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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165100
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】半導体集積回路及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/22 20060101AFI20241121BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241121BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H03K17/22 E
H02J7/00 302A
H02J7/00 S
B60R16/02 645Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080974
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】平井 勝
【テーマコード(参考)】
5G503
5J055
【Fターム(参考)】
5G503BB01
5G503FA16
5J055AX44
5J055AX58
5J055BX41
5J055CX28
5J055DX22
5J055DX55
5J055EX07
5J055EY03
5J055EY12
5J055EY21
5J055EZ03
5J055EZ10
5J055EZ57
5J055EZ58
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX05
(57)【要約】
【課題】複数チャネルの電圧低下検出機能と特定チャネルの電圧上昇検出機能とを併せ持つ半導体集積回路の提供。
【解決手段】第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含む複数の端子と、前記第1入力端子の電圧低下を検出すると、第1信号をアサートする第1検出回路と、前記第1入力端子の過電圧を検出すると、第2信号をアサートする第2検出回路と、前記第2入力端子の電圧低下を検出すると、第3信号をアサートする第3検出回路と、前記第1信号及び前記第2信号を監視し、前記第1信号又は前記第2信号がアサートされているとき、第1リセット信号を前記第1出力端子から出力する第1出力回路と、前記第3信号を監視し、前記第3信号がアサートされているとき、第2リセット信号を前記第2出力端子から出力する第2出力回路と、を備える、半導体集積回路。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含む複数の端子と、
前記第1入力端子の電圧低下を検出すると、第1信号をアサートする第1検出回路と、
前記第1入力端子の過電圧を検出すると、第2信号をアサートする第2検出回路と、
前記第2入力端子の電圧低下を検出すると、第3信号をアサートする第3検出回路と、
前記第1信号及び前記第2信号を監視し、前記第1信号又は前記第2信号がアサートされているとき、第1リセット信号を前記第1出力端子から出力する第1出力回路と、
前記第3信号を監視し、前記第3信号がアサートされているとき、第2リセット信号を前記第2出力端子から出力する第2出力回路と、を備える、半導体集積回路。
【請求項2】
前記第1検出回路は、前記第1入力端子の電圧が第1レベルに比べて低いとき、前記第1信号をアサートし、
前記第2検出回路は、前記第1入力端子の電圧が前記第1レベルよりも高い第2レベルに比べて高いとき、前記第2信号をアサートする、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記第1レベルよりも高く前記第2レベルよりも低いレベルを第3レベルとし、前記第3レベルよりも高く前記第2レベルよりも低いレベルを第4レベルとするとき、
前記第1検出回路は、前記第1入力端子の電圧が前記第3レベルに比べて高いとき、前記第1信号をネゲートし、
前記第2検出回路は、前記第1入力端子の電圧が前記第4レベルに比べて低いとき、前記第2信号をネゲートする、請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記第1出力回路は、前記第1信号及び前記第2信号がネゲートされているとき、前記第1出力端子からの前記第1リセット信号の出力を解除する、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記第1出力回路は、
前記第1信号及び前記第2信号が入力される論理回路と、
前記論理回路の出力信号に従って前記第1リセット信号を出力する出力段と、を含む、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記出力段は、オープンドレイン出力形式で前記第1リセット信号を出力する、請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記出力段は、CMOS出力形式で前記第1リセット信号を出力する、請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含む複数の端子と、
前記第1入力端子に接続される第1検出回路と、
前記第1入力端子に接続される第2検出回路と、
前記第2入力端子に接続される第3検出回路と、
前記第1入力端子の電圧が第1閾値に比べて低いことが前記第1検出回路により検出されているとき又は前記第1入力端子の電圧が前記第1閾値よりも高い第2閾値に比べて高いことが前記第2検出回路により検出されているとき、第1リセット信号を前記第1出力端子から出力する第1出力回路と、
前記第2入力端子の電圧が第3閾値に比べて低いことが前記第3検出回路により検出されているとき、第2リセット信号を前記第2出力端子から出力する第2出力回路と、を備える、半導体集積回路。
【請求項9】
前記第1出力回路は、前記第1入力端子の電圧が前記第1閾値に比べて高いことが前記第1検出回路により検出され、かつ、前記第1入力端子の電圧が前記第2閾値に比べて低いことが前記第2検出回路により検出されているとき、前記第1出力端子からの前記第1リセット信号の出力を解除する、請求項8に記載の半導体集積回路。
