IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトバンクグループ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-移動体制御装置及び移動体制御方法 図1
  • 特開-移動体制御装置及び移動体制御方法 図2
  • 特開-移動体制御装置及び移動体制御方法 図3
  • 特開-移動体制御装置及び移動体制御方法 図4
  • 特開-移動体制御装置及び移動体制御方法 図5
  • 特開-移動体制御装置及び移動体制御方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165095
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】移動体制御装置及び移動体制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080960
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】物品の配送を行う複数のドローンを、複数のステーションに効率良く配置すること。
【解決手段】実施形態に係る移動体制御装置は、特定部及び配置制御部を有する。特定部は、それぞれが複数のステーションのうちのいずれかに配置され、配置されたステーションに応じたエリアに物品を配送する複数のドローンの位置及びバッテリーの残量を基に、複数のステーションのうちドローンの配置状況が条件を満たさないステーションを特定する。配置制御部は、特定部によって特定されたステーションにドローンを配置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のステーションのうちのいずれかに配置され、配置されたステーションに応じたエリアに物品を配送する複数のドローンの位置及びバッテリーの残量を基に、前記複数のステーションのうちドローンの配置状況が条件を満たさないステーションを特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたステーションにドローンを配置する配置制御部と、
を有する移動体制御装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記複数のステーションのいずれかからドローンが発進するたびに、前記複数のステーションのうちドローンの配置状況が条件を満たさないステーションを特定する
請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記物品の配当が行われる全てのエリアをグリッドで区切って得られたセルごとの、存在するドローンの数、及び存在するドローンのバッテリー残量を基に、前記複数のステーションのうちドローンの配置状況が条件を満たさないステーションを特定する
請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項4】
移動体制御装置によって実行される移動体制御方法であって、
それぞれが複数のステーションのうちのいずれかに配置され、配置されたステーションに応じたエリアに物品を配送する複数のドローンの位置及びバッテリーの残量を基に、前記複数のステーションのうちドローンの配置状況が条件を満たさないステーションを特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定されたステーションにドローンを配置する配置制御工程と、
を含む移動体制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、移動体制御装置及び移動体制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のドローンを制御するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-131332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、物品の配送を行う複数のドローンを、複数のステーションに効率良く配置できない場合があるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物品の配送を行う複数のドローンを、複数のステーションに効率良く配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る移動体制御装置は、それぞれが複数のステーションのうちのいずれかに配置され、配置されたステーションに応じたエリアに物品を配送する複数のドローンの位置及びバッテリーの残量を基に、前記複数のステーションのうちドローンの配置状況が条件を満たさないステーションを特定する特定部と、前記特定部によって特定されたステーションにドローンを配置する配置制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、物品の配送を行う複数のドローンを、複数のステーションに効率良く配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る移動体制御システムの概略を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る移動体制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、需要情報の一例を示す図である。
