第1台座部31は、第1方向において、信号端子部231と他方側に間隔が隔てられる。第1台座部31は、第1方向において、信号端子部231と、グランド端子部232との間に配置される。図2に示すように、第1台座部31は、第2方向におけるステージ122の両端部に配置される。図4に示すように、複数の第1台座部31のそれぞれは、ベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24を含む。
【0062】
第1台座部31における導体層23は、第1台座部31におけるベース絶縁層22の上面に配置されている。図3に示すように、本実施形態では、第1台座部31における導体層23は、例えば、平面視略円形状を有する。図4に示すように、本実施形態では、第1台座部31におけるカバー絶縁層24は、第1台座部31における導体層23より大きい。第1台座部31におけるカバー絶縁層24は、平面視において、第1台座部31における導体層23を包含する。第1台座部31におけるカバー絶縁層24は、第1台座部31における導体層23の上面および周側面に接触する。本実施形態では、第1台座部31におけるカバー絶縁層24は、例えば、平面視略円形状を有する。
【0063】
1.5.2 第2台座部32
図3に示すように、第2台座部32は、第1方向におけるステージ122の他端部に配置される。第2台座部32は、第1方向において第1台座部31と他方側に間隔が隔てられる。第2台座部32は、第1方向において、第1台座部31に対して信号端子部231の反対側に配置される。第2台座部32は、第1方向において、第1台座部31とグランド端子部232との間に配置される。第2台座部32は、グランド端子部232と隣接する。そうすると、上記したグランド端子部232は、第1方向において第2台座部32に対して第1台座部31の反対側に隣接して配置される。図2に示すように、第2台座部32は、第2方向におけるステージ122の両端部に配置される。複数の第2台座部32のそれぞれは、複数の第1台座部31のそれぞれに対応する。図4に示すように、複数の第2台座部32のそれぞれは、ベース絶縁層22、導体層23およびカバー絶縁層24を含む。
【0064】
第2台座部32におけるベース絶縁層22は、第2開口部222を有する。第2開口部222は、厚み方向においてベース絶縁層22を貫通する。図5に示すように、本実施形態では、第2開口部222は、例えば、平面視略円形状を有する。
【0065】
本実施形態では、第2台座部32における導体層23は、例えば、平面視略円形状を有する。第2台座部32における導体層23は、導体台座本体部236と、導体台座周部237とを備える。
【0066】
図4に示すように、導体台座本体部236は、第2開口部222内に充填される。導体台座本体部236は、金属支持層21の上面に接触する。導体台座本体部236は、導体台座周部237から下側に落ち込む。
【0067】
導体台座周部237は、導体台座本体部236の周端縁に連続する。導体台座周部237は、第2開口部222の周囲のベース絶縁層22の上面に配置される。導体台座周部237は、上下方向においてベース絶縁層22およびカバー絶縁層24に挟まれる。これによって、導体台座周部237は、アンカー効果を奏功する。第2台座部32は、アンカー効果によって、ベース絶縁層22およびカバー絶縁層24に強固に支持される。図5に示すように、本実施形態では、導体台座周部237は、平面視略円環形状を有する。
【0068】
図4に示すように、第2台座部32におけるカバー絶縁層24は、第2台座部32におけるベース絶縁層22の上面に配置される。第2台座部32におけるカバー絶縁層24は、導体台座本体部236の上面、および、導体台座周部237の上面および周側面を被覆する。図5に示すように、第2台座部32におけるカバー絶縁層24は、例えば、平面視略円形状を有する。
【0069】
第2台座部32の寸法は、上記したグランド端子部232の寸法より小さい。
【0070】