【請求項10】
前記複数の端子は、電源端子及びグランド端子を含み、
前記第1検出回路、前記第2検出回路及び前記第3検出回路は、前記電源端子と前記グランド端子との間に印加される電源電圧によって動作する、請求項1から9のいずれか一項に記載の半導体集積回路。
【請求項11】
前記第1入力端子及び前記第2入力端子は、前記グランド端子と隣接しない端子である、請求項10に記載の半導体集積回路。
【請求項12】
前記電源端子は、前記第1入力端子及び前記第2入力端子と隣接しない端子である、請求項11に記載の半導体集積回路。
【請求項13】
前記複数の端子は、グランド端子を含み、
前記第1検出回路、前記第2検出回路及び前記第3検出回路は、前記第1入力端子と前記グランド端子との間に印加される電源電圧によって動作する、請求項1から9のいずれか一項に記載の半導体集積回路。
【請求項14】
請求項1から9のいずれか一項に記載の半導体集積回路と、
前記第1入力端子に接続される第1電源ラインと、
前記第2入力端子に接続される第2電源ラインと、
前記第1出力端子と前記第2出力端子に接続される電子回路と、を備える、電子機器。
【請求項15】
前記第1電源ラインは、車両のバッテリ電源ラインに接続され、
前記第2電源ラインは、前記車両のイグニッション電源ライン又はアクセサリ電源ラインに接続される、請求項14に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体集積回路及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電圧検出回路を備え、監視対象の電源電圧が所定のレベルよりも低くなった場合にリセット信号を出力するリセット用半導体集積回路が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-129021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、監視対象電圧が2チャンネル以上ある場合、監視対象電圧と同数の半導体集積回路が必要となる場合がある。また、監視対象電圧によっては、電圧低下の検出に加えて、過電圧などの電圧上昇を検出して、リセット信号を出力することが求められる場合がある。
【0005】
本開示は、複数チャネルの電圧低下検出機能と特定チャネルの電圧上昇検出機能とを併せ持つ半導体集積回路、及び当該半導体集積回路を備える電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の半導体集積回路は、
第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含む複数の端子と、
前記第1入力端子の電圧低下を検出すると、第1信号をアサートする第1検出回路と、
前記第1入力端子の過電圧を検出すると、第2信号をアサートする第2検出回路と、
前記第2入力端子の電圧低下を検出すると、第3信号をアサートする第3検出回路と、
前記第1信号及び前記第2信号を監視し、前記第1信号又は前記第2信号がアサートされているとき、第1リセット信号を前記第1出力端子から出力する第1出力回路と、
前記第3信号を監視し、前記第3信号がアサートされているとき、第2リセット信号を前記第2出力端子から出力する第2出力回路と、を備える。
【0007】
本開示の他の一態様の半導体集積回路は、
第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含む複数の端子と、
前記第1入力端子に接続される第1検出回路と、
前記第1入力端子に接続される第2検出回路と、
前記第2入力端子に接続される第3検出回路と、
前記第1入力端子の電圧が第1閾値に比べて低いことが前記第1検出回路により検出されているとき又は前記第1入力端子の電圧が前記第1閾値よりも高い第2閾値に比べて高いことが前記第2検出回路により検出されているとき、第1リセット信号を前記第1出力端子から出力する第1出力回路と、
前記第2入力端子の電圧が第3閾値に比べて低いことが前記第3検出回路により検出されているとき、第2リセット信号を前記第2出力端子から出力する第2出力回路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、複数チャネルの電圧低下検出機能と特定チャネルの電圧上昇検出機能とを併せ持つ半導体集積回路、及び当該半導体集積回路を備える電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の半導体集積回路を備える電子機器の一構成例を示す図である。
図2】第1実施形態の半導体集積回路の動作例を示すタイミングチャートである。
図3】第1実施形態の半導体集積回路の内部回路の一例を示す図である。
図4】第2実施形態の半導体集積回路を備える電子機器の一構成例を示す図である。
図5】第3実施形態の半導体集積回路を備える電子機器の一構成例を示す図である。
図6】半導体集積回路のピン配置の第1例を示す図である。
図7】半導体集積回路のピン配置の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態の半導体集積回路を備える電子機器の一構成例を示す図である。図1に示す電子機器201は、リセットIC101を備える。リセットIC101は、第1実施形態の半導体集積回路の一例である。リセットIC(Integrated Circuit)は、ボルテージディテクタとも称される。
【0012】
電子機器201は、車両用の機器であり、車両に搭載されて使用される。電子機器201の具体例として、カーナビゲーション装置、ドライブレコーダー、ETC(Electronic Toll Collection system)用車載器、USB(Universal Serial Bus)コネクタ、カメラ、レーダー、通信機器、ECU(Electronic Control Unit)などがある。しかし、電子機器201は、これらに限られない。
【0013】
電子機器201は、車両に搭載されるバッテリ電源ライン63に接続される不図示の車載電源を動作電源とする機器である。電子機器201は、不図示の車載電源からバッテリ電源ライン63を介して供給される直流電力で動作する。車載電源は、例えば、12ボルト系のバッテリである。バッテリ電源ライン63は、例えば、バッテリ電源用のワイヤハーネスである。