図4図4は、バッテリー残量情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る移動体制御装置の処理を説明するフローチャートである。
図6図6は、移動体制御装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
実施形態に係る移動体制御システムについて、図1を参照し説明する。図1は、実施形態に係る移動体制御システムの概略を示す図である。
【0011】
図1に示すように、移動体制御システムは、移動体制御装置10、ドローン20a、ドローン20b及びドローン20cを有する。以降の説明では、移動体制御システムに含まれるドローンを区別せずにドローン20と呼ぶ場合がある。また、移動体制御システムに含まれるドローンの数は、図示のものに限られない。
【0012】
移動体制御装置10は、ネットワークNを介してドローン20と接続される。ネットワークNは、例えばLTE(Long Term Evolution)、5G等のモバイル通信網である。
【0013】
ドローン20は、移動体の一例である。ドローン20は、複数(例えば4つ)の回転翼プロペラを備えたマルチコプターであって、無人での自律飛行を行う。また、ドローン20はバッテリーにより駆動する。
【0014】
ドローン20は、物品を保持するための機構(箱、かご、ロボットアーム等)を有する。また、ドローン20は、保持した物品を指定された位置に運搬(配送)する。
【0015】
ドローン20は、ネットワークNを介して無線通信を行うための通信モジュールを備える。また、ドローン20は、加速度センサ、ジャイロセンサ、光学センサ(カメラ)、等の各種センサを備える。また、ドローン20は、自身の位置を測定するための測位機能、及び姿勢を制御するための姿勢制御機能等を実行するコンピュータ(例えばマイコン)を有する。
【0016】
移動体制御装置10は、ドローン20の移動を制御する。移動体制御装置10は、ドローン20に対して移動先の位置を指定する。
【0017】
本実施形態では、移動体制御システムは、ドローン20を使った物品の配送サービスの提供に用いられる。例えば、配送サービスは、ユーザの元に料理を配送するフードデリバリーサービスである。
【0018】
移動体制御装置10は、ドローン20の配置を制御することにより、効率の良い配送サービスの提供を支援する。
【0019】
ここで、配送サービスには、提供エリアが定められている。ドローン20は、提供エリア内のユーザに対し、物品を配送する。
【0020】
また、提供エリア内、又は提供エリアの付近には、ステーションが設けられる。ステーションは、ドローン着陸及び発進が可能な施設である。ステーションは、複数のドローン20を配置可能な平面であってもよい。
【0021】
ドローン20は、ステーションで待機する。そして、配送の指示があった場合、ドローン20は、物品を保持した状態でステーションから発進し、配送先の位置へ移動する。その後、ドローン20は、配送先からステーションに戻り、指示があるまで待機する。
【0022】
ステーションは、配送される物品を用意するための施設と一体であってもよいし、配送される物品を用意するための施設と分離されていてもよい。
【0023】
例えば、配送サービスがフードデリバリーサービスである場合、ステーションは、駐車場に置かれたコンテナ車であって、配送される料理を作るためのキッチンを備えたコンテナ車の屋上に備えられる。
【0024】
一方、ステーションは、配送される料理を作るためのキッチンと離れた場所に備えられてもよい。例えば、ホテルのレススランで料理が作られる場合、当該ホテルの屋上又は駐車場にステーションが備えられていてもよい。
【0025】
また、ドローン20が待機するステーションと同じ場所、又は異なる場所に、ドローン20のバッテリーを充電するための充電用ステーションが設けられる。例えば、ドローン20のバッテリーは、ドローン20が充電用ステーションに備えられたドックに入ることで充電される。また、充電ステーションでは、ドローン20のバッテリーが充電済みのバッテリーに交換されてもよい。
【0026】
また、各ステーションから発進したドローン20が物品を配送可能な範囲があらかじめ定められているものとする。例えば、範囲は、ステーションを中心とした所定の半径の円によって表される。
【0027】
この範囲は、配送サービスの対象となる居住者の数、ドローン20の航続距離、時間経過による物品の質の低下(例えば食品の劣化)の許容度合い等に基づき決定される。
【0028】
ここで、配送サービスにおいて、ある配送先への物品の配送の依頼があったときに、当該配送先を範囲に含むステーションにドローン20が待機していなければ、当該ステーションにドローン20が補充されるまで物品が配送されない。このことにより配送の遅延が生じ、配送サービスの品質低下につながる。