第1方向における導体台座周部237の外形長さ、および、第2方向における導体台座周部237の外形長さのそれぞれは、例えば、30μm以上、好ましくは、60μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。第1方向における導体台座周部237の外形長さ、および、第2方向における導体台座周部237の外形長さのそれぞれは、第1方向における第2台座部32の導体層23の外形長さ、および、第2方向における第2台座部32の導体層23の外形長さのそれぞれと同義である。
【0071】
第1方向における導体台座本体部236の長さ、および、第2方向における導体台座本体部236の長さのそれぞれは、例えば、20μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、490μm以下、好ましくは、290μm以下である。
【0072】
第1方向における第2台座部32の導体層23の外形長さに対する、第1方向におけるグランド端子部232の長さの比は、例えば、0.5以上、好ましくは、1以上、より好ましくは、1.5以上であり、また、例えば、5以下である。第2方向における第2台座部32の導体層23の外形長さに対する、第2方向におけるグランド端子部232の長さの比は、例えば、0.5以上、好ましくは、1以上、より好ましくは、1.5以上であり、また、例えば、5以下である。
【0073】
1.5.3 接続部4
接続部4は、第1方向において、第2台座部32とグランド端子部232とを連結する。図4に示すように、接続部4は、ベース絶縁層22と、導体層23と、カバー絶縁層24とを有する。接続部4におけるベース絶縁層22と、導体層23と、カバー絶縁層24とのそれぞれは、第2台座部32におけるベース絶縁層22と、導体層23と、カバー絶縁層24とのそれぞれと同一の構成を有する。但し、第2台座部32におけるベース絶縁層22は、第2開口部222を備えない。また、接続部4におけるカバー絶縁層24の厚みは、第2台座部32におけるカバー絶縁層24の厚みと同一、または、薄い。
【0074】
図5に示すように、本実施形態では、接続部4における導体層23は、第2台座部32における導体層23からグランド端子部232に向かって広がる三角形状を有する。図4に示すように、接続部4における導体層23は、グランド端子部232と、第2台座部32における導体層23とを電気的に接続する。言い換えれば、第2台座部32における導体層23は、接続部4における導体層23を介して、グランド端子部232と電気的に接続される。グランド端子部232は、接続部4における導体層23、および、第2台座部32における導体層23を介して、金属支持層21にグランド接続される。グランド端子部232は、信号端子部231と独立する。
【0075】
1.6 グランド端子部232を被覆するカバー絶縁層24の厚み
そして、グランド端子部232を被覆するカバー絶縁層24は、第2台座部32におけるカバー絶縁層24よりも薄い。具体的には、端子周部2322を被覆するカバー絶縁層24は、第2台座部32におけるカバー絶縁層24よりも薄い。また、端子本体部2321を被覆するカバー絶縁層24も、第2台座部32におけるカバー絶縁層24よりも薄い。
【0076】
第2台座部32におけるカバー絶縁層24は、台座カバー部241とされる。グランド端子部232(端子周部2322)を被覆するカバー絶縁層24は、薄肉カバー部242とされる。薄肉カバー部242の上面は、台座カバー部241の上面よりも下方に配置される。
【0077】
台座カバー部241の厚みに対する、薄肉カバー部242の厚みの比は、例えば、0.95以下、好ましくは、0.9以下、より好ましくは、0.8以下であり、また、例えば、0.1以上、好ましくは、0.3以上である。上記した比が上記した上限以下であれば、薄肉カバー部242の上面が、電子部品2と接触することを有効に抑制できる。
【0078】
台座カバー部241の厚みから薄肉カバー部242の厚みを差し引いた値は、例えば、0.2μm以上、好ましくは、0.4μm以上、より好ましくは、0.8μm以上であり、また、例えば、19.8μm以下、好ましくは、17.0μm以下である。上記した値が上記した下限以上であれば、薄肉カバー部242の上面が、電子部品2と接触することを有効に抑制できる。
【0079】
台座カバー部241の厚みは、例えば、1.0μm以上、好ましくは、2.0μm以上であり、また、例えば、20.0μm以下、好ましくは、12.0μm以下である。