【0014】
電子機器201は、電子機器201の最低動作電源電圧以上の直流電力がバッテリ電源ライン63から供給されている状態において、車両に搭載されるアクセサリ電源ライン64を介して供給されるアクセサリ信号(ACC信号)によって起動する。アクセサリ信号は、電子機器201の起動をオン又はオフさせるための起動信号である。アクセサリ信号は、二値の電圧信号である。アクセサリ信号のハイレベルは、電子機器201を起動させることを表し、アクセサリ信号のローレベルは、電子機器201の起動又は動作を停止させることを表す。アクセサリ電源ライン64は、例えば、アクセサリ電源用のワイヤハーネスである。
【0015】
電子機器201は、端子BAT、第1電源ライン61,端子ACC、第2電源ライン62、レギュレータ60、第3電源ライン67、電子回路70及びリセットIC101を備える。
【0016】
端子BATは、車両のバッテリ電源ライン63に接続されるバッテリ電源端子である。バッテリ電源ライン63は、端子BATを介して、電子機器201の第1電源ライン61に接続される。バッテリ電源ライン63から供給される直流電力は、端子BATを介して、電子機器201の第1電源ライン61に入力される。端子BATから入力される直流電力は、第1電源ライン61を介して、レギュレータ60の入力端子及びリセットIC101の第1入力端子VS1に入力される。第1電源ライン61は、例えば、電子機器201に内蔵され且つリセットIC101が実装される基板に形成された電源パターンである。
【0017】
レギュレータ60は、第1電源ライン61の直流電圧を一定の電源電圧Vddに降圧する電源回路である。レギュレータ60は、例えば、12ボルトの直流電圧を降圧して3.3ボルトの電源電圧Vddを生成する。レギュレータ60により生成された電源電圧Vddは、第3電源ライン67を介して、リセットIC101の電源端子VDD及び電子回路70の電源端子VDDに供給される。第3電源ライン67は、例えば、電子機器201に内蔵され且つリセットIC101が実装される基板に形成された電源パターンである。
【0018】
端子ACCは、車両のアクセサリ電源ライン64に接続されるアクセサリ電源端子である。アクセサリ電源ライン64は、端子ACCを介して、電子機器201の第2電源ライン62に接続される。アクセサリ電源ライン64から供給される起動信号は、端子ACCを介して、電子機器201の第2電源ライン62に入力される。端子ACCから入力される起動信号は、第2電源ライン62を介して、リセットIC101の第2入力端子VS2に入力される。第2電源ライン62は、例えば、電子機器201に内蔵され且つリセットIC101が実装される基板に形成された電源パターンである。
【0019】
電子回路70は、電源電圧Vddで動作し、リセットIC101から供給される第1リセット信号S1及び第2リセット信号S2によって起動する。電子回路70の起動によって電子機器201が起動する。電子回路70は、電子機器201の動作を制御する。電子回路70の具体例として、中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ、マイクロコンピュータ、システムオンチップ(SoC)、大規模半導体集積回路(LSI)などが挙げられる。
【0020】
電子機器201は、バッテリ電源ライン63から供給される直流電力に基づいて生成される電源電圧Vddによって動作し、電子機器201の起動のオンとオフは、アクセサリ電源ライン64から供給される起動信号によって切り替わる。このため、電子機器201では、バッテリ電源ライン63から供給される電圧信号(第1電源ライン61の電源電圧)とアクセサリ電源ライン64から供給される電圧信号(第2電源ライン62を伝わる起動信号)の電圧監視が要求されることがある。さらに、第1電源ライン61の電源電圧の監視には、電圧低下検出に加えて、過電圧の検出が要求されることがある。トラック向けの24ボルト系バッテリの誤接続などによって、バッテリ電源ライン63及び第1電源ライン61が過電圧になる場合があるからである。
【0021】
リセットIC101は、これらの要求に応えるため、第1電源ライン61及び第2電源ライン62の各々の電圧を監視する機能を有する。リセットIC101は、第1電源ライン61の電圧を監視し、その監視結果に基づいて第1リセット信号S1を第1出力端子OUT1から電子回路70に向けて出力する。リセットIC101は、第2電源ライン62の電圧を監視し、その監視結果に基づいて第2リセット信号S2を第2出力端子OUT2から電子回路70に向けて出力する。
【0022】
リセットIC101は、電源端子VDD、グランド端子GND、第1入力端子VS1、第2入力端子VS2、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第1検出回路10、第2検出回路20、第3検出回路30、第1出力回路40及び第2出力回路50を備える。
【0023】
電源端子VDDは、第3電源ライン67に接続され、電源電圧Vddが入力される。グランド端子GNDは、グランド電位等の基準電位に接続される。リセットIC101は、グランド端子GNDの電位を基準に動作し、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddによって動作する。
【0024】
第1入力端子VS1は、第1電源ライン61に接続され、第1電源ライン61の電圧が入力される。第2入力端子VS2は、第2電源ライン62に接続され、第2電源ライン62からの起動信号が入力される。第1出力端子OUT1は、電子回路70の第1リセット端子に接続され、リセットIC101により生成される第1リセット信号S1を出力する。第2出力端子OUT2は、電子回路70の第2リセット端子に接続され、リセットIC101により生成される第2リセット信号S2を出力する。
【0025】