【0029】
そこで、本実施形態の移動体制御装置10は、配送の遅延が防止されるように、各ステーションへのドローン20の配置を制御する。このとき、移動体制御装置10は、ドローン20の数だけでなく、ドローン20の充電状況を考慮して配置を制御する。
【0030】
図2を用いて、移動体制御装置10の構成を説明する。図2は、実施形態に係る移動体制御装置の概略を示す機能ブロック図である。
【0031】
図2に示すように、移動体制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0032】
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続される。通信部11は、ネットワークNを介して、ドローン20との間で情報の送受信を行う。
【0033】
記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12には、各種プログラム及び各種データ等が記憶される。記憶部12は、需要情報121及びバッテリー残量情報122を記憶する。
【0034】
需要情報121は、提供エリア内の各場所における配送サービスの需要を示す情報である。需要情報121は、提供エリアの地理的なマップをグリッドで区切って得られたセルごとの需要を表す。需要は、例えば配送先として指定される場所が各セルに含まれる頻度である。
【0035】
図3は、需要情報の一例を示す図である。需要情報121は、図3のようにヒートマップとして可視化され得る。図3には、提供エリアの地理的マップに重畳されるグリッドが示されている。
【0036】
また、図3には、ステーション31、ステーション32及びステーション33が示されている。また、範囲311、範囲321及び範囲331は、それぞれステーション31、ステーション32及びステーション33から発進したドローン20が物品を配送可能な範囲である。
【0037】
グリッドの列にはアルファベットが対応付けられている。また、グリッドの行には番号が対応付けられている。グリッドのセルは、これらのアルファベットと数字の組み合わせによって表される。例えば、図3のステーション31が位置するB列の3行目のセルは、セルB3である。
【0038】
また、矩形の範囲は、矩形の左上の頂点のセルと右下の頂点のセルによって表される。例えば、図3のパターンが付された矩形の範囲は、A1:E6のように表される。
【0039】
ここで、需要情報121は、各セルにおける需要の多さを数値化したものである。需要の多さは、過去の一定期間において各セルが配送先に指定された回数の実績値の合計であってもよい。また、需要の多さは、過去の実績値、居住者数、天候、時間帯等の説明変数を基に予測された、各セルがある期間に配送先に指定される回数であってもよい。予測は、例えば機械学習モデルによって行われる。
【0040】
図3では、需要の多さに応じて、各セルにパターンが付される。例えば、需要が多いセルほど、濃い色、又は密度が大きいパターンで塗りつぶされる。
【0041】
図3の範囲A1:E6は、他のセルに比べて需要が多い。範囲A1:E6の中で、範囲B2:D5はさらに需要が多い。
【0042】
バッテリー残量情報122は、提供エリア内の各場所におけるドローン20のバッテリーの状況を示す情報である。バッテリー残量情報122は、需要情報121と同様に、提供エリアの地理的なマップをグリッドで区切って得られたセルごとのバッテリーの状況を表す。
【0043】
例えば、ステーションに待機しているドローン20が多いほど、そのステーションから物品を配送可能な範囲における配送の遅延は生じにくくなる。
【0044】
一方で、ドローン20のバッテリー残量が一定値以下になると、ドローン20は充電ステーションに移動し、バッテリーの充電を行う。バッテリーの充電を行っている間、ドローン20は物品を配送することができない。このため、バッテリー残量が少ないドローン20は、すぐに充電が必要になり、需要を十分に満たせないことが考えられる。
【0045】
バッテリー残量情報122は、各セルに存在するドローン20の数と、ドローン20のそれぞれのバッテリー残量に関する情報である。なお、セルに存在するドローン20は、当該セルを範囲に含むステーションで待機していてもよいし、当該セルを移動中であってもよい。
【0046】
また、バッテリー残量情報122は、ある時点のドローン20の数及びバッテリー残量の実測値であってもよいし、一定時間後の予測値であってもよい。
【0047】
図4は、バッテリー残量情報の一例を示す図である。バッテリー残量情報122は、図4のように可視化され得る。図4には、図3と同様に、提供エリアの地理的マップに重畳されるグリッドが示されている。
【0048】
ここで、バッテリー残量が30%を下回り、かつ配送中でない場合、ドローン20は充電を行うものとする。また、1回の配送で10%~20%程度のバッテリーが消費されるものとする。このため、バッテリー残量が30%~50%であるドローン20は、残り1~2回の配送を行った後充電が必要になるため、十分に需要を満たせないものとする。
【0049】