【0080】
薄肉カバー部242の厚みは、例えば、19.8μm以下、好ましくは、11.8μm以下であり、また、例えば、0.2μm以上、好ましくは、1.0μm以上である。
【0081】
1.7 電子部品2
電子部品2は、配線回路基板1の搭載部12の上側に配置される。電子部品2の電極は、第1導電性接合材6を介して、信号端子部231と電気的に接続される。つまり、電子部品2は、導体層23と電気的に接続される。電子部品2の下面は、第1台座部31と、第2台座部32とに接触する。言い換えれば、第1台座部31と、第2台座部32とは、電子部品2の下面に接触する。電子部品2は、第1台座部31と、第2台座部32とに対して、第2方向に移動可能である。薄肉カバー部242は、電子部品2の下面に接触しない。
【0082】
1.8 電子素子3
電子素子3の一部(下端部)は、配線回路基板1の搭載部12の下側に配置される。詳しくは、電子素子3は、第1突出部123および第2突出部124の下側に配置される。電子素子3の電極のそれぞれは、グランド端子部232および電源端子部233(図2参照)のそれぞれと、第2導電性接合材7を介して電気的に接続される。つまり、電子素子3は、導体層23と電気的に接続される。電子素子3は、第1突出部123と第2突出部124とに固定される。
【0083】
1.9 部品および素子付配線回路基板10の製造方法
図4および図6Aから図6Eを参照して、部品および素子付配線回路基板10の製造方法を説明する。
【0084】
図6Aに示すように、この製造方法では、まず、感光性の合成樹脂を含むワニスを、金属支持層21の上に塗布して乾燥させて、ベース感光層を調製した後、ベース感光層を階調露光、現像および加熱する。これにより、薄肉ベース部225を有するベース絶縁層22を形成する。階調露光では、図示しない透過部、遮光部、および、半透過部を有するフォトマスクを介して、ベース感光層を露光する。ベース感光層がネガ型であれば、透過部に対応するベース感光層が、薄肉ベース部225を除くベース絶縁層22を形成し、遮光部に対応するベース感光層が、少なくとも第2開口部222を形成し、半透過部に対応するベース感光層が、薄肉ベース部225を形成する。
【0085】
図6Bに示すように、この製造方法では、次いで、導体層23を、上記したベース絶縁層22の上面と、第2開口部222内における金属支持層21の上面と、に形成する。導体層23の形成方法としては、例えば、アディティブ法が挙げられる。
【0086】
図6Cおよび図6Dに示すように、この製造方法では、次いで、カバー絶縁層24を、ベース絶縁層22および導体層23の上面に形成する。カバー絶縁層24を形成する工程は、感光性樹脂層245を、ベース絶縁層22および導体層23の上面に形成する工程(図6C参照)と、感光性樹脂層245を階調露光する工程(図6D参照)と、露光後の感光性樹脂層245を、現像および加熱する工程と、を備える。
【0087】
図6Cに示すように、感光性樹脂層245を、例えば、塗布または貼付によって、ベース絶縁層22および導体層23の上面に形成する。
【0088】
階調露光では、フォトマスク5を介して、感光性樹脂層245を露光する。フォトマスク5は、透過部51、遮光部52、および、半透過部53を有する。感光性樹脂層245の露光時、透過部51は、光の透過を許容する。感光性樹脂層245の露光時、遮光部52は、光を遮る。感光性樹脂層245の露光時、半透過部53は、所定量(所定割合)の光の透過を許容する。半透過部53の全光線透過率は、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上であり、また、例えば、90%以下、好ましくは、85%以下である。
【0089】
現像および加熱によって、感光性樹脂層245がネガ型であれば、透過部51に対応する感光性樹脂層245は、薄肉カバー部242を除くカバー絶縁層24(台座カバー部241を含むカバー絶縁層24)を形成し、遮光部52に対応する感光性樹脂層245は、除去され、半透過部53に対応する感光性樹脂層245は、薄肉カバー部242を形成する。
【0090】