第1検出回路10は、第1入力端子VS1に接続される電圧検出回路であり、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddで動作する。第1検出回路10は、第1入力端子VS1の電圧低下(詳細には、過小電圧)を検出する。第1検出回路10は、第1入力端子VS1の電圧Vs1の低下(詳細には、過小電圧)を検出すると、第1信号V1をアサートする。例えば、第1検出回路10は、電圧Vs1が所定の第1閾値TH1を下回った状態を検出すると、第1信号V1をアサートする。一方、第1検出回路10は、電圧Vs1が所定の第1閾値TH1を上回った状態を検出すると、第1信号V1をネゲートする。
【0026】
第2検出回路20は、第1入力端子VS1に接続される電圧検出回路であり、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddで動作する。第2検出回路20は、第1入力端子VS1の電圧上昇(詳細には、過電圧)を検出する。第2検出回路20は、第1入力端子VS1の電圧Vs1の上昇(詳細には、過電圧)を検出すると、第2信号V2をアサートする。例えば、第2検出回路20は、電圧Vs1が所定の第2閾値TH2を上回った状態を検出すると、第2信号V2をアサートする。一方、第2検出回路20は、電圧Vs1が所定の第2閾値TH2を下回った状態を検出すると、第2信号V2をネゲートする。第2閾値TH2は、第1閾値TH1よりも高く設定される。
【0027】
第3検出回路30は、第2入力端子VS2に接続される電圧検出回路であり、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddで動作する。第3検出回路30は、第2入力端子VS2の電圧低下(詳細には、過小電圧)を検出する。第3検出回路30は、第2入力端子VS2の電圧Vs2の低下(詳細には、過小電圧)を検出すると、第3信号V3をアサートする。例えば、第3検出回路30は、電圧Vs2が所定の第3閾値TH3を下回った状態を検出すると、第3信号V3をアサートする。一方、第3検出回路30は、電圧Vs2が所定の第3閾値TH3を上回った状態を検出すると、第3信号V3をネゲートする。
【0028】
第1出力回路40は、第1信号V1及び第2信号V2を監視し、第1信号V1又は第2信号V2がアサートされているとき、第1リセット信号S1を第1出力端子OUT1から出力する。詳細には、第1出力回路40は、電圧Vs1が第1閾値TH1に比べて低いことが第1検出回路10により検出されているとき又は電圧Vs1が第2閾値TH2に比べて高いことが第2検出回路20により検出されているとき、第1リセット信号S1を第1出力端子OUT1から出力する。
【0029】
第1出力回路40は、第1信号V1及び第2信号V2を監視し、第1信号V1及び第2信号V2がネゲートされているとき、第1リセット信号S1を第1出力端子OUT1から出力することを停止する。詳細には、第1出力回路40は、電圧Vs1が第1閾値TH1に比べて高いことが第1検出回路10により検出されているとき、かつ、電圧Vs1が第2閾値TH2に比べて低いことが第2検出回路20により検出されているとき、第1出力端子OUT1からの第1リセット信号S1の出力を解除する。
【0030】
第1出力回路40は、例えば、第1信号V1及び第2信号V2が入力される論理回路41と、論理回路41の出力信号G1に従って第1リセット信号S1を出力する出力段42と、を含む。論理回路41は、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddで動作する。
【0031】
論理回路41は、第1信号V1及び第2信号V2を監視し、第1信号V1又は第2信号V2のいずれかがアサートされているとき、ローレベルの第1リセット信号S1を第1出力端子OUT1から出力させる出力信号G1を出力段42に出力する。一方、論理回路41は、第1信号V1及び第2信号V2を監視し、第1信号V1及び第2信号V2のいずれもがネゲートされているとき、出力段42への出力信号G1の出力を停止し、第1出力端子OUT1からの第1リセット信号S1の出力を停止させる。これにより、第1出力端子OUT1からの第1リセット信号S1の出力が解除され、ハイレベルの信号が第1出力端子OUT1から出力される。
【0032】
出力段42は、オープンドレイン出力形式で第1リセット信号S1を出力するトランジスタ43を有する。トランジスタ43は、例えば、出力信号G1が入力されるゲートと、グランド端子GNDに接続されるソースと、第1出力端子OUT1に接続されるドレインとを有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)である。第1出力端子OUT1は、外付けの抵抗素子65を介して第3電源ライン67にプルアップ接続される。抵抗素子65がリセットIC101に外付けされることで、抵抗素子65のプルアップ電圧を電源端子VDDにより任意電圧に設定できるので、第1出力端子OUT1のハイレベル出力電圧値を電源端子VDDの電位により任意に設定可能となる。
【0033】
第2出力回路50は、第3信号V3を監視し、第3信号V3がアサートされているとき、第2リセット信号S2を第2出力端子OUT2から出力する。詳細には、第2出力回路50は、電圧Vs2が第3閾値TH3に比べて低いことが第3検出回路30により検出されているとき、第2リセット信号S2を第2出力端子OUT2から出力する。
【0034】
第2出力回路50は、第3信号V3を監視し、第3信号V3がネゲートされているとき、第2リセット信号S2を第2出力端子OUT2から出力することを停止する。詳細には、第2出力回路50は、電圧Vs2が第3閾値TH3に比べて高いことが第3検出回路30により検出されているとき、第2出力端子OUT2からの第2リセット信号S2の出力を解除する。
【0035】
第2出力回路50は、例えば、第3信号V3が入力される論理回路51と、論理回路51の出力信号G2に従って第2リセット信号S2を出力する出力段52と、を含む。論理回路51は、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddで動作する。
【0036】
論理回路51は、第3信号V3を監視し、第3信号V3がアサートされているとき、ローレベルの第2リセット信号S2を第2出力端子OUT2から出力させる出力信号G2を出力段52に出力する。一方、論理回路51は、第3信号V3を監視し、第3信号V3がネゲートされているとき、出力段52への出力信号G2の出力を停止し、第2出力端子OUT2からの第2リセット信号S2の出力を停止させる。これにより、第2出力端子OUT2からの第2リセット信号S2の出力が解除され、ハイレベルの信号が第2出力端子OUT2から出力される。