例えば、図4では、バッテリー残量が50%以上のドローン20の数に応じて、各セルにパターンが付される。例えば、バッテリー残量が50%以上のドローン20の数が閾値(例えば10)以上セルには第1の色(又は第1のパターン)が付され、バッテリー残量が50%未満のドローン20の数が閾値以上のセルには第2の色(又は第2のパターン)が付される。
【0050】
また、バッテリー残量が50%以上又は50%未満のドローン20の数に応じて、色の濃さ及びパターンの密度が変化してもよい。
【0051】
例えば、図4の範囲A1:E5においては、バッテリー残量が50%未満のドローン20の数が閾値以上である。また、例えば、図4の範囲F8:J10においては、バッテリー残量が50%以上のドローン20の数が閾値以上である。
【0052】
範囲A1:E5に多数のドローン20が存在していたとしても、その大部分のバッテリー残量が50%未満であれば、当該範囲では需要が十分に満たされない可能性がある。
【0053】
なお、バッテリー残量が50%未満のドローン20の数が閾値以上であるという条件と、バッテリー残量が50%以上のドローン20の数が閾値以上であるという条件が同時に満たされた場合、バッテリー残量が50%以上のドローン20の数が閾値以上であるという条件が優先される。
【0054】
例えば、範囲A1:E5において、バッテリー残量が50%以上のドローン20の数が閾値以上である可能性はない。一方で、範囲F8:J10においては、バッテリー残量が50%未満のドローン20の数が閾値以上である可能性がある。これは、バッテリー残量情報122が、需要が満たされないエリア(ステーション)を特定することを目的とした情報であるためである。
【0055】
図2に戻り、制御部13は、コントローラであり、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部13は、特定部131と、配置制御部132と、を有する。
【0056】
特定部131は、それぞれが複数のステーションのうちのいずれかに配置され、配置されたステーションに応じたエリアに物品を配送する複数のドローン20の位置及びバッテリーの残量を基に、複数のステーションのうちドローン20の配置状況が条件を満たさないステーションを特定する。
【0057】
例えば、特定部131は、複数のステーションのいずれかからドローン20が発進するたびに、複数のステーションのうちドローン20の配置状況が条件を満たさないステーションを特定する。
【0058】
配置制御部132は、特定部131によって特定されたステーションにドローン20を配置する。
【0059】
図3及び図4の例を基に、特定部131及び配置制御部132の処理を具体的に説明する。
【0060】
特定部131は、物品の配当が行われる全てのエリアをグリッドで区切って得られたセルごとの、存在するドローン20の数、及び存在するドローン20のバッテリー残量を基に、複数のステーションのうちドローン20の配置状況が条件を満たさないステーションを特定する。
【0061】
まず、図3に示すように、範囲A1:E6は、需要が多いエリアである。また、範囲B2:D5は特に需要が多いエリアである。
【0062】
範囲A1:E6の一部は、範囲321及び範囲331に含まれず、範囲311にのみ含まれる。すなわち、範囲A1:E6の一部への物品の配送は、範囲311への配送が可能なステーション31に配置されたドローン20によって行われる必要がある。
【0063】
このため、配送の遅延を防止するためには、ステーション31に十分なドローン20が配置される必要がある。
【0064】
このように、特定部131は需要情報121を基に十分なドローン20が配置される必要があるステーションを特定する。例えば、特定部131は、需要が多いエリアへの配送が可能なステーションを特定する。また、特定部131は、範囲の中に含まれるエリアの需要の多さを基に、各ステーションに優先順位を付けてもよい。
【0065】
次に、特定部131は、図4に示すバッテリー残量情報122を参照する。図4には、範囲A1:E5にはバッテリー残量が50%未満のドローン20が多く存在することが示されている。なお、いずれのパターンも付されていないセルは、そもそもドローン20の数が少ないこと、すなわちバッテリー残量が50%未満、及び50%以上のドローン20の数がいずれも閾値を超えていないこと意味する。
【0066】
特定部131は、十分なドローン20が配置される必要があるステーションであって、範囲内にバッテリー残量が50%以上のドローン20が十分に存在しないステーションを特定する。例えば、図3及び図4の例では、特定部131は、ステーション31を特定する。
【0067】
配置制御部132は、特定部131によって特定されたステーション31にドローン20を配置する。具体的には、配置制御部132は配置のための指示をドローン20に送信する。また、指示を受けたドローン20は、配置先のステーションに移動し、そのステーションで待機する。なお、配置制御部132が指示を送信するドローン20は、配置元のステーションで待機しているドローン20であってもよいし、配置元のステーションの範囲で物品を配送中のドローン20であってもよい。
【0068】
例えば、範囲F8:J10にはバッテリー残量が50%以上のドローン20が十分に存在し、かつ範囲331は需要が多いわけではない。このため、配置制御部132は、ステーション33に配置されたドローン20を、ステーション31に配置する。