図6Eに示すように、この製造方法では、次いで、金属支持層21およびベース絶縁層22を加工する。具体的には、まず、薄肉ベース部225の他方側の金属支持層21をエッチングにより除去する。その後、薄肉ベース部225、および、薄肉ベース部225の周辺のベース絶縁層22の下端部をエッチングにより除去する。これによって、第1開口部221が、ベース絶縁層22に形成される。その後、金属支持層21をエッチングにより外形加工する。
【0091】
これにより、配線回路基板1を製造する。
【0092】
図4に示すように、この製造方法では、その後、電子部品2および電子素子3を配線回路基板1に実装する。
【0093】
図1に示すように、図示しない外部基板を外部側信号端子部234と電気的に接続する。図示しない電源装置を外部側電源端子部235と電気的に接続する。
【0094】
信号は、外部基板から、外部側信号端子部234、信号配線238、および、信号端子部231(図2参照)を介して、電子部品2に入力される。
【0095】
電源電流は、電源装置から、外部側電源端子部235、電源配線239、および、電源端子部233(図2参照)を介して、第1方向における電子素子3の他方部の電極に入力される。
【0096】
図4に示すように、他方、第1方向における電子素子3の一方部の電極は、グランド端子部232、接続部4の導体層23、および、第2台座部32の導体層23を介して、金属支持層21にグランド接続される。
【0097】
電極への電源電流の入力によって、例えば、第2方向における一方側の電子素子3は、第1方向に伸び、第2方向における他方側の電子素子3は、第1方向に縮む。これによって、電子部品2は、第2方向にスイングする。
【0098】
電子部品2がスイングするとき、電子部品2の下面は、第1台座部31および第2台座部32(台座カバー部241)に接触する(擦れる)。電子部品2がスイングするとき、電子部品2の下面は、薄肉カバー部242に接触しない。
【0099】
2. 一実施形態の作用効果
この部品および素子付配線回路基板10では、グランド端子部232を被覆するカバー絶縁層24である薄肉カバー部242は、第2台座部32におけるカバー絶縁層24である台座カバー部241よりも薄い。そのため、電子部品2が、薄肉カバー部242に接触することを抑制できる。その結果、第1台座部31と第2台座部32とによって、電子部品2の姿勢を確実に制御できる。
【0100】
この部品および素子付配線回路基板10では、第2台座部32における導体層23は、グランド端子部232および金属支持層21を電気的に接続するので、上記した導体層23は、第2台座部32を構成しながら、上記したグランド端子部232を金属支持層21にグランド接続できる。つまり、第2台座部32における導体層23は、台座の機能と、グランド接続の機能とを併せ持つ。
【0101】
上記した製造方法であれば、図6Cに示すように、感光性樹脂層245を階調露光するので、図6Dに示すように、薄肉カバー部242を、台座カバー部241よりも簡便に薄くできる。
【0102】
3. 変形例
以下の変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0103】
図7に示すように、端子周部2322を被覆するカバー絶縁層24(薄肉カバー部242)は、凹部246を有する。凹部246は、下側に向かって凹む。凹部246は、第1方向において、端子本体部2321および第2台座部32の間に配置される。凹部246は、第2方向に延びる。
【0104】
この部品および素子付配線回路基板10によれば、凹部246を視認することによって、端子周部2322を被覆するカバー絶縁層24(薄肉カバー部242)が、第2台座部32におけるカバー絶縁層24よりも薄くなっていることを容易に確認できる。
【符号の説明】
【0105】
1 配線回路基板
2 電子部品
3 電子素子
10 素子付配線回路基板
22 ベース絶縁層
23 導体層
24 カバー絶縁層
31 第1台座部
32 第2台座部
231S 上面(信号端子部)
231 信号端子部(第1端子部の一例)
232 グランド端子部(第2端子部の一例)
245 感光性樹脂層
246 凹部
2321 端子本体部
2321S 下面(端子本体部)
2322 端子周部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7