【0037】
出力段52は、オープンドレイン出力形式で第2リセット信号S2を出力するトランジスタ53を有する。トランジスタ53は、例えば、出力信号G2が入力されるゲートと、グランド端子GNDに接続されるソースと、第2出力端子OUT2に接続されるドレインとを有するMOSFETである。第2出力端子OUT2は、外付けの抵抗素子66を介して第3電源ライン67にプルアップ接続される。抵抗素子66がリセットIC101に外付けされることで、抵抗素子66のプルアップ電圧を電源端子VDDにより任意電圧に設定できるので、第2出力端子OUT2のハイレベル出力電圧値を電源端子VDDの電位により任意に設定可能となる。
【0038】
このように、リセットIC101は、第1入力端子VS1の電圧Vs1を監視することで、第1入力端子VS1に接続される第1電源ライン61の電圧を監視する。リセットIC101は、電圧Vs1が所定の第1閾値TH1を下回った状態を検出すると、電圧異常低下状態を表すレベル(例えば、ローレベル)の信号を第1リセット信号S1として第1出力端子OUT1から出力する。あるいは、リセットIC101は、電圧Vs1が所定の第2閾値TH2を上回った状態を検出すると、電圧異常上昇状態を表すレベル(例えば、ローレベル)の信号を第1リセット信号S1として第1出力端子OUT1から出力する。
【0039】
一方、リセットIC101は、電圧Vs1が第1閾値TH1よりも高く第2閾値TH2よりも低い状態を検出すると、電圧正常状態を表すレベル(例えば、ハイレベル)の信号を第1出力端子OUT1から出力する(第1リセット信号S1の出力を解除する)。
【0040】
同様に、リセットIC101は、第2入力端子VS2の電圧Vs2を監視することで、第2入力端子VS2に接続される第2電源ライン62の電圧を監視する。リセットIC101は、電圧Vs2が所定の第3閾値TH3を下回った状態を検出すると、電圧異常低下状態を表すレベル(例えば、ローレベル)の信号を第2リセット信号S2として第2出力端子OUT2から出力する。一方、リセットIC101は、電圧Vs2が所定の第3閾値TH3を上回った状態を検出すると、電圧正常状態を表すレベル(例えば、ハイレベル)の信号を第2出力端子OUT2から出力する(第2リセット信号S2の出力を解除する)。
【0041】
したがって、第1実施形態のリセットIC101は、複数チャネル(この例では、第1電源ライン61及び第2電源ライン62)の電圧低下検出機能と特定チャネル(この例では、第1電源ライン61)の電圧上昇検出機能とを併せ持つ。複数チャネルの電圧検出低下機能と特定チャネルの電圧上昇検出機能とを1チップのリセットIC101内に収めることができるので、これらの機能を複数のチップで実現する形態に比べて、部品実装面積を縮小できる。
【0042】
図2は、第1実施形態の半導体集積回路の動作例を示すタイミングチャートである。第1検出回路10は、第1入力端子VS1の電圧Vs1が上昇し判定電圧VTHU1に比べて高くなると、第1信号V1をアサートからネゲートに切り替える。第1検出回路10は、電圧Vs1が低下し判定電圧VTHD1に比べて低くなると、第1信号V1をネゲートからアサートに切り替える。一方、第2検出回路20は、第1入力端子VS1の電圧Vs1が上昇し判定電圧VTHU2に比べて高くなると、第2信号V2をネゲートからアサートに切り替える。第2検出回路20は、電圧Vs1が低下し判定電圧VTHD2に比べて低くなると、第2信号V2をアサートからネゲートに切り替える。
【0043】
これにより、リセットIC101は、電圧Vs1が上昇し判定電圧VTHU1よりも高くなると、第1出力端子OUT1からの第1リセット信号S1の出力を解除するので、第1出力端子OUT1から出力される信号は、ローレベルからハイレベルに切り替わる。リセットIC101は、電圧Vs1が更に上昇し判定電圧VTHU2よりも高くなると、第1出力端子OUT1から第1リセット信号S1を出力するので、第1出力端子OUT1から出力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。リセットIC101は、電圧Vs1が低下し判定電圧VTHD2よりも低くなると、第1出力端子OUT1からの第1リセット信号S1の出力を解除するので、第1出力端子OUT1から出力される信号は、ローレベルからハイレベルに切り替わる。リセットIC101は、電圧Vs1が更に低下し判定電圧VTHD1よりも低くなると、第1出力端子OUT1から第1リセット信号S1を出力するので、第1出力端子OUT1から出力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。
【0044】
なお、判定電圧VTHD1は、上記の第1閾値TH1に相当し、第1レベルの一例である。判定電圧VTHU2は、上記の第2閾値TH2に相当し、第1レベルよりも高い第2レベルの一例である。判定電圧VTHU1は、第1レベルよりも高く第2レベルよりも低い第3レベルの一例である。判定電圧VTHD2は、第3レベルよりも高く第2レベルよりも低い第4レベルの一例である。
【0045】
一方、第2検出回路20は、第2入力端子VS2の電圧Vs2が上昇し判定電圧VTHU3に比べて高くなると、第2信号V2をアサートからネゲートに切り替える。第2検出回路20は、電圧Vs2が低下し判定電圧VTHD3に比べて低くなると、第2信号V2をネゲートからアサートに切り替える。
【0046】
これにより、リセットIC101は、電圧Vs2が上昇し判定電圧VTHU3よりも高くなると、第2出力端子OUT2からの第2リセット信号S2の出力を解除するので、第2出力端子OUT2から出力される信号は、ローレベルからハイレベルに切り替わる。リセットIC101は、電圧Vs2が低下し判定電圧VTHD3よりも低くなると、第2出力端子OUT2から第2リセット信号S2を出力するので、第2出力端子OUT2から出力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。判定電圧VTHU3は、判定電圧VTHD3よりも高く設定されている。
【0047】