【0069】
図5を用いて移動体制御装置10の処理の流れを説明する。図5は、実施形態に係る移動体制御装置の処理を説明するフローチャートである。
【0070】
図5に示すように、まず、移動体制御装置10は、ドローンによる配送の需要が多いエリアを特定する(ステップS101)。移動体制御装置10は、需要情報121を基に需要が多いエリアを特定することができる。
【0071】
次に、移動体制御装置10は、バッテリー残量を考慮したエリアごとのドローンの配置状況を特定する(ステップS102)。特に、移動体制御装置10は、バッテリー残量情報122を基に、ドローン20の数は多いが、バッテリー残量が十分ではないエリアを特定できる。
【0072】
そして、移動体制御装置10は、バッテリー残量を確保しつつ需要が満たされるようにドローンを配置する(ステップS103)。例えば、移動体制御装置10は、バッテリーが十分に充電されたドローン20の数が多く、かつ需要が多くないエリアから、バッテリーが十分に充電されていないドローン20の数が多く、かつ需要が多いエリアにドローン20の配置を変更する。
【0073】
[バッテリー残量情報について]
バッテリー残量情報122は、図4で説明したものに限られず、例えば各セルに存在するドローン20の数とバッテリー残量を掛けたスコアであってもよい。このスコアは、セルごとの需要を満たすことができる能力を表す。すなわち、特定部131は、需要に対してスコアが低いセルを特定する。配置制御部132は、特定されたセルを含むステーションにドローン20を配置する。また、各セルのスコアは、図4と同様に、ヒートマップとして可視化され得る。
【0074】
ただし、30%以下のバッテリー残量は0%に置き換えられる。これは、バッテリー残量が極端に少ない(例えば30%以下)ドローン20は充電を行うことから、需要を満たすことに寄与しないためである。
【0075】
例えば、セルA1に、バッテリー残量が60%の1台のドローン20と、バッテリー残量が55%の1台のドローン20が存在するものとする。この場合、セルA1のスコアは、0.6×1+0.55×1=1.15である。
【0076】
また、例えば、セルB1に、バッテリー残量が25%の1台のドローン20と、バッテリー残量が35%の2台のドローン20と、バッテリー残量が90%の1台のドローン20と、が存在するものとする。この場合、25%は0%に置き換えられ、セルB1のスコアは、0×1+0.35×2+0.9×1=1.6である。
【0077】
図6は、移動体制御装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0078】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0079】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0080】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0081】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0082】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0083】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0084】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0085】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0086】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0087】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0088】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0089】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0090】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0091】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0092】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0093】
N ネットワーク
10 移動体制御装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20、20a、20b、20c ドローン
31、32、33 ステーション
311、321、331 範囲
121 需要情報
122 バッテリー残量情報
131 特定部
132 配置制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6