図3は、第1実施形態の半導体集積回路の内部回路の一例を示す図である。図3は、リセットIC101の内部回路の一例を示す。リセットIC101は、第1検出回路10、第2検出回路20、第3検出回路30、第1出力回路40及び第2出力回路50を備える。
【0048】
第1検出回路10及び第2検出回路20は、第1入力端子VS1の電圧Vs1を監視する。リセットIC101は、グランド端子GNDにアノードが接続され第1入力端子VS1にカソードが接続されたダイオード68を有する。ダイオード68は、負の電圧Vs1をダイオード68の順方向電圧によりクランプするので、リセットIC101を負の電圧Vs1の入力から保護する。ダイオード68は、第1検出回路10及び第2検出回路20に共用されるので、リセットIC101の小型化とコスト削減が可能となる。
【0049】
第3検出回路30は、第2入力端子VS2の電圧Vs2を監視する。リセットIC101は、グランド端子GNDにアノードが接続され第2入力端子VS2にカソードが接続されたダイオード69を有する。ダイオード69は、負の電圧Vs2をダイオード69の順方向電圧によりクランプするので、リセットIC101を負の電圧Vs2の入力から保護する。
【0050】
第1検出回路10は、第1入力端子VS1の電圧Vs1を監視する。第1検出回路10は、電圧Vs1の電圧低下状態が検出されているとき、第1信号V1をアサートし、この場合、ハイレベルの第1信号V1を出力する。一方、第1検出回路10は、電圧Vs1の電圧低下状態が検出されていないとき、第1信号V1をネゲートし、この場合、ローレベルの第1信号V1を出力する。
【0051】
第1検出回路10は、抵抗分圧回路18(抵抗11,12,13)、コンパレータ17、トランジスタ14及び基準電圧生成回路19(定電流源15及び基準電圧源16)を有する。
【0052】
抵抗分圧回路18は、第1入力端子VS1の電圧Vs1を監視する監視回路である。抵抗分圧回路18は、抵抗11と抵抗12と抵抗13との直列回路であって、グランド端子GNDと第1入力端子VS1との間に接続される。抵抗分圧回路18は、抵抗11と抵抗12との接続点から、電圧Vs1を分圧した検出電圧Vs11を出力する。つまり、検出電圧Vs11は、電圧Vs1に対応した値である。
【0053】
抵抗分圧回路18は、コンパレータ17の出力電圧(第1信号V1)がローレベルのときには、トランジスタ14がオフなので、抵抗11と抵抗12,13とにより電圧Vs1を分圧した検出電圧Vs11を出力する。抵抗分圧回路18は、コンパレータ17の出力電圧(第1信号V1)がハイレベルのときには、トランジスタ14がオンなので、抵抗11と抵抗12とにより電圧Vs1を分圧した検出電圧Vs11を出力する。これにより、抵抗分圧回路18により生成される検出電圧Vs11と基準電圧生成回路19により生成される基準電圧VREFとの大小比較にヒステリシス(=判定電圧VTHU1-判定電圧VTHD1)を持たせることができる。
【0054】
コンパレータ17は、検出電圧Vs11と基準電圧VREFとを大小比較し、その比較結果に応じた第1信号V1を出力する。基準電圧VREFは、電源電圧Vddが基準電圧生成回路19によって降圧変換されて生成された一定の電圧値である。基準電圧VREFは、コンパレータ17の非反転入力端子に入力され、検出電圧Vs11は、コンパレータ17の反転入力端子に入力される。コンパレータ17は、検出電圧Vs11が基準電圧VREFよりも低いとき、ハイレベルの第1信号V1を出力し、検出電圧Vs11が基準電圧VREFよりも高いとき、ローレベルの第1信号V1を出力する。
【0055】
基準電圧生成回路19は、例えば、定電流源15から流れる定電流を基準電圧源16に流すことによって、電源電圧Vddよりも低い一定の基準電圧VREFを生成する。定電流源15は、例えば、ドレインが電源電圧Vddに接続され且つゲートとソースとの間がショートされたデプレッション型MOSFETによって構成される。基準電圧源16は、例えば、ダイオード接続されたデプレッション型MOSFETによって構成される。
【0056】
第2検出回路20は、第1入力端子VS1の電圧Vs1を監視する。第2検出回路20は、電圧Vs1の電圧上昇状態が検出されているとき、第2信号V2をアサートし、この場合、ローレベルの第2信号V2を出力する。一方、第2検出回路20は、電圧Vs1の電圧上昇状態が検出されていないとき、第2信号V2をネゲートし、この場合、ハイレベルの第2信号V2を出力する。
【0057】
第2検出回路20は、抵抗分圧回路28(抵抗21,22,23)、コンパレータ27、トランジスタ24及び基準電圧生成回路29(定電流源25及び基準電圧源26)を有する。第2検出回路20は、第1検出回路10と同一の構成を有する。
【0058】
抵抗分圧回路28は、第1入力端子VS1の電圧Vs1を監視する監視回路である。抵抗分圧回路18は、抵抗21と抵抗22と抵抗23との直列回路であって、グランド端子GNDと第1入力端子VS1との間に接続される。抵抗分圧回路28は、抵抗21と抵抗22との接続点から、電圧Vs1を分圧した検出電圧Vs12を出力する。つまり、検出電圧Vs12は、電圧Vs1に対応した値である。
【0059】
抵抗分圧回路28は、コンパレータ27の出力電圧(第2信号V2)がローレベルのときには、トランジスタ24がオフなので、抵抗21と抵抗22,23とにより電圧Vs1を分圧した検出電圧Vs12を出力する。抵抗分圧回路28は、コンパレータ27の出力電圧(第2信号V2)がハイレベルのときには、トランジスタ24がオンなので、抵抗21と抵抗22とにより電圧Vs1を分圧した検出電圧Vs12を出力する。これにより、抵抗分圧回路28により生成される検出電圧Vs12と基準電圧生成回路29により生成される基準電圧VREFとの大小比較にヒステリシス(=判定電圧VTHU2-判定電圧VTHD2)を持たせることができる。
【0060】
コンパレータ27は、検出電圧Vs12と基準電圧VREFとを大小比較し、その比較結果に応じた第2信号V2を出力する。基準電圧VREFは、電源電圧Vddが基準電圧生成回路29によって降圧変換されて生成された一定の電圧値である。基準電圧VREFは、コンパレータ27の非反転入力端子に入力され、検出電圧Vs12は、コンパレータ27の反転入力端子に入力される。コンパレータ27は、検出電圧Vs12が基準電圧VREFよりも低いとき、ハイレベルの第2信号V2を出力し、検出電圧Vs12が基準電圧VREFよりも高いとき、ローレベルの第2信号V2を出力する。
【0061】
基準電圧生成回路29は、例えば、定電流源25から流れる定電流を基準電圧源26に流すことによって、電源電圧Vddよりも低い一定の基準電圧VREFを生成する。定電流源25は、例えば、ドレインが電源電圧Vddに接続され且つゲートとソースとの間がショートされたデプレッション型MOSFETによって構成される。基準電圧源26は、例えば、ダイオード接続されたデプレッション型MOSFETによって構成される。
【0062】
第3検出回路30は、第2入力端子VS2の電圧Vs2を監視する。第3検出回路30は、電圧Vs2の電圧低下状態が検出されているとき、第3信号V3をアサートし、この場合、ハイレベルの第3信号V3を出力する。一方、第3検出回路30は、電圧Vs2の電圧低下状態が検出されていないとき、第3信号V3をネゲートし、この場合、ローレベルの第3信号V3を出力する。
【0063】
第3検出回路30は、抵抗分圧回路38(抵抗31,32,33)、コンパレータ37、トランジスタ34及び基準電圧生成回路39(定電流源35及び基準電圧源36)を有する。第3検出回路30は、第1検出回路10と同一の構成及び機能を有するので、その説明は、第1検出回路10についての上述の説明を援用することで、省略する。
【0064】
第1出力回路40は、第1信号V1及び第2信号V2の各論理レベルを監視する。第1出力回路40は、論理回路41及び出力段42を有する。論理回路41は、第1信号V1の論理を反転させた信号を出力する反転回路46と、反転回路46の出力信号(第1信号V1の論理反転信号)と第2信号V2との否定論理積である出力信号G1を出力する否定論理積回路45とを有する。出力段42は、出力信号G1が入力されるトランジスタ43と、トランジスタ43に並列に接続されたダイオード44とを有する。
【0065】
したがって、第1出力回路40は、第1信号V1がハイレベルかつ第2信号V2がハイレベルのとき、電圧Vs1の電圧低下状態が検出されているとして、出力信号G1をハイレベルとする。これにより、トランジスタ43はオンし、第1出力端子OUT1からローレベルの信号が出力される(第1リセット信号S1が出力される)。第1出力回路40は、第1信号V1がローレベルかつ第2信号V2がローレベルのとき、電圧Vs1の電圧上昇状態が検出されているとして、出力信号G1をハイレベルとする。これにより、トランジスタ43はオンし、第1出力端子OUT1からローレベルの信号が出力される(第1リセット信号S1が出力される)。第1出力回路40は、第1信号V1がローレベルかつ第2信号V2がハイレベルのとき、電圧Vs1の電圧正常状態が検出されているとして、出力信号G1をローレベルとする。これにより、トランジスタ43はオフし、第1出力端子OUT1からハイレベルの信号が出力される(第1リセット信号S1が解除される)。
【0066】
第2出力回路50は、第3信号V3の論理レベルを監視する。第2出力回路50は、論理回路51及び出力段52を有する。論理回路51は、第3信号V3の論理を反転させた信号を出力する反転回路55と、反転回路55の出力信号(第3信号V3の論理反転信号)の論理を反転させた出力信号G2を出力する反転回路56とを有する。出力段52は、出力信号G2が入力されるトランジスタ53と、トランジスタ53に並列に接続されたダイオード54とを有する。
【0067】
したがって、第2出力回路50は、第3信号V3がハイレベルのとき、電圧Vs2の電圧低下状態が検出されているとして、出力信号G2をハイレベルとする。これにより、トランジスタ53はオンし、第2出力端子OUT2からローレベルの信号が出力される(第2リセット信号S2が出力される)。第2出力回路50は、第3信号V3がローレベルのとき、電圧Vs2の電圧正常状態が検出されているとして、出力信号G2をローレベルとする。これにより、トランジスタ53はオフし、第2出力端子OUT2からハイレベルの信号が出力される(第2リセット信号S2が解除される)。
【0068】
図4は、第2実施形態の半導体集積回路を備える電子機器の一構成例を示す図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成、作用又は効果についての説明は、上述の説明を援用することで、省略する。図4に示す電子機器202は、リセットIC102を備える。リセットIC102は、第2実施形態の半導体集積回路の一例である。第2実施形態のリセットIC102は、出力段42,52がCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)出力形式である点で、第1実施形態のリセットIC101と相違する。出力段42,52は、電源端子VDDとグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧Vddで動作する。
【0069】
出力段42は、CMOS出力形式で第1リセット信号S1を出力するトランジスタ43,47を有する。出力段42は、トランジスタ43,47を相補的に組み合わせたインバータ回路を有する。出力段42をCMOS出力形式とすることで、抵抗素子65(図1参照)を削除でき、トランジスタ43のオン状態で抵抗素子65を介してトランジスタ43に流れる消費電流を削減できる。
【0070】
出力段52は、CMOS出力形式で第2リセット信号S2を出力するトランジスタ53,57を有する。出力段52は、トランジスタ53,57を相補的に組み合わせたインバータ回路を有する。出力段52をCMOS出力形式とすることで、抵抗素子66(図1参照)を削除でき、トランジスタ53のオン状態で抵抗素子66を介してトランジスタ53に流れる消費電流を削減できる。
【0071】
図5は、第3実施形態の半導体集積回路を備える電子機器の一構成例を示す図である。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成、作用又は効果についての説明は、上述の説明を援用することで、省略する。図4に示す電子機器203は、リセットIC103を備える。リセットIC103は、第3実施形態の半導体集積回路の一例である。第3実施形態のリセットIC103は、電源端子VDDが第1入力端子VS1と共通化された点(電源端子VDDが削除された点)で、第1実施形態のリセットIC101と相違する。
【0072】
電源端子VDDが第1入力端子VS1と共通化されことで、リセットICに必要な端子数を削減できる。また、電源端子VDDが第1入力端子VS1と共通化されことで、余った端子を使ってリセットICの機能拡張が可能となる。
【0073】
第1検出回路10、第2検出回路20及び第3検出回路30は、第1入力端子VS1とグランド端子GNDとの間に印加される電源電圧(この場合、電圧Vs1)によって動作する。例えば図3において、コンパレータ17,27,37、基準電圧生成回路19,29,39及び論理回路41,51は、電圧Vs1によって動作する。
【0074】
図6は、半導体集積回路のピン配置の第1例を示す図である。図7は、半導体集積回路のピン配置の第2例を示す図である。図6及び図7は、6端子のSOT(Small Outline Transistor)のパッケージ80で覆われたリセットICを平面視で模式的に示す図である。パッケージ80は、互いに対向する二つの側面81,82を有する。端子1,2,3は、側面81に設けられた外部接続端子である。端子4,5,6は、側面82に設けられた外部接続端子である。
【0075】
図6の場合、第1入力端子VS1は端子1に、電源端子VDDは端子2に、第2入力端子VS2は端子3に、第2出力端子OUT2は端子4に、グランド端子GNDは端子5に、第1出力端子OUT1は端子6に、配置されている。
【0076】
図7の場合、第2入力端子VS2は端子1に、第2出力端子OUT2は端子2に、第1入力端子VS1は端子3に、電源端子VDDは端子4に、グランド端子GNDは端子5に、第1入力端子OUT1は端子6に、配置されている。
【0077】
一般的に、ICをセット基板に実装した後、ピンの配置によっては、異物(ハンダ、塵、または水滴など)による隣接端子間のショートや、ウィスカ(金属表面に金属単結晶が自然成長する現象)によるショートなどで、ICへのダメージが起こることが多い。図6及び図7のピン配置では、第1入力端子VS1及び第2入力端子VS2は、グランド端子GNDと隣接しない。これにより、第1入力端子VS1とグランド端子GNDとの間のショート、及び、第2入力端子VS2とグランド端子GNDとの間のショートが起こりにくい。よって、それらの端子間がデッドショートする可能性を最小限に低減できる。
【0078】
また、図6のピン配置では、12ボルトの電圧が入力される第1入力端子VS1と、3.3ボルトの電圧が入力される電源端子VDDが隣接している。仮に、これらの両端子が隣接ピン間ショートを起こした場合、3.3ボルトで駆動する電子回路70に12ボルトの過電圧が印加されることが考えられる。同様に、12ボルトの電圧が入力される第2入力端子VS2と、3.3ボルトの電圧が入力される電源端子VDDが隣接している。仮に、これらの両端子が隣接ピン間ショートを起こした場合、3.3ボルトで駆動する電子回路70に12ボルトの過電圧が印加されることが考えられる。
【0079】
図7のピン配置では、電源端子VDDは、側面82に設けられているので、側面81に設けられている第1入力端子VS1及び第2入力端子VS2と隣接しない。これにより、電源端子VDDと第1入力端子VS1との間のショート、及び、電源端子VDDと第2入力端子VS2との間のショートが起こりにくい。よって、電子回路70に過電圧が印加される可能性を最小限に低減できる。
【0080】
なお、パッケージ80の種類は、SOTに限られない。パッケージ80は、SIP(Single In-line Package)やDIP(Dual In-line Package)などの挿入実装用パッケージでもよい。パッケージ80は、SOP(Small Outline Package)やSON(Small Outline Non-leaded package)などの表面実装用パッケージでもよい。
【0081】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
例えば、本開示の内容を適用可能な半導体集積回路は、リセットICに限られず、電源ICなどの他の半導体集積回路でもよい。
【0083】
また、電子機器を起動させるための起動信号を伝送する信号線は、アクセサリ信号を伝送するアクセサリ電源ラインに代えて、イグニッション信号を伝送するイグニッション電源ラインでもよい。
【0084】
また、電子機器は、車両用の機器に限られず、車両以外の用途の他の電子機器でもよい。第1電源ライン61及び第2電源ライン62は、バッテリ電源系及びアクセサリ電源系の電源ラインに限られず、複数の異なる電源ラインであればよい。例えば、第1電源ライン61及び第2電源ライン62のうち、一方を5ボルト系の電源ラインとし、他方を3.3ボルト系の電源ラインとしてもよい。
【0085】
また、第1リセット信号S1と第2リセット信号S2は、ローアクティブとローアクティブの組み合わせに限られず、ローアクティブとハイアクティブの組み合わせ、ハイアクティブとローアクティブの組み合わせ、ハイアクティブとハイアクティブの組み合わせでもよい。第1出力回路40及び第2出力回路50の出力形式は、適宜、変更されてよい。
【0086】
また、本開示の内容は、2チャンネルの電圧を監視する半導体集積回路に限られず、3チャンネル以上の電圧を監視する半導体集積回路に適用されてもよい。
【0087】
また、本開示の内容を適用可能な半導体集積回路は、第2入力端子VS2の電圧上昇(詳細には、過電圧)を検出する第4検出回路を更に備えてもよい。第4検出回路の構成は、第2検出回路20と同様でよい。
【符号の説明】
【0088】
1,2,3,4,5,6 端子
10 第1検出回路
20 第2検出回路
30 第3検出回路
40 第1出力回路
41 論理回路
42 出力段
50 第2出力回路
51 論理回路
52 出力段
60 レギュレータ
61 第1電源ライン
62 第2電源ライン
63 バッテリ電源ライン
64 アクセサリ電源ライン
67 第3電源ライン
68,69 ダイオード
70 電子回路
80 パッケージ
81,82 側面
101,102,103 半導体集積回路
201,202,203 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7